国内小説作品一覧

非表示の作品があります

  • 水色の思い出
    -
    1巻880円 (税込)
    “赤、黄、だいだい、緑、紫、ばら色……色とりどりの家が、町の路地にずらりと立ち並んでいる”ベネチアのブラーノ島。島に住む9歳の女の子マリーナは、大好きなロミナばあちゃんから伝統のレース編みを教えてもらえることに――ブラーノの女性が編むレースに込められた“海の魔女の力”を、島に古くから伝わるセイレンと漁師の物語をモチーフに紡いだ「水色の家の魔女」。舞台を現代に変えながらも、古い童話の世界観を懐かしむように描いた「ウサギとカメ」など、5つの小品を収録した著者2冊目の短編集。
  • 水色の娼婦
    3.5
    1巻1,500円 (税込)
    日露戦争から第二次世界大戦、激動の時代に翻弄された美貌の混血ダンサーがいた! 図らずも日本のスパイとして活躍した波乱の人生が甦る、感動のノンフィクション・ノベル。 1990年春。ベルリンの壁崩壊を取材に訪れたジャーナリストは、日本人の母親を持つという元タンゴダンサーの老女、エヴァ・ミツ・ロドリゲスと知り合う。 娼婦だった母はアルゼンチンで入水自殺を遂げ、母親の元同僚トミエに育てられたエヴァはタンゴダンサーとなる。 やがてエヴァはコンチネンタルタンゴの本場ドイツへと渡るが、欧州はナチス・ドイツにより戦火の坩堝と化していく。 その美貌とダンスでナチスの大物にもかわいがられるようになったエヴァに近づいてきたのは、日本の商社員・吉川公夫だった。 陸軍の諜報員である吉川に魅入られ恋に落ちたエヴァは、日本側の女スパイとして活動することを余儀なくされる……。
  • みずうみ
    3.6
    コポリ、コポリ……「みずうみ」の水は月に一度溢れ、そして語りだす、遠く離れた風景や出来事を。『麦ふみクーツェ』『プラネタリウムのふたご』『ポーの話』の三部作を超えて著者が辿り着いた傑作長篇。
  • みずうみ
    4.1
    1巻512円 (税込)
    ママを看取ったちひろは、ななめ向かいのアパートに住む中島くんと奇妙な同居生活を始めた。過去に受けた心の傷によって、体の触れ合いを極端に恐れる中島くん。中島くんに惹かれながらも、彼の抱える深い傷に戸惑いも感じているちひろ。恋と呼んでいいかわからない二人の関係が続く中、ある日中島くんから、一緒に昔の友達に会ってほしいと頼まれてーー。苦しみを背負った人々を癒す希望の物語。
  • みずうみの歌
    3.5
    1巻1,562円 (税込)
    「すべてはあの町から始まったのよね」母が最期に残した言葉の真意を知るため、独りになった少年は母の故郷を訪れる。手がかりは古いモノクロフィルムと未完の小説。町は徐々に陥没がすすみ、一部が大きな湖に飲み込まれていた。湖底に残された"思い出の品"を回収する男性・モグリに出会った少年は、しなやかに泳ぐ姿から"サカナ"と名付けられ、彼の仕事を手伝うことに。少年は母の想いと顔を知らない父の秘密に近付いていく。
  • みずうみの妻たち 上
    3.3
    1~2巻660円 (税込)
    老舗和菓子店に嫁いだ朝子は、浮気に開き直る夫に望みを突きつけた。「フランス料理のレストランをやりたいの」。東京の建築家に店を依頼した朝子は、初めて会った男と共に、夫の浮気相手に遭遇してしまう。
  • みずうみのほうへ
    3.7
    【第38回すばる文学賞受賞作】父と二人で出かけた七歳の誕生日旅行。「サイモン」という人物を想像するゲームで一緒に遊んだあと、父が船上から姿を消し、ぼくはたったひとり、夜の海に取り残された。湖のある小さな町で暮らす伯父のもとに引き取られたぼくは、大学卒業後に港町に出て、水産物加工場で働きはじめる。楽しみは週に一度のアイスホッケー観戦だった。二十代最後の年にぼくは偶然、サイモンそっくりの人物と遭遇。やがて、中古車販売を営む「サイモン」のもとへ週末ごとに通い、ガレージで過ごすようになっていく。だがある夜、突然「サイモン」が、ぼくと父しか知らないはずの言葉を口にして――。時間と空間を自在に交差させながら、喪失の果ての光を繊細に描き出す、新しい才能の誕生。
  • 湖は月の光に満ちて来る
    -
    1巻330円 (税込)
    東京の国立大学生花園司郎は夏休みに仲間二人と公認会計士合格をめざし、外遊の信濃の祖父の留守宅で合宿した。そこに祖父の養女百合子が女子高生になっていた。百合子の銀座ホステスの母は焼死し、店の馴染み客だった祖父は、恩義から乳児百合子を養女にしたのだった。司郎達は百合子と同級生のサト子、美和に勉強を教え親しんだ。司郎と百合子、仁吉とサト子、明と美和のコンビで、白馬、糸魚川、軽井沢へとそれぞれドライブしたが親に叱られた彼女達が復讐の大騒動を企んだ。
  • みずから我が涙をぬぐいたまう日
    3.8
    天皇に殉じて割腹、自死を遂げた作家の死に衝撃を受けた、同じ主題を共有するもう1人の作家が魂の奥底までを支配する〈天皇制〉の枷をうち破って想像力駆使し放つ"狂気を孕む同時代史"の表題作。宇宙船基地より逃走する男が日本の現人神による救済を夢見る「月の男」。──全く異なる2つの文体により、現代人の危機を深刻、ユーモラスに描く中篇小説2篇。
  • 水神様の舟
    4.0
    ――世界は全てを湖に依存していた――。選ばれた〈潜人〉であるセリは隊を辞め、弟を探す旅に出ていた。辺境の邑で出会った少年・レンに「待っていた」と言われ驚くが、彼の邑では、湖から油をくみ上げる櫓を直すため、潜人の派遣を要請していたのだという。セリが修理を買って出ると、邑長は三日間の期限を通告した。疑問に思いながらも承知したが――。エブリスタ「次に読みたいファンタジーコンテスト『神様』」大賞受賞作。
  • 水木しげるの異界探訪記
    3.0
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 古代霊と目玉の親父の導きで、武良家のご先祖様を訪ねて隠岐から鎌倉時代へ。生まれ故郷の境港から戦国時代・古代出雲へと旅する中で明らかになる水木しげる・日本人のルーツ。ニューギニアの夢を通して戦地の記憶を呼び覚まし、そこもまた故郷だったと知る南方編。番外編として水木しげるの死生観が描かれたお葬式編、国譲りの真相を探して歩く古代出雲編を収録。時空を超え異界を旅する水木サンの源流とは?
  • 水木しげるの日本霊異記
    4.0
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 「日本霊異記」の正式名称は『日本国現報善悪霊異記』で、著者は南都薬師寺の僧・景戒(きょうかい)という。822年ごろ成立し、上中下巻、116話からなっているという。 ガゴゼとは、元興寺にまつわる鬼を退治する話なのだが、物語にネズミ男が狂言回し役として、登場。「どくろの怪」でも弟を殺してしまった兄の後悔を描き、水木さん自身が登場し、戦争中の体験を語りながら、骨になってもまだ思いを残す弟の無念を描く。「閻魔大王の使い」では、おなじみの死神が登場。90歳を超える水木先生の傑作。雑誌『怪』に連載した作品をまとめた水木ファンにはたまらない作品。
  • 水木しげるの不思議草子
    3.0
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 屁こきじいさん、鉢かつぎ姫、ものくさ太郎など……室町・江戸時代の庶民に親しまれてきた読み物『御伽草子』。その中でも人気の高い「猫のさうし」「福富草紙」「鉢かづき」「物くさ太郎」「瓜姫物語」「御曹子島渡」の6編を水木サン流にアレンジし、新たな息を吹き込んだ。化け物集会に付喪神、あまのじゃくや鬼などに加え、さらにはおなじみのねずみ男も登場! 妖怪画の一人者が新たに解釈し、生き生きと描き出す。 ユーモアとウィットに富んだ水木版・不思議昔ばなし
  • 水着のヴィーナス
    3.3
    瞳は高級スポーツクラブに通うマダム。ある日支配人から、自分を中傷する内容の手紙を見せられる。犯人探しをはじめると…(表題作)。上京したきりの娘と会った父親が垣間見た、短気で派手好みな娘の意外な一面(「娘の部屋」)。地方都市の主婦、不倫中のOLなど、この短篇集の主人公たちは年齢も立場も様々。ときに傷つき、ときに閉塞した日常に戻ることになりながらも恋をする。その中で思わず発揮される女のしぶとさや逞しさ。切なくおかしい全6篇。
  • 水沢文具店 あなただけの物語つづります
    4.0
    明日町こんぺいとう商店街にある小さな文房具店「水沢文具店」の入り口には、「ペンとノートをお買い上げの方、ご要望があれば話を書きます。オーダーメイドストーリー」という張り紙がはってある。店主が自分のためだけに書いてくれる物語を読むと、悩みが解決するという噂があって―。
  • 水澄ましと深海魚
    -
    1巻1,100円 (税込)
    福岡で十年間の結婚生活に終止符を打った仁は、かつての恋人寛子と再会する。わざわざ東京からやって来た寛子は「抱きしめてもらいに来た」の言葉を残し、仁の前から姿を消す。それから一年後、福岡で再会する二人だが、寛子の隣には片時も離れようとしない男の子耕介がいた――。 変わることを恐れ続けた男と誰にも心の奥底を見せない女。そして、幼くして両親を亡くしたダウン症児の男の子。それぞれの喜びと哀しみを描いた書き下ろし小説。

