ノンフィクション・ドキュメンタリー作品一覧

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  • いま、希望を語ろう 末期がんの若き医師が家族と見つけた「生きる意味」
    4.7
    ポール・カラニシ、36歳、脳神経外科医。2013年5月、末期がんと診断される。妻との新生活、夢の仕事の実現という未来が目の前から消えた。でも、希望は捨てない。医療現場への復帰をめざし、夫妻の子供を望み、死の直前まで書いた。限りなく前向きな生の記録を。
  • 遊廓の産院から
    4.7
    八千人もの赤ちゃんを取り上げた前田たまゑの産婆人生は、神戸の福原遊廓から始まった。彼女の語り部から聞こえる、昭和を背負った女性達の声。著書『さいごの色街飛田』の原点。
  • 島国チャイニーズ
    4.7
    『コリアン世界の旅』から15年。「反中」「嫌中」が蔓延する日本に生きる在日チャイニーズたちのひたむきな人生模様。「私が二百人を超える在日チャイニーズを取材した結果では、彼らの大半が日本での生活におおむね満足しており、留学生のほぼ全員が、少なくとも来日時には親日か、もしくは好日であった。(中略)こうした彼らの実態が、日本人にはあまりにも知られていないのではないか。(中略)両者の深い断絶の谷間を、活字の飛礫(つぶて)でいくらかなりとも埋(うず)めていこうというのが、本書の最大のねらいであり、私のささやかな希望でもある。」――〈「まえがき」より〉
  • 10・8 巨人VS.中日 史上最高の決戦
    4.7
    1994年10月8日、優勝をかけたシーズン最終戦。 長嶋監督が「もはや国民的行事」と語ったように、この一戦は、平均視聴率48.8%(プロ野球中継史上最高)。2010年に日本プロ野球機構が現役の監督、コーチ、選手を対象にしたアンケートで「最高の試合」部門1位だった。伝説として語り継がれる「世紀の決戦」を、今中、松井、立浪、桑田、大豊、斎藤……戦った男たちの証言でつづる。 長嶋監督は言う。 「野球のすべての面白さを凝縮した試合だった」
  • 戦場の掟
    4.7
    イラク戦争で急成長を遂げた民間軍事(警備)会社。その一員となった人々は、現代の傭兵として、戦場で要人の警護、物資輸送の護衛などの任務に就く。正規軍の代役となる彼らの需要はきわめて多く、報酬も破格。しかし、常に死と隣り合わせで、死亡しても公式に戦死者と認められない。法律に規制されない血まみれのビジネスの驚くべき実態と、新しい形の傭兵たちの過酷な現実。ピュリッツァー賞を受賞した記者が放つ衝撃作
  • いのちのスタートライン
    4.7
    42歳の働き盛りにあったビジネスマン。多忙な仕事の傍ら、市民ランナーとしてマラソンに勤しんでいた彼を突然襲った睾丸ガン告知、全身転移、そして抗ガン剤の副作用による間質性肺炎の併発。生存率20%以下と言われた死の淵で、彼を奮い立たせたのは、100キロメートルウルトラマラソンに復帰するという、途方もない夢だった。子どもたちの将来、妻の明るく健気な支え、復職への不安……。涙と感動、奇跡のガン生還記。
  • レナードの朝〔新版〕
    4.7
    20世紀初頭に大流行した脳炎の後遺症で、言葉や感情、体の自由が奪われてしまった患者が、奇跡の新薬L-DOPAの投与によって目覚める。 しかし体の機能回復に加え、人格まで変貌してしまうという怖い副作用が……。 レナードら20人の症例とそれに誠実に向き合う脳神経科医サックス博士の葛藤を、人間味あふれる筆致で描く。1970年代の初版以降、演劇や映画化でも世界を感動させた不朽の名作の新版文庫化。
  • 洞爺丸はなぜ沈んだか
    4.7
    昭和二十九年の青函連絡船洞爺丸沈没事故。タイタニックに匹敵する多くの犠牲者を出したこの事故の全貌を、時間の経過を追って克明に再現し、事故の真因にせまる。
  • 不妊治療と出生前診断 温かな手で
    4.7
    晩婚化に伴い、激増する不妊治療の実態と、これに並行して進化を続ける出生前診断の実情を取材。技術が進歩し選択肢が増えたことで、より悩みを深める夫婦の姿をありのままに描き、大きな反響と共感を呼んだ。信濃毎日新聞に連載され、「新聞協会賞」を受賞した傑作ルポ、待望の書籍化!<文庫オリジナル>
  • 「生存者」と呼ばれる子どもたち 児童虐待を生き抜いて
    値引きあり
    4.7
    長崎県の情短施設で療養を受ける、虐待で心身とも傷つけられた子供たち。今まで生きてこられただけで幸運だったと言われる彼らと、それを支援する大人たちの壮絶な闘いを追ったノンフィクション。
  • 日本の名機をつくったサムライたち
    4.7
    日本の傑作機はこうして生まれた! 真実の航空機史を描く感動ヒストリー 「零戦」を設計した堀越二郎の冷淡とも思える態度、「YS-11」を開発した東條輝雄の知られざる葛藤、「紫電改」をはじめ傑作機を次々に生んだ菊原静男の独創性、戦前戦後を通してジェットエンジン開発に賭けた土光敏夫の強烈な信念……。欧米と肩を並べる航空機大国を目指し、多くの男たちが全身全霊を捧げて航空機と、それに搭載されるジェットエンジンを開発してきた。航空ノンフィクションの第一人者が傑作航空機およびジェットエンジンの開発設計者および関係者にインタビュー。彼らの劇的な人生および名機誕生の軌跡が今、明かされる。
  • 交通事故鑑定人 -鑑定歴五〇年・駒沢幹也の事件ファイル
    4.7
    毎年、増えつづける交通事故件数。その影には、不当で杜撰な警察の初動捜査ミス加害者のウソに塗り固められた、被害者の悲劇を、交通事故鑑定の第一人者・駒沢幹也氏が代わって真実を暴く様をドキュメント。
  • たった独りの引き揚げ隊 10歳の少年、満州1000キロを征く
    値引きあり
    4.7
