小説 - セール作品一覧

  • 紺野機業場
    値引きあり
    -
    芸術選奨受賞の聞き書長篇。淡々と綴る浄福の世界――北陸の海端の、さびしい河口の町。快活で研究心に富み、情に厚く飾り気のない人柄の、小さな織物工場を営む老主人・紺野友次。家族の消息やありふれた日常の中に、年中行事、信仰、習俗などにささえられた、100年にも及ぶ一族の歴史が描かれ、懐かしい日本の原風景が刻される。地方に生活する人々の真情を淡々と綴る浄福の世界。芸術選奨受賞作品。
  • ものみな歌でおわる・爆裂弾記 現代日本の戯曲
    値引きあり
    -
    『復興期の精神』の著者の代表的戯曲3篇を収録――虚実交錯する二元的批判構図を持ち、特異な発想と構想で、常に戦後文学に先鋭な問題を提起し続けた『復興期の精神』の著者・花田清輝の、代表的戯曲3篇。明治18年、自由民権運動を背景に、女壮士・新聞記者・講釈師・演歌師などを配して、その過激な運動の壊滅までの顛末を描いた諷刺喜劇「爆裂弾記」のほか、「ものみな歌でおわる」「首が飛んでも――眉間尺」を収録。
  • はじまりの空 新装版
    値引きあり
    3.0
    岡崎真菜、高校2年生。姉の結婚相手に紹介されたその兄、小林蓮の存在が心の内を占め、戸惑う。小さな画廊で先輩の元妻に使われている、結婚しそこなった中年なのに。真菜の想いを知ってか知らずか、蓮は決して心を開こうとしなかった。そんな折、パリへ出張する蓮に同行することになった真菜だが――。 一生に一度の恋に身を焦がす少女の視点で、17歳と34歳の鮮烈な恋を描く、究極の恋愛小説。
  • 堕落メシ!? あやかし神社でグルメな誘惑
    値引きあり
    3.5
    律子は神社の娘で、感情が昂ると人ならざる者を呼び寄せる「誘鬼の才」を持つ。そのため親に疎まれ、一人でご飯を食べ、自分を律する日々を送ってきた。が、両親と死別後に引き取られた家は越田町という“もてなし”が好きな人々が暮らす町で、過干渉に戸惑ってしまう。あるとき神社で百鬼夜行の宴に遭遇し、穂村と名乗る妖しい人外の男に“堕落メシ”で迫られて――? あっと驚くラストと飯テロ注意! なあやかし×グルメ小説!
  • 近代の超克 現代日本のエッセイ
    値引きあり
    -
    近・現代をいかに超えるか? 著者の代表的エッセイ――〈前近代的なものを否定的な媒介として近代を超える〉……著者の生涯を貫ぬいて実践された主題に添って書かれた「柳田国男について」は、柳田国男の現代的な再発見を促がし、フォークロアや口承文芸、〈近代〉から排除されたB級文化話芸などが、教養主義的価値観から解放され陽の目を見た。活字中心の価値観に、根柢的改変を迫った、衝撃的エッセイ。
  • 石川啄木歌文集
    値引きあり
    4.0
    明星派の詩人として出発し、三行書きの短歌で歌壇に新風を吹き込み、〈大逆事件〉との出会いにより現実を凝視、明治という時代を考察して、結核と貧窮のうちに夭折した、天才詩人・石川啄木。非凡な才能で先駆的思想を所有した彼の歌集『一握の砂』『悲しき玩具』などから短歌200首、「性急な思想」「時代閉塞の現状」などエッセイ6篇、「はてしなき議論の後」「飛行機」ほか詩12篇を収録。
  • 花嫁殺し
    値引きあり
    4.0
    蟲に殺された美しき花嫁。 7年前のおぞましい猟奇殺人の模倣か、それとも―― 累計40万部突破、 スペイン警察・特殊分析班シリーズ第1弾! “王道の警察小説でありながら、従来の常識を打ちやぶる圧倒的な筆力”――〈エル・パイス紙〉 “力強い女警部、そして力強いストーリー。その前に誰もがひれ伏す”――〈ABC紙〉 マドリードの公園で、結婚を控えた若い女性の遺体が見つかった。 被害者は頭蓋にあけた穴に蛆を埋められ内部から殺されたと判明。 難事件のみ扱うスペイン警察の精鋭チーム〈特殊分析班〉を率いる警部エレナは、 被害者の姉も7年前に同じ手口で殺されていたと知るが、犯人は捕まり服役中だという。 単なる模倣犯の仕業か? 捜査を進めるうち、2つの事件の壮絶な闇が浮上し…… 覆面作家によるデビュー作が異例のベストセラーに。 “スペイン出版界の一大事件”と称された警察小説、ついに邦訳。
  • ミステリアム
    値引きあり
    4.3
    少年とその犬の運命が重なったとき、 邪悪な“何か”が蠢きはじめる―― 不朽の名作『ウォッチャーズ』を継承する 巨匠クーンツの全米ベストセラー! 高機能自閉症で言葉を発した事のない11才の少年ウッディ。 IQ186の天才ハッカーでもある彼は、父の事故死の真相を密かに探っていた。 そんななか父が関連するハイテク企業の極秘研究所で爆破事故が発生、 ウッディのパソコンに不気味な文字が現れだす。 同じ頃、1頭のゴールデンレトリバーがかすかな声に導かれるように ウッディの元へ向かっていた。 邪悪な“何か”が同じ道を辿っているとも知らずに……。
  • 野いばらの衣
    値引きあり
    -
    小児麻痺で左足が不自由なカメラマンの「わたし」=郡司。彼が高校時代、憎悪を爆発させた体操教師・木宮。その娘で、郡司の憧憬と愛の対象、体操選手・とし子。偏執的人形師・英三三夫。左手に障害のある超能力者・亜矢……。人体の極限の美を追求する者と障害のある者――「わたし」は常に計り知れない距離と対峙する。二つの極を軸に、肉体と精神の微妙な領域を、“「わたし」の視点”で捉えた渾身の長篇力作。
  • 風の又三郎 アニメカバー版
    値引きあり
    4.3
    谷川の岸にある小学校に転校してきたひとりの少年。その周りにはいつも不思議な風が巻き起こっていた――落ち着かない気持ちに襲われながら、少年にひかれてゆく子供たち。表題作他九編を収録。
  • 赤くない糸で結ばれている
    値引きあり
    4.4
    書店員さんに恋をした体育会系男子、会ったことのないラジオの投稿者が気になる秀才、突然連絡してきた高校時代の同級生に翻弄される女子大生、同性を崇める女子中学生――鮮やかで儚い恋模様を描いた短編集
  • 保元物語・平治物語 ビギナーズ・クラシックス 日本の古典
    値引きあり
    -
    総ふりがなつきの原文、現代語訳、やさしい解説とコラムですらすらわかる! 貴族の時代から武士の時代へ、英雄譚と悲劇をダイジェストで読む。
  • 路地
    値引きあり
    -
    名刹が点在し、高級住宅地が広がる古都・鎌倉。 だが、そんな町にも、様々な人生が交錯する「路地」がある。古書店主、観光人力車を曳く男、図書館勤めの小市民……、市井の7人それぞれが、過去に秘めている罪や愛が、彼らの平穏な日常を波立たせる一瞬を犀利に捉え、人生の細やかな真実を温もりとともに掬いあげる短編連作。谷崎潤一郎賞受賞作。
  • 暗夜遍歴
    値引きあり
    -
    月子の父親が陥れられることによって登場した小田村大助。奪われるようにして小田村と結ばれた月子。政治と実業の世界の鬼であった小田村は、また、奔放な性を生き、女性遍歴を重ねていく。運命にもてあそばれた月子は、短歌に道を見出すことで、傷を癒し、自らを支えようとする。――息子・由雄の眼を通し、母・月子、父・大助の愛憎の劇を冷徹に描いた自伝的作品。亡き母への痛切なる鎮魂歌。
  • 死ぬまでにしたい3つのこと
    値引きあり
    3.5
