講談社文庫作品一覧

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  • 特急「あずさ」殺人事件
    3.3
    新宿から松本まで一緒に行ったことにしてほしい。恋人だった刑事に嘘のアリバイ証言を頼んでいた女が殺された。十津川は問題となる時刻に起きた現金強奪事件に着目。ところが共犯と思われる銀行員も絞殺された。どちらの死体にも拷問の痕跡が。強奪犯たちを狙うXの正体は? 事件は意外な貌(かお)を見せ始めた! (講談社文庫)
  • アリバイの唄
    3.5
    元刑事の夜明日出夫が車を駆って犯人を推理――孫悟空タクシーのドライバー・夜明日出夫は、38歳。3年前まで、警視庁捜査一課の警部補だった。ある晩、夜明が乗せたカップル客の女の方が、3週間後に殺された。容疑の濃い美貌の女は、夜明の幼なじみで、逗子の豪邸にいたという鉄壁のアリバイがある。最後に夜明が解く、前代未聞の大トリックとは、いったい何か?
  • アリバイは両刃の剣
    -
    山口地検の赤かぶ検事・柊(|ひいらぎ)茂は、痩せて頼りなげな男である。しかし、赤かぶ検事に不可能はない。どんな難事件も、名推理で謎を解く。由緒ある尼寺の庵主が失踪し、行方不明になって20日、古井戸から死体で発見されるという、法灯の陰に金と性の絡んだ妖しい欲望が渦巻く「破戒尼」、赤い前垂れの石地蔵の足もとに落ちていた100万円入り封筒をめぐる「涙松の怪」ほか、表題作を含む、全4編。傑作・法廷推理小説集。
  • 有馬温泉殺人事件
    3.0
    光る宙吊り死体の謎に志垣&和久井が挑む! 名旅館の女将が奇怪な死体で発見された。容疑者多数! 関西有数の温泉地・有馬で大型旅館を経営する吉崎波満子は、幼なじみの志垣警部を招待する。例によって和久井をお供にいそいそ出かけた志垣だったが、夜遅く、波満子は裸身に夜光塗料で経文を書かれ、逆さ吊りの死体となって発見された。被害者は、なぜ妖しくも美しい死化粧をまとったのか。(講談社文庫)
  • アルキメデスは手を汚さない
    3.3
    「アルキメデス」という不可解な言葉だけを残して、女子高生・美雪は絶命。さらに、クラスメートが教室で毒殺未遂に倒れ、行方不明者も出て、学内は騒然! 大人たちも巻き込んだ、ミステリアスな事件の真相は? 1970年代の学園を舞台に、若者の友情と反抗を描く、伝説の青春ミステリー。江戸川乱歩賞受賞作。
  • ある殺人者の回想
    4.0
    おれはなぜ二度も人を殺したのか。七十六歳で故あって二度目の殺人を犯し四年、いま獄中にある男は静かに語り始める。昭和初頭、炭鉱の島に生まれ坑夫となった緒方一義は隣人を殺し、一度目の獄につながれた。彼が手にかけた男の妻と交わし続けた手紙にこめた想いとは? 遠ざかりゆく昭和という時代と数奇で凄絶な人生が見事に描かれる。
  • アルハンブラ物語
    4.6
    アルハンブラ――それは、スペイン・グラナダの丘に黙然とそびえる、ムーア人の赤い城。8世紀初頭から800年にわたって君臨した、イスラム教徒の栄光と悲嘆の歴史を秘めて、今なおムーアの古王の復活を静かに待っている……。イスラム建築の粋を集めたアルハンブラ宮殿の繊細華麗な美しさに魂を奪われた著者が、その存在を世に知らせんと綴った、アルハンブラの歴史・伝説・ロマンスの珠玉の世界。
  • アルプス誘拐ルート
    5.0
    アルプスを望む列車で誘拐犯と十津川が対決! ――実業家の愛娘が、学校から、迎えの外車とともに消えた。そして数時間後、父親に、1億円の身代金を要求する電話が来る。やはり、巧妙な誘拐事件だった! 翌朝、現金を持った父親は、犯人の指示通り、新宿駅から急行「アルプス号」に乗り、十津川警部らもひそかに後を追うが、展開は意外や……。旅情推理の白眉。
  • アルペジオ 彼女の拳銃 彼のクラリネット
    3.0
    私には、殺したいほど憎い男がいる! 夫の暴力に苦しむ女が、ふとしたきっかけで拳銃を手に入れた時……夫の陰湿な暴力に耐え切れず、由布子は家を出た。偶然に手に入れた拳銃が、御守りだった。スミス&ウエッソン――かつて愛した男の憧れの拳銃。逃避行には、ジムのインストラクター・逸美が同行した。彼女にも「殺してやりたいほど憎い男」がいた。出会うはずのなかった女2人と男の人生が絡みあう、愛のミステリー! ドメスティック・スリラー!
