歴史・時代小説 - 文藝春秋作品一覧

  • 星落ちて、なお
    NEW
    4.0
    女絵師の一生を描ききった直木賞受賞作! 不世出の絵師・河鍋暁斎の娘とよは、暁翠の画号をもつ女絵師。 父亡き後、仲がよいとは言えぬ腹違いの兄・周三郎(暁雲)と共に、 洋画旋風の中、狩野派由来の父の画風を守ろうとする。 明治大正の激動の時代、家庭の生活を担いつつ、 絵師として母として、愚直に己の生を全うした女の一代記。 第165回直木賞受賞作。 解説=東山彰良 ※この電子書籍は2021年5月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • 火の神の砦
    NEW
    -
    愛と裏切りと、衝撃の真実! ときは戦国。陰流の祖・愛洲久忠(移香斎)は、神々の国・出雲で「この世にないはず」の刀剣と出会います。 「とうに滅びた備中青江鍛冶の新作に見えた……」 この刀こそ、若き剣豪の理想を体現していました。 久忠は又四郎という陽気な若侍と、山奥をさまよいます。ようやくたどり着いたのは、年寄から赤子まで、女だけで暮らしている隠れ里。そこで出会うのは、女たちの驚くべき風習、いのちを脅かすものたち、雪舟という奇妙な老人……。 なんとしても生きのびようとする誇り高き女たちは、久忠の求める刀をつくることを条件に、「私たちを守ってほしい」と、次から次へと難題を持ち込みます。 久忠たちの運命や、いかに?
  • 橘花の仇 鎌倉河岸捕物控<一の巻>
    続巻入荷
    5.0
    江戸鎌倉河岸にある酒問屋・豊島屋。看板娘しほの唯一の肉親である父が、橘の鉢をめぐって御家人と諍いをおこし、御家人に斬り殺される事件が起きる。その御家人は、狂乱高騰する橘景気を背景に新しい店を開くというが、呼び物のひとつが、しほの父の血を浴びた「血染めの橘」。父の死を商売のたねにして弄ぶ御家人は許せない――しほと、幼馴染である政次、亮吉、彦四郎の三人が立ち上がります。 また、しほの両親をめぐって、あらたな事件が姿をあらわし……。 江戸開闢以来の町・鎌倉河岸を舞台に、若者四人と、よき理解者である金座裏の御用聞き・宗五郎親分が難事件を解決する、“青春捕物グラフィティ”。
  • 火輪の翼
    4.7
    期待の若手が描く圧巻、感動の中国歴史長編! 玄宗皇帝が政治を疎かにし国が乱れていた唐の時代、民を救うため安禄山と史思明が挙兵し、安史の乱が勃発する。だが戦は泥沼化し、国は疲弊する。絶大な人気を誇った力者の娘・呉笑星、史家の長男・史朝義、安家の次男・安慶緒は、命を賭して戦を終わらせようと誓うが――。胸熱の歴史エンターテインメント。
  • 碁盤斬り 柳田格之進異聞
    4.5
    妻を想う男、父を信じる娘。誇りをかけた闘いの結末は!? 藩を追われ、貧乏長屋で暮らす柳田格之進。悲劇の真実を知った彼は、仇討ちを決意し……。草なぎ剛主演映画の小説を脚本家が自ら執筆。 映画『碁盤斬り』は、落語の演目として長く親しまれてきた「柳田格之進」を題材に、『日本沈没』『クライマーズ・ハイ』『凪待ち』などを手掛けてきた脚本家の加藤正人さんが、3年半の月日をかけて書き上げたストーリー。 この映画の世界を、加藤さん自身が小説として書き下ろしました。 登場人物の細かな心情の描写はもちろん、映画では描き切れなかった若き日の格之進の姿、また映画のラストの「その後」がしっかりと描かれており、小説好きの読者も十分に楽しめる作品です。 【あらすじ】 娘の絹とふたり、江戸の貧乏長屋で暮らす柳田格之進。 彼は、身に覚えのない罪をきせられた上に妻も喪い、故郷の彦根藩を追われた身だった。 しかし、かねてから嗜む囲碁にはその実直な人柄が表れ、江戸で多くの知己を得る。 ある日、旧知の藩士により、彦根藩での悲劇の真相を知らされた格之進と絹は、復讐を決意する。 絹は仇討ち決行のために、自らが犠牲になる道を選び……。 父と娘の、誇りをかけた闘いが始まる!
  • いわいごと
    3.8
    麻之助、ついに後妻をとる――!? 江戸町名主のお気楽者の跡取り息子・高橋麻之助が、幼なじみで町名主を継いでいる色男・八木清十郎、堅物の同心・相馬吉五郎とともに、さまざまな謎ともめ事の解決に挑む、好評連作短篇シリーズ「まんまこと」第8弾。 かつて恋女房を亡くした麻之助。 彼のもとに、縁談が3つもやってきた! しかも、ひとりは江戸一と謳われる美人。そして、どの縁談も妙なところがあるようで……。 麻之助たちは、なぜ不思議な縁談ばかり集まったのか調べることに。 果たして、麻之助の縁談の行方は……。  他にも、相馬家が吟味方与力に昇進したり、高橋家の支配町が増えたりと、今回も麻之助たちは大忙し! 急展開の第8巻。 文庫解説・大矢博子 ※この電子書籍は2021年2月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • 白光
    4.0
    日本初のイコン画家・山下りん その情熱と波瀾の生涯! 明治13年にロシアに留学しイコンを学ぶ。一途さゆえ周囲と衝突し芸術と信仰のはざまでもがきながら生きた女性を描く感動長編。 「絵師になりたき一念どうにも抑え難く」茨城県笠間を飛び出した15歳の山下りん。東京で工部美術学校に入学を果たし、西洋画の道を究めようと決意する。ロシヤ正教の宣教師ニコライに導かれ、明治13年、聖像画制作を学ぶため帝政ロシヤに渡るのだが――情熱に従って生きた日本初のイコン画家を描く圧巻長編。解説・酒井順子 ※この電子書籍は2021年7月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • 戴天
    5.0
    天に臆せず胸を張って生きる男たちを描く 唐・玄宗皇帝の時代。絶対的権力者に抗おうとする若者と、人に人らしからぬ生き方を強いる体制を糺そうとする若僧の、心熱き戦い。 時は玄宗皇帝下の唐、陽物を欠いた名家の貴公子・崔子龍(さいしりゅう)は、辺境民族の征伐に赴く唐軍に従軍し、宦官・辺令誠(へんれいせい)の策略にはまる。心酔する上官・高仙芝(こうせんし)を陥れた辺への復讐を誓う崔の前に現れた僧侶・真智(しんち)。権力闘争に翻弄される男達と、虐げられても強かに生きる女達が安史の乱を機に躍動する歴史大河小説。解説・瀧井朝世 ※この電子書籍は2022年5月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • 仕立屋お竜
    3.3
    表の顔は腕の良い仕立職人、裏の顔は達人に仕込まれた剣術で悪を成敗する「地獄への案内人」。仕立屋お竜の活躍を描く痛快時代小説開幕! 第一話は、いたいけな少女・おしんがお竜と名を変えて「地獄への案内人」の道を歩むまでが描かれます。幼い頃に父からDVを受けてきたおしんは、母と家を逃げ出すが、その母も過労で亡くなり天涯孤独の身に。母親の薬代のためにつくった借金を抱えたおしんだが、親切顔で近づいてきたやくざの林助に騙され、盗品の運び屋や、美人局の片棒を担がされるなど、悪の道にひきづりこまれてしまいます。  とあることがきっかけで、武芸の達人・北条佐兵衛に助けられて自由の身となったおしんは、天賦の才があったのか、達人から教えてもらった武術を乾いた砂が水を吸うようにわがものにしてゆきます。「お前の才能は、お前のように困っている女性のために使うのだ」という師匠の言葉を胸に、師匠の紹介で仕立屋「鶴屋」から仕事をもらうようになります。そしてお竜と名を変えて、女をいたぶる悪人を退治することを決意。そんなある日、因縁の男と再会することになって……。  お竜の庇護者となる仕立屋の主・鶴屋孫兵衛、鶴屋の碁敵で謎のご隠居・文左衛門、そして鶴屋の用心棒で、ちょっととぼけた吉岡流剣術の使い手・井出勝之助など、お竜の脇を固める登場人物たちも魅力たっぷり。そして何よりの読みどころは、お竜の艶やかさと痛快アクションシーンです!
