講談社文庫作品一覧

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  • 撃墜(上)大韓航空機事件
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    1~3巻660~683円 (税込)
    大韓航空007便は、1983年9月1日未明、ソ連のミサイルによって撃墜され、269人の生命がサハリン沖に消えた。ショッキングな事態の中で、決め手となる情報を手にした日本政府は、かつてない情報コントロールによって、対ソ戦略のシナリオを固めていく。国際舞台の凄絶な情報戦争のドラマを描く。非常事態の中で、日本の危機管理はいかになされたか? <全3巻>
  • 激動 東京五輪 1964
    4.5
    当代きってのミステリー作家7人、華麗なる競作!昭和三十九年十月――。 オリンピックに沸く東京を舞台に、ミステリーの最前線を走る七人の思惑が交錯する。 かわりゆく街の中で、男たちは何を目指したのか。究極のミステリー・アンソロジー、ついに文庫化。 激動の昭和史をひもとく競作シリーズがここに開幕。 【収録作、作家】 ・「不適切な排除」 大沢在昌 八ミリフィルムの技術者は、なぜ殺されたのか!? ・「あなたについてゆく」 藤田宜永  二十一年前のあの日、私も日の丸を背負っていた。 ・「号外」 堂場瞬一   特ダネは、よりによって開会式の日にぶつかった。 ・「予行演習(リハーサル)」 井上夢人  国立競技場に持ち越された、幽霊屋敷の死体騒動。 ・「アリバイ」 今野 敏   五輪の輪が四つ――死刑求刑は一転して無罪に。 ・「連環」 月村了衛   黒澤明が降りたオリンピック記録映画を狙え! ・「陽のあたる場所」 東山彰良  華やいだ街の片隅で、おれは死の淵に立っていた。
  • 激録! 総理への道 戦後宰相列伝 田中角栄から森喜朗まで
    -
    国民の絶大な支持を得た田中角栄が、首相退陣を決意した瞬間とは? 魑魅魍魎が暗躍する政治の世界を生き抜き、「総理の椅子」に登りつめた中曽根康弘、竹下登、橋本龍太郎、小渕恵三ら16人の宰相。新聞、テレビではわからない政治の舞台裏を、本人及び周辺人物への綿密な取材を通して描く。政治の裏の裏は面白い!
  • 夏至祭
    -
    廃坑の町を棄て、1人の少女を不幸にした負い目を残して都会へ出た靖雄は、過去の傷を抱え、孤独をなめるような生活を続ける。土の匂い、山の息吹に引かれるように戻った故郷は、ベッドタウンとして新たな活力と創造に満ちていた。彼もまた、再生できるのか? 人間の生命力を讃える表題作他2編を収録。(講談社文庫)
  • 下駄の向くまま 新東京百景
    -
    ツゥーっと横丁曲って、路地の奥へツゥと入って……下駄の向くまま気の向くまま、ひたすら地ベタの感触と人間臭い風景にひかれ、なにやらやって来ましたあの町この町。ああ郷愁の…ムグ…「あの頃」。スケッチブック片手のブラブラ歩き、落着く先はなぜか黄昏時の赤提灯、ふられ酒あり祭り酒あり。江戸っ子絵師・滝田ゆう流「東京百景」。一口ガイド・マップ付き。
  • げたばき物語
    -
    下町生まれで、その風土習慣によって育てられた著者は、35歳で作家へ転身した。それまでに問屋の小僧、水商売、旅館経営、広告代理店員などと、職を変えながら、人生の表裏を見、かつ味わってきた。小説とは、いかに上手に嘘をつくか、だという。その自称「嘘屋」が自身をふり返り、創作の秘密や独特の下町精神を、赤裸々な告白(嘘?)で綴った好エッセイ集。半村作品の秘密を明かすファン必読の書。
  • 月下におくる(上) 沖田総司青春録
    4.0
    嘉永六年、父を亡くした沖田宗次郎は、試衛館の内弟子となる。並外れた才で頭角を現した宗次郎が道場破りを一手に引き受けるようになる頃、相次いで少年殺しが横行する。魔の手は宗次郎の知己・藤吉にも及ぶ。道場でいくら強くても、友の仇一つとれない……。葛藤は宗次郎の青春に影をおとす。十九歳になった宗次郎は名を総司と変える。尊王攘夷の思想が時代を動かす中、試衛館の面々は浪士隊として京を目指す転機を迎える。
  • 月下美人
    -
    生と死を見すえる冷徹な眼。傑作短編小説集。軍用機を爆破した元脱走兵を取材する「私」と、家族にも過去を語らず苦悩の歳月を過してきた男との関わりを、咲き散る月下美人に託して描く表題作等、8編を収録。(講談社文庫)
  • 月刊サギサワ
    3.3
    18歳でデビューし10年がたったサギサワ。泉鏡花賞を受賞した20代なかば、日・韓・米……と世界を股にかけての、こんな救いようもなくだらしない何の役にも立たぬような日々があった! 韓国留学時代の思い出から麻雀ばかりの東京の日々……。思わず笑ってしまわずにいられない、日常まるごと日記エッセイ。
  • 月光の海
    -
    沖縄の孤島、黒潮洗う白い崖(ギタラ)で何が起きたのか。米軍艦船への体当たりに失敗した若き特攻隊員は、不時着後、苛酷な運命に翻弄される。迫る米軍の上陸、自決か捕虜か。あの遠い夏の日の"愛と死のドラマ"が甦える。戦後半世紀、秘めてきた苦悩の足跡を追う、『月光の夏』に続く感動ノベル。
  • 月光の夏
    4.0
    若き2人の特攻隊員は、ベートーヴェンの名曲「月光」を、小学生たちの前で弾き、南溟の空に出撃していった。あの夏の日のピアノの響きは、痛切な思い出として刻みこまれた。愛と哀しみの感動にあふれるドキュメンタリー・ノベル。(講談社文庫)
  • 月霊の囁き
    -
    満月の夜、恐怖の殺人が月霊教会で……。成城学園に住む28歳の美貌の社長夫人は、秘密の共有者である小杉安雄殺害の記事を見て茫然とした。毎週1度名古屋近辺に現われ、もうひとつの顔を見せる彼女は教祖。小杉は、その新・新宗教「月霊教会」の代表役員で、事件当夜、現場に現われたという教祖『月霊様』の正体と消えた1億円の行方を、唯一人知っていたはずなのだが……。社長夫人であり教祖である女の謎の正体を追う! 月霊協会の教祖『月霊様』の装束で死体を運んだ女は、成城に住む謎の社長夫人なのか?
