国内小説作品一覧
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3.0いとうせいこうさん カズレーザーさん W推薦! 「そんなアホな。でも、そんなアホな、なんやで。」 壮絶な妄想かドキュメントか――。 日本を代表する放送作家・倉本美津留による渾身の処女小説。 人はどんな時代でも駆け抜け直せる。小説によって。 ――いとうせいこうさん 妄想止まらぬアホの一代記。だけど、いつの時代も妄想するアホが世界を動かしてきた。 ――カズレーザーさん (以下、概要) 「世界を救うのはおれしかいない!」。 尋常ならざるほどの強烈な「思い込み」の強さをもつ後藤誉。 ある人物の生まれ変わりだと“確信”したときからその人生の歯車は壊れるほど強烈に回りだし……。 妄想かドキュメントか。実際に起こったカタストロフィとともに、アートの力、思い込みの力を描き切った感動作。 【著者プロフィール】 倉本美津留 (くらもと みつる) 放送作家。 「EXテレビ」「ダウンタウンのごっつええ感じ」「伊東家の食卓」「たけしの万物創世紀」「HEY!HEY!HEY!MUSIC CHAMP」「松本紳助」「M-1グランプリ」「ダウンタウンDX」「浦沢直樹の漫勉」「シャキーン!」ほか、数々のテレビ番組を手がける。 著書に、『ことば絵本 明日のカルタ』(日本図書センター)、『ビートル頭―ビートルズの使い方 世界をビックリさせつづけるクリエイティブの本質』(主婦の友社)、『倉本美津留の超国語辞典』(朝日出版社)、『笑い論』(小社刊)、『パロディスム宣言』(美術出版社)など。
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4.0破天荒な陶芸家の祖父との交流と、26歳にして訪れた初恋に、笑って、笑って、少ししんみりして、そして心が温まる。 疾走感溢れる筆致でユーモラスに描く、鬼才・戌井昭人の真骨頂にして新境地を拓く、至極の長篇大衆小説。 *これぞ、生きてる実感!! 《高橋久美子/作家・作詞家》 *「カツ丼くだしゃい」とギターで唄う煙の少女。 《大森立嗣/映画監督》 *戌井昭人が多様性を描くとこーなる。最高の「ダメ」人間賛歌!! 《伊賀大介/スタイリスト》 *オイ! この壺、口が塞がってるし、おまけに底が抜けてるぞ! いい加減にしろ!! 《髙城晶平/cero》 *何事もなかったかのように世界は大変容し人は寝首をかかれ動物たちは腹をかかえて笑う。 《湯浅 学/音楽評論家》 *壺の中身は……戌井さんのお父さんがいると思います。お父さんが入るような大きい壺かはさておき、とにかく中身はお父さんなのです。 《浅田政志/写真家》 *絶体絶命の危機に陥った勝田繁太郎は壺の中に逃げ込んで――。ついに鬼才の手でハクション大魔王誕生秘話が明らかに! 《豊崎由美/書評家》 *彼のゴツゴツした手の印象から、採石場などの労働者に近いものを感じて、どうしてもテレビの『はたらくおじさん』を鑑賞している気分で接している人を見かけますが、それはぜんぜん間違っています!! 《中原昌也/作家》 ※上記の各コメントは、「タイトル」「あらすじ」「鉄割アルバトロスケットの舞台上の戌井昭人氏のイメージ」をヒントに、好き勝手にお寄せいただいたものです。本作がどのような物語であるかは、ぜひページをめくってお楽しみください。 《あらすじ》 数々の事業を立ち上げて財を成した曽祖父、高名な陶芸家として知られる祖父、考古学者で大学教授の父。そんな一家にして勝田繁太郎(26歳)は、趣味もなく、働く意欲もなく、恋人もいない、ただのんびり平穏な生活を過ごすことが楽しみな男だった。いつもピントがずれていて、人に気を遣えず、仕事でミスをくり返しても微塵も気にしないマイペースさゆえ、周囲からは疎まれていた。 しかし、祖父・繁松郎だけはそんな繁太郎の人間性を気に入り、ことのほか愛情を注いでいた。