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十字路
“親愛なる読者諸君、人生とは、単調な出来事の連続である。そこには、予想外の出来事というものは存在しない”(クラリムンド・ロッショ) 20世紀初頭のブラジル、南部の州都ポルト・アレグレ。そこは、実に様々な人間が行き交う人生の“十字路”である。そこで生きる誰もが例外なく、各人生の主人公であり、“不平等”に生まれ、“平等”に死んで行く。 僅か5日間の生活の中で、人々は大なり、小なり、その“十字路”で交差する。それは我々、読者も同様に、物語を通して、登場人物、ひいては作者と交差していることに他ならない。 人間愛溢れる作家エリコ・ヴェリッシモによる、“人間シンフォニー”、“人生カリカチュア”が今、幕を切って落とされる。 -
十二夜
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 「十二夜」とは、クリスマスから数えて12日目の1月6日のことである。この劇は1602年に初演されたことになっているが、その前年にオーシーノ公爵を招いたエリザベス女王が上演させたという記録も残っている。作品には男女の双子が登場し、女性が男装していて混同される。出だしではオーシーノが主人公のように思えるが、オーシーノ→オリヴィア→セザリオ(男装したヴァイオラ)→オーシーノと、恋愛感情の矢印は循環している。ところが、最後に男装の「トリック」が明らかにされ、めでたく二組のカップルが誕生し結婚に至るのである。これが主筋であるが、とても「筋」とは言い難く、喜劇的な展開が主題となっている。[マライア+トビー卿+アンドリュー卿+フェステvs.マルヴォリオ]という「笑い」の筋が、どちらかというと主筋のような作品である。世俗的な世界とマルヴォリオに象徴されるピューリタン的な世界との対立構図でもある。 -
ジュリアス・シーザー
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 『シュリアス・シーザー』(1599)はシェイクスピアの悲劇シリーズの「入口」の作品です。そこから、『ハムレット』、『オセロ』、『リア王』、『マクベス』と四代悲劇が続けて作られました。この作品では、端役にしか過ぎないシーザーがタイトルとなっていますが、主人公はシーザーを殺したブルータスです。内容に関しては、ローマ史の政治、権力闘争が描かれ、雄弁術、更にはアントニーの演説の巧さなどが描かれています。そして、浮薄な民衆の発言、行動様式が時代を超えて、国境を越えて、同じであることを嫌でも認識されられます。なぜ、この頃に上演されたかというと、当時のイギリスはエリザベス女王の末期の時代。独身で子供はいなく、女王は後継者指名を拒否していたとなると、当然、後継者争いから内乱に発展する可能性が危惧されていた時代です。シェイクスピアはローマの歴史に事寄せて、イギリス社会を描いているのです。 -
貞観政要 ビギナーズ・クラシックス 中国の古典
全リーダー必読の書! 中国史に残る天下泰平の時代をつくった政治訓とは? 中国四千年の歴史で最も安定した時代「貞観の治」を成した名君が、上司と部下の関係や、組織運営の妙を説く。現代のビジネスリーダーにも愛読者の多い、中国の叡智を記した名著の、決定的入門書! 【目次】 はじめに 唐代の地図 凡例 一、明君の条件 二、創業か守成か 三、諫める臣下、聞き入れる君主 四、かけがえのない人材 五、前轍を踏むな 六、後継者をどう養成するか 七、人を選ぶ 八、儒学を尊ぶ 九、言葉と行動に責任を持つ 関係略年表 テキスト解説 主要登場人物解説 あとがき 主要語句索引 -
城砦
忘れられた名著であるJ.A.クローニンの「城砦」が夏川草介氏の新訳でよみがえりました。英国の医師であり小説家だったクローニンと、日本の医師である「神様のカルテ」シリーズの著者である夏川草介氏。この時代を越えたコラボで新たに誕生したのが「新訳 城砦」です。 本書は、医師の仕事に情熱を燃やす若き医師アンドルーが様々な苦難に立ち向かう半生を描いたものです。ある時は、医療制度に立ち向かい、ある時は、富や名声への渇望という自らの欲望に足をさらわれそうになりながら、希望の灯を絶やさない心の軌跡が描かれています。「何のために生きるのか?」「何のために働くのか?」そんな人生の難問に出逢った際、きっと本書から得るものがあるはずです。いつの時代であっても生きていればかならず遭遇する苦難や人生の落とし穴。あなたはどう対応しますか。 -
