検索結果

  • P+D BOOKS 桜島・狂い凧
    値引きあり
    -
    1巻577円 (税込)
    戦争を冷徹な目で見つめた梅崎春生の出世作。 「ねえ、死ぬのね。どうやって死ぬの。よう。教えてよ。どんな死に方をするの」  米軍上陸が迫るなか、桜島の海軍通信基地に異動になった村上兵曹は、一夜をともにした女性に、そう詰められる。しかし、どういう死に方をすればいいのか、そのときになってみなければわからない。ただ、死が目前に迫っていることをひしひしと感じるだけだった。  生きることへの執着と諦観、どうせなら美しく死にたいという願望と、それはかなわないだろうという無力感……。背反する思いを抱えたまま散歩に出た村上に、グラマンの銃弾が降り注ぐ――。  出世作「桜島」に、戦地で自死同然に亡くなった弟の足跡を、双子の兄たちがたどっていく芸術選奨作「狂い凧」を併録。
  • P+D BOOKS ベトナム報道
    値引きあり
    -
    1巻577円 (税込)
    一特派員がたどり着いたベトナム戦争の真実。  すでにAPの記者たちが打った電報のカスを、まるで残飯を恵んでもらうような調子で拝読させてもらう自分の姿が、私には全然気に入らなかった。(中略)心の中で固く決心した――彼らの世話になんかなるものか、おれはおれの情報源と判断で対等に仕事をしてみせる。(本文より)  新聞記者として戦地に赴任した著者は、特約を結んでいるアメリカの通信社からの情報や、ベトナム政府の公式発表、米軍のブリーフィングなどを鵜呑みにするのではなく、自分の足で開拓したニュースソースや自身の臭覚などを頼りに、ベトナム戦争の“真実”に迫ろうとする。  のちに芥川賞を受賞する作者の、原点ともいえる作品。
  • P+D BOOKS 但馬太郎治伝
    値引きあり
    -
    1巻577円 (税込)
    獅子文六が描くバロン薩摩の伝記風小説。  一代で巨万の富を築いた“木綿王”薩摩治兵衛の孫・治郎八。イギリス・オックスフォード大学に留学後、フランスへ渡った治郎八は、実家の資産を背景にパリの社交界で勇名を轟かせ、「バロン薩摩」の異名をとる。  そんなことはつゆも知らない著者・獅子文六は、フランス外遊の際、知り合いのツテでパリの日本学生会館に投宿するが、そこは治郎八が出資した施設だった。さらに帰国後に転居した先も、2軒続けて治郎八ゆかりの住居。著者はただならぬ因縁を感じるが、ふたりがようやく邂逅したのは、治郎八の最晩年だった――。  そんなバロン薩摩をモデルに、獅子文六が見事に仕上げたユーモアとロマンあふれる秀作。
  • タスキメシ
    値引きあり
    4.0
    1~2巻577~739円 (税込)
    駅伝×料理、ベストセラー小説待望の文庫化。  陸上の名門高校で長距離選手として将来を期待されていた高3の眞家早馬(まいえそうま)は、右膝の骨折という大けがを負いリハビリ中。そんな折、調理実習部の都と出会い料理に没頭する。一学年下で同じ陸上部員の弟・春馬、陸上部部長で親友の助川、ライバル校の藤宮らは早馬が戻ってくることを切実に待っている。しかし、そんな彼らの気持ちを裏切って、心に傷を抱えた早馬は競技からの引退を宣言する。それぞれの熱い思いが交錯する駅伝大会がスタートする。 そのゴールの先に待っているものとは……。  高校駅伝、箱根駅伝の臨場感溢れる描写とともに、箱根駅伝を夢見て長距離走に青春を捧げる陸上青年それぞれの思いと生き様が熱く描かれる。青年達の挫折、友情、兄弟愛……。熱い涙、しょっぱい涙、苦い涙、甘い涙が読む者の心を満たします。  読後は爽快感と希望に溢れる熱血スポーツ小説です。
  • P+D BOOKS せきれい
    値引きあり
    -
    1巻577円 (税込)
    ピアノの音色に乗せて庄野ワールドが展開。 「函館みやげ」「せきれい」「胚芽パン」「ハーモニカ」「玄関の花」「夏の思い出」……。晩年を迎えた作者夫婦の日常を、テンポよく場面を転換しながら綴る日記エッセイ風長編小説。  ピアノのレッスンに通う作者の妻がブルグミュラーの練習曲「せきれい」に手間取っていること、お土産にもらった缶のカレーがおいしかったこと、作者が毎晩吹いているハーモニカの話、庭に埋めた肥料を猫が掘り起こして食べようとしていたので懲らしめようと思ったが逃げられたこと、子どもや孫たちとの交流などなど、きわめてささやかな話題が、庄野作品らしい温かいタッチで丹念に描かれる。
  • P+D BOOKS 好きな女の胸飾り
    値引きあり
    -
    1巻577円 (税込)
    若き妻と大学生をあえて近づける屈折した夫。 「森男を蒔子に近づける。……二人は現在でも抑制しつつ愛し合っている。その抑制を或る程度外してやれば、二人は近接し、密着し、融けあうだろう。」  学生の岩永森男は、父の代から杉原産業の庇護を受けており、当主・康方とは親戚同然の間柄だった。しかし森男は、康方の若い妻・蒔子が気になって仕方がない。蒔子も森男を憎からず思っているらしい。  一方で蒔子は、康方の先妻の存在に心を痛めていた。そこで康方は、蒔子を苦しめた自分への罰として、森男と蒔子の接近を甘受しようとする……。  屈折し倒錯した三人の心理劇を見事に描き切った、第20回野間文芸賞受賞作品。
  • 風の向こうへ駆け抜けろ2 蒼のファンファーレ
    値引きあり
    4.6
    ドラマ化決定の大ヒット競馬小説、第2弾! 女性騎手・芦原瑞穂と弱小厩舎のメンバーを描いた爽快スポーツエンタメ小説の続編が、待望の文庫化。 舞台は再び、「藻屑の漂流先」と揶揄され、廃業寸前だった緑川厩舎。瑞穂の真摯な姿勢と情熱でメンバーが一つになり、G1桜花賞に挑戦、惨敗した翌年。今度は、中央デビュー戦で勝利した超良血馬ティエレンが緑川厩舎にやってきた。馬主はマスメディアでも有名な風水師のワン。何もかも謎めいている彼は、風水で緑川厩舎に白羽の矢を立てたと言い、厩舎を立て直すきっかけとなった魚目の馬、フィッシュアイズとの勝負を望んでいた。その狙いとは……。  奇しくもワンが告げた通りに、ティエレンとフィッシュアイズはレースで争うことに。ティエレンには瑞穂が、フィッシュアイズには中央の女性騎手、冴香が騎乗することになるのだが、冴香は、実は、調教師光司のかつての恋人だった……。 恋人との再会に心が揺れる光司。光司への思いを自覚し戸惑う瑞穂。自分を捨てた母との関係に揺れる誠……。様々な思いが交錯する中、緑川厩舎のメンバー達の新たな挑戦が始まる……。  巻末掲載の、ドラマ『風の向こうへ駆け抜けろ』主要キャストのインタビューも見逃せません。 (底本 2021年12月発行作品)
  • P+D BOOKS 遠い地平・劉廣福
    値引きあり
    -
    1巻577円 (税込)
    著者の青春の軌跡を辿る短編集。 「遠き地平」は、老境を迎えた著者が、ふとした拍子に思い出す若き日の一シーンを、臨場感たっぷりに描いた自伝的連作小説。 樺太で経験した“強制労働”、思想容疑者として満州に逃避行した話、満州での会社員生活、出征中に妻子が戦災で亡くなったことなど、いずれも味わい深い9篇の短編で構成されている。 また、満州で働いた経験から書かれた「劉広福」は、出征先の中国で芥川賞受賞の知らせを受けた秀作で、周囲から馬鹿にされていた一人の満州人が奇跡を起こす痛快な物語。
  • P+D BOOKS 小説陸軍(上)
    値引きあり
    -
    1~2巻577~616円 (税込)
    巨大組織「陸軍」を、ある家族の視点で活写。  幕末、小倉で質屋を営んでいた高木商店の跡取り息子・友之丞は、「異人に、おくにをけがされて、たまるか」という思いで奇兵隊に入隊。隊の「勤王、殉忠報国、攘夷、四民皆兵」という思想に感動し、以来、それが高木家の家風となっていく。  その長男・友彦は陸軍士官学校を経て日露戦争に従軍するものの、病気がちで戦闘には参加できなかったので、息子・伸太郎の陸軍入営には万感の思いを抱いていた――。 『麦と兵隊』など「兵隊3部作」で知られる著者が、自らの軍隊生活と従軍作家としての経験をもとに綴った、ある一家の3代、約70年にわたる壮大な物語。
  • P+D BOOKS 達磨町七番地
    値引きあり
    -
    1巻577円 (税込)
    “ユーモア小説の大家”獅子文六の初期作品。  パリの片隅に日本人留学生の集まるアパート「達磨館」があった。そのヌシ的存在である松岡範平は国粋主義的人物で、隣の部屋に住む中上川亘は国際主義者。範平に義理がある中上川は波風立てないようにしているが、自分の考えを押しつけようとする範平には辟易していた。  そんなある日、中上川が川に身を投げようとしていた若いフランス人女性を助けてきて同棲を始めてしまう。夜な夜な漏れてくる甘美な物音に、範平の怒りは頂点に達するが――。  1920年代にパリに留学した経験から書かれた「達磨町七番地」のほか、映画化もされた2人の若者の悲喜劇「青空部隊」、デパートの女性店員たちの恋愛模様を描いた「青春売場日記」など、戦前に書かれた5作品を収録。
  • 死にたい、ですか
    値引きあり
    3.3
    自死遺族の苦悩と葛藤をリアルに描く衝撃作。  人見由愛の兄・典洋が高校でのいじめに耐えられず、自ら命を絶ってから4年後の家族の物語。由愛は高校3年。兄の心の声に気づけなかった自分を責めながらも、親友の三葉に救われながら前向きに生きている。母親の伊代は今も息子の死を受け入れられず、無念をはらそうと裁判を起こす。家庭も仕事もうまくいかない父親はアルコールに依存。家族は崩壊寸前だった。  一方、伊代からの依頼で典洋の裁判を取材することになった新聞記者・大同要もまた、自身のトラウマと葛藤し、カウンセリングに通う日々。記者として裁判を傍聴するうち、次第に人見一家に深入りしていく。そして由愛のまっすぐな生き方に、要のかたくなな心も動き始める。  裁判では、典洋をいじめた首謀者の同級生、当時の担任、顧問、かつては典洋の親友でもあった由愛の初恋相手の翔が、証言台に立っていく。誰一人いじめを認めないまま淡々と続く裁判。このままでは何一つ変わらない、私たち家族が沈んでいくだけ、と悟った由愛は、ある重大な決意をするが……。  文庫化にあたり、お笑いタレントの白鳥久美子氏が巻末解説を特別寄稿。いじめを経験したからこその視点で物語を読み解く。 ※この作品は単行本版として配信されていた作品の文庫本版です。
  • キャラクター
    値引きあり
    3.7
    菅田将暉主演映画を原案者自らノベライズ!  漫画家デビューを目指してアシスタント生活を長く続ける山城圭吾は、ある日、「誰が見ても幸せそうな家」のスケッチを頼まれる。前から気になっていたその家を訪れると、暗闇の中から大音響でオペラが流れていた。家の玄関ドアが開き、手招きに促されるようにして家のなかに入ると、そこには殺害された家族四人の姿があった。 「ぼくの顔、見た? 見ちゃったよね」  第一発見者となった山城は、その現場でひとりの人物を目にしていた。  やがて、彼はその事件をモデルにした漫画でデビューする。家族四人殺害事件も続いていた。
  • 花舞う里
    値引きあり
    4.5
    心の居場所を探す少年の伝承と再生の物語。  親友が事故で亡くなったのは自分のせい、と自らを責め、心を閉ざしてしまった中学2年の杉本潤。母と一緒に、東京から逃げるように母の故郷の愛知県奥三河・澄川へと引っ越す。そこはコンビニもファストフードの店もないど田舎だが、700年の歴史を持つ「花祭り」という神事、伝統芸能が根付く山深い地域だった。 奥三河にある10を超す集落が各々に伝わる「花祭り」を大切に守っているが、どこも少子化と過疎化の問題は深刻。潤の新たなクラスメイトもたったの3人で、潤の転入によって久しぶりに集落の中学生だけで少年の舞である「三つ舞」ができると皆が期待する。しかし、人との関わりを極力避けたい潤には煩わしさしかない。  “親友を失った自分が、「神」に捧げる神楽だなんて――”。 祭りへの参加を拒否する潤。だが次第に、周囲の人々の心にも巣食う悩みや悲しみ、この世の不条理さを知るようになる。 守るべき伝統と、受け入れざるを得ない変化。少年の心の成長と、「今」を懸命に生きる人々を描く、美しくて愛おしい再生の物語。 解説は中江有里。
  • 祇園「よし屋」の女医者
    値引きあり
    4.0
    文化5年京都祇園、お茶屋の娘が病を治す! 「うち、先生のお手伝いをしとおす。人助けのために生きとおす」 現役の精神科医である著者による、さわやかな医療時代小説! 文化5年(1808)、京都は祇園末吉町で50年以上続くお茶屋「よし屋」の一人娘・月江は、舞妓として日々芸事の修業に勤しんでいた。 この年16歳を迎える月江は、母親の跡を継いで「よし屋」の女将になることを望まれていたが、新年早々、常連である御幸町の医師・小島源斎がよし屋を訪れ、月江を預かって女医者にしたいと申し出る。 源斎の言いように最初は腹を立てた母親だったが、月江の思いを汲んで、源斎の手伝いを許してくれる。 月江は当初、能筆であること、書物に通じていることから医学書の筆写を任された。だが、やがて癲狂を患う生糸問屋の娘・小雪の治療を手伝うことになって‥‥。 医師らしい江戸時代の医療の知識のほか、当時の祇園花街の風俗が丹念に描き込まれた、読後さわやかなエンターテインメント時代小説。 『釣りバカ日誌』原作・やまさき十三氏、推薦! 「今世紀精神医学界の巨星アンリ・エーの翻訳家でもある異才が、古都を舞台に小説(フィクション)を書いた。」
  • 大番 上
    値引きあり
    4.0
    1~2巻577円 (税込)
    ギューちゃん復活!株屋が舞台の痛快小説! 愛媛の貧しい農家に生まれた丑之助は、富豪の令嬢・可奈子に手渡した“ガリ版刷りラブ・レター”事件をきっかけに、十八歳で家を飛び出し東京に向かう。昭和初期の日本橋、たまたま住み込んだ小さな株屋で小僧として働くうち、株の面白さに目覚めた丑之助は、独り立ちを決意、愛嬌のある性格と持ち前のカンので、相場師の道を突き進む!  不恰好な体つきに強い田舎なまり。そのうえ金好きで女好き。だけど、どこか憎めない“ギューちゃん”が、カブト町を舞台に大活躍する、ど根性サクセス・ストーリー。  書評家・北上次郎がオススメする名作シリーズ第二弾!
