小説作品一覧
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-大阪城公園で、他殺であることは明白ながら、殺害方法はおろか直接の死因さえ特定できない奇妙な死体が発見された。被害者は、人格者と評判の63歳のタクシー運転手だった。殺される動機も見つからず焦る捜査員たち。だが、これは恐るべき連続殺人の始まりだった。一週間後、引退した元判事が、そしてさらに一週間後、今度は人気女優が殺されたのだ。彼らには何の共通点もない。この前代未聞の難事件に、吉本紀子と上島警部が挑む。 美貌の推理作家・吉本紀子と警視庁広域捜査官・上島警部のコンビが活躍する旅情ミステリ小説。 ●石川真介(いしかわ・しんすけ) 1953年、福井県鯖江市生まれ。東京大学法学部卒。トヨタ自動車に40年間勤務。1991年に『不連続線』で第2回鮎川哲也賞を受賞。錯綜したストーリーと堅牢な構成、女性の数奇な運命と斬新な社会テーマ、丹念な現地取材に基づくローカル描写とグルメ、そして奇抜なアリバイ崩しの長編旅情ミステリーを得意にしている。主人公は推理作家・吉本紀子と広域捜査官・上島警部。作品は『女と愛とミステリー』(テレビ東京)、『木曜ミステリー』(テレビ朝日)でドラマ化。福井ふるさと大使。鯖江市ふるさと大使。日本推理作家協会会員。
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3.4ベストセラー『あん』著者新時代の感動長篇。 多摩川の河川敷で、仲間のホームレスたちと共に生活する望太。一度は死を選びながらも、彼らに救われ、やるせない思いを抱えながら生きている。 そこからさほど遠くない街で、女子高生の絵里は、世の中に対する怒りとむなしさを抱えて暮らしていた。家族の中での疎外感に耐えられなくなったころ、ある男と出会い、事件に巻き込まれてしまう。 そしてふたりの過去が次第に明かされてゆく・・・。 誰の人生にも、冷酷な人間の心の闇に触れて絶望するときがあれば、人と出会い、深く語り通じ合い、光に満ちた美しい瞬間もある。 世の中の片隅で懸命に生きる人々の傍らに立つドリアン助川が描く、ふたりの“生きる”物語。 河瀬直美監督、樹木希林・永瀬正敏主演で映画化もされ、世界12言語で翻訳出版され国内外でベストセラーとなっている『あん』の著者の、新時代最初の感動長篇!(2019年5月発表作品)
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3.8セレブママとしてブログを更新しながら周囲の評価に怯える主婦。仕事で子育てになかなか参加できず、妻や義理の両親から責められる夫。出産を経て変貌した妻に違和感を覚え、若い女に傾いてしまう男。父の再婚により突然やってきた義母を受け入れきれない女子高生……。思い通りにならない毎日。募る不満。言葉にできない本音。それでも前を向いて懸命に生きようとする人たちの姿を鮮烈に描いた、胸につき刺さる6つの物語。 小説で誰かを救う。そんな大それたことは言いづらい。 だけど、それに本気で挑戦している作家は確かにいるのだと、 窪美澄を読むといつもそう思う。 ――朝井リョウ(作家) 文庫化に際し、オリジナル短編、一編追加!
