【感想・ネタバレ】水の柩のレビュー

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Posted by ブクログ 2017年11月25日

いやぁ、道尾氏の作品は吸い込まれる?
なぜ、家族でバスになり、それぞれのきっかけになるダムに行くのか?。最終章でその謎がわかる。ついつい最初に戻って読み直してみた。それでもわからない。巧妙に構成されていた。

「同級生のいじめ」「祖母の子供のころの苦い思い出」
忘れてしまいたい事と、忘れてはならない...続きを読むこと。

それが「乗り越えた思い出」と「忘れてはならないのだが、痴呆症で忘れてしまうこと」

主人公 逸夫が考え出した、2つ いや自分も含めた3つの過去からの脱却方法でそれぞれの新しい自分、「今日が一日目」として生きてゆく。

道尾氏の作品では「カラスの親指」の次に面白かった

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Posted by ブクログ 2022年10月19日

「道尾秀介」の長篇作品『水の柩』を読みました。

『鬼の跫音』、『龍神の雨』、『球体の蛇』、『光媒の花』、『月の恋人―Moon Lovers』、『月と蟹』、『カササギたちの四季』に続き「道尾秀介」作品です。

-----story-------------
いま最も眩しい作家が描く、成長と再生の物語...続きを読む

タイムカプセルに託した未来と、水没した村が封印した過去。
時計の針を動かす、彼女の「嘘」。

平凡な毎日を憂う「逸夫」は文化祭をきっかけに同級生の「敦子」と言葉を交わすようになる。
タイムカプセルの手紙を取り替えたいという彼女の頼みには秘めた真意があった。
同じ頃、「逸夫」は祖母が五十年前にダムの底に沈めた「罪」の真実を知ってしまう。
それぞれの「嘘」が、祖母と「敦子」の過去と未来を繋いでいく。

「今」彼女が手紙を取り替えなくてはならない理由。
あの二つの出来事がもし、同じ時期に起こらなかったら--。

「暗闇」から射し込む「光」は、救いなのか、それとも。
「道尾秀介」しか描けない、絶望と、それを繋ぐ希望。

(解説)河瀬直美
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老舗旅館の長男で中学校二年生の「吉川逸夫」は、自分が“普通”で退屈なことを嘆いていた… 同級生の「木内敦子」は両親が離婚、級友からいじめを受け、誰より“普通”を欲していた、、、

文化祭をきっかけに、二人は言葉を交わすように…

「タイムカプセルの手紙、いっしょに取り替えない?」

「敦子」の頼みが、「逸夫」の世界を“普通”から抜け出すきっかけとなります。

「敦子」の秘めた決意とは… 「逸夫」の祖母「いく」が抱えるダム湖に50年前に沈めた罪とは… 大切な人たちの中で、「逸夫」には何ができるのか、、、

あの人たちに殺されるのが厭だったと呟いた「敦子」、本当のことが言えず50年間ずっと嘘を吐き続けていた「いく」、そして大切な人たちのために何かをしたい思う「逸夫」… そんな三人がダムの上から投げ捨てた物は、忌まわしい過去だったんですかね。

みんな、生きていくため、必死に「嘘」をついているんですよね… 少年と少女の成長と再生の物語でしたね、、、

「逸夫」に感情移入して、どうにかしたいけど、どうにもならない… というもどかしさを感じながら読み進めました。

ミステリではないのですが、現在と近い過去、遠い過去が交錯しながら物語が進む中で微妙に読者にはわかり辛い部分があり、そこで、うまーくミスリードさせられて、緊迫感が最初から最後まで継続する感じで、ずっと集中して読めました… どんどん先が読みたくなるような展開で愉しめたなぁ。

過去を乗り越えて、明るい未来が予感できる終盤の展開も良かったな。



読んでいると、普段は忘れている自分の少年時代とシンクロする部分… 学校が荒れていて虐めもあり、楽しいことばかりではなかった中学時代… 固く蓋をして思い出さないように心の奥に仕舞い込んでいた記憶が引っ張り出されたような感覚がありました、、、