    試し読み

    フォロー
  • 水玉模様と月の光り
    完結
    -
    全1巻275円 (税込)
    バカな男2人を、しかし女は責めてはいない。 学生の夏休み。東京からオートバイでやってきて、あまりの暑さに、シャワー浴びたさに、 分不相応なホテルに部屋を取ってしまう。 部屋があり、スナックがあり、ビールがあり、そこに彼女がやってきて、思いがけないことになった。友人を呼び出したら、また思いがけないことになった。 2つの思いがけないことのあいだに、彼女はいる。 2人の男たちの目の前に、彼女はいる。 彼女は責めてはいない、静かな悲しみが男たちをうちのめす。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。
  • 水たまりで息をする
    3.6
    【第165回芥川賞候補作】ある日、夫が風呂に入らなくなったことに気づいた衣津実。夫は水が臭くて体につくと痒くなると言い、入浴を拒み続ける。彼女はペットボトルの水で体をすすぐように命じるが、そのうち夫は雨が降ると外に出て濡れて帰ってくるように。そんなとき、夫の体臭が職場で話題になっていると義母から聞かされ、「夫婦の問題」だと責められる。夫は退職し、これを機に二人は、夫がこのところ川を求めて足繁く通っていた彼女の郷里に移住する。川で水浴びをするのが夫の日課となった。豪雨の日、河川増水の警報を聞いた衣津実は、夫の姿を探すが――。
  • 水田マリのわだかまり
    3.4
    1巻1,320円 (税込)
    高校を3日でやめて働き始めた16歳のマリ。殺伐とした洗剤工場の閉塞感の中で、ストレスがほこりのように積もっていく。だけど、ウップンと不満は、生きるのに欠かせないガソリンだ。低賃金労働の現場といじめ、外国人労働者、毒親、そして介護の問題を独特の文体でリアルに描く平成のプロレタリア作家待望の新作。
  • 蛟堂報復録1
    3.5
    「地獄の沙汰も金次第。業を背負う覚悟と金があるのなら、その恨み、蛟堂に預けてみませんか? 悪いようには致しません。一週間以内に、必ずや片を付けてみせましょう」。報復屋を営む陰陽道の天才、三輪辰史が遭遇する怪異幻想譚。アルファポリスミステリー小説大賞・大賞受賞作。
  • 水つき学校
    -
    「水のつかないところへ学校を移してくれ」――サワンド小学校生徒の訴え! 雨が降るたびに、洪水に見舞われる村、水がついてしまう学校。テンリュウ川の自然の力なのか、電力会社のダムのせいなのか……。洪水に悩まされる小学生や村民の声を、著者自身の体験に基づいて綴った名品。厚生大臣賞受賞作品。
  • 水と礫
    4.0
    1巻1,540円 (税込)
    東京でのドブ浚いの仕事中の事故をきっかけに故郷へと戻ったクザーノは、砂漠のむこうの幻の町へ旅立った――回帰する灼熱の旅が、一族の風景を映し出す。第57回文藝賞受賞の一大叙事詩。
  • 水に似た感情
    3.8
    人気作家・モンクは友人のミュージシャンたちとテレビの取材でバリ島を訪れる。撮影はスタートするが、モンク自身の躁鬱と、スタッフの不手際や不協和音に悩むが、呪術師を取材し超常現象を体験した後、モンクも落ち着きスタッフもまとまる。帰国したモンクは親しい友人たちを誘い再びバリを訪れるのだが。リアルに迫りくる幻想体験を通じ、なぜか読むほどに心安らぐ小説。
  • 水の香り  [分冊版]
    -
    アメリカのブルーフィルムを上映している映画館で、年上の女性と出会った男子高校生の一志。彼女は脚本家で、AVの脚本を書く参考に一志の話を聞きたいという。 ※この電子書籍には、単行本「MILK」所収の短篇「水の香り」が収録されています。
  • 水のかたち 上
    4.0
    1~2巻715~759円 (税込)
    東京下町に暮らす主婦・志乃子、50歳。もうすぐ閉店する「かささぎ堂」という近所の喫茶店で、文机と朝鮮の手文庫、そして薄茶茶碗という骨董品を女主人から貰い受ける。その茶碗は、なんと三千万円は下らない貴重な鼠志野だという。一方、志乃子の姉、美乃も長年勤めていた仕事を辞め、海雛という居酒屋の女将になるという。予想もしなかった出会いから、人生の扉が大きく開きはじめる――。
  • 水の恋
    値引きあり
    3.0
    1巻341円 (税込)
    親友の死は事故、それとも自殺、あるいは失踪だったのか……? 妻・映里子と亡き親友との過去に疑念を抱きながら、昭は真相を突きとめるため、親友の故郷、飛騨の山奥の神馳淵を訪れる。鍵を握るのは伝説の仙人イワナ。昭はそこで心のわだかまりを解き放ち、すでに絆を失いかけている妻との関係を取り戻すことができるのだろうか。人生のさまざまな鬱屈の先にあるたしかな希望と、愛によってたつ男と女の脆さとその再生を見事に描いて心ふるわせる恋愛ロマン。
  • 水の如くに~柔術の祖・関口柔心 不敗の生涯~
    -
    乱世から江戸の泰平へと移る時代、ただ無心に強さを追い求めた男がいた。関口氏心、のちの関口柔心。関口流柔術を創始した男。士分にありながら、捕手術(格闘)から居合い術まで様々な流派の極意を体得し、一対一の戦いでは絶対不敗の域に到達した。柔心はなぜこれほど純粋に強さを追求したのか。歴史に隠された最強武術家の姿が浮かび上がる傑作伝記小説。
  • 水野瀬高校放送部の四つの声
    3.6
    校庭に響いたマイクの音に心奪われ、衝動的に放送同好会を設立した高校三年生の巌泰司。一人気ままに活動するはずが、NHK杯全国高校放送コンテスト出場を目指す一年生の赤羽涼音と白瀬達彦が入部してくる。さらに競馬実況女子の二年生・南条梓も加わり放送"部"として歩み始めることに。だが4人はそれぞれ言葉にできない悩みを抱えていた。友達、家族、将来――ままならない思いを声に託した高校生たちの青春群像4篇
  • 水の葬列
    -
    1巻550円 (税込)
    不貞ゆえに妻を殴殺した過去に追われるように、山奥のダム工事現場へ流れ込んだ男と、水没を目前にしながら無気味な沈黙を続ける幻想的な落人部落の人々との、微妙な心の響きあいを描く表題中編。他に、戦時下の勤労動員を背景に、青春の心の陰影を鮮やかに定着した『彩られた日々』等、戦中戦後“二つの精神的季節”を生きてきた作者自身の体験を結晶化した短編5編を併せ収める。