  • 元気がでるふだんのごはん
    5.0
    ひとりのときも。誰かといても。フジモトマサルのイラスト満載。ごはんからはじまる、少していねいな生活――毎日のごはん、おいしく食べていますか? 疲れたときも、落ち込んだときも、ひとりのときも、大事な誰かといるときも、ごはんは元気の素。心のこもった、でも手抜きOKのレシピをフジモトマサルのイラストをまじえ紹介。ていねいな気持ちのいい暮らしを綴るエッセイ。<『元気がでる美味しいごはん』改題作品> ◎本書が紹介するかんたんレシピ――卯の花炒り/かつお節スープ/豆のスープ/ぎせい豆腐/大人ののり巻き/かくれ海苔弁/母の茶わん蒸し/タイ風さつま揚げ/焼き魚のタレ/タイ風カレー/いろいろ冷奴/厚揚げホイコーロー/鶏の香味煮/ヨーロッパ田舎風/カレーうどん/さっぱり炒飯/十色サラダ/シンプルキムチ鍋/かんたんパエリア
  • 元気がでる恋愛論 誰かがあなたを愛してる
    -
    思い切ったアプローチが大切! 一輪の花でも、一枚のハガキでも、「恋の素」を大胆に撒いてみよう。自分の気持ちを相手に伝えなければ、恋の発展はない。身がまえず、素直に自分を出して、相手を受け入れる気持ちを大切に……。さまざまな恋のエピソードを語りつつ、恋を望む人々に贈る、恋愛論、生き方論の決定的名著。二人の仲を発展させ恋を実らせる秘訣を教える、熱い心の恋愛指南エッセイ集。
  • 幻魚の島
    -
    日本最南端に位置する久部良島は、奇妙な島だった。周りの島の住民とは、まるで別民族としか思えない優雅な姿態、しかも女は島を出て、20歳を過ぎると島に戻らねばならないという。そんな女性の一人を愛した〈私〉が島に見た異形のもの。禁断の丘に行なわれる奇怪な秘儀……。現代の神話ともいうべき表題作ほか5篇。
  • 原魚ヨネチ
    -
    若き釣人・ワスビルは、ケシモの海に舟を漕ぎ出し、ワシスを餌に釣をした。ケシモの海の最深部の闇の中には、とてつもない大魚・怪魚・異魚がいるという。その名をヨネチ。すべての魚の先祖、原魚だと言われている。ワスビルが「今日こそは」と伸ばした道糸の先には、たしかな魚信があった……。「かんべSF」の快作11編を結集!
  • 元寇
    4.0
    1巻1,089円 (税込)
    チンギスハーンの再来である英雄フビライは、果たして黄金の国・ジパングの夢にとりつかれたのか!? モンゴル平原に興った史上最強の騎馬帝国・元が、日本を襲い蹂躙せんとす。迎え撃つのは、精強な鎌倉武士団。我が国最大の国難=蒙古襲来を、巨視的スケールの中で描き切る。世界史のミステリーに挑む、傑作歴史冒険小説。
  • 原色の戦後史 戦後を日本人はどう生きたか
    -
    その頃、日本の子どもらは空腹をかかえて赤バットの川上野球に熱中し、大人たちは食糧買出しに追われていた。主婦もまじった「米よこせデモ」の一隊は皇居内に進入し、天皇一家の台所公開を迫っていた。貧しいながらエネルギーにあふれて生きいきとした庶民の体験を、占領軍・天皇・民衆の三極構造で描く。(講談社文庫)
  • 源氏九郎颯爽記
    -
    純白の羽二重の着流しで、紋は真紅の水おもだか、帯も純白なら、刀も脇差も白柄白鞘の、孤影の剣士・源氏九郎は、源義経の後裔……。義経が鞍馬山の化生者から授けられたという火焔水煙の雌雄剣に秘められた家康の財宝をめぐって、火焔は水をよび、水煙は火をもとめ、源氏九郎の秘剣揚羽蝶が華麗に舞う、長篇時代小説。
  • げんじものがたり
    3.0
    “今”の京都の声でよみがえる、源氏物語! 「紫式部が隣でおしゃべりしているかのように綴られる、 若き日の「光君」の物語に、ぐっと引き込まれました」 ―本上まなみ(俳優・エッセイスト) 「桐壺」帖から「葵」帖までの9帖を原文に忠実に訳した、 作家・いしいしんじによる平安京の大ベストセラー恋愛物語。 光源氏が誕生する「桐壺」帖から、のちに最愛の女性となる紫の上が登場する「若紫」帖を経て、 正妻・葵の上のもののけによる死が描かれる「葵」帖(源氏23歳頃)まで、 9帖を抄訳して収録。光(ひかる)君(くん)の若き日の成長譚と、さまざまな姫君たちとの華麗な恋愛絵巻が描かれます。 源氏物語に詳しい人はもちろん、読むことを敬遠してきた人へ。 令和に蘇る平安の宮中恋愛劇を、ゆるりとお楽しみください。
  • 源氏物語 巻一
    4.2
    1~10巻759~880円 (税込)
    全力傾注のライフワーク。原作に忠実に、美しい現代日本語でつづる源氏物語現代語訳の決定版。帝に熱愛された桐壺の更衣の悲劇的な死と残された幼い皇子。皇子は源氏姓を賜り、やがて意に染まぬ結婚。少年期を過ぎて、近衛の中将の身分を得た光源氏のさまざまな女性達との愛の遍歴。第1巻は、桐壺・帚木・空蝉・夕顔・若紫を収録。
  • 『源氏物語』男の世界
    3.0
    光源氏亡き後の、ジュニアたちの愛の物語――薫・桐壺院・頭の中将・朱雀院……光源氏を囲む貴族たちを、鮮やかに説き語る名著。タイプも雰囲気も違う男たちが、現代の読者の身近に、息づかいさえ感じられる、『源氏物語』現代語訳の一つのヴァリエーション。光源氏と嫡男・夕霧の魅力を伝える好著『〈源氏物語〉の男たち』(講談社文庫既刊)につぐ、パート2。
  • 『源氏物語』の男たち ミスター・ゲンジの生活と意見
    4.5
    名作を深く読んで、男の本質を探る名著。源氏と夕霧、主人公達の人物評論の形で語る、永遠の男性像。鮮明に描かれた光源氏の姿と心――情熱的な恋の渉猟者・源氏は、逆境に鍛えられた鋭い人間洞察家として、したたかな政治手腕で権力の頂点に到る。その父親に厳しく導かれた嫡男・夕霧(ゆうぎり)は、廉直で頼もしい貴公子に育ち、一途な恋を実らせた。二人の主人公にライトをあて、永遠に変らない男の本質、男の典型を、『源氏物語』で楽しむ、比類ない名著。
  • 「源氏物語」を旅しよう 古典を歩く4
    -
    美しく今も残る千二百年の都。現代語訳が完結した《寂聴源氏》を徹底的に楽しむ手引書にも。名場面、名舞台を訪ねる! ――源氏物語は虚構の話なのに、京都や宇治、明石には、作中人物や場所の碑が建っている。長い歳月、愛読されているうちに、まるで物語が史実であるかのように、人々の胸に定着したのであろうか。見事な現代語訳を完結させた著者が導く、名場面、美しい舞台への感動の旅。<古典の旅シリーズ『源氏物語』改題作品>
  • 原潜回廊 日本近海での米ソ秘密戦の実態
    -
    緊迫した国際情勢の中、日本をとりまく近海では、いまや想像を絶する、科学技術を結集した米ソ原潜による、熾烈な戦いが繰り広げられている。軍事機密という分厚い遮蔽板の向こう側で、米ソがどのような形で海中戦を展開し、日本列島がその中にどう位置づけられているかを、具体的な事実をもとに明かす。日本の安全を脅かす、近海での米ソ原潜の熾烈な暗闘! 日本は安全なのか?
