世界でいちばん美しい

世界でいちばん美しい

825円 (税込)

4pt

4.3

若き天才音楽家せった君の三十年の人生。

雪踏文彦。ひとは、みな、彼のことを親しみを込めて「せった君」と呼ぶ。語り手である作家・島崎哲も、親友である彼をそう呼んだ。小学校ではじめて出会い、いつもどこかぼんやりしているようだったせった君は、幼少期から音楽の英才教育を受けていた島崎が嫉妬してしまうほどの才能を持っていた。
中学、高校と違う学校に通ったふたりは、あまり頻繁に会うこともなくなったが、大きな挫折をしたばかりの島崎を、ある日、偶然、目の前に現れたせった君のことばが救ってくれる。やがて、再び意気投合したふたりは、彼がピアノを弾いている一風変わったパブレストランで行動をともにするようになった。
音楽のことしか、ほとんど考えていないせった君だったが、やがて恋をして、彼がつくる音楽にも変化が見られ始めた。そんなある日、彼らの前に、妙な男がちらつくようになった。彼は、せった君の彼女・小海が以前、付き合っていた男だった。そして、事件は起こった――。

...続きを読む

世界でいちばん美しい のユーザーレビュー

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2016年12月04日

    帯の「最後の瞬間、彼はピアノを弾いていた。」に引き付けられ手にした本。後ろを見ると、「余力をまったく残さず書きました。これ以上のものは、書けなかったと思います。」という藤谷氏のサイン入りの言葉。
    今年、「船に乗れ!」を読んで感動した記憶がよみがえり、もう、買うしかないでしょ!と即購入。
    早速読んでみ...続きを読む

    0

    Posted by ブクログ 2022年01月09日

    音楽に纏わる小説は、知りたくて決して解ることのできない厳しいような苦しいような側面を垣間見せる。絞り出すように書かれた随所に息を詰めながら、また、せった君の口調や折々精一杯に考えた末のことばに沁み入りながら読ませていただいた。
    美しい、とは圧倒的にその世界に集中していること、それは羨みとか妬みを完全...続きを読む

    0
    ネタバレ

    Posted by ブクログ 2021年06月04日

    せった君と島崎哲は幼馴染であった。
    せった君は音楽家、ピアニストであり作曲家、大いなる才能の持ち主。野心や、現世的な欲とはあくまで無縁で、ただ音楽と戯れ、音楽と共にあった人。
    そんな彼を間近で見続けた島崎哲。せった君の音楽仲間で、最後まで彼の理解者。
    けむりに魅入られ、自己正当化をとことん進めた挙げ...続きを読む

    0

世界でいちばん美しい の詳細情報

閲覧環境

  • 【閲覧できる環境】
  • ・ブックライブ for Windows PC(アプリ)
  • ・ブックライブ for iOS(アプリ)
  • ・ブックライブ for Android(アプリ)
  • ・ブックライブ PLUS for Android(アプリ)
  • ・ブラウザビューア

※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。

この本をチェックした人は、こんな本もチェックしています

小学館文庫 の最新刊

無料で読める 小説

小説 ランキング

藤谷治 のこれもおすすめ

同じジャンルの本を探す