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I love letter アイラブレター
小学生からの殺害予告に引きこもり人間からの告発――。 文通会社に届くワケありの手紙には、手紙で立ち向かえ! 「ねぇ、まめに手紙をくれてた人と急に音信不通になるって、どんな場合だと思う?」 叔母さんが突然切り出した質問にたじろぐ、17歳の岳彦。 叔母さんのむぅちゃんは秘密裏に、ILL(I love letter)という会員制の文通会社をやっている。 年会費を納めると、会員は自分のペースでILLの社員宛てに手紙を書いて出す。 毎日でも、ひと月に一度でも構わないが、姓と住所は本物を明記しなくてはならない。 子供の頃、せっせと叔母さんに手紙を書いていた岳彦はその腕を見込まれ、ILLの臨時スタッフとして雇われることに。 二年間、ずっとILLと文通していた水元さんに何があったのか。 岳彦は叔母さんに変わり、水元さんに手紙を書き始めるが……。 「ぼくはママをころそうと思います」――八歳の少年からの殺害予告や、「どうしても、あの恋文を見つけたい」――大女優からの無茶な依頼などなどの難問に、自分自身の言葉を便箋に書き連ねて向き合う岳彦。 メールや電話では伝わらない想いがある――。 温かくて切なくて、ちょっと怖い六つの物語。 ※この電子書籍は2016年10月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。 -
アイランド・スタイル
アイランドとは、どのような場所か? 不気味な重低音の意味が、明らかになるその時。 小説の前半部は、夜の海だ。 星空と月明かりがあり、その絶妙の光の中で 「僕」は海と、この島と、サーフボードが完璧に調和した幸福に身を委ねる。 しかし、突然、かつて聞いたことのない重低音を海の底から聞くことになる。 それはいったい何の「前兆」か? 開発の手が伸び、変わりゆく島に、やがて すべてを押し流す決定的な出来事が訪れる。 【著者】 片岡義男:1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。 -
アイル・ビー・ゴーン
脱獄犯の行方を追う刑事ショーン・ダフィ。捜査の過程で彼が遭遇したのは、未解決の密室殺人事件だった。好評シリーズ第3弾登場! 解説収録/島田荘司 -
iレイチェル~The After Wife~
妻の遺したAIをめぐる切なくて温かな物語。 優秀な研究者の妻レイチェルを、ある日突然失った夫のエイダンと娘のクロエ。悲しみから立ち直れずにいる彼らの元にやって来たのは、生前、レイチェルが持てる技術の全てを投じて開発した、自分そっくりのアンドロイド「アイ・レイチェル」だった。「ロボット妻」「ロボット母」という存在に混乱し、反発するエイダンとクロエ。やがてアイ・レイチェルに託した妻の真意を知ることで徐々にアイ・レイチェルを受け入れ、彼女もまた、彼らとの交流を通して人間らしい感情を学んでいく。そしてエイダンとクロエも、失意の彼らにそっと寄り添うアイ・レイチェルの存在に癒やされていく……。 愛する家族との別れ、受容と再生、そして成長。読後、じんわりと温かな涙を誘う、切なくて愛おしいAIの物語。 -
愛を乞う皿
鬼才と呼ばれ、怪物と恐れられた北大路魯山人。そのミステリアスで壮絶な一生とは。小説・魯山人 稀代の芸術家が生涯に残した仕事は多岐に亘る。会員制の「美食倶楽部」で食通たちを虜にし、天下の名料亭「星岡茶寮」を立ち上げ、三十万点もの陶芸作品を生み出した。一方天才ゆえの傲慢さ横柄さは周囲の友人、恩人、家族を傷つけ遠ざけ、病床に寄り添うのは平野雅章ただ一人。鬼才と呼ばれ怪物と恐れられた北大路魯山人とは一体どんな人物か。平野は縁の深い人物を訪ね歩き、その実像に迫ろうとする。料理人の松浦沖太と武山一太、若かりし魯山人に影響を与えた細野燕台、盟友・中村竹四郎、陶芸家・荒川豊蔵、三番目の妻中島きよとその娘和子。明らかになる知られざる顔とは。 -
愛をこめてはいけない