    「俺が人生で輝いていたのは10歳だった」。41連戦すべて一本勝ち! サンボの生ける伝説・ビクトル古賀はいう。個人史と昭和史、そしてコサックの時代史が重なる最後の男が命がけで運んだ、満州の失われた物語。
  • 空白の天気図
    4.7
    昭和20年9月17日。敗戦直後に日本を襲った枕崎台風は、死者不明者3000人超の被害をもたらしたが、そのうち2000人強は広島県だった――。なぜ、広島で被害が膨らんだのか。原爆によって通信も組織も壊滅した状況下、自らも放射線障害に苦しみながら、観測と調査を続けた広島気象台台員たちの闘いを描いた傑作ノンフィクション。「(自分の著作の中で)自分自身で一番好きな作品はどれかと尋ねられれば、迷うことなく『空白の天気図』を挙げるだろう」(柳田邦男)
  • 命はそんなにやわじゃない
    4.7
    がん余命半年からの生還。それは決して奇跡ではなかった。「24時間テレビ」「奇跡体験!アンビリバボー」「誰も知らない泣ける歌」「ラジオビタミン」等に出演した話題の著者! 決して闘病記ではない。がんを道標として、新たな自分(本当の自分)に生まれ変わる再生記。悩み、苦しみ、迷いながら、それでも生きることをあきらめず、命あることを歓び、つねに笑いを求め、逆境をも楽しみながら再生していくストーリー。
  • キャプテンの責務
    4.7
    トム・ハンクス主演映画原案 ソマリア沖で海賊に拿捕された貨物船の船長フィリップスは、海軍特殊部隊に救出されるまでの五日間をいかに生き延びたか? 当人が語る壮絶なサバイバルの実話。
  • 朱鷺の遺言
    4.7
    ニッポニア・ニッポン──日本国を象徴する学名をもつ、哀しいまでに美しい鳥、トキ。かつては日本全土に生息したが、2003年に最後の1羽が死亡、純日本種は絶滅した。トキの保護に立ち上がった人々の軌跡を追った本書は、人間と自然の相克を問い、いのちをいとおしむ心の大切さを説いた不朽の名作であり、記録性の高い貴重なドキュメントである。第30回大宅壮一ノンフィクション賞受賞。
  • 欲望のメディア
    4.7
    映像革命を描いてネット社会到来を予言! 都知事になる以前からツイッターを始めていた著者。なぜインタラクティブな(双方向性の)情報発信にいち早く着目したのか? それは、戦後急速に普及したテレビの本質を、本書の執筆過程で研究しつくしたからだった。  テレビ草創期の技術者群像から、正力松太郎、力道山、田中角栄までを追い、映像のもつ魅力と利権を徹底検証。そして物語は、ネット社会到来の予兆ともいえる、あの事件の現場で結ばれる・・・。昭和から平成にかけて、緻密な取材と卓越した考察で日本の未来を予見した、「ミカド三部作」の完結編!

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  • 冤罪 足利事件 「らせんの真実」を追った四〇〇日
    4.7
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 DNAの2重らせん構造のように、捜査や鑑定、裁判のミスが複雑に絡み合い17年半もの自由が奪われた冤罪事件。地元紙記者が執念で悲劇の真実に迫った長期連載ルポ待望の書籍化。「菅家さんを支える会・栃木」代表の西巻糸子さんがこれまでメディアに語ることのなかった自身の生い立ちや市民運動に関わるようになった経緯を追録したほか、一審から再審無罪までの各判決要旨や取り調べ録音テープの詳細、警察庁と最高検の内部検証結果を巻末資料に網羅した、裁判員裁判時代の必読書。日本版ピュリツァー賞の第16回平和・協同ジャーナリスト基金賞奨励賞受賞。

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  • 医の力 高齢先進国モデルへの挑戦
    4.7
    東京大学第三内科、そして侍医という日本最高峰の医療から、マッキンゼーへの転職。エリートの道を歩んできた医師は、なぜ在宅医療クリニックという道を選んだのか。そして、なぜ被災地・石巻にクリニックを立ち上げたのか。それは、超高齢社会・日本を救うためである。「人の痛みに寄り添い、多くの人の幸福のために身を捧げる覚悟とそれにふさわしい態度で接しなければ人を救うことはできない」と武藤は言う。大病院から見放された方々をいかに救うか。一人ぼっちのお年寄りをどうサポートするか。今、日本の医療が問われている。本書は、孤独なき社会をめざす医師の奮闘記である。

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  • 降ろされた日の丸―国民学校一年生の朝鮮日記―
    値引きあり
    4.7
    「何で日の丸を降ろすんだろう」――昭和二十年八月十三日、朝鮮の港町・仁川に住む七歳の著者は不思議な光景を目にする。それは、当たり前の生活と秩序が崩れ去る前触れだった。玉音放送の後、優しかった現地の青年は豹変して「この家の物はオレのもの」と凄んだ。隣組では、上陸した米兵に「慰安婦」を差し出す相談が持ち上がった。仁川神社の宮司は行方不明に……小さな目と耳が捉えていた、敗戦下の貴重な記録。

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  • 夜回り先生と夜眠れない子どもたち
    4.7
    夜回り先生から子どもたちに贈る第2弾!! 「先生、わたし生きてていいの?」「イジメられてる。死にたい」「さっきいっぱいクスリ飲みました」「これからリスカします」「…痛い」――“夜回り先生”水谷修のもとに、毎日、何百通と送られてくる悲痛な相談メール。夜中から明け方まで鳴りやまない電話。そのひとつひとつに想いを込めて彼は答える。「水谷です」「哀しいです」「私には君の死を止めることは出来ません」 そして、こう言葉を続ける。「でも君にはもっと生きていてほしい」「君の明日にはたくさんの幸せが待っています」 1教師の13年間に亘る“闇との闘い”を綴った大ベストセラー『夜回り先生』第2弾!!