    試し読み

    フォロー
  • 水の月
    3.8
    1巻1,830円 (税込)
    百花と千愛は3つ違いの姉妹。両親のもと成長していたが、ある日両親が離婚する。 父の元へ引き取られた百花と、母の元へ引き取られた千愛。離れて暮らすようになって30年が過ぎ、39歳となった百花は、制作会社の契約社員として働いている。 ある日、担当している番組の百花宛に1通の手紙が届く。長らく会っていない妹・千愛からの手紙に驚きながらも、手紙の内容から千愛からのものだと確信し、返信にメールアドレスを書いておいた。 それから2人のメールのやり取りが始まる。千愛はすぐに、重大な事実を知らせる。 会えなかった間の30年の間を埋めるように、互いの辿った道を綴る。 父の再婚相手との関係がうまくいかず、早くに自立した百花。母子家庭で困窮状態にあったが、結婚を経て、1児の子育てに忙しい千愛。最初に語り合ったのは、そんな表向きのこと――。 距離が近づいていくうちに、心の底に仕舞った思いをぶつけあっていく2人。 共有できない母との思い出、途切れた時間は再びつながるのか……。
  • 水の翼
    4.0
    木口木版画家・柚木のもとを訪れて弟子入りを志願した青年、東吾。柚木の歳若い妻・紗江は、どこか謎めいたこの青年に強く惹かれていく。ある日、柚木が急逝し、東吾は詩画集『水の翼』のための木版画制作を引き継ぐことに。同じ家で二人きりで過ごす紗江と東吾は、互いの想いの強さを偽れなくなっていく……。芸術と恋情のはざまで引き裂かれる男女の運命を描く、恋愛小説の白眉。
  • 水の砦 福島正則 最後の闘い
    4.0
    奇策で幕府に挑む! 時代小説大賞受賞作――改易・配流された福島正則は、捨身の闘いに立ちあがった。相手は、徳川幕府の重臣・本多正純(まさずみ)。執拗な攻撃に、正則は、陣屋の周辺に流水要塞をめぐらし、水の砦を築いて防戦する。大久保党と闇の宰領から、二重三重に仕掛けられた恐ろしい罠。幕府に挑んだ最後の武将の、悲哀と不条理を描ききる、第5回時代小説大賞受賞作。
  • 水の中の犬
    3.8
    探偵の元にやってきた1人の女性の望みは恋人の弟が「死ぬこと」。誰かが死ななければ解決しない問題は確かにある。だがそれは願えば叶うものではなかった。追いつめられた女性を救うため、解決しようのない依頼を引き受けた探偵を襲う連鎖する悪意と暴力。それらはやがて自身の封印された記憶を解き放つ。 (講談社文庫)
  • 水の中のザクロ
    4.0
    1巻1,771円 (税込)
    ああ、ゴクラク、ゴクラクやね。湯の中でほどけてゆく心と体。ケンコウランドで出会う女たちのさまざまな生の形。――「いろんなものを流しにくるのよ。家の小さな排水口じゃ流せないものもあるから」と1人の女は言った。「なにを流すの?」「亭主に男」それに、と女は付け加えた。「昔のことは全部流したいねえ」それはなかなか流れてくれない、昔はしつこい、と言った。──本文より
  • 水の中の八月
    4.0
    水には目ってやつがある。石と同じで目を縫って泳ぐと嘘みたいに軽い。おまえらはサカナになれ、と言った監督は無理心中で死に、友だちの新井は朴と名前をかえた。水泳部をやめた僕の高3の夏休みはこうしてあっけなくすぎた。「在日」を生きる青春をとぎすまされた文体で描く表題作を含む7つの短編集。(講談社文庫)
  • 水のなかの蛍
    4.0
    誰もが過去を引きずっている。みんな悲しい思い出を持っている。都会の片隅に、大切な人とはぐれた人々が住む古い洋館アパート・風見館、訳あり客が寄り添い合う喫茶店・前奏曲(プレリュード)がある。そこに住み、そこに入り浸る、お人好しなだけが取り柄の大学生は、堕ろした子供のもとに行きたいと願う謎の女子高生と出会う。ダイナマイトで一緒に死んでほしいと言われた。まっすぐで純な愛のあり方を描く長編。
  • 水の年輪
    -
    1巻495円 (税込)
    彼はいきなり小さなカメラを出した。そしてトラックの助手席にいた少女に声をかけて道路に降ろすと、二人ならんで、僕にシャッターを切れと言った。そのあと少女と僕、彼と僕との写真も撮った。「嵐のなかで日本人と出会うなんて、滅多にないからな。もし俺たちが竜巻に巻き上げられたら、このフィルムを誰かが現像して、最後の写真だとCNNが放送するかもしれない、すごいな、どうだ」怯えているのか楽しんでいるのかわからない。(「チャタヌーガ・チューチューの樽」より)  世界各地を気ままに旅する小説家ジュンジが見た風景、出会った人々、交わした想い……。ハートフルな連作短篇集。 *カイザースラウテルンの眼 *ジャルダンピュブリックの魚 *イエローナイフの雲 *チャタヌーガ・チューチューの樽 *グレート・バリア・リーフの壜 *デンパサールの鶏 *オルガン・パイプ・カクタスの虫 *サン・セバスティアンの霧 *ヘッド・ハンティング・ファミリーの森 *ウェディング・ケーキ・マウンテンの怪 *クライマーズ・シェアの雫 ●薄井ゆうじ(うすい・ゆうじ) 1949年茨城県生まれ。イラストレーター、デザイン編集会社経営を経て作家へ。1988年『残像少年』で第51回小説現代新人賞を受賞。1991年に初の長篇『天使猫のいる部屋』を発表。1994年『樹の上の草魚』で第15回吉川栄治文学新人賞を受賞。映画化・舞台化・ドラマ化された作品も多い。
  • 水の匣/LOVERS
    -
    私は恋愛がしたいのか、結婚がしたいのか…。恋人との結婚に悩む可絵は、中学時代の淡い思い出を胸に鎌倉を訪れた。あのとき私にもう少し勇気があれば、違った人生を歩んでいたのではないか?何かに追われるように、幼い恋の相手を探す可絵だったが…。ベストセラーの恋愛アンソロジー『LOVERS』収録の珠玉短編、倉本由布が織り成す幻想的な逸品。

    試し読み

    フォロー
  • 水の肌
    3.4
    妻の実家の金で留学した男が旅先で資産家の娘と知り合い、妻の前から姿を消す。彼は妻に落ち度があれば離婚が成立すると、私立探偵を雇い、密かに動向を監視し続ける。ところが知らぬ間に、彼が軽蔑していたかつての同僚と妻が再婚していたのを知った時、男の心に理不尽な怒りが湧く…。表題作をはじめ計りがたい人間の愛憎と欲望をテーマに、現代社会の不確実な内面をえぐる傑作短篇5話を収録した推理小説集。

