角川文庫作品一覧

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  • サイボーグ009 完結編 2012 009 conclusion GOD’S WAR I first
    3.2
    天才・石ノ森章太郎の傑作SFコミックとして、今なお熱狂的なファンを擁している『サイボーグ009』シリーズ。その中で未完のままで終わった「天使編」と「神々との闘い編」が、42年の歳月を経て、今よみがえる! 戦士として闘うべくサイボーグに改造された9人。本書ではそのうち、001から004までの4人のサイボーグ達のエピソードが語られる。故・石ノ森章太郎の遺稿と創作ノートをもとに小説化したシリーズ第1弾!
  • サイボーグ009VSデビルマン トゥレチェリイズ~裏切り者たち~
    3.0
    天才・石ノ森章太郎が遺した傑作SFコミック『サイボーグ009』と巨匠・永井豪の代表作『デビルマン』。日本漫画界が生みだした2大ヒーローの競演が実現!!『サイボーグ009』の島村ジョーと『デビルマン』の不動明が、それぞれの敵《ブラック・ゴースト》《デーモン》と戦い続けるなかで出会ったら――。アニメ『サイボーグ009vsデビルマン』につながる前日譚として描かれる公式ノベライズ!!
  • 催眠 完全版
    3.6
    インチキ催眠術師の前に現れた不気味な女性。突然大声で笑い出しては、自分は宇宙人だと叫ぶ彼女が見せる予知能力は話題となり、日本中のメディアが殺到した。その頃、2億円もの横領事件の捜査線上には、ある女性が浮かび上がっていた。臨床心理士・嵯峨敏也が、催眠療法を駆使して見抜いた真実とは?衝撃のどんでん返しの後に感動が押し寄せる、松岡ワールドの原点が、最新の科学理論を盛り込んで完全版となって登場!
  • 災厄
    3.7
    原因不明の症状により、市町村単位で住民が集団死する事件が発生した。高知県を発端に“災厄”は四国全域に広がり、なおも範囲を拡大していく。そんな中、政府の対策本部では災厄の原因を巡って厚生労働省と警察庁が対立。ウイルス感染説を主張する厚労省キャリアの斯波は、真相解明のため自ら四国へと乗り込むが――。超弩級のスケール感と押し寄せる恐怖! 未曾有の危機に立ち向かう、一気読み必至のパニックサスペンス!
  • 採薬使佐平次 吉祥の誘惑
    4.0
    吉原で続く不審死。佐平次は、死因が阿片だと突き止め、密輸入していた者を捜すことに! 日本最古のアダルトショップとされる四ツ目屋や津軽藩、宗春など犯人と目される者たちが次々に現れ、佐平次の行く手を阻む!
  • 採薬使佐平次
    4.0
    大川で惨死体が上がった。吉宗配下の御庭番にして、採薬使の佐平次は探索を命じられる。その死体が握りしめていたのは、昇降図。一方、西の方でも蝗害の被害が報告されており……亨保の大飢饉の謎に迫る!!
  • 採薬使佐平次 将軍の象
    3.0
    清国の商人は将軍・吉宗が欲しがっている象を2頭、長崎へ輸入した。しかし献上する前に、1頭の象が死亡。報せを受け不審に思った吉宗は、佐平次を使い、象を死なせた犯人を探り始める。新解釈の時代ミステリ。
  • 天命の巫女は紫雲に輝く 彩蓮景国記
    4.7
    新米巫女の貞彩蓮(ていさいれん)は、 景国の祭祀を司る貞家の一人娘なのに 霊力は未熟で、宮廷の華やかな儀式には参加させてもらえず、 言いつけられるのは街で起きた霊的な事件の調査ばかり。 その日も護衛の皇甫珪(こうほけい)と宦官殺人事件を調べていると、 美貌の第三公子・騎遼と出会う。 なぜか騎遼に気に入られた彩蓮は、 宮廷の後継者争いに巻き込まれていき……!?
  • サイレント・ブラッド
    3.6
    失踪した父の車が、長野県大町市で見つかった。その発見現場で息子の一成は深雪という地元女性と出会う。ある理由で一緒に父親の足取りを追う2人だったが、何者かにより妨害される。父にはこの地に秘密があったのだ。手がかりは「タケル」という名前と「カクネ里」という地名のみ。果たして、父は何者だったのか? 早世後刊行された、大ヒットデビュー作『ファントム・ピークス』の著者が遺した、珠玉のサスペンス・ミステリ。
  • 幸荘物語
    3.5
    築三十三年、六畳一間、家賃は三万三千円也。吉祥寺幸荘には極貧ながらも明日を信じる若き芸術家たちが暮らしている。小説家志望の吉岡は二十四歳にして童貞。女性経験の無さからくる劣等感に苛まれ、悶々とした日々を過ごしている。ある日、知人から佐和子さんという女性を紹介される。どこか儚さを感じさせる彼女の美貌に、吉岡は一目惚れしてしまい……。行き場の無い熱情と、空回りする自意識。誰もが通過してきたあのほろ苦き日々。夢を信じ、走り続ける若者たちの熱き想いを綴った青春群像。
  • サウダージ
    3.7
    「サウダージ」、それは、失われたものを懐かしむ、さみしいせつない想い――。日本人の父とインド人の母の血をひく裕一。若いパキスタン人労働者シカンデル。日系四世のルイーズ。裕一の行きつけのバーの雇われママ、フィリピン人女性ミルナ。それぞれが癒しがたい喪失感を抱きながら、東京に流れ着き、出会い、そして別れていく。人々の胸に去来する、やるせない想いを描く傑作長編。
  • さかさま映画論 地球をしばらく止めてくれ ぼくはゆっくり映画を観たい
    -
    たくみに時代感情を反映し、刺激的な作品を発表しつづけている同時代の映画作家たち――ゴダール、フェリーニ、トリュフォー、パゾリーニ、黒沢明など。彼らの作品のテーマを、現代における愛と救済、破壊と創造、自由と束縛を模索する著者が、映像に即して、あるいは心象風景に重ねて縦横に論じた映画エッセー。“さかさまシリーズ”第6弾!!
  • さかさま世界史 怪物伝
    3.5
    ほんものの人間を見つめる寺山修司の目には、偉人、天才も欠陥だらけに見える。母親のエゴイズムにあやつられ、暴君への道を歩んだネロに幼時の自分を感じて共鳴。一方、大気汚染のためにのびる都会人の鼻毛は進化か? とダーウィンを皮肉る。体験と今日的問題に例を取りながら、世界史上の大人物を真っ向うから斬ってみせる。ユニークな筆が冴えるやぶにらみ怪物伝!