  • あんちゃん
    -
    夢と野心をもって江戸に出てきた男は、商人として成功するが…… 長年連れ添った夫婦のすれ違い、出世と引き換えに大切なものを失った男……現代人の心を動かす、珠玉の七編を収録した時代小説集。 貧しい百姓の末っ子として生まれた捨松は、故郷の下野(しもつけ)を飛び出し一人江戸へ上る。十数年後、捨松は商売で成功するものの、兄との再会を機に「大切なもの」を失ったことに気づく――表題作「あんちゃん」のほか、夫婦のすれ違いや恩師への慕情など、姿勢の人々の心の機微を直木賞作家が丹念に描く。ほろ苦くも優しい短編集。 ※ 単行本 2010年5月刊 文春文庫版 2013年4月刊 文春文庫新装版 2024年2月刊 この電子書籍は文春文庫新装版を底本としています。
  • おでかけ料理人 佐菜とおばあさまの物語
    3.0
    呼ばれたお家でお料理!美味しい新シリーズ 教養ある老舗の隠居のおばあさまと、料理好きだが内気な孫娘。誰にも頼れない二人が、人情と料理と度胸で世の荒波を生きていく!
  • 助太刀のあと 素浪人始末記(一)
    3.0
    義によって助太刀いたす!! 『風烈廻り与力・青柳剣一郎』で大人気の著者、新シリーズ開幕! 那須山藩飯野家に仕える松沼平八郎のもとに、 江戸で剣術道場を開く岳父が討たれたとの報せが届いた。 すぐさま、義弟より仇討ちの助太刀を頼まれた平八郎だが、 江戸へと向かう道中で、何者かの妨害を受けることに。 刻限が迫るなか、平八郎は無事に本懐を遂げることができるのか?  剣戟が冴え渡る、待望の新シリーズ。
  • 悪将軍暗殺
    -
    片腕を失った少女には、全てを見通す“目”があった 襲撃によって父と生き別れ、片腕を失った少女・小鼓。生き残るために戦う中で、彼女は本当の敵は誰なのかに気づく。渾身の歴史小説! 足軽の父と暮らす少女、小鼓(こつづみ)の日常は、都から来た高僧・義圓(ぎえん・後の足利義教)の襲撃により奪われた。左腕を失い父と生き別れた小鼓は、やがて自分に“軍略の才”がある事に気づき……。数多の戦場を仲間たちと駆け抜けながら、小鼓は京を「万人恐怖」で支配する義教への復讐を誓う。著者渾身の傑作歴史小説! 解説・天野純希 ※ 単行本『千里をゆけ くじ引き将軍と隻腕女』2021年3月刊 文春文庫版『悪将軍暗殺』に改題 2024年2月刊 この電子書籍は、文春文庫版を底本としています。
  • 神隠し 新・酔いどれ小籐次(一)
    3.3
    背は低く額は禿げ上がった老侍で、なにより無類の大酒飲み。だが、ひとたび剣を抜けば来島水軍流の達人である赤目小籐次が、次々に難敵を打ち破る痛快シリーズ登場。
  • 恋女房 新・秋山久蔵御用控(一)
    4.3
    “剃刀”の異名を持つ南町奉行所吟味方与力・秋山久蔵。長男・大助を従えて許せぬ悪に立ち向かう。大人気シリーズ、待望の第二幕スタート! 南町奉行所吟味方与力の“剃刀”こと秋山久蔵。前作から約10年。久蔵の嫡男・大助は元服前、岡っ引の弥平次は隠居して幸吉が跡を継ぐなど、それぞれ年を重ねていた。ある日、定町廻り同心の神崎和馬が下手人の似顔絵を家に持ち帰ると、それを見た姉さん女房の百合江は何故か動揺する……。 全30巻で完結した「秋山久蔵御用控」シリーズの第2シーズン開始。
  • 江戸に花咲く 時代小説アンソロジー
    4.0
    練達のベテランから気鋭の若手まで、時代小説の粋 江戸の華〈祭り〉をテーマに人気時代小説作家が競作! 宮部みゆき「三島屋変調百物語」の最新作など、読み応え十分のアンソロジー。
  • 浄土双六
    4.0
    荒廃する室町時代を舞台に、男と女の欲と情念を描く。 足利八代将軍となる義政を育てた乳母の亥万(いま)。 彼女はやがて、義政に閨の手ほどきをし、 側女として政にも関わるようになっていった。 正室の日野富子が待望の子を授かるが、 産まれてきた赤子は呼吸をしていない。 富子は亥万の呪詛が腹の子を殺したのだと訴えて――。 室町時代を舞台に人間の業と情を描く傑作歴史小説。 対談・近藤サト ※この電子書籍は2020年11月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • 合本 柳橋の桜
    -
    涙あり、恋あり、活劇あり。佐伯泰英の時代小説シリーズ、全4巻合本版 吉原や向島などへ行き交う舟が集まる柳橋。神田川と大川が合流する一角に架けられたその橋の両側には船宿が並び、働く人、遊びに行く人で賑わっていた。 柳橋の船宿「さがみ」で働く船頭の広吉には一人娘がいた。名前は桜子。三歳で母親が出奔するが、父親から愛情を受けて育ち、母譲りの器量よしと、八歳から始めた棒術の腕前で、街の人気娘に育っていた。夢は父親のような船頭になること。 そんな桜子に目を付けた船宿の亭主による「大晦日の趣向」が思わぬ騒動を巻き起こし……。 4カ月連続刊行で話題を呼んだ、壮大なスケールで描かれる全4巻! ※この電子書籍は、以下の作品をひとつのコンテンツにまとめた合本です。 『猪牙の娘 柳橋の桜(一)』2023年6月配信 『あだ討ち 柳橋の桜(二)』2023年7月配信 『二枚の絵 柳橋の桜(三)』2023年8月配信 『夢よ、夢 柳橋の桜(四)』2023年9月配信
  • 合本 空也十番勝負
    -
    長編時代小説の金字塔「居眠り磐音」に続く、「空也十番勝負」シリーズ合本版 「空也、旅立ちなされ」 母おこんの言葉を胸に武者修行の旅に出た16歳の青年。 彼こそは紀州姥捨の郷に生まれ、江戸に戻ってからは小梅村でひとり稽古に励んできた坂崎空也。坂崎磐音の嫡子である。 偉大な剣術家・磐音のもとを離れ、ひとり立ちすべく出発した彼の前途に待ち受けるものは――。 シリーズ累計350万部の大人気エンタメ時代小説「空也十番勝負」、そのすべてがこの一冊に! ※この電子書籍は、以下の作品をひとつのコンテンツにまとめた合本です。 『声なき蝉 上・下 空也十番勝負(一)決定版』2021年8月配信 『恨み残さじ 空也十番勝負(二)決定版』2021年9月配信 『剣と十字架 空也十番勝負(三)決定版』2021年10月配信 『異郷のぞみし 空也十番勝負(四)決定版』2021年11月配信 『未だ行ならず 上・下 空也十番勝負(五)決定版』2021年12月配信 『異変ありや 空也十番勝負(六)』2022年1月配信 『風に訊け 空也十番勝負(七)』2022年5月配信 『名乗らじ 空也十番勝負(八)』2022年9月配信 『荒ぶるや 空也十番勝負(九)』2023年1月配信 『奔れ、空也 空也十番勝負(十)』2023年5月配信
  • 月ぞ流るる
    4.5
    紫式部が生きた時代の豪華絢爛宮中絵巻 日本初の女性による女性のための歴史物語『栄花物語』の作者である朝児(赤染衛門)からみた宮廷はどんな姿をしていたのか? 宮中きっての和歌の名手と言われる朝児(あさこ)は夫を亡くしたばかり。五十も半ばを過ぎて夫の菩提を弔いながら余生を過ごそうとしていたが、ひょんなことから三条天皇の中宮妍子の女房として再び宮仕えをすることになる。 宮中では政権を掌握した藤原道長と、あくまで親政を目指す三条天皇との間には緊張が入っていた。道長の娘の妍子が、将来天皇となるべき男児を出産することが、二人の関係に調和をもたらす道だった。しかし、女児が生まれたことで、道長は三条天皇の排除を推し進めていくことになる。 朝児は、目の前で繰り広げられるきらびやかながらも残酷な政争に心を痛める。なぜ人は栄華を目指すのか。いま自身が目にしていることを歴史として書き記すことが自らの役目ではないのか。そこで描かれるのは歴史の勝者ばかりではない。悲しみと苦しみのなかで敗れ去った者の姿を描かねばならない。その思いの中で朝児は筆を取る。
  • 朝比奈凜之助捕物暦
    3.7
    正統派時代小説が遂に始動!! 千野隆司待望の新シリーズ 父の跡を継ぎ、南町奉行所定町廻り同心となった朝比奈凜之助。剣の腕は立つが、どこか頼りない若者に与えられた殺しの探索とは……。 小間物売りの男が賊に襲われ、絶命した。残忍な手口に怒りを覚えた南町奉行所定町廻り同心の朝比奈凛之助は、早速探索を始める。調べは難航していたが、残された息子が賊の顔を見ていたことを知る。唯一の手掛かりと意気込む凛之助だったが、それを知った賊が、子供の命を狙い――。人情と剣戟が冴えわたる、待望の新シリーズ。
  • しのぶ恋 浮世七景
    -
    浮世絵からうまれた7つの名篇 近松に描かれスターとなった遊女・梅川に憧れ、端女郎・小梅は心中未遂を試みるが。時に滑稽に時に切なく、江戸に生きた男女を描く。 ※この電子書籍は2020年12月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • 武士の流儀(一)
    3.5
    元与力が剣と人情で活躍する新シリーズ誕生! 元は風烈廻りの与力で、理由あって隠居生活に入った清兵衛。若い侍が斬られる現場に出くわし、遺された友の手助けに乗り出すが……。
  • 孔丘 上
    4.0
    人間・孔子が生きている 孔丘は家族の情愛に恵まれずに育つが、学問を愛する青年となる。徳と礼で民を治める理想を磨き続けた儒教の祖の一生を描く大河小説。 ※この電子書籍は2020年10月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • 陰陽師
    4.2
    1~25巻570~1,700円 (税込)
    時は平安時代、京の都に安倍晴明という名高い陰陽師がいた。まだ闇が闇として残り、夜になれば人も、鬼も、物の怪も、同じ都の暗がりに、息をひそめて住んでいた時代だ。安倍晴明は従四位下、大内裏の陰陽寮に属する陰陽師。死霊や生霊、鬼など、普通の人間には見えない、妖しのものどもを相手に、この世ならぬ不可思議な難事件をあざやかに解決する。親友の源博雅は、霊感はまるでないが、刀では敵なしの強さ。力を合わせて物の怪に挑む。野村萬斎・主演で映画化された原作!
