【感想・ネタバレ】いつのまにか晴れた空のレビュー

あらすじ

ベストセラー「もう頬づえはつかない」の続編ほか、軽やかなもう一つの見延典子の世界。女子大生の就職難を描く力作など6編の短編小説集――就職先の決まらないくり子は、卒業後、大阪に勤務することになった久雄とのことで、岐路に立たされてしまった。女子大生の就職難という腹立たしい現実を背景にした、ベストセラー「もう頬づえはつかない」の続編など、単行本未収録作品「山菜おこわ」を含む6編を収録。軽やかな小説空間をひらく、もうひとつの見延典子の世界。

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Posted by ブクログ

著者の第二作で、六篇収録の短編集。表題作は昭和50年代の女子大生の就職難を描いたもので、軽やかながらも女性のたくましさをのぞかせる文章で内容も面白いが、やはり今では既視感を覚えないほどのアナクロ臭さに溢れていると感じざるを得ない。ただ人間の機微ややりきれない現状を悪気を感じないユーモラスな表現で描いている点は見事。特に「島にて」で見られる女児の瑞々しさや若さゆえの危うさ加減は普遍性を伴っているから読み継がれるべきである。

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2023年10月12日

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