    試し読み

    フォロー
  • 水の柩
    3.5
    タイムカプセルに託した未来と、水没した村が封印した過去。時計の針を動かす、彼女の「嘘」。平凡な毎日を憂う逸夫は文化祭をきっかけに同級生の敦子と言葉を交わすようになる。タイムカプセルの手紙を取り替えたいという彼女の頼みには秘めた真意があった。同じ頃、逸夫は祖母が五十年前にダムの底に沈めた「罪」の真実を知ってしまう。それぞれの「嘘」が、祖母と敦子の過去と未来を繋いでいく。
  • 水の繭
    3.3
    むかしむかしあるところに、私たちが家族だった頃がある――。母と兄、そして父も、私をおいていなくなった。孤独な日常を送っていたとうこのもとに、ある日転がりこんできた従妹の瑠璃。母とともに別居する双子の兄・陸は時々とうこになりかわって暮らすことで、不安定な母の気持ちを落ち着かせていた。近所の廃屋にカフェを作るためにやってきた夫婦や、とうこの祖母。それぞれが大きな喪失を抱えながら、ゆっくり立ち上がっていく、少女とひと夏の物語。
  • 水の都、蘇州の恋
    -
    仕事を辞めた水波綾江は、同じく仕事を辞めた親友・友香と中国旅行へ行く。途中、綾江は友香と別れ、ひとり蘇州へ行く。そこで陸浩宇という男性と出会う。中国に詳しい彼を案内人として、一緒に蘇州観光をすることになって……。綾江は次第に浩宇に惹かれていく。他二篇(「吐魯番の果実」「牡丹の花」)

