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Posted by ブクログ
不慮の事故で亡くなった羽野未知生41歳。協調性がなくマイペース、人にものを頼めないけど人から頼まれると受け入れる、周りに対してだけじゃなく自分のことにも無頓着、そんな未知生とうっかり関わってしまった同級生、元カノ、会社の同期と上司、そして家族目線で描かれる七つの物語。
設定からして「横道世之介」をなんとなく思い出してしまう。人を庇っての電車のホームからの転落死というのも同じ。だからか、同じような感動を期待して読んだ。
「横道〜」と違うのはあちらが世之介が常に主人公であるのに対し、こっちは未知生さんと関わった人物の“今”により重点が置かれていること。
掴みどころがなく、そばにいてもやり過ごしてしまうか、むしろイラッとしそうな人物だけど、実はとてもピュアで、人を受け入れるという一点において関わった人に大きな影響を与える人物。
それぞれの目線から、未知生の人物像が描き出されるが、そのどれもが捉えどころがない。
鈍臭くてうっかりビルから落ちたと同級生から思われているけど、真実はそうではなかったこと。その時の彼の胸の内が、たまたま跨線橋で会った無関係な高校生に語られたこと。
人は人を自分が見たようにしか理解できないんだなぁとしみじみ思う。
それでも、最後に路斗が感じた思い、
「ぼくはぼくの知らないたくさんの誰かと知らない未知生さんを分かち合って生きている。未知生さんがどんな人だったかなんて、誰にも分からないのだ。もしかしたら本人も分かっていなかったのかもしれない」
というくだりには深く納得。
13年の歳月をかけて、父親の死を乗り越えた路斗の話で締めくくられた希望ある物語で読後も良き。
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