作品一覧

  • アルハンブラ物語
    4.6
    1巻880円 (税込)
    アルハンブラ――それは、スペイン・グラナダの丘に黙然とそびえる、ムーア人の赤い城。8世紀初頭から800年にわたって君臨した、イスラム教徒の栄光と悲嘆の歴史を秘めて、今なおムーアの古王の復活を静かに待っている……。イスラム建築の粋を集めたアルハンブラ宮殿の繊細華麗な美しさに魂を奪われた著者が、その存在を世に知らせんと綴った、アルハンブラの歴史・伝説・ロマンスの珠玉の世界。

ユーザーレビュー

  • アルハンブラ物語

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    19世紀初頭に、既に長らく歴史の表舞台から遠ざかり朽ちた遺跡になりかけていたスペイン南部グラナダのアルハンブラ宮殿に一時期滞在し、かつての栄華を偲ばせる宮殿の様子や当地に残る説話をまとめて出版した、作家ワシントン・アーヴィングの手による物語。

    イベリア半島最後のイスラム王朝・ナスル朝の滅亡はキリスト教勢力の国土回復運動(レコンキスタ)の象徴的な出来事として高校時代に世界史で習ったが、その授業で資料集に載っていたアルハンブラ宮殿の写真の美しさは今でも鮮明に脳裏に残っていて、この冬にスペインへ旅行へ行く大きな動機の1つになっている。

    そして、その旅行のいわば予習として本書を手に取ったのだが、1

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    2025年12月04日
  • アルハンブラ物語

    Posted by ブクログ

    19世紀の旅、アルハンブラの現実の歴史、幻想的な民話。
    3つの要素が入っていて、それがアーヴィングのあたたかなまなざしを通して語られる美しい本。21世紀の今、この本を読めば、時空を超えた想像の旅に出かけることができる。
    初めて読んだのは今よりずっと前。翻訳の日本語に一部混乱が見られ、読んでるこちらも混乱してしまう部分があった様に記憶している。けれど作品の詩情を伝えているのは岩波文庫のものよりむしろこちらの方だと感じたが、今読み返したらどう感じるだろう。また時間を見つけてアーヴィングと旅に出ようかな。

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    2018年03月24日
  • アルハンブラ物語

    Posted by ブクログ

    世界でもっとも美しい建物。アルハンブラには、この世のものとも思えない美と深い心の安らぎがある。

    スペインのレコンキスタを完成し、スペイン内のイスラム建築を破壊しまくって、キリスト教会に変えて行ったイサベル女王も、アルハンブラは、あまり手をいれていない。

    外向きには、キリスト教でスペイン統一を進めた反イスラム強硬派の女王だが、アルハンブラには、あまり外部の人を入れずに、その美しさから1人心の平安を得ていたという。

    という美しい場所についての19世紀の旅行記。スペインで外交官をしていたアービングは旅行でアルハンブラにいって、そのまま数ヶ月そこに滞在した。(うらやましい限りだ)

    これは、その

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    2017年05月01日
  • アルハンブラ物語

    Posted by ブクログ

    筆者がグラナダを去るとき、自分まで悲しくなってしまった。ずっと、アルハンブラの物語に耳を傾けていたかったような。そう思わせるのは、グラナダの住人や物語のなかのムーア人たちに対する筆者の控えめな同情や、アルハンブラのわびしさ、美しさ、風の気持ちよさの繊細な描写が、素直に心に響いていたからだと思う。アメリカ人である筆者から見たスペイン人の描写にも惹かれる部分が多かった。
    出版は1832年、アルハンブラの管理は適当で、グラナダへの旅は盗賊の危険も伴うような時代。異教徒ムーア人の残した遺産と共に生活をしていたスペイン人たちが、アルハンブラに抱いていた幻想、畏怖。きっと今とは違って、夢と現実、歴史と物語

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    2014年04月16日
  • アルハンブラ物語

    Posted by ブクログ

     目の前に広がる朽ちた宮殿が、アーヴィングの語りと共に当時の荘厳な様子を取り戻し、亡霊となった人物たちが目の前で展開する過去の再現を見る、そんな読書体験でした。
     二つの宗教と価値観が入り乱れるアルハンブラだからこそ生まれた物語の数々。実際に訪れる機会があったら、今も息づいている魔法の一端を感じることができるでしょうか。

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    2025年05月14日

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