それは、繁太郎の陶芸の才覚を見出し、後を継がせたいと考えていたためでもあった。祖父はことあるごとに繁太郎の世話を焼き、興味を引き出そうと試みるものの、当の本人にはまるでその気がない。 そんなある日、祖父とともに銀座の高級クラブ「ギャランコロン」を訪れた繁太郎は、そこのホステス・ミナミに出会う。ミナミが繁太郎に好感を持っていることを察した祖父は、繁太郎とミナミをくっつけようと、繁太郎とミナミ、そして自分とクラブのチーフママであり愛人の蘭の4人で茅ヶ崎にある別荘へ旅行する計画を立てる。繁太郎以外の3人は楽しみに胸を膨らませるが、果たして祖父の思惑どおりに事態は進むのか? そして、繁太郎の成長のときは果たして訪れるのか——。
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4.3倫理もなく、理屈もない。奇妙な出来事が、ただそこにある――。 初々しい新婚夫婦。しかしふたりは、たがいに秘密を抱えていた。そして男はなぜ新婚旅行先に忌まわしい思い出が残る旅館を選んだのか。旧い結婚観が招いた悲哀劇(表題作)。 新発見の感染症の手がかりを追う保健所の職員は歪んだ虹色の世界を覗き見る(「蟻の塔」)。 アメリカで妊娠した修道女は、日本で病床にある教主とのあいだにできた御子だと主張するが……。果たして、彼女が語るのは奇蹟か幻想か(「聖女」)。 女の生涯には、常に蟻が這い回っていた(「蟻の声」)。 光に眩み、闇に溺れる。罪を犯して贖いて、果てに待つのはおぞましくも美しき混沌の世界。地獄極楽板一枚。ただひたすらに、酔え、惑え。 文庫初収録三篇を含む、江戸川乱歩賞作家円熟期の短篇集。
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3.0人気アニメ『文豪ストレイドッグス』等にも登場し、知名度抜群の文豪「泉鏡花」だが、実際は、その(大変な美文ながらも)少々歯ごたえのある文体から、多くの挫折者を生み出してきたのもまた事実。 しかし、芥川龍之介らと同時代に大人気を博した、その文学の価値、人情噺の魅力は、現代においても比類がないものがある。 その泉鏡花作品が、本当に読みやすく、味わい深い、白水銀雪氏の現代語訳で、令和の現代に蘇った! 訳文は、秋山稔先生(金沢学院大学学長・泉鏡花記念館館長)が一文一文まで完全監修。 面白くてたまらない、そして切なく心に沁みる、泉鏡花の観念小説・人情噺の世界を、ストレス0で、お楽しみください。泉鏡花入門のための一つの大きな選択肢として――泉鏡花没後80周年記念企画・第二弾。 収録作品:外科室、歌行燈、琵琶伝、清心庵、義血侠血、婦人十一題、若菜のうち/作品解説:秋山稔 ●秋山 稔:金沢学院大学学長・泉鏡花記念館館長 ●白水銀雪:慶應義塾大学大学院博士課程中退(専攻:数学)。システムエンジニア・プロジェクトマネージャー・コンサルタントとして、宇宙分野を中心とする科学技術系システム開発に従事。現在、蓼科にて山暮らし
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4.0蠱毒(こどく)の小説集 開けば毒に包まれ 読めば笑いと戦慄で震え…… 筒井康隆の小説は蠱毒である。 読めば強烈なショックを受け、その面白さに侵される。 巨大な権力を握った某国営放送の腐敗と恐怖を描き、 一読すれば受信料を払わずにはいられない「公共伏魔殿」、 諸事情によりここにはあらすじを書けないもうひとつの表題作「堕地獄仏法」、 ロボット記者たちに理路整然と問い詰められた政治家がパニックになり、 無茶苦茶な答弁をしてしまう「やぶれかぶれのオロ氏」、 大学生と予備校生の喧嘩が殺し合いにまで発展してしまう「慶安大変記」など初期傑作短篇16作を収録。 ひとの愚かさが変わらないかぎり、筒井康隆の小説は面白い。 つまり、筒井康隆の小説は永遠に面白いのである。 