〈序文〉の戦略 文学作品をめぐる攻防
文学作品が刊行されたあと非難や攻撃や異議を受けるというのは今日でも目にする光景です。学術的な論文や書籍でも、文学作品でも、盗用の疑惑をもたれたり、実際に告発されたりすることは決して稀ではありません。そういうとき、後ろめたさゆえに無言を貫く著者もいるでしょう。告発はあたらないと思いつつ、言い訳をしないのが美徳だと考えて、あえて反論しないケースもあるでしょう。その一方で、批判は間違っていると確信して反論する著者ももちろんいます。 こうした光景はめずらしくないだけに、あらかじめ弁明や正当化、謝罪や説明を表明する著者がいることにも不思議はありません。本書は「序文」に注目して、作家たちが序文でいかなる戦略を展開しているのかを紹介しつつ、個々の戦略を分類しつつ説明していきます。すでに起きているものであれ、まだ起きていないものであれ、攻撃に対する防御のために利用される戦場が序文であり、そこには文学者たちが編み出した戦略と戦術があるのです。 目次を見ていただければお分かりのように、想定されている「攻撃」は実に多種多様であり、それに応じて「防御」の戦術も多種多様です。西洋古典から近代文学に至るヨーロッパ文学に造詣が深いだけでなく、修辞理論にも通じた著者が、渉猟した膨大な作品から実例を選りすぐりました。そこで繰り広げられている作家たちの戦いの場に、本書で立ち会ってください。文学作品を読んでいる時には見過ごしてしまう巧妙なテクニックの数々を目撃し、驚愕すること、請け合いです。 [本書の内容] 第I部 序文の防御戦略を記述するさまざまな理論 第1章 伝統レトリック 第2章 メタ談話 第3章 ポリフォニー 第4章 読 者 第5章 言語行為 第6章 ポライトネス 第II部 攻撃側のさまざまな訴因 第7章 涜 神 第8章 猥 褻 第9章 剽 窃 第10章 背徳と反体制 第11章 性別や人種に関する規範に違反 第12章 有害無益 第13章 虚偽と実在指示 第14章 ジャンルの規則に違反 第15章 悪 文 第16章 不出来 -
ジョン・バーリコーン 酒と冒険の自伝的物語
どん底暮らしから這い上がり、作家への道をつかんだジャック・ロンドン。 少年時代を送ったサンフランシスコの酒場で、船乗り仲間の避けがたい付き合いで、 どれほど労働が苛烈であれ、どこへ旅をしようとも、 〈彼〉はいつも傍らにあった。 アザラシ狩り船で小笠原諸島へ、北米大陸を放浪、そしてゴールドラッシュへと旅は続き―― 彼=ジョン・バーリコーンとは、〈大麦から作られた酒〉を擬人化した呼び名。 生きていくことがそのまま冒険だった活力横溢の日々において、 血中アルコール濃度は着々と高まり、危ういせめぎ合いはやがて…… 野性よりも人間よりも、手強い相手はアルコール。 小説仕立てで来し方を活写する、己と酒のメモワール。 -
ジョージ・エリオットのリアリズムと道徳観
ジョージ・エリオットのリアリズムの進展と作者自身の道徳観の成熟の関係を探る。ジョージ・エリオットは道徳の基礎にシンパシー(共感)を置き、彼女のリアリズムの目的は、読者の登場人物への理解とシンパシーを高めて「人類の団結」を図ることであった。本書は「リアリズム」を、「登場人物の心理や外部事実の合理的で詳細な記述があること」と「物語中の出来事の蓋然性が高いこと」という基本的要件で捉える。そして物語中のシンパシーに乏しい人間の描き方のリアリズムの進展に焦点を当て、その背後にある作者自身のシンパシーの対象が拡大していることを読み取る。作品のリアリズムの進展は作品から見て取ることができ、また作者のシンパシーの対象の広がりはシンパシーに乏しい人間の描写に顕著に表れるからである。エリオット作品のリアリズムを通時的に論じる場合、初期作品はリアリズムに沿っているが中期作品以降は「道徳的寓話」であると見なすのが、エリオット存命の時代から20世紀半ばまでの定説であった。1948年に発表されたF・R・リーヴィス『偉大なる伝統』以降は、エリオットの後期作品が19世紀イギリスのリアリズム小説の傑作と見なされるようになった。