小説作品一覧
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4.0今、たどりつく。万葉集の新境地。選り抜かれた100首と独自の解釈が、新たな〈万葉観〉へと導く! 長歌、短歌、旋頭歌など、全4500余首が収められた日本最古の撰歌集「万葉集」。京都、飛鳥、奈良といった古都の散策を主題とする随筆の名手が、その中から100首を厳選し、瑞々しい解釈と美しいエッセイを添える。内乱が頻発し混沌とした社会にあって、歌の作者たちは嘆きや悦び、叶わぬ願いや迸る想いを懸命に詠み上げた。そうした先の見えない時代を生き抜く逞しさに満ちた古の詩が、私たちに今ひとたびの生命力を与えてくれるはず。詩歌の来歴はもちろん、著者自身が万葉ゆかりの地で見聞きした余話に豊かな学びと温かな癒しがある。また、躍動感のある大和路の風光描写が――たとえ物理的な移動がままならない時であっても――想像力あふれる魂の旅へと誘ってくれる座右の書。
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4.7※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 そこのけ、御用学者ども! 数ある便乗本よ、焼却炉の灰となれ。 「維新」「大戦」、そして「令和」――。 「『万葉集』には天皇から庶民の歌までが収められている」という虚構を、近代以降の国家権力は利用し続けてきた。 新しい年号は令和。出典は「国書」である万葉集――2019年に安倍首相が幅高々に発表した直後、東京大学教授・品田悦一氏の「戦い」ははじまった。「令和」の典拠になった「梅花歌」序には、さらに中国漢籍の「典拠」がある。そこには、1300年前に大伴旅人が込めた、「権力の横暴を許すな」という反体制のメッセージがある。安倍首相はそれを知らないのだ、ということを明らかにした。品田氏の反論は、Twitterで一気に拡散し、全国紙にも取り上げられた。 だれが首相になっても変わらない! われわれは踊らされてはいけない、ぼーっと生きてではいけないのだ。 天皇や貴族から庶民の歌まで載っている『万葉集』にあやかって、人々が美しく心を寄せ合う世の中を作りましょうというのは、「美しい国」が立ちゆくために国民に犠牲を払ってもらおうという方向へ誘導しようというものではないのか。令和という年号からわれわれが読み取らねばならないのは、なんなのか。 (本書のおもな内容) ●「令和」から浮かび上がる大伴旅人のメッセージ 「令和」の典拠となった、大伴旅人の「梅花歌」序。京都を離れた太宰府で梅の花を愛でるという、歌の宴。「梅花歌」序は、中国漢籍を踏まえたもので、典拠に込められた「真意」までたどりついたとき、われわれは「令和」の本当の意味を知る。藤原氏の専横、長屋王の謀殺。中央政治の腐敗に対し、遠い太宰府から、大伴旅人は、どのようなメッセージを込めていたのか。まるで古代ミステリを読み解くようなスリリングな論理の知的興奮と同時に、現代人は旅人のメッセージを自分たちのものとして受け止めなければならないことを痛感する。 ●「万葉ポピュリズム」を斬る 日本女子大で開かれた熱い講演を、大幅加筆修正して収録。『万葉集』を利用しようとする国家の作り上げた幻想を打ち砕き、さらには、「元号」「改元」という言葉の「怪しさ」を明らかにする。 一、「改元」というのは元号を改めることではないのだ、そもそも「元号」というのは変なことばなのだ。 二、『万葉集』には天皇や貴族の歌だけでなく、農民や防人の歌までが収録されていると言われることがあるが、それは大きな間違いである。 三、『万葉集』にあやかって、人々が美しく心を寄せ合う世の中を作りましょうというのは、「美しい国」が立ちゆくために国民に犠牲を払ってもらおうという方向へ誘導しようというものではないのか。
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-数多い類書と比べ本書の最大の特色は、各巻からの抜粋ではなく、年代順に鑑賞・研究するところにあることと、何よりアララギ派の実作者である著者の感性が解説・注釈、歌の選択にも生かされているところである。
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-――あなたの知らないところから、 猫は見ている。人の心の闇の中を。 猫好きでエッセイストとしても活躍する女優・室井滋が 初めて紡いだ“猫”と“女”の不思議な物語。 第1夜 猫随想「深夜の訪問者」 猫物語「帰省」 第2夜 猫随想「可愛い仔がお家で待ってます」 猫物語「クリスマス、タクシーで」 第3夜 猫随想「真夜中のチラシ」 猫物語「29番の猫」 第4夜 猫随想「美容師A子、かく語りき」 猫物語「若いうちから猫と暮らすと……」 第5夜 猫随想「あの仔のためならどこまでも」 猫物語「粉雪の舞う夜に」 第6夜 猫随想「シゲルとチビ その愛の形」 猫物語「ぼくは繋がれし者」 第7夜 猫随想「大切にしよう“ネコ”と“エコ”」 猫物語「男一匹、松岡!」
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-※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 名作『ハックルベリィ・フィンの冒険』の「脱出のエピソード」から、後期に多数書かれた未完の作品、『ミステリアス・ストレンジャー44号』までの作品を通し、トウェインの「ファンタジーの世界」を今注目の研究者が初めて明かす。日本におけるトウェイン関係の詳細な文献目録付き。
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-※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 講演の名手トウェインが体現するアメリカ世界。 自由、平等、民主主義、ユーモア、アイロニー、アメリカンドリーム……カーネギー、ロックフェラー、ヘレン・ケラー、ルーズベルト大統領、そして同志文豪ゴーリキー……本書はマーク・トウェインのアメリカを物語る40年に及ぶ講演の記録である。『トム・ソーヤーの冒険』『ハックルベリ・フィンの冒険』の著者としての大作家の顔、『地中海遊覧記』『赤道に沿って』などの旅行作家としての顔、そして忘れてならないのは講演家としての顔を持っていたことである。本書に登場するアメリカを代表する多彩な顔ぶれ、19世紀から20世紀にかけての歴史的諸問題に真摯に向き合ったトウェインの素顔や人生観を垣間みることのできる貴重な書である。本邦初訳!