  • 幻想郵便局
    3.6
    就職浪人中の安倍アズサは、「なりたいものになればいい」と親から言われてきたけれど、なりたいものってなんだかわからない。そんなときに特技欄に“探し物”と書いて提出していた履歴書を見て、アルバイト決定の連絡が。アルバイト先は、山の上、ぽつんとたたずむ不思議な郵便局。そこで出あった不思議な人々と不思議な世界とは……。ようこそ、登天郵便局へ。オリジナルのものから改稿し、さらにグレードアップ! 読書メーター読みたい本ランキング第1位。(講談社文庫)
  • 幻想映画館
    3.3
    『幻想郵便局』で大ブレイク。ほんのり恐怖でほっこりとする「癒しファンタジー」に恋が加わった! 趣味はシリトリ。古風な高校生スミレは、ある日父の不倫現場を目撃。後を追い、商店街の映画館に迷い込む。そこで映写技師に一目惚れしたスミレは、アルバイトを始めることに。そこは実は「走馬灯」を上映する不思議な映画館だった。恋するスミレは商店街の行方不明事件に巻き込まれる! (『幻想電氣館』改題)(講談社文庫)
  • 幻想日記店
    3.4
    大学一年生の友哉が雑木林の茶畑で出会った謎の美女、猩子。彼女が営んでいるのは、「あなたにぴったりの日記が見つかる」日記堂というお店。友哉は日記堂で働くことになる。猩子が日記堂を開いている理由は、「ある日記」を探し続けているかららしい。「ある日記」とは一体何か? そしてその日記を探さなければならない理由は? そんな時に世間をにぎわせている「怪盗花泥棒」の盗難予告が――。(講談社文庫)
  • 幻想探偵社
    3.5
    「自分」を見つけたいときは、この探偵社へ。ただし、幽霊限定ですーー。野球部を休部中の中学二年生、海彦は落とし物をした同級生のユカリを追いかけて「たそがれ探偵社」にたどりつく。そこは幽霊専門の探偵社で、海彦とユカリは、ヤンキー姿の幽霊、大島の頼みを解決することに。ふたりの通う中学校のある伝説も気になりはじめーー。やんわり恐怖&癒しファンタジー、待望の4作目。
  • 幻想温泉郷
    3.7
    登天郵便局は、亡くなった人が成仏する前に寄る郵便局。来た人は貯金窓口のオンライン端末で生前の善行を「功徳通帳」に記入し、地獄極楽門をくぐって次の世へと渡る――はずが、門の手前で突然消える人が続出。成仏できない人たちは、どうやら生前、罪を洗い流す温泉に入っているらしい。占い師によると、その温泉郷を探し当てるにはふたご座B型の女性が必要だという。それはまさに、探し物が得意なアズサのことだった。
  • 幻想短編集
    3.5
    届けられなかった思いを載せた手紙が届く登天郵便局と、幽霊専門の案件を扱うたそがれ探偵社を舞台に、この世とあの世の間に漂う六つの謎を解く、シリーズ初の短編集。謎の向こうに見えてくるのは、切ない過去か、くすぶる怨念か。ちょっぴり怖くてのちほっこり。今を大切にしたくなる温かな物語。<文庫書下ろし>
  • 幻想寝台車
    3.6
    家を出て行った恋人へのあてつけに、睡眠薬を大量に飲んだ篠原多聞。死ぬつもりはなかったのに、目を覚ますとそこは……死神の村。しかし多聞がここに来たこと自体が手違いだと言われ、現世に戻るための旅がはじまった。<文庫書下ろし>
  • 幻想商店街
    3.5
    いらっしゃいませ。 ここは、あの世のお客様も訪れる商店街。 市からの立ち退き要求に、 ひとりの少女が立ち上がる! 累計45万部突破! あの世とこの世は、本当はつながっている――。 人々の“思い” を優しくつなぐ、幻想シリーズ あの世からのお客様も訪れる、世界のヘソ商店街に、立ち退きの危機が迫っていた。新しくできた大型モールへ移転するよう市の担当者が説得にくるが、納得できない一人の少女が立ち上がる。そんなとき「交差点のアカリさん」という怪談が広がり始めて――。亡き人の思いをつなぐ大人気シリーズ。〈文庫書下ろし〉 <文庫書下ろし>
  • 幻想蒸気船
    3.6
    令和の今もまだ「鎖国」をしている島が、浦島湾にあるという。亡くなった両親がその島の出身だと聞かされたツムギは、半信半疑だったが……。ツムギが働くことになった浦島汽船に起きる不思議な出来事。あの世とこの世を結ぶという「ペリーの黒船」は、埠頭から亡くなった人たちを乗せていく。生きている人と亡くなったとの優しい交流を描く大人気シリーズ、最新作!<文庫書下ろし>
  • 幻想博物誌
    -
    転地療養先の千葉の海岸で、心を魅了された美貌の女の異常な死を超現実的感覚で描き出し、この世のものと思われぬ妖しい虚構の世界を構築する「月夜蟹」はじめ、蟹、蝶、猫、からす、馬、鵺の6種の動物のそれぞれの持つイメージに触発され、存分に幻想の翼伸ばしてつづる、日影文学の魅力を結晶させた好短編集・全6編。
  • 幻想遊園地
    3.2
    たそがれ探偵社に持ち込まれた今回の依頼は、「友達の影が突然変わった」というもの。探偵が不在の中、恋多き「元」幽霊、真理子さんが捜査を進めることになる。 みんなから忘れ去られた遊園地。突如現れた団地。 どこか抜けたところもある真理子さんが、忘れられていく哀切さを知りながら、謎の解決に奮闘する。 累計45万部突破! あの世とこの世は、本当はつながっている――。 人々の“思い” を優しくつなぐ、幻想シリーズ。 <文庫書下ろし>