それだけ心理描写が見事なんでしょうね… これが「道尾秀介」作品の魅力なのかもしれませんね。

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Posted by ブクログ 2022年06月03日

過去と未来、嘘と事実、悲しみや喜びは全て主観であり、他人には絶対に知ることができない。
本当は自分の中にだけある。
色んなことが思い出されて、これからのことも考えさせられました。
幸せが少しでも感じられれば、救われるのかな。
皆、足掻いて生きています。

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Posted by ブクログ 2020年10月14日

とにかく暗かった。
なかなか入り込めず苦労した。

始まりは
20年後の自分へ」よくあるタイムカプセル。
だけどここにも深い意味があった。、
吉川逸夫と
木内敦子、そして逸夫の祖母いく。
祖母のいくも悲しすぎる〜


敦子は壮絶ないじめを受けていた
こんな話をして申し訳ないのだけど〜
何故いじめを受...続きを読むけている者が
相手を告発し公にしてやつけることができないのだろうと能天気な私めは思う。

虐められてることを自分のプライドが許さない
許せない、そこには複雑な感情がある?
経験したことのないものか、簡単にいうことはないのだけど
そこに歯痒さ、なんとかできないものかと
地団駄を踏む
根が深い、タチが悪い
部外者が偏見だけでいうのは憚られるが
決して敵として言ってない、何かできないかと心から思って言ってる。

本文より
敦子が最後の足掻きとして、虐められてる時に
その者らを前にしてカッターで自分を「?」傷つける
そして相手らを悪くいうことなく
ふざけてたら、誤って
自分を傷つけた〜という。
あまりに悲しすぎる、壮絶すぎる。

本文よりー
何かが解決するのと、何かをすっかり忘れてしまうのと、どう違うのだろう。
忘れることと、忘れずに乗り越えることの違いはどこにあるのだろうー
この文面にすごく惹かれた。

最近は見かけない
蓑虫が出てくる

本文より
その蓑をいくらカラフルに着飾ったとしても、その蓑の中にいる芋虫はなんら変わらないという事実のようにー人間もいくら着飾っても
その内側には見えない心を持つ生き物である。ー

最後には希望が見えた。

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Posted by ブクログ 2019年08月20日

中学生の逸夫と敦子。
逸夫の家は旅館を経営してて、女将を引退した祖母いくの過去には、嘘と罪が。
敦子は母子家庭で、まだ小さな妹がいる。
そして、学校では過酷ないじめにあっていたが、逸夫はそれに気付かずにいた。

ふたりは文化祭をきっかけに交流をもち、夜の小学校に忍び込んで、タイムカプセルを開け……。...続きを読む

いくと敦子、それぞれの嘘。
蓑虫。べっちゃんぐるま。たづちゃん。ダム湖。

生きてくうえで、辛い何かを、忘れるのか、乗り越えるのか。

呆けて、忘れてしまったようにみえたいくが、なお自分の罪の思いから開放されていなくて、涙して謝る姿が胸に痛い。

人の罪は、誰かに赦されないとならないのかもしれない。

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Posted by ブクログ 2018年09月13日

祖母が隠したかったもの。
びっくりするような展開、というほどのことはないが、全体的に涼しい雰囲気の漂うお話です。

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Posted by ブクログ 2018年01月21日

2018.1.21
暖かさの中にダークさもあって
中盤はどうなっちゃうのってハラハラもあってすごくよかった。
冬の晴れた日中の部屋で読んで気持ちよかった。

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Posted by ブクログ 2017年04月20日

2017年、16冊目は、アベレージ高い道尾秀介の長編。

今回、あらすじは省略させていただきます。

ミステリーのフォーマットで描かれるのは、主人公、逸夫とその周りの人々のヒューマンドラマ。

道尾慣れしてしまったからか、ミステリー要素は最初から疑ってかかっていたからか、大きな驚きはなかった。それで...続きを読むも、どぅまとめるのか、着地させるのかで読ませる力は充分。

今作、登場人物、それぞれのキャラ、役割が秀逸(敦子の母の現在だけ、少し疑問残ったが……)。昭和の映画『男はつらいよ』シリーズや、ドラマ『寺内貫太郎一家』の自営業一家の空気感に、思春期の閉塞感や、イジメという現代的要素を盛り込んだ印象。