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4.1
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-脚本家を夢見る43歳フリーターの吉野純一、人気若手脚本家の宮間竜介、ヒット作を続々と生み出すテレビ局プロデューサー滝口康平。突如、人生の崖っぷちに立たされた3人の男たちは、自分たちが思い描くリアリティドラマを完成させることができるのか! 映画『翔んで埼玉』で第43回日本アカデミー賞最優秀脚本賞を受賞した脚本家・徳永友一が挑んだ初小説。脚本家という立場を活かし、自身や周りの体験をもとに、テレビドラマ業界のリアルなウラ側を完全オリジナルストーリーで執筆しています。コメディを多く担当してきた徳永友一らしい、テンポのよいセリフ回しも魅力の一冊です。 映画やテレビドラマ業界に関わりたいという夢を持っていた人、これから目指したいと考えている人、日々の仕事を頑張るすべての人に贈る。 滑稽で、バカバカしくて、熱いドラマを体験してみてください。 ※本作は、映画雑誌「DVD&動画配信でーた」2020年4月号~2021年5月号で連載された小説を編集・加筆しています。 著者:徳永友一 脚本家。2005年、テレビドラマ「電車男」第6話で地上波デビュー。その後、コメディ、サスペンスとジャンルを問わず、多数の作品を手がける。映画『翔んで埼玉』(19)で第43回日本アカデミー賞最優秀脚本賞を受賞。23年は、続編となる『翔んで埼玉 ~琵琶湖より愛をこめて~』(11月23日公開)や、ドラマ「ONE DAY ~聖夜のから騒ぎ~」の脚本を務める。
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-『罪と罰』『白痴』『悪霊』につづくドストエフスキーの4番目の長編小説。幼時から屈辱のうちに生い育ち、その間に自ら育んできた、ロスチャイルドになるという夢と、父ヴェルシーロフにたいする憎念と愛の渇望を抱きながら、父の招きに応じて上京した主人公アルカージイ。彼が身を投じた新しい生活環境は、さまざまな事件と陰謀と犯罪の渦巻く無秩序の世界だった。理想を見失って堕落の淵に落ちそうになりながらも懸命に踏みこたえ、一方ではカチェリーナ夫人にたいする恋と、その恋を種に企む悪党ランベルトの陰謀への加担の誘惑と闘い、異母姉アンナの、老公の財産を横領しようという企てを未然に防いで苦闘する。あげくはこれら錯綜した事件が一挙に解決したおかげで、彼はようやく押し流されようとした濁流から脱することに成功する。19世紀ロシア社会で、真の自由を求めてはげしく揺れうごく、青年アルカージイの魂の告白。
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-大人気コミック「みせコド」映画ノベライズ。 大人気の『今日、恋をはじめます』など大人気少女漫画を世に送り出してきた水波風南が次に生み出した物語は高校生秘密の新婚ラブストーリー。ラブラブ甘々な物語と思いきや、新婚だというのにヒロイン香琳は、夫の尚に片思い。結婚式を終えて一緒に暮らし始めたとたん、尚に「おまえのことは大嫌い」と言われ、いきなり家庭内別居を余儀なくされたのだ。ただただ親元から離れて暮らしたかった尚と、本当に尚のことが好きな香琳。そんな二人の同居生活、香琳の思いは尚に届いてラブラブになれる日は訪れるのか? 出演・中島健人、平祐奈、知念侑希による、この冬一番のラブストーリーが東宝系で全国ロードショー。映画脚本をもとにしたノベライズ。(2017年12月発表作品)
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5.0
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-なぜ人は理屈でわりきれない事に熱中するのか?鋭い視点と笑いで人間社会の本質を斬るノンフィクション。 世界は「意味不明」でできている!? 路上の怪文書から不幸の手紙まで。なぜ人は理屈でわりきれない事に熱中するのか。鋭い観察眼とブラックな笑いで社会を斬る異色ノンフィクション。 「人間は一番のブラックボックスで、未整理なことだらけだ。となると、『止めたくても止められないもの』『なぜか分からないけど、そうなってしまったもの』『体が勝手に動いたもの』にこそ、人間の本質が現れるのではないか。 本書は、そんな人類の未整理な行動を突っついて、綺麗にまとめることもなく、放り投げてみようという試みである」(本文) 【目次】 まえがき 第1章 “不幸の手紙”コレクション 第2章 地蔵は服を着る 第3章 「欲しいもの」を持っているのは誰か 第4章 鉄柱詩に見る、芸術と犯罪と症状 第5章 破壊に吸い寄せられる 第6章 「チットGPTみたいなことを言うな!」 第7章 バーチャルに侵略される 第8章 脳内物質を求めて右往左往 第9章 孤独と犯罪に相関関係はあるのか? 第10章 寝顔の発見 第11章 「水槽学」的考 第12章 必ず逆を教える病気 第13章 それぞれの「生きのびる」問題 第14章 価値観の謎 第15章 人が姿を消すとき 第16章 猫で一攫千金 第17章 したたかなキョン 第18章 本物を凌駕する偽物 第19章 何者かになるための準備 あとがき 【著者】 インベカヲリ☆ 1980年生まれ。写真家、ノンフィクション作家。短大卒業後、独学で写真を始める。2018年伊奈信男賞、2019年日本写真協会新人賞を受賞。写真集に『やっぱ月帰るわ、私。』、『理想の猫じゃない』ほか。著書に『なぜ名前に☆があるのか?』、『家族不適応殺 新幹線無差別殺傷犯、小島一朗の実像』、『「死刑になりたくて、他人を殺しました」無差別殺傷犯の論理』、『私の顔は誰も知らない』、『伴走者は落ち着けない 精神科医斎藤学と治っても通いたい患者たち』ほか。
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4.0大スランプ中の小説家・吉岡真紀(ペンネーム水沢玲)は、実家近所のマンションに引っ越し早々、隣家の女・若田が発する騒音に襲われた。 若田は早朝にもかかわらず、ベランダに干した布団を激しく叩きつけ、轟音を撒き散らすのだった。真紀の苦情を物ともせず“音”はエスカレート。 執筆はいっこうにはかどらず、夫や幼稚園に通う5歳の娘との関係も悪化する一方。 心の平穏を失った真紀は隣人とのいざこざを小説に書いて反撃に出ることに。 その作品「ミセス・ノイズィ」は評判を呼ぶが、やがてSNSで炎上、二人の女の運命を狂わせる大事件へと発展して……。 2019年秋、東京国際映画祭・スプラッシュ部門のワールドプレミアで大反響、劇場公開が熱望されながら、 コロナ禍で公開が延期となっていた話題の映画作品を監督自らが小説として書き下ろした、衝撃の一作です!