  • アローン・アゲイン
    4.0
    「ビッグガール・ドント・クライ」大きな女の子は泣いちゃいけない……。1960年代、彼女は少女だった。70年代、彼女は若い女を生きた。そして今……。吹いていく風の中で、彼女の新しい季節がはじまる。懐かしい曲をBGМに、オムニバス形式で綴る、彼女が生きる4つの愛の物語。
  • あわせ鏡に飛び込んで
    3.5
    幻の名作「あわせ鏡に飛び込んで」をはじめ、瞬間接着剤で男をつなぎとめようとする女が出てくる「あなたをはなさない」、全編、悩み相談の手紙だけで構成されたクライムミステリー「書かれなかった手紙」など、選りすぐりの10編を収録した文庫オリジナル作品。精緻に仕掛けられた“おとしあな”の恐怖と快感!(講談社文庫)
  • 泡の女
    -
    義父殺しの容疑で逮捕された夫の無実を信じ、空白の時間を追求する妻。彼女を待ち受ける非情の罠! ――木塚夏子の父・重四郎が、茨城県大洗海岸で死体となって発見され、夏子の夫・達也が容疑者として勾留された。夫を信じる夏子は、懸命の努力でアリバイ証明に奔走し、達也の無実も明らかになったかと思えたが、ある重大事実も判明し、彼女の不安も極点に達する。夫婦の愛の虚妄を非情に描いて深い余韻を残す、長編推理の傑作。
  • 逢わばや見ばや
    5.0
    15歳の少年は、たったひとりで上京し、月島の古本屋の小僧になった。だが孤独ではなかった――「私にとって書物は恋人であり、思想であった」。本の奥深さを知り、時には大人への戸口に佇み、人の心の温かさに触れながら成長していく姿を描く。昭和30年代の庶民の夢と郷愁を刻む、感動と笑いに溢れた自伝小説。(講談社文庫)
  • 逢わばや見ばや 完結編
    -
    月島の古本屋店員をしていた「私」は、巣立ちのときを迎え下町の風情が残る東京の西、高円寺に店を構える。やがて結婚し、古本の売行きが伸びなくなってくると独自に目録「書宴」を作りはじめた。「書宴」に書いたエッセイに目を留めた編集者の勧めで書籍になり、やがて小説家と古本屋の二足の草鞋を履くことになった。古書をこころから愛する著者による下町の人情と古書への愛情が詰まった傑作自伝的長編小説(講談社文庫)。
  • 安逸と危険の魅力
    3.0
    それぞれの人生 違うからおもしろい! ――私たちは、人と違うことを、恐れてはならない。それぞれの好みと価値観の違いこそが、人生のおもしろさを生み、ドラマや詩を生ぜしめ、ひいては社会の安全を保つのだ……。自分の生き方を再確認し、存在の根幹を問う大好評のシリーズ「自分の顔、相手の顔」第3弾。これぞ曽野流「フィロソフィア」の実践なり。
  • 黒薔薇 刑事課強行犯係 神木恭子
    4.0
    大阪府警の新人刑事・神木恭子は、担当した殺人事件を、別件で関わった老人の訴えを元に解決した。だが老人宅から七体もの死体が発見される。それは府警上層部が隠匿する黒い闇の一部だった。真実を暴こうとする神木だったが、彼女自身もその闇に呑み込まれていく。警察の暗部を元刑事が描く本物の警察小説。
  • ダーク・リバー 暴力犯係長 葛城みずき
    3.0
    大阪・黒川署で暴力犯係長を務める葛城みずきが直面する警察組織の腐敗。現場から被害者の金を盗む検視官。遺言状を捏造し、巨額の遺産を奪い取ろうとする警官。引き取り手のいない変死体を利用した策謀。金銭欲と出世欲を満たすためだけに動く上級キャリア。だが葛城もまた同じ毒に蝕まれていく。上司、同僚、自分、みな悪辣。女刑事はどこまで堕ちるのか? 元マル暴刑事が現場体験をもとに容赦なく描く暗黒警察小説!
  • 暗黒告知
    3.0
    明治40年の栃木県谷中村。足尾銅山鉱毒事件をめぐり、官憲と立ち退き反対の農民側とが激しく対立するさなか、反対派の巨頭・田中正造の側近で谷中村土地収用反対派の残留農民の勝野が殺された。凶器は、鉱毒事件の告発者・田中正造の杖。はたして正造が犯人なのか、それとも巧妙なデッチあげによる官権の策謀か、はたまた反対派の内部抗争か……。歴史推理に社会問題を鮮やかに導入した傑作長篇。第20回江戸川乱歩賞受賞作。
  • 暗殺の森
    5.0
    討幕への蜂起もむなしく、天誅組は戦いに敗れた。リーダー・中山忠光は、長州藩を頼って亡命する。しかしその直後に、長州の立場は一変した。中山忠光の病死が伝わったのは、この頃である。巷間、それは長州藩による暗殺だとの噂が走った。昭和になって、地元の小新聞の社主・野見は、この真相究明に熱中するが……。長州藩が秘匿した歴史の暗部を、巧みにフィクション化した、歴史推理長編。幕末・長州の謎が現代によみがえる!
  • 暗殺 密書街道
    -
    斬っても斬っても足りぬ! 弘前から江戸へ、暴君暗殺の密書を携え、秋葉右近の必殺剣がはしる! ――弘前から江戸へ……権力をほしいままにする暗君・出羽守信著(でわのかみ・のぶあき)排斥を狙う家老の密書を手に、弘前藩の「早道之者」秋葉右近は旅立った。だが、江戸には四天流の遣い手、百人斬りの霞新十郎がいた。さらに待ち受ける恐るべき奸計(かんけい)。そして右近が放った秘策とは? 人斬剣がうなる痛快時代長編。
  • アンダルシア幻花祭
    -
    白い家、パティオ、咲き乱れる花に注ぐ熱い陽光――スペイン南部アンダルシアに魅せられ、踊り手をめざした日本青年は、恋人すら捨てて旅立つ。そして数年後、恋人になり代った女性が、青年のあとを追ってスペインへ。彼女が見た美しい風景と酷薄な現実とは? 異国の魔力に翻弄された若い魂を描く表題作のほか、独得の妖美譚を4作収録。妖美と幻想があやなす独特の青春小説集。
  • アンダーグラウンド
    4.4
    「それらを通過する前とあととでは、日本人の意識のあり方が大きく違ってしまった」1995年に起きた阪神淡路大震災、そして地下鉄サリン事件。日本の戦後史の転換期を狙い澄ましたかのようなこの二つの悲劇は、地下--「アンダーグラウンド」から突如噴き出した、圧倒的な暴力の裏と表だった。魂の最奥部を見つめ続けてきた作家が、62人の関係者への丹念なインタビューを通じて浮かび上がらせる現代日本の、そして人間の底深い闇。強い祈りをこめた、渾身の書き下ろしノンフィクション。
  • アンダー・マイ・サム
    3.6
    新・芥川賞作家の鮮烈な青春小説。人の心に触れる親指……。「僕はこれ以上、とても十七歳でいられない。色んなものが煙のように消えたこの季節から、一刻も早く別れを告げたいと思った。十七歳であることを憎んだ。」――いびつな、長すぎる、僕の左手の親指は、携帯メールの早打ちが出来る。そして、他人の心に触れることも。顔に傷を負ったみゆき、家族から孤立する清春ら友人たちと、「いまいましい若さ」を共有しながら過ごした17歳の日々。『ミカ!』『ぎぶそん』など、児童文学でも注目を浴びる芥川賞作家が描く、鮮烈な青春小説。
  • アンチ整理術 Anti-Organizing Life
    3.9
    整理・整頓は何故必要なのか?   大学の研究室、芸術家のアトリエ、漫画家の作業場……。 素晴らしい作品が生まれているのは凄まじい散らかりようのなかだ。 物理的な整理ではなく、自分自身の内側と「環境」を整理・整頓してみよう。 人気作家が語る、自由に楽しんで生きるために大切な創造的思考と価値観。
  • 記憶の果て(上)
    2.8
    1~2巻649~726円 (税込)
    父が自殺した。突然の死を受け入れられない受験生・安藤直樹は父の部屋にある真っ黒で不気味な形のパソコンを立ち上げる。ディスプレイ上で裕子と名乗る女性と次第に心を通わせるようになる安藤。プログラムにしかすぎないはずの裕子の記憶が紐解かれ、浮上する謎。徹底した方法意識に貫かれたテクストが読者を挑発する、第5回メフィスト賞に輝くデビュー作。
  • 時の鳥籠(上)
    4.0
    1~2巻759~803円 (税込)
    来世紀小説の方向を示す超絶の問題作品! 初対面のはずの少女を見て女は思った。(私はこの子がもうじき死ぬのを知っている)と。そのまま女は意識を失い、救急病棟に運び込まれた。女は何を知っている? 迫真の上巻!
