ダイヤモンドダスト

ダイヤモンドダスト

509円 (税込)

2pt

火の山を望む高原の病院。そこで看護士の和夫は、様々な過去を背負う人々の死に立ち会ってゆく。病癒えず逝く者と見送る者、双方がほほえみの陰に最期の思いの丈を交わすとき、時間は結晶し、キラキラと輝き出す……。絶賛された第100回芥川賞受賞作「ダイヤモンドダスト」の他、理想の医療に挫折し、タイ・カンボジア難民キャンプ地での特異な体験に活路をもとめる医師と末期癌の患者として彼の前に現れたかつての恋人との日々を描いた「冬への順応」など短篇四本を収録する。

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ダイヤモンドダスト のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2024年02月11日

    芥川賞とった頃に読んでいたと思っていたが、初めて読んだようだ。北軽井沢あたりを設定した病院のやもめの看護士の眼線で人の死をみつめた非常に静謐な冬の高原での人の見送りを書いています。四歳くらい南木先生の文章は丁寧で惹かれます。

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    Posted by ブクログ 2022年12月18日

    4編の短編からなる短編集。ダイヤモンドダストは芥川賞受賞作。

    前半の3編は、タイでのカンボジア難民の医療支援に関連した物語。最後の1編は、脳卒中で倒れた父との晩年の物語。
    死ぬまで運転士だった松吉と、ベトナム戦争にパイロットとして従軍したマイクの同じ病室での繋がりが印象的だった。

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    Posted by ブクログ 2021年10月13日

    医師でもある筆者の目を通して描かれる医療の現場の状況はとても迫力があると感じました。
    いろんな立場の人のいろんな視点での見方があり、正解がどれかを自分自身考えさせられるようなところもありました。
    また、難民医療について、現場は機器も揃わないような過酷な環境であり、そうした生々しさというか綺麗事ではな...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2020年01月30日

    芥川賞受賞作映画で、私のベスト10に入る「阿弥陀堂だより」を書いた人。
    映画の中の美しい風景と、暖かい物語が何時までも忘れられない。br />
    それなのに、随分前に話題になったこの本を読んでなかった。
    100回記念の時の芥川賞受賞作。。
    メモが長くなってしまった。

    1989年の著者の近影があ...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2023年05月24日

    味わいがあって読みやすい。芥川賞なので勿論ドラマチックではありません。ただ、しっとりと文学の趣を噛み締めることが出来る良い作品です。大人とはこう言うことだろうと思う。わからぬように食いしばって生きてるんです。飄々とね笑。だからダイヤモンドダストが染みるんです。

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    Posted by ブクログ 2023年01月16日

    芥川賞作品ということで読んだが、面白いという感じの小説ではない。
    でもつい最後まで読んでしまった。面白いという感じではないが、面白くないというわけでもない。芥川賞作品ということで、そうなのかよくわからないが、最後まで読んでしまった。どこか実体験に基づいた小説なのだろうと思う。芥川賞全集14に収録され...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2022年03月15日

    タイ・カンボジアで難民キャンプでの医療ボランティアに3ヶ月従事し、病院へ戻った"ぼく"は、信州の病院に戻っても、調子の出ない日々が続いた。そんな中、終末期の患者として、千絵子が転院してくる。がんが転移し、弱った千絵子とは、高校のときに出会っていたのだった…。『冬への順応』

    小説...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2021年07月10日

    母が骨折で入院中に南木佳士さんは心の拠り所、と言っていた事からこの作家を知り、芥川賞受賞作である題名の話を含む短編集というこの作品に触れる。カンボジア難民キャンプでの医療団であったと言う作者の経験がものを言う医療現場の実情を知る事が出来た事は、今まで漠然としていた難民や医療の問題に少しでも触れる事が...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2019年09月23日

    東南アジアに難民医療のため一時派遣されたときの経験・出会った人についての短編が三つ。最後の一編はベトナム戦争で空軍パイロットだった牧師が死の床について語る言葉、「乗り物は早くなるほど罪深くなる」が印象的。

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    Posted by ブクログ 2017年08月11日

    「地に踵のついた」(巻末 加賀乙彦との対談参照)短編集。このような静謐な話は、病気の経験がないと書けないかもしれない。

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