編者解説:日下三蔵 【収録作品一覧】 「いじめないで」(「NULL」10号/1964年1月) 「しゃっくり」(「SFマガジン」1965年1月号) 「群猫」(「別冊宝石」1963年9月号) 「チューリップ・チューリップ」(『東海道戦争』早川書房/1965年10月) 「うるさがた」(「SFマガジン」1965年5月号) 「やぶれかぶれのオロ氏」(「NULL」7号/1962年7月) 「堕地獄仏法」(「SFマガジン」1965年8月増刊号) 「時越半四郎」(「話の特集」1966年11月号) 「血と肉の愛情」(「メンズクラブ」1966年7月号) 「お玉熱演」(「話の特集」1966年6月号) 「慶安大変記」(「SFマガジン」1967年10月号) 「公共伏魔殿」(「SFマガジン」1967年6月号) 「旅」(「SFマガジン」1968年2月号) 「一万二千粒の錠剤」(「週刊プレイボーイ」1967年8月15日号) 「懲戒の部屋」(「小説現代」68年6月号) 「色眼鏡の狂詩曲」(「小説現代」1968年4月号) あとがき(『東海道戦争』ハヤカワ・SF・シリーズ)
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-※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 2020年前期のNHK朝のテレビ小説「エール」は、生涯に5000曲以上を作曲し、「国民的音楽家」と呼ばれた古関裕而氏とその妻・金子氏をモデルにしたドラマです。本書は、裕而・金子夫妻が歩んだ実際の人生を、エピソードと自身の言葉・写真でたどるもので、監修者は、夫妻の長男・正裕氏。とっておきのエピソードはもちろん、正裕氏所蔵の貴重な写真や手紙、資料などで夫妻の人生をわかりやすく紹介。また、正裕氏のインタビューも掲載します。
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3.0人気アニメ『文豪ストレイドッグス』等にも登場し、知名度抜群の文豪「泉鏡花」だが、実際は、その文体の難しさから、多くの挫折者を生み出してきたのもまた事実。しかし、芥川龍之介らと同時代に大人気を博した、その文学の価値、怪異・幻想譚の魅力は、現代においても比類がないものがある。その泉鏡花作品が、本当に読みやすく、味わい深い、白水銀雪氏の現代語訳で、令和の現代に蘇りました! 訳文は、秋山稔(金沢学院大学学長・泉鏡花記念館館長)完全監修。面白くてたまらない、そして切ない、泉鏡花の怪異・幻想の世界を、ストレス0で、お楽しみください。収録作品:龍潭譚(りゅうたんたん)/高野聖(こうやひじり)/天守物語/眉(まゆ)かくしの霊(れい)/雛(ひな)がたり/絵本の春/妖僧記(ようそうき)/作品解説:秋山稔 ●秋山 稔:金沢学院大学学長・泉鏡花記念館館長 ●白水銀雪:慶應義塾大学大学院博士課程中退(専攻:数学)。システムエンジニア・プロジェクトマネージャー・コンサルタントとして、宇宙分野を中心とする科学技術系システム開発に従事。現在、蓼科にて山暮らし
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5.0デパートの宝飾売場に出かけた僕は、ある女の子と出会う。真帆と名乗った彼女から、祖母そして父親との奇妙な思い出話を聞く。その思い出を辿り富山の港町に旅立つのだが……。過去と現在、ネガとポジが入れ替わるひと夏の旅に出る物語(「サマートリップ」)。表題作ほか、青春の追憶と哀しみを描く「いない」、絶望が忍び寄る街で希望を求める男女を描いた「はじける」など恋愛にまつわる二作を収録。
