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歴史小説の巨人・飯嶋和一が描いた、一級の娯楽巨編。 江戸寛永年間、栄華を誇った海外貿易都市・長崎に二人の大馬鹿者が生まれた。「金屋町の放蕩息子」「平戸町の悪童」と並び称されたこの二人こそ、後に史上最大の朱印船貿易家と呼ばれた末次平左衛門と、その親友、内町火消組惣頭・平尾才介だった。代官であった平左衛門の父・末次平蔵の死をきっかけに、新たな内外の脅威が長崎を襲い始める。そのとき、卓越した政治感覚と強靱な正義感を持つかつての「大馬鹿者」二人が立ち上がった。
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Posted by ブクログ
長崎を基点とした海外貿易がもたらす富と権力がどれほど人の心を狂わせたのか、知識や技術、物品と共に渡来したキリスト教が当初は有り難がられたもののやがて弾圧へと舵を切った背景など、江戸時代の長崎の様子をここまで深く描いた作品に初めて出会いました。 しかも幕府の権力者の立場ではなく、地元の人間からの視点で...続きを読むあるところが良い。 かなりのボリュームですが、それだけの価値があると思います。
“放蕩息子”と言われた、実は広い視野を備えていて、正論を胸に秘めた、強い心を持つ男が代官に就任し、恐るべき陰謀を動かす敵役達と対峙…非常に痛快な物語だ!!未読の皆さんに御迷惑を掛けてしまうので仔細は綴らないが、何となく目頭が熱くなる場面も在り、夢中になる…他方で「政治とは何か?」、「“権力”とはどう...続きを読むいう性質のものか?」というような普遍的なテーマを持ち、加えて「江戸時代とは何だったのか?」というようなテーマに関しても、キリシタン弾圧の経過や貿易制度の変遷という、平左衛門達の時代に実際に起こっていたことを交えながら、一定の回答例を示唆している…非常に充実した作品だ!!
再読。やっぱりいいです。好きです、平左衛門。淡々と事実を重ねていく文体なのに、熱さがにじみ出てきます。平左衛門の周りに魅力的な人が多くて、それもまた楽しいところ。かなり視点が平左衛門有利に寄っていて、勧善懲悪な印象はあります。最後、平左衛門は誰と話したのでしょうね。
「飯嶋和一にハズレなし」ーこのキャッチだいすき。正にその通り。面白いのはわかっているが、寡作なので、あえて取っておいて何年かに一回一作毎読んでる。 骨太、ダイナミックな歴史小説であり、魅力的でカッコ良過ぎる男たちが登場し(あっさり退場しちゃうのは歴史に沿ってるから?)、長崎の街、風景も魅力的に描かれ...続きを読むている(長崎旅行に行きたくなった)。「出星前夜」も好きだがこちらも良い。
私自身がこれまで読んできた時代小説とは一味違う小説だった。戦国時代や江戸の人情もの、幕末、と言った小説とは違い、鎖国前の長崎の短い一時代を描いた小説。 どの程度、史実に基づいているのかは、知識がないので分からないのだが、この時代に、これだけ広い視野と高い視座を持ち、正義感に溢れた人がいたのか、と熱い...続きを読む気持ちになるストーリーだった。 ただ、読み終わってのこの読後感(満足感)と矛盾するようなのだが、読むのにけっこう時間がかかってしまった。自分の歴史の知識が無さすぎることも一因なのだが、 漢字(にカナのルビ)の地名を現在のどこのあたりなのか変換するのに、一瞬頭の中でタイムラグがあったり、各国の事情・パワーバランス・事件の順番や経緯を把握するのに少し手間取ったりし、 本来のこの物語のメインであろう、魅力的な登場人物の思考や言動に入り込んで、ぐんぐん引き込まれていくのに、時間がかかってしまったのだ。 正直、エンジンがかかってきたのは、第4章に入ってから、と言う感じだった(苦笑) 著者の描く日本人像、特に権力者は、ある意味、現代にも通じるもので、著者の本音(と言うか嫌なタイプ)の権力者像であり、平左衛門には理想を託しているのかもしれないが、 私自身も共感してしまうところがいくつもあり。今の国の中心、官僚や政治家も、こんな感じだよなあと思うと、ため息が出てしまう。人間の本質と言うものは、数百年経っても、そう簡単に変わらないものなのかもしれないな、と。 『日本人は自分の縄張りや仲間内では偉く尊大でありながら、オランダ商館へ単独で来た時には別人のごとく卑屈なものだった。個人がどこにもなく、いったいそれは誰の考えなのか誰の意志なのか、いちいち確かめるのに苦労させられた。