しかし作品に登場するシンパシーに乏しい人物は、相変わらず個人もしくは社会にとって一律に有害であると考えられ、彼らの被害者的心理や、個人もしくは社会に対する影響の吟味はなされなかった。本書は従来の見方とは異なり、シンパシーに乏しい人物が、家族や社会にとって有害で追放されるか改悛させられねばならない存在から、後期作品においてシンパシーに乏しいままで家族をより大きな絶望から救うという肯定的価値をもつ存在へ、あるいはその被害者的心理も描かれる存在へと変化しているというリアリズムの進展をテキストの「描写」および「物語の時代背景」から検証する。このことは同時に、作者のシンパシーの対象の拡大を示している。 目次 第1章 エリオットの小説のリアリズム 第2章 エリオットの道徳観とシンパシーとリアリズム ──「ジャネットの悔悟」の比喩表現を例として 第3章 語り手の心の鏡に映らないヘティ ──『アダム・ビード』のリアリズム再考 第4章 洪水の結末とシンパセティックなトム ──『フロス河畔の水車場』におけるリアリズムの進展 第5章 シンパシーとシンパシーの欠如の交差 ──『ミドルマーチ』における道徳観の成熟とリアリズムの進展 第6章 『ダニエル・デロンダ』におけるモダニズム的手法の採用 ──人間の根本的善性への信頼の揺らぎ -
上地王植琉の私訳古典シリーズ5 武器と人 ―完全版―
1894年4月21日にロンドン・アベニュー劇場で初演され、絶賛されたバーナード・ショー初の商業的成功作。 1885年のセルビア‐ブルガリア戦争を舞台に、街に逃げてきた兵士と名家の令嬢の出会いとロマンスを描きつつ、軍国主義を鋭く批判する。後に英国作家ジョージ・オーウェルが「おそらく、彼が書いた中でもっとも機知に富み、技術的にも完璧で、非常に軽い喜劇であるにも関わらず、後世に渡って語り継がれる劇となった」 と述べて絶賛した本作だが、残念ながら、現在ではほとんど手に入らない状況にある。 そこで、今回、第五弾となる上地王植琉の私訳古典シリーズでは、『武器と人』を新たな訳とともに注釈付きでお送りする。 本作は分冊版の「第一幕」から「第三幕」までに「あとがき」を加えた完全版です。 -
上地王植琉の私訳古典シリーズ5 武器と人 分冊版
1894年4月21日にロンドン・アベニュー劇場で初演され、絶賛されたバーナード・ショー初の商業的成功作。 1886年のセルビア‐ブルガリア戦争を舞台に、街に逃げてきた兵士と名家の令嬢の出会いとロマンスを描きつつ、軍国主義を鋭く批判する。後に英国作家ジョージ・オーウェルが「おそらく、彼が書いた中でもっとも機知に富み、技術的にも完璧で、非常に軽い喜劇であるにも関わらず、後世に渡って語り継がれる劇となった」 と述べて絶賛した本作だが、残念ながら、現在ではほとんど手に入らない状況にある。 そこで、今回、第五弾となる上地王植琉の私訳古典シリーズでは、『武器と人』を新たな訳とともに注釈付きでお送りする。 分冊版全三巻。本作は「導入」と「第一幕」を収録しております。 -
人生で大切なたったひとつのこと
★★★ニューヨークタイムズベストセラー★★★ 人生の節目に、贈り物にもぴったりな1冊。 2013年アメリカのシラキュース大学の卒業式にて、ベストセラー作家ソーンダーズは、「人生で一番後悔していることは、優しくなれなかったこと」と語りました。 スピーチから三か月後、全文がニューヨークタイムズ紙のウェブサイトに掲載されると、100万回を超えるアクセスがありたちまち評判を呼びます。 後に、アメリカのランダムハウス社によって書籍化されベストセラーとなり、書評でも「旧約聖書の詩篇のように薄くて、重い」(ニューヨーク・タイムズ紙)など、絶賛されました。 多くの人の心に響いた名スピーチの、待望の日本語版! 翻訳を『思考の整理学』で有名な外山滋比古氏が手がけました。 原書 Congratulations, by the way: Some Thoughts on Kindness 原著者 George Saunders -
ジークフリート伝説集成