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-この春、一番泣きたい感動作! 2019年3月公開、話題の映画「ソローキンの見た桜」を完全ノベライズ! ――日露戦争時代のロミオとジュリエット―― 日露戦争のさなか。愛媛・松山に設けられた捕虜収容所を舞台に、ロシア兵将校ソローキンと、日本人看護婦ゆいが織りなす壮大な愛の物語。決して許されることのない恋の行方は? そして、100年後の現代までとつながる絆とは――? 第1回放送文化大賞 ラジオ・グランプリに輝いたラジオドラマ「~松山ロシア人捕虜収容所外伝~ ソローキンの見た桜」を映像化した映画。主演に阿部純子。共演に斎藤工、イッセー尾形、ロシアからはロデオン・ガリュチェンコ、アレクサンドル・ドモガロフといった実力派俳優が揃った日露合作映画をノベライズ。 本当に、こんな心の交流が、こんな恋があったのかもしれない……。史実に着想を得た、感動の物語です。
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4.5彼女を想うと、僕はいつでもはじめに、あの真っ白な月のことを思い出す――『彼女が好きなものはホモであって僕ではない』の浅原ナオトが瑞々しく描く、これ以上ない熱くて切ない、僕たちの青春。その夏、いつもブルーハーツの曲が流れていた……。 「月に人が住む王国があるの、知ってる?」――青春を無防備に過ごすヒロトの前に現れた一人の少女。何でも自分は月の王国の女王の娘で、間もなく月に帰らなければならないという。しかし、現実にはそんなことはあるはずもなく、何か事情がありそうで……。謎の少女に逆ナンされた少年と、特別な友情で結ばれた中学生たちが織りなす、卒業までの青春の熱きかけがえのないひと時。中学卒業と一緒に、僕たちは何を卒業するのだろう……。話題作『彼女が好きなものはホモであって僕ではない』の浅原ナオトが描く、誰も見たことのない感動の青春群像劇。
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4.0「キャプテンは、」 耳の奥がきんとした。 「大地にお願いしたい」 背筋は伸びきったまま、制止した。息も止まった。周りがかすかにざわついた。 そのざわつきを押さえるように、「はい!」 威勢のよい声が、後ろからまっすぐ飛んできた。 「よし。大地、頼んだぞ」 「そうだ、周斗。キャプテンマーク、あとで大地にわたしといてくれ」 ずっとつけていたサッカーのキャプテンマークを、他のチームから移籍してきた大地に渡さなくてはいけなかった周斗。くやしくて、チームメイトからも孤立してしまう。自分がいやになっていた周斗が出会ったのは古ぼけた時代遅れの銭湯だった。あさのあつこ氏の推薦デビューの著者が描く、切なく温かい感動の物語。
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-〔本文より〕 初めて会って以来一途に思い続け、一時も由布子のことが心から離れなかった…。 〈男子みんなが憧れているあの高嶺の花の由布子が、あのお姫様が、何と、この自分を本当に思っていてくれている。ああ、こんな幸せ、本当にあるのだろうか? 夢ではないだろうか?〉 足が地から浮き上がり、のぼせ上がって有頂天に…。自分のために世界がある…。もう何も怖いものは無い。何でも出来るような不思議な力が湧いてくる。…美しいヒロインを恋人に持つ映画の主人公になったような気分でもある。 どんな言葉を使っても表現し尽くせない心情。決して大袈裟ではない。 こんな満ち足りた幸せが訪れ…高揚する気分になれることも人生にはあるものなのだ…しかも教室で…授業中に…こんな気持ちになれるなんて…学校へ行くのがこれほど楽しいとは…。 晶彦は生まれて初めて、天にも舞い上がるような幸せ感に包まれた。そして、いつまでもこんな気持ちでいられたら…と、祈る思いである。 (中略) 恋うひとに 思われている 幸夢心 (中略) 駅に近付いて、晶彦はハッと一人の女子学生の姿に心を奪われ、視線が彼女を追った。その姿はうららかな陽光を浴びて、人混みとともに駅の中へと消えて行った。晶彦は視線を逸らさず、ただその場に佇んでいた。 