  • さかさま世界史 英雄伝
    -
    世界史上の英雄たちの虚飾に満ちた正体を見破り、たちまち滑稽なピエロにしてしまう寺山修司の眼力。コロンブス、エジソン、聖徳太子、ゲーテ、毛沢東、キリスト、紫式部……。卑近な話題を調味料に、強烈な風刺と卓抜なユーモアでどんな大人物も見事に料理してみせる、ユニークな英雄伝。
  • さかさま文学史 黒髪篇
    4.5
    天才詩人中原中也と女優長谷川泰子のロマンスの実相、近代文豪島崎藤村と姪こま子の恋の後日譚、彫刻詩人高村光太郎と妻智恵子の愛情物語の虚構など。――文学史上に燦然と輝く文豪たちの波乱に満ちた一生を陰に陽に彩る女たち。彼らの創作の秘密をときあかす鍵としてさまざまな位置にあった女たちにスポットをあて、著者自らの文学的体験を織りまぜながら語る、ユニークな、女のためのもう一つの文学史。
  • さかさま博物誌 青蛾館
    3.0
    奇人、奇声、奇癖、奇書珍書、珍品、そして少年の日の憧憬、想い出など、詩人の想像力で蒐集した、ありとあらゆる「私有財産」を、物語というオブラートにくるんで披露する。寺山ファン待望の、不思議に謎めいてバラエティに富んだ幻想博物誌。好評“さかさま”シリーズ、第4弾!
  • さかしま
    4.0
    高級クラブのボーイ・福光信輔は、銀座の狭い路地で、美咲が首から血を流して死んでいるのを発見する。数日前まで信輔のいる店で働いていた美咲は、手練手管を駆使して男に貢がせる、やり手のホステス。人間関係も複雑だった。信輔の犯人捜しが空転するなか、またしても同じ店にいたホステスが殺害されて……。大人の保育園ともいうべき夜の銀座の狂躁を通して、虚飾の下に潜む性愛の呪縛を色濃く映し出した長編ミステリー。
  • 魚は水に女は家に
    5.0
    舅・姑・小姑のいる大家族に嫁ぎ、「どっちでもいいの、私」方式で我を押しころし、さしたる波風もたてず、二十年。やっと、親子夫婦だけの生活がはじまった時、舟子は、せせこましい仕事にからめとられ、世の中の回転から全くそれている夫を啓蒙したい、と思った。共に楽しい人生を送るために。魚は水に、女は家にいるもの、と思っている世の男たちに、そして、すべての女たちに贈る、自立への出発(たびだち)の物語。
  • 酒場での十夜 私がそこで見たこと
    値引きあり
    3.5
    19世紀禁酒小説を代表するベストセラー、初の文庫化 ラランド ニシダ氏推薦! ソバーキュリアス時代に名著復活! 酒が原因で人間関係、家庭、やがて村全体が崩壊していく10年を描いた怪作。 1800年代アメリカ。小さな村シーダヴィルを訪れた語り手は、居酒屋兼宿屋「鎌と麦束亭」を定宿とする。 村を訪れるたびに、酒によって人々が蝕まれていく様子を目撃し、やがては殺人事件に遭遇。自分の身すらも危険にさらされる。 禁酒法制定前のアメリカの文化を伝える貴重な作品。
  • サガレン 樺太/サハリン 境界を旅する
    3.5
    各紙誌で絶賛された新たな「宮沢賢治論」 (『産経新聞』評者・江上剛氏、『河北新報』評者・土方正志氏、『毎日新聞』評者・池澤夏樹氏)ほか 「『廃線紀行』に代表される鉄道紀行と『狂うひと』に代表される作家研究が融合しあい、比類のない作品が生まれたことを心から喜びたい」原武史氏(『カドブン』) かつて、この国には“国境線観光”があった。樺太/サハリン、旧名サガレン。何度も国境線が引き直された境界の島だ。 大日本帝国時代には、陸の“国境線“を観に、北原白秋や林芙美子らも訪れた。また、宮沢賢治は妹トシが死んだ翌年、その魂を求めてサガレンを訪れ、名詩を残す。 他にチェーホフや斎藤茂吉など、この地を旅した者は多い。何が彼らを惹きつけたのか? 多くの日本人に忘れられた島。その記憶は、鉄路が刻んでいた。賢治の行程を辿りつつ、近現代史の縮図をゆく。 文学、歴史、鉄道、そして作家の業。全てを盛り込んだ新たな紀行作品! 【目次】 第一部 寝台急行、北へ 一 歴史の地層の上を走る 二 林芙美子の樺太 三 ツンドラ饅頭とロシアパン 四 国境を越えた恋人たち 五 北緯50度線のむこう 六 廃線探索と鉱山王 七 ニブフの口琴に揺られて 第二部 「賢治の樺太」をゆく 一 「ヒロヒト岬」から廃工場へ 二 賢治が乗った泊栄線 三 「青森挽歌」の謎 四 移動する文学 五 大日本帝国、最果ての駅へ 六 オホーツクの浜辺で 七 チェーホフのサハリン、賢治の樺太 八 白鳥湖の謎 九 光の中を走る汽車 十 すきとおったサガレンの夏 おわりに 文庫版のための長めのあとがき 主要参考文献一覧 解説 池澤夏樹 ※本書は小社より2020年4月に刊行した作品を文庫化したものです。
  • 崎義一の優雅なる生活 BLUE ROSE
    4.3
    1~5巻660~858円 (税込)
    崎義一、通称・ギイ。容姿端麗、頭脳明晰、莫大な資産を有する彼は、29歳にしてすべての仕事をリタイアし日本へやってきた。最愛の想い人、託生のもとへ──。大人になったギイとタクミの物語、いざ開幕!
  • サギサワ@オフィスめめ
    4.0
    ウチ、東京高田馬場、横浜某所、新潟瀬波温泉、沖縄北中城村、奈良、大阪羽曳野、韓国ソウル、ロンドン、プラハ……、日本はもとよりワールドワイドに縦横無尽、がんばる俺、えらい俺、へこむ俺、温泉で飲み過ぎてゲロな俺、沖縄で「くじくじ~!!」と叫ぶ俺、海外でも食ってばかりいる俺、でもちゃんと仕事もしてるぞ俺……、18歳でデビューした古の美人作家“めめ”こと鷺沢萠の、バクチ、酒、男、女、仕事、そしてまたバクチ、酒!エネルギーありあまる天真爛漫(笑)な毎日を、自らが赤裸々に大公開。
  • サギサワ@オフィスめめ 方言バトル編 ウチにいないぞ、俺!
    -
    鷺沢萠公式サイトOFFICE MEIMEI のなか、唯一毎日更新していた日記コーナーを、掲載時に書けなかったあれやこれをたくさん加え、長完全版として、1冊に!
  • サギサワ@オフィスめめ 建国編 でんでん虫国創立!
    3.5
    18歳でデビューした古の美人作家のなれのはて? エネルギーありあまる天真爛漫な(笑)、毎日を自らが赤裸々に綴る!
  • 作者消失
    -
    榎本悦子は23歳の新米編集者。入社してすぐの初仕事が作家・赤川次郎の連載小説担当だった。いよいよ最終回の締め切り日、一体誰が犯人なのか見当もつかない作品が、ついに完結する。「真犯人」を最初に知ることができるのは担当編集者の特権というもの。心躍らせて赤川邸に向かった悦子だが、なんと赤川先生が行方不明に――!? 三毛猫ホームズや『天使と悪魔』のマリとポチなど、赤川作品の人気キャラクターたちが総出演。さらに作者「赤川次郎」自身も登場する、超豪華な一冊!