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-マーク・トウェインというのは水の深さを示す用語で約3.6メートル。これだけあればミシシッピ河を上下する蒸気船は座礁する心配はなく、いわゆる安全水域を表わす用語でもあった。彼はほとんど学歴がなく、文章は庶民的で親しみやすかったこともあり、このペンネームでアメリカの人気作家となった。1935年、ハレー彗星が接近した年にミズーリ州の寒村に生まれ、75年後、ふたたび彗星が現われた年に亡くなった。「トム・ソーヤー」や「ハックルベリ・フィン」でよく知られるが、人間の喜怒哀楽を巧みに描いた多くの短編でも親しまれた。「その短編は長編に劣らず面白いものが多く、訳出している間も、また、ゲラの校正中も、思わずおかしくなって吹き出してしまうことが度々ありました。また、反対に、身につまされてホロリとさせられる場面もあり」…本短編集の訳者の言葉である。
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4.035歳女子(マーケティングのプロ)が手に入れた“計画的スピード婚”実践法。いかにして顧客(彼)に商品(私)を買って(プロポーズ)もらうのか? 尽くされ婚で思い通りの幸せを手に入れる新しい恋愛スキル! 中里桃子(Momoko Nakazato)同志社大学を卒業後、広告会社に入社。会社員の傍ら、自らのマーケティング力・企画力を武器に複業を行い、後に起業。それらと並行して、結婚を視野に入れた男性とお付き合いをするも、1年経たずして関係が破綻したり、結婚の見込みが立たず別れるなどを繰り返し、5年間を棒に振る。そこで、それまでの恋愛の方法を捨て、自らが結果を残してきたマーケティングを活用しようと思い立つ。これが功を奏し、運命の彼を見つけて1ヵ月でプロポーズさせ、3ヵ月後には入籍を果たす。現在は、会社の経営、多数の書籍の執筆など、夢も家事も、全面的にサポートしてくれる、理想の夫と幸せな日々を送っている。
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4.1大藪賞受賞作『リボルバー・リリー』が2023年行定勲監督で映画化決定! 気鋭の作家による衝撃の問題作。 この街には複数の殺人者がいる。彼らが出会うとき、 法では裁き得ない者たちへの断罪が始まる――。大藪賞作家が現代を舞台に描く圧倒的犯罪小説! デビュー2作目『リボルバー・リリー』でいきなり大藪賞受賞! ストーカーに襲われる女性を助けた夜から、 商社マンである阿久津清春の日常は狂い始める。 ブラウンの瞳と褐色の肌を持つその女、 柚木玲美は言った「あなたが殺人犯だと知っています」 17歳の夏、清春は人を殺していた。誰にも知られず――。 意図的に清春に近づいた玲美は、その「事実」と引き換えに、 母の死の真相と行方不明の姉の捜索を依頼する。 パートナーとなるのは、かつて実兄の殺害容疑をかけられた組対五課の刑事・則本敦子。 彼女もまた、過去の事件の証拠を玲美に握られていた。 異様な関係で結ばれた三人の捜査は、いくつかの未解決事件を掘り起こし、 やがて社会に潜む、起こしてはならない者たちを呼び寄せてしまう……。 この10年で日本全体の殺人認知件数は1万288。検挙率の平均は98%。 単純計算で206人の殺人犯が捕まっていないことになる。 また、年間約17万人が死因不明の異状死として届けられるが、解剖に回されるのはわずか12%。 およそ15万の「異状死体」が、詳しく調べられないまま死因を特定されている。 イギリスでの解剖率は約40%、アメリカで約60%、北欧では90%を超えるところもあり、 他の先進国と比べてこの数値は異様に低い。 つまり、この国では多くの「死」が見逃されている可能性があるのだ。
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3.8ミステリが大好き、クリスティが大好きなアリシアとリネットの姉妹が出した読書会──ブッククラブのメンバー募集の告知に応えてきたのは、古着ショップの女性オーナー、毒薬ミステリ好きの医師、平凡な主婦、図書館員の女性に博物館勤務のゲイの男性といった面々。はじまりは順調だったが、二回目の読書会で早くもトラブルが。主婦のバーバラが会場に現われなかったのだ。どうやら前日から家にも帰っていないらしく、事件に巻きこまれたのかもしれない。アリシアはブッククラブのメンバーの協力のもと、彼女をさがし始めるが……。〈マーダー・ミステリ・ブッククラブ〉シリーズ開幕。
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3.0絶望の青春──ジャック・ロンドン自伝的物語 20世紀初めのアメリカ西海岸オークランド。若い船乗りマーティン・イーデンは、裕福な中産階級の女性ルースに出会い、その美しさと知性に惹かれるとともに文学への関心に目覚める。生活をあらため、図書館の本を読み漁り、独学で文法と教養を身につけたマーティンは作家を志し、海上での体験談、小説や詩、評論を次々に書いて新聞や雑誌に送るが一向に売れず、人生の真実をとらえたと思った作品はルースにも理解されない。生活は困窮し、絶望にかられ文学を諦めかけたとき、彼の運命は一転する。 理想と現実の狭間で闘い続ける若者の孤独な栄光と悲劇を、自らの体験をもとに圧倒的な熱量で描くこの小説は、多くの作家や芸術家に影響を与え、読者の心を揺さぶり続けてきた。一世紀前の主人公の苦闘は、苛酷な格差社会の入口に立つ現代の若い読者にも切実に受け止められるだろう。