  • P+D BOOKS サムライの末裔
    値引きあり
    -
    運命に翻弄される占領下の日本人たち。 1945年8月、広島と長崎に原爆が投下され、その直後に迎えた敗戦。GHQ占領下の卑屈な統治時代を、市井の人たちがどのように生き抜いたのか、ある海軍中将一家の目線で描く。 未亡人となり家財総てを失った中将夫人、米軍人に求婚される長女、原爆被害で恋人と離ればなれになってしまった長男、その長男を想いながらも米兵に身をゆだねてしまう恋人……。 戦勝国・アメリカを呪いながら、その助けなしには生きていけない日本人の哀切と、それでも新時代に向けて歩みを始める強さを、心の奥底を揺さぶる独特な筆致で綴った秀作。
  • ツタよ、ツタ
    値引きあり
    5.0
    直木賞作家が描く「幻の女流作家」の運命! 明治の後期に、沖縄の士族の家に生まれたツタ。父親の事業の失敗によって、暮らしは貧しくなり、父親が亡くなったことで母と二人きりの暮らしになった。しかし、女学校の友人・キヨ子の家で音楽や文学に触れるうち、「書くこと」に目覚める。 雑誌の短歌欄へ投稿を始め、千紗子という筆名に出会い、自分の裡にあるものを言葉にし始めた。窮屈な世界から自分を解き放つ術を得たツタは、やがて「作家として立つ」と誓う。 高校卒業後の教員としての仕事、異国での結婚、愛する我が子との別れ、思いがけない恋愛――さまざまな経験を経て、ツタはとうとう作家としてデビューする機会を得た。昭和七年、婦人雑誌に投稿した短編小説が意外な形で評価されたのだ。 ところが、待ち受けていたのは、思いもよらない抗議だった……。 『渦 妹背山婦女庭訓 魂結び』で直木賞を受賞した著者が、実在した「幻の女流作家」と呼ばれるひとりの女性の数奇な運命を描く。
  • 小学館ジュニア文庫 謎解きはディナーのあとで
    値引きあり
    5.0
    毒舌執事×令嬢刑事コンビの大人気ミステリ。  国立署の新米刑事、宝生麗子は世界的に有名な「宝生グループ」のお嬢様。「風祭モータース」の御曹司である風祭警部の下で、数々の事件に奮闘中だ。  大豪邸に帰ると、地味なパンツスーツからドレスに着替えてディナーを楽しむ麗子だが、難解な事件にぶちあたるたびに、その一部始終を相談する相手は“執事兼運転手”の影山。  「お嬢様の目は節穴でございますか?」――暴言すれすれの毒舌で麗子の推理力のなさを指摘しつつも、影山は鮮やかに事件の謎を解き明かしていく。  「殺人現場では靴をお脱ぎください」他、全6編を収録。  2011年本屋大賞第1位、同年ベストセラー第1位、大人気の国民的ミステリが、ついにジュニア文庫に登場! 小学生にも大人気な作品が、さらに読みやすくなりました。
  • 愛国商売
    値引きあり
    4.0
    気鋭の若手評論家の初小説! 南部照一は、孤独な自営業者だった。茨城県取手市在住。猫と車を愛する27歳の平坦な人生は、ネット上のとある出会いによって狂っていく。 ひょんなことから保守系言論人の勉強会に参加し、中堅警備会社「シュトケイ」の懸賞論文に応募するや、入選。一躍、保守論壇の新星に祭り上げられ、日本唯一の右派系テレビ局「よもぎチャンネル」レギュラー出演者への道が拓けていく。 順風満帆の照一だったが、彼が足を踏み入れたのは、野心と嫉妬が渦巻き、裏切りや出し抜きが横行する下劣な世界だった。論客同士のパイの奪い合いから、思いも寄らぬ襲撃事件が発生した――。 ◎気鋭の若手論客、古谷経衡氏による初小説。単行本発売時、ネット右翼を騒然とさせた話題作が早くも文庫化! 解説に元外務省主任分析官・佐藤優氏。 <小説の体裁を取っているが、右派の論壇人としてデビューした古谷経衡氏にしか書けない優れた社会人類学的作品だ。21世紀の日本で、愛国心を道具にして、排外主義的ナショナリズムが生成していく過程が見事に描かれている。>――解説/作家・佐藤優氏
  • P+D BOOKS 津田梅子
    値引きあり
    -
    新五千円札「津田梅子」の傑作評伝。 日本の女子教育の近代化に生涯を捧げ、新五千円札の肖像画にも選定された津田梅子。 ある日、梅子が創設した津田塾大学(女子英学塾)の倉庫から、おびただしい数の手紙が発見される。それは梅子と、留学先の里親アデリン・ランマンとの往復書簡の束であった。 完全にアメリカナイズされた梅子と日本文化とのギャップ、開明的な政治家・伊藤博文一家との交流、女子教育にかける熱意などが生々しく記された手紙の真意を、同じく津田塾大学出身の著者が自らの渡米経験も踏まえて読み解いていく。 第42回読売文学賞(評論・伝記賞)を受賞した傑作評伝。
  • 百年の快楽
    値引きあり
    5.0
    人生百年時代の最先端を生きる女性達を活写。 『快楽』『炎情』などで更年期女性の生き方をルポしてきたノンフィクション作家・工藤美代子が、いくつになっても幸せをさがして懸命に生きる女性たちを活写――  人生百年をどう生きて行くか。かつてない命題に私たちは直面している。長年連れ添ったパートナーと今後も過ごすのか、そのパートナーが亡くなったらどうするのか。ひとりで生きる? 再婚するにはどうしたらいい? お墓はどうする? さらに、どんどん手軽になり多くの人が利用するようになっている美容整形の最前線や、年齢を重ねた時に大きな悩みとなる性交痛、介護や経済的な問題まで、女性が後半生を迎えたときの不安と恍惚に、著者がとことん向き合った。新しい一歩を踏み出す勇気を与えてくれるノンフィクション。   <熟年離婚という言葉が流行ったのは、十年以上も昔だった。あれは、独身に戻って人生をリセットしたい女性たちの選択肢として注目されたのだ。(中略)しかし人生百年時代を迎えて、そうした風潮は微妙に変わりつつある。世間体や経済的な安定、あるいは家族に縛られるよりも、もっと自分の願望に忠実でありたい。自由に生きたいと望む女性が確実に増えている。>
  • ごめんなさいといえる
    値引きあり
    3.0
    許し、許されることの意味を教えてくれる。  名作『氷点』の、朝日新聞一千万円懸賞小説入選から五十年を記念して編まれたエッセイ集の文庫化。第一章には、応募にいたる経緯や、新聞連載中の読者からの反響、自身が行った講演の模様など、『氷点』にまつわる文章を収録。新聞連載中に発表されたものもあり、当時の作者の息遣いが伝わってくるようである。また、二人三脚で作品を作りだしてきた夫・光世氏の当時の日記を公開。さらにその日記について行われた特別インタビューを通して、執筆時の二人の生活ぶり、入選までの様子など、名作誕生のエピソードを伝える。  第二章には、『積木の箱』『泥流地帯』など他の作品への思い、療養中に出会った短歌との関わり、支えてくれた忘れ得ぬ人たちのことを綴ったものを収めている。キリスト者であり、作家である三浦綾子を形作ってきた多くの物事が、愛すべきものとして浮かび上がる。 「私はね、人間って『ごめんなさい』と神様にも人にもいえる。自分が許してもらわなければならない存在だと知ることが大切だと思うの」  人間誰しもが持つ弱さ、知らず知らずのうちに犯してしまっている罪。許し、許されることの意味をそっと教えてくれる、優しさに満ちた一冊。
  • P+D BOOKS 帰去来 ~太宰治私小説集~
    値引きあり
    -
    1巻577円 (税込)
    旧家に生まれた“暗い宿命”を描く私小説集。 名作「富嶽百景」を含む、太宰の私小説で構成したアンソロジー集。 明治42(1909)年6月、太宰治こと津島修治は青森県北津軽郡に誕生、のちに遠く東京にあって望郷の念を募らせていた。 津軽での幼・少年期を“遺書”のつもりで書き綴った処女作「思い出」で文壇デビューを果たし、その後、兄との不和から十年ぶりとなった帰郷を描いた「帰去来」や、母危篤の報を受けての帰郷を描く「故郷」、そして、時局差し迫る中での津軽旅行をまとめた「津軽」と、旧家に生まれた者の暗い宿命を描いている。 解説を同じ東北出身の作家・佐伯一麦氏が特別寄稿。
  • P+D BOOKS ばれてもともと
    値引きあり
    5.0
    人や生き方を独自の視点で描いたエッセイ集。 “昭和最後の無頼派”といわれた色川武大が人生のさまざまな局面で得た人生訓の数々を縦横無尽に綴った最後のエッセイ集。 川上宗薫や深沢七郎、フランシス・ベーコンから井上陽水までもが採り上げられ、ほかに、戦争が残した痛ましい傷痕からあぶり出された人生観や犯罪者に同化する複雑怪奇な心情などが精緻に綴られる。 既成の文学通念に縛られることのなかった著者ならではの直感や洞察、そして卓抜した表現で読む者を色川ワールドに引き込む珠玉の47編!