  • 作戦NACL
    5.0
    大爆発によって、死傷者1000名をこす大惨事になった渋谷。つづいて、各地でも同じように奇妙な大爆発があいついで起こった。いずれも原因は不明。だが、爆発の直前、中学生の団体のバスが通過したという情報がもたらされた――このニュースを聞いた中学生の明夫は、思わず叫んだ“修学旅行中に車中で出会った、不気味な雰囲気をもった、あいつらだ”明夫は早速、同級生の尚に不思議な中学生たちを追跡しようともちかけたのだった……。光瀬龍が贈るSFジュブナイル。
  • 櫻子さんの足下には死体が埋まっている
    4.7
    1~18巻616~726円 (税込)
    平凡な高校生の僕は、お屋敷に住む美人なお嬢様、櫻子さんと知り合いだ。けれど彼女は普通じゃない。なんと骨が大好きで、骨と死体の状態から、真実を導くことが出来るのだ。そして僕まで事件に巻き込まれ……。
  • 「櫻子さんの足下には死体が埋まっている」シリーズ17冊合本版 『櫻子さんの足下には死体が埋まっている』~『櫻子さんの足下には死体が埋まっている 櫻花の葬送』
    -
    北海道、旭川。町一番のお屋敷に住む櫻子さんは、一見楚々とした美人だ。だけど彼女は普通じゃない。三度の飯より骨が好きで、骨と死体の状態から、真実を導くことが出来るのだ。平凡な高校生の僕、正太郎は彼女と知り合いなばっかりに、いつも事件に巻き込まれる。骨や遺体や、一番恐ろしい人間の悪意や、普段の生活では目にすることもないことに直面し、時には落ち込むこともあるけれど。でもそれ以上に、彼女と謎の真相を追う時間は、僕にとってかけがえのないものだった……。 旭川、札幌、函館……北海道の美しい街と美味しいグルメ、そして自然をバックに繰り広げられる、法医学×青春成長ライトミステリ決定版! ※本電子書籍は『櫻子さんの足下には死体が埋まっている』シリーズ全17冊を収録しています。
  • サクラダリセット(角川文庫)【全7冊 合本版】
    4.9
    「リセット」、たった一言。それだけで世界は三日分巻き戻る。その力で、二年前に死んだ彼女を生き返らせたら、それは本当に彼女なのだろうか?――見聞きしたことを絶対に忘れない能力を持つ高校生・浅井ケイ。世界を最大三日分元に戻す能力「リセット」を持つ少女・春埼美空。ふたりの能力を合わせれば、失敗した過去をやり直し、現在(いま)を思い通りに変えることができる。ふたりはその力を使い、人々の悲しみを取り除く奉仕作業をしていた。しかし、その能力が原因で、二年前にひとりの少女が命を落としていた。少年は、いつしか、その少女を、能力を使って再生させることを考え始めるが……。能力者が集う街・咲良田(さくらだ)で青春を生きる若者たちの奇跡の物語。 ※本電子書籍は角川文庫「猫と幽霊と日曜日の革命 サクラダリセット1」「魔女と思い出と赤い目をした女の子 サクラダリセット2」「機械仕掛けの選択 サクラダリセット3」「さよならがまだ喉につかえていた サクラダリセット4」「片手の楽園 サクラダリセット5」「少年と少女と、 サクラダリセット6」「少年と少女と正しさを巡る物語 サクラダリセット7」を1冊にまとめた合本版です。
  • 猫と幽霊と日曜日の革命 サクラダリセット1
    -
    「リセット」という一言で、世界は、三日分死ぬ――能力者が集う街、咲良田(さくらだ)に生きる時間を巻き戻す少女・美空と、記憶を保持する少年・ケイ。繰り返す日常は、若者たちに何をもたらすのか!? ※本書は、二〇〇九年六月に角川スニーカー文庫より刊行された『サクラダリセット CAT, GHOST and REVOLUTION SUNDAY』を加筆・修正し、改題したものが底本です。
  • 桜姫
    4.0
    15年前、大物歌舞伎役者の跡取り息子として将来を期待されていた少年・音也が死亡した。それ以降、音也の妹・笙子は、自らの手で兄を絞め殺す悪夢を見るようになる。自分が兄を殺したのではないだろうか? 誰にも言えない疑惑を抱えて成長した笙子の前に、音也の親友だったという若手歌舞伎役者・中村銀京が現れた。2人は音也の死の真相を探ろうと決意するが――。封印された過去の記憶をめぐる、痛切な恋愛ミステリ。
  • 酒と家庭は読書の敵だ。
    3.0
    心にじいんとしみいる大人の恋、子供の頃に読んだ忘れられない場面、まぼろしの文庫についてなど、多彩な読書エッセイ集。 ※本書は、平成九年七月、小社より刊行された単行本『活字浪漫』を改題し、文庫化したものが底本です。
  • 酒は涙か溜息か 古賀政男の人生とメロディ
    -
    北原白秋から美空ひばりまで、多くの出会いの中で古賀政男は哀しみを歌へと結晶させていった。演歌の代名詞「古賀メロディ」の底流に秘められていたもの、戦前・戦後に庶民を追い詰めていったものの真実に迫る評伝。 ※本書は二〇〇五年八月、毎日新聞社から刊行された単行本『悲歌 古賀政男の人生とメロディ』を改題し、文庫化したものが底本です。
  • さくら、うるわし 左近の桜
    4.0
    小旅館「左近(さこん)」の長男・桜蔵(さくら)は、母と弟が暮らす家を離れ、父・柾(まさき)の元から大学に通っている。柾の庶子ではあるが特に不自由はなく、柾の本妻である遠子(とおこ)とは、気軽に連れ立って出かけられるほどだ。複雑な家族関係に不満はないが、誰からか継いだ、不可思議な体質は困りものだ。見えないはずのものを見てしまうだけでなく、その者たちに魅入られ、身体をほしいままにされてしまう。それも、集まってくる者たちはいずれも桜蔵を「いい女」と呼んではばからないのだ。 耳を求めさまよう犬、男か女か判然としないマネキン――この世ならぬものたちが桜蔵の身体を求め……。生と性、死の気配が絡み合う珠玉の連作幻想譚。
  • 左近の桜
    5.0
    武蔵野にたたずむ料理屋「左近」。じつは、男同士が忍び逢う宿屋である。宿の長男で十六歳の桜蔵にはその気もないが、あやかしの者たちが現れては、交わりを求めてくる。そのたびに逃れようとする桜蔵だが。
  • 咲くや、この花 左近の桜
    3.0
    春の名残が漂う頃、隠れ宿「左近」の桜蔵に怪しげな男が現れ手渡した「黒面を駆除いたします」というちらし。桜蔵は現ではないどこかへ迷い込む……匂いたつかぐわしさにほろ酔う、大人のための連作奇譚集。
  • ささやかな永遠のはじまり
    3.2
    園田花織は出版社で編集総務を担当する25歳。新雑誌の創刊準備に迫われながらも、大手電機メーカーに勤める岡島との結婚を控え、公私ともに充実の毎日を過ごしていた。しかし、挙式直前に岡島の女性問題が発覚、絶望のなか花織は別れを決断する。悲しみを忘れるべく仕事に打ち込むなか、花織は新雑誌の編集長、白石の優しさに癒され、そして恋に堕ちていく―。ベストセラー『夜の果てまで』の著者が描く、切なく狂おしい“純愛”傑作長編。 ※本作品は、二〇〇七年十月に小社より刊行された単行本『幸福日和』を改題し文庫化されたものが底本です。
  • さしすせその女たち
    3.6
    39歳の多香実は、年子の子どもを抱えるワーママ。マーケティング会社での仕事と子育ての両立に悩みながらも毎日を懸命にこなしていた。しかしある出来事をきっかけに、夫への思わぬ感情が生じ始める――。
  • 砂上
    3.7
    守るものなんて、初めからなかった――。人生のどん詰まりにぶちあたった女は、 すべてを捨てて書くことを選んだ。母が墓場へと持っていったあの秘密さえも――。直木賞作家の新たな到達点!