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-恐ろしいほどの利己心がチャズルウィット一家の特徴である。マーティン老は、周囲の人間はみな自分の財産を狙っていると疑う。信頼するのは孤児メアリーだけだ。だが孫のマーティンは、メアリーと密かに婚約し、老人に追い出される。孫も自己中心的で、縁戚にあたる建築家のペックスニフの元に身を寄せる。このペックスニフは徹底した偽善者だった。マーティンを迎えたのも、むろん欲得ずくだ。彼の仕事も、かつての生徒で彼を師と仰ぐトムに任せていた。ある日ペックスニフと2人の娘は、マーティン老から、孫が勝手に婚約したので追い出したと聞きショックを受けるが、老人の希望どおり、青年を体よく追い出す。宿無しとなったマーティンは、アメリカで一旗揚げようと考える。メアリーと最後の逢瀬を楽しんだあと、マーティンはアメリカに向かう。イギリスでは、マーティン老の弟のアンソニーが急死する。アンソニーも利己主義者だったが、その息子ジョーナスも同様で、父親の居場所は棺の中が最適だと考えるような人間だった。葬式の後、ジョーナスは打算からペックスニフの次女マージーと結婚し、濡れ手で粟の詐偽商売に肩入れしはじめる。ペックスニフにはマーティン老の衰えがわかった。彼は遺産を確実に手に入れようと、メアリーに言い寄る……人間の暗部とこっけいさを徹底して描ききったディケンズの代表作のひとつ。長谷部史親氏は「作中における人物造形の巧みさと場面ごとの面白さ、犯罪にかかわる謎の要素が推理小説を思わせる」と述べ、本書を高く評価している。
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-飲んで、移動して、また飲んで、移動して、 やがてマーマレードの朝。 クラブのホステスと、たまたま店に来た一介のサラリーマン。 決定すること、依頼することが女の役目であり、 引き受けること、運転することが男の役目だ。 女はアルコールを、飲む、飲む、飲む。 男は部屋に連れて行くこと、待つことくらいしかすることがない。 時間が経過し、女の懸案が済んで、正月五日。 夜ではなく、アルコールはなく、 ベーコンエッグとマーマレードを塗ったトーストと ささやかな出発の朝が来る。 【著者】 片岡義男:1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。76年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。
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3.3戦場カメラマンのマーリ・アルメイダは、冥界の受付で目が覚めた。現世に留まる猶予は七つの月が沈むまで。スリランカ内戦の狂騒を魔術的に駆け抜ける、圧巻のブッカー賞受賞作。 あなたはこの物語で、人間の悲劇的な愚かさと、目も眩むような愛を目撃することになる。 ──西加奈子 最高にグルーヴィーな語りのリズム。主人公マーリ(の幽霊)と一緒に知られざるスリランカの闇を突っ切った。 ──佐藤究 全ての諍いは死者たちの呪いから始まる。時にフィクションは現実の暴力に無力だ。が、この悪夢の旅はどうだ、シュールな笑いで飄々と死体の間をすり抜けて行く。これはすぐ間近に迫る我々の明日の物語だ。 ──幾原邦彦 強烈なエネルギー、悲しいユーモア、胸が張り裂けるような感情。そして、歴史が人々へしたことへの燃えるような怒り。 ──「ガーディアン」紙 「この世界の狂気をどう説明できる?」 1990年、内戦下のスリランカ・コロンボ。 戦場カメラマンにしてギャンブラー、皮肉屋で放埒なゲイであるマーリ・アルメイダは、目を覚ますと冥界のカウンターにいた。自分が死んだ記憶はないが、ここに来る前に内戦を終わらせるための重要な写真を撮ったことは覚えている。与えられた七夜の猶予のうちに、自分を殺した犯人を捜し、内戦を終結に導くことはできるのか? 復讐を誓う青年革命家、爆破テロの犠牲になった博士、魂を飲み込む邪神、錯綜する陰謀……。死者も生者も入り乱れた地の混沌を駆け抜ける、狂乱のゴースト・ストーリー。
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-戦場カメラマンのマーリ・アルメイダは、冥界の受付で目が覚めた。現世に留まる猶予は七つの月が沈むまで。復讐を誓う青年革命家、爆破テロで死んだ博士、冥界最凶の邪神、泥沼化する三つ巴の内戦──あの世もこの世も巻き込んだ、血なまぐさい混乱の行きつく先は。悲しくも可笑しい破天荒な魔術的ミステリ。スリランカ内戦の狂騒を魔術的に駆け抜ける、圧巻のブッカー賞受賞作。 あなたはこの物語で、人間の悲劇的な愚かさと、目も眩むような愛を目撃することになる。 ──西加奈子 最高にグルーヴィーな語りのリズム。主人公マーリ(の幽霊)と一緒に知られざるスリランカの闇を突っ切った。 ──佐藤究 全ての諍いは死者たちの呪いから始まる。