    北欧新星デュオが放つ 進化形、警察小説! 肌に刻まれた3つのチェックボックス。 すべてを埋めたとき、少女たちは姿を消す―― あなたもきっと騙される。 ・スウェーデンで100人に1人が読んだ話題作! ・世界16カ国で刊行決定! ・オーディオブック部門ベストセラー1位! ・2020年度クライム・タイム賞新人賞受賞! スウェーデンを代表する企業の社長令嬢が大量の血痕を残して失踪した。 少女は腕に3つのチェックボックスのタトゥーを入れ、直前に最後の1つを埋めていた。 10代の少年が容疑者に浮上したものの遺体は発見されず、 未解決のまま時が過ぎた10年後、同じタトゥーを入れた少女の死が判明する。 ある事情から素性を隠し再捜査に加わったFBI捜査官ジョンは、 事件の深い闇に囚われていき……。
  • ミュゲ書房
    値引きあり
    4.0
    1巻715円 (税込)
    小説編集の仕事をビジネスと割り切れない、若手編集者の宮本章は、新人作家・広川蒼汰の作品を書籍化できず、責任を感じ退職する。ちょうどその頃、北海道で書店を経営していた祖父が亡くなり、章はその大正時代の洋館を改装した書店・ミュゲ書房をなりゆきで継ぐことに……。 失意の章は、本に関する膨大な知識を持つ高校生・永瀬桃ら、ミュゲ書房に集まる人々との出会いの中で、さらに彼のもとに持ち込まれた二つの書籍編集の仕事の中で、次第に本づくりの情熱を取り戻していく。そして彼が潰してしまった作家・広川蒼汰は――。 挫折を味わった編集者は書店主となり、そしてまた編集者として再起する。本に携わる人々と、彼らの想いを描いたお仕事エンターテインメント。
  • へっぽこ先生その他
    値引きあり
    -
    東京下町の思い出、四季折々変化する鎌倉の風物、昭和文士たちとの友情、懐かしさ溢れる名随筆の数々――作家としての早熟な才能を示した東京・神田育ちの青年は、菊池寛に誘われ文藝春秋社で編集者となった。しかし敗戦後は社を去り、以後筆一本の暮らしに入る……。人生の断片を印象鮮やかに描き出す短篇小説の達人が、横光利一、小林秀雄、井伏鱒二ら文学者との深い交流や、さりげなくも捨てがたい日常・身辺の雑事を、透徹した視線と達意の文章で綴った、珠玉の名随筆59篇。 ◎「自分の小さかった時のことを思い出してみて、夜なべに針仕事をする母のすぐ脇に、寝床を寄せて眼をつむっていると、なに一つ言葉を交わすのでもないのに、うれしくてうれしくて、眠ったふりをしながら、いつまでも眠らずにこうしていたいと思ったことがあったし、銭湯の帰り道、父と二人並んで歩いていると、まっくらな中で、これが自分と父なのだという、きわめて自然な血のつながりを感じたこともあった。」
  • ゼロエフ
    値引きあり
    3.0
    1巻940円 (税込)
    そうか、「復興五輪」も消えるのか。 歩こう、と思った。話を聞きたい、と思った。 福島のシイタケ生産業者の家に生まれ育った著者が初めて出自を語り、18歳であとにした故郷に全身で向き合った。 生者たちに、そして死者たちに取材をするために。 中通りと浜通りを縦断した。いつしか360キロを歩き抜いた。報道からこぼれ落ちる現実を目にした。ひたすらに考えた。 NHK「目撃!にっぽん」で放送! あの日から10年。小説家が肉体と思考で挑む、初のノンフィクション 目次 福島のちいさな森 4号線と6号線と 国家・ゼロエフ・浄土 長い後書き
  • うちの執事に願ったならば
    値引きあり
    4.2
    全10巻286~352円 (税込)
    執事・衣更月と衝突しながらも、当主として奮闘する烏丸花穎。夏休み唯一の友人との予定に心躍る花穎だが、道中でトラブルに巻き込まれてしまう。一方、主人に同行を許されない執事の夏休みの過ごし方とは……!?
  • 白磁の薔薇
    値引きあり
    3.5
    標高千五百メートルの麗峰の中腹に建つ『ユートピア』、そこは死を間近にした人々が最高で最期の治療と看護を保証された豪華なホスピス。入居者は元女優の凛子や著名なエッセイストの水原など莫大な費用が払える特別な人間ばかりだった。看護師長の千香子はオーナーの中条に見込まれ独身のまま住み込みで務めていた。ある日、季節外れの嵐によって道が寸断され『ユートピア』は孤立してしまう。千香子を含めその場に残されたスタッフ全員が中条の部屋に呼ばれる。そこで彼が話し出したのは、とんでもない提案だった。翌朝、駐車場でスタッフの一人が他殺体で発見される……! 大人のサスペンス・ミステリ―完結編! 「あえて本文庫が白兎シリーズという名称を使わない理由もわかる。(中略) それにしても、何とも不思議な魅力に満ちた連作であることか」(解説:池上冬樹) (本作は、長らく在庫切れだった『白兎4 天国という名の組曲』(講談社)を著者が全面見直しし、加筆修正、改題の上文庫化したものです)
  • 黒いピラミッド 聖東大学シークレット・ファイル
    値引きあり
    3.4
    将来を嘱望された古代エジプト研究者の男が、教授を撲殺し、大学屋上から投身自殺した。「黒いピラミッドが見える……あのアンクは呪われているんだ」 男の同僚の日下美羽は、彼が遺した言葉をヒントにエジプトから持ち込まれた遺物”呪いのアンク”の謎を追う。 次々に起きる異常な事件。禁断の遺跡にたどり着いた美羽を待ち受けるのは、想像を絶する恐怖と、”呪い”の驚くべき秘密だった。 第25回日本ホラー小説大賞受賞作。
  • 消えない月
    値引きあり
    3.7
    彼らは出会って恋人になり、やがて別れた。ありふれた恋のはずだった、彼が”ストーカー”になるまでは。――被害者の恐怖と、加害者の執着。ストーカーの闇を両側の視点から抉る畑野智美流傑作イヤミス!
  • 空を飛ぶパラソル
    値引きあり
    3.8
    新聞記者である私は、美貌の女性が機関車に轢かれる様を間近に目撃する。思わず轢死体の身元を改めると、衝撃の事実が続々と明らかになって……。読者を魅了してやまない、文壇の異端児による絶品短編集。
  • 夜のリフレーン
    値引きあり
    4.0
    秘めた熱情、封印された記憶、日常に忍び寄る虚無感――。福田隆義氏のイラスト、中川多理氏の人形と小説とのコラボレーションも収録。著者の物語世界の凄みと奥深さを堪能できる選り抜きの24編を収録。
  • ザボンの花
    値引きあり
    4.5
    家庭や生活のいとおしさ。生活を愛し慈しみ、多くの人の心をつかんだ庄野文学の「家庭小説」の始まりであり、のちに名作『夕べの雲』に発展していく魅力の長篇小説――『ザボンの花』から庄野潤三独特の家庭小説が始まる。これは、著者にとって最初の長篇小説であり、麦畑の中の矢牧家は、彼がまさに創りつつある、新しい家庭であり、生活を愛し育んでいく本質と主張を、完成度の高い文学作品にしあげている。一生のうち、書くべき一番いい時に書かれ、やがて『静物』『夕べの雲』へ続く作品群の起点でもある。
  • 捕まえたもん勝ち! 七夕菊乃の捜査報告書
    値引きあり
    4.0
    1~3巻451~1,056円 (税込)
    念願叶って捜査一課の刑事に抜擢された七夕菊乃。しかし元アイドルという経歴のせいでお飾り扱いされてしまい、おまけに、驚異的な洞察力を持つ天才心理学者・草辻蓮蔵と、FBI出身で報告書の書き方に異様な執念を燃やす鬼才、「アンコウ」こと深海安公が繰り広げる頭脳戦に巻き込まれることに!初めて挑む密室殺人事件の捜査は、一体どうなってしまうのか!
