【感想・ネタバレ】医学生のレビュー

あらすじ

男女医学生たちが解剖や外来実習や恋や妊娠にあたふたしつつ生き方を探る。そして彼らの十五年後。人生の実感を軽やかに綴った長篇

※この電子書籍は1998年7月に文藝春秋より刊行された文庫版を底本としています。

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ネタバレ

解剖学実験=価値観が変わる死体の解剖
ポリクリ=病院実習
モルヒネ=安楽死剤

飾らない小説で、現実を見れた気がする。
医者は、命を救う側ではなく命を看取る側だと悟ったときの苦悩を知れた。

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2022年11月11日

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再読。
何度読んでも、改めて心動かされる。

確か、南木佳士さんはこの本を読んで知って、当時刊行されていた本は、ほぼ全て読んだ。
この本以外はちょっと暗いというか、辛いというか、そこまで好きになれなかった記憶がある。

この本のあとがきには、「この本は大衆小説、本当に書きたいのは純文学」というような記載があった。
僕はもしかしたら、大衆小説派なのかもしれない。

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2019年09月29日

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誰しも必ず死と隣り合わせで、必死で生きてるんだなと思わせてくれた小説だった。人生、経験を通して、何を大事と思うかで生き様が変わってくるのだろう。

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2016年05月13日

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 この年代特有の揺れ動く心が見事に描かれています。自分の学生時代を思い返しながら読みました。医学生ではありませんでしたが、共感できることがたくさんありました。

 医学生特有の生死に関わる問題に真剣に向き合う姿にも感動しました。名作中の名作です。

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2017年08月15日

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四人の医学生は「自分で未来を選んでいる」ように見えて、実際には環境や時代、出身の制約に強く左右され、逃げ切れない状況の中で自分の形を作らざるを得ない。その過程で「大人」や「医者」に変わっていき、まるで流れに押されるように進んでいく「受動性の青春」を強く感じた。事情が人を変える、人は事情を変えられない—青春の熱気や混沌は、あとから振り返ると「避けられない通過儀礼」になってしまう。「青春=自由の象徴」ではなく、「青春=環境に形成される過程」である。

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2025年09月22日

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医療・青春小説。

新しく設立された秋田大学医学部を舞台に、四人の医学生たちの苦悩と成長が描かれていた。

著者は、実際に医師として活動。
その体験をもとにこの作品を執筆されている。

この物語では、医療現場で直面するさまざまな難題や、命の重みが心に響く。

挫折や不安を抱えながら秋田大学医学部に集まった和丸、京子、雄二、修三の四人の学生が、解剖実習や外来実習などを通じて成長し、自分の生き方を見つけていく姿が描かれている。
彼らは医者を目指しながら、失恋や妊娠、患者の死といった様々な経験に向き合い、友情を深めていく…

物語の後半では、彼らが15年後にどのように成長しているのかも描かれている。
医療現場のリアルな日常や、それぞれの人生の選択にスポットが当てられていた。

医学生としての日々の中で感じる不安や孤独、そして自己の成長が描かれたストーリーは、わたしたち読み手に感動を与え、医師という職業の真の意味を考えさせてくれる。

この作品を読むことで、医者への尊敬の気持ちが一層強まった。
医師免許を取得するまでの苦労や努力、さらにその先にある医療の現実を理解することで、医者という職業の重みを改めて認識した。

また、病気の治癒には医者だけでなく、患者自身の力も大切だということも学んだ。

著者の自伝的な要素が含まれたこの作品には、彼自身の人生への向き合い方や、医師としての葛藤が色濃く反映されている。

医者になることの厳しさや、その裏に隠れた人間的なストーリーを知ることで、より深い理解が得られると思う…

医療用語は本当に難しいですよね!
あの難解な言葉を覚えている医療従事者の方々は、本当にすごいと思います!
私には到底無理だ…。

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2024年08月28日

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すごく人間味あふれる本だと思いました。
悪い意味ではなくただ淡々とリアルな人間生活が描かれており興味深い内容だと思いました。

自分自身医者にお世話になるときにもう一度読み直したいと思います。

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2024年02月27日

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 マニュアルに若干の経験を加えて診断、治療をする。治る者は治り、治らない者は治らない。よほど鈍感な医者でない限り、自分が神でないことを知るのは早い。その後、神に近づこうとする医者と、神という言葉で表現される大いなる自然の摂理に自分を含めた人間の予後をゆだねてしまう医者とに分かれる。

……2020/8 再読。20年以上前、医学部受験勉強のモチベーションを支えてくれた小説である。主人公の4人の医学生たちの専門教育過程から卒業までのエピソードを綴り、卒後15年の後日譚で締め括られる本作を、実際卒後15年の自分が、今また読み返すのも、また感慨ひとしおであった。

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2023年09月10日

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解剖実習も医学部の雰囲気もリアル。解剖班4人組も全員親近感がありました。