  • サタミシュウ「SM青春小説」作品集【全10冊合本版】
    -
    官能小説界に革命を起こしたサタミシュウの「SM青春小説」クロニクル。 『私の奴隷になりなさい』 ある日、彼女の家で不審な10本のビデオを発見する……。僕は「奴隷」に恋してしまった。 『ご主人様と呼ばせてください』 妻が若い男と浮気していることを知った私は、浮気相手を脅して妻との関係を続けさせた。 『おまえ次第』 「調教癖」を持つ目黒が一見地味な繭子に出会うが、繭子は目黒の想像を超えていく。 『はやくいって』 奴隷になるのは、窮屈な自分から自由になること。わたしたちの恋は、せつなくて、いやらしい。 『恋するおもちゃ』 「おまえをおもちゃのように扱う」「嬉しいです」わたしはここまでいやらしくなれるんだ。 『彼女はいいなり』 男子高校2年生の美樹は、美術教師にあらゆる性行為を教わることに……。 『かわいい躾』 高校教師・美樹は生徒の澄美を見て衝撃を受ける。美樹の性癖は徐々に覚醒してしまい……。 『SでもMでもなくこれは恋とか愛』 鷺坂美樹は三回目の恋に落ちる。これは運命なのか、呪いなのか――。 『私はただセックスをしてきただけ』 奴隷としての調教を施された妻は、己の一生を捧げるご主人様に出会う。想像を絶する告白。 『彼女が望むものを与えよ』 8人の「彼女」が思わぬところで絡み合う。サタミシュウ、ついに最終章! ※本作品は『サタミシュウ「SM青春小説」作品集』シリーズ全10巻を収録しています。 ※本商品は1冊に全巻を収録した合本形式での配信となります。あらかじめご了承ください。
  • 「作家」と「魔女」の集まっちゃった思い出
    -
    たらいで洗濯する背中にそっとよりかかって感じた、亡き母のぬくもりの記憶。晩酌する父のあぐらの中で毎晩座って聴いたオノマトペ。ブラジルで運命的に出会った気高い赤毛の魔女。「普通のお母さんになってよ」と小学生の娘からいわれた日。江戸川の土手に住んでいたハーちゃん。紀伊國屋書店の新入社員時代、喫茶室で見たフランス帰りの若き岡本太郎……。思い出は、よろこびだけではなく悲しみも人に力を与えてくれる。みんな今の私を作った「集まっちゃった思い出」たち。世界的児童文学作家の人生のお手本にしたい、名エッセイ集!(解説:小川 糸)
  • 作家の履歴書 21人の人気作家が語るプロになるための方法
    4.2
    作家になったきっかけ、応募した賞や選んだ理由、発想の原点はどこにあるのか、実際の収入はどんな感じ…などなど。人気作家が、人生を変えた経験を赤裸々に語るデビューの方法21例! 著者:阿川 佐和子、石田 衣良、江國 香織、大沢 在昌、荻原 浩、角田 光代、北方 謙三、北村 薫、小池 真理子、桜庭 一樹、椎名 誠、朱川 湊人、白石 一文、高野 和明、辻村 深月、藤田 宜永、誉田 哲也、道尾 秀介、皆川 博子、森村 誠一、夢枕 獏
  • サッカーの神様をさがして
    -
    高校ではサッカーをすると心に決めていた春彦。しかし入学した新設高校にはサッカー部自体がなかった。あきらめきれず部の創設に奔走するが、難題が立ちはだかる。そんなとき、右足にハンデを持つ不思議な生徒が現れ、コーチになりたいと春彦に告げる。果たしてサッカー部として認められるのか。やがて彼らは最後の夏を迎える――。かけがえのない出逢いと別れ。輝かしい日々と人生に立ち止まった今を描く傑作青春小説!
  • サッカーボーイズ 再会のグラウンド
    5.0
    ジュニアサッカーチーム・桜ヶ丘FCの武井遼介は、6年生になって早々に、キャプテンの座もレギュラーポジションも失い、初めて挫折を味わう。そんな中、新監督・木暮との出会いを通して、遼介は自分がサッカーをやる意味を見つめはじめる……。個性的なチームメイト、大人たちとの関わりの中で、悩み、もがき、成長していく少年たち。ひたむきな気持ちを呼び起こす、熱く切ない青春スポーツ小説!
  • サッカーボーイズ 15歳 約束のグラウンド
    4.0
    有無を言わさずチーム改革を断行する新監督に困惑する部員たち。大切な試合が迫るなか、チームを立て直すべくキャプテンの武井遼介が立ち上がるが……。最終学年となった15歳の彼らの葛藤と成長の物語。
  • サッカーボーイズ 13歳 雨上がりのグラウンド
    3.9
    元桜ヶ丘FCのチームメイトは、それぞれの道を歩み始めた。地元の中学校サッカー部に入部した武井遼介は早くも公式戦に抜擢される。同じ学校に通いながらJリーグのジュニアユースチームに入った星川良は新しい環境に馴染めずにいた。サッカーから離れていく友は「なぜサッカーを続けるのか」と遼介に問いかける。競技スポーツの入り口に立った13歳の少年たち。多くの熱い支持を集める、感動の青春スポーツ小説、第2弾!
  • サッカーボーイズ 14歳 蝉時雨のグラウンド
    3.9
    2年生になり、キャプテン武井遼介を中心に新チームが動き始めた桜ヶ丘中学サッカー部。ゴールキーパー経験のあるオッサが野球部をやめて入部するも、シュートを怖がったり集中力が切れたりと、なぜか様子がおかしい。オッサの致命的ミスで、大切な試合にも負けてしまう。チームに生じる不協和音。遼介は、オッサが人に言えない悩みを抱えていることを知る……。14歳の少年たちが爽やかに駆けぬける、青春スポーツ小説、第3弾!