  • 江戸彩り見立て帖 色にいでにけり
    3.7
    “色”で江戸の難題、解決します。 累計32万部突破「居酒屋ぜんや」シリーズの坂井希久子、 文庫オリジナル、新シリーズ始動! 江戸時代は、洗練された美意識と、繊細な色彩感覚が頂点に達した時代でした。 もしも、江戸にカラーコーディネーターがいたら……? お彩の父親は腕のいい摺師でしたが、火事で視力も、仕事場も失ってしまいます。 盲いた父の面倒を見ながら貧乏長屋で暮らしているお彩。 婚約者との縁談も流れ、粗末な木綿の着物に身を包んでいますが、お彩には、天性の鋭い色彩感覚があるのでした。 そこに目をつけたのが、謎の京男、右近。 一本気なお彩に邪険のされながらも、懲りずにまとわりつく右近は、お彩に次々と色に関する難題を持ち込みます。 そして、“江戸のカラーコーディネーター”、お彩の活躍が始まります! 着物や芸能にも詳しい坂井さんならではのエピソードや、 色や柄にまつわる知識も満載。 例えば鼠色だけでも、これだけ種類があるのか!と驚かされます。 ※ お彩はお蔦の顔と見比べながら、帳面をめくっていく。 白鼠、銀鼠、藤鼠、湊鼠、錆青磁、柳鼠──。(中略) 「あっ!」 唐突に、記憶の糸が張り詰めた。 一枚の錦絵がするすると、脳裏に引き出されてくる。(本文より) ※ 新作菓子の意匠から花魁の仕掛けの図案まで、豊かな色彩溢れる江戸のカラーコーディネーターとして活躍するお彩の人情物語。
  • 猪牙の娘 柳橋の桜(一)
    4.0
    新作書下ろし時代小説4巻連続刊行! 吉原や向島などへ行き交う舟が集まる柳橋。神田川と大川が合流する一角に架けられたその橋の両側には船宿が並び、働く人、遊びに行く人で賑わっていた。柳橋の船宿「さがみ」で働く船頭の広吉には一人娘がいた。名前は桜子。三歳で母親が出奔するが、父親から愛情を受けて育ち、母譲りの器量よしと、八歳から始めた棒術の腕前で、街の人気娘に育っていた。夢は父親のような船頭になること。そんな桜子に目を付けた船宿の亭主による「大晦日の趣向」が思わぬ騒動を巻き起こし……。涙あり、恋あり、活劇あり。待望の時代小説新シリーズの幕が開く。2023年6月から9月、四か月連続刊行!
  • 化かしもの 戦国謀将奇譚
    3.0
    戦国どんでん返し七連発 乱世は謎に満ちている。 上杉謙信の脅威にさらされている越中神保家を助けると約束した武田信玄だったが、援軍は出さぬという。果たして援軍なしに上杉を退ける秘策とは? 腹の探り合いが手に汗握る「川中島を、もう一度」。 下野国・宇都宮家に仕える若色弥九郎は、先代当主の未亡人・南呂院の警固番に抜擢される。門松奉行という閑職の父を持つ弥九郎にしてみれば、またとない機会。意気揚々とお役目に着く弥九郎だが、この抜擢の本当の目的は……うまい話の裏を描く「宇都宮の尼将軍」。 長宗我部家は、大量の砂糖の献上を織田家に約束していた。外交僧として必死の思いで砂糖をかき集めた道標だったが、何者かに砂糖の献上の先を越されてしまう。横槍を入れてきたのはまさかの……すべてが戦略物資になる乱世の厳しさが身に染みる「戦国砂糖合戦」etc. 気鋭の歴史小説家が放つ、戦国どんでん返し七連発。
  • 甘いもんでもおひとつ 藍千堂菓子噺
    3.7
    菓子職人の兄と番頭の弟。上菓子屋兄弟の繁盛記。「藍千堂菓子噺」シリーズ第1作。 両親亡き後、叔父に実家を負われた晴太郎と幸次郎。 兄弟は、かつて父の許で修業していた職人の茂市と一緒に、 菓子司「藍千堂」を開く。優しい職人肌の晴太郎と、 しっかり者で商才に長けた幸次郎は、亡き父の教えを守りながら、 叔父の嫌がらせにも負けず、知恵と工夫を凝らした季節の菓子で店を切り盛りする。 解説=大矢博子 ※この電子書籍は2013年10月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • 江戸染まぬ
    3.0
    江戸に生きる人々が織りなす鮮やかな人生。 “青山流時代小説”の真骨頂! 旗本の次男坊で部屋住みの俺は、武家であらねばならぬ、などとは思っていない。 堅物の兄が下女に好意を寄せているのを見て取って、 わざと下女にちょっかいを出そうとするが、気づくと女は身籠っていた。 しかも父親は、隠居の祖父だという。 六十九歳の老人に女で負けた俺がとった行動は――。 直木賞受賞作『つまをめとらば』に連なる傑作短編集。 史実から生まれた圧巻の7編。 ※この電子書籍は2020年11月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • お順 上
    4.0
    凛としたお順と、彼女を取り巻く幕末の勇士たち 勝家の末っ子、お順は愛らしい容姿とは裏腹に気性が激しく、兄の麟太郎(のちの勝海舟)から可愛がられて育つ。嫁ぐなら「一番の男」と決めているお順は、麟太郎と交流の深い剣客・島田虎之介に心を奪われるが……。好いた男を想い続けながら、幕末の動乱期を逞しく生きるお順と、彼女を取り巻く志士たちの魅力を鮮やかに描いた時代小説。 ※この電子書籍は2014年10月に刊行された文春文庫の新装版を底本としています。
  • 海の祭礼
    4.0
    日米の青年が見た「鎖国から開国へ」 ペリー来航五年前、鎖国中の日本に憧れたアメリカ人青年ラナルド・マクドナルドは、ボートで北海道の利尻島に単身上陸し、アイヌたちに発見される。不法入国者として長崎に収容されたマクドナルドから、若き長崎通詞・森山栄之助は活きた英語を学ぶ。オランダ語には通じていても英語を習得する者の少なかった通詞のなかにあって、森山はペリー一行の首席通詞を務めるなど、開国を迫る諸外国との交渉のほぼ全てに関わっていく。日本とアメリカ、森山とマクドナルド、鎖国と開国、交錯する運命は時代に翻弄されてゆく――。 彼らの交流を通し、開国に至る幕末期の日本の意外な史実が描かれた、傑作歴史長篇小説。 解説・曾根博義 ※この電子書籍は、2004年12月に刊行された文春文庫版を底本にしています。
  • 火群のごとく
    3.6
    山河豊かな小舞(おまい)藩、父代わりの兄を何者かに殺された林弥(りんや)は友らに支えられ剣の稽古に励む日々を送るが、江戸から来た家老の息子・透馬との出会いから運命が動きだす。やがて藩の政争と陰謀が少年たちをも巻き込み……。身分や立場の差を超えてつながる少年剣士の成長に清々しい風が吹く、著者の新たな代表作。
  • 駆け入りの寺
    4.2
    悩みを抱える人々が門を叩く、一風変わった駆け込み寺。 平穏で優雅に暮らす尼たちの元へ、ある日飛び込んできたのは「助けてほしい」と叫ぶ若い娘……。雅やかで心に染み入る連作時代小説。 ※この電子書籍は2020年4月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • 極楽征夷大将軍
    4.3
    史上最も無能な征夷大将軍 やる気なし 使命感なし 執着なし なぜこんな人間が天下を獲れてしまったのか? 動乱前夜、北条家の独裁政権が続いて、鎌倉府の信用は地に堕ちていた。 足利直義は、怠惰な兄・尊氏を常に励まし、幕府の粛清から足利家を守ろうとする。やがて天皇から北条家討伐の勅命が下り、一族を挙げて反旗を翻した。 一方、足利家の重臣・高師直は倒幕後、朝廷の世が来たことに愕然とする。 後醍醐天皇には、武士に政権を委ねるつもりなどなかったのだ。 怒り狂う直義と共に、尊氏を抜きにして新生幕府の樹立を画策し始める。 混迷する時代に、尊氏のような意志を欠いた人間が、 何度も失脚の窮地に立たされながらも権力の頂点へと登り詰められたのはなぜか? 幕府の祖でありながら、謎に包まれた初代将軍・足利尊氏の秘密を解き明かす歴史群像劇。
  • おやごころ
    3.5
    お気楽者の麻之助、ついに父に――! 妻のお和歌が子を宿した麻之助。子どもの名前を考えながら、今日も町の揉め事に立ち向かう! 大好評「まんまこと」シリーズ第9弾。
  • 蝦夷拾遺 たば風
    -
    体が不自由になった許嫁との結婚を反対され他家に嫁いだ女を、 男は想い続ける――表題作「たば風」ほか、夫との離縁を目論む女が 息子に課された難題に奮闘する「恋文」、松前藩主の正室に仕えるべく 集められた娘たちの青春「血脈桜」など、江戸後期から明治初期にかけて 蝦夷地で生命を燃焼させた男女を描く傑作六編。 自身の郷土を舞台とした時代小説短編集。 解説=梶よう子 ※この電子書籍は2023年5月に刊行された文春文庫(新装版)を底本としています。
