まともな家の子供はいない

まともな家の子供はいない

660円 (税込)

3pt

気分屋で無気力な父親が、セキコは大嫌いだった。彼がいる家にはいたくない。塾の宿題は重く、母親はうざく、妹はテキトー。1週間以上ある長い盆休みをいったいどう過ごせばいいのか。怒れる中学3年生のひと夏を描く表題作のほか、セキコの同級生いつみの物語「サバイブ」を収録。14歳の目から見た不穏な日常から、大人と子供それぞれの事情と心情が浮かび上がる。

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まともな家の子供はいない のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2020年10月01日

    なにをもって「まとも」というのか。

    誰かを「まともじゃない」と言い切る津村さんの表現力は潔くて、わたしは誰かをまともじゃないと言い切ってしまうことはその人を否定するように感じるから、思っても言わないようにしてしまうけれど、はっきりと言い切るこの潔さ。強いなと思った。
    もし自分がこの作品を出版する立...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2024年04月09日

    父親が«働かない»という状態の主人公のセキコ
    もうすぐ受験なのに、こういう父親がいたらそりゃ、終始むかつくし家以外に居場所を求めてうろつくだろうなと思う
    母親と妹が父親に対してそんなに怒っておらず、家の中に味方がいない気がするのもまたしんどい
    自分が思春期の頃の、何か分からないけどずっと何か思いつめ...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2020年11月29日

    自分の思春期のころを思い出した。

    多くの子供は、自分の家がおかしい、まともじゃないってことに気付かないふりをしてるんだと思う。
    分かりやすく父親が働かない等の事情を抱えるセキコはそれに気付いてしまう。
    中学生が向かい合わなくて良いはずの問題に向かい合って、イライラするセキコ。
    友達とバカバカしいこ...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2020年03月02日

    私も家に居たくない子供時代を過ごしたので、主人公の中学生の感情がものすごくよくわかる。
    外から見ればまともな家でも、内実はどこもそれなりに何かあるものなのかもしれない。
    親という大人が、実はそれほど大人じゃないって事に気がついてしまう年頃。でも「大人であれよ!」と思ってしまう年頃の親子関係はキツイ。...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2017年12月13日

    私はもう主人公たちの親の年代ですが、中学生のセキコに感情移入しながら読み進めました。

    すぐに仕事を辞めてくる父親、それを許す母親、要領の良い妹、イライラしているのは自分だけ……。
    「心配しなくていいのよ」「情けない親だって思うわよ」とセキコの母親は耳触りの良い言葉だけを並べ立てるけれど何の解決にも...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2016年08月21日

    違和感…そりゃそうだよね。
    まともかどうかなんて、分からないんだから。
    自分ち基準で判断するんだから。
    そして今日も我が家は緑色のドリンクが
    出てくるのだ。うーん、なんて健康的‼

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    Posted by ブクログ 2016年05月04日

    同世代だった時にじぶんが見ていた風景が脳内に広がって、読んでいるのが苦しいほどに14歳の苦悩が詰まっている。
    だけど、彼女らの気づきや動きにわたしもちょっと感化されて よーし!と走り出したい気持ちになった。

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    Posted by ブクログ 2023年03月24日

    強気なタイトルに惹かれて手にとりました。

    私の両親、とりわけ父親もまともではなく、家庭という小さな社会がとても居心地の悪い場所だったので、主人公に10代の自分を重ね、「普通の家庭の子」をうらやましく、時に妬ましく思う、そんな自分さえもあの頃は嫌だったことを思い出しました。

    家族の事って周りに相談...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2021年01月07日

    なぜかこの本だけ読む気がなくずっと残ってた津村作品、静かに過ごす年末年始に取り掛かる。最初はあまり物語の世界に入り込めなかったが中盤からなるほど…と思えるようになってきた。
    こういう家族、イラつくだろうな。しかし中学生ぐらいだとまだ自分の家が正しいもの、あるべきものだと思っていた自分にとっては主人公...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2020年12月05日

    中編「まともな家の子供はいない」とそのスピンアウト短編「サバイブ」の2編。
    表題作について出版社の紹介をそのまま転記すれば「『一週間以上ある長い盆休みはどう過ごせばいいのだろう…気分屋で無気力な父親、そして、おそらくほとんど何も考えずに、その父親のご機嫌取りに興じる母親と、周りに合わせることだけはう...続きを読む

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