出張のことで頭がいっぱいで、一時潜んでいた由布子の存在が、ひょっこり晶彦の心に戻って来た。あの笑顔、明るい声、仕草、そして、教室での彼女など、数々のシーンが、次々と輝き始め、あの至福のステージが蘇ってきたのである。 「どうなさったのですか」 肩を叩く優しい女性の声が聞こえた。 「いえ、何も」 そう応えたものの、同じ所に佇んだまま思いの外、時間は経過していて、目は涙で潤んでいた。最高に幸せな思い出は、最高の辛さにも変わるのである。 いつしか新幹線の窓際のシートに座っていた。晶彦は顔を窓の方を向けている。涙が溢れ出て止まらない。晶彦はまだ、あの至福のステージの中にいた。由布子は咲き始めた花のように、瑞々しいまま微笑んでいる。しかし現実の晶彦の側に、彼女はいないのだ。 髪がたや 似た後ろ影 心を突き なお治まらぬ 鼓動… と、まで詠んだ。しかし、後が定まらない。 悲しくて、切なくて、そして、儚く、空しい思いが入り乱れ、愛しさが止めどなく込み上げてきて、渦を巻いているのである。
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-スキー場の山荘はオイルショックのため未完成で、内外装はおろか床は土のまま木くずが散乱している。そんな中で男女は出会い、二人は楽しみを見つけ、正月休みを過ごす。男は大阪、女は名古屋。付き合ううち恋人の親が経営する会社や家が窮地に陥り、男は全てを捨て名古屋に駆けつける。命を賭け、恋人のため会社の再生に尽くす。会社再生後、恋人の兄に会社を託して一人会社を去り自分の道へ進んでいくが、無理を重ねた男は病に倒れ、人生は思わぬ展開へ…。 〔本文より〕 姫が勘助を困らせることをしても、無理を言っても、温かく見守って、報われるあてのない愛をますます募らせてゆく…。 「女性の美しさは、時には男の魂を変えてしまう悩力を持っているんやな…“のう”は悩む方の…勘助のあのような愛し方も何だか切なく…ロマンが溢れていて…由布姫の美しさとともに印象に残っているのです。ま、これらの内容は、僕の欲求的想像も手伝って、作品よりドラマチックに記憶している感も強いですが…」 「でも、あなたも由布姫さまに恋しているみたい…私、何だか嫉妬している気分」 (中略) 「写真を撮る人は今のうちに撮っておいて下さい。明日は早立ちします。槍や穂高も朝は日陰になってシルエットだけになりますから…それから、山の名称は左から、西鎌尾根、槍ヶ岳、中岳、南岳、大キレット、北穂高岳、唐沢岳、奧穂高岳、西穂高岳…」 指を差しながら美紀は細かく説明してから、付け加えた。 「ここからは見えませんが、槍ヶ岳の北側には急峻な北鎌尾根、東側には東鎌尾根が有ります…上高地は西穂高岳の山向こうの丁度この方向です」 この時、太陽はほぼ南南西にあって、突き上がった槍の穂先や連山の稜線から続いている数々の尾根、谷、沢のヒダは、色々な陰影を作り、見事な立体感を醸し出しながら急峻な深い谷へ落ち込んでいる。しかし穂高連峰と鏡平の間には標高約二四四〇 メートルの奧丸山や中崎尾根があるので谷底までは見えない。 幸いにも空は青く、稜線との対比も美しい。この連山の稜線や山肌は、大小の岩がむき出しで、大きな起伏が多い。丸みの少ない鋭い岩肌は北アルプスの特徴で、険しい雄姿を誇示し、とりわけ大キレットや北穂高岳はより急峻に見える。ともかく雄大である。
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4.0今日は食べます?仕事を終えて、気持ちよく美味しい晩飯を食べよう。芦屋の古い一軒家に暮らす眼科医の遠峯、そこに転がり込んできた高校時代の後輩・白石。小説家になっていた白石は、スランプだという。気分転換しに来ましたという彼と突然始まった同居は、なかなかに快適で……。事情説明の焼肉、男飯な弁当のみそ炒り卵、誕生日祝いで前菜がメインな中華コース、脱稿明けの分厚いハムとふわふわ卵の贅沢サンドイッチ、コロッケが乗った遠峯の「理想のカレー」、気分転換の単調作業で白菜と豚肉のミルフィーユ鍋、遠峯の帰省土産ジンギスカン、白石の人生初フォアグラ様、そうそう、甘党の遠峯はデザートも欠かせない。くりきんとんにモンブラン、クリームパンに桜餅──。ご飯が美味しければ、一年なんてあっという間。椹野先生のお気に入りがいっぱい! 美味しい歳時記。