  • サッカーボーイズ 卒業 ラストゲーム
    3.8
    県大会出場をかけた大事な試合で、遼介は右膝を痛めて負傷交代し、試合にも敗れてしまう。さらに監督の草間がベンチで倒れ、入院してしまった。遼介たち3年生にとって中学最後の大会となる夏の総体が1ヶ月に迫るなか、キャプテンと監督を欠き、不穏な空気に包まれる桜ヶ丘中サッカー部。3年間をともに過ごした仲間たちとの、最後の夏がはじまる――。
  • 札幌アンダーソング
    -
    1~3巻660~748円 (税込)
    真冬の札幌の雪の中で変態的な全裸死体が見つかった。若手刑事の仲野久は、色男な先輩・根来と共に奇妙な事件を調べるが、「変態の専門家」だという美貌の超天才少年・志村春の力を借りることになって……!?
  • 札幌殺人事件 上
    -
    1~2巻715~781円 (税込)
    ススキノのクラブ「ユリアンヌ」に時折現れる謎めいたプロモーター白井。浅見光彦が捜索を依頼された失踪人・戸田は白井の身辺を探っていた。戸田が残した不可解な盗聴テープに興味を惹かれ、浅見は札幌へ飛ぶ。
  • 札幌着23時25分
    5.0
    航空スト当日、暴力団川田組組長の有罪の決め手となる重要な証人を、札幌地裁まで連れていかなければならない事態が発生した。タイムリミットは深夜零時!証人を連れて東京を出発した十津川警部の行手には、それを阻止せんとする川田組弁護士佐伯の手の者が……。チャーター機、列車、東北新幹線、車、船とあらゆる交通機関を駆使して、狙う側と守る側の華麗なゲームが始まる!人気作家が自信をもって贈る、トラベル・サスペンスの決定版。
  • 殺意
    -
    鬱症状を訴えて精神科医を訪れた白水絹江は、福岡の老舗の商家の妻だった。何度もカウンセリングがつづくうち、彼女は舅、姑、小姑に囲まれた息苦しい日常生活と、夫の異常な女性関係の悩みをうちあける。――その後、絹江は離婚、夫は愛人宅で死亡した。若い愛人れん子は殺人容疑で起訴された。夫の首に残された索溝は何をもの語るのか? 三人の女たちの不幸な構図から生まれた、ひとつの殺意。
  • 殺意の設計
    4.0
    新進の画家の田島と結婚して3年たったある日、夫の浮気が発覚した。妻の麻里子は、夫の旧友である井関に相談を持ち掛けるものの、心惹かれていく。三人で集まった際、田島夫妻が毒殺される――。
  • 殺意の対談
    3.9
    人気作家・怜子と若手女優・夏希の誌上対談は、和やかに行われた。……表向きは。実は怜子も夏希も、恐ろしい犯罪者としての裏の顔を持っていて……。対談と心の声で紡がれる、究極のエンタメミステリ。 ※本書は二〇一五年六月に『私情対談』として小社より刊行された単行本を加筆・修正の上、改題し文庫化したものが底本です。
  • 殺意の漂流 異型の曠野
    -
    二流のサラリーマン問題評論家・河合清重は、講演にでかけた先のホテルで、『コルト45口径』という一挺拳銃を見つけた。拳銃に魅せられた河合は、密かに銃を持ち帰るが、その日を境に仕事の依頼が急増していく。人生を狂わす悪魔の銃は、さまざまな人間たちの人生を変えていくが!? 悪魔の銃に魅せられた人間たちを描く、連作傑作集!
  • 殺意の法廷
    -
    ホテルの一室で男女の他殺死体が発見された。男はやりての市会議員、女は愛人でクラブホステス。“政治がらみの犯行”の疑いから、気鋭の検事・将田知彦が半ば強引に捜査に加わることになった。そして事件の容疑者として野々口雄次が逮捕されたという記事を読んで老弁護士・朝日岳之助は愕然とする。国鉄職員時代、冤罪事件に巻き込まれた同僚・野々口健蔵の息子だったのである。朝日は弁護を申し出るが、雄次はその申し出を拒み、かたくなに心を閉ざすのだった――。
  • 殺意の盲点
    -
    「あの男よ! まちがいないわ。あの薄い唇、こけた頬」 唯一の目撃者である妻の眼を信じ、半年間追い続けた執念のパトロールがついに実った。対向車のウィンドー越しに見る憎い轢き逃げ犯人の酷薄な顔。一瞬、谷の脳裏に轢死された愛児の無邪気な笑顔が蘇った。そして、それはたちまち、犯人に対する激しい殺意へと変貌していった……。幸福な家庭を襲った突然の破綻。人間の持つ醜さ、哀れさを追求した傑作短編集。表題作ほか11篇を収録。
  • 殺意はさりげなく
    4.0
    高校1年生の小百合の誕生日は2月29日。4年に一度のこの日が近づくと、少女殺害事件が過去3回も起こっていることに気づいた小百合の祖父で元刑事の耕治は、彼女の16歳の誕生日を前にして警察に注意するが、無視された。しかしその夜、事件発生! 現場付近にいた耕治は逮捕された。小百合の親友の祖父・彰三は弁護士をやとい、助けようとするが、彼自身には正体不明の影がつきまとっていた……。誰にもはりついている黒い影をゆさぶり起こす恐怖ミステリーの傑作!
  • 撮影現場は止まらせない! 制作部女子・万理の謎解き
    4.0
    えっ、監督(カントク)、仕事を降りるってマジですか!? 映像制作の「縁の下の力持ち」、制作部女子・万理のトラブルだらけの撮影日誌! ディーン・フジオカ、武井咲主演で連続ドラマ化『今からあなたを脅迫します』の著者がおくる、撮影現場のお仕事エンタメ。 気鋭の監督・連城の映画撮影現場に「制作部」として参加している万理。制作部とは、プロデューサーの下であらゆる雑用をこなす、裏方のなかの裏方だ。今日の万理は、ロケ地の道路使用許可申請のため警察署にやってきた。現在進行中の現場は、映画『はこにわ』。連城監督の才能には惚れているけど、現場は何かと波乱含みだ。ロケ地候補の古民家を訪れた日、プロデューサーから女優の変更を告げられた連城は監督を降りると言い出して……。次々起こるトラブルを万理は解決できるのか!?  業界の内側も覗ける、働くことが愛しくなるお仕事ミステリー!