    試し読み

    フォロー
  • 水辺のブッダ
    3.4
    1巻1,584円 (税込)
    ベストセラー『あん』著者新時代の感動長篇。 多摩川の河川敷で、仲間のホームレスたちと共に生活する望太。一度は死を選びながらも、彼らに救われ、やるせない思いを抱えながら生きている。 そこからさほど遠くない街で、女子高生の絵里は、世の中に対する怒りとむなしさを抱えて暮らしていた。家族の中での疎外感に耐えられなくなったころ、ある男と出会い、事件に巻き込まれてしまう。 そしてふたりの過去が次第に明かされてゆく・・・。 誰の人生にも、冷酷な人間の心の闇に触れて絶望するときがあれば、人と出会い、深く語り通じ合い、光に満ちた美しい瞬間もある。 世の中の片隅で懸命に生きる人々の傍らに立つドリアン助川が描く、ふたりの“生きる”物語。 河瀬直美監督、樹木希林・永瀬正敏主演で映画化もされ、世界12言語で翻訳出版され国内外でベストセラーとなっている『あん』の著者の、新時代最初の感動長篇!(2019年5月発表作品)
  • 水辺のゆりかご
    3.5
    1巻550円 (税込)
    昭和四十三年、夏至の早朝、在日韓国人夫婦の間に一人の女の子が生まれた――。家族のルーツ、両親の不仲、家庭内暴力、苛烈をきわめた学校でのいじめ、そして自殺未遂……。家庭や学校、社会との、絶え間ない葛藤と軋轢のなかで歩んできたみずからの姿を見据え、類いまれな“物語”へと昇華した感動の一冊。作家としての豊かな資質を示し、読者に生命の力を吹き込んだベストセラー作品、待望の電子化!
  • 水やりはいつも深夜だけど
    値引きあり
    3.8
    1巻308円 (税込)
    セレブママとしてブログを更新しながら周囲の評価に怯える主婦。仕事で子育てになかなか参加できず、妻や義理の両親から責められる夫。出産を経て変貌した妻に違和感を覚え、若い女に傾いてしまう男。父の再婚により突然やってきた義母を受け入れきれない女子高生……。思い通りにならない毎日。募る不満。言葉にできない本音。それでも前を向いて懸命に生きようとする人たちの姿を鮮烈に描いた、胸につき刺さる6つの物語。 小説で誰かを救う。そんな大それたことは言いづらい。 だけど、それに本気で挑戦している作家は確かにいるのだと、 窪美澄を読むといつもそう思う。 ――朝井リョウ(作家) 文庫化に際し、オリジナル短編、一編追加!
  • 水よりも濃く
    3.0
    娘の交通事故死をきっかけに、アルコール依存症になった妻。もともと夫婦の仲がしっくりしていなかった夫は、年下の美しい女性と出会い、恋に落ちてしまった。家庭では満たされない心の癒しを恋人に求めた男の行き着く先は? 夫婦、家族、恋人、愛のあり方を真摯に問い、その本質を追究した傑作恋愛小説。夫婦とは? 愛とは?
  • 水を打つ(上)
    3.7
    競泳自由形の日本記録を持つ矢沢大河は、前回の五輪の4×100mメドレーリレーでは僅差でメダルを逃がし、雪辱を期している。そこに現れたのが高校3年生の小泉速人。不穏当な言動で選手の反発を買う小泉は、新型水着「FS‐1」を身につけて好記録を叩き出す――個人競技におけるリレーとは何か、ツール(水着)とは何かを迫真の筆致で描く問題作。
  • 水を抱く
    3.8
    初対面で彼女は、ぼくの頬をなめた。29歳の営業マン・伊藤俊也は、ネットで知り合った「ナギ」と会う。5歳年上のナギは、奔放で謎めいた女性だった。雑居ビルの非常階段で、秘密のクラブで、デパートのトイレで、過激な行為を共にするが、決して俊也と寝ようとはしない。だがある日、ナギと別れろと差出人不明の手紙が届き……。石田衣良史上もっとも危険でもっとも淫らな純愛小説。
  • 未成年だけどコドモじゃない
    -
    大人気コミック「みせコド」映画ノベライズ。 大人気の『今日、恋をはじめます』など大人気少女漫画を世に送り出してきた水波風南が次に生み出した物語は高校生秘密の新婚ラブストーリー。ラブラブ甘々な物語と思いきや、新婚だというのにヒロイン香琳は、夫の尚に片思い。結婚式を終えて一緒に暮らし始めたとたん、尚に「おまえのことは大嫌い」と言われ、いきなり家庭内別居を余儀なくされたのだ。ただただ親元から離れて暮らしたかった尚と、本当に尚のことが好きな香琳。そんな二人の同居生活、香琳の思いは尚に届いてラブラブになれる日は訪れるのか? 出演・中島健人、平祐奈、知念侑希による、この冬一番のラブストーリーが東宝系で全国ロードショー。映画脚本をもとにしたノベライズ。(2017年12月発表作品)
  • 未成年 他六篇
    -
    1巻550円 (税込)
    生計のためいかがわしい下宿人たちに居間を明け渡し、女中部屋と子供部屋に逼塞する一家――旧軍人の老いた父と家政の下手な母親を眺めつつ過す僕の暗い青春の日日と鬱屈した心情を描く「未成年」、知能の遅れた兄を持つ弟の哀しみを精緻に写した、デビュー作「子供部屋」など、透徹した描写に瑞々しい感性をたたえて、文学の香り高い初期作品7篇を収める、著者の第一作品集。
  • 未成年・桃 阿部昭短篇選
    値引きあり
    5.0
    敗戦で失職した元海軍大佐の父。時代に背を向け不器用に生きた父と家族の「戦後」を、激情を内に秘めた簡潔な表現で描いた「未成年」(「父と子の連作」の一)。幼年期の記憶のヴェールに揺曳する一情景を、繊細な筆致で甦らせる「桃」。阿部文学の通奏低音である湘南の大自然と朽ちていく人の家を対比、早過ぎた晩年の心境を刻む「水にうつる雲」。澄明な文体と深いユーモアで人生の真実を描いた、短篇の名手の名篇10篇を精選。
  • ミセス・ノイズィ
    4.0
    大スランプ中の小説家・吉岡真紀(ペンネーム水沢玲)は、実家近所のマンションに引っ越し早々、隣家の女・若田が発する騒音に襲われた。 若田は早朝にもかかわらず、ベランダに干した布団を激しく叩きつけ、轟音を撒き散らすのだった。真紀の苦情を物ともせず“音”はエスカレート。 執筆はいっこうにはかどらず、夫や幼稚園に通う5歳の娘との関係も悪化する一方。 心の平穏を失った真紀は隣人とのいざこざを小説に書いて反撃に出ることに。 その作品「ミセス・ノイズィ」は評判を呼ぶが、やがてSNSで炎上、二人の女の運命を狂わせる大事件へと発展して……。 2019年秋、東京国際映画祭・スプラッシュ部門のワールドプレミアで大反響、劇場公開が熱望されながら、 コロナ禍で公開が延期となっていた話題の映画作品を監督自らが小説として書き下ろした、衝撃の一作です!
  • 魅せる肌<新装版>
    -
    1巻550円 (税込)
    ランジェリー、脱ぎ方いろいろ。着け方えろえろ。 「マジックミラー越しに試着室を密かに観察して、お客様に的確なアドバイスをして欲しい」この美味しい話に飛びついた小笠原貢は、ランジェリーショップで充実ならぬ充血した日々を送ることに。鏡の向こう側でさらされる、女たちの無防備痴態。
  • 味噌川くんとあたし
    -
    1巻440円 (税込)
    僕、味噌川公平の日常には勉強と、腐れ縁の友人と、そしてクラスメイトの吉原さんでのオナニーがある。  僕の中の吉原さんは、黒いストッキングを履いた足で責め立ててくれる。普段の優等生からは想像できない程にエッチで、味噌川くんのことが大好き。今日もまた味噌川くんと色んなプレイをして、セックスをする。  たった数回会話したことがあるだけのクラスメートだけど、これで僕と吉原さんはずっと繋がっていられる。セックスできるんだ。 これは最高なはずなのに何故、僕はこんなに1人なんだろう? 『つんどく!』新人発掘プロジェクトに選ばれた、青春期の性と愛をまっすぐに描いた小説です。
  • みそしる戦争
    -
    朝ごはんは和食派という共通項があるヒモの男とその彼女。しかし、二人には決定的な溝があった。みそしるの好みである。白味噌派のヒモ。赤味噌派の彼女。二人の間で勃発するみそしる戦争。 その最中、事件がおこり、塞ぎ込んでしまう彼女。 ヒモはそんな彼女を救うべく、とある料理に挑む。 ヒモが味噌汁戦争を経て、絆を取り戻し、自らの人生を再び歩き始める成長物語。 NovelJam 2018秋 出場作品
  • 味噌汁とパン・オ・ショコラ
    -
    人生の夢やら恋やらを諦め、26才にして既に達観している平成生まれの老女系女子、幸子。心配する友人に勧められるままルームシェアをすることになるが、その相手は本物の老女、推定70代のハナエだった。 少女のように全力で恋をして、日々華やかに楽しんで生きるハナエ。対照的に、自分にとって何が楽しいことなのかもわからずに、ただ忙しく働いて地味な毎日を過ごすだけの幸子。ふたりは毎日リビングルームで顔を合わせるが、趣味も食べ物の好みもまったく合わない。 「アナタ、味噌スープなんかじゃなくて、オニオングラタンスープくらい飲んだらどうなの?」 「…… わたし、この世で一番味噌汁が好きなんで」 すれ違う二人。でも、一生懸命に恋をするハナエの姿に、幸子は思い出した。こんなわたしにも、恋に一生懸命だった時代があった。そんな幸子に近づいてきたのは、いつも嫌味を言ってくる会社の先輩、鮫島栄太だった……。
  • 味噌汁は朝のブルース
    完結
    -
    全1巻275円 (税込)
    2人の関係がどこでわかるか? 会話だ、と言ってみたい。 ロクでもない男、と言ってもいいかもしれない。 販売促進課に勤めるサラリーマンだ。 片岡義男の小説の多くの登場人物(男)がそうであるように、ここでも年齢は27歳。 恋人らしき女のほうは、実に平凡極まりない名前で、 しかしいい女。のように見えて・・・・・・ さてどうだろうか。 凡庸なようで、停滞のない会話。共に迎える朝。 とりあえず、それだけあれば、なんとかなる。 【著者】 片岡義男:1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。
  • みぞれ
    3.8
    1巻682円 (税込)
    思春期の悩みを抱える十代。社会に出てはじめての挫折を味わう二十代。仕事や家族の悩みも複雑になってくる三十代。そして、生きる苦みを味わう四十代――。人生折々の機微を描いた短編小説集。
  • みぞれ雨~名残の飯~
    4.0
    隅田川縁にある橋場の渡し傍にある一膳飯屋『しん』には今日も、訳ありな客たちが、一時の休息を求めて訪れる。我が子との別れを決意した女、夢破れた元戯作者、父の借金で苦しむ女、男勝りで剣術に没頭する女剣士――。この店にいると皆、素直になれるのだ。ある者は、新たな一歩を踏み出し、ある者は過去に決別する。好評を博した時代小説シリーズ、待望の第二弾。
  • ミタカくんと私
    4.1
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 一見とっつきにくいけど、顔がいいから女の子にモテる。幼稚園から一緒だったという理由で、いろいろな人にミタカくんのことを聞かれたりする私の家に、ミタカは日常的にいついている。うちはママと中学生のミサオ、パパは家出中。だからいつも4人で、ごはんを食べたり、テレビを見たり、日々は平和に過ぎていき、これからも続いていく―ナミコとミタカのつれづれ恋愛小説。 ※この商品は固定レイアウトで作成されており、タブレットなど大きなディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。
  • 充たされた生活
    -
    身よりのない27歳の新劇女優朝倉じゅん子は、3年におよぶ結婚生活を清算する。死んだ兄の同級生である劇作家、アパートの隣室に住んでいる学生運動家、妻と死に別れた俳優など、さまざまな男性を遍歴するが、じゅん子は結局、右翼暴力団に襲われた劇作家に自分の全身をあずける……。60年安保闘争を背景に現代人にとっての充実した生とは何かを追求する書下ろし長編。
  • 三たびの海峡
    4.1
    「一度目」は戦時下の強制連行だった。朝鮮から九州の炭鉱に送られた私は、口では言えぬ暴力と辱めを受け続けた。「二度目」は愛する日本女性との祖国への旅。地獄を後にした二人はささやかな幸福を噛みしめたのだが……。戦後半世紀を経た今、私は「三度目の海峡」を越えねばならなかった。“海峡”を渡り、強く成長する男の姿と、日韓史の深部を誠実に重ねて描く山本賞作家の本格長編。
  • 見た目レシピいかがですか?
    3.7
    1巻1,400円 (税込)
    「イメージコンサルタント」に関わる4人の女たち、それぞれの事情とは? ●純代の場合――娘から「参観日にお母さんが一番ダサかった」と言われ…… ●あかねの場合――不倫相手の「私服がかっこ悪い」のが許せない…… ●美波の場合――自分がこんなかわいらしい服を着てもいいのだろうか…… ●繭子の事情――的確なアドバイスを下す彼女の抱える問題とは…… あなたの第一印象、そのままでいいですか? 本当に似合う色、服、髪型などを提案し、「見た目」を変えるイメージコンサルタント・御手洗繭子。ほんのちょっとの気づきと心構えで、人生は変わっていくもの。彼女のアドバイスを受けた人々の外見と内面の変化とは? そして繭子自身が抱える秘密と事情が……。「きれいになりたい」「自分らしくありたい」と思う女性たちの心理を、鋭くかつ細やかに描く、連作小説集。

