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タイムカプセルに託した未来と、水没した村が封印した過去。時計の針を動かす、彼女の「嘘」。平凡な毎日を憂う逸夫は文化祭をきっかけに同級生の敦子と言葉を交わすようになる。タイムカプセルの手紙を取り替えたいという彼女の頼みには秘めた真意があった。同じ頃、逸夫は祖母が五十年前にダムの底に沈めた「罪」の真実を知ってしまう。それぞれの「嘘」が、祖母と敦子の過去と未来を繋いでいく。
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Posted by ブクログ
いやぁ、道尾氏の作品は吸い込まれる? なぜ、家族でバスになり、それぞれのきっかけになるダムに行くのか?。最終章でその謎がわかる。ついつい最初に戻って読み直してみた。それでもわからない。巧妙に構成されていた。 「同級生のいじめ」「祖母の子供のころの苦い思い出」 忘れてしまいたい事と、忘れてはならない...続きを読むこと。 それが「乗り越えた思い出」と「忘れてはならないのだが、痴呆症で忘れてしまうこと」 主人公 逸夫が考え出した、2つ いや自分も含めた3つの過去からの脱却方法でそれぞれの新しい自分、「今日が一日目」として生きてゆく。 道尾氏の作品では「カラスの親指」の次に面白かった
道尾さんはこんな本も書かれるですね カラス…と似た感じ 人生やり直しはできるんです 誰と出会うか…で変わるんです 逸夫くんは最初から普通じゃない大人だ こんな子…なかなかいない
再読。 ダムが出てきます。作品の中にダムが出てくるのが好きなので個人的にとても嬉しいです。冬の冷たい水に満ちた静かで凍てつくダムと、季節を越えて、夏の焼けるようなアスファルトと干ばつしたダム…。それぞれがその場面展開に効果的で、ダムが舞台じゃなかったらこうはいかなかったよなぁと思います。ダムを褒めち...続きを読むぎってるだけの感想みたいですが本当にダムがあって良かった。 あと、「水の柩」というタイトルが回収されるあのシーンも好きです。
「道尾秀介」の長篇作品『水の柩』を読みました。 『鬼の跫音』、『龍神の雨』、『球体の蛇』、『光媒の花』、『月の恋人―Moon Lovers』、『月と蟹』、『カササギたちの四季』に続き「道尾秀介」作品です。 -----story------------- いま最も眩しい作家が描く、成長と再生の物語...続きを読む。 タイムカプセルに託した未来と、水没した村が封印した過去。 時計の針を動かす、彼女の「嘘」。 平凡な毎日を憂う「逸夫」は文化祭をきっかけに同級生の「敦子」と言葉を交わすようになる。 タイムカプセルの手紙を取り替えたいという彼女の頼みには秘めた真意があった。 同じ頃、「逸夫」は祖母が五十年前にダムの底に沈めた「罪」の真実を知ってしまう。 それぞれの「嘘」が、祖母と「敦子」の過去と未来を繋いでいく。 「今」彼女が手紙を取り替えなくてはならない理由。 あの二つの出来事がもし、同じ時期に起こらなかったら--。 「暗闇」から射し込む「光」は、救いなのか、それとも。 「道尾秀介」しか描けない、絶望と、それを繋ぐ希望。 (解説)河瀬直美 ----------------------- 老舗旅館の長男で中学校二年生の「吉川逸夫」は、自分が“普通”で退屈なことを嘆いていた… 同級生の「木内敦子」は両親が離婚、級友からいじめを受け、誰より“普通”を欲していた、、、 文化祭をきっかけに、二人は言葉を交わすように… 「タイムカプセルの手紙、いっしょに取り替えない?」 「敦子」の頼みが、「逸夫」の世界を“普通”から抜け出すきっかけとなります。 「敦子」の秘めた決意とは… 「逸夫」の祖母「いく」が抱えるダム湖に50年前に沈めた罪とは… 大切な人たちの中で、「逸夫」には何ができるのか、、、 あの人たちに殺されるのが厭だったと呟いた「敦子」、本当のことが言えず50年間ずっと嘘を吐き続けていた「いく」、そして大切な人たちのために何かをしたい思う「逸夫」… そんな三人がダムの上から投げ捨てた物は、忌まわしい過去だったんですかね。 