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  • 3.11 心に残る140字の物語
    4.7
    東日本大震災で各種メディアや携帯電話を超える速度で広範囲に活躍し、その真価を見せつけたツイッター。本書はそのツイッター投稿により被災者とその支援者たちが紡ぐ秀逸な「140字の物語」の作品集。本書の印税のすべては復興支援金として寄付されます。

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  • 日本の黒い霧(上)
    4.7
    戦争に敗れ、アメリカ軍の占領下、日本国内では奇怪な事件が連発した。国鉄総裁が轢死体で発見された「下山事件」、民間飛行機「もく星」号の墜落後の隠蔽工作、昭電・造船汚職の二大疑獄事件、現職警部が札幌路上で射殺された「白鳥事件」、衝撃では「ゾルゲ事件」に劣らない「ラストヴォロフ事件」……こうした事件の捜査は、占領軍と日本側の権力筋の強権によって妨害された。多くの資料と小説家ならではの考察で真相解明しようとした金字塔的ノンフィクション。
  • アジア 新しい物語
    4.7
    中国で花を栽培する農夫、インドで柔道を教える黒帯先生、タイで食べ放題の店を経営、韓国の大百貨店の店長、インドネシアの小さな島で真珠養殖、カンボジアの寺で鯛焼き販売を企てる、フィリッピンであらゆるトラブル解決に手を貸す神父――この本に登場する九名の日本人はいずれも、日本以外のアジアに「個人として」生きることを選択した。組織でなく、個人でリスクを背負ったとき、見えてくる風景はこんなにも希望に満ちている! 日本人の新しい生き方のヒントが詰まった一冊。
  • 「隔離」という病い 近代日本の医療空間
    4.7
    恐怖の宣伝、強制収容、終身隔離……「病んだ」共同体はいったいどこへ向かうのか。ハンセン病を軸に日本社会の「病い」観を問いなおす。

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  • ジャガー流! 人生逆転
    4.7
    頂点を極めた女子プロレスラーから、リストカットと借金の挫折時代。ウソのような恋愛、結婚ストーリー。そして子宮筋腫の発覚、不妊治療失敗を乗り越えて45歳、自然妊娠での初産。ジャガー流、あきらめない人生のヒント。

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  • 親ガチャの哲学(新潮新書)
    4.6
    もっと裕福な家庭に、魅力的な容姿に生まれたかった、いっそのこと生まれてこないほうがよかった……近年、若者の間で瞬く間に広がった「親ガチャ」という言葉。人は生まれてくる時代も場所も、家庭環境も選ぶことはできない。そうした出生の偶然性に始まる人生を、私たちはどう引き受けるのか。運命論と自己責任論とが交錯するなか、人気漫画からハイデガーやアーレントまで、社会と哲学の両面から読み解く。
  • Thinking Baseball 慶應義塾高校が目指す”野球を通じて引き出す価値”
    4.6
    2020年5月20日、新型コロナウイルスの感染拡大によって、全国高校野球選手権の 戦後初となる中止が決まりました。野球部の選手たちはもとより、全高校野球関係者が夏の甲子園中止という事態に、大きな目標が突然消えた喪失感と例えようのない絶望感を味わいました。また一方で今回の事態は、高校野球のみならず、部活動全般の意義を問い直す一つの契機にもなりました。  私は現在、慶應義塾幼稚舎の教員として小学6年生の担任をしながら、慶應義塾高校の野球部監督を務めています。また、もともと会社員の経験もあり高校生以外と接する時間も多いことから、高校野球の意義を常に自問自答してきました。そして、高校野球自体に、教室の中だけでは決して手に入らない、次の3つの価値があると考えています。 (1) 困難を乗り越えた先の成長を経験する価値 (2) 自分自身で考えることの楽しさを知る価値 (3) スポーツマンシップを身に付ける価値  慶應義塾高校野球部では文武両道を実現するため、甲子園常連校にありがちな深夜まで及ぶ長時間の練習などは課しません。そんな中でも、一昨年、激戦区神奈川県の代表として、春夏連続で甲子園に出場しました。 これらの価値観を伝えていくために、単なる勝利至上主義を脱した上で、グラウンドで の結果を出していくことも私の使命だと感じています。  本書では、現在の高校野球におけるさまざまな課題を挙げ、問題提起や、その解決のための私なりの方法を記していますが、すべてのチームがそうでなければならないとは、まったく思っていません。……【「はじめに」より抜粋】

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  • 野球ヲタ、投手コーチになる。 元プロ監督と元生物部学生コーチの京大野球部革命
    4.6
    最下位が定位置の京大野球部に2人の革命児が現れた。 1人は元ソフトバンクホークス投手の鉄道マン・近田怜王。 もう1人は灘高校生物研究部出身の野球ヲタ・三原大知。 さらには、医学部からプロ入りする規格外の男、 公認会計士の資格を持つクセスゴバットマン、 捕手とアンダースロー投手の二刀流など…… 超個性的メンバーが「京大旋風」を巻き起こす! 甲子園スターも野球推薦もゼロの難関大野球部が贈る青春奮闘記。 『下剋上球児』『野球部あるある』シリーズ著者の痛快ノンフィクション。
  • カミカゼの幽霊 ~人間爆弾をつくった父~
    4.6
    父はなぜ別人になって生きようとしたのか? 1994年5月、大阪市東淀川区に住む大屋隆司の父親・横山道雄が突然、失踪した。この失踪騒ぎの後、みるみる衰弱していく父を看病する中で、隆司はこれまで知らなかった父の過去を知る。 父の戸籍上の名前は「大田正一」といい、死亡により除籍されていた。 大田正一といえば太平洋戦争末期に「人間爆弾」と呼ばれた特攻兵器「桜花」を発案したとされる人物である。大田は終戦の三日後に遺書を残し、茨城県神之池基地を零戦で飛び立ち、そのまま帰ってこなかった。 ところが、大田は生きていた。「茨城で牧場をやっている」「新橋の闇市に連れて行った」「青森で会った」「密輸物資をソ連に運んでいる」……断片的な目撃談や噂はあったものの、その足取りは判然としなかった。 1950年、大阪に「横山道雄」となって現れた大田は、結婚した女性との間に三人の子供をつくり、幸せな家庭を築き、94年にその生涯を終えた。 それから20年後の2014年、大田の遺族を名乗る女性からの電話に興味を持った著者は、大田の謎多き人生について調査を始める。それは隆司ら家族にとっても父を知るための貴重な時間となっていく。 「本当の父親」を探す旅の結末は――。