  • 水
    値引きあり

    5.0
    水差しから救いの水を飲んだ直後息絶えた病床の母(「水」)。「死にたくない、俺ひとり」妻の胸で叫ぶ癌を病む夫(「谷」)。生と死のきわどさ、戦き、微かな命の甦りの感覚を、生理と意識の内部に深く分け入っていく鋭敏な文体で描出した、「影」「水」「狐」「衣」「弟」「谷」の6作による初期連作短篇集。
  • ぎぶそん
    値引きあり
    4.0
    中学二年「ガンズ・アンド・ローゼズ」に心酔した少年ガクは、仲間を集めてバンドをはじめる。 親友のマロと幼なじみのリリイ。 それに「ギブソンのフライングV」を持っていてギターがうまいと噂――の問題児かける。 ケンカや練習を経て、四人は次第に仲間になっていく。 ガクとリリイの淡い恋、文化祭ライブ、十四歳のできごとのひとつひとつが多彩な音を響かせあう青春ストーリー。 第21回坪田譲治文学賞受賞作。
  • アイドル潜入捜査官 小田切瑛理
    値引きあり
    5.0
    とある権力者の指示により、国民的人気アイドルグループ「プリティなでしこ」の第10期メンバーオーディションを受け、グループに潜入した、元警視庁公安部の小田切瑛理。 年齢制限10オーバー、格闘技をたしなみ媚びは売らず(売れず)正義感あふれる彼女が、慣れないアイドル活動に悪戦苦闘しながら、テロリストスパイ捜査を進めていく。 デンジャラスなアイドルの規格外っぷりに笑いが止まらないコメディタッチ爽快小説!
  • タマの猫又相談所 花の道は嵐の道
    値引きあり
    3.7
    ──うちの理生ときたら、高校生になったというのに、泣き虫で弱虫でこまったもんだ。やれやれ、おれがなんとかしてやるか──。 流されるままに花道部に入部し、因縁ののライバル茶道部との激しい部室争奪戦に巻き込まれてしまった理生を、じつは妖怪・猫又の飼い猫タマが陰から賢くサポート。
  • 野鴨
    値引きあり
    3.0
    はかなく取りとめない日常の中に現代の至福を描き出す長篇小説。家族を愛し人生を慈しむ――丘の上に住む作家一家。息子たちは高校生・大学生になり、嫁いだ娘も赤ん坊を背負ってしばしばやってくる。ある時から作家は机の前に視点を定め、外に向いては木、花、野鳥など身近な自然の日々の移ろいを、内では、家族に生起する悲喜交々の小事件を、揺るぎない観察眼と無限の愛情を以て、時の流れの中に描き留めた。名作『夕べの雲』『絵合せ』に続く充実期の作家が、大いなる実験精神で取り組んだ長篇。 ◎庭に来る鳥や、庭の樹木から書き起こされる章が多いが、人の心が自然現象のなかに融け、照らし出されているように感じられる。八章には、「四十雀が飛び立ったあと、水盤の水に映った空が揺れている。」という小景描写があった。水面が揺れているのではなく空が揺れている。こんなところを読むと、今、見ているような気がする。昭和の小説には、このような豊かさがあった。<小池昌代「解説」より>
  • 室町記
    値引きあり
    5.0
    日本文化の核を育み、社会の階層をかき回した、渾沌と沸騰の200年! 豊かな乱世の絢爛たる文化―― 日本の歴史の中でも室町時代の200年ほど、混乱の極みを見せた時代はなかった。が、一方では、その「豊かな乱世」は、生け花、茶の湯、連歌、水墨画、能・狂言、作庭など、今日の日本文化の核をなす偉大な趣味が創造された時代でもあり、まさに日本のルネサンスというべき様相を呈していた。史上に際立つ輝かしい乱世を、足利尊氏や織田信長らの多彩な人物像を活写しつつ、独自の視点で鮮やかに照射する。
  • 陽気なクラウン・オフィス・ロウ
    値引きあり
    4.0
    こよなく愛したC・ラムを巡る英国への旅。香り高き紀行文学――英国の名文家として知られ、今もなお読み継がれているチャールズ・ラム(1775~1834)をこよなく愛した著者が、ロンドンを中心に、ラムゆかりの地を訪れた旅行記。時代を超えた瞑想が、ラムへの深い想いを伝え、英国の食文化や店内の鮮やかな描写、華やかなる舞台、夫人とのなにげない散歩が、我々を旅へと誘ってくれる。豊かな時間の流れは、滞在記を香り高い「紀行文学」へ。 ◎「この『陽気なクラウン・オフィス・ロウ』では、作者がいわばロンドンの空気の中に丸ごと溶け込み、心ゆくまでロンドンという大都会の古びた湯船にゆったりと身を横たえ、ラムへの尽きぬ思いに浸っているということだろう。この滞在記にただよう一種沁み沁みとした哀感は、ここに由来する。」<井内雄四郎「解説」より>
  • 地底アパート入居者募集中!
    値引きあり
    3.0
    家でネットゲームばかりしている大学生の葛城一葉は、妹の二葉に自立をうながされ、一人暮らしを始めることに。 決められた西池袋の新居「馬鐘荘」に赴くと、そこはなんと、入居者の業によって、地下にどんどん深くなる異次元的アパートだった。 そして「馬鐘荘」の地上1Fで怪しい雑貨屋を営む、大家メフィストフェレスの目的とは──?
  • 愛酒樂酔 現代日本のエッセイ
    値引きあり
    -
    発酵学・微生物学の権威である「酒博士」坂口謹一郎の、酒をめぐる軽妙酒脱なエッセイと、500首に及ぶ短歌。愛酒の世界を語り、酔の境地を示す、坂ロイズムの集大成。「世界の酒の旅」「パリの生活から」「玩物喪志」ほかを収める歌エッセイ集『愛酒樂酔』に、「私の履歴書」を併録。 ◎まことに人間にとって酒は不思議な「たべもの」である。迷えと知って神が与えたものであろうか。<本文より>
  • ピクニック、その他の短篇
    値引きあり
    4.3
    感覚的、幻想的イメージ、風刺と暗喩の交錯する詩的文体。時間と空間を否定した特異の作品世界を築き、「桃の園」に描かれる記憶の不明をはじめ、作品の底に澱のように淀む家族の影は、現実の不安を描出する。表題作「ピクニック」のほか、「競争者」「窓」「木の箱」「月」「既視の街」「くずれる水」「豚」「鎮静剤」「家族アルバム」「あかるい部屋のなかで」の12篇を収める短篇集。
  • 獅子は死なず
    値引きあり
    -
    人びとの心に焼きつくあざやかな生涯。著者秘蔵の好短篇集――ネールの好敵手として生涯をインド独立に捧げたチャンドラ・ボースの決死行(「獅子は死なず」)。投獄を恐れず、上言し続けた江南の一県尉(けんい)・梅福(ばいふく)は、普陀山(ふださん)でなぜ仙人伝説を残したか(「梅福伝」)。ひたむきに生き、今なお東洋の人々の胸を熱くする感動の数々。著者秘蔵の短篇集。<『わが集外集』改題作品>
  • 私の頭が正常であったなら
    値引きあり
    4.1
    最近部屋で、おかしなものを見るようになった夫婦。妻は彼らの視界に入り込むそれを「幽霊ではないか」と考え、考察し始める。なぜ自分たちなのか、幽霊はどこにとりついているのか、理系の妻とともに謎を追い始めた主人公は、思わぬ真相に辿りつく。その真相は、おそろしく哀しい反面、子どもを失って日が浅い彼らにとって救いをもたらすものだった――「世界で一番、みじかい小説」。その他、表題作の「私の頭が正常であったなら」や、「トランシーバー」「首なし鶏、夜をゆく」「酩酊SF」など全8篇。それぞれ何かを失った主人公たちが、この世ならざるものとの出会いや交流を通じて、日常から少しずつずれていく……。そのままこちらに帰ってこられなくなる者や、新たな日常に幸せを感じる者、哀しみを受け止め乗り越えていく者など、彼らの視点を通じて様々な悲哀が描かれる、おそろしくも美しい”喪失”の物語。【解説:宮部みゆき】
  • さくら、うるわし 左近の桜
    値引きあり
    4.3
    小旅館「左近(さこん)」の長男・桜蔵(さくら)は、母と弟が暮らす家を離れ、父・柾(まさき)の元から大学に通っている。柾の庶子ではあるが特に不自由はなく、柾の本妻である遠子(とおこ)とは、気軽に連れ立って出かけられるほどだ。複雑な家族関係に不満はないが、誰からか継いだ、不可思議な体質は困りものだ。見えないはずのものを見てしまうだけでなく、その者たちに魅入られ、身体をほしいままにされてしまう。それも、集まってくる者たちはいずれも桜蔵を「いい女」と呼んではばからないのだ。 耳を求めさまよう犬、男か女か判然としないマネキン――この世ならぬものたちが桜蔵の身体を求め……。生と性、死の気配が絡み合う珠玉の連作幻想譚。
  • わたしは告白ができない。
    値引きあり
    4.4
    校内でも有名なイケメン風紀委員長・睦月に片思い中の小夜子。 ある日、ずっと渡せなくて持ち歩いていた彼へのラブレターが紛失してしまった。 「大切なものがなくなった」と落ち込んでいると、それに気づいた睦月が「風紀を乱す盗難事件は即刻解決する」と言い出した。 落とし物として誰かに拾われ手紙を読まれることは嫌だけど、こんな展開で本人に内容を知られるのが一番最悪――。 渡すつもりだったラブレターが行方不明になったり、送ったはずの告白メールが見知らぬ誰かに届いてしまったり。 かと思えば大切な思い出を盗まれ、なりすまし告白をされたり。 わたしが告白できないのは、恋なのか故意なのか。……どっちでもいいから告白くらいさせてほしい! 『交換ウソ日記』の著者が描く、いつも誰かに邪魔をされ何故か告白ができない女の子と、イケメン風紀委員長とのドタバタ告白ミステリ!