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3.5人気作家の妻ミセス・マーチには妄想癖がある。夫は殺人犯だと信じ込む彼女は調査を始め……現実が妄想に侵されるサイコミステリ
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4.7ミセス・ワンの中国茶専門店で男の死体が発見された。刑事ドラマが大好きなワンは、容疑者に中国茶を振る舞いながら勝手に聞き込みを始めてしまうが……。
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-なぜか年中、雪に閉ざされた町キンバリー・クラーク・ウェイマスは、児童小説の聖地巡礼の地として有名。だが、観光の目玉である関連グッズ店の店主ビリーが店を閉めて引っ越そうとしたことで、不動産業者や作家や探偵やプロの幽霊を巻きこみ、町は大騒動に!
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4.3採譜が禁じられていた、システィーナ礼拝堂だけのための聖歌『ミゼレーレ』。少年モーツァルトが聴き覚えて楽譜を起こし世に広まった、喩えようもなく美しい聖歌と、パリのアルメニア使徒教会で起きた聖歌隊指揮者の謎に満ちた殺害事件にはいかなる関わりがあるのか? 遺体は両耳の鼓膜が突き破られていた。凶器は? 遺体のそばには子供の足跡……定年退職した元警部と、優秀だが薬物依存で休職治療中の青少年保護課の若い刑事が、それぞれのこだわりのもと、バディを組んで事件に挑む。『クリムゾン・リバー』の著者による圧巻のミステリ!
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-僕、味噌川公平の日常には勉強と、腐れ縁の友人と、そしてクラスメイトの吉原さんでのオナニーがある。 僕の中の吉原さんは、黒いストッキングを履いた足で責め立ててくれる。普段の優等生からは想像できない程にエッチで、味噌川くんのことが大好き。今日もまた味噌川くんと色んなプレイをして、セックスをする。 たった数回会話したことがあるだけのクラスメートだけど、これで僕と吉原さんはずっと繋がっていられる。セックスできるんだ。 これは最高なはずなのに何故、僕はこんなに1人なんだろう? 『つんどく!』新人発掘プロジェクトに選ばれた、青春期の性と愛をまっすぐに描いた小説です。
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-人生の夢やら恋やらを諦め、26才にして既に達観している平成生まれの老女系女子、幸子。心配する友人に勧められるままルームシェアをすることになるが、その相手は本物の老女、推定70代のハナエだった。 少女のように全力で恋をして、日々華やかに楽しんで生きるハナエ。対照的に、自分にとって何が楽しいことなのかもわからずに、ただ忙しく働いて地味な毎日を過ごすだけの幸子。ふたりは毎日リビングルームで顔を合わせるが、趣味も食べ物の好みもまったく合わない。 「アナタ、味噌スープなんかじゃなくて、オニオングラタンスープくらい飲んだらどうなの?」 「…… わたし、この世で一番味噌汁が好きなんで」 すれ違う二人。でも、一生懸命に恋をするハナエの姿に、幸子は思い出した。こんなわたしにも、恋に一生懸命だった時代があった。そんな幸子に近づいてきたのは、いつも嫌味を言ってくる会社の先輩、鮫島栄太だった……。
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-2人の関係がどこでわかるか? 会話だ、と言ってみたい。 ロクでもない男、と言ってもいいかもしれない。 販売促進課に勤めるサラリーマンだ。 片岡義男の小説の多くの登場人物(男)がそうであるように、ここでも年齢は27歳。 恋人らしき女のほうは、実に平凡極まりない名前で、 しかしいい女。のように見えて・・・・・・ さてどうだろうか。 凡庸なようで、停滞のない会話。共に迎える朝。 とりあえず、それだけあれば、なんとかなる。 【著者】 片岡義男:1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。
