小説作品一覧
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-自意識過剰で、しょっちゅう何かに苛立ちながら生きる青年、毛利豹一。高利貸と再婚して女中のように扱われる母を哀れに思うが、どうにもならない。旧制高校に入るがみごと落第、恋愛もうまくゆかず、中退して見習い新聞記者に。ついには喫茶店のウェイトレスに対して、「こんなことでは駄目だぞ! よし、百数えるうちに、この女の手をいきなり掴むのだぞ」と悲壮な決心をする始末。たまたま元映画女優多鶴子と付き合い「食客」となって、周囲の人々にもまれもまれてゆくうちに「自尊心」の呪縛を脱する。成長してゆく青年の姿をユーモラスに痛快無比に描いた青春小説の傑作。著者の最初の長編小説でもあった。
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-【青春の結館】 男女の自由な付き合い、その時期はあまりにもの短い。大抵は男の収入問題で、純粋で楽 しい青春の幕引きの時期が嫌でもやってくる。この物語は京都祇園祭から始まり、主人公 一郎はこの祇園祭の日会った老人から京文化、茶席での作法、趣向などの教養を教わる。 ある日の茶席で、突然指名された一郎が和歌の力を発揮する。その席に居た令嬢も歌で思いを返す。そして令嬢と心が通じ合い、付き合うようになる。一郎にはこのようなハイク ラスの家柄の令嬢との付き合いには辛い過去がある。また同じ結果になるのではないかと 悩む。物語全体に平安の世界を漂わせ、現在と平安を区別できにくいシーンも入れた。一 郎自身平安の世は好きな世界なのだ。物語の最後に平安の世の山荘で一郎と姫の生活も入 れ、身分、家柄なども普通では叶えられないことを青春のおとぎ話のように締めくくった。 作者は平安時代の恋物語を書いて見たがったが、当時の世の中の生活知識が足りないため、 現代の中に混同してみた。 【冷やし襟巻き】 故郷や何処の町をとっても変わり果て、通信手段も変わり過ぎました。便利になったもの の、果たして本当に文化は進歩したのだろうか、そして町に出ても食堂や本屋などもなく なったのは寂しい。故郷もバスはなくなったし、近くで買い物ができた万屋もなくなり、 全国的に地方は人口も減り、日本は衰退の道を歩んでいます。 作者は昭和40年~暫くの間を思い出し、思い出綴りの気持ちで執筆しましたが、かなり 経験した真実を書いたつもりです。振り返ってみて、当時も貧しかったが、楽しい会社生 活だったと思います。又人々は科学から目を背け、働かなくなった。この世の中の変わり ようについては【後書き】に力を入れ、日本の将来に付いて危惧している心を書きました。
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-百歩譲ってこれが青春だとしても、 断じて暴走ではない。 「俺あ、必死だよ」。主人公・美治のその言葉に偽りはない。 大人から見れば単なる暴走族にしか見えない集団の リーダーにあたる男には、一定の行動基準がある。 世間におもねることなく、四輪で、二輪で走る行為を楽しむこと。 同時に、アウトローを気取らないこと。 実際彼には、職場があり、家族がいて、フィアンセがいる。 そして自らの生命の危機に隣接した時でさえ、社会の側が 走る行為を封殺しようとする、その糸口を見事に絶つ。 自ら「青春」などと呼ぶことはない。 ただそれを、他に何と名付けたらいいのか、わからないだけなのだ。 【著者】 片岡義男:1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。
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-風見京子、鳥羽ヤス子ら、3人の女子高生は、瀬戸内の島のお寺に勉強合宿へ。そこで、浜でキャンプをしていた医大生の汐見、寺田、矢部と知り合うことになる。京子は汐見に恋心を抱くのだが、父親が怪我をしたとの連絡が入り、しぶしぶ戻ることに……。若い男女の嫉妬うずまく中、大人たちの事情も絡んでいき……。新藤恵美の主演により映画化されている作品。