  • 刻
    値引きあり

    3.0
    二つの国と二つの言語。夭逝した芥川賞作家の内面の葛藤を描く長篇小説――若くして亡くなった、在日韓国人女性作家。日本で生まれ育ち、韓国人の血にわだかまりつつも、日本人化している自分へのいらだちとコンプレックス。母国に留学し直面した、その国の理想と現実への想い。芥川賞作家の女の「生理」の時間の過程を熱く語る長篇と、「私にとっての母国と日本」という1990年にソウルで、元原稿は直接韓国語で書かれた講演を収録。 ◎アイデンティティを追求した李良枝の私小説は、「目に見えない」心のミステリーを解明しようとした鮮烈なテキストなのである。日本から、見知らぬ「母国」へやってきた「刻」の主人公は、だから、母語ではない母国語の文字の前で落ち着きを失う。その「私」の1日においては、だから、一刻一刻、親近感と距離感の間で心のゆらぎを覚えて、最終的には選ぶことができないのだろう。<リービ英雄「解説」より>
  • 雪月花のことば辞典
    値引きあり
    -
    人々の心情と文化、歴史が結晶した雪月花のことば全2521語を三部構成にして収録。古今東西の自然と暮らし、祭りと習俗、詩歌や伝説に触れながら、詩情あふれることばとの出会いを愉しめる、極上の辞典!
  • ロックダウン
    値引きあり
    3.3
    話題騒然の全英ベストセラー! 死亡率80%の新型ウイルスの流行で、都市封鎖されたロンドン。 その最中、肉を削ぎ落とされた人骨が発見され、第二、第三の殺人が―― 現在と驚くほど酷似する世界―― 2005年に出版を見送られた異色のミステリー! 「私は『ロックダウン』を脱稿した。しかしこの作品は出版に至らなかった。当時、英国の編集者たちは、H5N1型という見えない敵に包囲されたロンドンの描写は非現実的で、そんなこと起こるはずがないと思っていたのだ――」(本文・はじめにより) 死亡率80%の新型ウイルスが猛威をふるうロンドン。 数か月で死者50万人を超え、ロックダウンで街が恐怖に包囲されるなか、 仮設病院の建設現場で肉を削ぎ落とされた子供の骨が発見される。 人手不足で辞職前日に駆り出された刑事マクニールは身元の割り出しを急ぐが、 直後に愛する者の感染を知る。事件に没頭する彼を嘲笑うように次々と起こる殺人―― 絡み合う謎の先にある驚愕の真実とは!?
  • 誰彼 新装版
    値引きあり
    3.9
    謎の人物から死の予告状を届けられた教祖が、その予告通りに地上80メートルにある密室から消えた! そして4時間後には、二重生活を営んでいた教祖のマンションで首なし死体が見つかる。死体は教祖なのか? なぜ首を奪ったのか? 連続怪事の真相が解けたときの驚愕とは?
  • 蘭を焼く
    値引きあり
    4.0
    著者の50年に及ぶ文業のうちでも、第一の傑作短篇集――男女の関係性の善悪は、つねに社会の規範の中にあるが、ここに登場するヒロインたちは、もっとも女性的に生きることで、社会への反逆者となり、そこには満ちあふるるエロティシズムと頽廃とが生と死を越えて、抽象にまで至る愛のリアリティをもって存在する。表題作のほか「公園にて」「予兆」など、8篇を収録。
  • その冬、君を許すために
    値引きあり
    3.7
    「物書き人」として詩や、ブログで日記を書いている冬野咲良はある日、誰かに追われている気がして、カフェのテラス席にいる男性に声をかけた。そこにいたのはプログラマーとして働く鈴木春哉。ふたりは“運命の出会い”を果たし、関係を深めていく。が、春哉はかつて交通事故に遭い、一部の記憶を失くしていた。やがて衝撃の事実が明らかになり……? 驚きのどんでん返しの後、温かい涙が頬を伝う、この冬最高の許しと愛の物語。
  • 小早志少年と売れない名探偵
    値引きあり
    4.5
    「そんなこともわからないんですか?叔父さん」 共に暮らしていた祖父が亡くなり、天涯孤独となった高校生の小早志麗人は、それまで疎遠だった叔父が所長代理を務める探偵事務所に転がり込むことに。さらには閑古鳥の鳴く事務所を繁盛させると宣言し――? 頭脳明晰な毒舌美少年の甥っ子と元刑事で探偵である叔父が事件に挑む! 『忘れない男』の著者がおくる、バディ・サスペンス。
  • 余命一年と宣告された僕が、余命半年の君と出会った話
    値引きあり
    4.6
    高校一年の冬、早坂秋人は心臓病を患い、余命宣告を受ける。絶望の中、秋人は通院先に入院している桜井春奈と出会う。春奈もまた、重い病気で残りわずかの命だった。秋人は自分の病気を隠して彼女と話すようになり、死ぬのが怖くないと言う春奈に興味を持つ。自分はまだ恋をしてもいいのだろうか? 自問しながら過ぎる日々に変化が訪れて……? 淡々と描かれるふたりの日常に、儚い美しさと優しさを感じる、究極の純愛小説。
  • 田村俊子
    値引きあり
    3.0
    明治17年、浅草・蔵前に生まれ、昭和20年、上海の路上に死んだ作家・田村俊子。みずからを信ずるままに、奔騰する愛を生き書いた先駆者・田村俊子に、深い愛惜とただならぬ共感を寄せる著者が、故人を知る人を尋ね、俊子の足跡を辿り、知られざる生涯を掘り起こした、決定版評伝。「田村俊子補遺」及び「田村俊子年譜」を付す、瀬戸内晴美の文学的デビュー作。第1回田村俊子賞受賞作品。
  • 雪あかり 曽野綾子初期作品集
    値引きあり
    4.0
    新鮮清澄、才気迸る源流の光景。初期の代表作7篇収録――進駐軍の接収ホテルで働く19歳の波子の眼をとおし、敗戦直後の日本人従業員と米国軍人らとの平穏な日常が淡々と描かれた、吉行淳之介の「驟雨」と芥川賞を競い、清澄で新鮮な作風と高く評価された出世作「遠来の客たち」をはじめ、「鸚哥とクリスマス」「海の御墓」「身欠きにしん」「蒼ざめた日曜日」「冬の油虫」、表題作「雪あかり」を収録。才気溢れ、知的で軽妙な文体の、初期の作品7篇を精選。 ◎「ここに集められた作品はすべて、壁の手前の若書きの作品である。この頃以来半世紀間、私は書き続けて来た。平均して一年間に二千枚、それより多い年も少ない年もあるけれど、多分トータルで十万枚は書いたように思う。十万枚、絵でも書でも書けば、どんな凡人でも一つの世界は作るだろう。源流の光景を見て頂くのは、申しわけないが、光栄である。」<「著者から読者へ」より>
  • 新古今の惑星群
    値引きあり
    5.0
    正岡子規が称揚した『万葉集』の「写生」から『新古今集』の詩歌理念へ引き戻すことで、戦後日本文化の再建を目指して1975年に書下された『藤原俊成・藤原良経』。新字新仮名で刊行された同書を、塚本邦雄の信念=正字正仮名表記へもどして改題、さらなる深みと凄味を増し、新たな生命を吹き返した。新古今時代を支えた藤原俊成・藤原良経・藤原家隆・俊成卿女・宮内卿・寂蓮・慈円の7人を、渾身の力で論じ尽くした、歴史的名著。
  • 件 もの言う牛
    値引きあり
    3.7
    件=牛から生まれ、人間の言葉を話すとされている。死ぬときに何か予言し、必ずその予言は当たると言われている。 奈良県葛城山山中で男女が遭難。発見された女性の遺体には獣に食い荒らされた痕跡があった。死体のまわりには牛のものと考えられる足跡があった。奈良県警の村口刑事は不可解な状況を不審に思う。 2ヶ月後、岡山県の山間部で、偶然件の誕生を目撃した大学生・美波大輔は何者かに追われる身に。彼は岡山での出来事を忘れようとするが、1週間後、件の予言通り現首相が急逝し、再び岡山を訪れる。 予言する牛の背後には「みさき教」という新興宗教団体の影が。明らかになった入信者の名前は明治以降の大物政治家や総理経験者財界人の名前が並んでいた。 戦前から日本の中枢を動かしていたのは件の予言だったのか!?