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4.1※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 一見とっつきにくいけど、顔がいいから女の子にモテる。幼稚園から一緒だったという理由で、いろいろな人にミタカくんのことを聞かれたりする私の家に、ミタカは日常的にいついている。うちはママと中学生のミサオ、パパは家出中。だからいつも4人で、ごはんを食べたり、テレビを見たり、日々は平和に過ぎていき、これからも続いていく―ナミコとミタカのつれづれ恋愛小説。 ※この商品は固定レイアウトで作成されており、タブレットなど大きなディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。
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3.0
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3.0貧しいアプレ大学生桐原進は、友人の古川昌人と起業を計画するが、資金難から古川の持ちかけた宝石強盗に、正統性を見出し行動に移す。だがそこに思いもよらぬ殺人事件が…。伝説の雑誌『新青年』でデビューし、“変格の鬼才”の勇名を轟かせた大下の、倒叙モノの最高傑作の初文庫化。人情派弁護士探偵・俵岩男奮闘! (※本書は1959/1/1に発売し、2022/3/10に電子化をいたしました)
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3.7「イメージコンサルタント」に関わる4人の女たち、それぞれの事情とは? ●純代の場合――娘から「参観日にお母さんが一番ダサかった」と言われ…… ●あかねの場合――不倫相手の「私服がかっこ悪い」のが許せない…… ●美波の場合――自分がこんなかわいらしい服を着てもいいのだろうか…… ●繭子の事情――的確なアドバイスを下す彼女の抱える問題とは…… あなたの第一印象、そのままでいいですか? 本当に似合う色、服、髪型などを提案し、「見た目」を変えるイメージコンサルタント・御手洗繭子。ほんのちょっとの気づきと心構えで、人生は変わっていくもの。彼女のアドバイスを受けた人々の外見と内面の変化とは? そして繭子自身が抱える秘密と事情が……。「きれいになりたい」「自分らしくありたい」と思う女性たちの心理を、鋭くかつ細やかに描く、連作小説集。
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4.0玩具会社部長の馬割朋浩から、妻・真棹の素行調査を依頼された調査会社社長・宇内舞子は、新米助手の勝敏夫と共に夫妻の乗った車を尾行する。ところが、その車を隕石が直撃するという奇禍で、朋浩は命を落とす。この事件が幕開けを告げたかのように、馬割家で不可解な死が連続し、舞子と敏夫は、幕末期まで遡る一族が抱える謎と、「ねじ屋敷」と呼ばれる同家の庭に造られた、五角形の巨大な迷路に隠された秘密に挑むことになる。絢爛巧緻な犯罪絵巻であり、本格ミステリの醍醐味に満ちた、第31回日本推理作家協会賞受賞作にして、不朽の名作!/解説=阿津川辰海
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5.0
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-武田麟太郎の斡旋で1934年(昭和9年)に刊行された連作集の『路草』と三人称客観描写の中篇「朽花」を中心に据えた作品集として1937年(昭和12年)に刊行された『朽花』は、川崎長太郎が東京で文壇に連なって作家として生きていた時期の単行本。 この2冊から「初期名作集」として新たに構成したのが本書である。 単行本『路草』収録の5篇から、のちに作家本人によって、冒頭に置かれた「その一 飛沫」が割愛され、「その一 穽」「その二 隻脚」「その三 泥」「その四 路草」という四章立ての連作「路草」となっている。 「路草」は、カフェの女給である民枝と作家本人に近い存在である主人公のもつれた関係の転変、そして悲痛な破局を緊迫感あふれる筆致で描いている。 また、「朽花」は、徳田秋声の息子である徳田一穂が私娼街・玉の井の娼婦を足抜けさせようとして孤軍奮闘するさまを三人称で描く、いわばモデル小説である。 本書では、タイプの異なる2篇を収録することで、可能性を秘めた若い作家だった川崎長太郎の初期の姿を、コンパクトでありながら鮮やかな形で1冊の文庫本に収めることをめざした。 講談社文芸文庫版として著者の歿後40年の節目に刊行するにあたり、「路草」に関連して単行本に収録されながら後に割愛された「飛沫」を、「朽花」について著者が書いた短いエッセイを、それぞれ参考資料として収録することで、川崎長太郎や私小説の愛好家向けに工夫をこらしている。