  • 生命の旅、シエラレオネ
    4.6
    ひとつでも多くの生命を救いたい。国境なき医師団の小児科医のエボラとの壮絶な戦いや葛藤、かわいい患者のこどもたちの姿を通し、生命とは何か、利他とは何かを問う感動のノンフィクション。2014年12月、西アフリカのシエラレオネ共和国。致死率の高さから「殺人ウイルス」と恐れられるエボラウイルス病の治療センターに、「国境なき医師団」の小児科医として著者は派遣される。あっという間に生命が奪われていく壮絶な現場で出会ったのは、家族をなくしながらも必死に耐えて明るさを失わず、他のこどもの世話を買って出るこどもたちだった。前任地の南スーダンでの活動によるPTSDに苦しみ、生きる意味を見出せなくなっていた著者は、彼らによって次第に再生へと導かれて行く――。第20回開高健ノンフィクション賞最終候補作。
  • ヤラセと情熱 水曜スペシャル「川口浩探検隊」の真実
    4.6
    70年代後半から80年代にかけ、世界を股にかけ、未知の生物や未踏の秘境を求めた男たち。それが川口浩探検隊。ヤラセだとのそしりを受け、一笑に付されることもあったこの番組の「真実」を捜し求めるノンフィクション。当時の隊員たちは、どのような信念で制作し、視聴者である我々はこの番組をどのように解釈してきたのか。そして、ヤラセとは何か、演出とは何か。当事者の証言から、テレビの本質にまで踏み込む危険な探検録。
  • 寿命ハック―死なない細胞、老いない身体―(新潮新書)
    4.6
    近年、「老化は治療可能な病気」とみなす研究者は多く、アンチエイジングから不死に至るまで研究は隆盛を極める。実際、自然界には四〇〇年近く生きるサメや、根系が一万四〇〇〇年以上生き続ける樹木、果ては若返るクラゲも存在する。永年の夢だったはずの「不老不死」は今、いったいどこまで実現可能になっているのか。研究の最先端と未来を、ユーモアを交えて分かりやすく解説。実践的アドバイスも紹介する。
  • 量子革命―アインシュタインとボーア、偉大なる頭脳の激突―(新潮文庫)
    4.6
    1900年、放射線の不可思議な現象を説明するため、M・プランクは「量子」という概念を考案した。その後、天才たちはこれを武器にニュートン力学を覆して、新しい世界像を提示し続ける。量子力学の解釈をめぐるアインシュタインとボーアの論争を軸に、ハイゼンベルク、ド・ブロイ、シュレーディンガーなどの人間ドラマも交え、物理学百年の流れを追った白熱の科学ノンフィクション。(解説・竹内薫)
  • 太陽の子 日本がアフリカに置き去りにした秘密
    4.6
    第22回新潮ドキュメント賞 第10回山本美香記念国際ジャーナリスト賞 W受賞! 1970~80年代、資源を求めた日本がアフリカ大陸に残したものは、 巨大な開発計画の失敗とさび付いた採掘工場群。 そして、コンゴ人女性との間に生まれた子どもたちだった──。 経済成長期の闇に迫る、衝撃のルポルタージュ。 【目次】 序章 不可解なルポルタージュ 第一章 真実への距離 第二章 ジャパニーズ・ネームの秘密 第三章 日本人が遺したもの 第四章 BBCの「誤報」 第五章 修道院の光 第六章 空と銃声 第七章 祖国への旅 第八章 富と紛争 第九章 未来への賭け 第一〇章 医師たちの証言 第一一章 闇の奥へ 第一二章 伴走者への手紙 第一三章 正しく生きるということ あとがき 悲しき宿命の残影
  • ルポ 虐待サバイバー
    4.6
    田中優子氏・茂木健一郎氏推薦! 第18回開高健ノンフィクション賞で議論を呼んだ、最終候補作 生活保護支援の現場で働いていた著者は、なぜか従来の福祉支援や治療が効果を発揮しにくい人たちが存在することに気づく。 重い精神疾患、社会的孤立、治らないうつ病。 彼ら・彼女らと接し続けた結果、明らかになったのは根底にある幼児期の虐待経験だった。 虐待によって受けた“心の傷”が、その後も被害者たちの人生を呪い続けていたのだ。 「虐待サバイバー」たちの生きづらさの背景には何があるのか。 彼ら・彼女らにとって、真の回復とは何か。 そして、我々の社会が見落としているものの正体とは? 第18回開高健ノンフィクション賞の最終選考会で議論を呼んだ衝撃のルポルタージュ、待望の新書化! 【推薦】 虐待は人の一生をどう変えてしまうのか。 本書は現場からの生々しい報告だ。 ――田中優子氏(法政大学名誉教授) 著者の根本態度は信頼できる。 まさにこの時代に読まれるべき大切な一冊。 ――茂木健一郎氏(脳科学者) 【目次】 はじめに 第一章 虐待のち、生活保護  1 どのような人が生活保護を受けているのか  2 たったひとり、生活保護に流れ着く 第二章 心に深く刻まれた虐待の傷あと  1 解離性障害――繰り返される記憶の空白  2 パニック障害――抱えてきた恐怖があふれでる  3 燃え尽き症候群――治らないうつ病の正体  4 精神科治療が見落としてしまうもの 第三章 愛着関係を理解する  1 愛着関係は心が健全に発達するための基盤  2 愛着関係の恩恵を受けられない人たち 第四章 目には見えない虐待を見る  1 発達障害だと思われた男の子  2 人からのやさしさを「拒絶」する心理  3 思春期がない女子中学生  4 本質的な問題が見落とされてしまう理由 第五章 虐待理解を阻むもの  1 なぜ、児童虐待は起こるのか  2 「支援者側の心理的問題」を考える 第六章 回復――虐待された理由を知る  1 「自分の子どもを好きになれない」という母親  2 回復とは、自分を深いところで理解すること  3 古い生き方が壊れ、新しく生きはじめる  4 「被虐待者」の回復から教わったこと おわりに 参考資料・参考文献
  • 生物の消えた島
    4.6
    100年以上前の8月27日、大噴火によって生物が死に絶えたクラカタウ島。水面から200メートルも下の深いところから吹き飛び、島の大部分を失いました。やがて、その島に生物が移住してきましたが、一体どこから、どうやって、やってきたのでしょう? 本書では、生命の再生・営みを、わかりやすく紹介します。世界中の生物学者を驚かせた現代の「天地創造」の物語です。

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  • ラーゲリより愛を込めて
    4.6