  • 到達不能極
    値引きあり
    3.5
    南極遊覧中のチャーター機がシステムダウンを起こし不時着。添乗員の望月拓海は、乗客のランディ・ベイカーと物資を探しに「到達不能極」基地へ向かう。そこは大戦中、ナチスが極秘実験を行なっていた基地だった――。過去と現代が大胆に交錯する、圧倒的スケールの第64回江戸川乱歩賞受賞作。受賞後第一作となる、表題作のスピンオフ『間氷期』も初収録。 南極×SF×冒険 第64回江戸川乱歩賞受賞作 過去と現在が、最果ての地で再会する。  スピンオフ『間氷期』初収録!!
  • 文字禍・牛人 アニメカバー版
    値引きあり
    3.9
    1巻264円 (税込)
    ≪TVアニメ「文豪ストレイドッグス」アニメ描き下ろしコラボカバー版≫ 古代アッシリヤの大王は、毎夜図書館に出没すると噂される「文字の霊」について、老博士に調査を命じる。博士は万巻の書に目を通すがそれらしい説はない。ある日、ひとつの文字を終日凝視していると、いつしかその文字が解体し、意味のないひとつひとつの線の交錯としか見えなくなった。この発見を手はじめに、文字の霊の性質が次第に判って来たのだが……(「文字禍」)。知られざる傑作6篇を選りすぐって収録。解説・池澤夏樹 <「文豪ストレイドッグス」シリーズとは> 中島 敦、太宰 治、芥川龍之介、与謝野晶子、泉鏡花、F・スコット・フィッツジェラルドなど国内外の文豪のイメージをモデルに擬人化されたキャラクターが、横浜を舞台に「人間失格」「羅生門」などといった各文豪に関連する異能力を用いて戦うバトルアクション。
  • 藪の中・将軍 アニメカバー版
    値引きあり
    3.4
    ≪TVアニメ「文豪ストレイドッグス」アニメ描き下ろしコラボカバー版≫ ある一人の侍が「藪の中」で殺された。犯人と目される盗人、被害者の妻、そして巫女の口を借りて語る被害者。当事者三人の言い分は、それぞれに心理的必然性とリアリティを持ちつつも、決定的に食い違っていく。今昔物語に題を採った最も芥川らしい短篇と言われる「藪の中」を始め、「秋山図」「山鴫」「アグニの神」「俊寛」「将軍」など、様々なテーマやスタイルに挑戦した大正10年頃の円熟期の作品17篇を収録。解説/三好行雄 <「文豪ストレイドッグス」シリーズとは> 中島 敦、太宰 治、芥川龍之介、与謝野晶子、泉鏡花、F・スコット・フィッツジェラルドなど国内外の文豪のイメージをモデルに擬人化されたキャラクターが、横浜を舞台に「人間失格」「羅生門」などといった各文豪に関連する異能力を用いて戦うバトルアクション。
  • 遺跡発掘師は笑わない あの時代に続く空
    値引きあり
    4.0
    奥多摩キャンプ場の傍の「森の縄文博物館」を訪れたカメケン一行。所蔵品の素晴らしさに驚嘆するが、若い館長から経営が困難で品を手放さねばならないと相談され――忍が考えた起死回生の一手とは!?
  • 古事談 ビギナーズ・クラシックス 日本の古典
    値引きあり
    3.0
    鎌倉時代初め、源顕兼により編修された『古事談』は、王道后宮・臣節・僧行・勇士・神社仏寺・亭宅諸道の6巻から成る説話集。後続の『宇治拾遺物語』『古今著聞集』にも大きな影響を与えた。好色譚「称徳天皇が道鏡を愛した事」から始まり、貴人の逸話や故実・奇譚・霊験譚まで、王朝社会の多彩な説話が満載。清少納言・藤原道長・平将門・安倍晴明も登場。70話を厳選し、原文・現代語訳と書き下し文に解説を付した決定版!
  • 芸者小夏
    値引きあり
    -
    故・丸谷才一氏が愛した、花柳小説の金字塔――温泉芸者の子に生まれ、水商売の中で育った夏子。この宿命の絆を断ち切りたいと希いながらも、外に道はなく、夏子は15で芸者小夏となった。純情を捧げた初恋の教師に裏切られ、夏子は日ましに「女」になっていく……。若き日に色町に親しみ男女の機微を知る著者が、戦後の脂の乗りきった時期に書き継ぎ、「夏子もの」として人気を博した連作小説の第1作。
  • ある女の遠景
    値引きあり
    -
    愛慕する年若い叔母・伊勢子の、自裁の謎を追ううちに、維子は、不実な男・泉中紋哉との官能の罠に、みずから墜ちていく。性愛に囚われた維子の現在、ミステリアスな伊勢子の過去、さらに情熱の歌人・和泉式部の生きた遠い昔……時空を隔てた3人の女人像を、巧緻な遠近法でとらえ、王朝文化と戦後風俗という「聖」と「俗」のあわいに、独得の官能美の世界を現出させた、筆者晩年の傑作。毎日芸術賞受賞作品。
  • ナイト・エージェント
    値引きあり
    4.0
    マイクル・コナリー絶賛 ホワイトハウスの地下室で 緊急電話を取り次ぐ深夜番。 それは地味で退屈な任務のはずだった。 その電話を取るまでは……。 実力派作家が放つ急転直下のスパイスリラー! 「ここ数年で最上級のスリラー」 ――マイクル・コナリー 「息つく間もないページターナー」 ――リー・チャイルド 「ホワイトハウス内部の陰謀を描くパワフルで緊迫感に満ちた作品」 ――マーク・グリーニー FBI局員ピーターはホワイトハウスの危機管理室で緊急電話を取り次ぐ深夜番。284晩で入電は1度だけ。誰が何のためにかけてくるのかも知らされていない。そんなある晩、取り乱した若い女から電話がかかってくる。「赤の台帳、オスプレイ、6日後」という暗号めいた伝言とこの番号を託した伯父夫妻は、同夜何者かに殺されていた。その日からピーターは国家レベルの陰謀に巻き込まれていき――。
  • 探偵はサウナで謎をととのえる
    値引きあり
    3.1
    刑事・水田龍二の義父・櫓竜太郎は探偵になりたいらしい。龍二は試しに解決済みの事件を話すも推理は的外れなものばかり。だが、竜太郎に連れられ入った温泉施設のサウナで、彼は言った。「謎は全てととのいました」
  • 花に舞う・日本遊民伝 深沢七郎音楽小説選
    値引きあり
    4.0
    時を越え人々の日常に寄りそうもの──。 「音」に着目し選びぬいた作品九篇。 演奏家でもあった著者の音楽を扱った小説集。「南京小僧」「浪曲風ポルカ」など気高い小品や「日本遊民伝」といった骨太作品も収録。 日劇ミュージックホールでの演奏など、ギタリストとしても活動した深沢七郎。エルビス・プレスリーを愛し、ジミ・ヘンドリクスを好んで聴いた彼の小説は音楽的と評されることも多い。その中から、俗謡、洋楽曲、楽団員といった、音楽を扱った作品を精選。著者の眼差しが見えてくる一冊。
  • 甲州子守唄
    値引きあり
    3.8
    「笛吹川」の現代版 庶民の無常の世界を独特の語りで描いた世捨て人の文学 明治末から大正、昭和と三代にわたる日本近代の歩みが、笛吹川のそばに住む貧しいオカア一家を舞台に展開する一大ロマン。生糸の暴落と農村の貧窮、明治天皇の崩御、関東大震災、戦争と出征、空襲と食糧難、敗戦とヤミ商売――その間には息子・徳次郎の二十年近くのアメリカへの出稼ぎがあり、薄情者となって帰国した息子とその一家をオカアの眼差しから描く。土俗的な語りによる時代批判。
  • 逢魔物語
    値引きあり
    -
    『八犬伝』の伏姫、『番町皿屋敷』のお菊、三ツ目小僧……。物語、伝説、夢、フォークロアなどを鮮やかな媒介として、「秩序」「制度」からはぐれ、はずれた生や、愛たちを問う、「新しい時代」の女性作家・津島佑子の果敢な力業。時代が生んだ「生」の新たな意味を問う、中篇連作集。
  • 東四柳心霊相談所 それ、霊のしわざですよ!?