  • 現代悪妻伝
    -
    浮気封じにと、飼育しているつもりの夫の精液を、文字通り吸い取る「しごき妻」。嘘で固めた経歴でエリート銀行員の妻の座におさまり、夫や夫の周辺に大小さまざまの虚偽を撤き散らす「虚言妻」。燃えさかる焔を見るごとに、妖しく下肢を濡らす美貌の「異常妻」。内助の功をカンちがいした妻、金がすべてとケチ生活を夫に迫る妻……などなど、現代の悪妻を描き尽くす、ブラック・ユーモアの連作12編。こんな悪妻がいるなんて! 12人の悪妻をコミカルに描いた傑作。
  • 現代悪女伝 性の深淵
    -
    1~2巻550円 (税込)
    私は大阪の株屋。ひょんなことで深みにはまった相手が娘のような年齢の美女で、彼女にはめずらしい肉体的特徴があった。彼女に溺れた私はパトロンを志願し有頂天になっていたが、ふとしたきっかけから彼女の正体を知って唖然となったのだ――。悪女とはどんな女たちか、をユニークに描いた連作小説集のパートI。
  • 現代スパイ物語
    -
    機密が発生したからこそ、スパイという世界最古のプロも生まれた。スパイには大別して、情報活動と諜報活動とがあるが、これまでとかく破壊工作などに悪名をはせてきたのはエスピオナージのほうだった。しかし、状況はさらに変って、もうスパイ時代は終る、と著者は考える。スパイ小説の第一人者が、豊富な引例と知識で構成したスパイ百科事典。
  • 現代霊性論
    4.2
    イマドキの暮らしに霊なんて関係ない? いいえ、人間の営みと“スピリチュアル”は切っても切れないものなんです。タブー、占い、カルトと霊のつながりとは。新宗教から靖國まで現代における宗教の役割とは何か。霊的であることは、畏れを知ること――内田氏と釈氏の掛け合いがグルービーな面白すぎる宗教漫談! (講談社文庫)
  • 原調
    3.0
    重傷を負いつつも病院から失踪した被害者、高速道路を横断し轢かれた主婦の黒い噂、事故の記憶がない轢き逃げ犯……警察捜査で見逃された7件の自動車事故の真相を損害保険査定員・滋野隆幸が"原調(原因調査)"で暴く! 元損保勤務だった著者だから書けたリアルな"交通事故ミステリー"。
  • 限定版 お父やんとオジさん 特別付録
    -
    妻の弟と両親を救うために戦時下の朝鮮半島に上陸したという、著者の父親の実話をもとにして書かれた感動巨編。『大人の流儀』の源流ともいうべき作品を、これからの時代を担う若い人たちにも読んでもらいたいという思いで、映画に舞台にTVドラマと幅広く活躍する若手俳優の小出恵介さんと対談。世代を超えて伝わるメッセージ! 本編の構想を伝える、幻の短編「上陸待ち」を収録。(講談社文庫)
  • 源内万華鏡
    4.0
    奇人・平賀源内の破天荒な人生と大志――平賀源内は、元祖マルチ・タレントだった! 本職は本草(ほんぞう)学者。エレキテル、万歩計、寒暖計を見様見真似で完成させ、鉱山技師として金銀を求めて山をウロウロ。風来山人の名で戯作、福内鬼外(ふくちきがい)の名で浄瑠璃を書けば、大ヒット。杉田玄白をして「非常の人」と言わしめた源内の、オモシロ人生を奇才が描く。
  • ゲンのいた谷
    -
    戦争中、父が学童疎開をしていた山寺に遊びにきた幹男は、古い土蔵に描かれた怪獣のゲンに「うめぼし」とまちがえられ、そして、ちびできかん気のうめぼしをはじめとする、疎開っ子たちの話をきく……。父母のもとを離れ、空腹に耐えながら、精いっぱい生きようとした疎開児童の生活を活写した、戦争児童文学の傑作。
  • 原爆の図
    -
    1945年8月6日、原爆投下。3日後、広島に帰った画家は、現代の地獄図絵を目撃する。「原爆の図」は、画家が二十数年をかけ完成した畢生の大作であり、世界の多くの人々に深い衝撃をよびおこしたのだった。本書収録のこの作品の全貌を通じて、私たちは、平和と人間愛への祈念をさらに新たにしてゆきたいと思う。
  • 原発への警鐘
    -
    日本列島「原発基地化」の実態と危険を暴く! スリーマイル島、チェルノブイリなどでの原発事故は、あらためて原子力エネルギーの怖さを実感させた。世界各国で安全神話がくずれているのに、なぜか日本では驚くべき「原発過密立地」計画が進行中だった……。住民の不安を解消しきれないままに、日本列島「原発基地化」を強行する危険な狙いとその全容を迫真の取材で描く!
  • 原発ホワイトアウト
    4.0
    キャリア官僚による、リアル告発ノベル! 『三本の矢』を超える問題作、現る!! 再稼働が着々と進む原発……しかし日本の原発には、国民が知らされていない致命的な欠陥があった! この事実を知らせようと動き始めた著者に迫り来る、尾行、嫌がらせ、脅迫……包囲網をかいくぐって国民に原発の危険性を知らせるには、ノンフィクション・ノベルを書くしかなかった!