クライマックスは、あまり好みとは言えないが、エンディングは納得。全体的に、★★★★☆の価値あり。

『球体の蛇』のチーちゃんのイノセントさを裏切る、イヤな気分を、ふうちゃんに感じなかった(ふうちゃんにも感じさせなかった)のが、何より。

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Posted by ブクログ 2016年05月08日

水の柩=ダムがすごく印象的な役割を果たしている。ミステリではないけれど、面白い青春の物語。小さな叙述トリックの演出がにくい。

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Posted by ブクログ 2016年04月30日

70才のいくと、15才の敦子。年の差はあれど、二人とも偽りたい、記憶から無くしたい「じぶん」がいた。
二人をつなぐ敦子の同級生、逸夫。
彼もまた、何も変わらない日常に退屈し、モヤモヤとしたフィルターを通して世の中を漫然と見ていた。
何も変わらない日常がいかに大切だったかを思い出し、いくと敦子を連れ出...続きを読むして、ある行動に出る。

その、とある行動がタイトルとリンクしていたので、それに割と早く気がついてしまったのが残念。
「自殺」というキーワードをうまく使ったなぁという、好印象。

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Posted by ブクログ 2015年10月17日

「まず思い込むことが大事なんだよ、何をするにしても。世の中のほとんどのことには、どうせ正解なんてないんだから。面白いとか正しいとか、何でも思い込んだもん勝ちだよ」

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2023年05月10日

 ラストの情景が美しい。天泣降り頻り、それぞれの過去を弔う。

 思春期の少年の心情描写に強い作家だな、と改めて思う。少しずつ変わりゆく周囲との関係性の中で、無邪気だったあの頃に戻りたくても戻れない葛藤、または戸惑い。

 『月と蟹』とはまた別のアプローチって感じ。

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Posted by ブクログ 2023年04月06日

旅館を経営をしている家の逸夫
母と小さい妹と暮らす敦子

小学生の時に埋めたタイムカプセルの未来への自分への手紙の差し換えの協力を敦子は逸夫にする

一方で逸夫は祖母の過去を知ってしまう

敦子の手紙の差し換えの意図
祖母の過去

傷ついた過去をどう未来に繋げていくのか

痛々しい心の動きと描写
...続きを読むしい景色の描写
道尾秀介さんの描写の仕方が好きだ

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Posted by ブクログ 2023年01月26日

久しぶりにミステリー以外の小説を読んだので新鮮でした。
自然の描写がとてもキレイで、中学生の主人公の心情がみずみずしく描かれ、読後に爽やかな清涼感!
いじめっ子以外はみんな幸せになってほしいわ〜

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Posted by ブクログ 2022年11月07日

直木賞受賞後に出版された作品で、当時から評価の高かった少年少女の心理描写が深く描かれている作品だった。哀しい物語のなかにも救いを見出させる描き方は道尾作品の特徴で、ミステリだけではなくあくまでもヒューマンものの位置づけになるような印象だった。どんでん返し等が好きな方には物足りないので他の道尾作品を。...続きを読む本作は本作で十分に面白い。

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Posted by ブクログ 2022年10月31日

数年前に読んだため内容は覚えていないが、重いテーマの中最後はスッキリとした気持ちで読み終えた記憶。
作者の他作品も読んでみたいと思った。

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Posted by ブクログ 2022年10月04日

子供も大人も色々あるけれど
話を聞いてくれて
力になってくれる
そーいう信頼出来る人が
いるのといないとでは
違うんだろうと思います

青春…
いじめ、家族、老い
少し重かったかな…

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Posted by ブクログ 2022年08月08日

忘れることと、乗り越えること。
どう違うのかな。

過去を見ること、未来を見ること。
後者のほうが、より人間的に成長するイメージ。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2022年05月08日

級友のいじめによる自殺志願やいくの過去など、目をそらしたくなるような状況の中で、周りの言葉などもあり新しい1日目を始める。

途中はずっともどかしさなど感じつつも、最後はスッキリと終われて良かった

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Posted by ブクログ 2021年03月14日

東野⇒伊坂⇒道尾の無限ループ?