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-鼻の奥がツンとする爽快青春小説!登場。 琵琶湖畔を舞台とする高校3年生5人のバンドを巡る熱く切ないひと夏の物語。舞台は2001年ごろの琵琶湖を望む滋賀県長浜市。京都に近いが北陸にも近いという微妙な田舎町。主人公は地元の名門校に通う高校3年生男子。大学受験の大事な夏休みに、地元のヤンキー農業高校生に脅されて学園祭出演バンドを作ることに。ほかのメンバーは医学部志望とアイドル好きの同級生。そして演奏曲としてきまったのはなぜか「さだまさし」? ピアノが巧みな不良美少女への思いも高まる。数々の困難を乗り越え、果たしてバンドは舞台に立てるのか。思いもしなかった高校最後の夏が始まる。……。 地方の名門高校生を取り巻く旧態依然とした教師たちへのアンチテーゼを織り込みながら、大人となった彼らのそれぞれの人生も描く。
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-10分で読めるシリーズとは、読書をしたいが忙しくて時間がない人のために、10分で読める範囲の文量で「役立つ」「わかりやすい」「おもしろい」を基本コンセプトに多くの個性あふれる作家様に執筆いただいたものです。自己啓発、問題解決、気分転換、他の読書の箸休め、スキルアップ、ストレス解消、いろいろなシチュエーションでご利用いただけます。是非、お試しください。 まえがき 日本の夏には「顔」がある。 ラジオ体操に虫取り、プールで泳いだり、花火をしたり。 だけど、それは永遠にあるものじゃない。永遠に感じられる物でもない。 子供の時こそ当たり前だったそれは、大人になってもそばにあるのだろうか。 ……なんて、そんな難しいこと、子供の彼らには、まだわからなかったのだ。
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-■内容紹介 1970年、福島の男子校に通う村上圭二。好きで男子校を選んだわけではなく、この時代は福島では男子校と女子校に分けられるのは当たり前だった。ある日、女子校放送部から、圭二が在籍する新聞部を取材したいと申し込まれ、部内は興奮の坩堝と化した。しかも部員には全男子高生人気No.1の石田沙織がいるではないか――。この頃学生運動はすでにピークを過ぎていたものの、地方都市ではまだ衰えていなかった。たいていはその影響を受けて、教師や親に対して「造反有理」といつもは威勢がよい男子校生たちだったが、さすがに夢見る乙女の女子高生たちを前にすると全くもってさっぱりだった。彼女たちの強さに到底敵うわけがなく、いつもメッタ切りにされていた。女子高生にも時代の波にも揉まれながら、ちょっぴり大人になる17歳の、もやもやした1年を描いた青春小説。 ■著者紹介 大鳥 研二(おおとり けんじ) 1953年福島盆地内で誕生。世界で一番美しい風景は、快晴の朝日を正面から浴びて輝く吾妻連峰だと思いながら育つ。敬香保育園、福島市立第一小学校、伊達中学校、県立福島高校を経て、福島大学卒業後は宮城県在住。趣味は、松島マラソンに毎年出場することと吾妻連峰の鎌沼周辺の散策。
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4.1夢の諦め方は、誰も教えてくれない 「雇止め」という冷たい現実を前に、研究を愛するポスドクが下した決断とは――。 青春小説家が描く、青春の終(しま)い方。 社会に横たわる痛切な苦みを描く、著者の新境地。 瀬川朝彦、35歳。無給のポスト・ドクターである。学生時代に魅了された 古事記の研究に青春を賭してきたが、教授職など夢のまた夢。 契約期間の限られた講師として大学間を渡り歩く不安定な毎日だ。 古事記への愛は変わらないが、今や講師の座すら危うく、 研究を続けるべきかの煩悶が続いている。 そんな折、ゼミ時代の先輩が大学の貴重な資料を持ったまま 行方不明になってしまうという事件が。 45歳の高齢ポスドク”となっていた先輩は、講師の職も失い、 なかばホームレス状態だったという。先輩は資料を「盗んだ」のか? 自らの意志で「失踪」したのか? そして、朝彦の下した将来への決断は?