しかも返ってくる答えは「みんながそう思っている」などという訳のわからないものばかりだった』 『大げさな大義などというものを平左衛門は持ち合わせてはいない。むしろ平左衛門は、馬鹿げた大義には憎しみすら抱いている。大愚を行う者は必ず大義を振りかざし、結果最も弱き者が悲惨を見ることとなる』 「どうか上様の御政道におかれましては、打ち出されましたる御法は、その時勢のいかんにかかわらず、是非に厳正なるお運びをたまわりたく願う次第でございます。わたくしども下々におきましては、その時々に応じまして恣意的に御法を運ばれますことが、何よりも動揺と不安を招くものとなるのでございます」
読むのに時間がかかりました。 歴史小説。そう、小説なんですけど、盛り上がりがないんです。 徳川秀忠から家光へ、将軍が変わり時代も変わろうとしているとき。 海外との交易の玄関口だった長崎を舞台に、締め付けを強めてくる幕府、私腹を肥やそうとする大名たち、キリシタン、南蛮人などを相手に、外町代官末次平左...続きを読む伊右衛門が町民の平和と安全を守る物語なのです。 ドラマチックに書けば、どこまでもドラマチックになり得る題材を、淡々と書き進めるのはいいのですが、個別のエピソードが本筋にからんでこないのが、つらいです。 一つ一つのエピソードには、人としての思いがあふれ、なにがしかのものを次世代につなごうとしているのですが、エピソードが終わればその思いがリセットされてしまうように見えます。 面白いのに。 面白いのに、今一つノレない。 登場人物に感情移入しながら読むタイプの私としては、かなり苦戦しました。 なので作戦変更です。 これは小説ではありません。 例えていえば、新聞の短期連載特集記事。 そう思うことにしました。 一つ一つの出来事は直接のかかわりが薄くても、同じ時代同じ場所で起こった出来事なんです。 関係ないわけがないんです。 淡々と書かれた事実を読む。事実を読む。事実を読む。 そうすることで見えてくるその世界の在り様。問題点。 この人がやった事だから、ではなく、名前のない人々が、それぞれの考えで積み重ねてきた出来事が歴史を動かす〈こともある〉。 事実を元にした小説ではありますが、私の勉強不足によりどこが事実でどこからがフィクションなのかはわかりません。 それでもその時代から日本は海外渡航をすることなく幕末まで、長い鎖国期間を迎えます。 加藤清正の嫡子、黒田長政の嫡子が次々に領地を没収される中、幕府の思惑や海外の勢力からどうやって長崎の町の安寧を守ったのか。 淡々と書かれていてもなお、熱いものを感じるのは確かです。 なかなかに手こずる読書ではありましたが、読み応えのある一冊でした。
江戸時代の長崎での南蛮貿易の話。 幕府や大名たちの私欲に翻弄されながらも、長崎住人を守り通そうと奮闘する、今で言う県知事を描いている。 切支丹と縁が強い長崎ゆえの事件だったり、唯一の海外との窓口ゆえの政治的駆け引きだったり、全てのエピソードがおもしろい。 また、主人公の人となりが魅力的で、その後をも...続きを読むっと知りたくなる。
マイナーな歴史の1ページを大作に仕上げたものです。普通主人公がこれだけカッコよければもう少しハッピーエンドになりそうなものですが、歴史小説なのでいかんともしがたいですね
飯嶋和一氏の作品で、江戸に入り秀忠が没し家光が将軍になろうかという時代の長崎の貿易商人末次家の跡取り平左衛門の大活躍を描いた大河ドラマに取り上げられても面白いのではと思わせるくらい非常にスケールが大きく面白い物語。親との確執から、まだ基督教が禁止される前に寄宿学校に入れられていた時代のエピソード、そ...続きを読むこで仲良くなったはぐれものとの武勇伝などなど、長崎に派遣された悪代官竹中家の首領の欲にかられて政事の本質を忘れた姿に怒り、長崎の民を守る為にその代官様を追い落とす策を練り、ついには切腹にまで追い落とすまでの大筋を飾るサイドストーリーが面白い。ページ数が多いが面白いので一気に読み進む事ができた。時代小説がだめな人でも楽しめるかも。おすすめです。
ドキュメンタリー映画をみているような臨場感。骨太で精緻。作者の私情は一切入らない筆致。カタルシスは若干物足りなく感じるが、濃厚な歴史小説を読みたい時にはBestな小説。感情移入したキャラが早々に亡くなり、ちょっと悲しい。
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