    二宮和也主演映画『ラーゲリより愛を込めて』(2022年12月9日公開)、究極の愛を描く感動巨編映画、その見どころを余すところなく伝えるノベライズ版。 原作は講談社ノンフィクション賞・大宅壮一ノンフィクション賞をダブル受賞した『収容所(ラーゲリ)から来た遺書』(辺見じゅん・著)。 第二次世界大戦で劣悪な環境のシベリア強制収容所に、捕虜として抑留された山本幡男一等兵。 妻やまだ幼い4人の子供とは離れ離れになったまま、消息もつかめない。 栄養失調や過酷な労働作業で命を落とす者、自ら命を断つ者が出るなか、 常に帰国する日を待ち、人間としての尊厳、生きる希望を持ち続けた山本。 絶望の状況において、収容所のひとすじの希望の光でありつづけた山本幡男を二宮和也が、 夫の帰国を心から信じ11年間待ちつづけた妻モジミを北川景子が演じる。 メガホンをとるのは『8年越しの花嫁 奇跡の実話』『64―ロクヨン― 前編/後編』の 瀬々敬久監督、脚本は『永遠の0』『糸』の林民夫。 涙なくしては読み進めることができない、驚きと感動で心が震わされる、究極の愛の実話。
  • 死にたかった発達障がい児の僕が自己変革できた理由 ー麹町中学校で工藤勇一先生から学んだこと
    4.6
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 これは現代の「ヘレン・ケラー物語」だ! 4代続けて東大卒という超名門の家柄に生まれたのに、ADHDにASD傾向、学習障がいという3重苦で、幼稚園すら二時間で中退させられた著者。小学2年生までは特別支援学級に通うも「赤ちゃん扱い」になじめず、強く希望して通常学級に転籍。しかし、周囲とトラブルを起こし、テストで点がとれないとパニックになっては教室を飛び出す毎日を送り、やがて「死にたい」という衝動にとらわれるようになる。 そんな著者が変わったきっかっけは、千代田区立麴町中学校に入学し、大胆な学校改革を実践していた校長の工藤勇一氏(ベストセラー『学校の「当たり前」をやめた。』の著者)に出会ったことだった。 「3重苦」だったヘレン・ケラーは、サリバン先生に出会って「Water」という言葉を手のひらに書いて教わるまで、暗闇の世界で生きていた。 著者は、その気持ちが分かる気がすると言う。混沌とし、恐怖そのものだったこの世界。それが、麹町中学校でもがき苦しみながら世界の輪郭をつかみ、卒業後も工藤氏から学んだことをもとに試行錯誤を続け、少しずつ自分にあう生き方をつかんできたのだと話す。 ヘレン・ケラーを目覚めさせた「Water」という言葉は、著者にとっては「自律」という言葉だった。 工藤氏の教育目標は「自律した生徒を社会に送り出す」ことだ。「自律」「尊重」「創造」を掲げ、社会を生きる当事者意識をもつ生徒を育てるという工藤氏のもとで様々な学びを経験するうちに、著者は親や名門家系に対する劣等感、周囲に対する憎しみから解放され、「自律」して生きる大人になるために、「自己変革」に挑むようになる。 中学卒業までに英検準2級とニュース検定2級などを取得。高校は英国に留学し、現在は時折トラブルを抱えながらも落ち着いて対処しつつ、人並の自己肯定感とともに、前向きに生きている。 人生は誰か他人から与えられたり押し付けられたりするものではなく、自分の選択と行動でつくりあげるもの。どんなにダメな自分でも、自分の取扱説明書を自分の力でつくりあげることが可能。どうしようもないほどダメな「不良品」を自認する著者が、地を這うようにしてたどり着いた希望の境地とは?
  • 世の中への扉 弁当づくりで身につく力
    4.6
    いま全国の小・中学校や高校にまで広がっている「弁当の日」を知っていますか?  親は手伝わず、子どもたちが自分でつくった弁当を持って登校する日のことで、2001年に香川県の滝宮小学校で始まり、いまでは全国47都道府県の約1000校で実践されています。 自分で献立を考え、材料の買い出しから調理、弁当箱詰め、後かたづけまで「ひとり」でこなしてつくる。 そんな弁当づくりの体験をつうじて、子どもたちは自己を肯定し、親への感謝の気持ちを持ち、食べ物と命の大切さに気づきはじめます--。
  • 空をゆく巨人
    4.6
    福島県いわき市の実業家・志賀忠重と、中国福建省出身の世界的現代美術家、蔡國強。二人は、1980年代にいわきで出会い、数々の驚くべき「作品」を生み出してきた。そんな二人の最大の作品が、東日本大震災後に制作した「いわき回廊美術館」。その周辺の山々では、志賀が、99,000本の桜を250年かけて植樹する「いわき万本桜プロジェクト」を進めている。原発という「負の遺産」を残したことを激しく悔いて、未来のいわきを世界に誇れる場所にするために。型破りな二人の巨人の足跡を辿りながら、美術、ひいては「文化」の底力を問う。スタジオジブリ・鈴木敏夫氏絶賛! 第16回開高健ノンフィクション賞受賞作。
  • 凡者の合奏
    4.6
    今日本で最も優しい音楽を奏でる男の人間賛歌――。 誰よりも“普通”だった青年は、誰よりも傷つき悲しみ、そして支えられてきた。 そのすべてがアンサンブルとなり、自分を見つけていく。 「さまざまな人にとっての“sumika(住処)”のような場所になって欲しい」 バンド名の由来にもあるように、sumikaの音楽はとにかく優しく、人への愛にあふれている。 その中心にいる、すべての楽曲の作詞を手掛けるフロントマン・片岡健太。 彼の紡ぐ言葉は、人々に寄り添い、そっと背中を押してくれる。その源はどこから来ているのだろうか。 挫折の連続だった中学時代、愛する人の裏切り、度重なるメンバーの脱退、声を失った原因不明の病etc. 「人との関わりで多くの絶望を味わいました。でもそれ以上に、人との関わりに救われてきた僕は、ようやく“自分”を見つけることができました」と彼は語る。 本書は、そんな片岡健太と、彼と関わる人々との記録を綴った人間賛歌エッセイ。 オール本人書き下ろしに加えて、故郷の川崎市や思い出の地を巡った撮り下ろし写真も多数収録する。 「特別な才能があるわけじゃない」「1人では何もできない」「昔も今も常にあがいている」、 凡者・片岡健太のすべてをさらけ出した一冊。 “自分は何者でもない”と悩む人へ――。 明日からの景色が、ちょっぴり明るく見えるはず。
  • NHKスペシャル取材班、「デジタルハンター」になる
    4.6