  • 頭蓋骨の中の楽園(上)
    3.0
    首無し死体として発見された美人女子大生、菅野香織。彼女の死と殺害方法は、ミステリ小説の中で何故か予告されていた。首は見つからぬまま、再び発見される首無し死体。異常な連続殺人の背後には、密室の中で自ら首を切断して自殺した作家の存在があるという。被害者の同級生、安藤直樹(あんどうなおき)が事件の真相を追う。
  • 暗夜行路
    -
    不義の子として生まれ、父に冷遇され、祖父の家で育てられた主人公・時任謙作が、暗い運命に創作をもって立ち向かう自我発展の経過を、美しい自然描写とともに、明晰な文体で表現。祖父の妾で20も年上の女に恋する謙作の出生の秘密とは? 現代日本文学の記念碑とも称すべき名作長編。17年間を要した著者唯一の長編小説である。
  • いい女・いい出逢い
    -
    いま、まぶしく光っている女たち。なにが彼女たちをそんなにまぶしくさせるのか。その生きがい、結婚、恋愛、仕事、自立は? この本の中で何人もの彼女たちに出逢って、あなたらしい「いい女」になるカギを読みとってください。……「いい女」になりたいあなたのために書かれた、真情あふれるメッセージ。
  • 言い難き嘆きもて
    4.0
    「これを書いておかなければそのような経験や思考があったことすら忘れてしまう。つまりこのいまは、生きなかったと同じになる」。切実な思いからやさしく語られる数々の「小さな物語」。大岡昇平、武満徹らへの敬愛、言葉への真摯な考察と自作への思い。今を生きる心の姿勢と希求(ねがい)を綴る至高のエッセイ集。
  • 異域の死者 上野着17時40分の死者
    -
    上野不忍池湖畔で殺された美女は人妻だった。しかも不倫の相手がいる。当然周辺の男女が疑われるが、皆アリバイが成立。物証の一つに疑問を抱いた名探偵浦上伸介が、その人物を追及すると、浦上の眼前で或る駅に電話をして、完璧とみえるアリバイを示したが……。浦上伸介をキリキリ舞いさせる快作。
  • いい奴じゃん
    3.3
    25歳の派遣社員鮎太は、毎日が不運続きでもオネエ言葉の同僚大道寺たちと能天気にたくましく生きている。ある日、警備会社の正社員になったはいいが、賊に頭を撃たれて意識不明の重態に! 最低の不運を最高のチャンスに変えて、一流の男になるべく大道寺と旅に出る。誰もが必ず元気になれる人生応援小説。(講談社文庫)
  • 遺影(『霞町物語』講談社文庫所収)
    -
    祖母の四十九日法要がすんだ10月も半ば、あの日歌舞伎座であった老紳士が祖父に遺影を撮ってもらおうとやってきた。いつも明るい母は絶句し、穏やかな父は目を吊り上げる。そして明らかになる美しかった祖母と家族の秘密とは。
  • イエス・キリストの生涯
    3.6
    ここには、キリストが様々な姿で出てくる。それぞれの画家がそれぞれの思いの中で、いちばん描きたかったキリストなのであろう。信仰であろうか。美学であろうか。受胎告知に始まり、十字架、復活、そして最後の審判に至るまで、ラファエルロ、レンブラントなど世界の名画44点と、エッセーでたどった、「キリストの生涯」。
  • イエスタデイ
    3.0
    007、VAN、ベン・ハー、モスラ……。魅惑の1960年代を、笑いと「青春」で鮮やかに切る、傑作短編集。小説家を志した原点を半自伝的に描いた表題作のほか、パスティーシュ・青春小説・SFで、甘酸っぱくそしてほろ苦く「あの時代」を綴ったグラフィティ。清水流笑いの源泉をたっぷり詰めこんだ、玉手箱をどうぞ!!
  • イエスに邂った女たち
    4.0
    遠い昔、愛に渇き、病に苦しみ、夫に裏切られ、子を失い、人をネタンだ女たちが、人生の途上、イエスに出会った……。イエスはその時、どうされたのか? 人間の夢、歎き、祈りのこもった出会いの物語を、名画を通し、現代の光をあて、昔を今に甦らせる感動のエッセイ。本当の愛を知った聖書の中の女たち……マリア、マルタ、サロメもあなたの中にいます。
  • 家康、死す(上)
    4.0
    1~2巻726円 (税込)
    家康は身代わりだった! ――独力で三河一国を平定した家康が、凶弾に倒れた。時に26歳。その死が伝われば、桶狭間で勝った織田信長、甲斐の武田信玄、衰えたとはいえ今川氏真らに挟まれた脆い均衡が揺らぎ、三河存亡の危機を招く。家康の第1の側近・世良田次郎三郎は、広忠寺の住職に収まっていた家康の異母弟・恵最を急遽身代わりとして擁立した。<上下巻>
  • 夜来香海峡
    3.0
    山形の寒村に中国旧満州地方から嫁いだ女・青鈴(せいれい)が二億円を持って消えた。青鈴を花嫁に斡旋した蔵田雄介はやくざに脅迫され、その足取りを追わされる。津軽海峡を渡り北へ北へと向かう青鈴と謎の男。日本の暴力団、中国の黒社会に加えロシア・マフィアが北の地で繰り広げる、船戸節全開の傑作バイオレンス。(講談社文庫)
  • イエローキャブ
    -
    「あかん。日本人は魅力ないもん。」元スタイリストのヨシコ(35歳)、ドラッグの売人リカ(24歳)、東京とニューヨークでレイプを体験をした冬美(31歳)……孤独と貧乏暮らしに耐え、それでもアメリカに居続ける彼女たち。5カ月に及ぶ徹底取材の後に見えてきた日本女性の意外な素顔とは? 衝撃のレポート!