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-=============== 謎解きは清少納言におまかせ! 「お葉の医心帖」の著者が贈る 渾身の平安ミステリー! =============== 宮中にいたころから 「勘働き」に定評のあった清少納言。 今は宮仕えを辞し、 東山月輪の小さな邸で暮らしている。 ある日、陰陽師の安倍吉平が 訪ねてきた。 怪事件の謎を解くために 知恵を貸してほしいという。 青い目の生首の正体、 女房が遺した真似歌の真意……。 調べを進めるうちに、 話題の「源氏物語」と 事件が呼応していることが判明する。 名探偵、清少納言が陰陽師を相棒に 難題に挑む平安ミステリー!
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-盲目の医師がショックという精神外傷を「心」というメスで治す 視力を冒かされた内科医師・唐沢善之は、一度は死を思ったが、友人医師の強い励ましで医業を続行する。「精神外科医」として新たにスタートを切った唐沢は、身体の不調を訴えながらも何も異常のない患者に対して優しく接し、カウンセリングを施す。そして、背後に潜む精神的な傷を見つけ出し、懸命に「心のメス」を振るうのだった…。 医師と患者の心の触れ合いを描く、ヒューマニティー溢れる医学小説。 ●山崎光夫(やまざき・みつお) 1947年福井市生まれ。作家。早稲田大学教育学部卒業。テレビ番組の構成、雑誌記者などを経て、1985年「安楽処方箋」で小説現代新人賞を受賞、同年短編「サイレント・サウスポー」で直木賞候補、1986年「詐病」「ジェンナーの遺言」が連続して直木賞候補となる。1998年『藪の中の家 芥川自死の謎を解く』で新田次郎文学賞受賞。医学を題材にした作品が多い。
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-この痛みを何と呼んだらいいのか? 「流産」というテーマを克明かつ赤裸々に描いた傑作小説。 このままならない身体とのつきあい方を、誰も教えてくれない。トイレの個室で不安をひとり抱きしめているひとがいる。そこで何が起こっているか、あなたは本当に知っているだろうか。────────永井玲衣(哲学研究者/『水中の哲学者たち』) この痛みを何と呼んだらいいのか? 「流産」というテーマを克明かつ赤裸々に描いた傑作小説。 不安定な地位にある大学非常勤講師のドロシーは、図書館のトイレで出血を確認する。流産したことを親友にも母親にも打ち明けることはできない。大学で講義し、セラピーに通い、産婦人科を訪れるが、どこにいても何をしていても世界から認めてもらえない気がしてしまう。3月の終わりからの1ヶ月半、予測不能なキャリアのなかで、自分の身体に起きた「流産」という不可解な出来事と知性によってなんとか折り合いをつけていく。 「TIME」年間トップテン・フィクション(2021年)選出! 【目次】 三月の終わり その翌日 五日後 数週間後 翌週の土曜の夜 十日後 日本の読者への手紙 訳者解説 【著者】 クリスティン・スモールウッド 2014年にコロンビア大学で英文学の博士号を取得し、これまで5本の短編小説をThe Paris Review、n+1、Vice などの文芸誌で発表している。また数多くの書評やエッセイをThe New Yorker、Bookforum、The New York Times Magazine、Harper’s Magazine 等に寄稿する批評家でもある。現在、ブルックリンに夫と二人の息子と住んでいる。 佐藤直子 東京都内の大学で非常勤講師として英語を教えている。現代アメリカ小説における「偶然性」のテーマに関心がある。
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4.0二人の魅力的な女性。どちらも秘密があり―― ロボサムはまぎれもないスリラーの達人だ!/スティーヴン・キング絶賛! 2018年オーストラリア年間最優秀小説賞受賞作! 英国推理作家協会ゴールド・ダガー賞受賞作家! スーパーマーケットで働くアガサは本当の父親を知らず、15歳のときに既婚者に騙されて妊娠し、生まれた子供とは引き離された。一度結婚したものの死産したことで夫婦仲は悪化し、離婚してしまう。今は恋人との子を妊娠中だが、妊娠を知った恋人は離れていった。一方のメグはキャリア、高収入の夫、二人の子供に恵まれ、三人目を妊娠中だ。偶然知り合ったアガサとメグは出産時期が近いことから仲よくなるが、この出会いがそれぞれの人生を変えていき……二人の女性の数奇な運命を描く戦慄のスリラー! 原題:The Secrets She Keeps