ジークフリートは、ゲルマン・ドイツの伝説に登場する英雄です。竜を退治した際に、その血を浴びて「不死身の肌」になりましたが、背中にある唯一の急所を槍で刺されて暗殺されることで知られています。一方、ジークフリートは、ニーベルンゲン族を倒してその財宝の所有者となったことから、「ニーベルンゲン伝説」の英雄の一人でもあり、本書の表題に掲げられた「ジークフリート伝説」とは、さまざまな物語を含むニーベルンゲン伝説の中で、とりわけ英雄ジークフリートの冒険と暗殺を扱った部分を指す名称です。 ニーベルンゲン伝説の原型は、五~六世紀のゲルマン民族大移動の時代まで遡り、現在のフランクフルト西方にあたるライン河畔フランケンの領土で英雄歌謡の形で生成したと考えられています。その後、北欧に伝承され、『歌謡エッダ』、『散文エッダ』、『ヴォルスンガ・サガ』、『ティードレクス・サガ』などに記される一方で、ドイツ南方のバイエルン地方から現在のオーストリア地方にあたる東方にも伝承され、一三世紀初頭には英雄叙事詩『ニーベルンゲンの歌』が成立することになります。 中世後期から近代初期にかけて、この伝説を素材として韻文作品や職匠歌人ハンス・ザックスによる戯曲作品、民衆本などが作られました。その後、忘却の時期を経て、再び注目されるのは、一八世紀後半から一九世紀。ルートヴィヒ・ティークをはじめとするドイツ・ロマン派の詩人たちによって再発見され、数多くの作品が作られましたが、その集大成と言えるのが、ワーグナーの楽劇《ニーベルングの指環》でした。 本書は、日本語ではまとまった形で読むことができなかった「ジークフリート伝説」をなすめずらしい作品群を集成したものです。資料としての価値は言うに及ばず、ニーベルンゲン伝説やワーグナーをより深く味わうために最良の1冊となることは間違いありません。 [本書の内容] I スノリの『散文エッダ』におけるジークフリート伝説――北欧第一次伝承 II 『ティードレクス・サガ』における英雄ジグルトの物語――北欧第二次伝承 III 韻文版『不死身のザイフリート』――一六世紀の新しい英雄像 IV ハンス・ザックスの悲劇『不死身のゾイフリート』――一六世紀の職匠歌人による戯曲 V 民衆本『不死身のジークフリート』――一七二六年版の「読んで楽しい」民衆本 VI ティークの二つのロマンツェ――『若き日のジークフリート』と『竜殺しのジークフリート』 -
水棲生物 水の底のアフリカ
アカデミー・フランセーズ賞フランス語文学賞、全アフリカ文学賞、アマドゥ・クルマ文学賞……カメルーン出身のドキュメンタリー監督による、賞総なめの衝撃作! ジェンダーをめぐる差別が根強く抑圧的な社会で「自分」を生きるために闘う人を映しとる! 貧富の格差、女性差別、性的マイノリティへの弾圧。 家父長制と因習に縛られ、権力闘争が渦巻く国ザンブエナ。かつて教師として働いていたカトメは、野心的な政治家の妻として夫を支えるかたわら、親友のアーティスト、サミーの創作活動を支援していた。反体制的な表現者、そして同性愛者であるサミーの個展の幕開け、それは二人の運命の新たな扉でもあった。 私たちは皆、水の底で生きている。 -
水脈を聴く男
井戸で発見された溺死体のお腹から取り出された胎児。彼には大地の「水脈を聴く」能力が宿っていた──。 ひどい頭痛に悩まされるマリアムは井戸の深淵からの「おいで、おいで」という囁きに導かれ、ついには溺死体として発見される。しかし、その体には胎児が宿っていた。無事(サーレム)に救われたことでサーレムと名付けられた息子は、耳を澄ませると地中を流れる水の音が聴こえるようになる。その噂はあっという間に広がり、避けられ孤立するようになるが、水源を探し当て村を襲った干ばつから救うことで必要とされるようになる。その評判は遠方まで轟き、15歳の少年は「水追い師」として各地で引く手あまたになるのだが──。 アラビア半島に位置し、雨のほとんど降らない小国オマーン。地下水路(ファラジュ)による独自の灌漑システムは、峻険な岩山や荒涼とした砂漠の地を潤してきた。『バグダードのフランケンシュタイン』などが過去に受賞したアラビア語圏最高の文学賞「アラブ小説国際賞」に輝いた、水をめぐる傑作長編。 