昼は娘と、夜は妻と これは片岡義男の小説では、珍しい部類に属するのではないだろうか。 なにしろ、3歳の女の子が全編にわたって活動しているのだ。 作家としての夫、有能なビジネスマンとして毎日出かける妻、 そして昼間はパパとすごす幼い娘。登場人物はこの3人だけだ。 妻が外出したあと、男は思い立って、娘と外出する。 予定外の行動であり、遠くもなく近くもなく、微妙な距離まで。 妻のいない、娘とパパの二人の時間。 しかしそれが秘密になるかというと……そうでもないらしい。 楽しい信頼と少しのユーモアが溶け合った1篇である。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/ -
愛を知らない
高校二年生の橙子はある日クラスメイトのヤマオからの推薦で、合唱コンクールのソロパートを任されることに。当初は反発したものの、練習を進めるにつれ周囲とも次第に打ち解けていく。友人たちは、橙子が時折口走る不思議な言い訳や理解のできない行動に首をかしげていたが、ある事件をきっかけに橙子の抱えていた秘密を知ることになり―。まっすぐに生きようとする少若く力強い魂を描き出した、胸がひりひりするような感動作。 -
愛を知らない君へ
幼いころに孤児院にあずけられたアナ・スノーは、出生について何も知らず育ち、大人になった今は孤児院の教師をつとめていた。ある日、彼女は故リバーデール伯爵ハンフリー・ウェスコットが自分の父親であり、母の違うきょうだいもいることを知らされる。自分に家族がいるとわかって喜ぶアナだったが、一族や社交界は莫大な財産の相続人として現れた彼女を歓迎しなかった。 ネザービー公爵は、親戚である伯爵家のあらたな一員となったアナの後見人をつとめる羽目になる。退屈な人づきあいや面倒を疎んできた彼にとっては億劫なことだったが、ウェスコット家の集まりの中で毅然としているアナには大いに興味をひかれ…… メアリ・バログの待望の新シリーズ《ウェスコット家》始動! -
愛を積むひと
佐藤浩市主演映画ノベライズ。 北海道、美瑛。四季折々の彩り豊かな風景を見せてくれる美しい大自然のなかにたたずむ、赤い屋根のログハウス。第二の人生をこの素晴らしい景観のなかで過ごそうと、篤史と良子の夫婦は、長年住み慣れた東京から、この地にやってきた。 良子は篤史に家を囲む石塀作りを頼んだが、持病だった心臓の病を悪化させ、帰らぬ人となってしまう。失意の底に沈む篤史だったが、そんなある日、良子からの手紙を受け取る。そこには、石塀をぜひ完成させてほしい、と綴られていた。それからも、良子からの手紙は、次々と篤史のもとに届き続けた――。 -
哀を飲む
大ヒット作『二人一組になってください』、『神に愛されていた』…… ベストセラー作家・木爾チレンのデビュー15周年記念作品! 愛を失くした女子たちの、性と生についての痛切な短編集。 苦しくも美しい、哀と狂気を召し上がれ。 水のように無味無臭で掴めない男との日々「水みたいな人」、 明けない夜、名前も知らない恋人との関係に耽る「ジンジャーエールに似ている」、 私の体に飽きてきた彼氏に感じる切なさ「ぬるいラムネ」、 死んだ夫の骨を飲む妻の物語「骨を飲む」……など、全7話収録。 デビュー当時から現在へと繋がる、小説家・木爾チレンの軌跡を感じる珠玉の作品たち。 愛を手に入れた時の高揚感、そして愛を手放した時の喪失感、哀しみを飲み込む辛さなど、本書には恋愛が持つ美しさと苦悩と痛みが、瑞々しく描かれている。 これは、木爾チレンが描く「究極の愛と狂気」。 人生のほんのひとときくらいは、 哀しみを味わうのも悪くない。 ――飲み込んだ哀しみは、いつかあなたを生かす血肉になる。 【著者・木爾チレンさんからのメッセージ】 何かを失った哀しみというのは、飲み込んだところですぐに消えるわけじゃない。けれど、いつかは体のなかから出ていく。 だから、人生のほんのひとときくらいは、哀しみを味わうのも悪くないのかもしれない。 そんなことを考えながら、この短編集を編みました。この本が、誰かにとっての「生きる薬」になることを願っています。 ----木爾チレン -