時にフィクションは現実の暴力に無力だ。が、この悪夢の旅はどうだ、シュールな笑いで飄々と死体の間をすり抜けて行く。これはすぐ間近に迫る我々の明日の物語だ。 ──幾原邦彦 強烈なエネルギー、悲しいユーモア、胸が張り裂けるような感情。そして、歴史が人々へしたことへの燃えるような怒り。 ──「ガーディアン」紙 「この世界の狂気をどう説明できる?」 1990年、内戦下のスリランカ・コロンボ。 戦場カメラマンにしてギャンブラー、皮肉屋で放埒なゲイであるマーリ・アルメイダは、目を覚ますと冥界のカウンターにいた。自分が死んだ記憶はないが、ここに来る前に内戦を終わらせるための重要な写真を撮ったことは覚えている。与えられた七夜の猶予のうちに、自分を殺した犯人を捜し、内戦を終結に導くことはできるのか? 復讐を誓う青年革命家、爆破テロの犠牲になった博士、魂を飲み込む邪神、錯綜する陰謀……。死者も生者も入り乱れた地の混沌を駆け抜ける、狂乱のゴースト・ストーリー。 ※本電子書籍は、「マーリ・アルメイダの七つの月 上・下」の合本版です。
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-ミステリー小説の研究家・翻訳家として活躍する著者が、『ヴェニスを見て死ね』でおなじみ私立探偵ジョー・ヴェニス・シリーズとともに書き継ぐ、女性探偵フィリス・マーリーの冒険。 さらに、探偵ばかりが殺される事件を追う抱腹絶倒のパロディ、“ほぼ固茹で”探偵サム・スクープも登場! ニューヨークの女性探偵マーリーは、セントラル・パークを見渡せる高層アパートメントに暮らす老婦人の依頼を受け、あるいは疑惑の小説家志望者の調査中に死体に出くわし、はたまたミステリー作家のコンヴェンションで殺人に巻きこまれ、快刀乱麻を断つ活躍を見せる――女性探偵フィリス・マーリー・シリーズ。 かたや、ここディックスヴィルの街では、なぜか探偵ばかりが殺される事件が続発! 全編これ私立探偵小説のパロディ――“ほぼ固茹で”探偵サム・スクープ・シリーズ。 ミステリー好きほど楽しめる、全7編。【電子オリジナル版】
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-ハードボイルド派の代名詞となった感のあるチャンドラーの作品は、その枠を超えて親しまれている。長年その作品を味読してきた訳者は、本書において4つの中編を選び、「この1冊でチャンドラーのすべてが解る」と、控えめながら自負を語る。チャンドラーの魅力を紹介し、あらためてそれを確認する最適の作品集。「湖中の女」「女を裁け」「翡翠」「マーロウ最後の事件」を収録。
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3.6ジュディス・ポッツは77歳。ロンドン郊外マーローの古びた邸宅に独り住まいで幸せな日々を送っている。まわりには、仕事やウィスキーの量に口をさしはさむ人などおらず、退屈しのぎに「タイムズ」紙向けのクロスワード・パズルを考案している。ある夜、テムズ川で泳いでいると、ジュディスは残忍な殺人を目撃してしまう。地元警察は彼女の話を信じず、ジュディスは自ら事件の調査に乗り出すと決め、ドッグ・ウォーカーのスージーと、司祭の妻であるベックスを仲間に加え、「マーロー殺人クラブ」が誕生する。別の死体が現れたとき、3人は自分たちの行動範囲に連続殺人犯がいることに気づく。3人が解こうとしたパズルは、逃れることができない罠となる――。
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-死に向き合い、もがきながらも、生きる意味を探す少年の姿を描いた青春小説。 主人公の純太は、幼馴染でクラスの人気者の聡とともに小学生時代を過ごし、同じ中学校に進学した。しかし、聡はある同級生の怒りを買ったことがきっかけで殺されてしまう。気持ちを整理できないまま高校生になった純太は、理不尽な理由から悪質ないじめを受け、自ら命を絶つことを決意。その時、夢の中に死んだ聡が現れて――。 <目次> そら美が死んだ日 泣けないのは何故 成長という木 純太の夢 エール <著者紹介> EIKO(えいこ) 1948年生まれ。大阪生まれ、八王子在住。1971年玉川大学文学部教育学科卒。 幼稚園、保育園、学習塾、自主学習サークルなどで、幼児から中学生たちと触れ合う。
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3.0キリスト者としての西村久蔵の一生を克明に描いた伝記小説。 札幌の小さな牛乳販売店の長男として生まれ、札幌商業学校の教師となり、洋菓子店ニシムラ(後の西村食品工業)を創業した西村久蔵。わけへだてなく人々に大きな深い愛をもって尽くし、著者・三浦綾子にとっても心の師であった久蔵の、キリスト者としての一生を克明に描いた伝記小説。北海道銘菓「ユカたん」「レモンケーキ」などを作り上げた、初期の試行錯誤の様子も描かれている。 1981年(昭和56年)日本テレビ系列で、西村食品工業とそれに携わった人々をモデルにしたヒューマンドラマ「百円ケーキの店」を放送。聴覚障がい者のためのケーキ店を描いた。 「三浦綾子電子全集」付録として、「忘れ得ぬ人 忘れえぬ言葉」のテーマで書かれた主人公・西村久蔵についてのエッセイを収録!