「気候変動や水資源の枯渇が世界的な課題となっている今日、この小説が描く「水に囚われる人間の姿」は、過去の物語ではなく、今まさに現代社会が直面する現実の縮図として読み解くことができる」(本書解説より) 【目次】 第一章 第二章 第三章 第四章 第五章 第六章 第七章 第八章 第九章 第十章 第十一章 エピローグ 解説 訳者あとがき 【著者】 ザフラーン・アルカースィミー(Zahran Alqasmi) 1974年オマーン生まれの小説家・詩人。これまでに4冊の小説と10冊の詩集を刊行している。4作目となる『水脈を聴く男』(2022年)が、2023年度のアラブ小説国際賞(International Prize for Arabic Fiction)を受賞し、一躍注目を集める。 ⼭本薫 慶應義塾⼤学総合政策学部准教授。東京外国語⼤学外国語学部アラビア語学科卒業、東京外国語⼤学博⼠(⽂学)。専⾨はアラブ⽂学。訳書にエミール・ハビービー『悲楽観屋サイードの失踪にまつわる奇妙な出来事』(作品社、2006年)、アダニーヤ・シブリー『とるに⾜りない細部』(河出書房新社、2024年)など。 マイサラ・アフィーフィー(Maisara Afifi) エジプト出⾝。カイロ⼤学卒業後、1996年に来⽇。通訳者として働きながら、平野啓⼀郎『⽇蝕』、村上春樹『騎⼠団⻑殺し』ほか、森鴎外、太宰治、三島由紀夫らの⽇本語⼩説をこれまでに約20冊、アラビア語に翻訳している。 -
すてきなモンスター:本のなかで出会った空想の友人たち
サルマン・ラシュディ推薦! ドラキュラ、アリス、赤ずきん、ファウスト、スーパーマン……古今東西の伝説や文学作品に描かれた登場人物たちをめぐる、『図書館 愛書家の楽園』の著者による最新エッセイ集。 タイトルは「はしがき」の冒頭、『鏡の国のアリス』のユニコーンとアリスの会話に出てくるFabulous Monstersより。著者が子供の頃から心惹かれてきた童話、小説、神話、伝承に登場するモンスター=異形の、もしくは人間離れした、あるいは一筋縄ではいかないキャラクターたちと、その背後に広がる驚くべき文学世界が綴られる。 「人は同じ本を二度読むことはない」とは、時間についてのヘラクレイトスの警句をもじったものだが、作者によって生命を吹き込まれた登場人物たちは、私たちが読み返すたびにページを通して新たな真理を見せてくれる。それぞれのキャラクターが帯びる普遍性に気づかされると同時に、各章で言及される数々の作品も読んでみたくなる。ホールデンではなく妹のフィービー、ハックルベリー・フィンではなく逃亡奴隷のジム、孫悟空ではなく沙悟浄、ハイジではなく祖父に注目するなど、独特の視点も魅力。装画と各章のイラストは著者自身が手がけたもの。 [目次] はしがき ムッシュー・ボヴァリー 赤ずきんちゃん ドラキュラ アリス ファウスト博士 ガートルード スーパーマン ドン・フアン リリス さまよえるユダヤ人 眠れる森の美女 フィービー 性真 逃亡奴隷ジム キマイラ ロビンソン・クルーソー クィークェグ 独裁者バンデラス シデ・ハメーテ・ベネンヘーリ ヨブ カジモド カソーボン サタン ヒッポグリフ ネモ船長 フランケンシュタインの怪物 沙悟浄 ヨナ 人形のエミリア ウェンディゴ ハイジのおじいさん かしこいエルゼ のっぽのジョン・シルヴァー カラギョズとハジワット エミール シンドバッド ウェイクフィールド 謝辞 訳者あとがき 出典 -
スペイン文学案内
日本ではあまり知られてこなかったスペイン文学の豊饒な世界を案内するハンディーな文庫版文学史.全体を二部構成とし,I「スペイン文学の動向」では文学史の流れを簡潔に概説し,II「主要な作家と作品」では,セルバンテス,ケベード,カルデロン,ガルシア・ロルカその他にスポットを当て,それぞれの特色と魅力をわかりやすく伝える.※この電子書籍は「固定レイアウト型」で作成されており,タブレットなど大きなディスプレイを備えた端末で読むことに適しています.また,文字だけを拡大すること,文字列のハイライト,検索,辞書の参照,引用などの機能は使用できません. -
ズリイカ・ドブソン 20世紀イギリス小説個性派セレクション3
世界的に有名な奇術師で、どんな男性も一目で虜になる魅力の持ち主ズリイカ・ドブソン嬢。自分に惚れる男性には恋心を持てない彼女が、たった1人自分になびかなかった公爵に恋をするが……。 -
正義の弧
