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「バイエルンの薔薇」と呼ばれ、ハプスブルク家六百有余年の歴史上最も美しいといわれた皇妃エリザベート。激動の時代、彼女は嫉妬と羨望のなか、皇室の因習に抗い自由奔放に生きた。没後百年を経てもオーストリアの人々の心を捉えてはなさない"シシィ"エリザベートの波瀾万丈の人生をいきいきと描いた決定版!
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Posted by ブクログ
読みやすく、スイスイ読めました(´▽`*) 最初、シシィがヨーゼフに反抗していたり大口叩いてるのが意外だった。 ゾフィーとの対立でも、随分言い放っていたし。 自由を求めて旅をするシシィを見てると、ミュージカルの曲が頭に浮かんでくる。
こういう特定の時代や偉人に関する作品って史実を知らない方が楽しめるんじゃないかと思い始めてきた自分が居る まあ、ヨーロッパの王族を扱った作品を読む際の最大の難点は名前被りの多さなんだろうけど。エリザベートやらゾフィやら何人登場した事やら…… 本作で描かれる時代は皇帝の時代の終焉に程近い時期。その...続きを読む為か、古い時代と新しい時代の衝突を見る事が出来るし、自由や権利を求めて戦う者達も盛んに登場する その中でシシィは自由な世界に生きようとする人間だね。幼い頃から型に嵌まった生き方をせず、詩の事ばかり考えて家族からさえも煙たがられていた それは誰にも縛られないかのような在り様。だからか、皇帝という人生に縛られていたフランツに見初められたのかもしれないけれど 当初こそシシィはフランツの美貌や強靭な精神に惹かれた面は有った。けれど、フランツはオーストリア帝国を象徴する人物 彼の生活には皇帝という因習に関連する制度や人間がうじゃうじゃ存在する。それは自由の中でしか生きられないシシィと相容れないもの 特にシシィと相性が宜しく無かったのが義母ゾフィーだろうね フランツを皇帝の中の皇帝に育て上げた張本人。また、皇帝位に近い男に嫁いだ女として宮廷でどのように振る舞えばいいか、そして国をどのように導いていくべきかを知っている そのようなゾフィーと型に嵌った生き方が出来ないシシィの馬が合う訳がなくて 面白いのは客観的に見ると、シシィの方がどう考えても間違っているのだけど、時代としてはシシィの主張に分がある点 ただ、皇后としてのシシィがその立場であのような主張をしてしまうのがどうしようもなく不似合いなだけで そう考えるとやはり自由を求めるシシィと自由を否定する立場のフランツは絶対的に相容れない関係に思えるのだけど、フランツがシシィの自由さを愛しているが為に関係が成立している点が不思議でありつつ二人の関係の特質さに結びついているように思える 皇帝の位に縛られて死ぬまでそこから抜け出せないフランツにとって皇后という位でさえ縛れないシシィという存在は希望そのものであり生きる糧だったんだろうなぁ… だからこそ、二人の夫婦生活はどうしても破綻してしまうのだろうけど フランツは確実にシシィを愛している。宮廷での暮らしに苦しみを覚えつつシシィとてフランツを愛している でも、どうあってもフランツはシシィが求める愛そのものには成ってくれないし、フランツはシシィをオーストリア帝国を共に支える相方と扱ってはくれない 何処まで行っても二人の関係は破綻を免れない。それでも二人が皇帝と皇后として共に居られたのは意外にもゾフィーの存在が大きかったのではないかと思える ゾフィーはシシィを大いに嫌い縛り付けようとするし、子供を取り上げてシシィの代わりに育て上げようとする シシィにとって理不尽で一時たりとも過ごしたくない相手なのだけど、それでもゾフィーの振る舞いはシシィを宮廷に紐づけるものとなったような そう思うとゾフィーの死は様々な意味でフランツとシシィの関係を引き裂くものだし、ゾフィーの遺言はその時点ではシシィが聞き取れない代物だった点も象徴的に映る ゾフィーの死後からシシィの旅は本格化してしまうのだから。その姿は皇后としては有り得ない程に自由。だが、その自由さが彼女の預かり知らぬ所で家族や親しい者を不幸にしていくのだから堪らない 自由を愛していた彼女は自由によって不幸に成っていく 自由を求める者に殺されながらも最後には美しい景色の中で静かに逝ったシシィ。そんな彼女に対してフランツが贈った言葉があまりにも尊く感じられたよ……
