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「アルキメデス」という不可解な言葉だけを残して、女子高生・美雪は絶命。さらに、クラスメートが教室で毒殺未遂に倒れ、行方不明者も出て、学内は騒然! 大人たちも巻き込んだ、ミステリアスな事件の真相は? 1970年代の学園を舞台に、若者の友情と反抗を描く、伝説の青春ミステリー。江戸川乱歩賞受賞作。
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Posted by ブクログ
元祖青春ミステリーだそうです。タイトルは普遍的で意味深い。人類は進歩し続けると共に失う、寧ろ自分自身を殺す羽目になる。そんな一つのパラドックスを投げかけてます。トリック云々を語る推理小説ではないです。高校生の現実を明るみにだした、当時としてはちょっとしたエポックメイキング的な作品だったのでしょうか。...続きを読む本作は東野圭吾氏が作家を志すきっかけとなったことで有名らしいです。
「海のはじまり」を観ていたら、 夏の本棚に本書が並んでいて、 そういえば以前購入して 積読状態とままということを 思い出して読みました。 1973年刊行なので、 時代背景を考慮した上で 読む必要があります。 なので、本書についていけない人も 沢山いると思います。 かろうじて、当時の状況を 想像...続きを読むすることが出来ましたが、 その時代に読んでいれば もっと高評価をつけていたはず。 高校生が今より大人びていそう
堕胎手術で亡くなった女子高生美雪、誰の子を妊娠していたのか…父親が相手の男を探す話と思ってたら、そこからどんどん事件が発生してきて誰がどう関わってるのか全く分からん!読み進めるたび一転していく面白い。各々の正義がこうも狂わせるか……!
何かタイトルが今風かと思ったけど(アルキメデスの大戦と被ってるだけかも?^^;)、国鉄とか言葉出て来るから古い作品やな! 関西地方の話やから、分かるけど、この頃から比べたら、だいぶ、交通の弁も良くなってるで! 後で、調べたけど、めっちゃ有名な作品。東野圭吾さんが、作家を志すきっかけの作品やとか… 半...続きを読む世紀前ぐらいの作品なんで、多少の古さはあるけど、推理小説としては良い感じ。 時代背景は、感じるな。タイトルの意味もしかり。 しかし、こんな賢い高校生おるか?ってのは思う。 西村京太郎さんばりの時刻表のトリックとか(でも、西村京太郎さんの方が後発になるのかもしれん。)、アリバイ作りとか。 アルキの会を結成して、エコノミックアニマルへの復讐みたいな大義名分で、実行したけど、結局は復讐対象と変わらんようなレベルの動機って… 今、エコノミックアニマルなんて言葉使うのかな? 「お互いに、もうお伽話の年齢は過ぎたんだぜ。汚れた世間には、手を汚して立ち向かおうじゃないか」 分かるけど、高校生やから、もうちょっと夢持って欲しい… 確かに現実は、甘くないけど、そんな割り切らんと…
東野氏の原点として紹介されていた作品。昔と今とで随分と推理小説の形態が変化したと感じる。昨今は奇をてらった殺害方法やストーリーに緻密なまでに張り巡らされた伏線とその鮮やかな回収、そしてどんでん返しが期待されているが、そんなものがなくても面白い作品は面白い。姉の死に関してほとんど説明がなくてもOKな...続きを読むのだ。現代で出版されていたら、レビューで解説が足りないとか謎が残ると言われそう。文章も難しく、昔の学生はこんな文章も読めていたと思うと、よりわかりやすく簡素化が求められている昨今の私たちは、知能指数が落ちてきているのかな、と思ってしまった。 本筋の事件よりも、最後の弁当セリ市を開催していた田中の一連のセリフに感心した。
単なる謎解きでなく、純粋な学者のふりをしても、結果として軍事利用される科学技術の戦争責任にまで問う視野の深さをこの題名は示している。70年代の若者の社会の偽悪に反発する風潮もうまくとらえて、見守ろうとする大人。
それほど古い作品だとは知らずに手に取りましたが、登場人物がなんとも言えない魅力を醸し出しているので、飽きる事なくあっという間に読めてしまいました。 推理という面では少しあっさりした作品ですが、今の学生の青春とはまた違った形の青春を感じるストーリーが魅力的です。
・社会や大人に対して自分達を主張したい高校生による青春小説としても読める。そこに3つの事件が発生し心理的な攻防戦が展開されていくのが面白い。 ・言葉の表現、空気感が時代性を感じるが思春期から大人へと変貌していく剥き出しの精神的な部分は今と変わらない。
★もうお伽噺の年齢は過ぎたんだぜ。(p.374) 3つの魅力(1)学生の頃、超ベストセラーでした。それゆえ逆に読む気になれなかったので、どんなんやったのかなあと楽しみ。(2)どうやら登場人物たちは高校生であり、この当時らしくそれ以前の世代に比してドライで、適度にシニカルで軽く、でもそれなりに反抗的、...続きを読むそして何かを探して焦っているように描かれてそう(読む前の予想)。読んでみて、この世代の雰囲気は出ているように思いました。まったく同世代なので、未熟なのに自分ではさばけているようなつもりになっているキャラたちに過去の自分を見るようで恥ずかしさがおもろいです。「新人類」という語が出たのはもうちょい後だったと記憶していますが、その萌芽のような世代と旧世代の大人たちの乖離と歩み寄り。(3)展開はテンポよく読みやすいです。