部活やキラキラした恋愛のような「いわゆる青春」は登場しないけれど、立派な青春だよなぁと思いながら読みました。

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2023年05月06日

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 医学生が地方の大学の医学部で解剖学や試験などに取り組む姿を描いている。作者の自伝的な小説というだけあって、内容は非常にリアルだし、一昔前が舞台のようだが今の医学部もあまり大きくは変わっていないのだと思う、そんなに違和感なく、内容にいちいち納得しながら読むことができた。そんなにドラマチックな展開があるわけではなくて淡々とした医学生の姿が描かれていくだけなのだが、それでもなかなか面白かった。同じ時期に読んだ「泣くな研修医」もリアルという意味では似ているはずだが、この「医学生」の方がだいぶ面白かった。無理にドラマチックにしようとしていないからだろうか。

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2021年11月05日

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風景・街の描写が丁寧で場面を容易に想像できました。また人物描写についても、それぞれの大学生のリアルさがすごく共感できるものでした。
話の流れとしては医学生の日常ということもあり起伏は少ないですが、そこがかえってリアルさを出してるのかな、と感じました。

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2021年10月05日

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どう感じたんだろう…と振り返っても、どこか他人事に、面白かった〜としか言えないんだけど、でもなんだかすごく好きな小説だった。

好きの理由を少しだけ掘り下げてみると…
・色々な設定にリアリティがある※自伝的だから
・キラキラしてない普通の登場人物達に親近感
・世の中って、働くって、ほんとそうだよね、という共感
・医学部ってこんな感じなのかと知ることができた
 →医者の友達が多い割に、医学部のこと、なんとなくしか分かってなかったんだなぁ。

読書好きだなー、小説っていいなー、って思わせてくれた小説だった。

そりゃそうか。芥川賞受賞作家の小説なんだから。

ざっと4時間くらい、子育て中だが睡眠時間を削って夜中に読んだ。寝不足だけど、読書の世界に浸る時間が持てたことのほうが嬉しくて、寝不足なはずなのにむしろわたしは元気で過ごせる。

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2021年06月29日

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ネタバレ

姉が医学生で、彼女から聞く医学生の生活とよく似ていてかなり現実に即した話なんだということがわかった。
日常を綴ったような話で特別な起伏はないけれど、登場人物の鬱屈とした気持ちなどはかなり巧みに表現されて伝わってくるため、飽きずにサクサクと読み進められた。
青春時代に誰もが悩んだり鬱屈とした気持ちを抱えたりしたことはあるはずなので共感しやすい物語だと思った。
また、日常の中にも登場人物の精神的な成長や変化があり、楽しめたし同世代として刺激も多少もらえた。

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2021年04月08日

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ネタバレ

6年間という人生においては一瞬に過ぎない時間の中で、解剖や臨床実習など医学部特有の経験を積み、浮き沈みを繰り返しながら、医師として巣立っていく脆くも頼もしい医学生達の姿に親近感を覚えた。

作中でも取り上げられている中島みゆきの「時代」が学生達の葛藤を上手く表現していた。

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2021年02月13日

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地方の医学部という特殊な環境に集まった学生たちの決して明るくはない青春を描いた1冊。
様々な境遇にある登場人物の交流がリアル。

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2021年01月06日

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新設間もない秋田大学医学部で解剖実習でチームを組んだ4人の物語。皆医者になっていく過程で考え方を変えながら一人の医師として成長していく。青春物語。

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2018年01月31日

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裏表紙に曰く"軽やかに爽やかに綴る永遠の青春小説"と。
ナヌー!!南木佳士が"軽やかで爽やか"だと!!!というわけで、興味津々、読んでみました。
確かに"軽やかで爽やか"ですね。ええ、あくまで南木作品としては、ですが。普通の人なら普通の作風くらいでしょうね。
"意識して大衆小説にした"と作者自身が言ってる様に、普通の南木作品とは大きく違います。自己の経験を下敷きにしては居ますが、主人公も"自分"では無いようです。しかし、別の言い方をすれば"らしさ"が消えて、平凡な作品になってしまったと言えるかも知れません。
しかしさすがにまとまりは良く、また終わり方はポジティブで綺麗でした。

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2017年10月30日

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まさに私小説という感じだったが、なかなか人間臭い医者が書かれてある。
安易に偏差値の低い伝統のない医学部を目指す若者が、低きに流れる。
読む人は自分のようだと思っているに違いない。
専門病院の自己顕示欲の固まりみたいな医者の人間的な小説も読んでみたい。

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2017年09月04日

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舞台となるのは開設したて(1970年代)の秋田大学医学部、
主人公はその医学部の二期生4名(男性3名女性1名)。