  • P+D BOOKS 水の都
    値引きあり
    -
    1巻577円 (税込)
    大阪商人の“市井文化と歴史”を描いた秀作。 熟年主人公の「私」は大阪府出身ながら生家は郊外にあり、家庭を持ってからは東京暮らしとあって、大阪の街について、実はよく知らない。そこで「私」は妻の従弟にあたる「悦郎さん」に会い、昔日の大阪を語って貰おうと会いに出かける。 明治・大正・昭和の3代にわたる大阪商人の日常を丹念に聞き取ることで、“水の都”の移り変わりが匂い立つように浮かび上がってくる。淡いファンタジーの如く、さまざまな市井の人々の営みが生き生きと描かれた“第三の新人”庄野潤三の秀作だ。
  • わが心のジェニファー
    値引きあり
    3.6
    浅田次郎が描く米国人青年ニッポン発見の旅。 日本びいきの恋人、ジェニファーから、結婚を承諾する条件として日本へのひとり旅を命じられたアメリカ人青年のラリー。ニューヨーク育ちの彼は、米海軍大将の祖父に厳しく育てられた。太平洋戦争を闘った祖父の口癖は「日本人は油断のならない奴ら」。 日本に着いたとたん、成田空港で温水洗浄便座の洗礼を受け、初めて泊まったカプセルホテルに困惑する。……。慣れない日本で、独特の行動様式に戸惑いながら旅を続けるラリー。様々な出会いと別れのドラマに遭遇し、成長していく。東京、京都、大阪、九州、そして北海道と旅を続ける中、自分の秘密を知ることとなる……。 圧倒的な読み応えと爆笑と感動。浅田次郎文学の新たな金字塔! ※この作品は過去に単行本として配信されていた作品の文庫版となります。
  • 横濱王
    値引きあり
    4.1
    今の日本に、こんなリーダーがほしかった!  昭和13年、青年実業家の瀬田修司は横濱に降り立った。関東大震災から復興した横濱は、ジャズが流れモガ・モボが闊歩する華やかな文化あふれる国際都市。折しも日中戦争が始まり、軍需景気にあやかりたい瀬田は、横濱一の大富豪である原三渓からの出資を得ようと、三渓について調べ始める。  実業家としての三渓は、富岡製糸場のオーナーであり「生糸王」の異名を持っていた。関東大震災では、復興の先頭に立ち私財をなげうって被災者の救済にあたった。また、稀代の数寄者として名を馳せ、茶の湯に通じ、「西の桂離宮、東の三渓園」と言われる名園を築いた文化人。前田青邨や小林古径など、日本画家の育成を支援……と、いくら調べても交渉材料となるような醜聞は見つからず、瀬田は苛立つ。  やがて「電力王」として知られる実業家、松永安左ヱ門に会った瀬田は、松永の仲介で三渓に会うことが叶う。  三渓園の茶室を訪れた瀬田は、そこで原三渓と話を交わしたことで、少しずつ考えを変えていく。  実は少年時代、瀬田には三渓にまつわる忘れ得ぬ記憶があった……。 ※この作品は過去に単行本版として配信されていた『横濱王』の文庫版となります。
  • 極夜の警官~NIGHTBLIND~
    値引きあり
    -
    極北の警官「アリ=ソウル」シリーズ第2弾。 アイスランド最北の小さな町・シグルフィヨルズル。1年のうち2か月は太陽が山に隠され、日が昇ることがない。 その季節が間近となったある日、郊外の空き家で警察署長が銃撃され、瀕死の重傷を負った。 アリ=ソウルはその日、当直の予定だったが、インフルエンザで休んでいた。撃たれた署長にいくばくかの負い目を感じながら、アリ=ソウルは捜査を始める。 やがて、事件にドラッグと政治家が絡んでいる可能性が見えてきた。市長や副市長への聞き込みを進めるが、そのことがマスコミに漏れ、さらなる悲劇を招く。 一方、事件現場となった空き家には、50年以上前から忌わしい歴史があったことが明らかになるのだが。 極夜の町に連綿と続く負の連鎖――アリ=ソウルは事件を解決できるのか。 世界14カ国で翻訳、英国ではドラマ化が進むベストセラー「警官アリ=ソウル」シリーズ第2弾、満を持しての登場!
  • P+D BOOKS 青い山脈
    値引きあり
    -
    主題歌と共に色あせない青春小説の金字塔。 戦後まもない1947年に新聞小説として連載され人気沸騰。その後、いちやく大ベストセラーとなった青春小説の代名詞ともいえる作品。 元々、高校教師であった筆者・石坂洋次郎が、東北地方の私立女子高校を舞台に、戦前の暗くじめじめした封建性を打破し、民主的な社会の実現を目指す人々の姿を爽やかに描きあげ、新風を巻き起こした。 幾度も映画化され、作品発表から70年余を経た現在でもまったく色あせない瑞々しい傑作である。
  • 溺れる月
    値引きあり
    3.5
    乱歩賞作家、戦慄のランニングミステリー! 平凡な公園ランナーであるインテリア会社「ワンダーケース」の社長・高木雅弘は、所属するランニングサークルの仲間たちと行なっている「レース」にハマっていた。 ある日、高木のもとに「明日のレースには負けなさい。さもなければ、ひとが死にます」と書かれた一通の郵便が届く。そして翌日、高木がレースに勝つと、さっきまで走っていた公園内で本当に男の死体が発見される。しかもその男は大学時代の同級生だった――。 これは偶然なのか、それとも……。 走れば走るほど、日常は壊れ、運命は狂っていく――。 江戸川乱歩賞作家が放つ、戦慄のランニングミステリー!
  • P+D BOOKS 三匹の蟹
    値引きあり
    5.0
    乾いた筆致で描くある主婦の“孤独と倦怠”。 異国に暮らす由梨は、夫と自分双方の浮気相手が集うホームパーティーに参加する気になれず、ひとりで外出してしまう。 遊園地の民芸館で知り合ったアメリカ男に誘われ、海辺のドライブについて行き、そこで男は、赤いネオンが点滅している宿「三匹の蟹」へ行こうと誘うのだった。 果てしない存在の孤独感、そして愛の倦怠が引き起こす生の崩壊を乾いた筆致で描き出した「三匹の蟹」は第59回芥川賞を受賞。「三匹の蟹」以前に執筆された日本人女性留学者の青春への決別を描いた連作「構図のない絵」、「虹と浮橋」も併録。
  • モナ・リザ・ウイルス 上
    値引きあり
    3.0
    『ダ・ヴィンチ・コード』に連なる傑作! 「よき『モナ・リザ』が悪しき『モナ・リザ』に永遠に取って代わられなければならない」(本文より) ドイツ・ミステリーの新機軸となる、傑作エンタテインメント登場! (上巻あらすじ) ボストンに住む神経美学者ヘレンは、ある日、見知らぬ男からの電話を取った。 その男、パトリック・ワイズは、自分の父親が失踪し、それにヘレンの娘が関与している可能性があると言う。 離れて住む娘が行方不明になっていると知り、ヘレンは手がかりを求めワルシャワにあるワイズ邸へ飛んだ。 同じ頃、メキシコの高級リゾート・アカプルコでは、ミス・アメリカの候補者全員が行方不明になる事件が発生。 FBI捜査官ミルナーが現地に向かう。 さらに同じ頃、ブラジルや中国でミツバチが大量死し始める。 原因は、ウイルスか? ミツバチがいなくなれば食糧供給は瞬く間に崩壊し、人類は飢餓に襲われる。 ワイズの父親の部屋でヘレンが見たのは、壁に貼られた娘の写真と、モニター上の緑の数列と文字列――コンピューターウイルスだった。 そのウイルスは「人類の生活の基盤を破壊する」と、パトリックは言った。 世界各地で同時多発的に起きる一連の事件に、果たして関連はあるのか、ないのか。 21世紀とルネサンス、ヨーロッパとアメリカ、時間と空間を往き来する、空前の「美」のミステリー!!
  • P+D BOOKS 花筐(はなかたみ)
    値引きあり
    5.0
    1巻577円 (税込)
    大林宣彦監督が映画化した檀一雄の原作小説。 『火宅の人』でその名を全国に知らしめた“最後の無頼派文士”檀一雄。その処女作品集に収められた表題作「花筐」は、十代の大学予備校生たちの愛と友情を瑞々しく描いた青春の記念碑ともいえる一作。 病魔と闘いながら大林宣彦監督が自身で脚本を書きあげ、撮影にのぞんだ映画『花筐』は監督の執念の結実でもある。 ほかに檀一雄自身の南極捕鯨船への乗船体験を元に描いた「ペンギン記」、自伝的な「白雲悠々」「誕生」、そして「元帥」「光る道」等、多面的な魅力の作品集を収録。
  • 小学館ジュニア文庫 世界名作シリーズ 赤毛のアン 上
    値引きあり
    -
    いちばん読みやすいアン〈ノーカット版〉。 カナダのプリンス・エドワード島で暮らす兄妹マシューとマリラは、 農場の仕事を手伝ってくれる男の子を引き取ることにしました。 ところが、やってきたのは、 赤い髪の毛をした11歳の女の子、アン・シャーリー。 一度はアンを孤児院に送り返そうとしたマリラですが、 アンのおしゃべりを聞いているうちに気持ちが変わってきて……。 大まじめに行動しているのに、 なぜか「わが人生最悪の悲劇」ばかりが訪れてしまうアンの毎日。 親友がほしい! おしゃれなワンピースを着たい!! 100年前もいまも女の子の願いはみんな同じです。 【小学校高学年以上対象】 ※この作品は底本と同じクオリティのイラストが収録されています。
  • P+D BOOKS 夢の浮橋
    値引きあり
    -
    若い男女とその両親たちの“夫婦交換遊戯”。 大学で知り合い愛し合うようになった一組の若い男女。だが、期せずして自分たちの両親が、夫婦交換遊戯を長年にわたって続けてきたことに気づいてしまう。 結婚を夢見る男女と、一方で両親たちが繰り広げる艶麗な恋愛譚を通じ、生涯“物語文学”を追求し続けた倉橋由美子が、古代神話、源氏物語等の系譜を織り込んだ意欲作。倉橋文学後期を代表する「桂子さんシリーズ」の第一弾である。解説は倉橋文学研究の第一人者である古屋美登里氏。
  • P+D BOOKS 前途
    値引きあり
    3.0
    1巻577円 (税込)
    学徒出陣が目前の九大生を描いた自伝的作品。 太平洋戦争の最中、昭和18年、九州大学に通う文学青年たちには深い交わりがあった。 文学的揺籃期における恩師・伊東静雄(詩人)から受けた薫陶、そして、学生仲間(島尾敏雄がモデルの小高、森道男がモデルの室、林富士馬がモデルの木谷)との交流が描かれている。 遼史を読み、東洋史の学問にも励むが、それ以上に仲間たちと文学を論じ、酒を酌み交わしながら、それぞれの仄暗い“前途”を案じている。 主人公の文学的形成の様を、約1年に渡り、日記スタイルで描いた“第三の新人”の代表的作家・庄野潤三の青春群像作。
  • P+D BOOKS やややのはなし
    値引きあり
    -
    軽妙洒脱に綴った、晩年の短文随筆集。 安岡章太郎、結城昌治、立原正秋、村松友視、森茉莉、澁澤龍彦、色川武大、柴田錬三郎ら作家や知人との交流、子供の頃の邂逅、愛用の粋な小道具、酒や甘味、美人論、身体の不調など還暦前後の身辺を腹蔵なく語っている。 《いささか変った書名をつけてみたが、同じ題名の随筆が、この本の中にある。「ややや」と驚く短い話ばかりを集めてみたものだが、いま読み返してみると、そういう要素を含んだ話がこの本の大部分といえそうだ。》あとがきより。 昭和57年から平成3年までの短文随筆を所収。
  • P+D BOOKS 幼児狩り・蟹
    値引きあり
    3.0
    中年女性の屈折した心理を描く「蟹」他6篇。 外房海岸を舞台に、小学一年生の甥と蟹を探し求めて波打ち際で戯れる中年女性の屈折した心理を描き、第49回芥川賞を受賞した「蟹」。 ほかに、知人の子供や道端で遊ぶ子供に異常な関心を示す、子供のない女性の内面を掘り下げた「幼児狩り」。 夫婦交換による男女の愛の生態を捉えた「夜を往く」、「劇場」など、日常に潜む欺瞞を剥ぎ取り、その“歪んだ愛のカタチ”から、よりリアルな人間性の抽出を試みた、筆者初期の短篇6作を収録。
  • P+D BOOKS 江分利満氏の優雅で華麗な生活 ≪江分利満氏≫ベストセレクション
    値引きあり
    3.0
    1巻577円 (税込)
    “昭和サラリーマン”を描いた名作が甦る! 昭和30年代――ときは正に高度成長期! まだまだ貧しいけれど日々豊かになっていくサラリーマンの悲喜こもごもを描いた山口瞳の出世作『江分利満氏の優雅な生活』、『江分利満氏の華麗な生活』。 本作は作品中にも「庄助」として度々登場する長男・山口正介氏が、その2冊から江分利満氏のベストセレクションを再編した。『江分利満氏の優雅な生活』は第48回直木賞を受賞。巻末には、長男・正介氏の解説も特別収録。
  • P+D BOOKS 春喪祭
    値引きあり
    -
    1巻577円 (税込)