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4.3ミチクサが多いほうが、人生は面白い! てっぺんには裏から登ったって、足を滑らせたっていい。あちこちぶつかったほうが道は拓ける。 夏目家の「恥かきっ子」金之助は生まれてすぐに里子に出されたり、年老いた父親にガラクタ扱いされながらも、 道楽者の祖父の影響で子供ながらに寄席や芝居小屋に入り浸る。学校では異例の飛び級で頭角をあらわし、 心のおもむくままにミチクサをして学校を転々とするように。その才能に気付いた兄に英語を仕込まれ、 東京大学予備門に一番で合格した金之助は、そこで生涯の友となる正岡子規と運命の出会いを果たす。 伊集院静がずっと共鳴し、いつか書きたかった夏目“漱石”金之助の青春。 日経新聞の人気連載小説を書籍化し、「日曜日の初耳学」はじめ朝日新聞や「週刊現代」各紙誌で取り上げられ 「ラジオ深夜便」「大竹まことゴールデンラジオ」でも話題になった注目作が文庫化。
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-昭和43年東北の田舎町から幸運に恵まれて東大に入学した室井は、ひょんなことからカトリックの修道会が経営する大学生寮で生活することになった。 そこでカナダ人修道士の舎監ベランと出会う。ベランは戦時中、敵国人として日本国内の強制収容所で過酷な抑留生活を送った経歴の持ち主だが底抜けに明るく包容力のある暖かな人柄で寮生の絶大な信望を得ていた。室井は忽ちその人格に魅せられ傾倒するようになる。 入学時から東大は学内紛争で紛糾していたが入学式は何とか実施されたものの、その後、総長による機動隊導入に端を発して全学が騒乱状態に陥り七月ついに駒場も無期限ストに突入してしまう。そんな渦中にあって室井は集団に対する拒絶反応から紛争に対しては肯定とも否定ともつかないあいまいな態度に終始していた。九月には新左翼系活動派が駒場中心部建物のバリケード封鎖を強行する。 ついに室井も遅まきながらクラス連合という新しい組織に加わり活動に参加することとなった。 一月には突然転勤によるベランとの別離に見舞われる。 二月にはバリケード封鎖されていた安田講堂が機動隊の強行突破により解放されるに及んで学内紛争は、ようやく終息を迎えることになった。 自己の確立を模索しながら彷徨する一大学生の一年間の軌跡を描いた作品である。
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-これは謎についての小説ではなく、関係についての小説である 一人のフリー・ライターがいる。彼は引越しに伴う書類の整理中、ふと昔の雑誌記事に目を留める。5年前、25歳の女性が失踪したことをめぐる記事だ。記事と、その後どうなったかについて興味をそそられた彼は、取材を開始。多くの人物に会う。記事を書いたライター、失踪した女性の友人、両親……調べながら彼は、これは犯罪や事件ではなく、失踪者自身の意志ではないかと推測するに至る。そして作者が「あとがき」で書くように、小説の核心は、なぜ? という謎以上に女性を中心とした関係性そのものにあるのだ。 【目次】 第一章 五年前のこと 第二章 最初の取材者 第三章 裸婦は語る 第四章 暗室で夕食 第五章 写真と油絵 第六章 父親の見識 第七章 二階の部屋 第八章 上司や同僚たちが語る 第九章 それまでの一時間三十分 第十章 髪を切った女 第十一章 ひとり二役 第十二章 ふたたび最初の取材者 第十三章 詩人は結論を出した 第十四章 彼女が見たはずの恐怖 あとがき 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/
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-世界を震撼させたパンデミックの中で気丈に生きる2人の若き科学者。 ウイルス研究の末に彼らがたどり着いた「啓示」とは――。 生命の起源を探究する隕石研究者の神峰良樹は、 フィンランドでウイルス研究をしている高月結と18年ぶりに再会を果たす。 そんな中、神峰は隕石の中に不思議な核酸塩基を発見し、 これを国際会議で発表するためにイタリア・ベネツィアへ渡航。 一方の結は、国際医療チームに参加するためアフリカへ旅立つが、 スーダンで行方不明になってしまう。 2人に忍び寄る新型コロナウイルスの影、大きく揺れ動く運命。 そして、「ソラサイド」に込められた3つのメッセージとは――。 生きとし生けるものすべてに捧ぐ、出色のサイエンス小説。
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