  • 家を建てるなら
    4.0
    『もう頬づえはつかない』の著者が描く家への幻想。幸せになる自慢の家――家をもつことは、幸せなことなのか? 『もう頬づえはつかない』の作者が、約30年経って描く、建築家庭小説集。家を建てたり、リフォームしたりするときに、家族が直面する願望、希望、断念などのドタバタには、考えるべき人間的問題が潜んでいる。新しい家族の心のかたち。<『家なんか建てなきゃよかった』改題作品>
  • 「家をつくる」ということ
    3.0
    家族をつなぎとめ、来客と談笑するはずのリビングは空虚にテレビが映るだけ。子どもたちは子ども部屋という個室に引きこもる。住まい選びは一生の一大事。だが後悔する人が圧倒的なのはなぜか。幸せな家族関係を築くために理想的な間取りとは? 家と家族の問題をあぶり出したベストセラー。(講談社文庫)
  • 怒れど 犬
    3.0
    飼い主の顔色をうかがい、ふてぶてしく居ついてしまった犬を、残忍なまでに虐待する「私」。そこまで残酷な行為に走らせるものは何か? 犬の中に、生ぬるく醜い己の姿を見るためか? 人間の偽善をあばき、愛とは何か、生きるとは何かを、抑制のきいた文体で著した傑作。ほかに、「十三歳の旅」「たとえば風に向かって」を収録。
  • 生き方がラクになる 60歳からは「小さくする」暮らし
    4.0
    老後は当然持ち家で、と思っていたら還暦を前に突如夫からの「年齢に合った暮らし方」提案、150平米の持ち家から65平米の賃貸へ。戸惑いつつも家や持ちものを手放してみたら、固定観念や執着からも自由になれた。失敗や反省もありつつ、変化を受け入れて楽しく気持ちのよい毎日を送るためのヒントが満載! いくつになっても「暮らし」は変わる 「暮らし」を変えると生き方も変わる 「働き方改革」から「ライフスタイル改革」へ!  文庫版あとがき「暮らしを小さくしたからわかったこと」収録  「年齢に合った暮らし方」って?
  • 生霊の如き重るもの
    3.8
    天魔は跳び"屍蝋"は滴る。怪異が其処に……。刀城言耶、揺籃の時代。奇っ怪な分身、"生霊"の目撃談が語り継がれる奥多摩の旧家、谷生家。それが現れるとき、当人に死の影が指すと恐れられる謎の現象である。同家を訪れた刀城言耶は、そこで不可解な復員兵の死に遭遇するのだが……。表題作他、全五編を収録した"学生時代の事件簿"と言うべき"刀城言耶"シリーズ第二短編集。
  • 生きていた灰(上)
    -
    盗難車によるひき逃げ事故が発生し、被害者の婚約者だという女性から、ルポライターの瀬川浩が調査を依頼される。だが、その彼の前に、奇妙で不気味な事件が続発。ひき逃げの背後に、戦後最大の謎といわれた事件の影がしだいに浮かび上がる。現実の事件を基に構築した、異色本格推理(前編)。
  • 生きている心臓(上)
    3.0
    1~2巻576円 (税込)
    「死」の認定をめぐる今もっとも劇的な長編。43才の精神科教授天木有作が、不慮の交通事故死を逐げた。残された妻蝶子は故人の遺志に従い心臓の提供を申し出た。真摯な愛は、一人の重症患者を救ったが……。(講談社文庫)
  • 生きている理由
    4.0
    伝説の美女・川島芳子はなぜ男になったのか?史実の「はいからさんが通る」は危険で謎多し。滅び行く清の王女は国を去り、日本で川島芳子として育てられた。後に日本の大陸進出を邁進する闘士として、東洋のジャンヌ・ダルクと持て囃された彼女が、なぜ十代で女を捨てて男になると宣言し、「男装の麗人」に変貌したのか? 国家を巡る思惑の狭間で生きる少女の数奇な恋と運命。激動の青春篇!
  • 生き残りの条件 欧米対談旅行
    -
    世界的名士11人が語る不安の時代の生き方。世界的に活躍するビジネスマン、ジャ-ナリスト、学者、芸術家の成功の条件とは何か。各界の代表的人物が語る秘訣の数々。"不安の時代"の生き方を示唆する対談集。(講談社文庫)
  • 生き仏になった落ちこぼれ
    -
    現代の生き仏――とたたえられる酒井雄哉大阿闍梨。人間失格ともいえる青春時代の後、三十九歳で比叡山に登り、仏門に入る。捨身苦行を志し、二千日回峰を達成。死臭ただよう「堂入り」、死に装束を身にまとい、自害用の剣をたずさえての「回峰行」――師の半生を通し、日本人の生き方を問う感動の話題作。
  • イキルキス
    値引きあり
    4.1
    物語には生をもたらすキスと、死を招くキスがある。青春、恋愛、セックス、暴力、家族。みんなカナグリ生きている。荒々しく吹きすさぶ言葉たちはいつしか紙の上に優しく降り積もり小説となる。表題作「イキルキス」他4編を収録。2編は文庫書き下ろし!
  • 生きることは愛すること
    3.5
    「偽りの愛と、真実の愛の違いは?」「運を引き寄せるためには、どうしたらいいですか」「人は死んだらどこに行くのですか」故郷・徳島で若者たちの悩みや素朴な疑問に耳を傾け、未来への不安も語りあった。真摯で率直で愉快な質疑応答集に、母校の高校で行われた講演もあわせて収録。瀬戸内寂聴が贈る勇気と希望の言葉。
  • 生きる力 心でがんに克つ
    4.5
    抗がん剤でがんをたたく、手術で除去する、放射能を当てて再発を防ぐという「治療の常識」を拒むことに決めた。心臓病を抱えながら、ステージ3の食道がんと戦った体と心の気高い記録。インターネットで見つけた最新先進医療=陽子線治療で、いかに、がんは消えたか。大反響を呼んだ話題作が待望の文庫化!