老舗旅館の長男、中学校二年生の逸夫は、自分が“普通”で退屈なことを嘆いていた。
同級生の敦子は両親が離婚、級友からいじめを受け、誰より“普通”を欲していた。
文化祭をきっかけに、二人は言葉を交わすようになる。
「タイムカプセルの手紙、いっしょに取り替えない?」敦子の...続きを読む頼みが、逸夫の世界を急に色付け始める。
だが、少女には秘めた決意があった。逸夫の家族が抱える、湖に沈んだ秘密とは。大切な人たちの中で、少年には何ができるのか。。。

だんだんと道尾作品に求めているものと実際の作品が違ってきているのかもしれない。
デビュー当初(?)、道尾秀介の小説はとにかくミスディレクションと伏線と、ラスト近くの騙された感が満載だった。
そこが嫌だった部分もあったが、そこが最も突き抜けた魅力だった。
ただし、当時から少年少女を描くことが多く、そこは今も変わっていない模様。
…何が言いたいのかというと、道尾氏は「純文学」「文芸作品」方面に向かっていて
「ミステリ」を求めると残念なことになるという事。

で、この作品だが、凡そ「ミステリ」的要素は1点のみ。敢えて言えば祖母の いく の生い立ち辺りも含んでいいかもしれないが。
まぁ、その1点のみの「ミステリ」要素にまんまとやられた。
あの展開、あの書かれ方であれば、注意深い人でない限り絶対に敦子が自殺したものだと思うだろう。
見事にやられた。
ただ、そのおかげで終盤の展開がとても暖かく、明るい兆しのあるように思えた。

でも、やっぱり、道尾作品にはコメディ的な部分を求めてしまう。


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Posted by ブクログ 2021年03月14日

5,6年程前、初めて読んだ道尾作品。

この本を読んでから、お弁当を包む布は
裏が外側にくるように、開いた時に布の
表を見ながら、食べられる包みかたにと
私も変えました。逸夫の祖母は、孫のお弁当箱をいつもそんな包み方にしていたのです。

旅館の女将を引退した祖母。子供時代には、つらい過去があった。そ...続きを読むして・・・・
子供時代を過ごした村は・・・・ダムの底に
沈んだ。村の貧乏な家の娘という身分を隠し偽り、旅館の女中として働いた。
そんな祖母は、主人に見初められる・・・・
結婚するからにはと、祖母は貧乏な
家の出の娘だと打ちあける。主人は、
そのことを秘密にしていてくれる。
幸せな人生を送るわけだが、女将引退後
認知症になってしまう。

過去のことを、皆には秘密にして生きてきた。認知症になったしまった理由は、皆に隠して生きてきたことが、重荷になっていたのではないか・・・・・

認知症の祖母に、今のダムの様子を
見せて良かったのだろうか?
祖母には、衝撃が強すぎたのではない
だろうか。
「水の柩」という題名の意味を、考える
作品でした。

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Posted by ブクログ 2020年05月25日

いつもうまいと感心する。
小説でしか表現できないことを探しているような気がする。

蓑虫。中にいる黒い芋虫が本当の蓑虫。人間だってみんな、外に出てるところばっかりみられる。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2020年03月29日

過去現在が近過ぎて、どうにも分けられなくて、最初読むのに苦労しました。
最後、乗り越えたところがよかったです。

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Posted by ブクログ 2018年07月08日

どちらかと言うと文学・文芸作品。
ミステリーではないと思いますが、とりあえずミステリーに分類。
なぜなら、大きな叙述トリックが使われていたから..

平凡な毎日を憂う主人公逸夫の成長物語。
苛められて自殺を考えている同級生の敦子。
過去に深い悲しみを持っていた祖母のいく。
この3人のある意味再生の物...続きを読む語です。

ある日逸夫は、敦子から小学校の時埋めたタイムカプセルの手紙を取り換えたいとお願いされます。
なぜ、手紙を取り換えたいのか?
手紙は敦子を苛めた人たちをさらす内容。
敦子が自殺した時にさらすためのものですが、それを取り換えるとのこと。
この苛めふくめて、敦子の家庭環境は辛い物です。
さらに祖母のいくも実は辛い過去があったことがわかります。
そんななか、主人公逸夫がとった行動とは?