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3.05分27秒の楽曲が7万7千の文字に転成! スネオヘアーによる書き下ろし小説『カナシミ』 これまでに多数のアルバムを発表してきた傍ら、YUKIさん、新垣結衣さん、坂本真綾さんらへの楽曲提供やサウンド・プロデュース、サントラ/CM音楽の制作や映画出演などでも幅広く活躍中のスネオヘアーさん。彼が、自らの代表曲「悲しみロックフェスティバル」をもとにして小説を書き下ろしました。5分27秒の楽曲が、心に染みる泣き笑いの7万7千字に転成したのです。 ◎内容紹介 大学の卒業式を目前に控えた時期、田辺高次は東京に引越してきました。音楽での成功をなんとなく夢見ていますが、これといった活動をしないまま、怠惰な日々を送ります。そんな時に現れたのがカナシミです。高次を導くかのように、あるいはもてあそぶかのように、カナシミは自在に振る舞います。高次はカナシミに反発しつつも、やがて惹かれていくのですが……。
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3.0【NHKオーディオドラマ FMシアター「光点」、2019年1月5日 午後10時~全1回放送!出演:石井杏奈、森口瑤子ほか】汚れた手で彼に触った、どうしたいのかもわからないまま。工場しかない閉じられた町で暮らす実以子。中学を卒業して以来、手帳に職場の弁当工場にいく時間を記すだけの日々。自宅では母親が実以子の持ち帰るにおいに顔をしかめて、娘を追いつめる。「結局あんたみたいなのが、人に迷惑かけても顔色変えずに生きられるのよね」(本文より)。ある日実以子は「八つ山」と呼ばれる裏山で、カムトと名乗る青年と出会う。二人は共に時間を過ごすようになり、それは行き場のない者どうしのささやかな交流であったはずが……。母のいらだち、父の無関心、遠ざけられた現実――。不穏な日常をふりきり、二人が求めた光点とは。第41回すばる文学賞受賞作。
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4.52017年ノーベル文学賞受賞作家の作品の謎に迫る いちばん読みやすい解説書が登場! ! 2017年10月、突然のニュースに日本が大騒ぎになりました。 カズオ・イシグロのノーベル文学賞受賞。海外文学ファンは驚き、一般の人は「日本人っぽい名前だけど、誰?」となったのは記憶に新しいです。 そんなカズオ・イシグロの生い立ちから作品世界まで、その実像に迫る解説書ができました。 今回の受賞でイシグロのことを知った人も、『日の名残り』や『わたしを離さないで』なら読んだことがあるという人も楽しめる、イシグロ・ワールドへ読者を誘う、読みやすい1冊です。 【本書のポイント】 ・以前からノーベル文学賞受賞を予言していた専門家による解説書 ・イシグロを読んだことがない人でも楽しめます ・イシグロを読んだけど難しかった人には副読本として役立ちます ・単著なので、ムックや特集よりも内容が一貫していて深いです
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-美術大学の写真学科に通う僕は、映像学科の少し変わった女の子、小夜と出会う。彼女はなぜか、限られた人としか仲良くなろうとしない。撮ることは好きなのに、自分が撮られることは頑なに嫌がる。まるで、自分の記録が残ることを恐れるかのように。避けられていると感じながらも、僕はきみに惹かれていく。きみも、少しずつ心を開いてくれるように思えた。しかし告白した僕に、きみは言った――「誕生日まで、待って」。その時はまだ、きみが抱えている秘密を、僕は知らなかった。5つの質問が、きみを殺さなければいけないテストになるなんて、僕は知らなかった。『小説家になろう』で連載、人気を博した号泣必至のピュアラブストーリー。