オーストリア皇帝でハプスブルク家フランツ・ヨーゼフの妻エリザベート。オーストリアでも人気の高いこの人はどんな人だったかに興味を惹かれて購入。15歳で堅い宮廷に嫁ぎながら、一度履いた靴は二度と履いてはダメなど、宮廷の慣習を打ち破って自由に生きる姿がすばらしかったです。宮廷の秩序を重んじ、帝国と皇室を守...続きを読むることを考えた姑のゾフィとの確執は当然の流れ。自由に生きた代償からか、ゾフィ亡き後の晩年は、孤独な人生に。ゾフィとエリザベートの対称的な生き方には考えさせられました。後半は少し粗くはありましたが、歴史もよく分かるいい本でした。
何度かミュージカルも見てウィーンやハンガリーの縁の地を訪ねたことはあったが、改めてシシィの激動の人生を知ると感慨深い。 しかし、そもそもあらゆる物を手にしているのに満ち足りない性分なんだろうか。自由で勝手な考え方に共感したり可愛いなと思いはするけれど、理解しがたい点も多々。 改めて観劇したりシシィの...続きを読む博物館に行きたいと思った。
歴史に基づいたフィクション。 9月にオーストリアに行ったばかりなので、本に出てくる光景が目に浮かんだ。 皇妃の責任を放棄して旅してばっかりいた自由人。と思っていたシシィの印象が変わった。 皇族の歴史、伝統や責任を重んじるあまり、ヨーゼフを自分で道を切り開くことのできない人間に育ててしまったゾフィ。 ...続きを読むこれからは自由に育てるべきだ、とルドルフに自由すぎる教育をし、自らも自由すぎる生き方をしすぎたシシィ。 どちらの気持ちもわかるが、やはり自分の価値観だけではなく他人の価値観を受け入れ、自分に折り合いをつけていってこそいい人生が送れるのだと思った。 多面的に物事を見て判断することの大切さを改めて感じた。
自由気侭な少女時代から皇妃になるまで、 そして皇妃になってからも、奔放な生き様で周りを圧倒していったエネルギッシュな女性シシィの物語です。 縦糸には当時の複雑な世界情勢が描かれ、 横糸として、人々のそれぞれの思いが丁寧に紡がれています。 それぞれの立場の人がそれぞれの守るべきものに必死の姿が浮かび...続きを読む上がって来ていました。 あるものは皇帝であり、 あるものは皇妻であり、 またあるものは皇母。 慣習と伝統を守る為に己を棄てて、自我を抑え、立場に固執する生き方と、 それをかなぐり捨て、徹底的に抗戦しようとする若きシシィの姿が藤本ひとみさん風に料理されていました。 全体に一貫したテーマは「愛」でしょうか? それも渇愛。 求めてもとめて、もとめぬく愛。 報われない愛。 なぜなら、 それは自分自身が作り上げた城から一歩も出る事のない「愛」だから。 自分への愛だから。 相手への愛でない愛というのは空しく哀しい。 そんな虚無感が漂う全ての登場人物。 一生懸命に時代を生き抜き走り抜けた人々の「ひたすらな生き方」を 「愛」と絡ませて物語は、 読むものに「誰も悪くないんだよ」と思わせるものがありました、、、 違う時代に生きていたら、もし現代に生きていたら、、、 と、思うのです。 それぞれが、自分の善にとらわれ、相手との対話がボタンの掛け違えだったり、 時代の奔流だったりと。 人は空しく回りながら、 生きていくものだと痛感しました。 そして、 読み終われば「あああ、人の事はわからないが、わかろうと努力する事は必要だな」となんだか優等生的感想で終わるのです!
目の前にエリザベートがいたら、「思い切り抱きしめてあげたい」と何度も思った。 魅力的なシシイ。 自由なシシイ。 寂しいシシイ。 どんなシシイも全てを抱きしめてあげたい と思わずにはいられなかった。 常に何かを探していて、掴んだと思ったらそれは違っていて、ようやく「幸せはそばにあった」と気付いたのに...続きを読む これからだったのに。。。 胸がせつなくなるところが多々あった。
シシィ(エリザベート)は 自由と自分の存在意義を求め続け、 フランツ(皇帝)は 家庭の愛ややすらぎを求め、 ゾフィー(継母)は ハプスブルク家の存続に走る。 ひとりひとりの想い、信念がすごく伝わってきて、 そのどれもが理解できるし、求め続ける気持ちも とってもわかる。それらが噛み合わず、どんど...続きを読むん 崩れていく… せつない本でした。
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