作品一覧

  • 水田マリのわだかまり
    3.4
    1巻1,320円 (税込)
    高校を3日でやめて働き始めた16歳のマリ。殺伐とした洗剤工場の閉塞感の中で、ストレスがほこりのように積もっていく。だけど、ウップンと不満は、生きるのに欠かせないガソリンだ。低賃金労働の現場といじめ、外国人労働者、毒親、そして介護の問題を独特の文体でリアルに描く平成のプロレタリア作家待望の新作。
  • 女子虫
    4.0
    1巻1,232円 (税込)
    自惚れと自虐の間を漂いながら、“身の丈の幸せ”求めて今日も荒野を突き進む! でも、ポジティブな言葉で無闇に励まさないでほしい――。 40歳を過ぎたら、子供も家も持っているはずだった。なのに、東サユリの現実は、韓流グループ「美男宮殿」に情熱を注ぐだけの毎日。自称・中二病で小学校教師の夫は、児童に振り回され、妻にはもはや無関心だ。好きな男のためのときめき代くらい自分で稼ごうと、サユリはパートに出たものの、なぜか職場の若い男になつかれて――。 ハイテンションな会話の応酬! 前にも後にも進めない女たちの痛々しさをおかしくも鋭く描く、笑えて苦い女子小説。“女子”と“労働”を描き続けてきた、宮崎誉子の進化形!

ユーザーレビュー

  • 水田マリのわだかまり

    Posted by ブクログ

    「現代のプロレタリア小説」といううたい文句であったが、読んだ印象はちょっと違う。工場の労働場面が細かく描かれているが、それは作業の合理性でもって、人間関係の不合理さを強いコントラストのもとに照らし出すためだろう。そして登場人物の女子たちは、それぞれに弱みを抱えつつそれぞれにたくましい。基本、世界に期待せず、しかしその時その時をそれなりに生きていく。醒めた認識と、でも何かを求めていく、そんな生の実感を描いているのかなと思った。

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    2018年06月04日
  • 水田マリのわだかまり

    Posted by ブクログ

    娘の学資保険を解約するほど宗教にのめり込んだ母と半年前に家をでた父。やけくそモードで3日で高校を辞め、洗剤工場のパートで働く主人公水田マリ16歳。

    いじめ、妬み、、、本工、パート、派遣と賃金格差によって労働者自身が、他の労働者を監視したり、足を引っ張り合ったりしている洗剤工場の描写がリアル。このあたりが「平成のプロレタリア作家」といわれるゆえんか。
    ほんとうは労働者が会社の儲けを生み出しているのだから、もっと大きい顔をしていいはず。本来あるべき姿が転倒している。

    かなりややこしい人間関係に工場描写が絡み合いながら、まるで高速で回転する工場のベルトコンベアーみたいにテンポよく物語は進行してい

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    2018年05月17日
  • 水田マリのわだかまり

    Posted by ブクログ

    新聞書評で好評されていて初めて知った作家さん。水たまりをもじったようなタイトル『水田マリのわだかまり』は不思議だった。編集されていたもう一作の『笑う門には老い来たる』も、共通テーマであるいじめと介護が横たわる。『笑う~』の方が取っつきやすいが、水田マリのわだかまり』には迫力がある。
    本文中で使われる若者言葉が理解できなくて何回かネットで検索。マリは祖母と祖父、母親との4人暮らし。いじめリーダーの松戸リカにより友人の美輪が飛び降り自殺した。マリは美輪を追い詰めたのは見て見ぬふりをしていた自分にも責任があると負い目を感じていた。進学した高校を3日目で辞め洗剤工場で働き始めた。いじめは学校だけでなく

    0
    2018年05月06日
  • 女子虫

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    熱血ではない小学生教師
    韓流にハマるその妻
    元美少女小学生


    散文というか散漫な文章だけど
    不思議と人間の思考の散漫さとリアルにマッチしてる気がする

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    2012年12月13日
  • 女子虫

    Posted by ブクログ

    会話がつながっているのか、場面がかわっているのか、そういうのがわかりにくいと初読で思ったが作者の独特のリズムみたいで、それにあってくると、かみ合ってるような、かみ合ってないような会話とかの感じが結構面白かった。表紙イラストは江古田ちゃんの瀧波ユカリ。

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    2012年10月30日

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