アインが見た、碧い空。 あなたの知らないベトナム技能実習生の物語
小説×解説で、技能実習制度の本質がわかる。 ──夢やぶれた技能実習生が、未来を取り戻す物語。 技能実習生として日本で働く道を選んだアインは、単純労働の繰り返しの果てに、ひとつの事実に気づく。彼女の将来の可能性は、もうどうしようもないほどに行き詰まってしまっていた。 実習生の挫折と再起を描く「小説」と、元・実習生の再教育に取り組む著者による「解説」が、技能実習制度の本質を明らかにする。制度の真の問題点「キャリアの搾取」と、それが日本社会に残す負の遺産とは何か。そして、日本とアジアの豊かな未来を実現するためには、いったい何が必要なのか。 【目次】 はじめに 主な登場人物 第1部 碧い空の上。trên bầu trờixanh. 解説Ⅰ アインの決断──ベトナム技能実習生 解説Ⅱ 技能実習制度──「現実」の歪み 解説Ⅲ 「問い」から見えるもの 解説Ⅳ 呪縛 第2部 碧い空の中。trên đường đến bầu trờixanh. 解説Ⅴ 行政書士と在留資格制度 解説Ⅵ 「ベトナム人犯罪」 解説Ⅶ 評価されるキャリア 解説Ⅷ 技能実習制度の歪み、その正体。あるいは、文化資本のギャンブル的変容。 第3部 碧い空の下。dưới bầu trờixanh. 解説Ⅸ 在留資格制度における〈実務経験〉と〈上陸拒否期間〉 解説Ⅹ 評価されるキャリアと日本の実像 解説Ⅺ 日本の「簿外債務」=負の社会関係資本 エピローグ アインが見た、碧い空。 あとがき 【著者】 近藤秀将 特定行政書士、社会学者、小説家。ベトナム国立フエ科学大学特任教授、立教大学平和・コミュニティ研究機構特任研究員。1978年生まれ。早稲田大学教育学部を経て、M.A. in Sociology(立教大学)、現在東北大学大学院教育学研究科博士課程後期課程に在籍。2012年に「行政書士法人KIS近藤法務事務所」を設立、中国・モンゴルをはじめとしたアジア圏の専門家として、イミグレーション法務等を中心に幅広く活動している。著書に『外国人雇用の実務』(中央経済社)ほか多数。 -
アイヴァンホー
中世イギリスのサクソン人とノルマン人の対立を背景に描かれた恋と冒険の騎士道絵巻。サクソンの郷士セドリックの子アイヴァンホーは、サクソン王アルフレッドの後裔であるロウィーナ姫に恋して父の意向に反し、勘当される。彼はノルマン人リチャード獅子心王の臣として十字軍に加わるが、リチャード王の弟ジョンは、兄王の外征中に王位をねらう。アイヴァンホーとリチャード王はひそかに帰国して、王位を守る。義賊ロビンフッドも力を貸した。ジョンと金融上のつながりを持つユダヤ人アイザック、およびその娘レベカも登場、レベカは負傷したアイヴァンホーを看護し、恋におちる。だが、最後にはセドリックの勘当も解け、アイヴァンホーはロウィーナ姫と結婚する。 -
アウステルリッツ
ウェールズの建築史家アウステルリッツは、帝国主義の遺物である駅舎、裁判所、要塞、病院、監獄の建物に興味をひかれ、ヨーロッパ諸都市を巡っている。そして、彼の話の聞き手であり、本書の語り手である〈私〉にむかって、博識を開陳する。それは近代における暴力と権力の歴史とも重なり合っていく。 歴史との対峙は、まぎれもなくアウステルリッツ自身の身にも起こっていた。彼は自分でもしかとわからない理由から、どこにいても、だれといても心の安らぎを得られなかった。彼も実は、戦禍により幼くして名前と故郷と言語を喪失した存在なのだ。自らの過去を探す旅を続けるアウステルリッツ。建物や風景を目にした瞬間に、フラッシュバックのようによみがえる、封印され、忘却された記憶……それは個人と歴史の深みへと降りていく旅だった……。 多くの写真を挿み、小説とも、エッセイとも、旅行記とも、回想録ともつかない、独自の世界が創造される。全米批評家協会賞、ハイネ賞、ブレーメン文学賞など多数受賞、「二十世紀が遺した最後の偉大な作家」による最高傑作。 多和田葉子氏の解説「異言語のメランコリー」を巻末に収録。 -
アウトサイダー