    奈良・長谷寺を舞台にした“妖かしの世界”。 愛する野田涼太郎と初めて結ばれたにも拘わらず、翌日、なぜか吉村深美は姿を消してしまう。 一年後、牡丹で知られる奈良・長谷寺の門前町、初瀬で深美は死体となって発見された。琵琶の撥で手首を切り、琵琶の裏甲には万葉集の恋歌三首が遺されていた。深美の死因を探求すべく初瀬へ向かった涼太郎が見たものは……、いとも妖しげな無明世界だった。 耽美的な幻想文学の秀作「春喪祭」を含む、著者渾身の短篇6作を収録。
  • P+D BOOKS 都心ノ病院ニテ幻覚ヲ見タルコト
    値引きあり
    5.0
    澁澤が最後に描いた“偏愛の世界”随筆集。 少女、鉱物、交友、幻想、書物――1987年夏、咽頭癌が原因で惜しまれつつも帰らぬ人となった澁澤龍彦が、その晩年に表題作だけが定められた一冊のエッセイ集刊行を約していた。 晩年の澁澤のエッセイを元に編まれた、文字通り「最後の著作」には、鬼才が偏愛した世界が珠玉のように散りばめられている。 あとがきとして、妻である澁澤龍子が澁澤の闘病生活と、“最期”の場面を克明に描いており、貴重な記録でもある。
  • 世界でいちばん美しい
    値引きあり
    4.3
    若き天才音楽家せった君の三十年の人生。  雪踏文彦。ひとは、みな、彼のことを親しみを込めて「せった君」と呼ぶ。語り手である作家・島崎哲も、親友である彼をそう呼んだ。小学校ではじめて出会い、いつもどこかぼんやりしているようだったせった君は、幼少期から音楽の英才教育を受けていた島崎が嫉妬してしまうほどの才能を持っていた。  中学、高校と違う学校に通ったふたりは、あまり頻繁に会うこともなくなったが、大きな挫折をしたばかりの島崎を、ある日、偶然、目の前に現れたせった君のことばが救ってくれる。やがて、再び意気投合したふたりは、彼がピアノを弾いている一風変わったパブレストランで行動をともにするようになった。  音楽のことしか、ほとんど考えていないせった君だったが、やがて恋をして、彼がつくる音楽にも変化が見られ始めた。そんなある日、彼らの前に、妙な男がちらつくようになった。彼は、せった君の彼女・小海が以前、付き合っていた男だった。そして、事件は起こった――。
  • あんぽん 孫正義伝
    値引きあり
    4.1
    異端経営者はなぜ生まれたのか。 今から一世紀前。韓国・大邱で食い詰め、命からがら難破船で対馬海峡を渡った一族は、豚の糞尿と密造酒の臭いが充満する佐賀・鳥栖駅前の朝鮮部落に、一人の異端児を産み落とした。 ノンフィクション作家・佐野眞一が、全4回の本人インタビューや、ルーツである朝鮮半島の現地取材によって、うさんくさく、いかがわしく、ずる狡く……時代をひっかき回し続ける男の正体に迫る。 在日三世として生をうけ、泥水をすするような「貧しさ」を体験した孫正義氏はいかにして身を起こしたのか。そして事あるごとに民族差別を受けてきたにも関わらず、なぜ国を愛するようになったのか。そしてなぜ東日本大震災以降、「脱原発」に固執し、成功者となったいま、再び全米の通信業界に喧嘩を売りにいこうとするのか――。飽くなき「経営」の原点が本書で明らかになる。
  • 銀座のカラス 上
    値引きあり
    -
    1~2巻577円 (税込)
    歩むべき道が見つからずもがいている者よ、この本を読め!(作家・宮田珠己) 名著復刊! 伝説の「青春三部作」が現代に甦る!  二十三歳の松尾勇は、デパート業界の新聞や雑誌を発行している小さな会社の新米編集者。会社創業以来の人事異動によって配属された編集部で、『店舗経営月報』という、三十二頁、発行部数八百部という地味な雑誌を作っている。 勤め始めて約一年、会社が新橋から銀座のビルへと引っ越した直後、松尾に大きな転機が訪れる。前任者の突然の退社により、なんといきなり編集長になってしまったのだ! といっても部員は自分ひとりだけ。経験もなければ部下もいない松尾の悪戦苦闘の日々が始まった――。 椎名誠初めての新聞連載小説としても話題を集めた、自伝的青春小説の傑作がついに復刊。
  • ナイチンゲール 上
    値引きあり
    -
    全米を感動で包んだ、大戦下の姉妹の物語! 戦争は内気な姉を勇者に変え、わがままな妹を聖女に変えた。 アメリカ版読書メーター「Goodreads」、2015年ヒストリカル・ノベル第1位! 本文庫発売時におけるアメリカAmazonレビュー数21,500超、★4.8!! 感動のスーパー・ベストセラーが遂に登場します。 第一次大戦に従軍し、心に傷を負った父親は、妻の死後、二人の娘に背を向けた。 姉のヴィアンヌは慰めを求めて十六歳で妊娠、翌年結婚するが流産してしまう。 妹のイザベルは姉にも見捨てられ、寄宿学校に入れられるが、成長とともに反抗的になり学校を転々とする。 やがて第二次大戦が始まり、フランスはドイツに屈服する。ヴィアンヌの住む町にもドイツ軍が侵攻、出征した夫を待つヴィアンヌは、ドイツ軍大尉との同居を強いられる。 一方、寄宿学校を退学させられたイザベルは姉のもとに身を寄せるが、途上ドイツ軍の暴虐を目の当たりにし、怒りに震え、パリのレジスタンス組織を目指す。 娘の命を守るため、屈辱的な仕打ちに耐え続けるヴィアンヌ。イザベルはパリで、暗号名〈ナイチンゲール〉として、連合軍航空兵を国外へ逃亡させる秘密活動を開始する。
  • ゴーン・ガール 上
    値引きあり
    3.9
    NYタイムズベストセラー第1位のミステリ。 ニックは34歳、ニューヨークで雑誌のライターをしていたが、電子書籍の隆盛で仕事を失い、2年前に妻エイミーとともに故郷ミズーリ州の田舎町に帰ってきた。しかし、両親ともに高名な童話作家で、その人気児童文学シリーズのモデルでもあったニューヨーク育ちのエイミーにとって、この田舎町での生活は決して満足するものではなかった。  そんななか、結婚5周年の記念日にエイミーが突如謎の失踪を遂げる。家には争った形跡があり、確かなアリバイのないニックに容疑がかけられる。次々とニックに不利な事実が浮上するなか、彼はみずから妻探しを始めるが、その一方で何かを隠すかのように嘘を重ねるのだった……。  ニックの語る結婚生活と、交互に挿入されるエイミーの日記。夫婦双方の言い分からなるふたつの物語が重なるとき――。大胆な仕掛けと息苦しいほどの緻密さで描写される夫婦のリアルな愛憎劇、やがて浮かび上がる衝撃の真実とは――(2013年6月発表作品)。
  • 小説 サイドライン
    値引きあり
    -
    2015/10/31公開の超特急主演映画『サイドライン』が小説に! ももクロの弟分、超特急の主演映画『サイドライン』をノベライズ化!  超特急メンバーが演じるキャラクターの過去など、映画には描かれていない「サイドストーリー」をふんだんに盛り込んだ、ファン心理にささる一冊。
  • ベッドのおとぎばなし
    値引きあり
    -
    復刊第三弾は、男女の情事を描く傑作短編集。 女友だちとの会食に向かう途中、にわか雨に降られた美也子は、駅前の本屋に駆け込んだ。軒下で雨宿りをしていると、隣に立つ男から声をかけられ、最初の一瞥で自分の好みの男の範疇に入ると見てとるが……(俄か雨――第一夜)。小学校の同窓会、四十代を目前にした男女が日曜のホテルのティーラウンジに集まった。卒業以来、ずっと断わり続けていた彰子だったが、参加する気になったのにはある特別な理由があった(同窓会――第九夜)。プレゼンテーションの準備を終えた夜、多加子は何度か食事を共にした男友だち・阿久津とみに行くことに。阿久津からの情事の誘いを軽くかわし続ける多加子の目の前に、別居中の夫が若い女性と一緒に現れ……(空車待ち――第十七夜)など全34編を収録。時代を超えてスタイリッシュな男女が織り成す情事、大人の女同士が繰り広げる愛憎劇を、流麗な文体で描いた短編集。
  • どん底 部落差別自作自演事件
    値引きあり
    3.7
    前代未聞の部落差別事件の犯人に迫る。 03年12月から09年1月まで、被差別部落出身の福岡県立花町嘱託職員・山岡一郎(仮名)に対し、44通もの差別ハガキが送りつけられた。山岡と部落解放同盟は犯人特定と人権啓発のために行政や警察を巻き込んで運動を展開していったが、09年7月に逮捕された犯人は、被害者であるはずの山岡一郎自身だった。  5年半もの間、山岡は悲劇のヒーローを完全に演じきった。被害者として集会の壇上で涙ながらに差別撲滅と事件解決を訴え、自らハガキの筆跡や文面をパソコンを駆使して詳細に考察し、犯人像を推測していた。関係者は誰も彼の犯行を見抜くことができなかった。  被差別部落出身で解放運動にたずさわる者が、自らを差別的言辞で中傷し、関係者を翻弄したこの事件は、水平社創設以来の部落解放運動を窮地に陥れた。06年の大阪「飛鳥会」事件で痛手を負っていた部落解放同盟は、この自作自演事件で大打撃を被ることになった。  なぜ山岡はハガキを出さざるを得なかったのか--現代の部落差別の構造と山岡の正体に鋭く迫りながら、部落解放同盟が“身内”を追及する前代未聞の糾弾のゆくえを追う。
  • 未だ王化に染はず
    値引きあり
    -
    覆面作家として発表した幻の小説を初電子化。 <ぼくは今、学説を覆すに足る新事実を発見しようとしています。村人は語りませんが、蝦夷からアイヌ民族の出現に至るまでの空白期間を埋める幻の狩猟民族の末裔が、暗火岳に生きているのです。その所在を確かめるために明日暗火岳に向かうつもりです>  友人の私にこのような葉書を送って北海道・知床半島で消息を絶った鴫沢澄夫。大学で考古学を専攻する私は、彼が主宰する北方の狩猟文化をテーマとした研究会にも顔を出していた。姿を消した鴫沢を追って、私は彼に心を寄せていた女性、奈美とともに、北海道に渡る前に出かけていたという新潟の山村へと旅立つ。その地は研究会にも参加していた考古学の権威、環教授がかつて調査に赴いた場所であり、そこで私は鴫沢と環教授の不思議な連関に気づくのだった。
  • 絶望裁判 平成「凶悪事件&異常犯罪」傍聴ファイル
    値引きあり
    3.7
    あなたは彼らにどんな判決を下しますか? 戦慄の犯罪法廷ノンフィクション! 子供を含む7人を抹殺した稀代のシリアルキラーから、魂をも凌辱する連続レイプ魔、女の性が引き起こしたSM刺殺事件まで、陰惨な事件の法廷で明かされた、聞く耳を疑う証言の数々――そこに希望はあるのか? 近年、人々の「体感治安」はますます悪化している。しかし、頻繁に起きる凶悪事件・異常犯罪は、発生当初こそマスコミを賑わすものの、時と共に風化し、その全容が解明されるまで報じられない事件も少なくない。著者は、そうした事件を追って全国各地で傍聴取材を敢行、被告や証人たちの驚くべき言動を記録し続けた……。 『週刊ポスト』の好評連載を収録。今後、裁判員制度の対象となる殺人や傷害致死などの過去の重大事案を中心とした全48事件、戦慄の連続傍聴記。 この作品は、分冊版の以下の内容が全て含まれます。 「絶望裁判1 ~自殺サイト・快楽殺人・死体マニア~」 「絶望裁判2 ~SMプレイ・女通り魔・騒音おばさん~」 「絶望裁判3 ~連続レイプ・実娘強姦・強制わいせつ犯~」 「絶望裁判4 ~拉致・リンチ・虐待~」 「絶望裁判5 ~監禁・偽装・ストーカー~」
  • P+D BOOKS 小説 葛飾北斎 上巻
    値引きあり
    3.0
    北斎の生涯を描いた時代ロマン小説の傑作。  人々の生活を見つめ、大いなる自然を見つめ、その感動を絵にした男・葛飾北斎。妻・お砂との運命的な出会い、写楽、馬琴、蔦屋重三郎らとの交流を通じて画家として人間として成長していく姿を瑞々しいタッチで描く。  上巻では青年期の北斎の画家としての模索期間に、“異才”写楽との友情、そして絵画表現をめぐる議論が展開されていく。  写楽の個性的な言動に対比されて、北斎の青年期の人物像とその成長ぶりが浮かび上がってくる仕掛けが絶妙。  延々と続く絵画表現をめぐる議論が、不思議と退屈しないで読める。物語展開の軸になる人物視点が、北斎と写楽の二人に交互して効果をあげている。  また、北斎や写楽をとりまく女性達の人物造形にふくらみがあり、華やかで生き生きとしていて、江戸の女性の色っぽさも織り交ぜている。 北斎の伝記評伝ではなく、一人の絵描きを主人公にした、時代ロマン小説の傑作。
  • 非合法員
    値引きあり
    4.3
