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Posted by ブクログ
入り江に子供達は向かう。
しかし大人達は何も言わないし、後をつける事もない。
大人達はみんな、秘密基地でもあるんだろうくらいにしか思っていないし、別に問題もないだろうと共通の認識だからだ。
しかしその入り江にあるのは質屋。
おもいでを預かる質屋。
しかも魔法使いが店主なのだ。
おもいでを話して、その想い出に値段がつけられる。
その金額を子供達は手にする事ができるが、話をするとその想い出を忘れてしまう。
二十歳になる前にお金を返せば想い出はまた自分のものとなる。
そして二十歳になると魔法使いの事も忘れてしまう。
里華は魔法使いと仲良くなり、質屋に通うが想い出は一度も話したことはない。
ただ友人ってだけで。
里華の友人関係、男女関係から取り巻く環境が少しずつ繋がる。
でも魔法使いは人間に対して都合の良い魔法は使ってはくれない。
魔法って便利だけれど、それに依存するようになると魔法使いの言葉でいう「人間ではなくなる」のだそうだ。
悩み考え答えを出し、解決する方法を魔法に頼ってはダメだと言うのだ。
魔法使いの絶妙な距離の取り方は、大人と子供でも置き換えられると思った。
Posted by ブクログ
岬のはずれの一軒家に魔法使いのお姉さんが住んでいる。
そこは子供たちの想い出をあずかってくれる質屋さん。
あずけた想い出は、二十歳になる前に取り戻さないと、「ヒトデ」として海の底に沈められてしまい、
それと同時に、子供たちは魔法使いのことも忘れてしまう───。
魔法使いが言っていた、記憶と想い出の違い。
「お母さんのオムライスがおいしかった。」これは記憶。
「めったにオムライスを作ってくれないお母さんが、久しぶりに作ってくれて、すっごくおいしくてうれしかった。」これが想い出。
うん、なんとなくわかる気がします。
もしも自分なら、どうしただろう…。
齢を重ねた今、楽しいことも、悲しいことも、何もかもひっくるめて今の自分がある。
そう肯定しているつもりでも、できることなら手離してしまいたい苦い記憶もあるわけで…
悩む……。
ある日を境に、忘れられていく魔法使いが、淋しげでせつなかったです。
何一つ変わらないようでも、見えなくなっているものってあるんだろうな…。
最後、母の思い出を買い戻しに来た遥斗に、ホロリとさせられました。
前向きな里華にエールを!
そして、雪成にはゲンコツを!(笑)
Posted by ブクログ
魔法使いから里華に向けられた言葉の中に素敵な言葉がたくさんあったなぁ。こんな言葉をかけてくれる魔法使いがいるなら、オイラも通ってしまう、年齢制限で引っかかるけど。今日を忘れてしまうことで明日を何とか迎えることができるというほど、多分オイラは追い込まれたことがない。だから、芽依が想い出を売ってたことに対する抵抗感は里華と一緒だ。記憶を売ることでいじめに耐えていた芽依を、里華が魔法ではなく人間の力で助けてあげられたのはよかった。悠斗がお母さんの通夜に札束をつかんで、魔法近いのところにお母さんの想い出を全部取り戻しに行ったのも(お母さんの最後のプレゼントは涙出た)。魔法使いではなかったけど、オイラにも救いの一言をくれる人がいたなぁ。オイラは、まわりの若い奴らに言ってあげられてるかなぁ、できてないよなぁ。質に入れなくても忘れていくことが多くなったし。
Posted by ブクログ
想い出限定の質屋さん。魔法使いがやってる質屋さん。
お客さんは子ども限定。
大人になると想い出限定の質屋さんのことは
すっかり忘れてしまうシステム。
いやな想い出だけを質入れする子、
いい想い出もいやな想い出も執着せずに手放す子ども。
決して手放さない子ども。
魔法使いは世話をやくこともなく、
突き放し過ぎることもなく
やってくる子ども達を迎える。
魔法使いとの想い出も素敵な想い出なのに忘れちゃうんだ。
実は、きっと魔法使いは寂しいのかもね。
どの想い出も大人になる自分を作ってきたもの。
手放さないでと子ども達に言いたいな
。
手放さなくても、
忘れちゃうことなんてままあることなんだよなぁ。
これが。
いい話でした。
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