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「晴れた日の午前の針葉樹林の香りが、それまでに服用したあまたの精神安定剤よりもはるかに深く心身をリラックスさせてくれる作用があるのを知った」(本文より)
芥川賞受賞の翌年に心身を病んだ作家兼医師は、五十歳で山歩きをはじめた。
樹木の香りに精神が安定し、歩くことでからだ本来の働きに目覚めた作家は、蓼科山、浅間山から、ついには槍ヶ岳、白峰三山といった南北アルプスの高峰を若者にまじり踏破する。
人生を重ねた者が己のからだとこころで書いた異色の紀行文集。
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Posted by ブクログ
芥川賞作家・南木佳士さんの山行記。
うつ病から逃れるために50歳を過ぎて山歩きを始めた南木さんが北アルプスや南アルプスに登った記録ですが、もちろん本格的な登山ではありません。青色吐息で稜線をよじ登る姿が浮かびます。
私も若い頃、山に登っていました。もっとも、中四国の丸みたっぷりの山頂がほとんどでしたが。それでも一度は南アに行ったことがあり、この本を読みながら北岳の雄大な姿や青空に映える3000m級の峨々たる稜線を懐かしく思い出してしまいました。
マニアックな部類に入る南木さんの、マニアックな領域である山行記ですから読者は限られると思いますが、ハマる人はハマる作品だと思います。
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