    船戸与一衝撃のデビュー作堂々刊行。 1977年、非合法員として世界を舞台に暗躍する神代恒彦のもとに、メキシコ内務省保安局から1968年に起こった学生反乱の実質的指導者の四人を始末するよう依頼が入る。その見返りとして高額の報酬を受け取るはずだった神代だが、仲間のベトナム人、グエン・タン・ミンの裏切りに遭い、まんまと金を持ち逃げされてしまう。グエンを捜し出し報酬を取り戻そうとするものの、神代の行く手を、何者かが次々と阻んでいく。最初は、全てグエンの仕組んだ罠だと思っていた神代だが、実は、強大な組織が自分の命を狙っていることがわかり・・・・・。神代は、過去にいったい何をしたのか?なぜ命を狙われているのか?最大にして最高のスケールで描く船戸与一処女作。巻末に、著者特別寄稿『デビュウ事情』を掲載。
  • 小説 少年ハリウッド 完全版
    値引きあり
    3.8
    32歳のサラリーマン、アイドルになる!?  本作から15年後の世界がオリジナルストーリーでアニメ化決定! 放送に先駆け、初代少年ハリウッドの物語が完全版となって登場!  かつてアイドルになることを夢見ていた桜木広司、32歳。ごく一般的な生活を送っていた彼が、ある日アイドルグループの新メンバーにならないかとスカウトされる。  外見が幼く見えるため、まさかの17歳だと思われたのだ。抱いた夢を終わらせる為に“柊剛人”として始めた広司のアイドル生活。彼が『少年ハリウッド』に光臨した神「ゴッド」と呼ばれるまでの軌跡に加え、少年ハリウッド結成当初からの初代メンバーが登場するストーリーをコンプリート。
  • 帰還せず -残留日本兵 六〇年目の証言-
    値引きあり
    4.0
    東南アジアで元日本兵が語った祖国と戦争。 戦後60年を経てなお東南アジア各国に残る、日本人元兵士たち。 「どうして故郷へ帰らなかったのですか?」 その問いに古い記憶をたどりながら、ある人はやむなき事情で逃亡兵になったいきさつを、ある人は過酷な戦闘体験で日本と決別した経緯を語った。 タイ、ベトナム、インドネシア・・・・・・。現地に足を運んで聞き出した、14人の証言。しかし本書刊行時点では、そのほとんどが故人となっている。 日本に帰らない選択をし、戦後60年異国で年老いていった人たちの戦争体験を聞くために南へ! 彼らと50ちかく年の離れた著者にとって、「祖国とは何か?」という謎解きの旅であった。 あらためて「日本が海外で戦争することの意味」を考える、一級の資料にして珠玉のノンフィクション。(2014年発表作品)
  • 傭兵の誇り
    値引きあり
    4.0
    命を賭け戦い続ける日本人傭兵の実録体験記。 アフガン、ボスニア、カレン…他国の平和の為に己の命を賭して戦い続ける日本人傭兵の実録体験記。口先だけで平和を語るエセヒューマニストを糺し、戦禍を潜り抜けてきた体験から「戦争」と「平和」の意味を問う! ※【ご注意】この作品には図が含まれており、お使いの端末によっては読みづらい場合がございます。お手持ちの端末で立読みファイルをご確認いただくことをお勧めいたします。
  • 兵士を見よ
    値引きあり
    4.0
    戦闘機パイロットら空自「兵士」の肉声。 選び抜かれた者だけに動かすことが許される戦闘機。軍隊であってはならない自衛隊において、戦闘機乗りの主な任務は、有事に備えての毎日が死と隣り合わせの訓練である。彼らはなぜ空を飛ぶのか。著者自ら戦闘機F15の体験搭乗を行い、さらに航空自衛隊で働くさまざまな隊員たちの声を集めた「兵士」シリーズ第2弾。戦闘機パイロット、整備員、救難パイロット、救出に命を賭けるメディック……。“空”に生きる兵士たちの姿を追う!
  • 心の言葉
    値引きあり
    5.0
    『モデル失格』に続くメッセージ付き・初の写真集。 女性ファッション誌『AneCan』のカバーモデルのみならず、テレビや広告でも活躍する押切もえ。近年は『AneCan』の連載や『AERA』にてコラム執筆も担当し、 2009年に出版した新書『モデル失格』はベストセラーになるなど、老若男女問わず幅広い支持を得ています。 初の単行本は、『モデル失格』に続く力強いメッセージを、撮りおろし写真とともにお送りするメッセージ付きフォトブック。どこを開いても元気になれる前向きな言葉と、『AneCan』誌面では見られない素の表情など、「新しい」押切もえが満載です。 30歳のメモリアルブックともいえるこの本は、同世代の女性はもちろん、これから30歳を迎える人、30歳を一度生きた人…今を本気で生きるすべての人へ送る、鮮烈なメッセージです。 【ご注意】レイアウトの関係で、お使いの端末によっては読みづらい場合がございます。タブレット端末、PCで閲覧することを推奨します。 ※この作品はカラー写真が含まれます。
  • 魅機ちゃん
    値引きあり
    3.0
    お酌ロボット魅機ちゃんの酒と探偵の日々! イカしたお酌ロボット“魅機ちゃん”が大活躍する、ミステリーチックなラブストーリー!! 第16回日本ファンタジーノベル大賞受賞の人気作家・平山瑞穂と人気マンガ家・阿部潤が組んだ、全く新しい小説が誕生!!
  • マザー
    値引きあり
    4.3
    消された記憶と謎の都市伝説に迫るミステリ 彼はこの世界から消されてしまったのかもしれない――。 メジャーデビューを夢見て高校卒業と同時に上京した佐川夏実は、吉祥寺で毎週木曜日にストリートライブをしている。そんな夏実のバラード〈不在証明〉は、彼女のおぼろげな記憶の中にいる彼氏を歌った曲。彼との思い出が断片的によみがえることもあるし、ツーショット写真も手元にある。だが、写真を見ても夏実にはそれが誰なのか名前さえわからず、写真を撮ったときの記憶もなかった。 これは恐ろしく“都市伝説的”な事態だ――。 吉祥寺の恵晟大学で「都市伝説研究会」というサークルを主宰する伊神雄輝は、世の中に流布する数多の“伝説”の真相を究明していた。最近もっぱらの話題は、「イレイザーヘッド」により記憶を消されるという都市伝説だったが、あるとき雄輝の携帯に奇妙なソフトが届く。そのソフトを使えば、誰でも「理想の人物」を生み出すことができるという。 めくるめく展開と謎解きのスリル、そして予測できない結末が待ち受けるミステリ長編。夏実が歌うおぼろげな記憶と、雄輝が追う謎の都市伝説がシンクロし、やがて二人の人生を大きく揺り動かしてゆくとともに、内包された壮大なテーマが明らかに!

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  • クレイジーケンズ マイ・スタンダード
    値引きあり
    4.5
    CKB横山剣の書き下ろし自叙伝を電子化 「東洋一のサウンドマシーン」クレージー・ケンバンドの横山剣が書き下ろした自叙伝が遂に電子化!横浜に生まれ、本牧・横須賀・青山・原宿・ソウル・L.A.パリ・ロンドン…と街の磁場と妖気の中で生きてきた半生を書き尽くす。  「頭の中に勝手にメロディが鳴り始めたのは、小学校低学年の頃。譜面の読み書きができないので、テープレコーダーにアカペラで録音した。具体的にどういう影響で作曲ができるようになったのかはよくわからないが、とにかく脳内に鳴ってたんだ」(HONMOKU GANGSTA)。  「コースアウトしたくてコースアウトするレーサーなどいないように、おれだってドロップアウトしたくてドロップアウトしたわけじゃないんだよ。気づいたら、不良と呼ばれていただけだ」(小児科病棟の窓)。  激高、哀愁、バイク、車に男と女。夢に希望にとめどなく溢れる涙……。熱く哀しく力強い人生がここにある。横山剣が書き尽くした疾風怒濤の1冊。

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  • 万寿子さんの庭
    値引きあり
    3.6
    年齢差を超えた友情を描く、感涙の物語。 「あなたがお隣に引っ越してきてから、わたしの人生はまた乙女時代に戻ったかのような活況を取り戻しました」 竹本京子、20歳。右目の斜視にコンプレックスを抱く彼女が、就職を機に引っ越した先で、変わり者のおばあさん、杉田万寿子(ますこ)に出逢った。 万寿子からさまざまないやがらせを受け、怒り心頭の京子。しかし、このおかしなやりとりを通じて、意外にも2人の間に、友情ともいうべき感情が流れ始めるのだった。 半世紀の年齢差を超えた友情が、互いの人生に影響を与えていく様を温かな筆致で描く感涙の物語。

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  • 蝦夷地別件 上
    値引きあり
    3.5
    アイヌ民族最後の蜂起を描く超大作の第1巻 18世紀末、蝦夷と呼ばれるアイヌ民族は和人の横暴に喘いでいた。蝦夷地での交易権を松前藩から買い取った商人たちによる苛烈な搾取、問答無用の暴力、日常茶飯に繰り返される女たちへの陵辱。アイヌの怒りと悲しみは沸点に達しようとしていた。北の大地から和人を追い払うための戦いを決意した国後の脇長人ツキノエが、密かに手配した鉄砲300挺。120年前に決起した英雄シャクシャインも、和人に負けない武器を持っていたら、戦いに勝利していたはずだった。鉄砲調達の算段は、択捉で出会ったロシア人船長との間でまとまった。しかし、その裏側には、ロシアの地で祖国奪還のために奔走するポーランド貴族マホウスキの策略があった。ロシアの南下政策を阻止すべく、極東に関心を向けさせるための紛争の創出。300挺の鉄砲がその引き金となるはずだった。 一方、和人のあいだでも、老中・松平定信のもと蝦夷地を直轄地にしようと目論む幕府と、権益を死守しようとする松前藩の思惑が入り乱れていた。それぞれの思いを巻き込んで蝦夷地に渦巻く歴史のうねり。アイヌ民族最後の蜂起「国後・目梨の乱」を壮大なスケールで描きだす超大作。

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  • 黄金旅風
    値引きあり
    3.8
    歴史小説の巨人・飯嶋和一が描いた、一級の娯楽巨編。 江戸寛永年間、栄華を誇った海外貿易都市・長崎に二人の大馬鹿者が生まれた。「金屋町の放蕩息子」「平戸町の悪童」と並び称されたこの二人こそ、後に史上最大の朱印船貿易家と呼ばれた末次平左衛門と、その親友、内町火消組惣頭・平尾才介だった。代官であった平左衛門の父・末次平蔵の死をきっかけに、新たな内外の脅威が長崎を襲い始める。そのとき、卓越した政治感覚と強靱な正義感を持つかつての「大馬鹿者」二人が立ち上がった。

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  • 書き下ろしミステリー第4弾! 時計仕掛けのイヴ
    値引きあり
    -
    1巻577円 (税込)
    僕は彼女に二度助けられた。彼女が何をしたのかよくわからなかったけれど、何か不思議なことが起こったのは間違いない。彼女にまた会いたい。時間が経つほどにその気持ちが膨らんでいく。これを恋と呼ばずに何と呼ぼう。数日後、クラスメートの協力もあって、ようやく彼女に会うことはできた。しかし、彼女にはとてつもない秘密が隠されていたのだ──。不思議な《力》を持った女と、彼女に恋をした男が、フリースクール「自遊学園」で巻き起こる怪事件の真相を探っていく“ラブ・サスペンス”。小学館書き下ろしミステリーシリーズ待望の第4弾。単行本も好評発売中!!

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  • 書き下ろしミステリー第3弾! 激走─福岡国際マラソン 42.195キロの謎
    値引きあり
    3.7
    1巻577円 (税込)
    「書き下ろしミステリー第3弾!「激走─福岡国際マラソン 42.195キロの謎」の前編と後編が1冊にまとまって再登場! 2007年、師走。北京オリンピックを翌年に控え、その予選レースのひとつである「福岡国際マラソン」には、北京行きの切符をかけ、多くの選手が出場していた。夢のために走る者、名誉のために走る者、愛する者のために走る者、復讐のために走る者……。それぞれの思惑と過去の怨恨、複雑な事情が絡み合いながら、戦いの火蓋は切って落とされた。息もつかせぬ激しいデッドヒート。意地と意地のぶつかり合い。そして事件は起こった……。果たして、一着でゴールし、栄光をつかむのはいったい誰なのか……!?福岡国際マラソンを舞台にした臨場感あふれるレース展開とリアルな心理描写が魅力の小学館書き下ろしミステリー第3弾!単行本も好評発売中!!

