いかれころ(新潮文庫)

いかれころ(新潮文庫)

506円 (税込)

2pt

5.0

昭和の終わり、南河内に暮らす一族の娘に縁談が持ち上がる。女性は25歳までにと見合い結婚する者も多い時代。本人の考えを他所に、結納金や世間体を巡り親戚中の思惑が忙しくぶつかり合う。その喧噪を、分家に暮らす4歳の奈々子はじっと見つめていた――「家」がもたらす奇妙なせめぎ合いを豊かに描き、新人らしからぬ力量と選委員が絶賛、三島由紀夫賞&新潮新人賞ダブル受賞のデビュー作。(解説・町田康)

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いかれころ(新潮文庫) のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    幼女の頃の記憶を回想し、家族・一族の歪みや窮屈さをとらえる構図。家族とは何か問われる今の時代らしいテーマだと思う。

    大人は子供を半人前と考えて子供の前で油断してさまざまなことを晒し、それを子供は繊細な感覚で正確に捉えている。
    子供を主人公とする作品は、子供が観察者として最適だからなのかと思わさせら

    0
    2022年03月29日

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    よかった。
    4歳の幼児を視点人物にしているが、その記述は三十数年後に回想しながら行っている。
    ために、当時は見えなかったあれこれを分析する冷静さと、当時見えた世界の豊饒さと冷酷さとが、混じって融合して。
    文体がいい。
    インタビューによれば文体について、作者は石牟礼道子「椿の海の記」からの影響を語って

    0
    2024年07月31日

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