    値引きあり
    -
    暴力団松岡組の組員見習いの銀次は、腕っぷしは強いが極度の怖がりで「霊」がらみの話にはことさら弱い。ある日、兄貴分から「ある方のボディガードを頼む」との命を受ける。銀次が指定された場所へ行くと、そこには古風な名前を持つ女子高生がいた。しかも驚いたことに、彼女は「心霊相談所」なるものを開いており、「相談料五百円、除霊三千円、交霊五千円」で怪しげな商売をしているのだった。 ※書名の「柳」は俗字体
  • 霧舎 巧 傑作短編集
    値引きあり
    3.9
    名探偵・後動悟が、密室の列車内で、華麗なアリバイ崩しを披露する「手首を持ち歩く男」。師・島田荘司の人気シリーズから御手洗潔と石岡和己の名コンビが登場する「動物園の密室」。ほかに《あかずの扉》研究会と《霧舎学園》のメンバーも集結し、オールスター探偵がハイレベル推理を連発する、珠玉のミステリ短編集!
  • 乙女の花束
    値引きあり
    4.0
    古都・鎌倉にある、選ばれた者だけが通えるといわれる全寮制「桜の宮女学院」に、なぜか入学することになった風子。時間が止まったままのような、レトロで不思議な空気が漂う世界で、浮世離れした級友たちと過す甘美な12ヵ月――。そして次々とふりかかる試練を乗り越えながら、風子に隠された出生の秘密と入学の理由が明かされていく。その謎を解く鍵は、「秘密の花園」で出会った上級生・凪子が握っていた!?
  • 世俗の詩・民衆の歌 池田彌三郎エッセイ選
    値引きあり
    -
    懐かしの童謡、唱歌の世界。歌でたどる都市の風俗――折口信夫の高弟にして、日本芸能研究の重鎮である著者の歌と言葉をめぐる軽妙なエッセイの数々。小学生時代と重なる大正期、その時、口ずさんだ童謡や唱歌を記憶のなかから甦らせ、都市の風俗と言語生活の変遷をたどり、宝塚少女歌劇から戦後の歌謡曲まで、そこに息づく庶民の心を読み解く。軍歌の一方的排斥に異を唱え、歌詞のなかの言葉遣いへの辛辣な評言も著者ならでは。 ◎「文学の歴史の叙述にも、文学作品そのもの、あるいは作者の歴史に対して、読者の歴史が書かれなければならないように、歌の場合にも、それを聴き、習い、歌った、つまり与えられた側の歴史が書かれてもいいと、わたしはかねて思っていた。わたし達のまわりにあるものは、それを制作して与えてきた側の記述が多く、それを聴き、習い、歌った側の記述がほとんどないからである。それには、わたしはかなり不満であった。」<「あとがき」より>
  • 寵児
    値引きあり
    4.0
    ピアノ教室の講師をする女は、離婚して娘と暮している。娘は受験を口実に伯母の家に下宿して母親から離れようとしている。体調の変化から、ある日女は妊娠を確信する。戸惑う女が男たちとの過去を振返り自立を決意した時、妊娠は想像だと診断され、深い衝撃を受ける。自立する女の孤独な日常と危うい精神の深淵を〈想像妊娠〉を背景に鮮やかに描く傑作長篇小説。女流文学賞受賞作品。
  • 天誅組
    値引きあり
    -
    尊皇攘夷、公武合体、権謀術数が渦巻く激動の幕末の文久2年、土佐の山奥の若き庄屋・吉村虎太郎は、脱藩を敢行。翌年8月、「天誅組」を組織、挙兵。その秋、激烈なる死を遂げた。草莽の志士たちへの著者の深い共感が、歴史に埋もれた「もう一つの転換期のエネルギー」を鮮やかに捉える。史料の博渉、明晰なる解読で、維新の先駆者の真実を追跡。「物語体」も一部駆使した、創見溢れる「史伝体歴史小説」。
  • 花づとめ
    値引きあり
    4.0
    現代詩の前衛にして、加藤楸邨を師と仰ぐ俳人。また、芭蕉、蕪村、藤原定家の独創的評釈で知られる古典探究者。昭和46年から48年、芭蕉の連句評釈に心魂を傾ける傍ら、二巡りする四季に寄せて万葉から現代俳句まで、秘愛の歌へのオマージュを「季節のうた」として書き続けた。俗解を斥け、鍛えぬかれた言葉で読み解く103篇の短章は、正に「秋水一閃」の達人の技を思わせる。
  • 火の河のほとりで
    値引きあり
    -
    血の絆、性の葛藤の果てに、生の極致を望む女たち――雪の日にひとりこどもを殺した! ……少女時代の悪夢が、姉妹に遠い影を投げかける。血の絆に惹かれるように、妹の夫と関係を結ぶ姉・牧。抜き差しならない深みに入り込んでいく二人に、気づこうとしない妹・百合。性の地獄にさらわれながら、ついに女たちは生の明るみへと突き抜けていく。長編700枚。
  • 花は桜よりも華のごとく
    値引きあり
    3.5
    京の都に突然、天才的な舞い人の少年が現れる。けれど一座の看板役者の彼、白火は実は女の子。それを隠し女人禁制の舞台で舞っていたのだ。そんな折、京随一の能役者である蒼馬から移籍の話を持ちかけられて……!?