  • 生きるよろこび 寂聴随想
    -
    人々の苦悩を慰め祈る、愛にみちた随想集――王城の栄華も肉親の絆も、釈尊にすべてを捨てさせた、出離とは何だったか。それは、他者の苦悩を見過ごすことのできない、無限の愛であった。人々の歎きを聞き慰め、仏に帰依し切に祈れと教え説かれたのであった。得度以来20年、仏の大悲願に努めるひたすらな日々、行動と思索を語る、愛に満ちた随想集。
  • イギリス 花の庭
    -
    イギリス人はやっぱり庭づくりの達人! 英国庭園めぐりに必携の1冊――6月、ばらの国は芳香に包まれ、ヴィタの造ったシッシングハーストのホワイトガーデンは、息をのむ美しさ。イギリスの庭に憧れ、歴史的名園、貴婦人や女流園芸家、馬小屋に住む若いカップルなどの、様々な庭を訪れ、技術やセンス、情熱を学んだ20年のエッセンスを大公開! 写真満載のイングリッシュ・ガーデン案内。
  • 戦始末
    3.5
    関ヶ原の合戦後に、西軍で唯一領土を減らされなかった所以とされる「島津の退き口」。70万石を守ることにつながった義弘のその手並みとは! はたまた、織田信長最大の窮地をまさに身を挺して救った羽柴秀吉の「金ヶ崎の退き口」。後に天下取りを競い合う、明智光秀や徳川家康も共に戦ったという奇跡の真相とは!──ほかに柴田勝政、馬場信春、堀秀政、石田三成、高橋紹連ら7人の武将たちが負け戦を「始末」して、あるいは出世の糸口をつかみ、あるいは華々しく散っていった「殿軍戦」を描いた戦国小説集!
  • 戦の国
    3.8
    織田信長、上杉謙信、明智光秀、大谷吉継、小早川秀秋、豊臣秀頼。 戦国時代を駆け抜けた6人の真の姿を描き切る。 『天地明察』『光圀伝』と傑作を残してきた著者の、新たな代表作。
  • 戦百景 長篠の戦い
    4.3
    戦国最強の騎馬軍団を膨大な数の鉄砲で打ち負かしたとされる「長篠の戦い」。 だがそこには、それぞれの武将の深い思惑が働いていた。 長篠城の奥平信昌はどうして武田を裏切って徳川方についたのか。 内藤・馬場・山県ら武田の勇将たちは無駄な特攻をなぜ敢行したのか。 家康・酒井忠次主従は何を期して奇襲軍を出したのか。 信長が仕掛けた罠とは何だったのか。 勝頼は絶対的に不利な状況で、なぜわざわざ攻撃を仕掛けなければならなかったのか。 そして、長篠の戦いの最大のヒーローとも言える奥平勢の足軽・鳥居強右衛門の活躍とは。 最強合戦の真実に迫る書下ろし歴史小説!
  • 戦百景 大坂夏の陣
    -
    慶長20年(1615年)3月、戦乱の気配が再び漂い始める。前年の暮に成った、いわゆる「大坂冬の陣」の和議が早くも崩れようとしていた。和議の条件で棄却された二の丸、三の丸の堀や柵が再建され始めていたのだ。それに対し徳川方は、牢人の解雇か豊臣家の移封を求めるが、豊臣家はそれを拒否。徳川と豊臣はついに手切れとなった。総勢15万を下らない徳川方に対し、豊臣方はその約半分。しかも「冬の陣」のときと違って、堀のない城では豊臣方は打って出るしかないのだ。──緒戦で命を懸けて戦う後藤又兵衛や藤堂高虎、浅野長晟。豊臣を滅亡させることを躊躇う徳川家康。牢人集を制御できない大野治長。乾坤一擲を狙う真田信繁。呪縛を乗り越えようとする豊臣秀頼。諸将の思惑が入り乱れるなかで、いよいよ戦乱の世の終止符が打たれる!
  • いくたびか、アジアの街を通りすぎ
    5.0
    旅慣れるのはいいが、旅に慣れてしまってはいけない。これ、旅の鉄則なり。欧米をへ巡り、苛烈な中東・アフリカを彷徨(さまよい)し後、旅人は熱帯アジアの豊饒に抱かれる。沙漠のヒッチハイク、バンコク路上観察の日々、胃袋にしみた食べ物、骨に響いたあの一言……。旅の達人が好奇心全開で書下ろしたセンチメンタル・ジャーニー。忘れ得ぬ人々・言葉・食べ物・風景・音……喧噪に酔いしれた、心に響く物語。
  • 池田屋乱刃
    3.6
    維新とは、志士とは何だったのか。池田屋事件で死んでいった志士たちを注目の歴史作家が熱く描く。「乃美さん、わたしは卑怯な男だ」――明治十年、死の床についた明治の元勲・木戸孝允こと桂小五郎は、かつての同僚に、事件の真実を語り始めた。池田屋で新選組に斬られ、志半ばにして散っていった各藩の志士たち。福岡祐次郎、北添佶摩、宮部鼎蔵、吉田稔麿。松陰や龍馬の周囲で懸命に生き、日本を変えようとした男たちの志とは。
  • 池波正太郎の映画日記
    -
    スクリーンに男と女がめぐり合い、時が流れる。あふれる生活感と隙のない脚本、心打つ見事な演出。さまざまな感懐を胸に、銀座に酒飯して帰る……。どのような映画でも、楽しむ術を知っていた池波正太郎が、息づまる執筆の間に堪能した映画と、面白い身近の出来事をつづった、興趣尽きない好読物。全1巻。
  • 池波正太郎を歩く
    4.0
    私たちは小説の舞台に立ち、歩き、池波正太郎の道程をたどることができる。梅安の遠州藤枝、鬼平の谷中、真田太平記の信州上田、そして幸村終焉の大坂……あの名場面の舞台を訪ねて――男の在り方、気概ある生き方を、時代小説やエッセイに著した池波正太郎。その珠玉の数々を、いま一度熟読し、池波文学の道程をたどりたい。そうした想いから、筆者は、各地を訪ね歩いた。土地ごとの人情に触れ、酒を愉しみ、舌鼓を打つ。『仕掛人・藤枝梅安』などの19編の舞台を、旅して記した、充実の1冊。
  • 生贄伝説殺人事件
    -