  • 原発労働記
    4.4
    「これでは事故が起きないほうが不思議だ」……放射能を浴びながらテイケン(定期点検)に従事する下請け労働者たちの間では、このような会話がよく交わされていた――。美浜、福島第一、敦賀の3つの原子力発電所で、みずから下請けとなって働いた貴重な記録=『原発ジプシー』に加筆修正し、27年ぶりに復刊した名著。 ◎「原発事故は人災です」<瀬戸内寂聴>
  • 源平の怨霊 小余綾俊輔の最終講義
    4.1
    1160年、平治の乱の後、源頼朝は平清盛によって助命される。後に大納言・時忠が、「此一門にあらざらむ人は、皆人非人なるべし」とまで言い放ち、知行国三十余国、荘園五百ヵ所、田園その数を知らずと言われるまでに栄華を誇った平家一門の命運は、この瞬間に窮まった。 後に平氏を滅ぼすことになる頼朝を清盛はなぜ救ったのか?  平氏を滅亡に追い込んだ天才武将・源義経は数々の戦果を挙げたにもかかわらず、兄の不興を買って非業の死を遂げる。その義経が怨霊として祀られていないのはなぜなのか?  二つの謎が解けるとき、源氏と平氏の真の姿が現れる。
  • 元末群像異史 紅嵐記(上)
    -
    フビライ・ハーンの近衛兵を祖父にもつバヤン家のサカルは、騎馬にも狩りにも興味がない。料理人を志して出奔した彼は、荒くれ者だが人を惹きつける青年、張士誠(ちょうしせい)と出会う。その時代、皇帝を凌ぐ権力者バヤンは漢人を徹底的に弾圧し、危うい空気が世を覆っていた……。動乱期の元末を舞台に描く長編歴史小説。
  • 元禄歳時記(上)
    -
    オカラ先生の異名をとる貧乏学者・新井勘解由(白石)は、ふとした縁で姿をやつして江戸市中を微行する甲府宰相・綱豊(後の六代将軍・家宣)と友情を結ぶ。綱豊には、彼を憎む現将軍・綱吉の刺客が差しむけられ、勘解由も事件の渦中へ……。元禄期の世相を背景に、二人の青年の波乱万丈の青春を描いた、長編時代小説。
  • 将棋殺人事件
    3.3
    謎々を拾った者が、次第に心を病み、墓地で死体を掘り返す――六本木界隈である怪談が広まっていた。そんなとき静岡で大地震が発生、土砂崩れの中から二つの屍体が発見される。屍体と怪談との類似点に注目、調査を始めた天才少年棋士・牧場智久が到達する驚愕の真相とは? 書き下ろし短編「オセロ殺人事件」収録。
  • トランプ殺人事件
    3.5
    洋館で行われたトランプゲームの最高峰コントラクト・ブリッジの最中、女性が鍵のかかった部屋から消失。別の場所で屍体で見つかった。天才少年囲碁棋士・牧場智久らは、洋館で発見された暗号を解読にかかるが……。ゲーム三部作完結編は密室&暗号ミステリ! 書下ろし短編「麻雀殺人事件」収録。
  • ゲーム3部作 合本版
    -
    『囲碁殺人事件』囲碁タイトル戦・第七期棋幽戦第二局二日目、"碁の鬼"槇野九段が、近くの滝で首無し屍体で発見された。『将棋殺人事件』 静岡で大地震が発生、土砂崩れの中から二つの屍体が発見される。屍体と怪談との類似点に注目、調査を始めた天才少年棋士・牧場智久が到達する驚愕の真相とは?『トランプ殺人事件』洋館で行われたトランプゲームの最高峰コントラクト・ブリッジの最中、女性が鍵のかかった部屋から消失……
  • 小粋な失恋
    3.5
    10日も逢わなきゃ死ぬかもしれぬ、こんなにやつれてまだ3日……。「うまくいかない恋」の最大原因は、「彼よりも私の方が愛しすぎている」こと!? 男女の心の機微を描いた48の都々逸(どどいつ)から、よりすぐった粋な「殺し文句」。きれいごとではすませない、自らの心の痛みを打ち明けた、待望の恋愛エッセイ。「うまくいかない恋」に良く効く48の殺し文句。愛は最強!
  • 小石川の家
    3.8
    昭和13年幸田文は離婚し、娘の玉を連れ青々と椋(むく)の枝がはる露伴の小石川の家に戻った。万事に愚かさを嫌う祖父の小言の嵐は9つの孫にも容赦なかった。祖父の手前蹴とばしても書初めを教える母。「2度はご免蒙りたい」10年の歳月をクールにユーモラスに綴り、晩年の露伴、文の姿を懐かしく匂い立たせる。(講談社文庫)
  • 恋路ヶ島サービスエリアとその夜の獣たち
    3.0
    「静かな夜には口笛を吹きたくなる奴がいるものです。口笛が聴こえる夜は、もうすでにいつもの夜とは違いますからね」 四国と淡路島の境目にある〈恋路ヶ島サービスエリア〉の売り子になると、一年以内にプロポーズされるという伝説がある。その伝説を信じるでもなく信じている理代子は、ある夜事件に巻き込まれていく。人生の小休止=サービスエリアに集まった"獣"たちが繰り広げるポップでちょっとシリアスな長編ミステリ。
  • 恋するフェルメール 37作品への旅
    3.8
    ボストンではじめてフェルメールを見ようと訪ねた美術館では、<合奏>は盗まれていた! 1990年に始まった世界各地の作品を訪ね歩く旅に、新たにフェルメール作と認定された<ヴァージナルの前に座る若い女>が加わった。絵の具によって描かれた光に魅了され、絵と向き合う歓びがあふれるエッセイ集。
  • 小泉教授が選ぶ「食の世界遺産」日本編
    3.0
    世界中の食を極めつくした小泉教授が、日本が誇るスローフードの傑作を、「食の世界遺産」に選定! 7つのジャンルから選んだ68件を紹介する。握り飯、出汁(だし)、梅干しなど基本の食からフグ卵巣の毒抜き、いらぶー汁、魚骨料理、花料理、灰汁(あく)巻きなどの珍味まで。日本の食文化のすばらしさを堪能できる1冊! (講談社文庫)
  • 小泉純一郎とは何者だったのか
    3.7
    首相在職日数、1980日。自民党総裁・小泉純一郎は戦後第3位の長寿政権に自ら幕を引いた。後継指名を受けた安倍晋三は靖国参拝問題、北朝鮮の核実験に直面する――。小泉政権は日本をどう変えたのか。小泉とは同い年、同窓生でもある著者が描く、絶大な人気を誇った宰相の素顔とは。
  • 恋と嘘 映画ノベライズ
    -
    結婚相手を政府が選ぶ、恋愛禁止の世界。ある日、私たちは「恋」を「通知」される。森川葵、北村匠海、佐藤寛太出演の映画ノベライズ版!「最良」の結婚相手か――「最高」の幼なじみか――本当の「幸せ」は、どこにある!?
  • 恋と禁忌の述語論理
    3.8
    雪山の洋館での殺人。犯人は双子のどちらか。なのにいずれが犯人でも矛盾。この不可解な事件を奇蹟の実在を信じる探偵・上苙丞(うえおろじょう)が見事解決ーーと思いきや、癒やし系天才美人学者の硯(すずり)さんは、その推理を「数理論理学」による検証でひっくり返す!! 他にも個性豊かな名探偵たちが続々登場。名探偵を脅かす推理の検証者、誕生! 大ヒットミステリー『その可能性はすでに考えた』はここから始まった!?
  • 恋に散りぬ
    -
    軽輩武家の貧しさの中で、幼い後継ぎの養育に辛酸を嘗めた賢夫人が、気立てのよい嫁の離縁を当主に強要する不可解を描いた「紅梅」、家格の低い家から嫁いだ女の、絶え間ない気苦労と夫への不信に揺れる哀切を描く「菖蒲」……など、四季の花の風情に擬えて、命の瀬戸際に愛をつらぬく、凛とした武家の女たちを描く、傑作短編集。
  • 恋盗人
    5.0
    美人アナウンサー・細川知子が不倫相手の杉正彦とデート中、杉の妻が何者かに殺される。あわてた二人は、死体をひそかに琵琶湖畔に埋めるが、まもなく、「犯行を目撃した。500万用意せよ!」の脅迫状が……。甘い生活から一転、苛酷な運命に翻弄される知子。衝撃のドンデン返しを秘めた、魅惑的長編推理。美人アナウンサーを翻弄する愛の迷路。愛しあう男女を引き裂き、殺人にまで駆り立てるものは何?