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  • 満天のゴール
    値引きあり
    4.6
    人の生と死に希望をもたらす感涙医療小説。 奈緒(33歳)は、10歳になる涼介を連れて、二度と戻ることはないと思っていた故郷に逃げるように帰ってきた。長年連れ添ってきた夫の裏切りに遭い、行くあてもなく戻った故郷・京都の丹後地方は、過疎化が進みゴーストタウンとなっていた。  結婚式以来顔も見ていなかった父親耕平とは、母親を亡くして以来の確執があり、世話になる一方で素直になれない。そんな折、耕平が交通事故に遭い、地元の海生病院に入院。そこに勤務する医師・三上と出会う。また、偶然倒れていたところを助けることになった同じ集落の早川(72)という老婆とも知り合いとなる。  夫に棄てられワーキングマザーとなった奈緒は、昔免許をとったものの一度も就職したことのなかった看護師として海生病院で働き始め、三上の同僚となる。医療過疎地域で日々地域医療に奮闘する三上。なぜか彼には暗い孤独の影があった。  一方、同じ集落の隣人である早川は、人生をあきらめ、半ば死んだように生きていた。なんとか彼女を元気づけたい、と願う奈緒と涼介。その気持ちから、二人は早川の重大な秘密を知ることとなる。  隠されていた真相とは。そして、その結末は・・・・・・・。 ※この作品は単行本版『満天のゴール』として配信されていた作品の文庫本版です。
  • 聖女か悪女
    値引きあり
    3.4
    これが、人生の罰ゲーム。 葉山の別荘で結婚パーティーの最中、カリスマブロガーの月村珠里亜が倒れ、昏睡状態に。心理カウンセラーの麻乃紀和は、死んだ息子を陥れた珠里亜に復讐を果たすべく、彼女の身辺を調べ始める。 そんな折、四谷の超高級マンションで発見された8体の惨殺死体。珠里亜の過去を追う紀和が辿り着いたのは、17年前に六本木のマンションで8人の子供たちが監禁された“モンキャット事件”だった。事件の鍵を握る人物として浮上したのは、“オザワ”という名の謎の女で―― 取材する記者は皆“消される”というモンキャット事件の真相とは!? マルキ・ド・サドの禁書『美徳の不幸』にオマージュを捧げ、現代に蘇らせた超絶イヤミス!! ※この作品は単行本版『聖女か悪女』として配信されていた作品の文庫本版です。
  • 料理道具屋にようこそ
    値引きあり
    5.0
    料理道具で悩みを解決!お仕事青春小説。  自分で立ち上げたWEBデザインの会社がうまくいかず、てんぐ橋にある実家の飲食店用品店・タクミ屋に逃げ帰ってきたミチカ。しかし戻ってきたはいいものの、タクミ屋の経営状況は芳しくなく、窮地に立たされていた。 「タクミ屋になんか行ったって、欲しいものはなにひとつ売ってない」  同じ商店街に店を構える小料理屋の店主にそう言われ、顧客の求める品揃えに対応できていないと悟ったミチカは、人に求められる料理道具屋にタクミ屋を変えることを決意する。てんぐ橋の食品サンプル店で働く同級生・ユイとの再会がミチカに大きなきっかけを与え、初めはそりが合わない二人の関係にも変化が──。  料理道具で人々の悩みを解決するお仕事青春小説、ここに誕生!   解説は、かっぱ橋商店街にある飯田屋の社長・飯田結太さん。
  • ウズタマ
    値引きあり
    4.3
    1位に選ばれた感涙家族小説、待望の文庫化。 食品メーカーに勤める松宮周作(28歳)は、シングルマザーの紫織と結婚の約束をしていた。そんなある日、父、将彦から周作名義の預金通帳を手渡される。「誰が」振り込みを続けてくれたのか、その問いに答えぬまま、半月後、将彦は脳梗塞で倒れて昏睡状態に。 真相を探るにも、幼い頃に母親を亡くして親戚づきあいもない周作には、全く心当たりがない。果たして、自分のために、毎月少しずつ振り込み続けてくれたのは誰なのか……。  通帳の謎に向き合って初めて、父親のこと、自分自身の生い立ち、母親の顔さえ何も知らないことに気づき、周作は愕然とする。そして、父親と自分の過去を探り始めて辿り着いたのは、25年前に起こったとある傷害致死事件だった。 被害者は、病気で亡くなったと聞かされていた周作の母。加害者は、当時、松宮家で家事手伝いをしていた18歳の少年だと知る。加害者を捜し始めた周作は、25年前の事件に隠された真実に少しずつ近づいていくのだった。 家族を怖れる男と、家族を求め続ける男が織りなす切なすぎるストーリー。 巻末の人気マンガ家キリエさんによるマンガエッセイ風解説も必読です。 ※この作品は単行本版『ウズタマ』として配信されていた作品の文庫本版です。
  • ムショぼけ
    値引きあり
    3.5
    発売前に地上波連ドラ化決定!衝撃の一冊。 祝!地上波テレビ連続ドラマ化決定!! 大阪刑務所の門の前に、40過ぎの男がひとり立っていた。 陣内宗介、元ヤクザ。14年ぶりのシャバだ。 ジギリ(組のために身体を張ること)で銃を握って長期服役したのに、5000万円の見返りどころか、組を破門になった。妻も子供も離れていった。 絵に描いたような、社会のおちこぼれだ。 陣内は還暦すぎたオカンと2人暮らしを始め、カタギになった元若頭の内装屋で仕事を始める。ユーチューバーになって調子こいている元舎弟を呼び出してドヤしつけると、元舎弟にメッセージが届いた。 「その人、私の父かもしれません」。メッセージの送り主は、14年会っていなかった娘だった―― 長期服役によって「拘禁反応」(いわゆるムショぼけ)に悩まされる男が、ヤクザとカタギと家族と仲間と一緒になって、怒って、ヘコんで、笑って、泣いて、まっすぐに、兵庫・尼崎の夏を駆け抜ける。 狂っているのは、俺なのか、世界なのか。 (底本 2021年9月発行作品)
  • 刑事の遺品
    値引きあり
    4.0
    兄弟刑事が時を超えて亡き父の汚名を雪ぐ。  津之神西署の巡査部長・高岡守はその夜、港湾部で引き揚げられた刺創のある水死体を見て、思わず自身の目を疑った。遺体は、自らが一カ月前に取り調べたばかりの薬物の売人と思しき男「木村正」だったのだ。すぐさま県警に捜査本部が立ち上がり、守をはじめとした所轄の刑事たちが聞き込みを始めたものの、不可解なことに被害者の名前以外の情報が何一つ得られない状況が続いた。一体、この男は誰なんだ? 捜査が暗礁に乗り上げる中、警察庁から県警に異例とも言える人事で守の兄・剣がやってくる。剣は警察庁の指示で不自然な県警の金の流れを暴くために送り込まれた一方で、その警察庁にも明かさず、汚名を着せられたまま殉職した父の最後の事件を探ろうとしていた。情熱と刑事の誇りを胸に目の前の事件の真実を追う所轄の弟・守と、決して冷静な姿勢を崩すことなく二十一年前の事件の真相に迫ってゆくキャリアの兄・剣。時を隔てた二つの事件が次第に交錯し始めた時、反目しながらそれぞれの捜査を進めていた兄弟を導いたのは、父が遺した一冊のノートだった。
  • 国防特行班E510
    値引きあり
    3.5
    陸上自衛隊と公安警察、男女コンビを組む!  三輪出雲一等陸佐は、部下とともに都内の高級住宅街へ向かっていた。  数年前に「死んだはず」の出雲は、防衛省内の不祥事を始末する専属部署――自衛隊第三特殊情報偵察評価群・五一〇臨時特別行動班の隊長を務めているのだ。  上司からの命令は、「自ら出頭を願い出た、統合幕僚監部に潜りこんでいたスパイを保護する」というもの。大した仕事ではなかったが、いざ現場に入ると、書斎には白髪の男が後頭部を血に染めて、うつ伏せに倒れていた。 思わず身構える出雲たち。彼らの前に姿を現したのは、公安警察の「ゼロ」と呼ばれる非合法部署に所属する荻窪冴子だった。互いが銃を構え、一触即発のムードが漂う中、班長を務める冴子が口を開く。 「私たちが来た時には死んでいたのよ」  睨み合いが続く出雲と冴子のふたり。最初に動いたのは――どちらでもなかった。  突然、窓ガラスが砕け、火炎瓶が投げ込まれたのだ。さらに遠距離からの銃撃までも。  いったい何者が襲撃しているのか?  最近より一層キナ臭い関係となってきた中国なのか? それとも……。  ハード国際諜報アクション!
  • ガラパゴス 上
    値引きあり
    3.9
    1~2巻569~639円 (税込)
    大ベストセラー『震える牛』ふたたび!  警視庁捜査一課継続捜査担当の田川信一は、メモ魔の窓際刑事。同期の木幡祐司に依頼され、身元不明相談室に所蔵されている死者のリストに目を通すうち、自殺として処理された案件を他殺と看破する。不明者リスト902の男の発見現場である都内竹の塚の団地を訪れた田川と木幡は、室内の浴槽と受け皿のわずかな隙間から『新城 も』『780816』と書かれたメモを発見する。田川が行った入念な聞き込みにより者不明者リスト902の男は沖縄県宮古島出身の派遣労働者・仲野定文と判明した。田川は、仲野の遺骨を届け、犯人逮捕の手掛かりを得るため、宮古島に飛ぶ。仲野は福岡の高専を優秀な成績で卒業しながら派遣労働者となり、日本中を転々としていた……。  現代の生き地獄を暴露する危険きわまりない長編ミステリー!
  • 師匠、御乱心!