  • 藩邸差配役日日控
    4.2
    里村五郎兵衛は、神宮寺藩江戸藩邸差配役を務めている。 陰で〈なんでも屋〉と揶揄される差配役には、藩邸内の揉め事が 大小問わず持ち込まれ、里村は対応に追われる毎日。 そんななか、桜見物に行った若君が行方知れずになった、という報せが。 すぐさま探索に向かおうとする里村だったが、 江戸家老に「むりに見つけずともよい」と謎めいた言葉を投げかけられ……。 最注目の時代小説家が描く、静謐にして痛快な物語。
  • 乱都
    4.0
    応仁の乱にはじまる《仁義なき戦い》!! 応仁の乱から室町幕府の終焉まで、裏切りと戦乱の坩堝と化した京に魅入られ、争いに明け暮れた男たちの生き様を描く連作集。 ※この電子書籍は2020年10月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • わかれ縁 狸穴屋お始末日記
    4.4
    シリーズ化も決定! 西條奈加の〈ど真ん中〉傑作人情時代小説 「もう、嫌だ!」定職にもつかず浮気と借金を繰り返す亭主の元を飛び出した絵乃は、ひょんなことから離縁の調停を得意とする公事宿「狸穴屋」の手代見習いとなる。そこに舞い込んでくるのは、いずれも家族の“情”がこじれた難題ばかり。果たして絵乃は一人前の公事師となり、自身の離縁も成し遂げられるか!? 解説・大矢博子 ※この電子書籍は2020年2月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • 恋忘れ草
    4.0
    江戸の「働く女性」を描いた直木賞受賞作 新進気鋭の女流絵師・歌川芳花ことおいちの元に、「江戸名所百景」の大仕事が持ち込まれる。彼女は想いを寄せる彫師と生写しに出かけたいが、その男には女房と子供がいた。悩んだ末においちがとった行動は??(表題作「恋忘れ草」)。 江戸の町で恋と仕事に生きた6人の女たちの哀歓をあたたかく描き、第109回直木賞を受賞した連作短篇集。 ※この電子書籍は1993年5月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • 三国志名臣列伝 蜀篇
    4.0
    関羽、張飛、諸葛亮、趙雲……。 「めずらしいほど無垢な人」と部下に慕われた劉備に、 どこまでもついていった男たちの純情と覚悟!  いまも愛される英雄たちの挽歌。
  • 固結び 損料屋喜八郎始末控え
    4.7
    お待たせしました! 人気シリーズ待望の第5弾! 男は命を賭し、女は行く末を想う――。 初午の真夜中、水垢離に臨もうとしていた喜八郎たちのすぐそばで、 男女が川に飛び込んだ。 女を助けた喜八郎は、ふたりが奉公先の賭場で恋仲になった挙げ句に 心中を図ったと知り、賭場の貸元と直談判に及ぶが……。 そして喜八郎と秀弥の恋の行方にも新たな展開が!
  • 本意に非ず
    4.0
    明智光秀、松永久秀、伊達政宗、長谷川平蔵、勝海舟――。理想や志と裏腹な決意をせねばならなかった男たちを描く傑作歴史小説集。 ※この電子書籍は2019年11月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • 首ざむらい 世にも快奇な江戸物語
    3.6
    第99回オール讀物新人賞受賞作! 「全篇にわたって楽しい」有栖川有栖 「無条件に楽しんで読むことが出来た。ああ、面白かった」乃南アサ ニヤリ、クスリ、ホロリ…… 選考委員も癒された、新・癒し系時代奇譚。 叔父を訪ねて大坂へ向かった男の道ずれは、首だけのサムライだった!?(受賞作「首ざむらい」) とある若侍が死体で発見された。下手人は河童らしく……。(書下ろし「よもぎの心」) 現代人の疲れた心と疲れた身体に、 ただただ楽しく、チャーミング(&時々すっとぼけ)な時代小説をご用意しました!
  • 貸本屋おせん
    3.4
    第100回オール讀物新人賞を満場一致で受賞した著者が、満を持して送り出す初の作品集。 選考委員の村山由佳氏が”読み終えるなり「参りました」と呟いていた”と選評に記した受賞作「をりをり よみ耽り」の世界を5篇の連作で展開する。 物語の舞台は、文化年間の江戸浅草。女手ひとつで貸本屋を営む〈おせん〉の奮闘を描く。盛りに向かう読本文化の豊饒さは本好きなら時代を超えて魅了されることでしょうし、読本をめぐって身にふりかかる事件の数々に立ち向かう〈おせん〉の捕物帖もスリルに富んでいます。
  • 虹の翼
    4.3
    人が空を飛ぶなど夢でしかなかった明治時代―― ライト兄弟が世界最初の飛行機を飛ばす十数年も前に、 独自の構想で航空機を考案した男が日本にいた。 奇才・二宮忠八の、世界に先駆けた「飛行器」は夢を実現させるのか? ひたすら空に憧れた忠八の波瀾の生涯を、 当時の社会情勢をたどりながら緻密に描いた傑作長篇。 解説・和田宏
  • 江戸の夢びらき
    4.0
    初代〈市川團十郎〉空前の一代記 〈荒事〉の開祖にして最後は舞台上で刺殺されたカリスマ。謎多き初代團十郎の生涯を元禄の狂乱と江戸歌舞伎の胎動とともに描き切る。 命を燃やすが如き〈荒事〉によって歌舞伎を革新し、元禄の江戸を熱狂させた初代・市川團十郎。民衆から信仰にも近い人気を得て、今なお愛される名演目と斬新な演出を生み出した不世出の天才役者はなぜ舞台上で殺されたのか。謎多き生涯と芸の神髄に迫る圧巻の一代記。巻末エッセイ・岸田照泰(成田山新勝寺中興第22世貫主) ※この電子書籍は2020年4月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • 合本 照降町四季
    -
    江戸の大火と復興を通して描く、町人たちの勇気と奮闘のストーリー。 日本橋近く、傘と下駄問屋が集まる照降町に、鼻緒屋の娘・佳乃が帰ってきた。浪人の周五郎と助け合いながら、職人として腕を磨、町人や花魁からの注文に励むが――。著者初の、女性職人が主人公の物語。 ※この電子書籍は2021年4月に配信を開始した電子版『初詣で 照降町四季(一)』から『一夜の夢 照降町四季(四)』全4巻を合本にしたものです。
  • 合本 新・居眠り磐音
    -
    全51巻で完結した平成最大の人気シリーズ「居眠り磐音」のスピンアウト5作品を合本化! 「居眠り磐音」本編では描かれなかった物語の数々。ファン必読の合本です。 ※この電子書籍は2021年4月に配信を開始した電子版『奈緒と磐音 居眠り磐音』『武士の賦 居眠り磐音』『初午祝言 新・居眠り磐音』『おこん春暦 新・居眠り磐音』『幼なじみ 新・居眠り磐音』を合本にしたものです。
  • 合本 酔いどれ小籐次 決定版+小籐次青春抄
    -
    小柄な体、禿げ上がった額に団子鼻の老侍。一見冴えないこの男、実は来島水軍流の凄まじき遣い手――。 まったく新しい時代小説の主人公、赤目小籐次の痛快無比の活躍を描くシリーズ全19巻と、小籐次の若き日を描いた中編二作を収録の『小籐次青春抄』を合本化! ※この電子書籍は2021年4月に配信を開始した電子版『御鑓拝借 酔いどれ小籐次(一)決定版』から『状箱騒動 酔いどれ小籐次(十九)決定版』全19巻と、『小籐次青春抄 品川の騒ぎ・野鍛冶』を合本にしたものです。
  • 合本 新・酔いどれ小籐次
    -
    小柄な体、禿げ上がった額に団子鼻の老侍。一見冴えないこの男、実は来島水軍流の凄まじき遣い手――。 「酔いどれ小籐次」の新シリーズは、積年の想い人おりょうと結ばれた小籐次が、かつて自分を狙った刺客の遺児、駿太郎を引き取り、育てることに。ついに小籐次にも平穏が……否。次々に巻き起こる事件が彼を休ませてはくれない。「新・酔いどれ小籐次」シリーズ1巻から、2022年8月に完結した25巻までを合本化。 ※この電子書籍は2021年4月に配信を開始した電子版『神隠し 新・酔いどれ小籐次(一)』から『御留山 新・酔いどれ小籐次(二十五)』全25巻を合本にしたものです。
  • 合本 完本 密命【電子特典付き】
    -
    【電子特典】十代の金杉惣三郎を描いた中篇「虚けの龍」収録 1999年著者が初めて時代小説に挑んだシリーズ「密命」。 豊後相良藩二万石の徒士組・金杉惣三郎は、固い絆で結ばれた藩主からの密命を帯び、真相を探るべく脱藩を装って江戸での浪人生活をはじめる。運命は思わぬ方向へ惣三郎を運んでゆき……。 剣豪小説であると同時に、家族それぞれの絆、成長や挫折、喜び哀しみを描写して26巻完結となったシリーズを合本化。 ※この電子書籍は2021年4月に配信を開始した電子版『完本 密命 巻之一 見参! 寒月霞斬り』から『完本 密命 巻之二十六 晩節 終の一刀』全26巻を合本にしたものです。