    新型コロナ禍で現場に行けなくなったNHKスペシャル取材班が、デジタル調査報道でミャンマー騒乱の「真相」を突き止めるまで――。 19歳少女は軍に銃殺されたのか? ミャンマー軍はなぜ暴走したのか? 報道は激動の世界で何ができるのか? NHKの特別調査チームが「オシント(OSINT:Open Source Intelligence)」を駆使した新しい調査報道に挑戦した奮闘記。インターネット上の様々な情報や、SNSに投稿された動画や画像、地図情報や衛星画像など誰もがアクセスできる「公開情報」を使って、「不都合な真実」を暴くことはできるのか? 【本書のおもな内容】 ●ロシア・ウクライナ報道でも注目される「OSINT(オシント)」 ●現地に入らずに取材をする「新しい手法」 ●1000件以上のデータ分析・検証で見えた「真相」 ●「自撮り」でドキュメンタリーを作る ●新型コロナがヒトに感染したのはいつだったのか ●世界中が注目するネット調査集団「べリングキャット」 ●ダイニング・キッチンから「軍の非道」を暴く ●SNSから投稿が突然消えていった背景 ●「4秒に満たない動画」に映っていたもの ●位置情報や衛星画像という「強力な武器」 ●市民への攻撃に使われた兵器を特定する ●元将校たちが明かした「クーデターの真の理由」 ●誰もが「権力ウォッチャー」であるために 【目次】 ■第1部 コロナ禍で模索する国際報道の現場 第1章 誰も現地に行けない…Nスペ「ミャンマー」に辿り着くまで 第2章 OSINTを駆使するデジタルハンターとの出会い 第3章 クーデター発生!「ダイニング・キッチンでの“闘い”」 ■第2部 デジタル調査団結成! オールドメディアの挑戦 第1章 「OSINTチーム」前途多難の船出 第2章 「エンジェルの死の謎」に挑む ■第3部 総勢30人の取材班が結集・奮闘の記録 第1章 オンラインでOSINT技術を学んだディレクターたち 第2章 ウェブサイトとの連動に挑戦 ■第4部 OSINTで軍暴走の闇を暴け! 第1章 未解明の“バゴー事件”の検証 第2章 軍の暴走の背景に何があったのか?
  • アムンセンとスコット
    4.6
    人類未踏の地が極点を残すのみとなった20世紀初頭。南極点到達に向け、ノルウェーのアムンセン隊とイギリスのスコット隊が出発した。敗れた側が全員遭難死するという悲劇的結末を迎えた歴史的レースが「なぜそうなったか」詳細に追う。
  • ひとりも、死なせへん  コロナ禍と闘う尼崎の町医者、551日の壮絶日記
    4.6
    本当の敵は、ウイルスではなくて人間なんじゃないか。 「指定感染症2類相当から5類へ!」 「イベルメクチンを開業医の武器に!」 「ステイホームで高齢者を閉じ込めて認知症を悪化させている!」 …… 何か提案をするたび、「町医者のくせに」と叩かれ、  おかしな医者だと指さされた。  しかしこの人間が地域を守り、多くのコロナ患者を救ったのは、  まぎれもない事実である。 「僕がこの1年半以上言い続けたことが、ようやく実現に向って動き出す。  すぐに変わるとは思えない。だけど、これからも言い続ける。  コロナでもう、ひとりも、死なせたくない。ひとりも、死なせへん。  そのために僕は、もう少しだけ町医者として頑張ろう」 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 人々の生活に密着した地域包括ケアの現実を、 コロナ分科会の専門家たちは知らないし、 為政者たちも町医者の意見に耳を傾けてこなかった。 だから、市民生活が破壊されることなどお構いなしに、 1年半以上にもわたって自粛を要請し続けることが平気でできるのだ。 本書は2020年1月より2021年8月の長尾和宏のブログから 主にコロナ関連の記述を抜粋し加筆、編集したものである。 一人の町医者の闘いの軌跡であると同時に、 日本のコロナ対策を振り返るための、貴重な記録にもなった。 まるで、カミュの「ペスト」のように。 もし、長尾先生の提言が間違っているというのなら、 より具体的で実現可能な対案を出すべきだ。             ――鳥集徹 (本書解説より)
  • 世界でいちばん幸せな男 101歳、アウシュヴィッツ生存者が語る美しい人生の見つけ方
    4.6
    私はヒトラーさえも憎まない――アウシュヴィッツ他の強制収容所に送られ、家族を殺された壮絶な体験から導き出したのは希望だった。人間が持つ絶望の淵から立ち上がる力を全世界に訴える感動の一冊。
  • 完本 アイヌの碑
    4.6
    アイヌ民族の愛すべき文化と、二風谷を舞台に著者の一族が経験した過酷な歴史……散逸するアイヌの民具蒐集に奔走し、また生涯アイヌの文化伝承に尽くした著者による半自伝的エッセイ。未文庫化の『イヨマンテの花矢 続・アイヌの碑』も収録した待望の復刻。
  • 安楽死を遂げるまで
    4.6
    あなたの生き方を変える。 世界の医療現場で、安楽死合法化の気運が高まっている。超高齢社会を迎えた日本でも、昨今、容認論が聞こえてくるようになった。しかし、実態が伝えられることは少ない。 安らかに死ぬ――その柔らかな響きに、欧州在住の筆者は当初懐疑的だった。筆者は、スイスの安楽死団体でその「瞬間」に立ち会い、またはアメリカやオランダで医師や遺族と話を交わすなかで、死に対する考えを深めていく。 文庫解説で武田砂鉄氏はこう書く。 <本書から繰り返し聞こえてくる著者の吐息は、安心感なのか戸惑いなのか疲弊なのか、読者はもちろん、それは著者自身にも分からないのではないか。死にゆく様を見届けた揺らぎが、そのまま読者に届く。読んで、同じように揺らぐ。目の前に広がった死の光景をどう受け止めればいいのだろうか>―― 読後、あなたは自らに問うはずだ。私はどう死にたいのか、と。 第40回講談社ノンフィクション賞受賞作にて、日本で安楽死議論を巻き起こすきっかけとなった衝撃ルポルタージュ。
  • 災害特派員
    4.6
    東日本大震災から10年。あの時、記者は何を見て、何を感じたのか──。2011年3月11日の地震発生翌日に被災地に入り、18日間最前線を歩き回って目撃した「惨状」。その後新設された「南三陸駐在」の記者として、現地の人々と1年間生活を共にした回想録。
  • 命がけの証言
    4.6
    習近平によるウイグル人弾圧の実態をマンガで告発。ナチスに匹敵する野蛮行為を許すな。命がけの証言をするウイグル人の魂の訴え。楊海英氏との告発対談も収録。
  • 「色のふしぎ」と不思議な社会 ――2020年代の「色覚」原論
    4.6
    「!」の連続。「色の見え方」の先端科学から見えてきた、驚きの世界。前世紀の「色覚」観が私たちにもたらす、いくつかの問題。科学作家が多数の取材・調査をへてたどり着いた、まったく新しい地平。「色」に関心のあるすべての人、必読のノンフィクション!