未解決事件班の責任者になったバラードはボッシュをチームに引き入れる。 優先すべきは約三十年前の女子校生殺人事件だったが、ボッシュは夫婦と子ども二人が砂漠に埋められた一家殺害事件に 没頭して言うことを聞かない。 班員には事物に触れて見えない事情を感じるという共感能力者もいてバラードを困らせる。 ハリー・ボッシュとレネイ・バラード共演第4弾。 「年間最高傑作の一冊として、読みだしたら止まらない体験を読者にもたらしてくれる」 ──リアル・ブック・スパイ 「マイクル・コナリーは本書で頂点を極めた。簡潔明瞭な文体が登場人物の行動を促し、ロサンジェルスのリアルな街並みと荒涼とした美しい砂漠に読者を誘う。本作は胸を締めつける最後の意外な展開もあって、必読の書である」 ──アップル・ブックス・2022年11月のベストブック 「長年のボッシュ・ファンは、本作のみごとなフィナーレのあとで、ため息を漏らすだろう」 ──ブックリスト星付きレビュー -
精神の生活
この痛みを何と呼んだらいいのか? 「流産」というテーマを克明かつ赤裸々に描いた傑作小説。 このままならない身体とのつきあい方を、誰も教えてくれない。トイレの個室で不安をひとり抱きしめているひとがいる。そこで何が起こっているか、あなたは本当に知っているだろうか。────────永井玲衣(哲学研究者/『水中の哲学者たち』) この痛みを何と呼んだらいいのか? 「流産」というテーマを克明かつ赤裸々に描いた傑作小説。 不安定な地位にある大学非常勤講師のドロシーは、図書館のトイレで出血を確認する。流産したことを親友にも母親にも打ち明けることはできない。大学で講義し、セラピーに通い、産婦人科を訪れるが、どこにいても何をしていても世界から認めてもらえない気がしてしまう。3月の終わりからの1ヶ月半、予測不能なキャリアのなかで、自分の身体に起きた「流産」という不可解な出来事と知性によってなんとか折り合いをつけていく。 「TIME」年間トップテン・フィクション(2021年)選出! 【目次】 三月の終わり その翌日 五日後 数週間後 翌週の土曜の夜 十日後 日本の読者への手紙 訳者解説 【著者】 クリスティン・スモールウッド 2014年にコロンビア大学で英文学の博士号を取得し、これまで5本の短編小説をThe Paris Review、n+1、Vice などの文芸誌で発表している。また数多くの書評やエッセイをThe New Yorker、Bookforum、The New York Times Magazine、Harper’s Magazine 等に寄稿する批評家でもある。現在、ブルックリンに夫と二人の息子と住んでいる。 佐藤直子 東京都内の大学で非常勤講師として英語を教えている。現代アメリカ小説における「偶然性」のテーマに関心がある。 -
西部放浪記
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 トウェインが銀鉱採掘ブームにわく西部のネヴァダへ向け兄と共に出発するところから始まる本書は、カーソン、ヴァージニア、サンフランシスコ、ハワイと5年半にわたる旅で見た西部の自然と生活を文学者の眼で鋭く描く。本邦初の完訳。 -
世界が生まれた朝に
マンクンク、おまえは破壊者だ! 訳者・高野秀行が学生時代に出会い、誰に頼まれたわけでもなく訳してしまった、魅惑の書 これぞまさに世界文学が待望していた小説――野崎歓(解説より) 「《力》と、《力》に敬意を捧げる夕ムタムをひっくり返す者」と運命づけられ、大河に、氏族の王に、植民地支配の異人に、そして、自分の社会そのものに挑んでいった永遠の革命児マングラ・マンクンク。 コンゴのとあるバナナ畑で孤独な生を受け、《知》と《力》を追及し、長じては偉大な「ンガンガ」(呪術師)となった男が、半世紀に及ぶ試練の旅を乗り越えて、最後に見たものとは……。 神話的世界から、急激な近代化による矛盾まで、一人の人間の一生を通してアフリカ共通の歴史を描き出す、アフリカ版「百年の孤独」 -
世界で一番美しい声
ブリー・プレスコットは、父親と自分を襲った恐ろしい事件のせいで心に深く傷を負い、逃げるように故郷を離れてメイン州にある湖畔の町ペリオンへとやってきた。 新しい環境で人生をたてなおそうとするブリーを、周囲の人びとは温かく支える。そんななかブリーは町で偶然、アーチャーという若者と出逢う。彼もまた、過去の事件でひどい傷を負い、苦しみを抱えて孤独に生きてきた人間だった。 二人は友情をはぐくみ、やがて惹かれあうが―甘美なラブシーンに彩られた純愛ロマンスの傑作登場! -