スティーヴン・キングが描く、不可能な事象の裏に潜む圧倒的恐怖 完璧な証拠で逮捕された少年惨殺事件の犯人。しかし彼には鉄壁のアリバイがあって──。事件の裏に隠れた恐ろしい存在とは。 平穏な町で起きた、11歳の少年の惨殺事件。ラルフたち地元警察は、複数の目撃証言を得て、高校の教師で少年野球のコーチとしても慕われるテリーを逮捕した。しかし、彼には完璧なアリバイがあることが判明する。自身の潔白を主張するテリー。一方で、異常犯罪への憎悪を募らせる遺族と住民たち。そして、町を新たな悲劇が襲う。 ※この電子書籍は2021年3月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。 -
アウトロー臨終図鑑
革命家、プロ選手、芸能人、映画人、作家、政治家、任侠人……ここには世間から見れば型破り、落ちこぼれた異端者しかいない。尾崎豊、小池重明、たこ八郎、横山やすし、野村秋介、安藤昇といった有名人から、著者が偏愛畏怖する斎藤竜鳳、江藤小三郎、高橋和巳、村上一郎まで、男の中の男71人の激烈に生きた証と死に様を謳った愛と憧憬のバラード。 -
あ・うん
昭和10年春。松山に転勤していた製薬会社のサラリーマン・水田仙吉一家が東京に戻ってきた。親友の実業家・門倉修造は仙吉のために家を探し、当座の夜具や米びつまで用意して待ち受ける。羽振りのいい門倉は女にもてる美男子だが、ひそかに仙吉の妻・たみに思いを寄せていた。そんな門倉の心を18歳になった仙吉の一人娘・さと子は気付いていた。ある日、さと子が見合いをすることになり…。神社の狛犬「阿(あ)吽(うん)」のような仲のよい二人の男の友情を描く。演出・深町幸男、出演・フランキー堺、杉浦直樹、吉村実子、岸本加世子ほか。1980年にNHKで放送。 -
会えてよかった
このような会い難き人に会えたのは、なんという光栄だったろう。みんな肩書きにこだわる人ではなかったからでしょう――。谷川俊太郎と堀内誠一との旅、「街道をゆく」挿画取材で聞いた司馬遼太郎の「千夜一夜」……。画業から著述業まで多分野で活動し、幅広い交友関係を持つ著者が、「会えてよかった」五〇の人や出来事とのエピソードを味わい深くつづる。〈解説〉阿川佐和子 【目次】 高峰秀子/森ミドリ/岸田衿子・今日子/松岡和子/井上ひさし/井上麻矢/テレビ草創期/佐藤忠良/半藤一利/澤地久枝/黒柳徹子/平野レミ/竹田津実/大岡信/奥本大三郎/池内紀/鶴見俊輔/谷川俊太郎/千住真理子/藤原正彦/村松武司/俵万智/大野篤美/杉本秀太郎/「日曜喫茶室」/末盛千枝子/司馬遼太郎/岸惠子/河合隼雄/野田弘志/森まゆみ/小沢昭一/板倉聖宣/有元利夫/檀ふみ/阿川佐和子/猿谷要/日高敏隆/森毅・野崎昭弘/「風景画を描く」/アントニ・タピエス/中易一郎/江國滋/堀内誠一/遠山啓・清水達雄/吉田直哉/「少年倶楽部」/串田孫一/関容子/絵本の世界 -
あえてよかった
「今」を生きる子どもたちが教えてくれる光。 大地(58歳)は妻に突然先立たれ、自暴自棄の状態。愉しみは三日月の夜に現れる妻の気配と会話すること。そこで亡き妻から、彼女の切実な願いだった「子どもを育てること」の実践を頼まれてしまう。しぶしぶ学童保育所のバイトを発見し働き始める大地。ある程度働いたら、自分も妻の後を追うつもりだった。 そこで出逢う令和の子どもたちとのやりとりは想定外のことばかり。親の離婚、発達障害、愛着障害、不登校・・・子どもたちの悩みや心の傷、ピュアな思いにふれるうちに、知らず知らず大地にも大きな変化が訪れていく。子どもも、大人も、みんな「うまくいかない」何かを抱え、もがきながら生きている。 そんなある日、ある保護者から、大地は思いもかけない大きなギフトを受け取る。それは、亡き妻からの大切な思い--「生きる希望」。 そして、大地はある決心をするのだった。 ※この作品は過去に単行本として配信されていた『あえてよかった』 の文庫版となります。 -
アエネイス
