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『もう頬づえはつかない』の著者が描く家への幻想。幸せになる自慢の家――家をもつことは、幸せなことなのか? 『もう頬づえはつかない』の作者が、約30年経って描く、建築家庭小説集。家を建てたり、リフォームしたりするときに、家族が直面する願望、希望、断念などのドタバタには、考えるべき人間的問題が潜んでいる。新しい家族の心のかたち。<『家なんか建てなきゃよかった』改題作品>
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Posted by ブクログ
我が家を建ててから、ようやく3年になる。 あの頃を思い出してみると、大きな失敗はなかったとは思うが、もう少し考えてから判断すればよかったかな・・ と思えることも幾つかある。 やはり「家を建てること」は普通は「一生に一度の大きな買い物」であるので、取り返しがつかないからだ。 この「家を建て...続きを読むるなら」という小説は、住宅にまつわる様々な問題をそれぞれ短編で仕上げている。 たとえば、「お隣との境界線」「シックハウス症候群」「ふきぬけ」「和室の位置」・・等々。 特にオレが「おー、そんなことあったな」と思い出したのが、「窓」というタイトルの短編。 これは、ある夫婦が新居の設計を有名な建築士に頼んだことから起こる話。 その建築士は、建てる家を「自分の作品」と位置づけていて、夫婦の希望にはない窓を設計図に入れる。 夫婦としては、家を建てるのは自分たちなのに・・とストレスが鬱積してくるのだ。 実は我が家も似たような経験がある。 4年前に複数のハウスメーカーにプランをお願いした際、ある会社は設計士を通じて図面を作成したのだ。 その家は形状も窓も非常にオシャレな家であり、どうも希望とは違う。 もちろんプロなりのイメージで素晴らしいものだった。 しかし、この会社にお願いするとしたら、余計な気遣いをすることになるのかな・・と不安になったのだ。 家を建てることって、夢のようなことであり、それに伴う問題は想像以上にあるものだ。 だからこそ家ができたときの達成感もあるように思う。 この小説は、これから我が家を持ちたいと思う人には必読だと思う。 しかし、読んだ後に「やめたほうがいいかな・・」なんて思うケースのほうが多いかもしれないかも(笑)
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