  • こちら後宮日陰の占い部屋
    値引きあり
    4.0
    いつも御簾の向こうにいて姿が見えず、助手の翔夢鈴に鑑定結果を耳打ちするだけだが、その占いは驚くほど当たると噂だ――。そんな凜可馨の正体はゴツいオネエ。翔夢鈴のプロデュース力を使って活躍している男性占い師なのである。そんな二人のもとに、後宮から使いがやってきた。多額の謝礼に目がくらんだ二人は、正体を隠して後宮入りするのだが……
  • こちら後宮日陰の占い部屋 オリジナルエピソード付き特別版
    値引きあり
    -
    ★電子書籍オリジナルの書き下ろしエピソードを加えた特別版!★ いつも御簾の向こうにいて姿が見えず、助手の翔夢鈴に鑑定結果を耳打ちするだけだが、その占いは驚くほど当たると噂だ――。そんな凜可馨の正体はゴツいオネエ。翔夢鈴のプロデュース力を使って活躍している男性占い師なのである。そんな二人のもとに、後宮から使いがやってきた。多額の謝礼に目がくらんだ二人は、正体を隠して後宮入りするのだが……
  • 転々私小説論
    値引きあり
    -
    仏文学が専門の学者・評論家であり、遊びや風俗から日本文化を独自に見つめていた多田道太郎は、私小説をこよなく愛していた。孤高の域にある、その語り口は軽妙かつ深遠で、「葛西善蔵の妄想」「諧謔の宇野浩二」「飄逸の井伏鱒二」「飄飄太宰治」と題された圧巻の文学評論4篇で、新たな視点から日本の私小説の真髄に迫る。
  • グッド・ドーター 上
    値引きあり
    3.9
    28年前、弁護士一家を襲った残忍な殺人事件―― 生き残り、弁護士となった“良き娘”は再び悪夢を目撃する。 映像化決定! MWA賞受賞作家、渾身のサイコサスペンス。 アメリカ南部の小さな町で白人女性が殺され、容疑者の黒人青年を担当した弁護士の自宅が放火された。 家は全焼し、一家が引っ越した数日後、弁護士の留守中に二人組の男が家に押し入り妻を惨殺、十代の姉妹も襲われた――。 28年後、辛くも生き残り、父と同じ弁護士になった次女シャーロットは、後悔を抱えながらも前に進んでいた。 だが地元中学校で起きた銃乱射事件が、封印した過去を呼び戻し……。 解説:池上冬樹 ■好評発売中既刊 『開かれた瞳孔』 『彼女のかけら 上・下』 『プリティ・ガールズ 上・下』 〈ウィル・トレント〉シリーズ 『ハンティング 上・下』 『サイレント 上・下』 『血のペナルティ』 『罪人のカルマ』 『ブラック&ホワイト』 『贖いのリミット』 『破滅のループ』
  • 京都烏丸のいつもの焼き菓子 母に贈る酒粕フィナンシェ
    値引きあり
    3.9
    小さな焼き菓子屋「初」は、無愛想な青年菓子職人が営む和の食材を使った西洋菓子店だ。丁寧に作られた「初」のお菓子は食べるとちょっと心が満たされて――しんどくも愛おしい、豊かな日常とおいしいお菓子の物語。
  • 煉獄の使徒(上)(新潮文庫)
    値引きあり
    4.1
    1~2巻723~1,034円 (税込)
    “カリスマ教祖”十文字源皇率いる、〈真言(マントラ)の法〉。弁護士・幸田は侍従長の高位にあり、外界との交渉を担っている。組織に罪を背負わされ失脚した児玉警部補は、この新興教団に目をつけた。ここは金のなる木だ、と。両者の間に奇怪な盟約が結ばれる。教祖が敵対する弁護士の殺害を命じたとき、黙示録の扉は静かに開かれた――。欲望と狂気に憑かれた男たちを描き切る、群像サスペンス。
  • 常識的文学論
    値引きあり
    -
    歴史小説、推理小説は「文学」に値するのか? ――大衆文化の隆盛とともに、文学の世界においても、大衆小説や中間小説が文壇の主流へと登場しつつあった1960年代初頭。こうした流れを、純文学にとってかわるものとして擁護する批評家の言も含め、歴史小説や推理小説の実体を根底的に批判した、ポレミックな文学論。<『蒼き狼』論争>となった井上靖への批判、深沢七郎の『風流夢譚』批判、松本清張批判など、スリリングな文芸時評16篇。 「昨年中から大衆文学、中間小説の文壇主流進出を認容する論調があった。現象自体は現代の大衆文化進展の一環であり、別に不思議もないが、われわれの伝統や世界文学史に基いた文学の理念をこわしてまでこれを擁護しようとする批評家が一部にあった。(略)私はそれらに対して、文学の原理を争うのではなく、諸君の礼拝している淫祠邪教の実体はこれなのだ、と摘発する方法によった。」(「序」より)
  • 文学の運命 現代日本のエッセイ
    値引きあり
    -
    「目がくらむような出会い」と交遊――小林秀雄、中原中也、三好達治、桑原武夫、そして「スタンダール」との邂逅。混沌とした青春の放浪時代を出発点に、戦争・戦場・俘虜という「経験と意味」を確認すべく、図らずも小説家として世に出た文学的生涯。常に、文学・政治などすべてに閃めく大岡昇平の鮮烈な「眼」。著者の小説・評論の原点と「志」を語る名エッセイの数々。小説家にして優れた批評家でもあった大岡昇平、珠玉のエッセイ集!
  • 女ともだち
    値引きあり
    -
    二十歳前後の3人の女性たちが織りなす日常の風景――大学夜間部に通う主人公と、二人の女ともだち。私は、10代で書いた小説で賞を受け、嘘のような生活をしていたが、そこに高校の後輩・隆子が転がりこむ。若い女性たちの生々とした光と影を見事に描ききり、「海を感じる時」で衝撃的なデビューを飾った著者の豊かな感性が弾けた中篇小説。短篇「アジアンタム」も収録。
  • 西海原子力発電所/輸送
    値引きあり
    -
    原子力発電所をかかえる閉鎖的な地域社会のなかで起きた一件の不審火。原発の危険性と経済的依存との葛藤を劇的に描きつつ、〈原爆文学〉と〈原発文学〉とを深く結びつけた記念碑的労作「西海原子力発電所」。チェルノブイリ原発事故を受け、核廃棄物輸送事故による被爆と避難生活がもたらした生活の破壊と人間の崩壊を予言した「輸送」。3・11でフクシマ原発事故を経験した現在から、先駆的〈核〉文学はいかに読み解かれるか。
  • ロッテルダムの灯
    値引きあり
    -
    戦地における命あるものの美しさと儚さ――作家・庄野潤三の兄で、数多くの児童文学作品を世に残した著者が、従軍した中国や東南アジアで胸に刻まれた命あるものの美しさ、尊さ、儚さを、異国情緒をまじえて綴った初めての随筆集。戦中の思い出と戦後の日本、欧州とが絡まり、作者自らが「何よりも愛着深い作品」と述懐した、エッセイストクラブ賞受賞の名作。児童文学の大家である著者が、従軍した際の経験をまとめた名随筆集にして、弟の庄野潤三をして「英ちゃんのいちばんの名作」と言わしめた作品。
  • ヒストリア 上
    値引きあり
    5.0
    1~2巻517円 (税込)
    第二次世界大戦の沖縄地上戦で家族とすべてを失い、魂(マブイ)を落としてしまった知花煉(ちばなれん)。戦後の闇市で一時の成功を収めたのも束の間、米軍のお尋ね者となった煉は、新天地を求めて南米ボリビアへと渡る。しかしそこも楽園ではなかった。移民にあてがわれたのは伝染病が蔓延する未開の地。呆然とする煉に、米諜報機関CICの魔手が迫る。一方、魂が分裂したもう一人の煉は、若き革命家チェ・ゲバラに出会い恋に落ちてしまった……。
  • 作家の日記
    値引きあり
    3.0
    作家としての精神を育んだフランス留学時代の内的記録――1950年6月、第1回カトリック留学生として渡仏し、1953年2月、病によって帰国するまでの2年7ヵ月の、刺すような孤独と苦悩に満ちた日々。異文化の中で、内奥の〈原初的なもの〉と対峙して、〈人間の罪〉の世界を凝視し続けた、遠藤周作の青春。作家としての原点を示唆し、その精神を育んだフランス留学時代の日記。
  • 異邦人の立場から 現代日本のエッセイ
    値引きあり
    5.0
    「人間の存在的な渇望は現実以上に真実である」――我々の現代と西欧の現代、その背後に脈々と流れる、我々が「本能的」に持つ汎神的血液と西欧の一神的血液。生涯のテーマ「日本人でありカトリックであること」を追求する、著者の最初のエッセイ「神々と神と」をはじめ、遠藤文学を確立した昭和40年代までを新編成。文学と信仰の原点と決意を語る熱きエッセイ。
  • 裏切りのシュタージ
    値引きあり
    -
    東ドイツが葬った極秘計画、通称“ウォルラス”は終わっていなかった。 祖国を捨てた元スパイは、暗号を受け取り、古巣ベルリンへ舞い戻る。 復讐か、罠か――。 東ドイツの極秘計画をめぐるスパイスリラー! 「ウォルラス計画」とは:東ドイツ諜報機関(シュタージ)対外諜報部門の偵察総局K部管轄の極秘任務。1989年11月9日ベルリンの壁が崩壊し、スイスに逃亡するまでマルクスは携わっていた。K部の存在自体が極秘とされ、組織内の職員名簿や正式な書類にも決して表示されることはない。 ベルリンでロシア大使館職員が殺害された。 同日、スイスの高級ホテルで暮らすマルクスのもとに差出人不明の手紙が届く。 そこには、東ドイツの諜報機関“シュタージ”が闇に葬った極秘計画、 通称ウォルラスの緊急事態を告げる暗号が記されていた。 30年前、祖国を裏切り名前を捨てた元工作員マルクスはベルリンへ否応なく呼び戻され――。 そこで待ち受けるものとは!? イタリア発、衝撃のデビュー作!