世界でいちばん弱い妖怪
ヤバイやつらが続々襲来! どうする人類? 「驚かないで! ぼく、ほんとに弱いの。殺したりしないでね」。命乞いする落ちこぼれ妖怪に、「プルスマ、プルスマナス」と呪文をつぶやく謎のエイリアン。さらには人間からダシをとりたい妖怪世界の料理人から、あがり症の新米悪魔まで。ヤバイやつらがゾクゾク襲来! どうする人類? ◆表題作「世界でいちばん弱い妖怪」 人間界に落ちてきた妖怪は、警官に取り囲まれるなり、開口一番、救いを求めた。「ねぇ待って! 撃たないで! 一発で、ぼく死んじゃう」。妖怪には足がない。歩けない。震えながら取引をもちかける。「君たちがぼくを生かしてくれるなら、ぼくも自分の妖術で人間を助けることができるよ」。妖怪に食べられると肛門から出るころには若返るという。実際に妖術が成功すると、若返りを求めて人びとが列をなした。人類と妖怪の共存だ。しかし約1万人が青春を取り戻したころ、のみこまれた人が死んでしまう事故が起こり…… くすっと笑えて、時々ドッキリ、最後に沁みるショートショート18編。 人気イラストレーターのクイックオバケの挿画もたくさん入って、ページをめくるだけで楽しめる。朝読やすきま読書にもオススメです。 -
世界で最後の花
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 日本国際児童図書評議会「おすすめ!日本と世界の子どもの本 2025」選定図書 第十二次世界大戦が起きた世界。文明は破壊され、町も都市も、森も林も消え去った。残された人間たちは、ただそのへんに座りこむだけの存在になりはてた。ある日、ひとりの若い娘がたまたま世界に残った最後の花を見つけます。その花をひとりの若い男と一緒に育てはじめます。すると……。なぜ人間は戦争を繰り返すのか? 第二次世界大戦開戦の直前に描かれた、平和への切実な願い。世界的ロングセラーを村上春樹の新訳で復刊。 -
世界の名作を読む 海外文学講義
時を超え、世界中で読み継がれる文学の古典は、21世紀を生きる私たちにとってなお身近な感覚や切実な問いを突きつけている。 『ドン・キホーテ』『罪と罰』『ボヴァリー夫人』『失われた時を求めて』などの大作から、チェーホフやカフカ、メルヴィルの短篇まで、フィクションを読む技法と愉しみを知りつくした4人が徹底解説。 放送大学でロングラン9年の大人気講義に原典の名訳・新訳を交えて再構成した、海外文学案内の決定版。 ※本書には、紙版の第16章に収録されている下記3作品の抜粋は、版権上の理由により収録されておりません。 イタロ・カルヴィーノ『魔法の庭』 (和田忠彦訳) イタロ・カルヴィーノ『楽しみはつづかない』 (和田忠彦訳) イタロ・カルヴィーノ『ある夫婦の冒険』 (和田忠彦訳) -
世界文学を継ぐ者たち 翻訳家の窓辺から
十九世紀、文豪ゲーテは「世界文学の時代が到来した」という名言を遺した。そして現在、世界の多極化を映し出す「バベル後の光景」から、新たな文学地図が描かれている。村上春樹や吉本ばなながイタリアの街を闊歩し、イギリス国籍の日本人作家カズオ・イシグロが、かの地の精神的風土を英語のキャンバスに描き出す。多くの作品を翻訳し、最先端の翻訳理論に通暁した著者が、旧植民地からの声や、ホロコーストの沈黙から芽吹いた言葉に耳を澄まし、「悲しみから生まれた希望」を標す五つの作品を取り上げた。二十一世紀の世界文学案内。【目次】プロローグ/序章 歴史のクレバスと現代の創世記/第一章 自分を語り、他者を語る――エヴァ・ホフマン『記憶を和解のために――第二世代に託されたホロコーストの遺産』/第二章 未来への記憶――アン・マイケルズ『儚さのかけら』/第三章 現代の神話――アルンダティ・ロイ『小さきものたちの神』/第四章 漂泊の果て――記憶の回復――マフムード・ダルウィーシュ『忘却への記憶――一九八二年 ベイルート 八月』/第五章 「不思議なもの」との友情――デイヴィッド・アーモンド『スケリグ』/結び――世界文学への応答/関連図書リスト――この先へ進みたい読者のために -
世界名作名訳シリーズ