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3.7「人間の罪」、そして、愛することと人生とは何かを見つめる短編集。 義兄と自分だけの秘密。好きだと言ってくれる同級生との微妙な距離感。そして、義兄の秘密。一人の女子高生の微妙な心の揺れを日記形式で描いた表題作のほか、年をとってから生まれた反抗期の息子に、生きることに必死だった過酷な半生を綴った手紙を渡す父親を描いた「この重きバトンを」、相手候補のデマ記事を流すなど、汚い手を使っても町長選に勝とうとする父とそれに協力する母と姉。投票日に家を出る決心をする主人公を描いた「茨の蔭に」の2作を収録。「人間の罪」を描いた短編集。 「三浦綾子電子全集」付録として、夫・光世氏のエッセイ「自然への礼儀」を収録!
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3.4ひとりの人間の生き方が、周囲の人々にどのように影響を与えるか。生々しい人間ドラマ。 中津志津代の両親は、佐渡・真野村から北海道・苫幌村(仮名)に来て、村唯一の日用荒物雑貨、食料、衣料品を扱う商店を営んでいる。志津代は旅人宿を営む西館家の次男・文治に思いを寄せていたが、天性の美貌と豊かな感受性をもつ母・ふじ乃が、ある一夜、行商人と過ちを犯してしまう。翌年生まれてきた新太郎をめぐって、父と母の対立がはじまり・・・。 著者の父方の祖父母をモデル(性格が似ているだけで、ストーリーは虚構)に、人間の生々しい生き方を描く問題作!。 「三浦綾子電子全集」付録として、三浦綾子記念文学館初代館長・高野斗志美氏の「登場人物を読む/ふじ乃――『嵐吹く時も』」を収録!
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5.0海の自然とちっぽけな人間の闘いを描いた実話を元にした大漂流記。 天保3(1832)年、知多半島の小野浦から江戸に向かって出航した千石船宝順丸は、遠州灘で嵐に遭い、難破してしまう。1年2か月間の漂流ののち、宝順丸は奇跡的に北アメリカのフラッタリー岬に漂着する。14名いた乗組員はこのときすでに、10代の音吉、久吉、そして舵取りの岩松だけとなっていた……。 強大な自然にも負けない人間の強さを描いた大長編。 1983年(昭和58年)に松竹で映画化。西郷輝彦、竹下景子の主演で話題となった。 「三浦綾子電子全集」付録として、著者がキリスト教関係の雑誌「けつたん」に載せたエッセイを収録!
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4.0生きること、死ぬこととは何か、三浦綾子の原点を描く幼少期の自伝的小説。 1922(大正11)年、7人きょうだいの次女として旭川で生まれた綾子は、生来体が弱く臆病な子供だった。のちに綾子を献身的に支える前川正の妹・美喜子に誘われ、教会のクリスマスに参加したが、教会よりも寺に興味を持ち、禅寺の日曜学校に通うようになる。5年生になり、異性への憧れにも目覚めた綾子は、ふたつの人の死に遭遇するが、悲しいという感情の不確かさを思い、死や大人になることについて考えるようになる。三浦綾子の原点である幼少期(小学校6年生まで)を綴った自伝的小説。 「三浦綾子電子全集」付録として、夫・三浦光世氏による「創作秘話」と、3歳ころの写真を収録!
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4.2愛を持続させることはいかに大切であるか――。新婚生活から新聞懸賞小説に入選するまでを綴った自伝的小説。 37歳で結婚し、綾子の実家に近い一間だけの小さな新居で始まった結婚生活。新聞社の1,000万円懸賞小説に『氷点』を投稿し、入選するまでの愛と信仰の日々を描く。「大きな愛」に包まれた「小さな家」には、さまざまな人が立ちあらわれる。また日常生活の中で、人を信じる、愛することの重要性を説く。 「道ありき 青春編」の続編。 「三浦綾子電子全集」付録として、週刊新潮1999年10月28日号の記事「墓碑銘・作家、三浦綾子さんの苦難を支えた信仰と夫の愛」を引用収録!
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3.5人は人を裁くことができるのか? 誰もが持っている人間のエゴイズムに光をあてた問題作! 「『家庭は裁判所ではない』ということを、わたしは度々口にする。しかし、現代は家庭もまた裁き合う場であって、憩いの場でもなければ、許し合う場でもなくなっていると言える。わたしは、現代の持つこの一つの問題を、親子、兄弟、夫婦、嫁姑の家庭関係の中で追求してみたかった。」(単行本「あとがき」より)。小田島博史と滝江夫婦、その息子・清彦、小田島謙介と優子夫婦、その息子・修一と弘二、そして姑・クメらが織りなす愛憎模様から、救いようのない現実の醜さを描く。 1970年(昭和45年)、1973年(昭和48年)に2度、テレビドラマ化され話題を呼んだ名作! 「三浦綾子電子全集」付録として、週刊誌連載時に取材旅行先で撮影した三浦夫妻の写真を収録!