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3.4社会派ミステリー作家が放つ問題作。 “ポリティカル・コレクトネス”をコンセプトにした警察小説の依頼を受けた、新人作家・ハマナコがたどり着く境地とは……!? 表題作「政治的に正しい警察小説」ほか、偶然通りかかったカレーショップで、生き別れた母の思い出の味に再会した大学生の僕とその“隠し味”をめぐる「カレーの女神様」、25歳の若さで亡くなった“史上最強の棋士”紅藤清司郎の没後20年にあたり、彼の軌跡を取材したライターがたどりつく真相を描く「神を殺した男」など。驚愕と感嘆にあふれた全6編を収録。『ロスト・ケア』『絶叫』など社会派ミステリーの新鋭が放つ、ブラックユーモアミステリー集が文庫オリジナルで登場。
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3.5蝶の羽ばたき、彼方の梢のそよぎ、草むらを這うトカゲの気配。カールは、そのすべてが聞こえるほど鋭敏な聴覚を持って生まれた。あらゆる音は耳に突き刺さる騒音になり、赤ん坊のカールを苦しめる。息子の特異さに気づいた両親は、彼を地下室で育てることにした。やがて9歳になった彼に、決定的な変化が訪れる。母親の入水をきっかけに、彼は死という「静寂」こそが安らぎであると確信する。そして、自分の手で、誰かに死を贈ることもできるのだと。――この世界にとってあまりにも異質な存在になってしまった、純粋で奇妙な殺人者の生涯を描く研ぎ澄まされた傑作!
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3.5
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4.1ホーフハイム刑事警察署の管轄内で、犬の散歩中の女性が射殺された。ライフル銃で80メートルの距離から正確に頭部を狙撃されたのだ。翌日、森の縁に建つ邸宅のキッチンで、女性が窓の外から頭を撃たれて死亡。数日後には、若い男性が心臓を撃ち抜かれて殺害された。被害者たちはいずれも他人に恨まれるタイプではなく、動機に結びつくような共通点もわからない。そして警察署に“仕置き人”と名乗る謎の人物から死亡告知が届く。犯人の目的は? 被害者たちの見えない繋がり(ミッシング・リンク)とは? 刑事オリヴァーとピアが未曾有の連続狙撃殺人事件に挑む!/解説=北上次郎
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-病床六尺、これが我世界である。しかもこの六尺の病床が余には広過ぎるのである。正岡子規「病牀六尺」より 病床で執筆した子規の晩年に自分事を重ねる著者の第一句集。北大路翼氏の屍派や、毎週web句会などのネット句会の入選句を含む280句を収録。 序文 津野利行 跋文 北大路翼 表紙 脇野あや 【著者自選句】 竿竹の限りに干せる日永かな 夏座敷超合金が払ふ邪気 一方通行の花屋薔薇を売る 首一つ開けたる窓や梅雨に入る 新生姜漬ける会社へ就職す 波の来る遺書を見直す誤字脱字 被災地の天皇陛下着ぶくれる 山法師重き図鑑の返却日 病棟の消灯時間聖樹消ゆ 悴む手よりスマホ決済の音 【目次】 序文 銀春 床夏 杪秋 冬厨 跋文 略歴 【著者】 菊池洋勝 先天性筋ジストロフィー。人工呼吸器を着け在宅療養しながら認定NPO法人とちぎボランティアネットワーク( @tochigivnet )「とちコミSDGs通信」に風刺画を連載している。正岡子規にリスペクトし俳句を続ける。「屍派」アウトロー俳句(河出書房新社)に収載。 #屍派 #鬣の会 #東京荒野 #里 #HaikuNFT
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4.5どうして、わたしなんかを選んだの? 行き場もなく夜の街をさまよっていた家出少女チル。ある夜、路地裏に突如降ってきた黄金の髪を持つ美しい男。その口が発したのは――「うまれかわりを、のぞまれますか?」「我が王よ」 かくして、チルは異世界に取り込まれる。破れたマントを胸に抱えて迷い込んだのは、かつて豊かな織物の国と呼ばれた動乱の国リスターン。 一度はすべてを諦めた無力な少女は、荒廃した国を救い、王となり得るのか。少女文学の旗手が贈る、ドラマチックロマンファンタジー。 『ミミズクと夜の王』から17年。こんな紅玉いづきを、待っていた!!