『レ・ミゼラブル』の明治日本における。〝リメイク版〟 黒岩涙香は『レ・ミゼラブル』という大河小説から、戎瓦戎(原作ではジャン・バルジャン)、蛇兵太(ジャビール)、手鳴田(テナルディエ)という3人の個性的な男の絡み合いと対決をストーリーの主軸として浮かび上がらせている。さらに注目すべきは涙香によって再創造された手鳴田の人物像である。戎瓦戎にまつわるすべての真相がこの悪党によって明らかにされていく最後の場面の訳文は冴えわたり、涙香が編み直したこの物語を、手に汗握る緊張度を持続したまま終結にまで導く。 【目次】 (一)一人(にん)の旅人(りよじん) (二)其家(そのいへ)を窺(のぞ)き初めた (三)高僧と前科者 (四)銀の皿と、銀の燭台(しよくだい) (五)神の心と云ふ者だ (六)寝台(ねだい)の上に起直(おきなほ)り (七)社会(しやくわい)の罪 (八)恍(くわう)とした見惚(みと)れた (九)恐る可き分岐点(ぶんきてん) (十)愚と云はふか、不幸と云はふか (十一)甚(ひど)いなア、甚(ひど)いなア 作品案内/村瀬巷宇 【著者】 ビクトル・ユゴー 1802年〜1885年。フランス・ロマン主義を代表する詩人・小説家・戯作家。10代で詩人としてデビュー、国王ルイ18世に認められるなど早くから頭角をあらわす。1831年に『ノートル=ダム・ド・パリ』、1862年にフランス文学界の頂点といわれる『レ・ミゼラブル』を発表。 黒岩涙香 1862〈文久2〉年〜1920〈大正9〉年。高知県生まれ。本名は周六。ジャーナリスト、翻訳家、文筆家。大坂英語学校に学んだのち17歳で上京、慶応義塾中退。『絵入自由新聞』、『都新聞』などの主筆を歴任、次々と翻訳小説を連載し好評を博す。30歳(1892年)で「万朝報《よろずちょうほう》」を創刊。同紙に『鉄仮面』『巖窟王』『噫無情』など翻訳小説を発表する。 -
赤道に沿って
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 事業に失敗したトウェインは借金返済のため一年間にわたる世界講演旅行に出かける。その訪問先はフィジー、オーストラリア、ニュージーランド、セイロン、インド、南アフリカである。好奇心旺盛な彼はここでも鋭い観察力を発揮する。本邦初訳。 -
戦争と平和
アレクサンドル1世、ナポレオン、クトゥーゾフといった実在の人物や歴史的事実の間に、自己の創造した人物を自在に配して、二度にわたるナポレオン戦争の時代を生きた人々の運命を描いた記念碑的作品。貴族社会の俗悪さを軽蔑しきり、自らロシアのナポレオンになろうという野心に燃えて戦場に赴くが、アウステルリッツで負傷し、悠久の空以外すべてはむなしいと自覚するアンドレイ公爵。美しい妻エレンの不貞の後、フリーメイソンに精神の救いを求め、これにも幻滅、ボロジノー戦で初めてロシア民衆のもつ巨大なエネルギーに心打たれるピエール伯爵。小説はこの二人の青年を中心に、あけっぴろげな魂をもつ天真爛漫な少女ナターシャ、信仰心あつい女性マリヤなど、多くの人々の愛と悩みが描かれる。登場人物の数559人! 全4編およびエピローグからなるこの大長編歴史小説で、トルストイは主要な作中人物に託して、自己の世界観や歴史観、さらには民衆観を展開し、歴史的事件を決定するのはそれに参加した民衆すべての意志の総和であるという独自の哲学を打ち出している。世界文学に高峰のようにそびえる絢爛たる絵巻物。 -
戦争の犬たち【上下 合本版】
独裁者が恐怖政治を敷く西アフリカの新興国に、世界をゆるがすプラチナ鉱脈がある――。その情報を知ったイギリス大資本の会長ジェームズ卿は、ある陰謀を思いつく。ほどなくパリに住む傭兵シャノンのもとへ卿の使者が送られた。巨額の報酬と引きかえに提示された依頼は、軍事クーデーターをおこし、大統領を抹殺することだった。経済格差、東西の対立、独裁など、虚実交えて世界の情勢を見事に昇華させた巨匠フォーサイスの真骨頂。1981年に刊行された文庫に、新たに校正を加えた形で電子版のみ発売。 ※本作品は『戦争の犬たち』シリーズ全2巻を収録しています。 ※本商品は1冊に全巻を収録した合本形式での配信となります。あらかじめご了承ください。
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