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3.0人間の強さと脆さ、愛憎、生と死を厳しくも優しい視点から描いた傑作中短編集。 作家活動の最盛期にあった著者が、長編執筆のかたわらで、何気ない日常の中に垣間見える、底知れぬ闇を抱えた人間の弱さを描き出した傑作中短編集。平穏な家庭に忍び込んでくる死の影を背負った女の息遣いに、家族の信頼と幸福がもろくも崩れ去っていく姿を描いた表題作「死の彼方までも」の他に、「赤い帽子」「足跡の消えた女」「逃亡」を収録。 1977年(昭和52年)、1983年(昭和58年)の2度にわたりテレビドラマ化された稀代の名作。 「三浦綾子電子全集」付録として、表題作が1977年にテレビドラマ化された時の台本、単行本として出版されたときの記念写真を収録!
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3.7人は果たして人を真に愛し得るか。人間にとっての永遠の課題を追求した問題作。愛のあり方、求め方とは――。 高校教師・南慎一郎は、同僚であり、新進の日本画家であった藤島壮吉から絵の手ほどきを受け、日展初出品で協会賞を受賞する。入選した絵は、藤島の妻・美枝子をモデルにし、藤島と共に描いたものだったが、藤島は落選した。しかも、藤島は美枝子への慎一郎の気持ちに気づき、自殺してしまう。そして、藤島の死は大きな波紋を呼び、慎一郎と藤島の家庭は崩壊していくのだった。人は果たして人を真に愛し得るか。人間にとっての永遠の課題に正面から取り組んだ問題作。 1978年(昭和53年)にテレビドラマ化され、話題を呼んだ。 「三浦綾子電子全集」付録として、著者が北海道新聞に書いたエッセイ「敷島の滝」を収録!
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4.2人間の本質に迫る三浦文学の最高傑作! 昭和元年、北森竜太は、北海道旭川の小学4年生。父親が病気のため納豆売りをする転校生中原芳子に対する担任坂部先生の温かい言葉に心打たれ、竜太は、教師になることを決意する。竜太の家は祖父の代からの質屋。日中戦争が始まった昭和12年、竜太は望んで炭鉱の町の小学校へ赴任する。生徒をいつくしみ、芳子との幸せな愛をはぐくみながら理想に燃える二人の背後に、無気味な足音……それは過酷な運命の序曲だった。 「第1回井原西鶴賞」受賞作品。三浦綾子、生前最後の小説。 1996年(平成8年)、NHKで「銃口 竜太の青春」としてテレビドラマ化され、作品が第14回ATP賞‘97奨励賞を受賞した。
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4.1人間にとっての「ゆるし」とは何かを問いかけるベストセラー『氷点』のその後。 自分が殺人犯の娘であると知った陽子は、睡眠薬自殺を図るが、一命を取り留める。意識が戻った陽子に、育ての親である啓造と夏枝は、陽子が殺人犯の娘ではなかったことを告げる。だが同時に、陽子は自分が不義によって生まれた子である事実を知るのだった。潔癖な陽子は、実母への憎しみを募らせていく。そんな陽子に特別な感情を抱く兄の徹は、陽子の実母に接近していき……。 1971年(昭和46年)にテレビドラマ化され話題を呼んだ。 「三浦綾子電子全集」付録として、随筆「『続 氷点』を終って」を収録!
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4.3虚飾のない、血のかよった人間味溢れる「ちいろば先生」こと榎本保郎牧師の姿を描く、伝記小説。 貧しい家庭に育ち、家の手伝いをしながらも、中学に合格し、積極的な活動をしていた榎本保郎。しかし満州から復員してから、虚無に陥り、生きる目的を失ってしまう。苦労して同志社大学神学部の聴講生になったものの、自殺騒動を起こしてしまうのだ。徐々に落ち着きを取り戻し、神学部にも復学し、神への献身を決意するのだが・・・。 自らをイエスの乗り物、小さいロバに擬し、生涯を伝道に捧げた榎本康郎牧師の壮絶な生と死を綴った伝記小説。 「三浦綾子電子全集」付録として、主人公・榎本保郎の弟・栄次氏が新潟の高校校長になったときの三浦綾子のお祝いの言葉を収録!
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3.8親と子、教師と生徒の絆を深く描く問題作。 旭川の私立中学校に赴任した教師の杉浦悠二は、生徒のひとり、佐々林一郎の暗い表情が気になっていた。じつは一郎は、実業家の父を持つ裕福な家の息子であったが、姉だと信じていた奈美恵が父・豪一の愛人だったことを知って以来、すさんでいたのだった。悠二は一郎の力になりたいと何かと尽力するが、一郎は全く心を開かない。それどころかますますすさんでいくのだった。 1968年(昭和43年)、1975年(昭和50年)に2度、テレビドラマ化された、昭和を代表する名作! 「三浦綾子電子全集」付録として、新聞連載にあたっての文章(単行本未収録コラム)を収録!
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4.1運命や自然に翻弄される人間の愛とエゴイズムを描く長編小説。 貴乃と孝介は結婚を誓い合った仲だったが、貴乃に恋慕する完治の策略によって、孝介一家は村から追いやられ、貴乃は強引に完治の妻にさせられてしまう。それから10年。樺太に渡り、金持ちになった孝介が貴乃と完治の前に現れ、完治の妹のあき子を嫁にほしいと告げる……。運命や自然に翻弄される純愛を通し、十字架を背負った人間たちのドラマを描く長編小説。 1977年(昭和52年)にテレビドラマ化され話題を呼んだ。 「三浦綾子電子全集」付録として、1977年のTVドラマ化に際し毎日新聞に載せたコメントを収録!