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3.8叶えよ。 吾が身をもって、 吾が血をもって。 叶えよ。 叶えよ。 叶えよ――。 化生の血を引く、稀代の陰陽師―安倍晴明。 ある日、宮腹の中納言と呼ばれる帝の血を引く貴族から、禁域の沼で瀕死の状態で見つかった息子を助けて欲しいと依頼がくる。 「夢に出てきた不動明王が、安倍晴明に助けを乞えと告げた」という中納言の言葉をいぶかしむ晴明の前に、禁域の沼の主・みずちが現れ!? 辺り一面を埋め尽くす屍――そこに数多の命が在ったことすら、消えていく。 命尽きるその時、「それら」はいったい何を望んだのか。 その願いとは。その願いを聞き届ける者は、誰なのか――。 新説・安倍晴明伝第5弾!
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3.5【第157回芥川龍之介賞候補作】“四歳の私は、世界には二つのことばがあると思っていた。ひとつは、おうちの中だけで喋ることば。もうひとつが、おうちの外でも通じることば。”台湾人の母と日本人の父の間に生まれ、幼いころから日本で育った琴子は、高校卒業後、中国語(普通語)を勉強するため留学を決意する。そして上海の語学学校で、同じく台湾×日本のハーフである嘉玲、両親ともに中国人で日本で生まれ育った舜哉と出会う。「母語」とはなにか、「国境」とはなにか、三人はそれぞれ悩みながら友情を深めていくが――。日本、台湾、中国、複数の国の間で、自らのことばを模索する若者たちの姿を鮮やかに描き出す青春小説。
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3.5ハレー彗星は、宇宙をめぐり76年毎に地球へ接近して、その雄大で美しく、そして威厳のある姿を人々の前に現わします。 小説の舞台は、1910年、1933年、1986年。 そして2061年。 1910年、1986年、ハレー彗星の出現とともに恋が始まります。 1910年、天文台で出会った不思議で美しい女性、晴海。売れない小説家志望の國善。 ふとしたキッカケで麻布にある天文台で出会い、惹かれあい、すれ違う二人。 なかなか進まない晴海にかくされた謎を感じ始める國善。 時代は流れ1933年、1986年、そして次にハレー彗星が地球に接近する2061年。 晴海の謎が解かれ、再び想いが時代を超えてつながる予感が…。 ※月刊誌「月刊天文ガイド」初の連載小説「麻布ハレー」に加筆し、書籍化したものです
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3.9【第40回すばる文学賞受賞作】千景とまゆ子。高校の同級生である二人は、10年ぶりに偶然再会し、思いがけず一緒に暮らし始める。薬剤師の千景は、とある男との逢瀬を重ねながらも、定年退職した大学の恩師「先生」に心を寄せている。叔母のスナックでアルバイトをするまゆ子は、突然家に尋ねてきた「先生」の孫とカタツムリの飼育を巡り交流を深めつつ、千景をそっと見守る。すれ違いの生活ながら、長く離れていた二人の距離は徐々に縮まっていく。そんな中、高校時代の友人の結婚式が近づき、二人はかつての自分たちの深い関係と秘密とに改めて向き合うことになる。そして……? 一番近くにいるのに、わかり合えない二人。なのにもかかわらず、寄り添う二人。愛と性、心と体の狭間で揺れ動く孤独な心象風景を、瑞々しい文体で描き出す。