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-デウス天理教団の海外伝道尼僧・風間登代が、サンフランシスコS街の路上で、黒人に襲われた。登代は薄れゆく意識の中で、黒い腕にかわって白く輝く球体のようなものを認めた。〈ああ……聖なるお方が、わたしの前にあらわれている……〉登代はこの事件で妊娠してしまった。「私は大司教の御子を身籠った」と口走り、今夜も私のもとにいらっしゃると言う。登代を訪れる謎の男とは何者なのか? ……という女の業を描く表題作の他に、「黄色い吸血鬼」「蟻の声」「V定期便」「赤い的」「猫パーティ」「最後の一切れ」「蜘蛛の糸」の7編を収録。
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3.4これが、人生の罰ゲーム。 葉山の別荘で結婚パーティーの最中、カリスマブロガーの月村珠里亜が倒れ、昏睡状態に。心理カウンセラーの麻乃紀和は、死んだ息子を陥れた珠里亜に復讐を果たすべく、彼女の身辺を調べ始める。 そんな折、四谷の超高級マンションで発見された8体の惨殺死体。珠里亜の過去を追う紀和が辿り着いたのは、17年前に六本木のマンションで8人の子供たちが監禁された“モンキャット事件”だった。事件の鍵を握る人物として浮上したのは、“オザワ”という名の謎の女で―― 取材する記者は皆“消される”というモンキャット事件の真相とは!? マルキ・ド・サドの禁書『美徳の不幸』にオマージュを捧げ、現代に蘇らせた超絶イヤミス!! ※この作品は単行本版『聖女か悪女』として配信されていた作品の文庫本版です。
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-重低音を響かせるのは日本とイタリアの歴史。江戸から明治維新で格式を誇っていた碧小路家には宿本陣という役目はなくなった。しかし広大な屋敷は歴然と存在していた。第一次世界大戦で植民地を得られなかったイタリアは、再建を図るムッソリーニの元でファシズムに傾倒していく。二つの国の歴史のうねりに巻き込まれるヒロイン、碧小路美和。 華麗なるメロディを奏でるのはオペラ「蝶々夫人」「ワルキューレ」など。台詞が主人公・歌姫・美和の運命に呪いをかけて行く。歌詞が全編に配される。 勿論主題は登場人物の愛情劇。男と女、父と娘、母と娘、友情等が絡み合って足掻いてもあがいても運命に流されていく。子が親を慕う強い愛が全てを安らぎの世界に導く。 最期を彩るのは装飾音のようにきらめく美しい景色、碧小路家の広大な屋敷、ムッソリーニが威信をかけたて改築したミラノの大駅舎の建造。リビアの廃墟となった教会での闇夜の結婚式、スイス等36章に渡るそれぞれのシーンは人間の過酷な運命に引き換えてあまりに美しい。 物語は淡々と静かに語られていく。時にはメルヘンチックに、時にはシニカルに。オペラを知っている方にはメロディが響き渡り、知らなかった方には言葉が美しく響くだろう。
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-女神様から聖女に指名され、魔王討伐の旅に出ていたフェリシア。ところが王都に凱旋したら、婚約者の王子には新しい許婚が!? 財産を取り上げられ、王都からも大神殿からも追放されてしまう。怒りに震えるフェリシアは決意する――次の聖女が生み出されないよう、清いまま長生きしてみせると! 「小説家になろう」で好評のまま完結した「聖女は拳を掲げる!~人生、笑ったモン勝ち!~」を大幅な改稿を加え、ついに刊行!