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4.3誠実に生きる人間に自然は容赦なく襲いかかる。「苦難の意味」を真正面から問いかける感動の長編。 上富良野郊外で、開拓農民の祖父母や兄、姉、妹と暮らす耕作は、中学進学をあきらめ、小学校の代用教員として、一家の生活をわずかながら支えている。そこへ、長い間離れて暮らしていた母が帰ってくるという吉報が届く。そんなとき、十勝岳が突然大噴火、一帯を泥流が襲う……。1926(大正15)年5月に実際に起こった十勝岳大噴火を背景に、懸命に生きる人間の姿を描く感動の長編。 「三浦綾子電子全集」付録として、夫・三浦光世氏による「創作秘話」、十勝岳中腹に立つ著者写真等を収録!
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3.7人間の弱さや醜さを凄惨なまでに描いた人間の生き方を問う5編の短編集。 知らぬ間に麦畑に紛れ込み、はびこっていく毒麦のように、容赦なく人々の心をむしばんでゆく悪意の種子。その種子を蒔くのは、生まれついて悪しき人々なのか、あるいは無垢と見える我々自身なのか。父の不倫に端を発した両親の別居で、徐々に孤独の淵に追い詰められていく少年の姿を描いた表題作のほかに、『尾灯』『喪失』『貝殻』『壁の声』を収録した短編集。 『尾灯』は、2002年(平成2年)に、『喪失』は、2005年(平成5年)に、テレビドラマ化され話題を呼んだ。 「三浦綾子電子全集」付録として、よく通った地元の居酒屋広告に載せたコラムを収録!
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3.8
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4.2『蟹工船』の著者・小林多喜二の母・セツの波乱に富んだ生涯を描いた伝記小説。 秋田の貧しい家に生まれたセキは、農家の小林家に嫁ぐが、長男の死を機に北海道小樽に一家で渡り、パン屋を経営する。伯父の援助で進学した次男の多喜二は、卒業後、銀行に勤め、家計を支えるようになるが、反国家権力の小説により、何度か投獄され、そしてついには・・・。 プロレタリア文学で後生に名を残した『蟹工船』の著者・小林多喜二と、その母・セツの波乱に富んだ生涯を描いた伝記小説。 「三浦綾子電子全集」付録として、「母」を元にした舞台上演への寄稿文、夫・三浦光世氏による「創作秘話」、愛用のパーキンソン病患者用の椅子写真を収録!
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4.0北海道旭川市を舞台に人間の「原罪」をテーマにした著者のデビュー作であり、代表作。 ある夏、北海道旭川市郊外の見本林で3歳の女児が殺される。父親、辻口病院院長の啓造は出張中、母親の夏枝は眼科医の村井の訪問を受けている最中の出来事だった。夏枝と村井の仲に疑いを抱いた啓造は、妻を苦しめたいがために、自殺した犯人の娘を引き取ることにする。事実を知らない夏枝はその娘に陽子と名付け、失った娘の代わりにかわいがる。夏枝や兄の徹らの愛情に包まれて明るく素直な娘に成長していく陽子だったが、いつしか家族に暗い影が忍び寄る―。 三浦綾子の朝日新聞の懸賞小説当選作であり、デビュー作。 そして、1969年(昭和44年)、1970年(昭和45年)、1981年(昭和56年)、2006年(平成18年)と昭和から平成にかけて4度にもわたりテレビドラマ化された、空前の名作である。 「三浦綾子電子全集」付録として、懸賞小説の当選発表記事や受賞の言葉などを収録!
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3.7広い迷路をさまよう人間の孤独と欲望を描く、サスペンス風長編。 旭川出身で、銀座のデパートに勤める早川冬美には、エリート会社員の町沢加奈彦という素敵な恋人がいた。しかし札幌に出張中のはずの加奈彦を都心で見かけて以来、心に不安の影がよぎる・・・。小心で平凡な人間に潜む欲望が、犯罪に結びついていく心理的サスペンス。著者には珍しい推理小説風の作品。 1979年(昭和54年)にテレビドラマ化され話題を呼んだ。 「三浦綾子電子全集」付録として、三浦綾子記念文学館初代館長・高野斗志美氏による論評「登場人物を読む/冬美――『広き迷路』」を収録!
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3.6家族とは、家庭とは? 「教育ママ」の姿をえがいた人間のエゴと魂のあり方を問う問題小説。 札幌に住む二人の才色兼備の姉妹、遠野木佐貴子と桜田亜由子。亜由子の息子、純一の目を通しながら、父母のさめた関係、母から弟・真二への冷たい仕打ち、叔母・佐貴子とその息子・俊麿の異常な関係などを描いていく・・・。 大人たち、特に母親のエゴを通し、家族の崩壊をえぐるように描く問題長編。家庭小説、社会小説としても必見の一作。 「三浦綾子電子全集」付録として、三浦綾子記念文学館初代館長・高野斗志美氏によるコラム「登場人物を読む/俊麿――『水なき雲』」を収録!
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4.3著者の二十歳代前半から療養生活、自殺未遂、光世氏との結婚までを記した自伝的小説。 小学校の教師をしていた綾子は、敗戦を迎え、それまで教えてきたことが間違いだったのではとの思いにさいなまれ、虚無感を覚える。教師を辞め、結婚を決意するが、結納が届くその日に倒れ、その後、肺結核を発病する。長い療養生活の中で婚約解消、自殺未遂などを経験するが、同じ結核患者でクリスチャンの幼なじみ前川正の献身的な支えを得て、生きる希望を見いだしていく。その後、脊椎カリエスを患った綾子は、受洗する。そんな折、前川正が危険な大手術を受けることになり……。 「三浦綾子電子全集」付録として、夫・三浦光世氏による「創作秘話」を収録!