  • 宇宙飛行士選抜試験 ファイナリストの消えない記憶
    4.6
    日本一壮絶な宇宙への夢をかけた挑戦 ! 2008~9年に行われた第5期 JAXA宇宙飛行士選抜試験。 その試験でファイナリスト10人まで残った宇宙船技術者が、本気で宇宙飛行士を目指した挑戦のものがたり。 宇宙飛行士の採用基準は、忍耐力? 体力? 語学力…? 壮絶な選抜試験の舞台裏は、夢を追い地道に努力する若者たちが互いに刺激し合いながらも、己自身と戦う場だった ! そこで求められたものとは? 12年間語ることができなかった「選抜試験への挑戦」、「そこで出会った同志たちとの熱い絆」、 そして「挫折からの長きに渡る葛藤」を赤裸々に描くことで、夢を追うことの美しさと悪魔性の両面を描きだす。 宇宙への夢をかけた本気の挑戦を、筆者の肩越しに覗き見ているかのような臨場感で追体験できる。 大人気漫画『宇宙兄弟』に負けないリアルがここにある ! 第0章 指先まで触れた夢 第1章 突然の報、10年ぶりの募集 第2章 ザ・宇宙飛行士選抜試験(前編) 第3章 宇宙飛行士の資質とは? 第4章 ザ・宇宙飛行士選抜試験(後編) 第5章 残酷な分岐点 第6章 2020年,宇宙への絆は消えない 終章 紡いでいく夢
  • 白い土地 ルポ 福島「帰還困難区域」とその周辺
    4.6
    「どうしても後世に伝えて欲しいことがあります」原発事故の最前線で陣頭指揮を執った福島県浪江町の「闘う町長」は、死の直前、ある「秘密」を新聞記者に託した――。娘を探し続ける父親、馬に青春をかける高校生、名門野球部を未来につなぐために立ち上がったOB、避難指示解除後たった一人で新聞配達を続ける青年、そして帰還困難区域で厳しい判断を迫られる町長たち……。原発被災地の最前線で生き抜く人々と、住民が帰れない「白い土地」に通い続けたルポライターの物語。
  • ぼくは挑戦人
    4.6
    在日コリアンが集住する京都ウトロ地区出身。根強い民族差別を背景に、小学校時代は苛烈ないじめに遭う。中学2年の時にジャグリングに出会い、各種大会で優勝。ビートたけし氏からの助言を受け、翌日大学に退学届を提出し、プロパフォーマーとして海外で活躍。これまで82の国と地域で舞台を踏んだ。現在は大阪を中心とした学校での講演活動が話題を呼んでいる。これまでのいじめ体験、そして自らのアイデンティティに悩むも、世界での様々な出会いによって答えを見出した著者が、半生を振り返る一冊。
  • 幻のアフリカ納豆を追え!―そして現れた〈サピエンス納豆〉―
    4.6
    アジア辺境の納豆の存在を突き止めた著者が、今度は、IS出没地域から南北軍事境界線まで、幻の納豆を追い求める。隠れキリシタン納豆とは。ハイビスカスやバオバブからも納豆がつくられていた!? そして、人類の食文化を揺るがす新説「サピエンス納豆」とは一体。執念と狂気の取材が結実した、これぞ、高野ワークスの集大成。
  • 幻覚剤は役に立つのか
    4.6
    『雑食動物のジレンマ』『人間は料理をする』で知られるジャーナリストが自ら幻覚剤を体験し、タブーに挑む! 今どんな幻覚剤の研究がおこなわれているのか。 幻覚剤は脳にどんな影響を与えるのか。 そして、医療や人類の精神に、幻覚剤はいかに寄与しうるのか。 「不安障害」「依存症」「うつ病」「末期ガン」などへの医学的利用の可能性と、“変性する意識”の内的過程を探る画期的ノンフィクション。 ニューヨークタイムズ紙「今年の10冊」選出(2018年)、ガーディアン紙、絶賛! 一部の精神科医や心理学者が過去の幻覚剤研究の存在に気づき、発掘を始めたのは最近のことだ。 彼らは現代の基準で再実験をおこなって、その精神疾患治療薬としての可能性に驚愕し、(中略)幻覚剤が脳にどう働くのか調べはじめた。 ——幻覚剤ルネッサンスである。(宮﨑真紀) 【目次】 プロローグ 新たな扉 第一章 ルネッサンス 第二章 博物学——キノコに酔う 第三章 歴史——幻覚剤研究の第一波  一  有望な可能性  二  崩壊 第四章 旅行記——地下に潜ってみる  トリップ一 LSD  トリップ二 サイロシビン  トリップ三 5-MeO-DMT(あるいはトード) 第五章 神経科学——幻覚剤の影響下にある脳 第六章 トリップ治療——幻覚剤を使ったセラピー  一  終末期患者  二  依存症  三  うつ病 エピローグ 神経の多様性を讃えて
  • ホット・ゾーン エボラ・ウイルス制圧に命を懸けた人々
    4.6
    スティーヴン・キングやアーサー・C・クラークも戦慄した名作ノンフィクション、緊急刊行。 1989年、米国の首都ワシントン近郊の町レストンに、エボラ・ウイルスが突如現れた。致死率90%、人間の脳や内臓を溶かし「崩壊」にいたらしめるエボラ出血熱のパンデミックを阻止すべく、ユーサムリッド(米陸軍伝染病医学研究所)の医療者たちが立ち上がる。感染と隣り合わせの極限状況で、彼らは何を思い、どのように戦ったのか? 未曾有のウイルス禍と制圧作戦の全貌を描いた、世界的ベストセラー。解説/岩田健太郎
  • ハイパーハードボイルドグルメリポート
    4.6