  • 殺人鬼
    3.8
    ある説によると、我々の周囲には五百人に一人の割合で、未だ発見されていない殺人犯がいるという。あなたの隣人や友だちは大丈夫ですか? あの晩、私は変な男を見た。黒い帽子をかぶり黒眼鏡をかけ、黒い外套を着たその男は、片脚が義足で、歩くたびにコトコトと無気味な音をたてる。男は何故か、ある夫婦をつけ狙っていた。彼の挙動が気になった私は、その夫婦の家を見はった。だが数日後、夫の方が何者かに惨殺されてしまった! 表題作ほか三篇を収録した横溝正史傑作短篇集。
  • 殺人狂時代ユリエ
    -
    1巻550円 (税込)
    アメリカを放浪するジャズ・ピアニスト阿波地明は、西部の田舎町の留置場にいた。その時突然、近郊のドライブ・インでショット・ガン乱射事件が発生。多数の死傷者の中に、13歳の日本人少女がいた。1年後、帰国し歌手としてデビューした少女ユリエの周辺に、そして、TV視聴者の間に、奇怪な事件が続出する。破滅への序曲か。理由なき大量虐殺と集団自殺が日本列島を蹂躙する。現代の狂気を、鮮烈なイメージと筆力で照射する、戦慄のニュー・オカルト・サスペンス! 第2回横溝正史賞受賞作。
  • 殺人ゲーム
    3.0
    海沿いの屋敷で開かれる大富豪ルーカスの結婚式に招かれたジェマと夫。式の朝、ルーカスの妹アレックスが 水死体となって発見された。その死は自殺とされたが、1年後、再び屋敷に集められた招待客は、“殺人ゲーム”に 参加することに――。昨年と同じ状況で、真犯人を推理し合うのだ。その場に居合わせたステファニー刑事は、 ある女性の失踪を追っていたが。2つの真実が明らかに。 「並外れた構成力。スリリングな人間模様。抜群に面白い本格ミステリ」(大矢博子・書評家) 「優れたツイストが徐々に明らかになる」「優れたプロット」と英メディアで評されたミステリ作品。
  • 殺人コンテスト
    3.5
    老人ホームに入っている70歳のはるばあちゃんから、突然3人の子供たちに集合するよう連絡が来た。どうやらはるは、進行性のがんで余命半年らしい。そこではるがみんなに申し渡したのは、自分を上手に殺す方法を考えた人に5000万円の宝くじの当たり券を贈るということ。これも世のためばあちゃんのためと、3人の子供と孫たちは必死でない知恵を搾り出す。しかしはるは名うての意地悪ばあさん。このまま簡単に5000万円を贈る気はなく……。金に目がくらんだ人々が織り成す狂想曲!
  • 殺人暦
    5.0
    大新聞に掲載された5人の人々の死亡広告。大実業家、宝石王、有名女優等、いずれも今を時めく知名人。悪戯にしては余りに無気味な広告に、全員が実業家の 屋敷に集まった。実は彼らには重大な共通の秘密があった。それは莫大な利権を生む人造ダイヤの製法に関する機密で、15年前の忌まわしい事件に繋っていた のだ。そして今、部屋にある鏡にいつのまにか血のような真紅の紙が貼られ、そこには第一の殺人予告が! サスペンスに富む表題作をはじめ、傑作を網羅した 珠玉の推理短編集。?
  • 殺人者
    -
    10代から20代にかけ、病気と回復を繰り返す心の不安定な時に家出や駆け落ちを繰り返した21歳の淳子。ついに父の小切手を無断で使ったことを見咎められて、北海道で謹慎生活を送ることになる。ある日、彼女の下に逃亡中の殺人犯・礼太が転がり込んできた。理由もなく彼を匿った淳子は、やがて彼に対して奇妙な感情を抱くようになるのだが……。閉ざされた北の別荘で起きる男女の葛藤を描く異色サスペンス。
  • 殺人者は西に向かう
    2.8
    小堺信介は仲間5人と孤独死した老人の遺品を有料で処分する会社を立ち上げた。最初の依頼が片づいた翌朝、従業員が死体で発見された。十津川警部が遺品の主である三枝修一郎の身元を洗い始めると、三枝の友人が岡山で殺されたとの情報が入る。急遽、岡山に飛ぶ十津川。そこで待ち受けていたのは第3の殺人事件だった……。十津川は殺人の連鎖を止められるのか? 事件の背後にある、時代を超えた因縁とは?
  • 殺人の花客
    -
    新宿の超高層ホテルの一室で、男性の死体が発見された。被害者は女性と宿泊する予定だったらしいがその形跡はない。かわりに見つかったのは“カタセタム”という日本では珍しいランの花粉だった。奇妙な手がかりをもとに女性の行方を追う新宿署の牛尾。だが、事件当夜にホテルで起こった幾重もの人間模様がさらなる迷宮へと誘う……。もつれた因縁の糸を、敏腕刑事牛尾正直が丹念に解きほぐしてゆく白眉の社会派推理。
  • 殺人の組曲
    5.0
    新入社員の何気ない言葉に不安を募らせ自ら破滅の道をたどる男の心理を克明に追う「藪の狼」、人生の縮図“終電車”を舞台に複雑に揺れ動く男女の内面を鮮やかに描き出す「殺意」「新たな絆」、偶然スナップに写っていた女のわずかな表情の陰りから事件の真相が明らかになって行く過程を描いて知的興奮を誘う「写真」など、犯罪が形作る現代社会の断面の人間模様を描破する知略と愛情に満ちた九つの傑作を収録する、オリジナル短編集。
  • 殺人の駒音
    3.7
    死神の異名をもつ八神香介。一三歳の天才棋士に敗れ、一度は挫折した男が、それから一六年後、将棋の表舞台に現われた。第五期竜将ランキング一回戦……それはアマチュア最高位から、プロ棋士に挑む、命をかけた戦いとなるはずだった。しかし対局当日、相手プロは姿を見せず、自宅で何者かに殺されていた! 卓越したストーリーと熱気で読者を魅了し、横溝正史賞史上初の特別賞を冠せられた、伝説の傑作。
  • 殺人の主題歌
    -
    沢田はある大手興信所専属のフリーの調査員だ。尾行が得意なことから業界では“尾行屋さん”と呼ばれている。家賃が安く、日当りがいいので、いまだにアパートの一間を借りて住んでいる。ある日曜日、沢田が部屋にいると、鏡の反射した光線が目に入った。光源は近所のマンションの一室だった。その後、その部屋に住む美人OLが殺害された――。あの光線は何らかの意味があるのか? 被害者の男関係は!? 事件は意外な方向へ……。
  • 殺人の赴任
    -
    まるで迷い込んだ蝶のように目の前に現れた明日めぐみに道浦良一は急速に傾斜していく。単身赴任による二重生活を続けるうち家族との絆を完全に失ってしまっていた道浦には、少女の面影を残したそのコールガールと過ごす時間が、心に鬱積したしこりを癒してくれるように思われたのである。――ところが、めぐみはホテルの一室で常連客の死に遭遇し、警察に通報したまま消息を絶ってしまった。やがて彼女も死体となって発見される……。森村ミステリーワールド。(「猫型の宇宙」改題)
  • 殺人はそよ風のように
    4.0
    星沢夏美。17歳。あと一ヶ月足らずで18になる。国民的(?)アイドルタレントである。熱狂的ファンの一人で18歳になる克彦は、夏美のマンションで、彼女の生の歌の盗み録りに成功!! だが、テープから流れてきた曲は、普段の彼女からは想像もつかないイタリアのオペラ!? その上、彼女は突然、自殺未遂をおこし、マネージャーは何者かに殺されて……。超人気歌手に隠された秘密とは? 長編ユーモア・ミステリーの傑作。
  • 殺人プロムナード
    -
    21歳になる美座ゆり子は美しい女だった。中流家庭の一人娘として育てられ、何不自由ない生活をしていた。彼女の周囲には一流大学出のボーイフレンドが群がり、華やかな雰囲気が漂っていた。ゆり子はもはや文字どおりの女王であった。だが彼女の心に隙間風のような寂しさが……。そして一人の男性の出現が彼女の運命を狂わせていく――。