    試し読み

    フォロー
  • 見た・揺れた・笑われた
    -
    1巻462円 (税込)
    焼跡の街を空腹を抱えて徘徊しながら、青春の惨苦と荒涼にひしがれ、人生の醜悪の果てを見たい熱望にかられた日々。廃墟の青いミミズにも似た主人公の“修業時代”を描く佳作「見た」。 近郊農村の小屋での年上の女詩人との同棲生活。19歳の父となった体験を語って奇妙に感動的な「笑われた」。破天荒で余裕綽々。饒舌体と称されながら、知性がきらめき詩が横溢する独得のスタイルの、私小説パロディ。現代文学の金字塔「夏の闇」に至る著者の出発と模索を示した短篇シリーズ。
  • みだら英泉
    3.7
    文化文政期、美人画や枕絵で一世を風靡した絵師・渓斎英泉。彼が描いた婀娜で自堕落で哀しい女の影には三人の妹の存在があった――。爛熟の江戸を舞台に絡み合う絵師の業と妹たちの情念。幻の傑作、甦る。
  • みだら女剣士
    -
    1巻715円 (税込)
    快感知らずに成仏できない!? 美処女剣士の欲求を満たせ! 女子大剣道部の夏合宿の手伝いで山間の民宿を訪れた素人童貞の治郎。バイトに備え、部屋で休んでいると幕末の女剣士、小夜の幽霊が現れる。快感を知らず、処女のまま死んだことを悔やんでいたが、彼女に実体はなく、生身の肉体に触れることができない。そこで、巨乳妻、美女部員やコーチに次々と取り憑き、欲求を満たし——。書き下ろし爽快官能!
  • 淫らな聖女たち
    -
    1巻792円 (税込)
    ――耀司の世界には、おっぱいがあった。――この刺激的な書きだしから、妖しい世界ははじまる。さらに、――顔を埋めればぬくぬくと温かく、ほのかに甘い肌の匂いと、柔らかな肉のたわみに鼻を塞がれ、息苦しくさせられる。それでも、いつまでもしがみつき、顔を寄せていたい、そんなおっぱいが。――六歳だった耀司を残して家を出た母の記憶は、たわわに実るおっぱいだったのだ。大人になっても、母の残照としてのおっぱいを求め、そして苦しむ耀司。おっぱいとともに育っていく無垢な男の淫らで逞しい成長譚。
  • 乱れ舞い
    -
    1巻682円 (税込)
    大学時代は新体操のキャプテンとして華やかに踊り、「乱舞蝶」と呼ばれてスターだった咲子。 卒業後すぐに結婚したが、緊張感のない生活のため、太ってしまい、かつての美貌は消えてしまった。 だらだらと専業主婦をしていて、暇潰しに電話をしたのが、大学時代の同級生で、新体操を一緒にやってきた奈津美だ。 だが、彼女はこそ、悪魔の化身のような女だった。 咲子は、夫ともども性の地獄をみることになってしまう。
  • 乱舞
    4.6
    日本舞踊界の中心的存在として隆盛を迎えた梶川流。将来も安泰に思えたある日、家元猿寿郎が事故死した……。そして家元の血を継ぐ隠し子たちが、未亡人となった秋子の前に現れる。妹の千春や母の寿々までもが跡目を巡り弟子たちと争いを繰り広げるなか、梶川流を守るため、秋子が選んだ道とは――。因襲の世界で懸命に生きる女たちを描いた波瀾万丈の人間ドラマ。『連舞』に続く傑作長編小説。
  • 乱れる海よ
    3.8
    1巻1,584円 (税込)
    50年前に起こった世界初の空港テロ事件。それは崇高な使命からだったのか、それとも……。恋愛小説の名手が拓く新境地。
  • 未知生さん
    3.8
    1巻1,815円 (税込)
    協調性がなくてマイペース、それでいて人畜無害な、いい人――そんな羽野未知生が不慮の事故に遭い、41歳の若さで突然この世を去った。葬儀に参列した高校の同級生や大学時代の元カノ、会社員時代の同期や上司は、在りし日の想い出を振り返りながら、自分自身の〈今〉を見つめ直す。そして遺された家族もまた、未知生のいない日常を歩みはじめるが――。 イマイチつかみどころの無いキャラの未知生と、生前うっかり関わってしまった者たちの〈これから〉を描く書き下ろし長編小説。
  • 未知海域
    -
    1巻748円 (税込)
    西アフリカで拿捕され帰国した友永を待っていたのは、親友の兵藤がニュージーランドで遭難したという知らせだった。友永は兵藤がニシンの新しい漁場を見つけたのではないかと推測するが、死んだはずの兵藤の姿をシンガポールで見たという情報が流れてくる。兵藤の行方を追ってシンガポールへ飛ぶ友永。しかし彼の周りには諜報機関や秘密結社など、正体不明の怪しい組織や人物がうごめき始め……。息詰まるサスペンスに満ちた著者のデビュー作!
  • ミチクサ先生(上)
    4.2
    1~2巻913円 (税込)
    ミチクサが多いほうが、人生は面白い! てっぺんには裏から登ったって、足を滑らせたっていい。あちこちぶつかったほうが道は拓ける。 夏目家の「恥かきっ子」金之助は生まれてすぐに里子に出されたり、年老いた父親にガラクタ扱いされながらも、 道楽者の祖父の影響で子供ながらに寄席や芝居小屋に入り浸る。学校では異例の飛び級で頭角をあらわし、 心のおもむくままにミチクサをして学校を転々とするように。その才能に気付いた兄に英語を仕込まれ、 東京大学予備門に一番で合格した金之助は、そこで生涯の友となる正岡子規と運命の出会いを果たす。 伊集院静がずっと共鳴し、いつか書きたかった夏目“漱石”金之助の青春。 日経新聞の人気連載小説を書籍化し、「日曜日の初耳学」はじめ朝日新聞や「週刊現代」各紙誌で取り上げられ 「ラジオ深夜便」「大竹まことゴールデンラジオ」でも話題になった注目作が文庫化。
  • 「美智子」―その愛と背信〈作品II〉
    -
    1巻1,320円 (税込)
    「愛は小さじ一杯で人を狂わせ、人を殺してしまうと、あなたは言われましたね」 ―運命の糸に操られ、男と女は愛に錯乱し、死の淵へ流れ落ちて行く さりげない小話(随想)が、池に投げた小石の波紋のような感動となって、読む人の心の中に静かに広がって
  • 道子の草文
    3.0
    1巻2,200円 (税込)
    『花びら供養』『綾蝶の記』に続く渡辺京二編集の遺文集。石牟礼道子資料保存会提供の未発表短篇小説を含む散文を10代から晩年まで年代順に収録。三回忌に合わせて刊行。
  • 満ち潮
    -
    1巻1,100円 (税込)
    瀬戸内海に臨む小さな町を舞台に、少年がさまざまな体験を積み重ねて成長していく姿を爽やかなタッチで描く短編集。著者自身の原風景ともいえる少年時代の思い出をもとに綴られた渾身の3作品は、それぞれの行間に波の音や陽射しを感じさせ、読者に淡い少年時代の思い出を募らせる。

    試し読み

    フォロー
  • 満潮の時刻
    4.1
    突然の喀血により結核に冒されていることを知った明石。四十代の働き盛りで療養生活を余儀なくされ消沈する明石が入院先で出会ったのは、自分よりもさらに死に近い病人たちと、その儚い命の終焉だった。結核がまだ致命的な病であった時代、死の淵を彷徨い絶望と虚無に陥った男の心はどこへ向かったのか。生と死、信仰と救済。遠藤文学を貫くすべてのテーマが凝縮された感動の長編。