ちょっと古い作風なのは間違いないですが、レトロさも楽しめるかも。 ■簡単なメモ 【一行目】葬式は、ほどほどに厳粛で、ほどほどに盛大で、ほどほどに湿っぽかった。 【荒木之夫】二年二組。美雪とは気が合っていたらしい。 【有田】美雪を診察した産婦人科医。 【アルキメデス】美雪が最後に二度つぶやいた言葉。 【延命美由紀】美雪の友人。いっしょに琵琶湖に行った一人。ファーストネームが同じなので怪しいひとり。 【大賀】葬儀社の主任。 【大塚礼光】豊中東警察署刑事。三十歳前後。野村の権威を振りかざさない捜査方法を馬鹿にしているところがある。ということは当人は相手を威圧しながら捜査したいタイプなのだろう。 【会葬者】《女学生ってのは、全く葬儀屋にとっては最高の会葬者だね。湿っぽくて、それでいてほどほどに色っぽくて。葬式の雰囲気が、ぐっと盛り上がると言うものだ。》p.9 【亀井久美子】正和の妻。 【亀井正和】柳生の姉、美沙子の恋人。結婚三年目の妻と二歳になる子供がいるので不倫ということになる。いろいろあって現在は言い争いも小康状態で親公認のような形になってしまっている。柳生隆保にとってはそういうことはどうでもいいのだが、なんとなく好きになれないタイプ。自宅は西宮市。行方不明となる。不倫関係 【健次郎】→柴本健次郎 【高校生】《老人も高校生も、仕事がなくて金もない。そして人生に生き甲斐を見いだせないでいる》p.357。《いまの日本で、知能指数の一番高いのは、われわれ高校二年生なんだぜ。》p.366 【校長】日本史専攻。古武士のような風格を持つことが自慢。 【柴本健次郎】美雪の父。株式会社柴本工務店代表取締役社長。《いまは葬式という滑稽な儀式のさいちゅうなんだ。》p.12などと毒を含んだ物言いで妻を諭すいっぽう《美雪、仇は必ずとってやる》p.19と単純につぶやいたりもする。海千山千の実力者で警察に頼らず独自に捜査する。怪しいヤツがいたら何をするかわからないタイプ。 【柴本祥子】美雪の母。《あなたたちの中の誰なんです。美雪を死へ追い込んだのは。》p.10。美雪の死の原因を作った誰かを憎んでいる。かなりヒステリックになっているようだ。 【柴本美雪】死んだ女子高生。豊能高校二年。十七歳。父は柴本健次郎は会社社長。母は柴本祥子。死因は妊娠中絶手術の失敗だったようで学校の誰もが知っているが両親は公にはしていない。学校では美雪自身が気づく前すでに妊娠の噂が流れていたという奇妙な事態があった。 【修学旅行】四国一周らしい。柳生の事件があったちょっと後に実施。 【祥子】→柴本祥子 【庄内】豊中の一地域。《都市スラム化寸前の地域であった。》p.121。当時の庄内はよく知っているけどぼく的には雑然とした雰囲気は悪くないと思ってました。庄内市場とか有名やったし。 【武田長也】二年二組。 【田中信博】弁当セリ市を発案した。 【豊中商業高校】伝統的に豊能高校と仲が悪い。 【豊能高校】柴本美雪や主要登場人物たちが通っている高校。 【内藤規久夫】柴本美雪のクラスメート。いまだ「少年」に止まっている。美雪に恋愛感情を抱いていたようだ。健次郎の会社が建てたマンションのせいで家の日照が悪くなり、それが原因か祖母が身体を壊して死んだ。 【野村恒男】ある意味主人公。豊中東警察署刑事。五十歳前後。相手に威圧感を与えないので大塚には不満がられているが気にしていない。自問自答しつつ捜査するタイプ。今回の事件の被疑者たちと同年輩の息子がいるので複雑な思いが生じている。 【葉山弘行】二年一組。美雪とは同じ卓球部で美雪に気があった。軽い調子ではっきりモノを言う。 【藤田正幸】美雪の担任。国語科主任で短歌をよくする穏やかな人物。健次郎に協力を要請される。 【弁当セリ市】豊能高校二年二組の名物イベント。その日は弁当を食べたくない生徒がそれを提供しクラス内で競り落とす。田中信博が取り仕切っていた。 【マイアミ】ここでは琵琶湖のそういう名前がついた恥ずかしい水浴場。美雪が友人たちと四人グループで三泊四日の旅行をした場所。 【前川佳代子】美雪の友人。いっしょに琵琶湖に行った一人。 【美雪】→柴本美雪 【峰高志】二年二組。美雪とは中学からずっと同級。声がデカい。 【宮崎令子】美雪の友人。いっしょに琵琶湖に行った一人。 【柳生幾代】隆保の母。寡婦で生命保険の外交員。 【柳生隆保】柴本美雪のクラスメート。すでに「青年」に入りかけている。ちょっとシニカルなタイプ。クラス内の実力者。内藤とは同じ中学出身。内藤の弁当を食べ砒素中毒で倒れたが命はとりとめた。 【柳生美沙子】貿易会社OL。亀井正和と不倫している。母や弟も知っている。 【芳野】葬儀社の社員。美雪の死因をネタに柴本健次郎を恐喝する。場数は踏んでいるようだ。が、その手のことには慣れている健次郎には、逆に利用されることになり探偵役を仰せつかる。
東野圭吾さんが作家を目指すきっかけになった本 そういえばなんとなくプロットが似てたような 大昔の本だから時代背景違うけどそれでも楽しめた そしてなによりタイトルが秀逸 こういう最後にタイトルの意味がわかる小説好き!
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アルキメデスは手を汚さない
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小峰元
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