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3.8自己本位にしかものを考えることができない人間の悲劇。6つの作品からなる短編集。 性愛に奔放な元小学校教師の加代は、真実の愛があることを信じない(「井戸」)。入院中の療養所の裏山で性愛におぼれて妊娠してしまう霧子(「足」)。東京を離れることをいやがり実家に帰ってしまった妻に対し、つつましやかな女性に惹かれる慎二だが(「羽音・1969年(昭和44年)にテレビドラマ化」)。少年・清志は家出した母の面影を優しい女性教師に見るが(「奈落の声」)。金と情欲に支配された人たちに翻弄され続けた美津子は不幸のまま……(「どす黝き流れの中より」)。研究室が火事で全焼した後、精神に異常をきたしてしまった夫を支える明子(「病めるときも」)。人間の弱さと罪深さを描いた6つの短編集。 「三浦綾子電子全集」付録として、出版ニュースに載せた「わが著書を語る」、講演写真を収録!
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3.4日本初のドライ・クリーニング店「白洋舎」を創業した五十嵐健治の骨太な波乱に満ちた生涯を描く伝記小説。 家の事情で、幼いころ生母と別れ、養子となり、一攫千金を夢見て16歳で家を飛び出す五十嵐健治。さまざまな仕事に就いては、投げ出すという奔放を繰り返す中で、キリスト教に目覚める。紆余曲折を経て、三越百貨店の宮中係となり、そして、日本で初めてのドライ・クリーニング店「白洋舎」を創業した五十嵐健治の波乱に富み、しかし骨太な一生を、一人語りで綴った伝記小説。網羅的ではあるが、明治・大正・昭和の主要な出来事が紹介され、一種の近現代史にもなっている。 「三浦綾子電子全集」付録として、白洋舎発行の雑誌に寄稿した本書を書き終えた感想と、『氷点』の当選祝いに五十嵐健治氏から贈られた真珠のネックレス写真 を収録!
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3.5
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4.0時代の常識を超えて新しい女性の創造に命を燃やした女子学院初代院長・矢嶋楫子(やじま・かじこ)の生涯 厳しい明治の世にあって、結婚、出産、離婚、そして郷里・熊本から上京し、教師の道を歩みながら妻子ある人の子を産んだ矢嶋楫子・・・。日本キリスト教婦人矯風会を結成し、禁酒、禁煙、廃娼運動を広く行う一方、女子学院の初代院長となる。愛と情熱のおもむくままに生きた新しい女性・矢嶋楫子93年の生涯を、著者が思いを込めて綴った伝記小説。 「三浦綾子電子全集」付録として、矢嶋楫子や女子学院、矯風会関連の写真と、「道南オリーブの会ニュース」発足10周年記念号に三浦綾子が寄せた文章「信仰の自治」を収録! 2013年に矢嶋楫子 生誕180周年。
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-作家・三浦綾子が夫・三浦光世とふたりで、闘病生活、信仰、恋愛、結婚生活などの心の軌跡をおりおりに綴った歌集。 1955年6月に堀田(旧姓)綾子を見舞った光世に綾子はアララギ誌を手渡し入会をすすめた。そして、すぐに入会した光世が投稿した歌が、 とり分けて甘き水蜜桃ひとつ核の中黒く蝕ばまれゐき だった。そしてこの歌で初入選も果たした。一方の綾子は敗戦後のけだるい生活の中で、歌が<とにかく、わたしにとって、歌は日々の深い吐息であり、つぶやきであった>と明かしている。ふたりの出会い、そして結婚に至るまでの思い、信仰への思い、闘病生活などの軌跡が垣間見える貴重な共著歌集。
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-アララギ派の歌人・三浦光世が妻・三浦綾子との合同歌集「共に歩めば」(1970年刊)と、その後の作品から自選収録した歌集。 三浦光世がのちに妻となる三浦綾子に勧められて「アララギ」に入会したのは1955年の夏であった。その後、59年に綾子と結婚し、70年には綾子との合同歌集「共に歩めば」も刊行する。この本は光世が作歌を続けた個人の作品群と綾子との共著本の中から自選し、1990年に発刊した歌集。 君を想ふ夕べかなしくて袖に来し白き蛾を鉢の菊に移しぬ 涙出づるまでに素直に聞きてゐつ妻が語る前川正との過去 など、妻・綾子との生活にまつわる歌や、光世が個人的に好んだ自然を対象とした叙景歌も多く収録されている。
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3.7
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4.0「ゴシップガール」著者、絶賛!! 全世界同時発売!! NYタイムズベストセラー作家新作!恋と裏切り、欲望と嫉妬が渦巻く、青春ガールズ・ミステリー。 夢をつかむためなら、どこまで許される? あらゆる成功をつかめる街、LA。その街で今をときめく“アイコン”、マディソンがある夜失踪した。容疑者はリッチなクラブに出入りする10代の3人――夢を叶えるためにきわどいゴシップサイトで金を稼ぐライラ、自分を捨てた父親を見返したい、アーティスト志望のトミー、厳格な家庭で育てられた女優志望のお嬢様、アスター。マディソンはこの中の誰かに殺されたのか?
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