本書のタイトル「水の柩」は、まさに、その意味通り語られていると思っていました。
しかし、実はそれが違っていたことが後半明らかに
ここがすごい!!
まんまと騙されました。

ここでストーリを語ってこの本の良さを伝えるのは難しい!

お勧め!

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Posted by ブクログ 2017年05月10日

ほぼすべて読んでいる道尾秀介作品ですが、『月の恋人』でズッコケてからご無沙汰していました。これはツボにハマるほどではないものの、やっぱりこの人うまいなぁと思わせる作品です。

ダムのある町。老舗温泉旅館の息子・逸夫が平々凡々な毎日に憂えていた折り、敦子が引っ越してくる。小さなこの町では、小学校から全...続きを読む員が同じ中学校へ上がるが、逸夫とおとなしい敦子は話したことがないまま。中学で文化祭の買い物係を一緒に担当することになったのをきっかけに言葉を交わすように。すると、小学校の卒業時に埋めたタイムカプセルの中の手紙を書き替えたい、ついてはタイムカプセルを掘り起こすのを手伝ってほしいと、逸夫は敦子から頼まれて……。

いじめや嘘といった、人間のさまざまな暗い思いが交錯します。時系列と話し手がたびたび変わるうえ、登場人物も意外に多いのでちょっとわかりにくい。それでも前の頁を確認しながら読みたくなってしまうのは、著者の巧さのせいでしょう。読者の想像にまかせると言わんばかりの部分もあるので、すっきりとはしません。けれども、生きていたくはないのに死ぬことも許されない、そんな子どもが歩き出すにはもしかしたら有効かもと思わせてくれるシーンがありました。

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Posted by ブクログ 2017年08月24日

“普通”の日常に不満がある主人公と、“普通”の日常を願う同級生。
タイムカプセルに入れた手紙を書き換えるため、夜の学校に忍び込む。
嘘で未来は変えられるのか。


自営業の問題、自分の将来、家族の嘘、同級生の嘘…中学生が抱えるには大きすぎるものばかりだなぁと。

気づいてほしい思いと気づかれたくない...続きを読む思い。
大人でも難しい。

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Posted by ブクログ 2016年04月26日

思春期の少年と少女、未来、過去、秘密の共有、罪、そして、嘘。
物語は、比較的ゆっくり進んでいく。
主人公・逸夫の告白にすっかり騙されながら読み進めていくうち、少しずつ明らかになる事実は、けして優しいものではなかったけれど、人というのはそういう生き物なのかな、どれだけ美しく着飾っても、誰もが嘘と秘密を...続きを読む抱えているのかなと思わせる。

それにしても。
終盤の、敦子が逸夫に投げた問いかけ(P.282)は、かなり意地悪だと思う。誰も即答できないし、熟考しても、わたしには答えなんて出て来ない。

道尾作品にしては、お得意のミスリードによるどんでん返しがないなぁ…と感じたけれど、今回もまたしっかり騙された。毎回、毎回、よくもこんなに騙されるもんだな、わたし!おもろかった!!

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Posted by ブクログ 2016年02月28日

普通の毎日に満足できない逸夫。
普通の日々を求める敦子。
二人は文化祭の係をきっかけに言葉を交わし、秘密を共有することになる。
逸夫の祖母も幼い頃に育った村での秘密を抱えていた。
誰もが抱えている暗い闇。
そんな、人間の姿を簑虫に例えた祖母の言葉が印象的だった。

2016.2.28

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Posted by ブクログ 2015年12月09日

起伏が少なく、長い長いローテンションが続く。
祖母が好きで、子供の小さい私はすごく好きな話。道尾さんらしいと言えばらしいが、ハイペースに読める感じではない。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2015年07月02日

以下ネタバレ





ポイントとなる写真とスカートは、どちらもちょっと強引。特にスカートは?

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