  • 恋の休日
    3.7
    放校された女子高生と、男に夫をとられた漫画家。ふしぎな青春小説。肩を“ポンと叩いただけ”で教師が階段から落ち、女子高生のフィンは高校を退学になった。父は体調を崩し、愛人に看病されている。大学生の彼氏とは大喧嘩の末別れたばかり。今どきの若者の風俗や生態を淡々としたタッチで描きながら、心の奥底でふるえる悲しみをとらえた真摯で切なく、心やさしい作品集。(講談社文庫)
  • 濃い人々
    5.0
    『ルーシー・ショー』のルーシーのドタバタぶりに目をみはり、『夫婦善哉(めおとぜんざい)』のダメ亭主に尽くす蝶子(ちょうこ)をみては、他人のお金をあてにする生活を夢見たことを自省。また、酔っぱらい作家・ブコウスキーの「くそったれ」人生には喝采をおくる。ほかに小津安二郎など、古今東西の達人たちが描いた作中人物を語る、群節(むれぶし)全開の痛快エッセイ! ズレてる? けど、おもしろい人たち満載!
  • 恋人
    -
    さまざまな愛とゆれる女心を描く短編集。出逢いと別れ、不倫の愛、ひそやかな恋。平穏な暮しのなかで、違う人生を夢みる女たちの心のゆらめきと翳り――変化のない平凡な日々に、倦怠を覚えていた蓉子の前に、偶然現われたのは、年若いセールスマンだった。夫の眼を盗み、二人は逢いびきを重ねていった。出逢いと別れ、不倫の愛、ひそやかな恋……。平穏な暮しのなかで、違う人生を夢みる女たちの心のゆらめきと翳りを細緻に捉える、魅力あふれる短編12編を収録。
  • 恋人たち LOVERS
    3.5
    「女と男」の様々な生き方。いまを生きる素敵な女性のおしゃれな恋の結末。自分の考えで生きる13人の心模様を描いた傑作! ーーやっぱり実物を見ないと、だめなときってあるんだ……。心の中で描いたラブレターだけでは納得がいかないのが、女心。でも、それがわからないのが男心。そんな「女と男」の微妙でおかしな関係を、13編の恋愛小説に。いまを生きる女性たちの心模様を軽快なテンポで巧みに描いた、落合恵子ワールドへようこそ!
  • 恋人よ
    -
    こんなにも好きなのに、なぜ分かりあえないの。忘れられない愛がある――裕福な愛人生活を捨て、質素な一人暮らしを始めた沙江子。ゲイボーイとの奇妙な交流の果てに訪れる新たな転機とは(「ありふれた夜に」)。年下男との別れ話がこじれ、男の友人に襲われた啓子(「水にゆらめく」)。すれちがい、引かれあい、そして反発する恋人たちの4つの心模様。せつなさ溢れる、大人の恋愛小説集。
  • 恋ゆうれい
    -
    10年連れ添った恋女房が、交通事故で死んだ。悲嘆にくれる男のもとに、四十九日の法要の晩、妻が幽霊になって帰ってきた。生前と変わらず家事をしてくれる「恋ゆうれい」との、奇妙な同居生活が始まる。彼女は恨みはないと言うが……。危うい怖さのなかにある、せつない想い、涙、そして愛。もう一度会いたい。たとえ幽霊であっても……。<『ブルー・デビル』改題作品>
  • 恋をする女たちへ
    -
    捨てられた、裏切られた、騙された、といった言葉が、いまだに女性の間に、当然のことのように通用している。何とも不思議なことだ。いったい、現代の若い男女に、恋愛や結婚というものがわかっているのだろうか? ――愛の実践経験豊かな著者が、初めて愛の諸問題(男女の心理や生理)を、徹底的に告白・検討して教える、長編ラブ・ガイド・エッセイ。
  • 光陰の刃(上)
    -
    1~2巻836~880円 (税込)
    福岡藩士の子として生まれた團(だん)琢磨(たくま)は、明治初期の米国MIT留学で鉱山学を修め、苦難の末に三井三池炭鉱の基礎を築く。群馬の山村に生まれ、悩み深き青春時代を過ごした井上四郎(日召(にっしょう))は、新天地を求めて満州に渡る。まるで光と影のような二つの熱い魂が、「近代日本の悲劇」を引き起こすまで──。
  • 項羽と劉邦 知と情の組織術
    3.0
    古代中国の秦の末期、覇権をめぐり二つの巨星が対峙した。項羽は名門子弟のエリートで、インテリジェンスを判断基準に置く「知型人間」。かたや劉邦は、一寒村の庶民出身で、人や感情を重んじる「情型人間」。組織を動かし勝敗を分けた二人のリーダーの人間力とは何か?  両雄の軌跡を辿り、トップリーダーの資質と条件を抉る、壮大な歴史人物伝。
  • 項羽を殺した男
    -
    中国史上屈指の英雄の鮮やかな肖像――帝王ならざるも、司馬遷をして本紀の一に入らしめた一代の英雄である、楚の項羽。秦末漢初を彗星の如く駆け抜けたこの覇王に魅きつけられ、愛し、憎んだ、男と女がいた。鴻門の会、垓下の戦いなど、中国史屈指の名場面を彩る、劉邦、范増、虞美人らと織りなす人間ドラマから、運命に敢然と抗した男の顔が浮かびあがる。
  • 公園通りの猫たち
    -
    眠ることのない街、東京・渋谷の通称・公園通り――。日が落ちるころ、猫たちが目をさまして、この坂道の街に姿を見せはじめる。ケンカの滅法強いボスの太郎、恍惚の女帝・アマテラス、スペイン坂のカルメン、心やさしい巡査、新ボスの虎丸に、旅の途中のジャイアント・タビ……。苛酷な環境を生き抜く「自由猫」たちも、この街の住民なのだ。自由な猫と人との交流記! 第6回講談社エッセイ賞受賞作品。
  • 高架線
    3.9
    新刊『長い一日』が各紙誌で大評判。 若手随一の小説の名手、芥川賞作家の滝口悠生、初の長編小説。 思い出すことで、見出され、つながっていくもの。注目の芥川賞作家、初めての長篇小説。 風呂トイレつき、駅から徒歩5分で家賃3万円。古アパート「かたばみ荘」では、出るときに次の入居者を自分で探してくることになっていた。部屋を引き継いだ住人がある日失踪して……。 人々の記憶と語りで綴られていく16年間の物語。
  • 鴻上尚史の俳優入門
    4.0
    俳優になりたい――そう思う人の多くは「人気者になりたい」だけかもしれない。人気者と俳優の違いから、さまざまな俳優の職場、演じるとはそもそもどういうことかまで。俳優志望者のみならず、演劇・映像に関わるすべての人に演技の本質をわかりやすく伝える鴻上版入門書の決定版!
