作品一覧

  • いつのまにか晴れた空
    3.0
    1巻660円 (税込)
    ベストセラー「もう頬づえはつかない」の続編ほか、軽やかなもう一つの見延典子の世界。女子大生の就職難を描く力作など6編の短編小説集――就職先の決まらないくり子は、卒業後、大阪に勤務することになった久雄とのことで、岐路に立たされてしまった。女子大生の就職難という腹立たしい現実を背景にした、ベストセラー「もう頬づえはつかない」の続編など、単行本未収録作品「山菜おこわ」を含む6編を収録。軽やかな小説空間をひらく、もうひとつの見延典子の世界。
  • もう頬づえはつかない
    -
    1巻660円 (税込)
    さよなら、偽りの愛、やさしさだけの男たち。若い世代に圧倒的共感を呼ぶ、話題の青春文学――橋本くんと体をあわせている時も、ふらりと出ていってしまった恒雄を激しく求める私。奇妙な三角関係に陥った女子大生・まり子が、体の変調を自覚した時、残酷な「卒業」の季節が訪れて……。大胆な行動と湿った生理の間に揺れる、現代の愛のかたちを爽やかに描いて、騒然とした話題に包まれた、早大文芸科生の「卒業小説」。
  • 家を建てるなら
    4.0
    1巻660円 (税込)
    『もう頬づえはつかない』の著者が描く家への幻想。幸せになる自慢の家――家をもつことは、幸せなことなのか? 『もう頬づえはつかない』の作者が、約30年経って描く、建築家庭小説集。家を建てたり、リフォームしたりするときに、家族が直面する願望、希望、断念などのドタバタには、考えるべき人間的問題が潜んでいる。新しい家族の心のかたち。<『家なんか建てなきゃよかった』改題作品>
  • 頼山陽 上
    3.0
    1~3巻792~825円 (税込)
    言葉の力で幕末の歴史を変えた男、頼山陽。自由闊達な売れっ子クリエイター、反骨の文筆家として文化・文政年間を鮮やかに生き、歴史書『日本外史』で国を憂える幕末の若者たちの心を尊皇へと傾けたひとりの男の人生を描ききった本作は、第27回新田次郎賞を受賞。高い評価を得たほか、天才を支えた家族の温かな描写で、多くの年配の読者から熱い支持を得た。この上巻では儒家として名高い父に反発して放蕩を繰り返す、若き青年・山陽の姿を描く。
  • 指輪
    -
    1巻660円 (税込)
    十年ぶりに再会し一夜を共にした湯川が投身自殺――呆然とする美央に遺されたのは、誰のものとも知れない真珠の指輪だった。なぜ彼は自殺を?美央は、かつて湯川を奪った美貌の女・令子を訪ねたが…。一途に一人の男を愛しつづける女と、妖しく奔放な性を生きる女。安芸の宮島を舞台に、対照的な二人の女の生き方をサスペンス豊かに描く野心作!

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ユーザーレビュー

  • 頼山陽 下

    Posted by ブクログ

    下巻では、20年来の念願であった『日本外史』がついに完成し、松平定信のお墨付きも得て、いよいよ功成り名を遂げた山陽が、惜しまれながら病に倒れるまでを描いています。

    最後まで『日本外史』に手を入れつづけようとする山陽の気迫が心を打ちます。

    0
    2018年04月04日
  • 家を建てるなら

    Posted by ブクログ

    我が家を建ててから、ようやく3年になる。

    あの頃を思い出してみると、大きな失敗はなかったとは思うが、もう少し考えてから判断すればよかったかな・・

    と思えることも幾つかある。

    やはり「家を建てること」は普通は「一生に一度の大きな買い物」であるので、取り返しがつかないからだ。



    この「家を建てるなら」という小説は、住宅にまつわる様々な問題をそれぞれ短編で仕上げている。

    たとえば、「お隣との境界線」「シックハウス症候群」「ふきぬけ」「和室の位置」・・等々。

    特にオレが「おー、そんなことあったな」と思い出したのが、「窓」というタイトルの短編。



    これは、ある夫婦が新居の設計を有名な建

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    2009年10月04日
  • いつのまにか晴れた空

    Posted by ブクログ

    著者の第二作で、六篇収録の短編集。表題作は昭和50年代の女子大生の就職難を描いたもので、軽やかながらも女性のたくましさをのぞかせる文章で内容も面白いが、やはり今では既視感を覚えないほどのアナクロ臭さに溢れていると感じざるを得ない。ただ人間の機微ややりきれない現状を悪気を感じないユーモラスな表現で描いている点は見事。特に「島にて」で見られる女児の瑞々しさや若さゆえの危うさ加減は普遍性を伴っているから読み継がれるべきである。

    0
    2023年10月12日
  • 頼山陽 下

    Posted by ブクログ

    長編歴史小説にしばしば(司馬司馬)挫折する私には珍しく、最後まで飽きずに読めた。資料を渉猟したと思うが、作中の蘊蓄は最小限にとどめてくれていて、大変助かる。論文のような歴史小説が多い中、本来小説とはこういうものだと思う。早すぎた近代人として頼山陽を捉え、生活者としての視点からその事跡をたどるのは安易であるが、それゆえ分かりやすく、読みやすい。歴史小説としては、藤子漫画の少し不思議SFのような位置づけの小説なのかもしれない。

    0
    2018年10月15日
  • 頼山陽 中

    Posted by ブクログ

    歴史小説の長編は途中で挫折することが多い私が、本作は不思議と読める。しかし、本作には「風雲児たち」に感じた家制度、幕藩制度の矛盾、息苦しさ、恐ろしさが匂いすらない。これは、頼山陽を取り巻く人々が善人ばかりだからだろう。ゆえに気持ちよく読めるが、歴史小説を読む醍醐味とは違う気がする。

    0
    2018年09月16日

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