    試し読み

    フォロー
  • 道標
    -
    1巻1,056円 (税込)
    実話を基に描かれた衝撃のエンターテイメント小説。 領はアルバイトをしていた店で知り合った佳子と、出来心で体の関係を持ってしまう。 人間的に好きになれないと思っていた佳子との関係だったが、領はずるずると断ち切ることができないでいた。 そんなある日、突然佳子が領のマンションに押しかけてきた。 今まで見たことのないほど怒り狂った彼女に、領は拉致され監禁されてしまう。 外の世界から切り離された部屋の中で、日に日にエスカレートしていく暴力。 領はこのまま佳子に従うことしか出来なくなってしまうのか……。 二人が迎えた驚きの結末とは――。

    試し読み

    フォロー
  • 道標
    -
    1巻275円 (税込)
    昭和43年東北の田舎町から幸運に恵まれて東大に入学した室井は、ひょんなことからカトリックの修道会が経営する大学生寮で生活することになった。 そこでカナダ人修道士の舎監ベランと出会う。ベランは戦時中、敵国人として日本国内の強制収容所で過酷な抑留生活を送った経歴の持ち主だが底抜けに明るく包容力のある暖かな人柄で寮生の絶大な信望を得ていた。室井は忽ちその人格に魅せられ傾倒するようになる。 入学時から東大は学内紛争で紛糾していたが入学式は何とか実施されたものの、その後、総長による機動隊導入に端を発して全学が騒乱状態に陥り七月ついに駒場も無期限ストに突入してしまう。そんな渦中にあって室井は集団に対する拒絶反応から紛争に対しては肯定とも否定ともつかないあいまいな態度に終始していた。九月には新左翼系活動派が駒場中心部建物のバリケード封鎖を強行する。 ついに室井も遅まきながらクラス連合という新しい組織に加わり活動に参加することとなった。 一月には突然転勤によるベランとの別離に見舞われる。 二月にはバリケード封鎖されていた安田講堂が機動隊の強行突破により解放されるに及んで学内紛争は、ようやく終息を迎えることになった。 自己の確立を模索しながら彷徨する一大学生の一年間の軌跡を描いた作品である。
  • 道順は彼女に訊く
    完結
    -
    全1巻275円 (税込)
    これは謎についての小説ではなく、関係についての小説である 一人のフリー・ライターがいる。彼は引越しに伴う書類の整理中、ふと昔の雑誌記事に目を留める。5年前、25歳の女性が失踪したことをめぐる記事だ。記事と、その後どうなったかについて興味をそそられた彼は、取材を開始。多くの人物に会う。記事を書いたライター、失踪した女性の友人、両親……調べながら彼は、これは犯罪や事件ではなく、失踪者自身の意志ではないかと推測するに至る。そして作者が「あとがき」で書くように、小説の核心は、なぜ? という謎以上に女性を中心とした関係性そのものにあるのだ。 【目次】 第一章  五年前のこと 第二章  最初の取材者 第三章  裸婦は語る 第四章  暗室で夕食 第五章  写真と油絵 第六章  父親の見識 第七章  二階の部屋 第八章  上司や同僚たちが語る 第九章  それまでの一時間三十分 第十章  髪を切った女 第十一章 ひとり二役 第十二章 ふたたび最初の取材者 第十三章 詩人は結論を出した 第十四章 彼女が見たはずの恐怖 あとがき 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/
  • 途―ソラサイド―
    -
    1巻1,056円 (税込)
    世界を震撼させたパンデミックの中で気丈に生きる2人の若き科学者。 ウイルス研究の末に彼らがたどり着いた「啓示」とは――。 生命の起源を探究する隕石研究者の神峰良樹は、 フィンランドでウイルス研究をしている高月結と18年ぶりに再会を果たす。 そんな中、神峰は隕石の中に不思議な核酸塩基を発見し、 これを国際会議で発表するためにイタリア・ベネツィアへ渡航。 一方の結は、国際医療チームに参加するためアフリカへ旅立つが、 スーダンで行方不明になってしまう。 2人に忍び寄る新型コロナウイルスの影、大きく揺れ動く運命。 そして、「ソラサイド」に込められた3つのメッセージとは――。 生きとし生けるものすべてに捧ぐ、出色のサイエンス小説。

    試し読み

    フォロー
  • 充ち足りた悪漢たち
    4.0
    つぶらな瞳、あどけない顔、私に似て美人の娘、俺に似た頭のいい息子、可愛くて無邪気な子供たち。しかし、彼らには大人に見せないコワイ素顔が……。高利貸を始める小学生、隠し撮りをする少年、イタズラ電話の愉快犯など、屈託なく事件を起こす子供たちの悪辣ぶりを描く傑作全6編。子供の“悪”を通して大人の世界に隠されている“悪”を暴き出す、ちびっ子版ロマン・ピカレスク!
  • みちたりた痛み
    値引きあり
    3.3
    「いろいろな物事を手にすればするほど、強烈な飢えが湧いてきた」。のし上がる男、堕ちていく女、金に飽いた女、老いていく男……東京の街で出会い、別れ、再会する男女が繰り広げるせつない物語。テーブルの上を行き来する、恋と野心と死の予感と――。実在するレストランの名を冠した連作短篇8編を収録。(講談社文庫)
  • 満ちたりぬ月
    3.7
    34歳の絵美子は結婚して子供が二人、幸せな主婦生活を送っていた。一方、同級生の圭は人気イラストレーターになり、お金や男にも不自由しない生活を手に入れていた。夫との離婚を決意した絵美子の目には、圭のきらびやかな生活が羨ましく映り始める。圭は“絵美子の親友”の役割を内心イラつきながら演じているが……。二人の間に、ねたみや葛藤が沸々と込み上げる。女の生々しい感情を描かせたら当代一、林真理子が「女の幸せ」を問う意欲作! ドラマ化原作。
  • 【電子特別版】みちづれの猫
    4.2
    帰省するのはいつぶりだろう。大学進学を機に上京して十四年、忙しさにかまけて実家から足が遠のいていた私は、新幹線で金沢に向かっていた。まもなく旅立つであろうミャアを見送るために(「ミャアの通り道」)。離婚以来、自暴自棄の生活を送っていた女性の家のベランダに現れた茶トラが、生活を思わぬ方向へ変えてゆき……(「運河沿いの使わしめ」)――肉親を亡くした時、家庭のある男を愛した時、離婚して傷ついた時…… ふり返れば、いつもかたわらに猫がいた。人生の様々な場面で猫に救われてきた女性たちの心洗われる七つの物語。「犬を亡くした私を救ってくれたのは猫でした」――著者インタビューも収録!
  • みちづれはいても、ひとり
    3.4
    夫・宏基と別居中の弓子は、アパートの隣人・楓と時々一緒に食事をする仲だ。別居後すぐに宏基は失踪したのだが、ある日義理の母から、故郷の島で宏基を見かけた人がいる、という話を聞かされる。執拗に言い寄ってくる社長がいやになり会社をやめた楓と、職探し中の弓子は、気分転換と休息を兼ねて島への旅に出ることにした。女二人の旅の行く末は――。
  • みちのく銀山温泉 あやかしお宿の若女将になりました
    5.0
    祖父の実家である、銀山温泉の宿「花湯屋」で働くことになった、花野優香。大正ロマン溢れるその宿で待ち構えていたのは、なんと手のひらサイズの小鬼たち。驚く優香に衝撃の事実を告げたのは従業員兼、神の使いでもある圭史郎。彼いわく、ここは代々当主が、あやかしをもてなしてきた宿らしい!? さらには「あやかし使い」末裔の若女将となることを頼まれて――訳ありのあやかしたちのために新米若女将が大奮闘! 心温まるお宿ファンタジー。
  • みちのく三内丸山殺人旅行〈新装版〉
    -
    1巻565円 (税込)
    特急「はつかり」が運んだ死の便り! 警察庁鉄道警察隊特捜隊の江戸川警部は、盛岡―青森間を走る特急「はつかり」内で続発するカップル車内盗の逮捕にみちのくへ向かう。同行するのは婦警の柿本波留。収穫がないまま立ち寄った青森の三内丸山遺跡で、二人は新進女流作家・風見奈保の絞殺死体に出くわす。任務のかたわら、独自の調査を始める江戸川。※本作品は『みちのく三内丸山殺人旅行』を加筆修正した新装版です。
  • 未知の界へ
    -
    複雑な家族の末子として生まれた桂。兄の友人で新聞社勤めの安彦を家庭教師として大学進学を目指すが、社長令息の透との縁談が持ち込まれる。子を産んだあと赤線に売られていった幼な友達、同じ年頃の温泉芸者との触れ合い、東大受験、そして透と安彦の狭間で、桂は次々と未知の世界を覗いてゆく。病と闘い、離婚を乗り越えて書き続けた北畠八穂の人生観が表れた長編小説。
  • みちのくの人形たち
    3.7
    お産が近づくと屏風を借りにくる村人たち、両腕のない仏さまと人形――奇習と宿業の中に生の暗闇を描いて世評高い表題作をはじめ名作七篇を収録する。谷崎潤一郎賞受賞作。