  • 紅顔
    3.0
    裏切り将軍・呉三桂、野心と純愛。明末期の呉三桂と愛妾・円円、二人の願いと愛を描く中国歴史長編――明の末期、呉三桂(ごさんけい)は、李自成(りじせい)軍が明を倒し、都を占拠したと知った。その上、愛妾・円円(えんえん)も李自成の配下に連れ去られたと聞き、守っていた山海関を摂政・ドルゴンを擁する清軍に開放する。裏切り者と歴史に書き残された呉三桂と傾国の美女・円円、二人の純愛と明末の激動を清新な筆致で描きあげる、中国歴史長編小説。
  • 好奇心紀行
    3.0
    〈知の旅〉〈足の旅〉名手が綴る59篇。書物、映画、酒、アジア…「人生」と「旅」をキイワードに古今東西に思いを馳せる。心のおもむくままの旅――いつでも、どこでも、旅は始まる。日々の暮らしの中にも、心を澄ませばすぐ「旅」が見えてくる。本、音、食、酒への「知の旅」、アジア、アフリカ、ヨーロッパへの「足の旅」。「好奇心」をキーワードに、古今東西の異郷を探究してめぐり歩く、珠玉のエッセイ集。心ゆたかな名手がつづる。「旅」は今日も続く。
  • 高級官僚 “霞が関帝国”の舞台裏
    -
    官僚再編時代を迎えた今、「霞が関帝国」をめぐる覇権争いは、ますます激しさをましている。水面下で展開される高級官僚の新しい動きと狙いは何か? 許認可権と補助金行政をテコに、日本を裏から操りつつ、天下りと利権の蜜に群がる、新エリート集団の実態をえぐる。背広の下の発想、政官民で築く覇権と利権の動きを、綿密な調査で明かす力作。
  • 黄砂の進撃
    3.8
    不死身の義和団と列強の激闘! 驚愕の真相が今、明かされる。清朝末期、辮髪と纏足で自由を縛られ、満州族に虐げられていた漢人は、宣教師にも生活を蹂躙され不満は頂点に達していた。彼らは扶清滅洋の旗印のもと蜂起し、駐在武官・柴五郎らの立て籠もる北京公使館区域に攻め入る。中国近代化の萌芽となった「義和団の乱」の内幕を描く、『黄砂の籠城』と対をなす面白さ抜群の歴史小説。
  • 黄砂の籠城(上)
    4.1
    今こそ読むべき、日本の快挙。圧倒的歴史エンタテインメント元防衛大臣 石破茂推薦!―1900年春、砂塵舞う北京では外国人排斥を叫ぶ武装集団・義和団が勢力を増していた。暴徒化して教会を焼き討ち、外国公使館区域を包囲する義和団。足並み揃わぬ列強11ヵ国を先導したのは、新任の駐在武官・柴五郎率いる日本だった。日本人の叡智と勇気を初めて世界が認めた、壮絶な闘いが今よみがえる。
  • 黄砂の籠城【無料試し読み版】
    無料あり
    3.8
    【無料試し読み版】今こそ読むべき、日本の快挙。圧倒的歴史エンタテインメント元防衛大臣 石破茂推薦!―1900年春、砂塵舞う北京では外国人排斥を叫ぶ武装集団・義和団が勢力を増していた。暴徒化して教会を焼き討ち、外国公使館区域を包囲する義和団。足並み揃わぬ列強11ヵ国を先導したのは、新任の駐在武官・柴五郎率いる日本だった。日本人の叡智と勇気を初めて世界が認めた、壮絶な闘いが今よみがえる。※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。

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  • 甲子園の異邦人 「在日」朝鮮人高校野球選手の青春
    5.0
    在日高校生たちはどう生きてきたか? 夏の甲子園大会を沸かせた「在日」選手7人の感動ドキュメントーー1981年夏、甲子園の高校野球大会決勝戦は、京都商業と報徳学園の間で戦われたが、その中に7人の「在日」朝鮮人選手がいた。民族の誇りと野球への情熱を持って全力を尽した彼らの背後には、在日の若い世代が日本でいかに生きていくかの切実な問題があった。7人の青春の軌跡を追う感動ドキュメント。
  • 甲子園の奇跡 斎藤佑樹と早実百年物語
    3.5
    昭和6年の甲子園。早稲田実業の島津投手は、マウンドでがっくり膝をついた。愛知・中京商業にサヨナラ負け。実はこの中京商業の勝利こそ、いまだに破られない夏大会3連覇の偉業、そのスタートだった。――それから75年。中京商業以来の夏3連覇の目標を引っ提げて甲子園に乗り込んできた駒大苫小牧。その「最後の1勝」を阻止すべくマウンドに立ったのは、奇しくも同じ早稲田実業の斎藤佑樹投手だった。(講談社文庫)
  • 甲子園への遺言 伝説の打撃コーチ高畠導宏の生涯
    4.3
    「あなたの将来を後押ししてくれる本です」――<福岡ソフトバンクホークス、小久保裕紀>天才バッティングコーチ高畠導宏の生涯を描いた傑作。小久保裕紀、田口壮などの一流プロ野球選手を育てあげた彼は高校の教師となり、高校野球の監督として甲子園での全国制覇を目指す。ところが、突然発覚した病気のために……。NHKドラマ『フルスイング』として感動を呼んだ名著が文庫化。(講談社文庫)
  • 公子曹植の恋
    3.3
    三国志の英傑・曹操の公子曹植が13歳で出会った人は、兄の妻となる人だった。義姉への叶わぬ恋を詠んだ詩篇は都の文壇で噂となる。その妃の死後、兄である皇帝の非情な仕打ちに不遇の時を過ごしながらも詩作に打ちこみ変わらぬ想いを抱いた。秘めねばならぬ愛を貫いた詩人の生涯を清新に描く中国純愛ロマン。
  • 公子風狂 三国志外伝 曹操をめぐる六つの短篇
    3.6
    もうひとつの三国志。曹操はこんな男だ! ──希代の姦雄、魏の曹操。その凄まじいエネルギーは、周囲の男女の人生をいやおうなしに巻きこんだ。父の身代わりとなって悲運の死をとげる長男・曹昂(そうこう)や、夫にけっして心を許さなかった丁夫人、そして父になりかわって漢王朝から帝位を奪った曹丕(そうひ)の心の闇など、英雄に接したがゆえの悲劇をえがく傑作6篇!