  • 計画的失恋とワンダーラブ
    値引きあり
    4.0
    十年後に隕石が落ちて世界が終わる。そんな中、唯一の希望は「国立危機回避研究所」。けれどそこが日本人女性に占拠された。俺がテレビで見た犯人は、高校時代の元カノで――。初恋が世界を救うタイムリープ・ラブ!
  • 神の島のこどもたち
    値引きあり
    4.5
    奇跡のように美しい南の島 そこには、もうひとつの戦争があった―― 空をゆく特攻機の下、激しい空襲にさらされ、 戦争の最前線となった沖永良部島。 それでもわたしたちは生きる、この小さな島で。 青い空を沖縄に向かって飛ぶ特攻機、天国のように美しい海には死んだ兵隊さんが浮かぶ。第二次大戦末期、小さな島沖永良部に暮らすマチジョーとカミは、大切な家族を失い、食料にも不自由する日々を過ごしていた。それでも唄い、恋をし、ひたむきに働き、生き抜く。南の島に刻まれた知られざる戦争の物語。
  • さよならノーチラス 最後の恋と、巡る夏
    値引きあり
    -
    都内の大学に通う大晴は、将来に対しての夢もなくただ無為に日々を過ごしていた。ある日、祖父が倒れたという知らせを受けて実家のある田舎町へ帰郷した大晴は、そこで幼馴染だった黎夏と7年ぶりに再会する。美しい女性に成長した黎夏を見て、大晴の胸に再び恋愛感情が湧き上がる。だが久しぶりの再会にもかかわらず、黎夏の表情は曇ったまま。そこには、黎夏が抱える残酷な秘密が横たわっていた……。
  • 吉原水上遊郭 まやかし婚姻譚
    値引きあり
    -
    明治44年に起きた吉原大火ののち、東亰・隅田川に花艇を浮かべて返り咲いた、優雅で艶やかな水上遊郭。大火で両親を亡くし、客を送迎する番人見習いの船頭になった利壱は、ある日、長春楼楼主に頼まれ、娼妓見習いのツバキを切見世へと連れていく。利壱が見つめるのは、欲望渦巻くまやかしの世界だった――。水上吉原を牛耳る老獪な廣川が仕掛ける謀略と、待ち受ける驚きのラストに心揺さぶられる、新感覚エンタメ時代小説。
  • 年月のあしおと(上)
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    4.0
    明治・大正・昭和の文学的追想。ことに大正から昭和の時代風俗、文壇の裏面史をぎっしりと埋め込み、芥川龍之介をはじめ同時代の作家の風貌をいきいきと捉えた、自伝的文壇回想録。正篇を上下二巻に編集、上巻には大正4年終生の友人・宇野浩二との親交を深めた三保松原の旅行、父・柳浪が病気療養のため東京から知多半島師崎に転ずる前後までを収録。野間文芸賞、毎日出版文化賞受賞作品。<上下巻>
  • わがスタンダール
    値引きあり
    -
    ファブリスを中心にみれば、『パルムの僧院』は宛然一個の冒険小説である。―――スタンダールに魅了され、それを終生問い続けた当代屈指のスタンダリアン=大岡昇平。綿密な探究と思考、対象を徹底的に見極めようとするダイナミックな意志。鮮明な自己認識の大いなる軌跡を示す〈スタンダール論〉34篇を収録した決定版。
  • 天国が降ってくる
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    4.6
    主人公・葦原真理男は、九州の没落した旧家の末裔。新聞社に勤める父親の転勤によりロシアに暮すが、高校受験のために単身で帰国。父の友人の若い大学助教授・中之島妙子の家に寄寓し、異国からの転校生として特異な日常が始まる。高速回転する真理男の精神は、やがて晩年の感覚を所有し、自己昇華をめざす。パロディを駆使し、自意識を追究した、島田文学の初期集大成。
  • 或る年の冬 或る年の夏
    値引きあり
    -
    性と思想に切り裂かれる青春を、頑なまでに潔癖に生き、後年の著者の、厳しく深い文学と人生を予感させる青春像。昭和初期に青春を生きた知識人が不可避だった「思想」問題、それを自らに苛酷に課した著者の苦闘、家族への深い愛。時代と自分の良心を誠実・厳格に生きた、著者の青春自伝。
  • わが塔はそこに立つ
    値引きあり
    -
    親鸞と時代の社会主義思想に激しく引き裂かれ、自らの底深くに敢えて矛盾を取り込み、超えようと苦闘する、主人公・海塚草一の青春の葛藤。昭和10年代・京大時代を背景に、性・宗教・文学・社会――混沌の坩堝の中の青春を描いた、自伝的長篇小説。〈全体小説理論〉の実践化として、『青年の環』へとひきつがれてゆく問題作。
  • ひべるにあ島紀行
    値引きあり
    -
    冬の国(ひべるにあ)=アイルランド。スイフトの『ガリヴァー旅行記』に導かれ冬の国(ヒベルニア)=アイルランドを訪れた「わたし」。謎めいたスイフトの生涯を、一人の女性への「激しい友情」を核に読み解くタテ糸。「わたし」と妖精のような男たちとの「優しい性愛」を物語るヨコ糸。さらに、架空の国・ナパアイをガリヴァーのように旅する「わたし」が目にする、グロテスクな意匠。重層的な表現でタペストリのごとく織られた、富岡文学の達成。孤絶した魂が谺し合う交響詩! 野間文芸賞受賞作品。
  • 魔物を抱く女―生活安全課刑事・法然隆三―(新潮文庫)
    値引きあり
    -
    1巻546円 (税込)
    都内大手企業の女性課長が金沢で絞殺された。所持品は泉鏡花記念館のパンフレットだった。東京の高級デリヘル嬢連続殺害事件の被害者も、有名企業のOLたち。犯人には、殺害現場に居座るという特徴があった。捜査本部は女性警官をデリヘル嬢に扮装させ、囮捜査を決行する。吉原で交錯する点と線。ベテラン刑事の執念の捜査が突き止めた底なしの闇。傑作警察小説。『イン・ザ・ダーク』改題。(解説・細谷正充)
  • KILLTASK
    値引きあり
    3.9
    殺し屋(エージェント)見習いとして生きることになった主人公。平凡な人生を送っていた彼は、自身の家族を皆殺しにした容疑を掛けられ、逃亡していたところを二人のエージェント「天使」と「悪魔」に拾われたのだ。何者かにはめられ、罪を背負わされた彼は、裏社会で生きていくためにある特殊技能を磨いていく。彼の祖父は名うてのマタギで、祖父に連れられてたびたび猟について行っていた彼は、ひそかに狩猟者としての技術を祖父から受け継いでいたのだ。「スナイパー」としてのエージェントの手伝いにようやく慣れてきたころ、主人公はある事実を知る。殺された彼の家族に残された、犯人の「刻印」。それは彼を拾ったエージェントの一人、「天使」がターゲットに遺すものと全く同じものだった――。

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