    値引きあり
    4.4
    問題作復活! 落語界を揺るがした大事件。 師匠に翻弄される弟子たちの悲哀と混乱、そして敬愛と憎悪のすべて。 「もう決めた、あたしゃ、伝家の宝刀を抜く!」 昭和53年、名人・三遊亭円生は、柳家小さん率いる落語協会の真打ち量産体制に異を唱え、一門を率いて協会を脱会した。 この騒動に落語界は大揺れし、円生の弟子たちは翻弄された。 当時、自身が見た真実をどうしても書かずにおられないと、弟子の一人で騒動の最大の被害者でもある円丈が書き上げたのが、本書である。 見たまま、感じたままを、忖度なく実名で書き綴った赤裸々な本書は、刊行当初、世間を騒がせ、関係者を困惑させ、あるいは激怒させた。 その問題作を、30年あまりの時を経て復刊した。 この間、立川談志、古今亭志ん朝、先代三遊亭円楽ら、登場人物の多くが鬼籍に入った。一方、本書の文芸としての価値が見直された。 文庫化にあたって、後日譚を書き加え、さらに三遊亭円楽・小遊三両師をまじえ、騒動のその後を語った「三遊鼎談」を収録した。
  • 養子でわくわく家族 A Story of Blessed Adoption
    値引きあり
    -
    血縁を超えた「家族の絆」の新しいカタチ。 女性ファイナンシャルプランナーとして第一人者の著者が、アメリカ人の夫との実子(長女)がいながら里親として日本人の2歳の女の子を受託し、のちに養子(次女)として縁組みした体験を、乳児院での初めての面会から一家でアメリカに暮らすまでの5年間を振り返って綴る。 国際結婚、仕事と育児の両立、夫の失業と転職、実子と養子の葛藤、日米の育児の違い等々、次々と問題を乗り越え進化していく過程で、旧来の血縁にしばられた日本的家族のあり方とは異なる、新しい形の「家族の絆」が描き出される。 家族とは何か、幸せとは何か。敏腕女性ファイナンシャルプランナーが、自然体で次々と実現していく最高のライフプラン。お金では買えない「かけがえのないもの」をつかんでいく生き様は、誰ものヒントになるはずだ。
  • テレビじゃ言えない(小学館新書)
    値引きあり
    3.6
    放送コード完全無視。 第1章 テレビじゃ言えない「危ないニッポン」 ●ニッポンは「1億総活躍」どころか「1億総自主規制社会」 ●テレビは真実なんて伝えない ●ネットはバカのための拡声器 ●ネット情報で満足するヤツは「深い世界」に辿りつけない ●18歳選挙権なら「少年法」はいらねえよ ●舛添に怒って角栄に心酔する権力者に都合の良い庶民たち ●災害時に「防災服を着る政治家」の白々しさったらない ほか 第2章 話題のニュース毒舌分析 ●30過ぎて少年法に守られてる下品な少年A ●笑点を本気で面白いと思ってる視聴者だからナメられる ●乙武クンを「真面目」と決めつけた人に潜む差別意識 ●賞味期限もエコも消費者ではなく経済のためにある ●ベッキー、ASKA、ショーンKほか 輝け!2016年ヒンシュク大賞 ほか 第3章 テレビじゃ言えない「天国のあの人たち」の話 ●大橋巨泉、デビット・ボウイ、高倉健、原節子との秘話 ほか 第4章お笑いBIG3と老人論 ●なぜ若手芸人はBIG3を超えられないか ●タモリとオイラは何が違うのか ●ジジイが嫌われるのが理想の高齢化社会 ●シルバーシートがニッポンから奪ったモノ  ほか
  • 特異家出人 ~警視庁捜査一課特殊犯捜査係・堂園晶彦~
    値引きあり
    3.4
    被疑者に甘い奴が、特殊班では切り札になる。 東京都葛飾区在住の有村礼次郎という一人暮らしの資産家老人が失踪した。捜査すべき“特異家出人”であるかを探ることになった警視庁捜査一課特殊犯の堂園晶彦は、老人と唯一交流があったという少女・加藤奈々美から、老人と電話で話した際「変な音」を耳にしたことを知る。有村邸の玄関からは血痕が検出され、預金通帳や証書、有価証券、不動産の登記書、時価二億と推定される根付のコレクションが消えた。目撃証言により、彼を拉致したのは鹿児島の元指定暴力団員・中俣勇夫であることが判明。中俣の消息を追い鹿児島に飛んだ堂園は、自身の祖父と有村老人が県立鹿児島第一中学校で同級生だったことを知る。二人は高等学校の替え玉受験が発覚したことを機に、故郷・鹿児島を追われていた。県警の刑事・大迫らとともに中俣の潜伏先を特定した堂園は突入をはかるが、その直前、錯乱に陥った中俣が相棒に射殺されてしまう。しかし、拉致されたはずの有村老人は、その場に居合わせていなかった。有村の拉致には、彼と堂園の祖父の過去が大きく関わっていた……。
  • 不倫女子のリアル(小学館新書)
    値引きあり
    4.3
    愛されたい女たちの逆襲がはじまった!? ベッキー、宮崎謙介、桂文枝、乙武洋匡……。世間を騒がし、社会問題となりつつある“不倫”。今や芸能界以外でも不倫は横行、特に働く女性が主導権を握るケースが増えている。女性はなぜ不倫に走るのか。不倫するとなぜ世間からディスられるのか。円満な家庭でも不倫のリスクはあるのか。女性の社会進出とともに価値観や倫理観も変わってきた。実際に不倫をしている30~40代の女性へのインタビューを通して、都会型不倫の現況と社会的背景を探る。 <主な内容> 不倫女性9人のリアルケース。 今の不倫に欠かせないキーワードは「4K」。 LINEとFacebookの効果と失敗。 不倫したら家庭がうまくいった? 弁護士も驚く不貞の代償。 探偵は見た! 浮気の現場。ほか 【ご注意】※お使いの端末によっては、一部読みづらい場合がございます。お手持ちの端末で立ち読みファイルをご確認いただくことをお勧めします。
  • 竹と樹のマンガ文化論(小学館新書)
    値引きあり
    3.8
    内田樹×竹宮惠子の目ウロコ初対談。  内田樹と竹宮惠子の初対談。日本のマンガはなぜグローバルになったのか?よくある質問だが、誰も言わないことを言う内田樹と、少女マンガの常識を打ち破ってきた竹宮惠子は、思いがけない理由を次々とあげる。核心になるのは「オープンソース」。マンガは描き手が次々生み出す手法をコンピュータのOSのように公開し、誰が使ってもいい許容の中で成長してきたからすたれない、と言う。  ふたりは共に1950年生まれ。戦後マンガの黄金時代の始まりと成長期がぴったり重なった世代で、人生が変わるくらい大きな影響を受けた。マンガ家とヘビー・リーダーに分かれたが、共に大学教授になるなど、じつは共通点が多い。奥深いマンガ界に迫る「竹と樹の詩」ならぬ「竹と樹のマンガ論」。
  • 北京五輪フェンシング銀メダリスト 太田雄貴 騎士道
    値引きあり
    -
    北京五輪フェンシング競技で日本人初の銀メダリストに輝いた「元ニート剣士」こと太田雄貴の初の自伝エッセイです。マイナースポーツといわれ、五輪関係者にもマスコミにも完全ノーマークだったフェンシングにあって太田選手の北京行きの見送りはわずか3人。それが帰国時の出迎えには200人以上と、メダル獲得は彼の人生を大きく変えました。さらには帰国後のインタビューで答えた「就職先募集中」の言葉が「ニート剣士」として話題を呼び、正直で屈託のない性格が五輪後も人気となっています。完全ノーマークの男がなぜメダルを獲得できたのか。競技人口わずか1万人弱という日本のフェンシングが世界を目指すには、どのような苦労があったのか。アマチュアスポーツ界の「メイク・ドラマ」を自らが綴ります。

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  • スクリーンが待っている
    値引きあり
    4.5
    劇場にはかからない“現場”の物語。 「ニヤニヤ、クスクス。これ、立派な映画作りの教則本です」役所広司 シカゴ国際映画祭観客賞・最優秀演技賞〈役所広司〉ほか、国内外の映画賞で高く評価された『すばらしき世界』は、佐木隆三によるノンフィクション・ノベル『身分帳』を原案に、西川美和監督が初めて原作ものの映画化に挑んだ作品だ。 本書は、原案小説との出会いから、取材と脚本の執筆、撮影から編集など、五年にわたる制作の日々を、監督自ら赤裸々に綴るエッセイ集である。  原案小説との出会い、公的機関による婚活パーティーへの潜入、長く仕事をともにしたスタッフとの別れ、刑務所での対話、『身分帳』のモデルとなった人物の足跡を辿る旅、スタッフが集う撮影前の緊張感、コロナによる編集作業の中断、出演者への思い──一本の映画の企画が立ち上がり、それが完成するまでの過程が監督の思いとともに仔細に描かれ、映画業界を目指す人や映画ファンはもちろん、多くの人に読まれるべき一冊だ。  幼い頃の記憶や街角の風景などのエッセイや、『すばらしき世界』に登場する人物の過去を描いた小説「蕎麦屋ケンちゃん失踪事件」も収録する。  文庫化にあたり、映像業界の変化に鑑み、単行本刊行後の状況を加筆するだけでなく、その後発表された三本のエッセイと、「あとがき」というには内容もボリュームも読み応え抜群の書き下ろしの文章を加えた。まさに、増補決定版! ※この作品は単行本版『スクリーンが待っている』として配信されていた作品の文庫本版です。
  • 山に抱かれた家
    値引きあり
    4.1
    海から山へ。大人気シリーズ新章開幕! 田舎暮らしの夢を叶えた父が遺してくれた「海が見える家」で暮らす文哉。旅の途中で山間にある畑付きの空き家を偶然見つけ、つき合いはじめた凪子と内覧に出かける。そこは野菜作りの師匠であった今は亡き幸吉の親友、猟師の市蔵の故郷だった。しかし文哉にとっては縁もゆかりもない土地で、限界集落でもある。それでも運命を感じた文哉は空き家を買い、古い家屋や長年休耕地だった畑に手を入れながらひとりで暮らしはじめる。自分で選んだ、さらなる田舎において、文哉の望む自給自足的な暮らしは果たして実現できるのか? ベストセラー「海が見える家」シリーズの新たな章がスタートする!
  • 私が愛した余命探偵
    値引きあり
    4.4
    その真実に、きっと涙する――。 洋菓子店で起こるささやかな事件が、二人の未来を照らし出す。 六年間、夫の闘病生活を支えた著者。亡き夫に捧ぐ、勇気をもらえる愛の物語。 「今日はどんなお客さんの話?」 西荻窪にあるコイズミ洋菓子店で働く二葉には、腹部に肉腫を抱え長期入院中の夫、一星がいる。 一星は大のケーキ好きだが、禁食のため空腹と暇を持て余しており、いつしか、二葉が店から持ち帰るささやかな謎を解き明かすことが二人の楽しみとなった。 幼い女の子が香りを頼りに一人探し続ける「楽しいお菓子」とは? 実家を出た娘の誕生日ケーキを毎年購入し、記録し続けた亡き両親の真意とは? そして、謎に隠された様々な想いに触れた二人が選ぶ未来とは――。 「ほどなく、お別れです」シリーズ著者、渾身の書き下ろし。
  • 小学館ジュニア文庫 絶滅動物物語 もう二度と会えないキミへ
    値引きあり
    -
    みんないなくなった。絶滅した動物の物語。 大人が読者対象の話題のコミック[絶滅動物物語] (まんが/うすくらふみ 監修/今泉忠明) この作品が小中学生からでもスラスラ読める 物語形式になりました! 人間の浅はかな欲望の犠牲となり、死に絶えた動物たち。 私たち人間が同じあやまちを繰り返さないよう……読むべき作品です。       ずっと胸に刻みたい、4話 (ステラーカイギュウ・オオウミガラス・ニホンオオカミ・ピレネーアイベックス)を収録しています。 ※対象年齢:中学年から
  • 対極
    値引きあり
    3.0
    第二回警察小説選考会を騒然とさせた問題作。 警視庁には二つの特殊部隊が存在する。SATとSIT、指揮系統こそ違うものの、現場を同じくすることも多い。 高校時代に腕試しで警察学校に殴り込んだ過去を持つ中田数彦は、合法的に暴れるためにSATに志願した。一方の谷垣浩平は異例の抜擢を経てSIT係長になった。 悪童とエリート。生い立ちも信条もまるで異なる二人が衝突を繰り返しながら「厚生労働省解体」を要求する謎のテロ集団と対峙する。彼らを捜査するうち、日本の医療制度の歪みが明らかになっていく―― 第二回警察小説選考会の場を騒然とさせた問題作。解説は、同賞選考委員にして、『教場』著者である作家・長岡弘樹氏。 ※この作品は単行本版『対極』として配信されていた作品の文庫本版です。
  • 女形と針子
    値引きあり
    -
    明治歌舞伎青春譚、ここに開幕! 全国を回り旅芝居を続ける傍流歌舞伎一座「花房座」。座頭の長女である百多は亡き母に代わり裏方の仕事を一手に担い花房座を陰から支えていた。 百多の頑張りもあり、一座の評判は上々。ついに東京の大きな芝居小屋での興行が決まった。 しかしそんな中、人気の若女形である弟の千多が失踪してしまう。千多なしで次の興行は成り立たない。急遽、百多が弟に化け舞台に立つことになるが、運悪く衣裳屋の職人・暁に正体が露見してしまい――。 女形の「女」と針子の「男」。一座と衣裳屋の危機を救うため、秘密を共有した二人が大舞台に挑む。明治歌舞伎青春譚、ここに開幕!
  • 鐘を鳴らす子供たち
    値引きあり
    4.7
    復興の希望・伝説のラジオドラマの舞台裏。  物語は高度成長期と呼ばれる昭和48年、『鐘の鳴る丘』に出演した当時小学生の一人、良仁への一本の電話から始まる。この日、戦後を代表する劇作家であり、『鐘の鳴る丘』の脚本家・菊井一夫が逝去。電話は菊井の葬儀の知らせだった。知らせを受けて菊井との記憶に思いを馳せる良仁の脳裏には、いつしか「緑の丘の赤い屋根 とんがり帽子の時計台…」と、少年少女たちの歌声が流れ始めていた。  昭和22年。ようやく給食が再開したものの、ほとんどの子どもがいつもお腹を空かせていた時代。東京・練馬区の小学校に通う良仁は親友の祐介と全力で遊びまわる日々を送っていた。そんなある日、良仁と祐介、そして、隣のクラスの実秋を含めた数名が、NHKのラジオ放送劇『鐘の鳴る丘』に出演することに。良仁たちが演じるのは、当時、社会問題となっていた戦後浮浪児の役。戦争への負い目を胸に抱えた大人たちと共に、伝説となるラジオドラマ『鐘の鳴る丘』をつくる日々が始まる。  戦後の混乱期、ラジオが唯一の娯楽ともいえた時代、作り手側に立つことになった子どもたちが見た世界とは。戦争への後悔を抱えた大人達と一緒に希望を模索する日々の行方は・・・。
  • マザー/コンプレックス
    値引きあり
    3.8
    地下鉄の“ある事件”を機に母性が暴走する。 蜂須賀恵理子は、悲嘆に暮れている。自慢の息子が痴漢行為を咎められ、逃げようとして地下鉄に轢かれ、死んだのだ。冤罪だと信じる恵理子は、亡き息子のSNSにのめり込み、事件の真相を探ろうと奔走する。 夏川美夏は、激怒している。高校生の娘が電車内で痴漢を捕まえたが、被害には長い間遭っていたというのだ。美しい娘には芸能界で活躍してほしい。週刊誌記者に身辺を嗅ぎ回られ、美夏は苛立つ。 高奈琴絵は、幸せの絶頂から突き落とされる。不妊治療の末、ようやく待望の子供を妊娠した矢先、夫が痴漢をして逮捕されたのだ。琴絵を責める義母に、逆ギレする夫。離婚がちらつくが、一人で子供を育てる自信がなく琴絵は途方に暮れる。 地下鉄で起きたある事件を発端に、歪み、崩壊していく三つの家族。 そして、新たな悲劇が起こる―― 暴走する母性の先に衝撃の結末が待ち受ける、ドメスティック・スリラーの新たなる傑作!