古代ローマの建国神話叙事詩。「アエネイス」は「アエネアスの歌」の意で、ラテン文学の最高傑作。トロイアの王子で女神ウェヌスの息子であるアエネアスは、トロイア陥落後、海上へと逃れカルタゴに着く。アエネアスは女王ディドに歓迎され、二人は相愛の仲となるが、天命には逆らえず、アエネアスはイタリアめざして出発する。ディドは別離に耐え切れず火炎に身を投じて自死する。ラティウムに上陸したアエネアスは、現地の王とルトゥリ族長トゥルヌスとの連合軍による執拗な抵抗に直面するが、長い戦いののち、ついにトゥルヌスを倒してローマの礎を築く。この作品の執筆に作者は11年を費やしたが、未完に終わった。彼は死の前に草稿の焼却を望んだが、アウグストゥスが刊行を命じたため世に出ることになった。この作品は単に神話的英雄を謳うにとどまらず、当時内乱を終結させたローマの実力者アウグストゥスの治世をアエネアスに仮託し、賛美する構造をもっている。原文は韻文であるが、この翻訳は親しみやすい散文訳である。 -
青い色の短篇集
2人の家は、今夜、3人になった 男性の住まいに、居候させてほしいと女性がやってくる。同居しているもう一人の女性の都合でしばらく家を明け渡さなくてはならないようだ。快諾した男性とくつろいでいると彼の姉が帰ってくる。ここは彼と姉の家なのだ。いつもは姉弟の家に、今日はプラス女性が一人。そのあと3人で観る映画がまた、兄弟と女性一人の関係を描いたものだった(この映画、あきらかにある作品を想定したものと思われるが、当ててみてください)。このあと、特別な何かが起きる? 起きない? それはぜひ、読んでお確かめください。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/ -
青い江の島
陽光きらめく湘南・江の島。島の駐在所を一人あずかる藤村亮介は、若くハンサムな警官ではあるが、絵に描いたような朴念仁。職務にはめっぽう熱心である一方で、駐在所向かいの娘・由美の連日の熱い攻勢にも動じることがない。そんな亮介を幼なじみや旅館の若女将、自殺志願の都会の娘らが起こす大波小波が揺り動かしていく。青年の真っ直ぐな心情を描き切る、爽やかな青春小説。 -
青い絵本
岐路に立ち、惑う人々に贈る 喪失と再生の記憶。 この物語は、あなたの明日をやさしく照らす―― 絵本作家として活躍する高城好子はかつて美弥子の継母だった。 漫画家のアシスタントを生業とする美弥子は、旅の誘いを受けて再会した好子が余命幾ばくもないと悟る。 共同制作したいという好子の望みを叶えるため、 “母”と“娘”は湖畔のホテルで絵本『あお』の構想を深め合う……(「青い絵本」)。 作家、編集者、セラピスト、書店員――さまざまな形で絵本に関わる人々が、絵本を通じて過去と対話し再生する姿を、静謐な筆致で紡ぎ出す。 表題作ほか全5話収録、短編の名手が、人生の光と影を描いた珠玉作品集。 -
青い貝殻
生きているウシロメタサと抑圧された性の欲望、抜き差しならぬ友人や女との関係を、安岡章太郎節とも言うべき苦いユーモアと自在の文体で描いた5つの短篇集。 -
青い糧
K学園高等部のサッカー選手だった河村は、試合で膝に怪我をした。その頃、厳格な父が死んだ。スポーツのできない体になった河村は、放埓な仲間との新しい生活に踏みこんでいく。賭博、酒、狼藉、背伸びした女遊び……。悪賢い才覚で大金を手に入れ、それを湯水のように使う。彼らがひかれるのは、じつは賭でも犯罪でも女でもない。情熱の浪費、浪費のための浪費、消耗することへの欲望がすべてなのだ。そうした無頼をてらう生活のなかで、河村はキャバレーに働く可憐な恵子を知り、彼女との愛欲に純粋な価値を求めて……。高校生と年上の女のはげしい恋を描いた長篇。 -
青いガーディニアの部屋
彼女が部屋の花に気づく時 登場人物は二人だけ。片岡作品にはめずらしく、中年の男女だ。彼らの様子はあられもない。セックスの後にセックスを語り、語りが一呼吸すると、またセックス。そのあいだに、なぜだろう、仕事のことや、母親(女性のほうの)のこと、その母親の葬儀のことなどが話題にのぼってくる。どうやら二人は女優と映画監督であるらしい。行為の前と後、ふと思い出したように彼女はしきりに「部屋が暗い」という。高層階のホテルの部屋だ。やがて彼女は、青いガーディニアが活けてあるのを見る。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/ -
