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昭和13年幸田文は離婚し、娘の玉を連れ青々と椋(むく)の枝がはる露伴の小石川の家に戻った。万事に愚かさを嫌う祖父の小言の嵐は9つの孫にも容赦なかった。祖父の手前蹴とばしても書初めを教える母。「2度はご免蒙りたい」10年の歳月をクールにユーモラスに綴り、晩年の露伴、文の姿を懐かしく匂い立たせる。(講談社文庫)
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Posted by ブクログ
幸田家四代の文章を読んでいると、そのどっしりと腰の座った明快な保守性に清々しささえ覚える。幸田文の娘、青木玉のデビュー随筆集。美しくときにユーモアさえある筆致に惹きつけられ、起き抜けに一気に読んでしまった。近年なかなかここまで風通しのよい文章にはお目にかかれないので、ホンモノの綺麗な日本語にふれたい...続きを読む人にはぜひとも読んでいただきたい。 文章の流麗さについ魅せられがちだが、なかなか内容は波乱に富んでいる。母が離婚し小石川の祖父の実家で暮らすことになった幼い玉。明治の文豪・幸田露伴の理不尽なカミナリオヤジ(※言葉を選びました)ぶりにも母の容赦なく厳しいしつけにも耐える日々。露伴先生の無茶なジジイぶりは文豪でも人間だ…となんだかしみじみした。玉と文とのエピソードで玉が文にお年玉で帯枕を贈る話が好きだ。とつとつと語られる露伴の胸糞悪いいじわるクソジジイぶり(まあ。なんとはしたない言葉遣い、ごめんあそばせ)だけでなく、こういう暖かくなるような一編があるからこそ、本著は名随筆と言える。 青木玉さんの本は母の幸田文さんと比較すると、じっとりとしたしゅうとめ感(?)がなくカラリと読みやすいので、若い世代にも長く読み継がれることを祈る。
1929年(昭4)幸田文の長女として生まれた青木玉のデビュー作「小石川の家」(1994.8刊行、1998.4文庫化)を読みました。1938年(昭13)母幸田文は離婚し、娘9歳の玉を連れ、祖父露伴の小石川の家(蝸牛庵)に戻りました。それから1947年(昭22)露伴の死までの10年間、祖父露伴、母文と過...続きを読むごした自分の幼い日々を振り返ったエッセイです。なおラストの「三日間」では、1990年(平2)10.31母の死から11.2の葬儀までの様子が綴られています。1994年度文部大臣賞を受賞した作品です。
昭和十三年の、母文の離婚から、戦争を経て、母が死ぬまでの「幸田家」が描かれている。 時に理不尽にも見える、祖父や母の言いつけ。 昔の暮らし。 そして、戦争のこと。 露伴が戦時中、勝ち目のない戦線に投入されていく若者を傷んで号泣したという話は、心を打つ。 それから、食べものの描写もなんともおいしそう...続きを読む。 しかし、食にうるさかった露伴の要求をかなえるために、裏でどれだけの用意がなされたことか。 この本は著者が還暦を過ぎるころに書かれた本のようだ。 生活の細部をこんなにも鮮やかに覚えていることに驚嘆する。
…泣いたわー泣いちゃったわー。露伴と文の死んじゃう描写泣いちゃうよ。戦時下、露伴の「若いものがなぁ、若いものが。」という言葉。そして文の厳しいしつけ、露伴の家のしきたり。それだけで物語みたいだ。いいなぁ、とてもいい!
小石川の幸田露伴の家へ移ってから、 戦後幸田露伴が亡くなるまでの話し。 幸田露伴ってこういう人だったんだぁってよく分かる。
吠えるも堪えるもただ泣くも、なんと見事な昭和の生きざま。どうして今まで読んでないのか。ぬかったよ。幸田文好きと言えないや
幸田家の様子が、手に取るようにわかった。 昔は厳しい時代だった事も知り、 今の時代に生きる自分は恵まれているなと感じた。
もうこれで何度目かの再読。ドラマで見たのが本を読むきっかけでした。 9歳の青木玉さんが、離婚した母(幸田文)と共に 祖父(幸田露伴)の住む小石川の家での生活を綴ったもの。 こんな明治いや、慶応生まれのカチカチじーさんに、三つ指ついて家政婦のごとく 尽くしまくる暮らしなど、私はまっぴらごめんこうむる...続きを読むが(笑)、 父の要求を上回る完璧な家事と機転の良さで立ち回る母に対し、 娘玉はのろまで気が利かず、いつも祖父や母に叱られると言う構図が楽しい。 自分を重ねてしまう(笑)。 しかし、私では到底理解できない膨大な教えを露伴や文から受け継いだ玉さんを羨ましいと思う。 生活術や着物の事など、教えて欲しい事は山ほどある。 また、文の看病をする玉を、近い将来の自分と重ねて涙してしまったりもする。 いろいろ考えさせられる話ではあるけど、 この愛とユーモアに包まれた厳しい家族の話が私は大好きだ。
祖父露伴、母文との戦前、戦中の暮らしのエピソード集。露伴の頑固ジジイ振りは明治の文豪の面目躍如であるが、世話する身は大変である。母娘の凛とした生活は清々しい。
探している本とは違った。序盤は現代と違う「厳しい」エピソードがどうにも読んでいて面白くなかったが、終盤の戦争や身内の最期に関する部分はエピソード力が圧倒的。それだけで読んだ価値はあった。
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