  • 合本 居眠り磐音 決定版
    -
    平成でもっとも愛されたエンタメ時代小説で、テレビ、映画と映像化もされた人気作「居眠り磐音」全51巻がついに合本に! 友を討ったことをきっかけに江戸で浪人暮らしの坂崎磐音。隠しきれない育ちのよさとお人好しな性格で下町に馴染む一方、“居眠り剣法”で次々と襲いかかる試練と敵に立ち向かう! ※この電子書籍は2021年4月に配信を開始した電子版「居眠り磐音 決定版」全51巻を合本にしたものです。

    試し読み

    フォロー
  • 八丁堀「鬼彦組」激闘篇 狼虎の剣
    4.0
    1~12巻713~800円 (税込)
    北町奉行所の吟味方与力である彦坂新十郎が、同心倉田佐之助の妹きくを娶って二年が過ぎ、「鬼彦組」にも新しい仲間が加わった。平穏な日々を送っていた新十郎が、いつものように奉行所に出仕しようとしていたところ、殺しの一報が入った。大川端の新大橋の近くで、若侍が腕を切り落とされて殺害されたというのだ。実は最近、二組の男たちが同様の手口で殺されていた。同じ下手人の仕業なのか、「鬼彦組」に解決の沙汰が下った!
  • 海の十字架
    3.0
    「銀」と「鉄砲」と「キリスト教」が戦国武将たちの運命を変えた。 大航海時代とリンクしたまったく新しい戦国史観で綴る短編集。 作家生活30周年を迎え、歴史の新しい読み解き方を提示し続ける著者が「戦国時代こそが、『開国』の瞬間だった!」という価値観で描いた革新的な一冊。 表題作「海の十字架」他六篇を収録 1 海の十字架・大村純忠 日本初のキリシタン大名となった大村純忠は、なぜ改宗に踏み切ったのか? ポルトガルの大型帆船「ナウ」を見た純忠の決断とは。イエズス会と大村家の関わりと、貿易港「長崎」誕生秘話。 2 乱世の海峡・宗像氏貞 総勢八万の大軍を擁する大友家、覇権拡大を目指す毛利家。大国に挟まれた十四歳の宗像氏貞が選んだのは「海の民」の本道を貫く生き方だった。 3 海の桶狭間・服部友貞 その実力を認められ、織田水軍として兵を率いてくれと打診された服部友貞は、それを拒絶。「桶狭間の戦い」を経て、信長という男の神髄を知ることになる。 4 蛍と水草・三好四兄弟 瀬戸内の海運を支配して莫大な関銭や津料を得ていた三好家は八ヵ国にも及ぶ版図を誇っていたが、その栄華はある男によって崩れさる。 5 津軽の信長・ 津軽為信 室町幕府の将軍の首をすげかえた信長の行動力を知った為信は、我こそが「津軽の信長」になると決意。南部家を倒すため、為信が練り上げた「策略」とは。 6 景虎、佐渡へ・長尾景虎 家督争いの渦中にいた長尾景虎は、劣勢に立ち、佐渡へ渡り、「ある行動」を起こす。「越後の虎」になった男の出発点を描く。 ※この電子書籍は2020年2月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • 将軍の子
    4.2
    名君・保科正之の来歴を、爽やかに描きだす。 生まれた直後に養子に出された徳川秀忠の庶子、保科正之。 不遇にも見える生い立ちの陰には、彼を思いやる多くの人々がいた。 養母となった武田信玄の娘、見性院。 人徳の高さを買われ、養父となった高遠藩主、保科正光。 そして陰に日向に力になってきた老中、土井利勝。 江戸城の外で育った「将軍の子」は、 いかにして稀代の名君と呼ばれるに至ったのか。 今もっとも注目される歴史時代小説の新鋭が、その半生を辿る。 ※この電子書籍は2019年7月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • 出世商人 (一)
    3.6
    遺されたのは借財、託されたのは店の再建 急逝した父が遺したのは借財まみれの小さな艾屋(もぐさや)。 再建を志した文吉は、荒波を乗り越え立派な商人へとなれるのか。 薬種問屋に奉公していた文吉は、父が急逝し、家業の艾屋を継ぐ事となった。 形見は古い店と十両を超す借財。 文吉は店を再興しようと決意するが、艾売りだけでは金は返せそうにない。 しかも、借金の形(かた)に己の命までもかけられてしまい――。 絶体絶命の返済期限が迫る中、文吉に一発逆転の策はあるのか? 書き下ろし新シリーズ、第一弾!
  • 人生を豊かにする 歴史・時代小説教室
    3.0
    人気作家が創作の秘密を明かす 小説家を目指す人に向けた連続講義が書籍化。文章の書き方から資料の使い方、テーマの見つけ方まで、読めば小説を書きたくなる!
  • 小袖日記
    4.0
    失恋した「あたし」は雷に打たれ、目覚めるとそこはパラレル平安朝。 彼女は、大人気小説「源氏物語」の作者・香子さまのもとでネタを探す女房・小袖となっていた。 夕顔、末摘花、葵―おなじみの女人達を訪ね、その真実の生、歓びと悲しみに触れた時、 時空を超えた友情がめばえる。感動の王朝SFミステリー。 解説・山本淳子 ※この電子書籍は2011年7月に文藝春秋より刊行された文庫本の新装版を底本としています。
  • 菊花の仇討ち
    5.0
    朝顔栽培が生きがいの同心・中根興三郎はある日、 菊作りで糊口をしのぐ御家人の中江惣三郎と知り合った。 だが帰り路、興三郎は何故か中江と間違えられ、 謎の侍たちに襲われかける。 じつは中江は金のために菊を使い悪事を重ね、恨みを買っていたのだ。 興三郎は憤りつつ、彼の行動を調べ始めるのだが……。   解説・内藤麻里子 ※この電子書籍は2019年9月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • オランダ宿の娘
    4.0
    江戸に参府するカピタンの宿・長崎屋に生まれた、るんと美鶴。 世界の風に触れて育った彼女達はやがて恋を知る。 時は文政、蘭学に憑かれた人々の熱情が一大疑獄「シーボルト事件」に発展。 愛する男らを姉妹は救えるのか? 間宮林蔵など近代史の立役者も続々登場、極上の歴史ミステリにして清冽な青春小説。 解説・諸田玲子
  • かわたれどき
    3.8
    ベストセラー「まんまこと」シリーズ第7弾! 町名主のお気楽跡取り息子・麻之助が、幼なじみの色男・清十郎と堅物の同心・吉五郎とともに、さまざまな謎と揉め事の解決に挑みます。 「きみならずして」「まちがい探し」「麻之助が捕まった」「はたらきもの」「娘四人」「かわたれどき」の6篇を収録。 清十郎に子が生まれ、縁戚のおこ乃の縁談がまとまるなど、麻之助の周りで祝い事が続くものの、自分自身には揉め事ばかり。 特に親しい料理屋の娘・お雪には何かと振り回される日々だ。 ある時、野分けと呼ばれる大嵐が起こり、お雪が洪水に流される。 間一髪助かるが、何やら一大事が……!? 解説は「まんまこと」シリーズの装画を手掛けるイラストレーターの南伸坊さんです。 ※この電子書籍は2019年2月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • 炯眼に候
    4.7
    鉄砲をどう運用すべきか。 天候を予測することはできるのか……。 織田信長による戦の勝利の裏側には恐ろしいまでの合理的思考があった。 戦国の世、最も先を見据えていた男が最後に導き出したものは、 自らの死後、明智を破る秘策だった―。 独自の着眼で誰も見たことのない信長像に迫る、傑作短編歴史小説集。 解説・天野純希 ※この電子書籍は2019年2月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • 千里の向こう
    4.0
    あなたはまだ中岡慎太郎という男を知らない! 龍馬とともに暗殺された中岡慎太郎。庄屋の家に生まれたいごっそう(頑固者)が謀略うずまく幕末を駆け抜けた。稀代の傑物の一代記。 ※この電子書籍は2019年2月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • 岡っ引黒駒吉蔵
    5.0
    訳あって江戸で岡っ引をしている吉蔵は、元は甲斐の国の生まれ。 伝説の黒駒を乗り回し、本業のかたわら小さな「凧屋」を商う。 ある日街なかを暴走する馬に咄嗟に飛び乗り騒ぎを治め、 馬主の侍に怪我人がいないか調べるよう頼まれる。 そして訪ねた小料理屋の板前・仙太郎が先日も肝をつぶす目に遭ったと聞き……。 新シリーズ開幕!
