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人生の夢やら恋やらを諦め、26才にして既に達観している平成生まれの老女系女子、幸子。心配する友人に勧められるままルームシェアをすることになるが、その相手は本物の老女、推定70代のハナエだった。
少女のように全力で恋をして、日々華やかに楽しんで生きるハナエ。対照的に、自分にとって何が楽しいことなのかもわからずに、ただ忙しく働いて地味な毎日を過ごすだけの幸子。ふたりは毎日リビングルームで顔を合わせるが、趣味も食べ物の好みもまったく合わない。
「アナタ、味噌スープなんかじゃなくて、オニオングラタンスープくらい飲んだらどうなの?」
「…… わたし、この世で一番味噌汁が好きなんで」
すれ違う二人。でも、一生懸命に恋をするハナエの姿に、幸子は思い出した。こんなわたしにも、恋に一生懸命だった時代があった。そんな幸子に近づいてきたのは、いつも嫌味を言ってくる会社の先輩、鮫島栄太だった……。
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