    長野県の諏訪に古代より伝わる秘密宗教結社「ミシャグジ教団」の信者たちが、50年に一度の大祭に結集し、10代の美少女を生けにえにする「闇の大祭」が近づいているという。そんな折、諏訪出身のレストランの主人が一人娘を誘拐されてしまう。彼は名探偵・滝連太郎に救出を依頼したが、殺人事件に発展してしまう。3人の美少女が秘密宗教の儀式で生贄に……ロリコン・マニアとカルト教団を結ぶ黒い罠とは? 謎解き伝奇ミステリーの傑作!<『古代諏訪生贄伝説殺人』改題作品>
  • 生贄を抱く夜 神麻嗣子の超能力事件簿
    3.7
    大富豪の友人・真寿美のおもちゃになっている平凡なOL・波子は、彼女の豪邸で突然意識を失った。気づくと自宅で手足を縛られ、裸同然の姿でストーカーに襲われようとするところだった。そこに真寿美の死体が現れる! 歪んだ人間関係が交錯する表題作ほか。神麻嗣子(かんおみつぎこ)、神余響子(かなまりきようこ)、能解(のけ)警部らが超常事件に挑む! (講談社文庫)
  • 遺稿集
    4.3
    僕はささやきながら彼女の手を強く握りしめた。それから2人はずっと手を離すことはなかった――この一文で絶筆し、42歳の生涯を閉じた「カモちゃん」こと鴨志田穣。彼がアルコール依存症の治療前~がん闘病中に書いた未刊行原稿のすべて。小説「焼き鳥屋修業」はベッドから1枚1枚編集者に原稿用紙を手渡した。
  • 行こかメリケン、戻ろかジャパン ハワイ移民の100年
    -
    1868年、明治維新の騒然たる中を、日本初のハワイ移民団150余名が、横浜港を船出した。時あたかもカメハメハ王朝がアメリカに併合されていく「南海の楽園」ハワイで、彼らはどんな苦難に直面したのか? 出稼ぎ、定住、帰化、戦争へと続く激動の歴史を、興味深いエピソードでつづる。ハワイ移民物語の決定版。
  • 異国の星(上)
    -
    1~2巻660円 (税込)
    一期一会の人たちへの宛先のない手紙。人生の深さを語る長編小説。シルクロードに立ち、人と歴史を想う――ギルギット、カシュガル、ホータンなど、学生時代からの憧憬の地を訪れた文筆家が見た、魅力的な異域の風土と人間。流沙とオアシスの古い歴史の町で、素朴に生きる人々と接して得た深い感慨と安堵、触発されて甦った若い日の思い出。人間の心の純なるものを、静かなユーモアを交えて描く、詩情溢れる長編ロマン小説。<上下巻>
  • イコン 新装版
    4.0
    「十七歳ですよ。死んじゃいけない」連続少年殺人の深層に存在した壮絶な真実とは!?熱狂的人気を集めるも正体は明かされないアイドルのライブでの殺人事件。被害者を含め現場にいた複数の少年と少女一人は過去に同じ中学の生徒だった。警視庁少年課・宇津木と神南署・安積警部補は捜査の過程で社会と若者たちの変貌に直面しつつ、隠された驚愕の真相に到達する。『蓬莱』に続く長編警察小説。
  • 遺恨の鯱
    -
    鯱、荒海に吠える! 死闘につぐ死闘! 話題の<鯱>シリーズ――世界中で、西側諜報員が、何者かに次々と殺されていった。だが、KGBは動いていない! みずから死神<ザ・デス>を名乗る謎の組織は、唯一最大の敵である仙石文蔵一派に挑戦すべく、日本に上陸する。両者の死闘は、太平洋の深海や南アフリカを舞台にいつ果てるともなく続いた。死神の正体は誰か!?
  • 遺恨の譜
    -
    薩摩藩の勤王派による先走りを、上意によって阻もうとした寺田屋の変。辛くも生き残った志士たちは、国元へ送り返されたかにみえたが、長州とのリーダーシップ争いに腐心する薩摩藩としては、若者たちに苛酷な運命を刻印せざるをえなかった! 歴史の変動に挟みこまれた犠牲者のうめき、酷薄な人生を、鮮やかに浮き彫りにする表題作等4篇。
  • 囲碁小町 嫁入り七番勝負
    4.3
    日本橋本町の薬種商の娘・おりつは、「囲碁小町」との異名を持つ。彼女の腕前に惚れ込んだ元御典医(ごてんい)のご隠居が、総領孫との縁談を賭け、おりつに囲碁勝負を持ちかける。名うての棋客との熱き盤上で、うつろうのは勝機か、それともあのひとへの秘めた想いなのか。おりつが到達した境地とは。幕末の江戸、囲碁に夢中になる娘の青春小説の決定版。「負けたら、お嫁にいきます」
  • 囲碁殺人事件
    3.2
    山梨で行われた囲碁タイトル戦・第七期棋幽戦第二局二日目、〈碁の鬼〉槇野九段が、近くの滝で首無し屍体で発見された。IQ208の天才少年棋士・牧場智久と大脳生理学者・須堂信一郎は事件の謎に挑むが、犯人の魔の手は牧場少年にも襲いかかる。ゲーム三部作第一弾開幕! 文庫特典:短編「チェス殺人事件」併録。
  • 功、大好き 俳優木村功の愛と死と
    -
    16歳での出逢い、戦争を狭んでの困難な愛を貫いて、結婚。舞台に映画に、戦後を代表する名優として活躍してきた夫・木村功が、不治の病に冒されていることを医師に告げられたとき、妻と子どもたちは、どのようにそれを受けとめ、立ち向かっていったのか……。夫婦の比類なき愛と俳優の純粋な魂とが交錯して織りなす、愛と死の名作。めぐり逢いから死による別れまで、愛し合うことの美しさを教える感動の物語。
  • いさましいアリのポンス
    -
    激しい戦争反対の意志と、鎮魂の思いをこめた受難の子どもへの励ましである佳品「川とノリオ」。身近の動物たちと子どもたちとの心の触れあいを優しく、かつ鋭い目で見つめた「ツグミ」「セキレイ」など、現代の問題を問いつづけている、いぬいとみこの作品の中から「休火山」「ベーゴマ」など名作13編を収録。
  • イサム・ノグチ(上)
    4.5
    母の国、アメリカ、父の国、日本。2つの国のはざまでアイデンティティを引き裂かれ、歴史の激流に翻弄されながら、少年の苛酷な旅がはじまる。父との葛藤、華麗な恋愛遍歴、戦争……。「ミケランジェロの再来」と謳われた巨匠の波瀾に富んだ生涯を描ききった傑作。第22回 講談社ノンフィクション賞受賞作。
