花舞う里

花舞う里

825円 (税込)

4pt

4.5

心の居場所を探す少年の伝承と再生の物語。

親友が事故で亡くなったのは自分のせい、と自らを責め、心を閉ざしてしまった中学2年の杉本潤。母と一緒に、東京から逃げるように母の故郷の愛知県奥三河・澄川へと引っ越す。そこはコンビニもファストフードの店もないど田舎だが、700年の歴史を持つ「花祭り」という神事、伝統芸能が根付く山深い地域だった。
奥三河にある10を超す集落が各々に伝わる「花祭り」を大切に守っているが、どこも少子化と過疎化の問題は深刻。潤の新たなクラスメイトもたったの3人で、潤の転入によって久しぶりに集落の中学生だけで少年の舞である「三つ舞」ができると皆が期待する。しかし、人との関わりを極力避けたい潤には煩わしさしかない。
“親友を失った自分が、「神」に捧げる神楽だなんて――”。
祭りへの参加を拒否する潤。だが次第に、周囲の人々の心にも巣食う悩みや悲しみ、この世の不条理さを知るようになる。
守るべき伝統と、受け入れざるを得ない変化。少年の心の成長と、「今」を懸命に生きる人々を描く、美しくて愛おしい再生の物語。
解説は中江有里。

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花舞う里 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    初めて触れた古内さん。児童文学の感覚です。とても明瞭な表現で心が伝わる。少しずつ少しずつ潤がどうして辺鄙な山奥に来なくてはならないかわかって来て、出会う人からたくさんのエネルギーを貰い、逃げるのではなくて受け入れること。お母さんが謝る姿を見て心が荒むけど解決する、花の舞に鬼に縋る想いもお母さんにあっ

    0
    2023年12月04日

    Posted by ブクログ

    とある事情で心を閉ざし、奥三河の母の実家に引っ越した中学生が主人公の物語。古内さんの作品らしく、様々な状況に置かれた登場人物たちとの心揺り動かされる展開に熱くなります。

    0
    2022年12月13日

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