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「アルキメデス」という不可解な言葉だけを残して、女子高生・美雪は絶命。さらに、クラスメートが教室で毒殺未遂に倒れ、行方不明者も出て、学内は騒然! 大人たちも巻き込んだ、ミステリアスな事件の真相は? 1970年代の学園を舞台に、若者の友情と反抗を描く、伝説の青春ミステリー。江戸川乱歩賞受賞作。
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Posted by ブクログ
刑事の部下のような立場で読むことができました。 物語が徐々に明かされていき、どんでん返しというよりも証拠に基づいて論理的に暴いていく物語なので、自分が物語の1人になれた気がしました。
元祖青春ミステリーだそうです。タイトルは普遍的で意味深い。人類は進歩し続けると共に失う、寧ろ自分自身を殺す羽目になる。そんな一つのパラドックスを投げかけてます。トリック云々を語る推理小説ではないです。高校生の現実を明るみにだした、当時としてはちょっとしたエポックメイキング的な作品だったのでしょうか。...続きを読む本作は東野圭吾氏が作家を志すきっかけとなったことで有名らしいです。
1970年代の日本 東京オリンピックや大阪万博など景気の良い話の陰に、強引な開発や公害の垂れ流しを「多少の犠牲はつきもの」としてうそぶきながら大人たちが日本再建に躍起のなか、子供達はイデオロギーに戸惑いながら戦前からの道徳感を打ち破って、少しづつ新しい時代を自ら作り出そうとしていた。 物語はそん...続きを読むな空気感の狭間で起こる事件をめぐり、大人たちと高校生たちを描く。 女子高生の妊娠と中絶手術のはての死 妻子ある男性との不倫とコンクリート詰の死体 鉄ぐし差しの死体と密室 青春ものとは縁遠いかに思われる内容が次から次へと起こる。 70年代に書かれてあっという間に当時の若者たちの間で広がった小説。 私も当時このシリーズすべて読んだ記憶があり、懐かしく感じるだろうと思ったが、とんでもない。 今でも、生きている小説だった。 21世紀に入る前に作者が亡くなって、絶版していたとは……。
「海のはじまり」を観ていたら、 夏の本棚に本書が並んでいて、 そういえば以前購入して 積読状態とままということを 思い出して読みました。 1973年刊行なので、 時代背景を考慮した上で 読む必要があります。 なので、本書についていけない人も 沢山いると思います。 かろうじて、当時の状況を 想像...続きを読むすることが出来ましたが、 その時代に読んでいれば もっと高評価をつけていたはず。 高校生が今より大人びていそう
堕胎手術で亡くなった女子高生美雪、誰の子を妊娠していたのか…父親が相手の男を探す話と思ってたら、そこからどんどん事件が発生してきて誰がどう関わってるのか全く分からん!読み進めるたび一転していく面白い。各々の正義がこうも狂わせるか……!
何かタイトルが今風かと思ったけど(アルキメデスの大戦と被ってるだけかも?^^;)、国鉄とか言葉出て来るから古い作品やな! 関西地方の話やから、分かるけど、この頃から比べたら、だいぶ、交通の弁も良くなってるで! 後で、調べたけど、めっちゃ有名な作品。東野圭吾さんが、作家を志すきっかけの作品やとか… 半...続きを読む世紀前ぐらいの作品なんで、多少の古さはあるけど、推理小説としては良い感じ。 時代背景は、感じるな。タイトルの意味もしかり。 しかし、こんな賢い高校生おるか?ってのは思う。 西村京太郎さんばりの時刻表のトリックとか(でも、西村京太郎さんの方が後発になるのかもしれん。)、アリバイ作りとか。 アルキの会を結成して、エコノミックアニマルへの復讐みたいな大義名分で、実行したけど、結局は復讐対象と変わらんようなレベルの動機って… 今、エコノミックアニマルなんて言葉使うのかな? 「お互いに、もうお伽話の年齢は過ぎたんだぜ。汚れた世間には、手を汚して立ち向かおうじゃないか」 分かるけど、高校生やから、もうちょっと夢持って欲しい… 確かに現実は、甘くないけど、そんな割り切らんと…
東野氏の原点として紹介されていた作品。昔と今とで随分と推理小説の形態が変化したと感じる。昨今は奇をてらった殺害方法やストーリーに緻密なまでに張り巡らされた伏線とその鮮やかな回収、そしてどんでん返しが期待されているが、そんなものがなくても面白い作品は面白い。姉の死に関してほとんど説明がなくてもOKな...続きを読むのだ。現代で出版されていたら、レビューで解説が足りないとか謎が残ると言われそう。文章も難しく、昔の学生はこんな文章も読めていたと思うと、よりわかりやすく簡素化が求められている昨今の私たちは、知能指数が落ちてきているのかな、と思ってしまった。 本筋の事件よりも、最後の弁当セリ市を開催していた田中の一連のセリフに感心した。
単なる謎解きでなく、純粋な学者のふりをしても、結果として軍事利用される科学技術の戦争責任にまで問う視野の深さをこの題名は示している。70年代の若者の社会の偽悪に反発する風潮もうまくとらえて、見守ろうとする大人。
それほど古い作品だとは知らずに手に取りましたが、登場人物がなんとも言えない魅力を醸し出しているので、飽きる事なくあっという間に読めてしまいました。 推理という面では少しあっさりした作品ですが、今の学生の青春とはまた違った形の青春を感じるストーリーが魅力的です。
学生らしい万能感と時代が重なった結果か 時代背景(連合赤軍とか)をある程度知らないといまいちピンとこないだろうなという描写がある。 が、小粒の謎が散りばめられている点が、今読んでも面白さを感じられるテンポ感につながっていたと思う。
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アルキメデスは手を汚さない
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小峰元
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