  • 居酒屋「一服亭」の四季
    3.5
    「まるっきり歯ごたえのない推理ですわ!」 毒舌名探偵が、美人女将として帰ってきた! 本屋大賞受賞『謎解きはディナーのあとで』著者による、本格ユーモアミステリー! 猟奇的殺人 vs. 料理的推理!? 二代目安楽ヨリ子、手料理をふるまい、難事件の謎を解く! 「二代目、安楽ヨリ子でございます」 隠れ家のような鎌倉の居酒屋「一服亭」。 異常なまでに人見知りの女将は、実はとんでもない名探偵だった。 頭や手脚を切断された画家、老舗レストランの首なし死体、海の巨岩上に残された右脚だけがない遺体…猟奇的事件の数々を驚愕の推理で料理する、本格ユーモアミステリー! 解説=佳多山大地(ミステリー評論家)
  • 居酒屋ふじ
    4.6
    1983年、目黒区蛇崩に一軒の店ができた。店名『居酒屋ふじ』。強烈なキャラクターの「おやじ」高橋俊男と小気味よい包丁の音で彼を支える料理担当の「お母さん」が二人で深夜まで営む。そこに中日ドラゴンズの立浪和義が2000本安打を達成したバットが飾られている。なぜ、ここに。アルバイト帰りにふと訪れた「僕」はその謎を探ろうと、おやじの話に耳を傾けるのだが……。なさそうで、ありそうな、路傍のおやじの物語。
  • 石川節子 愛の永遠を信じたく候
    3.0
    石川節子は、夫である石川啄木の愛と才能に命を賭けて生きた、果敢な女。天才詩人と謳われた啄木の多くの詩歌も、病気と貧困にめげぬ妻の献身なしにはありえない。だが、その晩年、節子は生活に疲れ、思想的に大きく成長していく啄木から、決定的に取り残されていく……ひとつの愛に殉じた、明治の女の哀切な生涯。
  • 意識革命のすすめ
    -
    勝負に勝つためには、何を為すべきか、何が必要かを分析する。セパ両リーグにまたがる日本一、弱小チ-ムの西武ライオンズ監督4年の任期中リーグ優勝3回、2年連続日本一を達成した智将・広岡達朗の、実践的勝利学。根性、精神主義ではなく、合理的、科学的でかつ自主的な、本人の意識革命を通じて、闘う組織集団が結成される。ビジネスマン必読の兵法書! 勝つためのノウハウ。人間の可能性と向上心を身心両面から発掘する、画期的な方法論。
  • 石切り山の人びと
    -
    石切りの親方のむすこの権六は、いねむりの常習犯で、教室をずらかるのも得意だ。そんな彼が、東京から帰郷した予備役軍人の老大佐と孫娘みよの感化で、勉強し、働くようになる……。熊本の町近くの石切り山を舞台に、太平洋戦争下の人々の生活と子供たちの姿を、感動深く描いた名作。日本児童文学者協会賞・サンケイ児童出版文化賞・小学館文学賞受賞作。
  • 石田三成
    3.0
    石田三成にまつわる陰湿なイメージは、江戸時代、幕府御用学者によってでっちあげられた虚像である。では、三成という武将のまことのすがたは、どのようであったのか? ――「士は己れを知るものの為に死す」との真の武士の信念を常に肚に収め、故・秀吉の信頼と恩顧にこたえて、大敵・家康に挑み殉じた、三成の生涯と実像を描く会心作。
  • 石つぶて 警視庁 二課刑事の残したもの
    4.0
    2001年に発覚した外務省機密費流用事件、官邸・外務省を揺るがせたこの事件を掘り起こしたのは名もなき刑事だった。 容疑者は、着服したカネで次々と愛人を作り、競走馬を何頭も所有する外務省の「ノンキャリの星」。地道な裏付け捜査と職人技を駆使した取り調べ、そして容疑者と刑事の間に生まれる不思議な人間関係。 機密費という「国家のタブー」に触れてしまった二課刑事(ニカデカ)たちを待っていたのは――。 人間の息遣いが聞こえるヒューマン・ノンフィクション。
  • 石を抱いた樹(上)
    -
    1~2巻660円 (税込)
    巨木は、地中深く、石を抱いているものだ。……名門・布施学園の理事長・布施英之は、樹木を愛し、学園のマンモス化により、緑が失われていくのを憂えていた。折しも20年の歳月を経て、敗戦の混乱のうちに、生き別れた息子が姿を現わす。大地にしっかり根を張ろうと、父と子それぞれに歩む道を描く、感動の長編問題小説。生き別れた息子との再会、親子の運命……水上文学のロマンチシズムの源泉がここにある!
  • いじめ社会の子どもたち
    3.5
    隠された実態を衝く! この悲痛な叫び! 「神戸少年事件」、いじめ自殺、学校の荒廃など、見えざる歪みの構造を抉るルポーーなぜ、こうも子どもの悲惨な事件が続くのか……。背景には何があるのか? 押しこめられた子どもたちの行動や悲痛な叫びをリアルにつかみ、日本型管理によるいじめ社会の歪んだ構造を告発する。現場を歩き、その重い意味を鋭く問う緊急ルポ。
  • 新装版 絃の聖域
    3.0
    長唄の人間国宝の家元、安東家の邸内で女弟子が殺された。芸事に生きる親子、妾、師弟らが、三弦が響き愛憎渦巻くなかで同居している閉ざされた旧家。家庭教師に通っている青年、伊集院大介の前で繰り広げられる陰謀そして惨劇。その真相とは!? 名探偵の誕生を高らかに告げた、栗本薫ミステリーの代表作!
  • 新装版 優しい密室
    3.0
    名門女子高校の近くでよく見かける赤シャツの不審者が、体育館内の密室で他殺死体になって発見された。推理するのは、退屈な日常に倦む十七歳の森カオルと、赴任してきたばかりの教育実習生、伊集院大介、二十四歳。名物コンビはじめての事件に挑む。著者自身の高校生活が投影されたシリーズ初期の傑作!