    試し読み

    フォロー
  • 道の向こうの道
    3.5
    1巻1,760円 (税込)
    一九五六年、大阪から上京し、早稲田大学露文科に入学。最初の授業でこう言われる。「露文科の学生になったからには、もはや就職はあきらめたまえ」。米川正夫ら教授陣、李恢成など個性豊かな級友たち、著名な学者のコケティッシュな娘、親戚のような大家一家や愛情深い両親の姿……。自在なスタイルで描く自伝的連作集。
  • 路墾 ラオスから日本へ 東南アジアと日本を舞台に 道なき道を歩む物語
    -
    1巻880円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 フランス植民地下、インドシナ半島のラオスに暮らす家族。日本軍の侵攻とともに、メコン川を渡り逃れたタイで、一家の母親は病死、父親は失踪。残された子どもたちと祖父母は第二次世界大戦後に帰還するものの、母国は国家権力を巡る内戦状態に陥ってしまう。そんななか、学ぶ機会を得た三男の少年ウドムは日本政府の奨学金で日本に留学。やがて、生涯の伴侶となる女性と出会い、結婚。そして帰国、政府高官としての任務。しかし、母国は過酷な運命にさらされ、ベトナム戦争に巻き込まれ、荒廃、ついにはクーデターが発生し、亡国となって消えてしまう。難民となったウドムと家族、無国籍の子どもたち、日本に押し寄せるボートピープル……。二十世紀初頭からの怒濤の百年間、その動乱の歴史の狭間で翻弄されつづけたインドシナ半島。運命に操られながらも、ラオス人としての矜恃と希望を失うことなく、ひたすらに生きぬいた一人の男の波瀾の生涯を描いた物語。
  • 導かれし者 流浪のストライカー、福田健二の闘い
    3.7
    母が残したたった三行の遺書を支えに、男は海外にこだわり、孤独なストライカーとして人生を賭けて闘ってきた。サッカー福田健二選手と、彼を支えた家族の絆を描いた、壮絶ストーリー。
  • みちびきの変奏曲
    3.0
    「つかぬことをうかがいますが、こういう手の動きはなんなのかわかりますか?」――通り魔に襲われて亡くなった女性・清藤真空。その最期を看取った人材派遣会社の社員・棚橋は、死の間際の彼女のメッセージの意味を知るため、真空にゆかりのある人々を訪ねてゆく。建築士、音大生、児童養護施設の園長……。真空が遺したのは「きらきら星」だった。そのメロディに導かれるように、それぞれの人生模様が交錯し、真空のこれまでの人生と想いも次第に見えてきて……。人の優しさに触れる癒しと再生のミステリー。
  • ミチルさん、今日も上機嫌
    3.5
    45歳、職なし、バツイチ、彼氏なし。ミチルにあるのは元夫から譲られたマンションと貯金の三百万円。若くて可愛くてチヤホヤされたバブルの頃が忘れられず、そうかといって将来に不安がないわけでもない。恋愛、子供、親、仕事。あたし、これからどうするんだろう――。それでもミチルはめげずに前を向く。時代の波に翻弄されながらも懸命に今を生きる女性に贈るハートフルストーリー。
  • 道・ローマの宿
    -
    1巻473円 (税込)
    孤独な足音を残して消えていった亡き父・母・祖父母・友人知己――人間存在の哀しみと謎と茫漠たる寂寥の世界を描く『道』『桃李記』『風』『雪の面』など。悠久の時を思わせる砂漠の遺跡や大河の流れ、その畔りに生きる人間の小さな営み――異国の旅で出会ったさまざまな風景や人の姿を深い詩心に捉えた『ローマの宿』『フライイング』『ローヌ川』など。清冽な気品の溢れる名編全12編。
  • 道をたずねる
    4.0
    地図の空白地帯を埋めろ! 人はみな「自分の道」をゆく英雄である。 友情、青春、仕事、人生。 俺たちは、ただ前だけを見て歩いてきた――。 地図会社キョーリンの調査員・合志俊介。彼の仕事は日本各地を歩き、家の表札を一軒ずつ書き留めること。 俊介には一平と湯太郎という幼馴染みがいた。三人は十五歳になる年、裏山のクスノキで誓いを立てた。 一つ、友のピンチは助けること。二つ、友の頼みは断らないこと。三つ、友に隠し事はしないこと。 その日から、男たちはそれぞれの“道”を歩き始めた。 地図づくりに生涯を捧げた男たちの熱き物語! ※この作品は単行本版『道をたずねる』として配信されていた作品の文庫本版です。
  • 密会
    4.5
    夜の林の闇の底で、彼女は、興奮のすぎさった後のけだるい体を横たえていた――。大学教授夫人・紀久子が、夫の教え子である学生との密会中に起った、思いもかけぬ殺人事件。女の心の中に渦巻く生々しい情念を、ミステリー・タッチで描く「密会」ほか、「動く壁」「目撃者」など、「男と女」を描く名短編9編を収録。
  • 密会(新潮文庫)
    3.9
    ある夏の未明、突然やって来た救急車が妻を連れ去った。男は妻を捜して病院に辿りつくが、彼の行動は逐一盗聴マイクによって監視されている……。二本のペニスを持つ馬人間、出自が試験管の秘書、溶骨症の少女、〈仮面女〉など奇怪な人物とのかかわりに困惑する男の姿を通じて、巨大な病院の迷路に息づく絶望的な愛と快楽の光景を描き、野心的構成で出口のない現代人の地獄を浮き彫りにする。(解説・平岡篤頼)
  • 密会の季節
    -
    桑井和助、旧制中学の四年生、童貞。欲望を抑えきれなくなった彼は、いつも駅で会う女学生を強姦するという計画をたてた。声をかけた女学生・しずえは当然拒絶するが、話をするうち、和助は強姦への欲望より、しずえと親しくなりたいという気持が強くなった。あくる日、駅で待ち伏せた和助に、しずえは冷ややかながらも志士の碑まで同行することを提案する。嬉しさに飛び上がらんばかりの和助だったが…。

    試し読み

    フォロー

最近チェックした本