  • 白鍵と黒鍵の間に ~ジャズピアニスト・エレジー銀座編~
    値引きあり
    3.6
    ジャズピアニストが綴る夜の銀座の青春記。 日本有数の人気ジャズ・ピアニスト、南博が綴る、爆笑と感動の青春記。真面目なクラシック・ピアニスト志望だった南青年は、ある日ふと聴いたジャズに魅せられ、人生が一変した。小岩のキャバレー、六本木のバー、そして銀座の超高級クラブでのピアニスト生活。ボスであるバンマスは海千山千のギャンブラー、ママやホステスは危険な香りを振りまく夜の蝶、そしてお客はあやしげなバブル紳士と「さる組織」の親分に幹部たち。欲望と札束が飛び交う夜の銀座で、南青年は四苦八苦しながら人生を学んでゆく。そして数年、南青年は銀座に別れを告げて、あこがれのアメリカへのジャズ留学を決意する…。 菊地成孔氏いわく、「この本は、僕のどの本より面白いです。」
  • 小学館ジュニア文庫 転校生 ポチ崎ポチ夫
    値引きあり
    -
    学校の常識をぶっ壊す、抱腹絶倒の新作! ぼくたちのクラスに、転校生がやってきた。その名もポチ崎ポチ夫といい、転校初日から不思議な言動でぼくたちを驚かせてきた。ある日、廊下を走るポチ崎を見つけたぼくは、「危ないから走ったらダメだよ」と注意する。だけど、ポチ崎は思わぬ反論を繰りひろげ、学級委員長の佐野さんが怒っても、まったく気にしていないようだった。やがて、ポチ崎の廊下ダッシュは、学校全体を巻き込む大騒ぎに……! またある日、水筒に詰めたコーヒーを飲むポチ崎に、ぼくは「学校にコーヒーを持ってきたらダメだよ」と注意する。だが研究熱心なポチ崎は、おいしいコーヒーのいれかたを極め、さらにはそれがたくさんの評判を呼び……。 「廊下50メートル走」「ポチ崎コーヒー」「ポチ崎社長」「ポチ崎亭」「pクリーナー」「髪の華道家」「睡眠法」「ポチ崎シェフ」の八作を収録。 読めば、学校に行くのがもっと楽しくなっちゃう!? 「ショートショートの書き方講座」も大人気! 気鋭のショートショート作家・田丸雅智さんによる、笑って笑って、ちょっと泣けちゃう、ポチ崎ポチ夫の傑作集。(2020年7月発表作品) ※対象年齢:中学年から
  • 小学館ジュニア文庫 ヒノマルソウル~舞台裏の英雄たち~
    値引きあり
    -
    ※対象年齢:中学年から 文章内のすべての漢字にルビがふられています。 感動の実話をもとにした映画をノベライズ! 1998年、長野オリンピックスキージャンプの団体戦。金メダルの裏には、知られざる25人の英雄がいた。1994年のリレハンメルオリンピックで西方仁也は好成績を残すが、原田雅彦の失敗で金メダルを逃してしまう。4年後の金メダルを誓い2人は練習を重ねたが、西方だけ代表から落選。そんな西方にコーチがした提案は「テストジャンパー」という裏方だった。田中圭主演、感動の実話をもとにした映画『ヒノマルソウル ~舞台裏の英雄たち~』のオリジナルノベライズ! ※この作品はカラーが含まれます。
  • ゴッドドクター 徳田虎雄
    値引きあり
    4.0
    稀代の医療革命者の決定版評伝。  徳洲会は巨大で不思議な病院グループである。年商は4201億、職員数3万8000人、病院数71、1日の平均入院患者数1万7300人、外来患者数2万4000人(2017年6月現在)。かくも巨大な病院グループを、徳田虎雄はいかにしてつくりあげたか。  それは「たった一人の反乱」から始まった。高度経済成長のまっただなか、大都市圏でも夜間の救急患者を受け入れる病院は極めて少なかった。アメリカ帰りの徳田は、そこに単身乗り込み、年中無休、24時間誰でも診ると宣言。「日本中に病院を建てる」とぶち上げた。患者を奪われると恐れた医師会の妨害、国政選挙への挑戦を経て、巨大病院グループを築いた徳田だったが、既得権益を持つすべての存在が、彼の敵だった。選挙違反やグループの内紛、資金繰りと外資との相克、そしてALSという大病。次々と襲う困難にも、徳田は強靭な意志で立ち向かう。この男の戦いの軌跡を追う決定版評伝。
  • 大沼ワルツ
    値引きあり
    4.5
    奇跡の三夫婦が奏でた大恋愛と大家族の物語。 明治時代に、北海道・大沼を開拓した者たちの係留として、大沼の地で自分たちらしく根を張ろうとした小さな母と長身の三兄弟。また、この地を新天地と考えて、第二次大戦後、山梨より順に嫁いでいくことになる、個性溢れる三姉妹。この大家族は、様々な困難に見舞われながらも、この地に新風を注ぎ込んでいく……。そして、母の死に際に、三夫婦に明かされた謎とは? 北海道を舞台に、数々の小説を発表してきた著者が、5年の歳月をかけて紡ぎ上げた、実話をもとにした感動長篇。 ※本書は過去に単行本版として配信された『大沼ワルツ』の文庫版です。
  • 空に牡丹
    値引きあり
    4.0
    ご先祖に思いを馳せるファミリーヒストリー。  私のご先祖様には花火に魅せられ、一財をつぎ込んで生きた静助さんという人がいる。  ―――時は明治初期。江戸から東京になったが、地方ではいまだ江戸と呼ばれていた時代。その江戸から遠くない村で大地主の次男坊として生まれた静助は、ご一新で世間が大きく変わるなか、何不自由なく暮らしていた。  ある日、静助は母親と出かけた両国の隅田川で打ち上げ花火を見物し、ひと目で心奪われる。江戸の花火屋たちは、より鮮やかな花火を上げるため競い合っているという。  村に戻ってからも花火への情熱が消えない静助は、潤沢な資金を元に職人を雇い、花火作りに夢中になるが、富国強兵へ向かう時代の波が、次第と静助一族を呑み込んでいく……。 ※この作品は、『空に牡丹』(単行本版)の文庫版となります。
  • 就職先はネジ屋です
    値引きあり
    3.4
    ヤル気が出る!女子社員のモノづくり小説。  就活中のユウ(三輪勇)は、第一志望の商社を最終面接で落とされた。その後、母親が社長を務めるミツワネジ(従業員130名)に正式エントリーして、入社することになった。海外で働きたいと考えるユウにとって、ミツワネジにフィリピン支社があることが大きな志望動機になった。  入社後、ひとり暮らしをはじめたユウ。同期入社は同じく営業に配属された辻の2名だった。ユウは、長谷川螺子兄弟社というネジ会社で三か月の現場研修に入り、「緩み」が生じないようにと、ひと工夫したU字ボルトを作った。  営業の取引先は、ネジを扱う顔なじみの商社ばかりだった。何とか直接メーカーに対して提案型の営業もしたいと思いはじめたユウは、飛び込みでメーカーを回り始めるが、相手にされない。ある日、荒川の河川敷で消波ブロックを作る現場を見たユウは、型枠を締めたり緩めたり簡単にできるボルトを作れないかと考えた。  前例のないことを始めようと行動するユウは、幾度もしがらみと闘いながら、仲間や業界のスペシャリストとともに新しい世界を切り開いていく。  読めばヤル気が出る!新入女子社員のモノづくり小説。文庫オリジナル。
  • 弾正星
    値引きあり
    4.5
    心蕩かす悪の爽快感! 花村時代小説の至宝。 時は戦国、下剋上の世。京都・相国寺近くある三好家の屋敷に、その男松永久秀はいた。得体の知れぬ出自でありながら、茶の湯に通じ、右筆として仕える野心家である。気に食わぬ者は容赦なく首を刎ね、殺害した女を姦通し、権謀術数を駆使して戦国大名へと成り上がっていく。さらには将軍足利義輝を斃し、東大寺大仏殿を焼き討ちにしてしまう。信長ですら畏れた稀代の怪人・松永弾正を突き動かすものは、野望かそれとも……!?  戦国時代を彗星のように駆け抜けた武将の生きざま・死にざまを、「弟」として仕えた丹野蘭十郎の眼を通して活写する。 芥川賞作家・花村萬月氏が戦国時代を舞台に「悪とは何か」を問う新感覚時代小説。皮膚感覚を狂わせる暴力に戦慄を覚え、匂い立つようなエロスに耽溺する物語世界はますます磨かれ、かつまた、悪業の限りを尽くす主人公を愛嬌たっぷりに描き、読了後に寂寥感すら抱かせる筆運びは圧巻です。「突き抜ける悪の爽快感」はまさに花村時代小説の至宝といえます。 単行本が発売された2014年には、「この時代小説がすごい! 2015年版」で4位に、また、週刊朝日の「決定! 歴史・時代小説ベスト10」で3位にランクインしました。 カバーイラストは人気イラストレーター・寺田克也氏です。
  • 夏の雷音
    値引きあり
    3.5
    神保町から消えた名器を巡り殺人事件が発生。 神保町のギターショップから消えた1億2000万円のエレキギター。それはアメリカのオークションで落札されたギブソン58という幻の名器だった。盗難にあった店のオーナーはその後謎の死を遂げる……。神保町にある明央大学法学部准教授の吾妻幹は生まれも育ちも神保町。愛する街で起こった謎の殺人事件を追跡することに。教え子の女子大生を助手にして調べていくうちに億単位の値がつくヴィンテージギター業界の内情、オークションの世界のからくりを知る。そんな吾妻の前に地元神田署の刑事が立ちはだかるが……。 ※この作品は過去に単行本として配信されていた『夏の雷音』 の文庫版となります。
  • 愛される資格
    値引きあり
    3.8
    平凡な男が思いついたある復讐とは――。 大手文具メーカー「あねちけ」に勤める平凡なサラリーマン・富岡兼吾。彼は普段から自分に厳しい上司の下永に不満を持っていた。 ある日、酒に酔った下永を家まで送ることになった兼吾は、下永の妻・秀子と出会う。そのとき、兼吾の心にある復讐の企みが芽生えたのだった――。 過激で大胆かつ繊細な性描写と心理描写が導く衝撃の結末。 単行本発売時、「樋口毅宏の最高傑作」と評された長編小説が待望の文庫化!
  • 鸚鵡楼の惨劇
    値引きあり
    3.6
    “イヤミスの女王”の最も危険なサスペンス。  1962年、西新宿。十二社の花街に建つ洋館「鸚鵡楼」で惨殺事件が発生する。しかし、その記録は闇の中に葬られた。  時は流れて、バブル全盛の1991年。鸚鵡楼の跡地に建った超高級マンション「ベルヴェデーレ・パロット」でセレブライフを送る人気エッセイストの蜂塚沙保里は、強い恐怖にとらわれていた。「私は将来、息子に殺される」――それは、沙保里の人生唯一の“汚点”とも言える男の呪縛だった。  そして嵐の夜、セレブママたちが集うチャリティ・バザーの最中に、第二の惨劇が幕を開ける。  2013年まで半世紀にわたり、因縁の地で繰り返し起きる忌まわしき事件。その全貌が明らかになる時、かつてない驚愕と戦慄に襲われる!!   大ベストセラー『殺人鬼フジコの衝動』をはじめ、“イヤミスの女王”として女性を中心に熱狂的な支持を受ける著者が放った、最も危険なミステリー。

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