  • 絞首刑
    4.6
    国家の名のもとに命を奪う「死刑」。著者は、数々の証言から執行現場を再現し、実際に起きた5つの事件を再取材しながら処刑に至る道程を検証する。なかでも、1994年に発生した、いわゆる「木曽川・長良川連続リンチ殺人事件」で逮捕され、死刑判決を受けた元少年3名への取材は、精緻を極める。死刑制度に対して是とする人々、非とする人々、あらゆる立場の人々に一読していただきたい、渾身のルポルタージュ。(講談社文庫)
  • 絞首商會
    3.2
    昭和・平成のミステリの技法をフル装備し、 乱歩デビュー前の大正時代半ばに転生して本格探偵小説を書いたら……。 そんな夢想が現実のものになったかのような極上の逸品。 この作者は、令和のミステリを支える 太い柱の一つになるだろう。 有栖川有栖 大正の東京。 秘密結社「絞首商會」との関わりが囁かれる 血液学研究の大家・村山博士が刺殺された。 不可解な点は3つ。遺体が移動させられていたこと、 鞄の内側がべっとり血に濡れていたこと、そして、 遺族が解決を依頼したのが以前村山邸に盗みに入った元泥棒だったこと――。 頭脳明晰にして見目麗しく、厭世家の元泥棒・蓮野が見つけた 四人の容疑者の共通点は、“事件解決に熱心過ぎる”ことだった――。 『方舟』が各界から激賞されたミステリー作家、衝撃のデビュー作!
  • 「好色五人女」「堀川波鼓」を旅しよう 古典を歩く 10
    -
    元禄文芸の二大作家、西鶴と近松の人気作品の舞台を各地に訪ね、女と男の命がけの恋を実感する旅。姫路のお夏、大坂のおせん、京のおさん、江戸のお七、薩摩のおまん、因幡(いなば)のお種──実際の事件をもとに生れた名作の、恋人たちの哀切な息づかいが胸をうつ名著。古典の旅シリーズ『好色五人女/堀川波鼓』改題作品。愛を守り切った心中死、激しく胸をうつ命がけの恋!
  • 光二郎分解日記 相棒は浪人生
    4.0
    二宮光二郎七十五歳、元理科教師で趣味は分解。大抵の故障はすぐ直す。ただし最近頭の調子がイマイチで、家族はちょっと困ってる。そんな俺のじいちゃんが、芝刈り中の老人を刺したって!? クセありじじばばも巻き込み、浪人生活まっさかりのかけるは、真犯人を捜せるのか。「二人で一人」の迷探偵が大活躍! ※本作品は 2015年7月24日~2017年6月15日まで販売しておりました単行本版『分解日記 光二郎備忘ファイル』の文庫版となります。本編内容は同じとなりますので予めご了承下さい。既に同作品をご購入されているお客様におかれましてはご注意下さい。
  • 黄塵日記
    -
    日露戦争後、天津の日本人記者・橋本竹南は、戦争初期に行方不明となった二人の友人を捜索するため、遠く蒙古の砂漠へ旅立つ。竹南は、彼らの遺骨と残された日記帳を発見し、密かに持ち帰る。しかし、日記には、日露戦争の驚くべき秘密軍事作戦が書かれてあり、何者かに奪い去られてしまう。戦争の非情と歴史の暗部を、気鋭が暴く!
  • 高卒副頭取
    -
    ヤクザのダミー会社との巨額の取引を警察が内偵との情報に、おびえ浮き足だつ銀行会長。この不祥事を契機に一挙に会長一派の追放を仕掛ける頭取派。会長の懐刀で、銀行の暗部を担当し実力をつけた"高卒"専務を通して、不良債権という「ババ」が抉り出す、銀行首脳の抗争を描く、衝撃的な長編経済小説。
  • 好太王碑の謎 日本古代史を書きかえる
    -
    なぜ古代の日朝関係碑文が改ざんされたのか? 隠された狙いと作りかえの真相を明かす。参謀本部が加えた碑文改竄の狙いは何か? ――「謎の四世紀」といわれる日本古代史にあって、「任那日本府」の存在を裏づける不可欠な資料が、好太王碑であった。ヤマト政権の成立と統一の時期を論ずる根拠として利用され、教科書にまで登場している。しかし、そこには意図した歴史の作りかえがなされていた。なぜ、古代の日朝関係碑文が改竄されたのか。多年の研究から決定的な真相を明かす。
  • 皇太子誕生
    -
    美智子妃から雅子妃、紀子妃へ受け継がれてきた皇室最大のプロジェクト「皇子の誕生」。失敗は絶対に許されない妃の出産という慶事の裏には、皇室史上初めての病院分娩に挑む医師たちの壮絶な戦いがあった。宮内庁病院の医師が綴った詳細なメモからその全貌を明かす、大宅賞受賞作家による迫真のレポート。
  • ルドルフとイッパイアッテナ
    4.8
    ひょんなことから東京にやってきてしまった小さな黒ねこルドルフの成長を描く不朽の名作児童文学。1987年の刊行以来、累計100万部のロングセラーとなり、子どもたちに愛されてきました。2016年8月には、超大型フル3DCGアニメーション映画としして公開も決定。その深い人生哲学とユーモアは、大人が読んでも十分に楽しめます。「なつかしい!」という人も、再読してみると、新しい発見があるかもしれません。
  • 皇帝のいない八月
    -
    ブルートレイン「さくら」の切符をゆずれ、と脅迫した男たちは何者なのか? 切符の譲渡を拒んだ業界紙記者の石森は、異様な不安を覚えつつブルートレインの客となった。はたして車内には、異常な雰囲気を発散させる男たちがいた。不審な乗客の正体と彼らの狙いは? 闇の中を暴走する寝台特急の終着駅は? 大胆な構想と迫真のシチュエーションで世を震撼させた、戦慄をよぶサスペンス。予見長篇ミステリー。
  • 紅梅白梅
    -
    都築(つづき)少尉の戦死は、不名誉なものだった。たった一度の契りだったが、彼の汚名を晴らしたかった山邑(やまむら)ひなは、その死の謎を追った。なぜ、彼は死に急いだのか? 停電した嵐の夜、作家の私を訪ねたひなは、台所のガスを明かりにして話し始めた。苛酷な状況の中で生きることを余儀なくされた人間の運命を描いた長編。
  • 皇妃エリザベート
    4.1
    「バイエルンの薔薇」と呼ばれ、ハプスブルク家六百有余年の歴史上最も美しいといわれた皇妃エリザベート。激動の時代、彼女は嫉妬と羨望のなか、皇室の因習に抗い自由奔放に生きた。没後百年を経てもオーストリアの人々の心を捉えてはなさない"シシィ"エリザベートの波瀾万丈の人生をいきいきと描いた決定版!

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