  • 長城のかげ
    4.0
    劉邦にかげのように寄り添った男女たち 怠け者で口八丁の男が天下の覇者に――漢の始祖・劉邦の勃興から崩御後までを、敵、臣下、息子、学者など同時代人の目で描く連作集。 ※この電子書籍は1999年4月に文藝春秋より刊行された文庫の新装版を底本としています。
  • 約束
    4.0
    平成の高校生が明治に転生! 驚きの未発表小説、文庫で登場 現代っ子4人の意識が、維新直後を生きる青年らの身体に入り込んだ! 西郷、大久保ら偉人達の側で、生きた歴史の授業が始まる。
  • 夜叉の都
    4.0
    2022年大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の世界を描く! 武士の府は、誰にも渡さない―― 頼朝亡き後、弟・義時とともに次々と政敵を滅ぼしていく北条政子。 鬼となって幕府を守り抜いた「尼将軍」を描く、圧巻の歴史巨編!
  • 三国志名臣列伝 魏篇
    3.7
    「劉備抹殺」を曹操に献言した男 「劉備を殺すべきです」と献言された曹操は「わが懐にはいった窮鳥をどうして殺せようか」と言った。三国時代最強の魏、七人の名臣!
  • つわものの賦
    4.6
    2022年大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の時代、 鎌倉武士たちのリアルな姿を描き出した面白さ抜群の傑作歴史評伝。 「ここで私は、大小いくつかの作品で扱ってきた鎌倉時代に対する一つの決算書を書いた。」(あとがきより) 『炎環』『北条政子』で鎌倉幕府成立の時代を小説として描いた後も、 『吾妻鏡』を何度も読み返し、この時代を【大きな変革の時代】として位置付けてきた永井路子氏。 その盛り上がりの中核にあるのは、外からの力でも、源頼朝個人の挙兵ではなく、 東国武士団の行動として捉えた時、歴史的な意義が明確に見えてくる。 本書は、永井氏が鎌倉時代を扱った一連の小説の原点であり、帰結でもある。 序章  嵐の中への出発   治承四年八月 第一章 中世宣言      三浦義明の場合 第二章 空白の意味するもの 上総広常の場合 第三章 功名手柄      熊谷直実の場合 第四章 東国ピラミッド   源平合戦の意味 第五章 「忠誠」の組織者  梶原景時の場合 第六章 大天狗論      東国対西国 第七章 奥州国家の落日   征夷大将軍とは何か 第八章 裾野で何が起ったか 曽我の仇討ちにひそむもの 第九章 血ぬられた鎌倉   比企の乱をめぐって 第十章 雪の日の惨劇    三浦義村の場合 第十一章 承久の嵐     北条義時の場合 あとがき ※この電子書籍は一九八三年七月に文藝春秋より刊行された文庫版を底本としています。
  • 結 妹背山婦女庭訓 波模様
    4.2
    史上初の直木賞&高校生直木賞をW受賞した『渦 妹背山婦女庭訓 魂結び』から2年。直木賞受賞第一作にして、『渦』の待望の続編がついに刊行。 江戸時代も半ばを過ぎた道頓堀には芝居小屋がひしめき合っていた。 近頃は歌舞伎芝居に押され、往時の勢いはないものの、「道頓堀には、お人形さんがいてこそ、や」 人形浄瑠璃に魅せられ、人形浄瑠璃のために生きた人々の喜怒哀楽と浮き沈み、せわしなくも愛しい人間模様をいきいきと描く群像時代小説。
  • 色仏
    4.5
    江戸末期の京都。僧になるため上京した烏(からす)は、ある女に出会い仏の道を捨て、観音像を彫り始める……著者初の時代小説。 解説・雨宮由希夫 ※この電子書籍は2017年5月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • 雲州下屋敷の幽霊
    4.6
    女の怖さ、儚さ、したたかさ、危うさ――。 江戸時代に起こった事件をモチーフに紡がれた珠玉の5篇。 単行本『奇説無惨絵条々』を文庫化にあたり改題。 「雲州下屋敷の幽霊」雲州松平家前当主・宗衍の侍女となったお幸は、 どんな酷い仕打ちを宗衍に受けても、恨む素振りを見せない。 業を煮やした宗衍が思いついたのは、彼女の背に刺青を入れさせることだった……。 「女の顔」南町奉行所の将右衛門は、 材木問屋の娘・お熊が夫に毒を盛った事件で下女のお菊を取り調べる。 彼女が頑なに口を割らない裏には恐るべき事実があった。 「夢の浮橋」見世物小屋一座の智は若い男に頼まれて、身の上話をはじめる。 貧乏漁師の家から吉原に売られた彼女は、 花魁の八橋姐さんに可愛がられていたが……。 ほかに「だらだら祭りの頃に」「落合宿の仇討」を収録。 解説・田口幹人(書店人) ※この電子書籍は2019年2月に文藝春秋より刊行された単行本『奇説無惨絵条々』を改題した文庫版を底本としています。
  • 初詣で 照降町四季(一)
    3.7
    日本橋の近く、傘や下駄問屋が多く集まる町・照降町に「鼻緒屋」の娘・佳乃が三年ぶりに出戻ってきた――  著者初・江戸の女性職人が主役の書下ろし新作<全四巻> 1巻「初詣で」内容 文政11年暮れ。雪の降る中、18で男と駆け落ちした鼻緒屋の娘・佳乃が三年ぶりに照降町に戻ってきた。 懐かしい荒布橋(あらめばし)を渡り、町の入り口に立つ梅の木を、万感の思いで見上げる佳乃。 実家の鼻緒屋では、父が病に伏せっており、九州の小藩の脱藩武士・周五郎を見習いとして受け入れていた。 父にかわり、職人として鼻緒挿げの腕を磨く佳乃は、新鮮なアイデアを出して老舗の下駄問屋の宮田屋に認められ、吉原の花魁・梅香からも注文を受ける。 自分を受け入れてくれた町に恩返しをすべく、日々を懸命に生きる佳乃だったが、駆け落ちの相手・三郎次が あとを追ってきて―― 「己丑の大火」前夜の町と人々を通して描く、知恵と勇気の感動ストーリー。
  • 海神の子
    3.9
    海賊“鄭家”の頭をつとめる母の迎えによって、平戸から大明国へ渡った福松。 鄭家は、割拠する海賊や東インド会社を下して東アジアの海を支配するが、清軍の侵攻により明は滅亡の危機に。 新皇帝と明の復興を目指す福松は、その功による名誉ある姓名を与えられ、さらに大きな野望に燃えるが―― 明日をも知れぬ海賊が、どこにもいられぬ者たちのために戦う。 「国性爺合戦」のモデルとなった英雄・鄭成功を新たな形で描く。
  • へぼ侍
    3.6
    西南戦争を痛快に描く、松本清張賞受賞作。 大阪で与力の跡取りとして生まれた志方錬一郎は、明治維新で家が没落し、商家へ奉公していた。 時は明治10年、西南戦争が勃発。 武功をたてれば仕官の道も開けると考えた錬一郎は、意気込んで戦へ参加することに。 しかし、彼を待っていたのは、落ちこぼれの士族ばかりが集まる部隊だった――。 解説・末國善己 ※この電子書籍は2019年7月に文藝春秋より刊行された単行本『へぼ侍』を加筆・修正した文庫版を底本としています。
  • 完本 密命 巻之一 見参! 寒月霞斬り
    5.0
    佐伯泰英の時代小説第一作。すべてはここから始まった! 豊後相良藩二万石の徒士組・金杉惣三郎は、14年ぶりに江戸に入った。 何者かによって奪われた相良藩の蔵書の中に、幕府の怒りに触れるもの――切支丹本が混ざっていたという。事が明るみに出れば藩の取り潰しは免れない。 固い絆で結ばれた藩主・斎木高玖からの密命を帯び、真相を探るべく脱藩を装って、江戸での浪人生活をはじめる惣三郎。江戸の市井でさまざまな人々と縁を結びながら切支丹本の行方を探ってゆくと、そこには藩主の伯父である斎木丹波の影が。 密命を果たすため、東奔西走する惣三郎。そんなある日、国許に残してきた子供たち、清之助とみわがさらわれたと知らせが届く。惣三郎は子供たちと藩を救うため、剣を振るう! *この電子書籍は祥伝社文庫から刊行された「完本 密命」を底本としています。
  • 御鑓拝借 酔いどれ小籐次(一)決定版
    4.1
    傑作時代小説シリーズの決定版! 身の丈五尺一寸、風采の上がらない五十男。しかし実は来島水軍流の凄まじい遣い手――。赤目小籐次、たった一人の闘いが幕を開ける!
