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男女医学生たちが解剖や外来実習や恋や妊娠にあたふたしつつ生き方を探る。そして彼らの十五年後。人生の実感を軽やかに綴った長篇 ※この電子書籍は1998年7月に文藝春秋より刊行された文庫版を底本としています。
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Posted by ブクログ
再読。 何度読んでも、改めて心動かされる。 確か、南木佳士さんはこの本を読んで知って、当時刊行されていた本は、ほぼ全て読んだ。 この本以外はちょっと暗いというか、辛いというか、そこまで好きになれなかった記憶がある。 この本のあとがきには、「この本は大衆小説、本当に書きたいのは純文学」というような...続きを読む記載があった。 僕はもしかしたら、大衆小説派なのかもしれない。
誰しも必ず死と隣り合わせで、必死で生きてるんだなと思わせてくれた小説だった。人生、経験を通して、何を大事と思うかで生き様が変わってくるのだろう。
この年代特有の揺れ動く心が見事に描かれています。自分の学生時代を思い返しながら読みました。医学生ではありませんでしたが、共感できることがたくさんありました。 医学生特有の生死に関わる問題に真剣に向き合う姿にも感動しました。名作中の名作です。
四人の医学生は「自分で未来を選んでいる」ように見えて、実際には環境や時代、出身の制約に強く左右され、逃げ切れない状況の中で自分の形を作らざるを得ない。その過程で「大人」や「医者」に変わっていき、まるで流れに押されるように進んでいく「受動性の青春」を強く感じた。事情が人を変える、人は事情を変えられない...続きを読む—青春の熱気や混沌は、あとから振り返ると「避けられない通過儀礼」になってしまう。「青春=自由の象徴」ではなく、「青春=環境に形成される過程」である。
医療・青春小説。 新しく設立された秋田大学医学部を舞台に、四人の医学生たちの苦悩と成長が描かれていた。 著者は、実際に医師として活動。 その体験をもとにこの作品を執筆されている。 この物語では、医療現場で直面するさまざまな難題や、命の重みが心に響く。 挫折や不安を抱えながら秋田大学医学部に集...続きを読むまった和丸、京子、雄二、修三の四人の学生が、解剖実習や外来実習などを通じて成長し、自分の生き方を見つけていく姿が描かれている。 彼らは医者を目指しながら、失恋や妊娠、患者の死といった様々な経験に向き合い、友情を深めていく… 物語の後半では、彼らが15年後にどのように成長しているのかも描かれている。 医療現場のリアルな日常や、それぞれの人生の選択にスポットが当てられていた。 医学生としての日々の中で感じる不安や孤独、そして自己の成長が描かれたストーリーは、わたしたち読み手に感動を与え、医師という職業の真の意味を考えさせてくれる。 この作品を読むことで、医者への尊敬の気持ちが一層強まった。 医師免許を取得するまでの苦労や努力、さらにその先にある医療の現実を理解することで、医者という職業の重みを改めて認識した。 また、病気の治癒には医者だけでなく、患者自身の力も大切だということも学んだ。 著者の自伝的な要素が含まれたこの作品には、彼自身の人生への向き合い方や、医師としての葛藤が色濃く反映されている。 医者になることの厳しさや、その裏に隠れた人間的なストーリーを知ることで、より深い理解が得られると思う… 医療用語は本当に難しいですよね! あの難解な言葉を覚えている医療従事者の方々は、本当にすごいと思います! 私には到底無理だ…。
すごく人間味あふれる本だと思いました。 悪い意味ではなくただ淡々とリアルな人間生活が描かれており興味深い内容だと思いました。 自分自身医者にお世話になるときにもう一度読み直したいと思います。
マニュアルに若干の経験を加えて診断、治療をする。治る者は治り、治らない者は治らない。よほど鈍感な医者でない限り、自分が神でないことを知るのは早い。その後、神に近づこうとする医者と、神という言葉で表現される大いなる自然の摂理に自分を含めた人間の予後をゆだねてしまう医者とに分かれる。 ……2020/...続きを読む8 再読。20年以上前、医学部受験勉強のモチベーションを支えてくれた小説である。主人公の4人の医学生たちの専門教育過程から卒業までのエピソードを綴り、卒後15年の後日譚で締め括られる本作を、実際卒後15年の自分が、今また読み返すのも、また感慨ひとしおであった。
解剖実習も医学部の雰囲気もリアル。解剖班4人組も全員親近感がありました。 部活やキラキラした恋愛のような「いわゆる青春」は登場しないけれど、立派な青春だよなぁと思いながら読みました。
医学生が地方の大学の医学部で解剖学や試験などに取り組む姿を描いている。作者の自伝的な小説というだけあって、内容は非常にリアルだし、一昔前が舞台のようだが今の医学部もあまり大きくは変わっていないのだと思う、そんなに違和感なく、内容にいちいち納得しながら読むことができた。そんなにドラマチックな展開があ...続きを読むるわけではなくて淡々とした医学生の姿が描かれていくだけなのだが、それでもなかなか面白かった。同じ時期に読んだ「泣くな研修医」もリアルという意味では似ているはずだが、この「医学生」の方がだいぶ面白かった。無理にドラマチックにしようとしていないからだろうか。
風景・街の描写が丁寧で場面を容易に想像できました。また人物描写についても、それぞれの大学生のリアルさがすごく共感できるものでした。 話の流れとしては医学生の日常ということもあり起伏は少ないですが、そこがかえってリアルさを出してるのかな、と感じました。
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