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「一度目」は戦時下の強制連行だった。朝鮮から九州の炭鉱に送られた私は、口では言えぬ暴力と辱めを受け続けた。「二度目」は愛する日本女性との祖国への旅。地獄を後にした二人はささやかな幸福を噛みしめたのだが……。戦後半世紀を経た今、私は「三度目の海峡」を越えねばならなかった。“海峡”を渡り、強く成長する男の姿と、日韓史の深部を誠実に重ねて描く山本賞作家の本格長編。
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Posted by ブクログ
知人が長年の希望の舞台出演が叶ったので知った作品。 医者しながらこれ書けるリサーチ馬力恐れ入ります。
日本人全員が読んだ方がいい。 最近よく読む帚木蓬生さんの歴史小説が興味深いものばかりで、今回も内容は知らないまま読み始めた。 タイトルと絵から何度も渡航に失敗しつつ日本に渡った鑑真の話かと予想したが全く違い、強制連行された朝鮮人労働者の話だった。 辛く厳しい話が多いけれども、読み進めさせる力はやは...続きを読むり相当で、特に最後の展開では止まれなかった。 一方、読み終えて今の日本人でこういったことを知っている人はどれぐらいいるのだろうと思った。 自分も聞いた覚えはある程度だけど、私が子どもの頃はまだ戦争が身近だった。 祖父母は戦争を体験していて、8月になると戦争についてのテレビ番組が多く流され、体験者のお話を聞こうというようなこともあった。 そういった環境で、戦争は絶対にダメだという認識を育んだ。 しかし時代が進むにつれリアリティをもって想像できなくなったのか、近隣諸国の言動に対して簡単に「戦争だ!」と言う特にネットの声をよく見るようになった。 ナショナリズムの台頭、右傾化が進んでいるとも感じる。 日本は言論の自由があると言うけれど、国力の低下とともに日本に都合の悪いことは発信しにくくなっているように思う。 そんな今だからこそ、この本を読むことは必要なことだと思った。 過去について都合が悪かろうが正しい認識は必要だ。 知れてよかった。
広島や長崎の原爆での被害のことばかりが耳に入るが、日本も同じように侵略や強制労働を強いてきた歴史をなかったかのように振る舞う もちろん主人公も人としての道は外れているが、そういう時代であったとはいえ、こんな酷いことができるのかと言うくらい出てくる日本人は鬼畜だった。 読み応えのある1冊。
耐えられない苦労の一言では表せない人生。 時代に翻弄されながら、生き残って生きていくことの重さを感じさせられた。 もう一度じっくりと読みたい。
騙されて強制連行された炭坑で辛く苦しい仕事をさせられていた。殴る蹴るは当たり前、亡くなっても何とも思わない日本人。そんな時代があったのかと苦々しい思いだ。 やっと逃げ出し戦後愛する妻と韓国へ行くも敵対している両国。妻は父に連れて行かれ別れなければならなかった。 辛かったねの一言では言い表せない大きな...続きを読む歴史があった。 ドキュメンタリーのようでした。
一度目は戦時下の強制連行、二度目は愛する日本女性との祖国への旅。そして、戦後半世紀を経た今、私は三度目の海峡を越えねばならなかった…。“海峡”を渡り、強く成長する男の姿と、日韓史の深部を誠実に重ねて描く。
良い本を読んだ。久しぶりに電車の中で熱中の余り、降り損ねかけた。 帚木さんのミステリーっぽくない本を探していて見つけたのがこの本。あらすじを見て、テーマが戦時中の朝鮮人強制労働という政治・民族的なものなのでちょっと悩んだが、帚木さんなら冷静に扱うだろうと考え購入した。 前半は戦時下を中心に現代を...続きを読むフラッシュバックで扱いながら進行する。あまりに屈辱的な日本の朝鮮統治、その中で強制労働に徴集される17歳の主人公。連れて来られた日本の炭鉱での過酷な労働。そして搾取・拷問・・・。帚木さんの端正な文章で綴られるその悲惨さは、扇情的でないために却って胸に響いてくる。 一方で日本人炭鉱労働者が差し出す強制労働者への小さな救い。炭鉱を脱走後、逃げる主人公を救う同胞の友情。そして知り合った日本人女性との深い愛。これらが悲惨さの中に適度に入り混じる事により、この物語は救済されている。そして、その為に”決して繰り返してはならない歴史”を素直に認識し、受け止める事が出来るのだと思う。 唯一の不満は最終章の手記。過去の清算ではなく、未来に向けた希望という方向で物語を閉じる方法もあったように思うのだが。 いずれにせよ素晴らしい作品だと思います。 〔5/26追記〕試験が終わったばかりで退屈そうな娘に「読んでみたら」とこの本を渡した。すでに夕方だったが、一晩で読み終え、翌朝「面白かった」と言っていた。私が気になったエンディングも彼女には良かったみたいです。
三たびの海峡は、韓国と日本の間を3往復と思っていたのですが、冷静に考えると、海峡を3度渡ることなので、その半分でした。 日本と韓国との歴史的問題にふれた書物は数多くありますが、本書は読むべき本だと思います。おすすめです。
朝鮮から強制連行されて、無理やり炭鉱の仕事をさせられる。それが、海を渡る最初の経験。ぎりぎりで生き延びてやっとのことで国へ帰るのが二度目。三度目は炭鉱町のその後の状況を知り、自分に約束したことを為すために日本へ渡る。 強制連行、炭鉱労働、会社の横暴、これらのことを日本人が朝鮮人に対して行ったことを...続きを読む読んで知ってはいた。彼らの身に気持ちを映して読むと、虐げられる辛さを感じ、虐げる側の国の者として申しわけないと思う。暴力を受け続けた結果逃げ出した先で、愛する女性にめぐり合う。虐げた側の国の女性なのに拘らずに彼女自身を見つめて恋をする彼はなんて大きな人なんだろう。 三度目に海を渡り、日本で最後に遣り残したことをする。ある意味それは犯罪なんだけれど、妙に納得してしまう。誰でもそうするだろうと。 日本が、日本人がしてきた国としての犯罪行為を忘れてはならないと思う。贖罪の思いを込めて……
第14回吉川英治文学新人賞。このミス「BEST 1993国内編09位」。キーワードは、河時限(ハーシグン)、強制労働、ボタ山。朝鮮半島と日本の関係。3回の海峡越え・・・胸が熱くなりました。
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帚木蓬生
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