  • 影ぞ恋しき 上
    4.5
    夫婦の絆、親子の情愛。 葉室麟渾身の長編小説。 吉良上野介の孫娘・香也を養女に した雨宮蔵人と咲弥夫婦のもとに信州諏訪から密使の冬木清四郎が。 かの地に配流された上野介の息子・ 義周が香也に一目会いたいというのだ。 諏訪に出向いた一家は、死期迫る義周に清四郎と香也の婚儀を迫られ、承諾してしまう。 時は綱吉治世の末期。一家は再び天下の政争に巻き込まれることに。 ※この電子書籍は2018年9月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • 奈緒と磐音 居眠り磐音
    3.8
    “居眠り磐音”が帰ってきた! 全五十一巻で完結した平成最大の人気シリーズが復活。 豊後関前藩中老職の嫡男・坂崎磐音の朋輩に妹の奈緒が生まれたその日(「赤子の指」)。 四歳の奈緒が磐音の嫁になると口にした日の出来事(「梅雨の花菖蒲」)など、本編では描かれなかった5つの物語を収録。 ふたりの幼き日々から悲劇の直前までを描き、万感胸に迫るファン必読の一冊。
  • 陽炎ノ辻 居眠り磐音(一)決定版
    4.1
    佐伯泰英さんの代表作「居眠り磐音」決定版! 第一巻『陽炎の辻』は、豊後関前藩の若き武士3人が、国許へと帰参するシーンから始まります。 その夜、3人が直面した思いもよらなかった運命。 そして、浪々の身となった坂崎磐音は江戸・深川で長屋暮らしを始めます。 平成でもっとも愛されたエンタメ時代小説。 著者自らが再度手を入れ〈決定版〉として蘇りました。
  • 赤い風
    -
    前代未聞の開拓事業「三富新田」を描く長編歴史小説 荒涼とした原野を二年で畑地にせよ――。川越藩主柳沢吉保は無謀な開拓を命じる。軋轢を抱える武士と農民の共同事業は成功するのか。 武蔵野原野は赤土で水源に乏しく、田畑は拓けない。 秣場(まぐさば)に利用する村々の争いを止めるため、川越藩主柳沢吉保は荒野の開墾を命じる。 だが、家老の嫡男・啓太郎は、侍を憎む百姓の正蔵と衝突、互いに反目して計画は進まない。 二年の期限が迫るなか、下役人が不審な死を遂げて……。 大地に生きる人々の歴史長編。 解説・福留真紀 ※この電子書籍は2018年7月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • 想い人 あくじゃれ瓢六捕物帖
    -
    恋女房のお袖が江戸の大火で行方不明になって八年が経った。 いまだお袖の生存を信じる色男の瓢六の許に、今日もまた厄介事が持ち込まれる。 居候先のお殿様の心中事件に、姿をくらました琉球王家のお姫様捜し、仇討ちの仲裁と忙 しい。 そんな折、お袖に似た女を見たという話がとび込む。どうする瓢六。 元悪党にして稀代の色男瓢六の人生の決断とは! 人気捕り物シリーズ第六弾。 ※この電子書籍は2018年9月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • 旅路 上
    3.5
    池波正太郎のヒロイン、仇討の旅 彦根藩の勘定方・三浦芳之助が斬殺された。 下手人は御目付方・近 藤虎次郎らしい。 男は逃亡し、藩庁は三浦の若妻・三千代に実家へ戻るようにと沙汰した。 納得出来ぬ三千代は敵討ちのため故郷を出奔、 道中危難に見舞われるが、堀本伯道と名乗る謎めいた老人に救われる。 美しくしなやかな武家の女の数奇な運命を描く傑作長編。
  • 宇喜多の楽土
    3.6
    戦国を駆け抜けた心やさしき俊才の生涯 父・直家の跡を継いだ宇喜多秀家は、秀吉の寵愛を受け豊臣政権の中枢となる。 しかし秀吉没後は、派閥争いや家中騒動に苦しみ、 西軍の主力として臨んだ関ヶ原の戦 いで壊滅する。 敗走する秀家だが、彼が目指したのは、武士としては失格の場所だった――。 心優しき秀才が、嵐世に刻んだ覚悟とは? 傑作歴史長編。 解説・大西泰正 ※この電子書籍は2018年4月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • 北条政子
    4.0
    2022大河ドラマ主人公・北条義時の姉にして、源頼朝の妻。 彼女はいつも動乱の渦中にいた。 伊豆の豪族・北条時政の娘に生まれ、 流人源頼朝に遅い恋をした政子。やがて夫は平家への叛旗をあげる。 源平の合戦、鎌倉幕府開設―― 御台所になった政子は、実子・頼家や実朝、 北条一族、有力御家人達の間で自らの愛憎の深さに思い悩む。 歴史の激流にもまれつつ乱世を生きぬいた女を描き、 NHK大河ドラマ「草燃える」原作にもなった傑作歴史長編。 解説・大矢博子
  • 本屋が選ぶ時代小説大賞2011~2020【文春e-Books】
    -
    2010年代の読むべき作品がわかる! 珠玉の時代小説リスト 前年10月からその年9月までの1年間に刊行された時代小説の中から、 ベテラン書店員がその年一番面白いと思った作品を選ぶ「本屋が選ぶ時代小説大賞」。 毎年「オール讀物」12月号で発表される同賞は、2020年で10回目を迎えました。 第1回から第10回までの大賞作は、平安から昭和まで、主人公も仏師や武将、女性歌人など時代小説の豊かさを表す傑作揃い。 「オール讀物」に掲載の歴代受賞者インタビューをはじめ、各年の読むべき時代小説20〜30作品の紹介が一冊になりました。 第10回(2020年)の選考会の様子、澤田瞳子・朝井まかてによる歴代受賞者対談も特別収録。 2010年代の時代小説の魅力を網羅した完全保存版です。 <歴代大賞作品> 2011 第1回『黒南風の海 加藤清正「文禄・慶長の役」異聞』伊東潤 2012 第2回『満つる月の如し』澤田瞳子 2013 第3回『一路』(上・下)浅田次郎      『恋歌』朝井まかて 2014 第4回『異国合戦 蒙古襲来異聞』岩井三四二 2015 第5回『もののふ莫迦』中路啓太 2016 第6回 『室町無頼』垣根涼介 2017 第7回『会津執権の栄誉』佐藤巖太郎 2018 第8回『葵の残葉』奥山景布子 2019 第9回『熱源』川越宗一 2020 第10回『商う狼 江戸商人 杉本茂十郎』永井紗耶子
  • 三国志名臣列伝 後漢篇
    4.5
    後漢という時代は、ひとの美質のなかで、「孝心(親孝行)」を至上とした。 能力よりも徳を重視し、頭脳よりも心を尊重する国家がつくられた。 184年に始まった「黄巾の乱」により、王朝の礎が揺らぐ中、 後漢の理想を体現する名臣たちが輩出する。 大将軍の何進、 劉備の師である盧植、 曹操を支えた荀彧など7人を描く、宮城谷昌光の「三国志」シリーズ。 解説・湯川豊 目次 何進(かしん) 朱儁(しゅしゅん) 王允(おういん) 慮植(ろしょく) 孔融(こうゆう) 皇甫嵩(こうほすう) 荀彧(じゅんいく) ※この電子書籍は2018年2月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • 花影の花 大石内蔵助の妻
    3.0
    赤穂浪士・大石内蔵助の妻、りく。 忠臣として語り続けられる大石内蔵助ではなく、その妻にスポットライトを当てた、影の「忠臣蔵」。 討ち入り後、りくは遺児となった大三郎とともに生きるが、その生涯は哀しいものだった。赤穂に嫁ぎ、夫を支え、そして夫亡き後は忠臣たちの遺族のもとをまわるなど、最期まで武士の妻であった。そんなりくの人生を平岩弓枝が鮮やかに描き出した傑作長編。涙なくしては読めません。 第25回吉川英治文学賞受賞作。 ※この電子書籍は1990年に新潮社より刊行され、文藝春秋より2020年12月に刊行した文庫版を底本としています。
  • 血と炎の京 私本・応仁の乱