みんな、生きていくため、必死に「嘘」をついているんですよね… 少年と少女の成長と再生の物語でしたね、、、 「逸夫」に感情移入して、どうにかしたいけど、どうにもならない… というもどかしさを感じながら読み進めました。 ミステリではないのですが、現在と近い過去、遠い過去が交錯しながら物語が進む中で微妙に読者にはわかり辛い部分があり、そこで、うまーくミスリードさせられて、緊迫感が最初から最後まで継続する感じで、ずっと集中して読めました… どんどん先が読みたくなるような展開で愉しめたなぁ。 過去を乗り越えて、明るい未来が予感できる終盤の展開も良かったな。 読んでいると、普段は忘れている自分の少年時代とシンクロする部分… 学校が荒れていて虐めもあり、楽しいことばかりではなかった中学時代… 固く蓋をして思い出さないように心の奥に仕舞い込んでいた記憶が引っ張り出されたような感覚がありました、、、 それだけ心理描写が見事なんでしょうね… これが「道尾秀介」作品の魅力なのかもしれませんね。
過去と未来、嘘と事実、悲しみや喜びは全て主観であり、他人には絶対に知ることができない。 本当は自分の中にだけある。 色んなことが思い出されて、これからのことも考えさせられました。 幸せが少しでも感じられれば、救われるのかな。 皆、足掻いて生きています。
とにかく暗かった。 なかなか入り込めず苦労した。 始まりは 20年後の自分へ」よくあるタイムカプセル。 だけどここにも深い意味があった。、 吉川逸夫と 木内敦子、そして逸夫の祖母いく。 祖母のいくも悲しすぎる〜 敦子は壮絶ないじめを受けていた こんな話をして申し訳ないのだけど〜 何故いじめを受...続きを読むけている者が 相手を告発し公にしてやつけることができないのだろうと能天気な私めは思う。 虐められてることを自分のプライドが許さない 許せない、そこには複雑な感情がある? 経験したことのないものか、簡単にいうことはないのだけど そこに歯痒さ、なんとかできないものかと 地団駄を踏む 根が深い、タチが悪い 部外者が偏見だけでいうのは憚られるが 決して敵として言ってない、何かできないかと心から思って言ってる。 本文より 敦子が最後の足掻きとして、虐められてる時に その者らを前にしてカッターで自分を「?」傷つける そして相手らを悪くいうことなく ふざけてたら、誤って 自分を傷つけた〜という。 あまりに悲しすぎる、壮絶すぎる。 本文よりー 何かが解決するのと、何かをすっかり忘れてしまうのと、どう違うのだろう。 忘れることと、忘れずに乗り越えることの違いはどこにあるのだろうー この文面にすごく惹かれた。 最近は見かけない 蓑虫が出てくる 本文より その蓑をいくらカラフルに着飾ったとしても、その蓑の中にいる芋虫はなんら変わらないという事実のようにー人間もいくら着飾っても その内側には見えない心を持つ生き物である。ー 最後には希望が見えた。
中学生の逸夫と敦子。 逸夫の家は旅館を経営してて、女将を引退した祖母いくの過去には、嘘と罪が。 敦子は母子家庭で、まだ小さな妹がいる。 そして、学校では過酷ないじめにあっていたが、逸夫はそれに気付かずにいた。 ふたりは文化祭をきっかけに交流をもち、夜の小学校に忍び込んで、タイムカプセルを開け……。...続きを読む いくと敦子、それぞれの嘘。 蓑虫。べっちゃんぐるま。たづちゃん。ダム湖。 生きてくうえで、辛い何かを、忘れるのか、乗り越えるのか。 呆けて、忘れてしまったようにみえたいくが、なお自分の罪の思いから開放されていなくて、涙して謝る姿が胸に痛い。 人の罪は、誰かに赦されないとならないのかもしれない。
祖母が隠したかったもの。 びっくりするような展開、というほどのことはないが、全体的に涼しい雰囲気の漂うお話です。
2018.1.21 暖かさの中にダークさもあって 中盤はどうなっちゃうのってハラハラもあってすごくよかった。 冬の晴れた日中の部屋で読んで気持ちよかった。
カラスの親指の後に道尾作品を読んだから、推理系かと思ったらちがった。 一番印象に残ってのは逸夫が全部嫌になって哀しくなってしまったシーン。 そこからの自分の行動で変われるようにしてきたこと。 人生やったモン勝ちってのは、ふんとにそうなのかもしれない
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