青い記憶
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 希一へ――。父さんは精一杯、あがこうと思う。父さんが何を考えて生きていたか、そして何を伝えたかったのか、可能なだけこれから書き残す。そして、犯してしまった罪のことも――。突然の病魔に冒された父は、愛する息子へ一通の手紙を送る。そこには、過去に起きたある「悲劇」の顛末が語られていた。 -
青いサファイヤ
破天荒の「テレビ結婚」で一躍脚光をあびた井戸美子は、プロレスラーと蒲原財閥の当主を手玉に取って、ついに財閥夫人にのしあがり、プロレスラーに夫を殺害させて、莫大な遺産を継ぐ。熱海沖のH島を買占めて東洋のモナコにする野望に燃えた彼女は、政治の腐敗につけこんで政界の実力者・佐渡代議士を籠絡し、その準備を進める。だが、蒲原政之助の死因に疑惑を抱いた新聞記者・中川隆夫に、かつて彼女が地方実業家にニセ札づくりをもちかけて、類ない肉体を餌に500万円を詐取した旧悪を報道される。そして佐渡代議士との密会も暴かれて、ついに破局へ……。渾身の現代悪女物語。 -
青い舌
舌だしてわらう子供を夕暮れに追いつかれないように隠した 第3回塚本邦雄賞受賞!! 子供との時間のなかに 前世のような記憶の翳がさす。 いつか、どこかで、わたしは立っていた 【自選5首】 君のべろが煙ったように白かったセブンティーンアイスクリーム前 西瓜食べ水瓜を食べわたくしが前世で濡らしてしまった床よ 蟻に水やさしくかけている秋の真顔がわたしに似ている子供 ヒメジョオンの汁でつくったマニキュアでにぶく光っていた爪の先 遮断機の向こうに立って生きてない人の顔して笑ってみせて 【目次】 一.ダイアナ忌 セブンティーンアイスクリーム前 赤い眼をして生きていて 温度計 手のひらの湿原 淋しくなる口 三沢駅前 プールサイド 彼女は泳げない ダイアナ忌 思春期 ドンジャラと初夏 秋の子供 犬に追われた日 聖火 Girls 二.生きなおす 三.前世のような記憶 さよなら平熱 雨と土 花粉航海 遮断機と鳥 青い胸 顔に当たる温度 パーカーの背中 眼底の川 三月の息子 ブローティガン あとがき 【著者】 山崎聡子 1982 年栃木県生まれ。 早稲田大学在学中に作歌を始め、2010 年「死と放埓なきみの目と」で 第53回短歌研究新人賞受賞。 2013年第1歌集『手のひらの花火』( 短歌研究社) で第14 回現代短歌新人賞受賞。 2022年『青い舌』で第3回塚本邦雄賞受賞。 pool、「未来」短歌会所属。 -
青い失速
冬の菅平へ、木塚哲男と稲山洋子は、新婚スキー旅行にやって来た。襖1枚の隣室のスキー客の含み笑いに、洋子は初めての夜をこばんでしまう。翌朝、木塚は偶然逢った友人とともに、洋子を残して根子岳に出発、そして吹雪の山で道を失う。救出された木塚の枕元で、洋子はうわごとに「美津子」と呼ぶのを聞いた。……濃霧の高原、寒冷前線の乱流の中に展開する、青春画像を描いた長編力作。 -
青い空、甘い風
きれいに晴れ上がった空のあった時代を、カラダの中に住まわせること 18歳で高校を卒業し、そこからまた18年。 結婚して、離婚して、ヨリを戻す、というようなこともチラホラ。 紆余曲折もありつつ、未来もまだまだ大いにある年齢だ。 東京を離れた場所でのクラス会、という機会が訪れる。 それは不思議とくすぐったい再会の時間だ。 その中に、今、歌謡曲、それも古い歌謡曲の歌手をしている女性がいる。 彼女が魅せられている古い歌の中にあるのは 今の時代が失った空であり、希望だ。 この小説のタイトルはもちろん、 岡晴夫の「あこがれのハワイ航路」のあの歌詞から取られているはずだ。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/
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