  • 殺人へのミニ・トリップ
    5.0
    古賀は恋人と共に、サロンエクスプレス踊り子に乗車した。景色を楽しんでいる時、カメラを忘れたことに気付き部屋へ戻ると、そこには女の死体があり…。表題作を含む4編を収録。十津川警部シリーズ短編集。
  • 殺人偏差値70
    3.3
    大学受験の当日、木村が目覚めると試験開始の20分前。どう考えても間に合わないと悟った木村は、大学に「爆弾予告」電話をかける。まんまと試験開始時刻を遅らせることに成功したが…。他7編収録。
  • 殺人よ、こんにちは
    4.0
    今日、パパが死んだ。昨日かもしれないけど、私には分らない。そんなこと、どっちでもいい。何しろ私のパパは、仕事、仕事で、1年のうち半分は外国を飛び回っている。そんなパパをいわば子供らしく愛せと言われたって無理な話だ。でも私は知っている。本当は、ママがパパを殺したんだっていうことを……。父の死。莫大な遺産をめぐる争い。母の若き婚約者の出現。やがて、13歳の少女、有紀子に残酷な殺意の影が――。
  • 殺人よ、さようなら
    4.7
    一度しかない16歳の夏、私とママは再び海辺の別荘にやってきた。3年前にあの「事件」が起こった場所だ。ママも私も事件のことは口に出さず、毎日が穏やかに過ぎてゆく。ところが1週間後、私とそっくりの服を着た少女が目の前で殺された。そして次々と届けられる奇怪なメッセージ。誰かが私の命を狙っている……? 『殺人よ、こんにちは』から3年、過去の秘密を胸に抱き、ユキがあの海辺に帰ってきた。
  • 殺人ライセンス
    3.9
    高校生が遭遇したオンラインゲーム「殺人ライセンス」。ゲームと同様の事件が現実でも起こった。犠牲者の名前も同じであり、高校生のキュウは、同級生の父で探偵の男とともに、事件を調べはじめる──。
  • 殺人列車への招待
    3.3
    捜査一課の十津川警部に「殺人ゲームがしたい」と謎の電話が――。その後〈11月7日、16時40分東京発、寝台特急「さくら」の車内で「ア」で始まる女を殺す〉という挑戦状が届けられた。いたずらか、本気か。もし本気なら人が一人殺される。続いて第二の挑戦状が……。犯人は警察に怨みを持つ者か、あるいは殺人狂か?十津川と亀井は窮地に追いこまれた。ベストセラー快進撃の西村京太郎が贈る、長編トラベル・ミステリー。
  • 殺人を呼んだ本 ─私は図書館─
    5.0
    林の中の古びた洋館――それが私立野々宮図書館だ。ここに所蔵されている本は、どれも犯罪や事件に関係のあった本ばかり。殺人現場で被害者が抱いていた本や、連続殺人犯が愛読していた本、首吊り自殺の踏み台として使われた本など……。この一風変わった図書館に住み込みで勤めることになった松永三記子。彼女が書庫の本を手に取ると、その本にまつわる不思議な出来事が次々と起こるのだった。一冊の「本」が引き起こす様々な事件を描く連作小説集。
  • 颯の太刀
    4.0
    十八歳にして、門人のいない道場を引き継ぐことになった筧求馬は、出稽古の帰りに勝ち気で美しい娘が曲者に襲われているところを咄嗟に助ける。娘を匿うため道場で生活を共にしていたが、屈強な刺客に連れ去られてしまう。娘の名は茉名といい、将軍の血を引く姫であり、圧政に苦しむ藩を救おうとしていることを知った求馬。風を感じて敵の動きを察する「颯の太刀」を振るって、茉名を救う旅に立つことを決意する。時代小説の新星が描く、江戸の青春剣劇!
  • 薩摩燃ゆ
    4.0
    主命に背くならば腹を斬れ――。薩摩藩の下級武士に生まれた調所広郷は、多年の功を認められ、藩主の側用人を務めるようになっていた。七十七万石の権勢を誇っていた薩摩藩も、かつての藩主・重豪の失策によって、いまでは五百万両という莫大な借金を抱えている。財政改革主任に抜擢された広郷は、非合法も厭わぬ強引な手腕で藩の立て直しに挑む。明治維新のきっかけを作り上げた傑物の、燃えたぎるような一生を描いた歴史巨編。
  • サディスティック・マリア
    -
    武藤庸平の愛した女が遺した娘・真理亜は、誰よりも美しい少女。血の繋がらない、たった15歳しか離れていない養い娘に、年若い父は翻弄されていく……。クロスラブ発、危険な関係がおりなす官能ストーリー!
  • 聖の青春
    4.9
    重い腎臓病を抱えつつ将棋界に入門、名人を目指し最高峰リーグ「A級」で奮闘のさなか生涯を終えた天才棋士、村山聖。名人への夢に手をかけ、果たせず倒れた“怪童”の生涯を描く。第13回新潮学芸賞受賞。
  • 里山奇談 よみがえる土地の記憶
    3.6
    1~3巻682~836円 (税込)
    人の暮らす地と神の棲む山との境界にある里山。そこに息づく動植物の多様さ同様、ここにはさまざまな“奇しき話”が存在する。動物、植物、虫、土地にまつわる恐ろしくもなつかしい奇談集。『里山奇談』改題。
  • 佐渡伝説殺人事件
    -
    梅雨の訪れと共に駒津家に届けられる奇妙な葉書。裏には筆書きでただ一文字『願』と書かれていた。4通目の葉書が配達されたあと、56歳になる駒津は何者かに殺された。一方、大学時代の親友4人組の一人三輪も同じ葉書を送られた後、佐渡で死体となって発見された。佐渡の「願」という地名に由来する奇妙な連続殺人。「願の少女」の正体は?事件の根は三十数年前に佐渡で起った出来事に!!警視庁幹部を兄に持つ、魅惑のキャラクター、浅見光彦が大活躍する本格伝奇推理。
  • 佐渡流人行
    -
    佐渡金山奉行所への転任を上役からこわれた時、寺社奉行所役人黒塚喜介の頭の中を不意によぎるものがあった。2年前、妻との仲を疑い、八丁堀与力を動かして伝馬町の牢へ送った無頼者弥十。その赦免が間近いのだ。いっそ、金山の暗い坑の底で、地獄の苦しみを彼に味あわせたい。……喜介の胸に、どす黒い憎しみと嗜虐心のほむらが一気にふき上げて来た。表題作「佐渡流人行」ほか、直木賞候補作「西郷札」など秀作短篇4作を併わせ収める。
  • 立て 真田十勇士
    -
    1~2巻616円 (税込)
    これまで試合に勝ったことがない、メンバーすらそろわない真田学園の弱小野球部。しかし3年のキャプテン・河合十三の必死の勧誘で、3人の1年生が入部した。猿橋大助と海野四郎、そして美少女のマネージャー・霧島彩子の3人だ。これで10人の部員がそろった野球部のメンバーは、彩子によって“真田十勇士(ブレーブス)”と命名される。ところが今度は、悪徳理事長のせいで学園そのものが消滅するといううわさが飛び交う。元理事長の未亡人の要請を受けた真田十勇士の面々は、何とか学園存続のため奮闘するが……。ユーモアとスリルに満ちた学園物語。
  • サナトリウム
    値引きあり
    3.2
    アルプスの山岳リゾート、豪華ホテル〈ル・ソメ〉。古いサナトリウムを改装し話題になったが、地元では反対運動も起きていた。弟アイザックの婚約パーティのため、恋人とホテルを訪れたエリン。雪の降りしきるなか、アイザックの婚約者が失踪、ゴムマスクをはめられた死体が発見される。休職中の警官であるエリンは捜査に乗り出すが、彼女の前にサナトリウムの、そして自身の過去が立ち塞がる。スリリングなノンストップミステリ!