    4.0
    行間から血の匂いが立ち上ってくるかのような迫力。 応仁の乱を描いた小説中の最高峰だ。――田中芳樹 応仁の乱――それは地獄の戦さだった。 かつて栄華を誇った都は燃え落ち、縦横に走る塹壕に切り刻まれ、泥と屍に覆いつくされた。 連なる屋敷は高い土壁に守られて砦と化して、中枢は地下の壕内に設けられた。 日が沈めば夜襲が行なわれ、矢が飛び交い、兵どもは無造作に殺されてゆく。 そこにあったのはあたかも近代戦争のごとき総力戦、終わりの見えぬ中で人間がひたすら消費されてゆく戦だった。 行軍中に東軍・細川勝元が拾った瀕死の男。 額に「犬」の文字の刻まれた男は、西軍の山名宗全に虐殺された集落の生き残りだった。 男は宗全への憎悪を胸に、地獄の戦場に血路を切り開く。 しかし敵方には中国渡りの最新兵器たる投石器を駆使する軍師がおり、苦戦を強いられる。 一方、この大戦さの中にあって、これを収拾しようという姿勢もみせぬ将軍・足利義政の妻・日野富子は、 渇いた心の救いを希い、戦火のなかを蓮如に面会すべく動き出そうとしていた。 京を灰燼に帰した応仁の乱とはいかなる戦争であったのか。 その血みどろの風景を壮絶に描きつくす書き下ろし歴史伝奇小説。
  • 損料屋喜八郎始末控え
    3.9
    上司の不始末の責めを負って同心の職を辞し、きっぱりと刀を捨てた喜八郎は、長屋住まいの庶民相手に鍋釜や小銭を貸す<損料屋>に身をやつした。といってもただの損料屋ではない。与力の秋山や深川のいなせな仲間たちと力を合わせ、巨利を貪る礼差たちと渡り合う。田沼バブルのはじけた江戸で繰り広げられる、息詰まる頭脳戦。時代小説に新風を吹き込んだ、直木賞作家・山本一力の輝かしいデビュー作。人情味と後味の爽快さは一作目から群を抜いてます。
  • 宗麟の海
    4.0
    九州の若獅子吼ゆ! 信長に先んじて海外貿易を行い、硝石、鉛を輸入、鉄砲隊をいち早く整備。軍事力と知略で九州六か国を制覇した若き日の大友宗麟。 ザビエルから「世界を手に入れたとしても、心が満たされなければ幸せになれない」と諭された宗麟は宣教師を通して新知識を導入。 瞬く間に九州の覇王に駆け上がった男の波乱の生涯を活写する。 ※この電子書籍は2017年9月にNHK出版より刊行された単行本を、文春文庫で文庫化したものを底本としています。
  • 悪左府の女
    4.5
    悪左府・藤原頼長から女官に下された密命とは? 平安ピカレスク小説誕生! 平安時代の末、藤原の氏の長者・藤原頼長は冷徹な頭脳ゆえ「悪左府」というという異名で呼ばれていた。 己の権力争いの道具として頼長が目を付けたのは、下級貴族の娘だった。 琵琶の名手である娘は下された密命のため帝の傍に送り込まれる。 時代の変わり目に彼女が見たものとは。 謎とスリルに満ちた長篇宮廷小説。 解説・内藤麻里子 ※この電子書籍は2017年6月9日に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • 泣き虫弱虫諸葛孔明 第壱部
    4.4
    奇怪な衣装で宇宙哲学を語り、あの手この手で自分の臥竜伝説を作ろうとする 諸葛孔明はそんなアブなくてセコい男だった! 口喧嘩無敗を誇り、いじめた相手には得意の火計(放火)で恨みを晴らす―― なんともイヤな子供だった諸葛孔明。 奇怪な衣装に身を包み、宇宙の神秘を滔々と説いて人を煙に巻くアブナイ男に、 どうしてあの劉備玄徳がわざわざ「三顧の礼」を尽くしたのか? 新解釈にあふれ無類に面白い酒見版「三国志」第一弾!
  • 殉国 陸軍二等兵比嘉真一
    4.6
    14歳の少年は、何を見たのか。 少年の体験を通して、すさまじい沖縄戦の実相をつぶさに描いた長篇小説。 「郷土を渡すな。全員死ぬのだ」 太平洋戦争末期、沖縄戦の直前、中学生にガリ版ずりの招集令状が出された。小柄な14歳の比嘉真一は、だぶだぶの軍服の袖口を折って、ズボンの裾にゲートルを巻き付け、陸軍二等兵として絶望的な祖国の防衛線に参加する。 実在の人物の体験を、ことこまかに聞きとり、特異な事実をそっくりそのまま写し取った外面的リアリズムが、読む者の胸を強く打つ。 1991年に刊行された文庫本の新装版。元本は、累計102000部のロングセラー。 解説・森史朗 ※この電子書籍は、1911年11月に文春文庫より刊行された文庫の新装版を底本としています。単行本は1982年6月に筑摩書房より「陸軍二等兵 比嘉真一」として刊行されました。
  • ひとめぼれ
    3.7
    累計130万部突破、大人気「まんまこと」シリーズの第6弾。 札差の娘と揉めて上方へ追いやられた男。その思わぬ反撃とは(「わかれみち」)。盛り場で喧伝された約束が、同心一家に再び波紋を呼び起こす(「昔の約束あり」)。麻之助の亡き妻に似た女にもたらされた三つの縁談の相手とは(「言祝ぎ」)。火事現場で双子を救った麻之助は、新たな騒動に巻き込まれる(「黒煙」)。行方不明の男を探すため、麻之助は東海道へと旅立とうとする。そして新たな出会いが?(「心の底」)。沽券が盗まれた料理屋から、一葉が消えてしまったのは何故か(「ひとめぼれ」)。 いつの世も思い通りにならない、人の生死と色事。泣きたいときほど泣けない、「まんまこと」ワールド、慟哭の第六弾。 解説・紗久楽さわ〈「まんまこと」を自由に漫画で描けた幸福〉 ※この電子書籍は2017年4月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • 天地に燦たり
    4.1
    新直木賞作家、驚異のデビュー作 選考委員も絶賛した松本清張賞受賞作。 戦を厭いながらも、戦でしか生きられない島津の侍大将。 被差別民ながら、儒学を修めたいと願う朝鮮国の青年。 自国を愛し「誠を尽くす」ことを信条に任務につく琉球の官人。 秀吉の朝鮮出兵により侵略に揺れる東アジアを、日本、朝鮮、琉球の三つの視点から描く。 松本清張賞選考委員会でも絶賛された歴史エンターテインメント。 解説・川田未穂 ※この電子書籍は2018年7月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • 音四郎稽古屋手控 音わざ吹き寄せ
    3.0
    血を分けた兄妹でも知らぬことがいいことがある 元吉原の北、長谷川町に住まいする役者あがりの音四郎と妹お久。 足に大けがを負い舞台から去った異父兄にはお久の知らぬ事情が……。 江戸・元吉原の「猫返しの神さま」 と言われる三光神社近くの長屋で、 長唄を教えている音四郎、お久の兄妹。 将来を期待されていた歌舞伎役者だった兄は足に傷を負って役者を辞め、稽古屋を始めた。 負傷にはなにやら因縁があるようだ が、お久には知らされていない。 兄にはまだ他にも、人に言えぬ秘密があるようだ。 「大女」「ならのかんぬし」「いぬぼうざき」「はで彦」「宵は待ち」「鷺娘」「菊の露」「丙午」「にせ絵」。 弦音ひびく江戸情緒あふれる9編を収録。 解説・吉崎典子
  • 遠縁の女
    4.0
    五年の武者修行から帰ってみれば……。 直木賞作家が贈る濃密な傑作時代小説集。 寛政の世、浮世離れした武者修行から五年ぶりに帰国した男を待っていたのは、美貌の女が仕掛ける謎――。 表題作ほか、二十俵二人扶持の貧しい武家一家で、後妻が生活のため機を織る「機織る武家」、新田開発を持ちかけられ当惑する三十二歳当主を描く「沼尻新田」。 閉塞した武家社会を生きる人間の姿が鮮やかに立ち上がる傑作三篇。 ※この電子書籍は2017年4月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。

最近チェックした本