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5.0魚屋のおじさんに追われて飛び乗った長距離トラックで、大都会東京に運ばれてしまった子猫のルドルフ。そこで出会ったのは、大きなボス猫・イッパイアッテナ。町でもっとも恐れられているイッパイアッテナは、ひとりぼっちのルドルフに、のら猫として生きていくすべを教えます。しかし、そのイッパイアッテナにもなにか秘密があるようで……。はたしてルドルフは大好きな飼い主の元に戻ることができるでしょうか!?※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。
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4.0妖アパファンから、是非読みたいリクエストが多かった稲葉夕士の世界旅行。その過酷でファンタスティックな日々が、ここに明らかになります。古本屋と一緒の世界旅行の途中で、ラスベガスに立ち寄った稲葉夕士。そこに住む、千晶先生の兄・恵のところにお世話になることになったのだが・・・。さらに、妖アパミニガイド&るり子さんのお料理日記も収録の3冊合本版。妖アパの魅力が、とことん味わえます。
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-彼に抱かれていたい たった一夜の儚【はかな】い夢だとしても 楽園の地バリ、冬枯れの東京、ソウルと香港の美しい景観を 舞台に描く、本格恋愛小説。 彼は運命の男性? それとも… バリ島をひとり旅で訪れた37歳の「私」。 日常に疲れた心身を癒す、リゾート地を満喫していた矢先、 戦争を取材すると語り、名乗らぬミステリアスな男に逢い、惹かれる。 深夜、滞在先のホテルが大事件に見舞われ、生命の危機に晒された。 男に守られ緊迫した夜を過ごし、彼こそ運命の男性、と信じる私を残して、 男は忽然と姿を消した。心を奪い去られ、日本に戻った後、彼の訪れを待つ私の前に…。 運命の出逢いを信じるあなたへ贈る オトナの女性のための至高の恋愛ストーリー
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5.0愛、夢、金・・・何かを売るには何かを失わなければならないのでしょうか?映画、舞台、ドラマで活躍する脚本家・小説家のオリジナルの青春小説が登場! 「ぽちょん。恋に落ちる音が聞こえた。」 地方の大学を卒業後、映画監督を夢見て上京、映像制作の専門学校に入ったが、自分の撮りたいものが何か分からないままでいる学生、拓郎。 ある日、置き忘れられていたアイディアノートを見て衝撃を受ける。そのノートの持ち主は、「やばいバイト」をしていると噂されクラスの中でも距離を置かれている学生、花音。 その彼女の左腕には、顔のない「星の王子さま」のタトゥーがあった。 花音への恋に落ちた拓郎は、ベテランの映画監督の話にも触発され「映画を撮りたい」と創作意欲が湧き上がる。 そして、ある日、花音を呼び出した拓郎は… 夢に、仕事に、そして恋に、揺れ動きながら時は流れ、やがて この恋に終わりはないのかもしれない。
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3.9※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 両親の離婚により転校することになった音和。野川の近くで、彼と父との二人暮らしがはじまる。新しい中学校で新聞部に入った音和は、伝書鳩を育てる仲間たちと出逢う。そこで変わり者の教師・河合の言葉に刺激された音和は、鳥の目で見た世界を意識するようになり…。ほんとうに大切な風景は、自分でつくりだすものなんだ。もし鳥の目で世界を見ることが、かなうなら…伝書鳩を育てる少年たちの感動の物語。
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