  • 讃岐路殺人事件
    3.0
    浅見の母が四国霊場巡り中に、交通事故に遭い記憶喪失に。加害者の久保彩奈は瀬戸大橋で自殺。彩奈の不可解な死に疑問を抱いた浅見は、香川県高松へ向かう。讃岐路に浅見の推理が冴える旅情ミステリ。
  • 実朝の首
    3.7
    建保7(1219)年正月、鎌倉・鶴岡八幡宮で将軍源実朝が甥の公暁に暗殺された。背後には北条や三浦の影があったが、公暁も三浦義村に殺されてしまう。混乱の中、少年・弥源太は実朝の首を持ち逃げする。権威失墜を恐れる幕府では、尼将軍・北条政子が悲痛な深謀を巡らせていた。京からは後鳥羽上皇の弔問使が下向、混乱は深まる。幕府、朝廷、弥源太たち三つ巴の駆け引きの行方。新鋭が挑む鎌倉幕府最大の謎、傑作歴史長編。
  • サハラの薔薇
    3.8
    エジプトで発掘調査を行う考古学者・峰の乗るフランス行き飛行機が墜落。機内から脱出するとそこはサハラ砂漠だった。生き残った6名はオアシスを目指して沙漠を進み始めるが食料や進路を巡る争いが生じ!?
  • 裁かれた女
    4.0
    十五年前に犯した殺人事件の共犯者である淳子の父親が死んだ。これで、あの忌しい過去を記憶しているのは淳子ひとりのはずであったのだが……。通夜が終わりホッとひと息ついた頃から、身辺に不可解な事件が起こるようになる。次女の美樹が公園で襲われたり、淳子たちが殺した女性の友人と名のる女が現れたり――いったいこれは偶然なのか、それとも淳子を苦しめるために誰かが仕組んだ罠なのか。そして、ついに新たな殺人事件が発生した!
  • さびしがり屋の死体
    3.5
    「あのね、彼……死んだの、車にはねられて」遺書ともいえる言葉を残し、マリは恋人武夫のあとを追い自殺した。可哀相なマリ……。そういえばマリは、彼のいない人生なんて生きる価値がないって、いつも言ってたっけ……。だが、死んだ筈の武夫は生きていた。そして、天国へ行ったマリが一人では寂しいと招きよせるように、武夫のまわりで次々と起こる謎の殺人事件! 表題作「さびしがり屋の死体」ほか、実力派赤川次郎が、趣向をこらしたミステリー四編を収録。
  • サビタの記憶
    -
    比田さんはいつも夜、浴場に行く。よく私をさそった。でも私は、一緒に行くのがためらわれた。病弱であっても、私の乳房はふくらみはじめていた。乳首は桃色になり、こりこりと固くて、触れるとうずいた。針葉樹林にかこまれた湖畔の保養先で、病弱で孤独な一少女が体験したあの事件。湯気にけむったような薄黄色いサビタの花の記憶も鮮やかに……。原田康子初期の名作短編集、表題作ほか7篇。
  • さぶ
    4.0
    なんでも器用にこなす栄二と、お人よしだが愚鈍なさぶ。二人は幼いころから仲良しで、いつも栄二はさぶの兄貴分だった。だが、無実の罪で栄二が石川島に流されたことをきっかけに、その関係性に陰りが見え始める。自分は陥れられた、ここを出たら復讐してやろうと世間を恨んでばかりいる栄二は、島の罪人とも口を利かず、会いに来たさぶのことも冷たく突き放した。しかし、大あらしから島を守るための防波堤を作る作業中、栄二はうっかり足をすべらせて生き埋めとなってしまう。普段は冷たく接していた罪人たちが、どうしてこんな自分のために危険も顧みず、躍起になって助けようとしてくれるのか。徐々に心を開いていく栄二だったが――。1人の男が精神的な成長を遂げる感動物語。
  • サブカルで食う 就職せず好きなことだけやって生きていく方法
    -
    「ロックバンドにアニソンシンガー、作詞、小説に、コラムニスト、テレビタレント、ラジオパーソナリティ、トークイベント、映画原作、舞台原作、映画出演、その他……好きなことだけをやって何とかかんとか食ってきた46年間でした。」と本文の冒頭で綴る大槻ケンヂ氏。小学生のころからの自分を振り返りつつ、サブカルチャーとの出会いからを丁寧に綴った本書。巻末に収録した、本や音楽、映画情報など、サブカルチャーの歴史が分かる貴重なデータでもある。
  • さまよえる騎士団の伝説
    -
    中世の騎士団の幽霊が、ヨーロッパの村にあらわれるという。彼らは四年に一度、閏年の二月二十九日の霧の濃い真夜中に、角笛が鳴るとともに甲冑姿のまま現れ、村の大通りを進んでゆくらしい…。ぼくはドイツ人の恋人とともに、勇んでその伝説の村へとやってきた。――奇跡は起こった! ぼくは茫然と立ちつくし、恋人も熱病にかかったようにふるえはじめた。が、なんということだ! そのときぼくの恋人が、ふらふらと彼らの後について歩きはじめ、そのまま姿を消してしまったのだ……。現実から夢幻へと広がるメルヘンと冒険の世界を描く表題作を含む全5編を収録。
  • 彷徨える帝(上)
    3.3
    足利尊氏が幕府を開いてすでに百年、交互に天皇を立てるとの誓約は破られ、南北朝合体後も逼塞を余儀なくされた南朝方は、密かに再起を期していた。北畠宗十郎は、その切り札となる後醍醐帝の能面入手を命じられる。一方、その秘密を知る将軍足利義教は、朝比奈範冬に能面奪取の密命を下す。幕府を崩壊させるほどの力が込められた能面の秘密とは? 死闘の幕が開く! 闇の後南朝時代を壮大なスケールで描いた歴史伝奇小説の傑作。
  • さみしさサヨナラ会議
    5.0
    こんなにも人が苦しむ「さみしさ、孤独」という感情はどこから生まれるのだろう?どうやったら、そんな感情とサヨナラできるのだろう?『しない生活』などで話題の僧侶・小池龍之介と評論家・宮崎哲弥が語りあう。

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