  • 仮面舞踏会
    4.2
    パソコン通信が生んだバーチャル・アイドル〈姫〉。その正体を巡りパソ通仲間は大騒ぎを繰り広げている。渋谷ハチ公前に〈姫〉がついに姿を現すという約束の日、その場所で1人の女子大生が惨殺された。彼女は本当に〈姫〉なのか!? 手掛かりはすべてパソコン・モニターの中、未曾有の難事件に挑む伊集院大介。(講談社文庫)
  • 魔女のソナタ 伊集院大介の洞察
    3.5
    自殺か他殺か?美貌の歌手の飛び降り事件解明を依頼された伊集院大介は、彼女が"現代の魔女"だったと知る。女と女、女と男と女――魔女をめぐる倒錯の性の世界と、奇怪な人間関係のもつれが次々に明かされる。だが、残された遺書の謎、容疑者全員のアリバイの存在など、伊集院の前に難関が立ちはだかる!
  • 怒りをこめてふりかえれ
    4.0
    「栗本薫」の新たな恋が奴らの餌食になる!? 「栗本薫」クンも36歳。脚本を担当することになった映画のヒロインから突然の告白が――「私と寝てください」!? だが、芸能スキャンダルと複雑な人間関係の渦に翻弄され、雑誌編集長殺人事件にまで巻き込まれる。新しい恋を貫くため、必死に苦難に耐える薫クンのピンチに、ついに伊集院大介が立ち上がる!
  • タナトス・ゲーム 伊集院大介の世紀末
    4.0
    アトムくんこと滝沢稔とのラブシーンが描かれた"ヤオイ本"が送られてきて、うめく伊集院大介。ボーイズラブの世界を耽溺(たんでき)するヤオラーたち。ところがHP〈薔薇庭園〉に集まる、問題のその本をつくったサークル「銀河通信社」の会員たちが、無惨な遺体で発見された。微妙に絡み合う人間関係に事件の鍵が!?
  • 青の時代 伊集院大介の薔薇
    5.0
    学園紛争が吹き荒れたあとの西北大では、カリスマ演出家率いる劇団「ペガサス」が人気を集めていた。大抜擢された新人女優花村恵麻をめぐって、不可解な連続殺人が起きた。疑いをかけられた恵麻は、早くもその才能を発揮しはじめていた上級生伊集院大介に相談する。伝説の名探偵"青の時代"24歳の事件簿!
  • 早春の少年 伊集院大介の誕生
    4.0
    領主に迫られ、天守閣から身を投げた雪姫。戦国時代の悲劇を再現したかのようなバラバラ死体が麓に流れ着く。そして一家六人惨殺事件。転校生・伊集院大介は、残虐さを身につけていく犯人に迫る。「早く大人になりたい!みんなを恐ろしい運命から救うために――」。伝説の名探偵、ほろ苦い14歳のメモアール。
  • 水曜日のジゴロ 伊集院大介の探究
    3.7
    深夜の六本木。同性を愛する男装の麗人・樹(いつき)の店に出入りできる男は、名探偵・伊集院大介だけだった。この店に美しい男・千秋が舞い込んでから猟奇事件が頻発する。樹と店で愛し合った雅子が翌朝惨殺死体で発見され、店内でも次の犠牲者が。千秋を疑いながらも強く惹かれていく樹に、友人として伊集院は!?(講談社文庫)
  • 真夜中のユニコーン 伊集院大介の休日
    4.0
    一角獣は処女にしかなつかない――楽園にかけられた呪い。恋に破れ、淋しい遊園地「ユニコーン・パーク」でバイトを始めた聡子。世間と隔絶した山の中で仲間の関係は濃い。世話焼きの諒や美青年の氏家、大介の助手アトムたちと知り合うが、聡子をめぐり諒と氏家が争う。園内では失踪女性の死体が発見されて!? 大介は一角獣に籠められた創設者の怨念と対決することに。(講談社文庫)
  • 身も心も 伊集院大介のアドリブ
    4.0
    ジャズ界の貴公子を悩ます奇妙な脅迫状! 伊集院大介のもとに天才ジャズ・サックス奏者矢代俊一が訪れた。「ボディ&ソウルを演奏するな」――ライブのたびに曲目指定の脅迫状が送られてくるという。仲間のピアニストや大切なサックスまで狙われ、ついに最初の犠牲者が!?手がかりのつかめない大介が見つめる中、俊一は禁じられた曲を吹き始める……。
  • 聖者の行進 伊集院大介のクリスマス
    4.0
    藤島樹(いつき)が20年ぶりに再会した「巨大なドラッグクイーン」ジョーママは、客を狙った恐喝事件に悩んでいた。樹がつとめていたころは一世を風靡したゲイクラブだったが、いまは経営難に陥っている。ゆすりの裏に重大な秘密があると直感した伊集院大介は、クリスマスの六本木へ向かう。名探偵シリーズ第12弾!! (講談社文庫)
  • 陽気な幽霊 伊集院大介の観光案内
    3.0
    新聞記者の伊庭緑郎に騙されるような形で「名探偵とゆく 京都ミステリーツアー」にかり出された伊集院大介。そのツアー中に、伊庭が失踪し、やがて幽霊騒動が発生。旅行会社のシナリオとは思えないリアルな事件の続発に、参加者たちはうろたえ始める。「本物」の探偵の推理が旅行客を救う、シリーズ第13弾! (講談社文庫)
  • 女郎蜘蛛 伊集院大介と幻の友禅
    4.0
    銀座で見かけた妖艶な和服美人の後を追って着物の展示会に迷い込んだ伊集院大介。彼女の依頼で「幻の友禅」を探すことになる。そんな折、熱心な着物コレクターが惨殺される。謎の美女、激しく対立する着物作家兄弟、連続する殺人……。事件の輪郭すらつかめない伊集院は惑い、悩む。(講談社文庫)
  • 逃げ出した死体 伊集院大介と少年探偵
    3.4
    14歳の少年探偵は、伊集院を超えられるか! 14歳の秋本元気が家に帰ってきた時、玄関に見ず知らずの死体が転がっていた。ところが5分後、警察を伴って家に戻ってみると死体は消えていた。翌朝になっても母親は帰ってこない。当惑し、1人母親の帰りを待つ元気は何者かに襲われる。伊集院に憧れる少年がたどり着いた結末とは……。シリーズ第16弾。(講談社文庫)
  • 六月の桜 伊集院大介のレクイエム
    4.3
    同級生から陰湿ないじめを受けている11歳の少女・桜子は世間から孤立して生きる大金持ちの老人・津坂と満開の桜の木の下で出会う。孤独を分かち合う2人は、やがて禁断の恋に落ちていく。しかし年齢差66歳の許されざる恋は、次々と不吉な事件を呼び起こし……。伊集院は少女を救い出すことが出来るのか!? (講談社文庫)

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