コノ4名がご都合に入り混じった三角関係かな、
なんてありがちな想像をしながらページを繰ってましたが、、

そんなに単純な話ではありませんでした、面白かったです。

 -それぞれの始まり、それぞれの想い、それぞれの道、そして、15年後。

言葉で綴られている情景が、映像イメージとして頭の中にも自然と浮かんでくる、
その中で登場人物たちが躍動している、そんな物語に出会えたのは久々でした。

久々に、学生時代の友人と酒を飲みたくなった、そんな一冊。

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2012年03月12日

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ネタバレ

読みやすかった

解剖実習を通して死に慣れていく
 死体に慣らすことによって学生を死にも慣らしていく巧妙な洗脳手段


少し鈍感な奴の方が臨床に向いている

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2024年08月16日

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新設されて間もない秋田大学医学部に入学した4人のそれぞれの視点から、入学から卒業、その後まで描かれる小説。

筆者の実体験がほとんどで、そこに脚色が入って小説になっていると思われる。
陰鬱とした秋田の田舎で6年間の課程を過ごした筆者の大学生活を垣間見たようだった。

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2022年12月16日

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ドラマチックな展開はありませんが、共感できるところが随所にありました。人生の途中を振り返るのに、もってこいの一冊です。

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2021年07月11日

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 テンポが良く、簡潔かつ率直で読みやすい。医学部がテーマであるため死に直面する部分などシリアスな部分もあるものの、大衆小説っぽく気軽に読める本であり、筆者がこの本は自分の過去だといっているのにも非常に納得した。
 自分の専攻と近い分、カリキュラムや学生特有の空気感、日々の悩み等、読んでいて共通、共感する部分が多く、重苦しく凝り固まっていたモヤモヤした感情が若干ではあるものの昇華していくような気がした。読後、こんな風に悩むのは当然だし、答えなんてないし、こんな生き方をしていくのもありなんだろうな、と思えた。まだまだ青い

 以降、心に留めておきたい部分。思ったこと。共感した部分。
・医療に関わっていく上で、患者の死を他人事と思うのではなく自分事のように捉えることは、真摯ではあるけど自らの精神も削っている。
・医者は決して人命を預かっているのではない、人間が人間を救える範囲など限られている。
・神に近づこうとする人間と、自然の摂理に身を委ねる人間がいる。
・医者の役割は、予防、行政への関与、診断、治療、看取る、研究など様々な役割がある。
・綱渡りみたいな生活は長くは続かない。
・もしかしたらこの病気は己の内側ばかり見つめて小説を書いてきたことへの罰なのかもしれない。

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2020年04月01日

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ネタバレ

~1.2
ドクターになるのは本当に大変だよね。そう思わせる、「遺体解剖」のシーンが多いのが、良かった。そんなことを乗り越えて、彼らは医者になるんだ。今の秋田大学は違うけど、創立当時って、寂しかったんだね。心が折れそう。

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2016年01月10日

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必ずしも望んで秋田大学の医学生になったわけでもない第五班のメンバ−4人のそれぞれの事情.でも6年経つうちに,いろんなことを経験し,医者としてあるいは人間として育っていく.きれいごとではない本音が見え隠れするのが良かった.

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2015年10月15日

Posted by ブクログ

頭も要領も良い国立医学生の話.さらっと描かれている.だいたい当たってるが,本当の医学生は恋愛も学業ももっとドロドロしててもっと面白い.末期癌の患者に息が止まるまでモルヒネ打ちまくるのはどうかと思う.

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2015年10月13日

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これから医者になろうとしている物が読むにはもってこいの作品だった。自分が医学部に入ったあと、どのような過程で医者になっていくのか、大まかに把握できた。医学部に入っても、これといって医学部らしいことをまだ勉強しておらず、医者になるんだという気持ちがうすれてきていたが、この本を読んで、これからも医学部で頑張っていこうと思えた。

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2015年03月27日

Posted by ブクログ

ネタバレ

創立間もない秋田大学医学部に入った4人の学生の物語。医学部の学生がどんな思いで大学生活を送っているのかよく分かる。大学6年間に医師になる覚悟を持たなければならないところが、一般の4年制の他学部とは違うのだろうか。目的がはっきりして入学しているのだが、まだその目的に自信がもてない心のゆらつきが上手く描かれていると思う。

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2014年08月10日

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なんだか、読んでいるこっちまでも悶々としくる話だが、秋田大学の学生さんにとっては誠にもって不愉快な小説であろう。

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2014年03月19日

Posted by ブクログ

現役医師の著者による、医学生青春物語。
医学部といえば秀才中の秀才が集まり、そして将来は人々にとって神様仏様のような存在になる人間が育てられる場所…というガリ勉で堅いイメージ。
しかしそんな彼らも未熟な若者。同じように恋に悩み未来に悩み、時には無気力になり。。
それでも試練や経験に学び、大人になっていく姿にすがすがしさを感じた。
青春ってのは大人になってから振り返り、懐かしむものなんだ。

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2013年04月15日

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