    テレビ東京で不定期放送されるカルト的な人気番組「ハイパーハードボイルドグルメリポート」。“ほかじゃありえない”内容が話題の同番組を企画・取材・演出までほぼ一人で手がけたプロデューサー・上出遼平氏の初著書。番組内に収まりきらない世界の現実を「人が食う」姿を通じて描く。
  • 四肢奮迅
    4.6
    「歩くことに関して、私の身体は『三重苦』なんだそうである。一つ目は、両膝がないこと。二つ目は、両手がないこと。そして三つめは、歩いた経験がないということ。それでも私は、歩けるようになりたい。私が歩くことで、障害がある人にもない人にも、勇気を感じてもらえるのなら」                              ――「あとがき」より両手両足のない乙武洋匡が歩く! 2017年10月にスタートし現在進行中の「乙武義足プロジェクト」の全貌を描きます。日本人初となる四肢欠損者の二足歩行への挑戦――その苦悩と歓喜を描いたノンフィクション作品です。
  • 1964年のジャイアント馬場
    4.6
    大谷翔平がアメリカ中を熱狂させた2018年。そのおよそ半世紀前、同じ「ショーヘイ」の名を持つ男が全米にその名を轟かせていた。男の名前は、ショーヘイ・ババ。巨人軍に入団する高い身体能力を持っていた馬場は、プロレスの本場・アメリカでその才能を大きく開花させる。そして1964年2月、NWA、WWWF、WWAの世界三大タイトルに連続挑戦という快挙を成し遂げる。巨体にコンプレックスを抱き続けた男が、自らの力でそれを乗り越える。マットの上で人生を戦い抜いた男の旋風ノンフィクション!
  • 海を撃つ――福島・広島・ベラルーシにて
    4.6
    1976年生まれの著者は、植木屋を営む夫と独立開業の地を求めて福島県いわき市の山間部に移り住む。震災と原発事故直後、分断と喪失の中で、現状把握と回復を模索する。放射線の勉強会や放射線量の測定を続けるうちに、国際放射線防護委員会(ICRP)の声明に出会う。著者はこう思う。「自分でも驚くくらいに感情を動かされた。そして、初めて気づいた。これが、私がいちばん欲しいと願っていた言葉なんだ、と。『我々の思いは、彼らと共にある』という簡潔な文言は、我々はあなたたちの存在を忘れていない、と明確に伝えているように思えた。」以後、地元の有志と活動を始め、SNSやメディア、国内外の場で発信し、対話集会の運営に参画してきた。「原子力災害後の人と土地の回復とは何か」を掴むために。事故に対する関心の退潮は著しい。復興・帰還は進んでいるが、「状況はコントロールされている」という宣言が覆い隠す、避難している人びと、被災地に住まう人びとの葛藤と苦境を、私たちは知らない。地震と津波、それに続いた原発事故は巨大であり、全体を語りうる人はどこにもいない。代弁もできない。ここにあるのは、いわき市の山間に暮らすひとりの女性の幻視的なまなざしがとらえた、事故後7年半の福島に走る亀裂と断層の記録である。
  • 人工知能はなぜ椅子に座れないのか―情報化社会における「知」と「生命」―(新潮選書)
    値引きあり
    4.6
    シンギュラリティの到来に一喜一憂しても、「人工知能の時代」は確実にやってくる。だからこそ持つべき視点がある。コンピュータがいかに「見て」「動いて」「考える」かを、錯視やロボットの例を用いて徹底解明。そして「生命」を深く考えてこそ分かる「椅子に座る」ことの本当の意味。注目の新鋭研究者が迫る「知能」の正体!
  • 死の淵を見た男 吉田昌郎と福島第一原発
    4.6
    2011年3月、日本は「死の淵」に立った。福島県浜通りを襲った大津波は、福島第一原発の原子炉を暴走させた。日本が「三分割」されるという中で、使命感と郷土愛に貫かれて壮絶な闘いを展開した男たちがいた。
  • ひみつの王国―評伝 石井桃子―(新潮文庫)
    4.6
    ノンちゃん雲に乗る、クマのプーさん、ピーター・ラビットなど作家・翻訳者・編集者として幾多の名作を世に送り出し、溢れる才能のすべてを「子ども時代の幸福」に捧げた101年の生涯。200時間に及ぶインタビューや書簡、綿密な取材をもとに、戦前戦中の活動や私生活にも迫る。子どもの本で人々を勇気づけ、児童文学の星座で強い光をはなつ石井桃子の稀有な人生を描いた、初の本格評伝。(解説・川本三郎) ※当電子版には、新潮文庫版に掲載の写真の一部は収録しておりません。ご了承ください。
  • 20歳のソウル~奇跡の告別式、一日だけのブラスバンド~
    4.6
    「市船ソウル」作者と吹奏楽部の絆。 「俺の心は死んでても、俺の音楽は生き続ける」―― 2017年1月、20歳で短い生涯を閉じた浅野大義さん。癌に侵された彼の告別式には、164人の吹奏楽部員が集まった。そこで奏でられた「市船ソウル」―彼が市立船橋高校在学中に作った曲だった。 2016年甲子園予選千葉県大会で演奏され、Twitterでも話題となったこの曲は、吹奏楽部大会で、高校野球のアルプススタンドで、そして今年の第100回全国高校野球千葉県大会でも、今なお受け継がれている。 朝日新聞「声」欄に投稿された大義さんのお母様の投稿が静かな反響を呼び、報道ステーションでも特集された「市船ソウル」作者と市船の絆、そして告別式に起きた奇跡を辿ります(2018年8月発表作品)。
  • 東芝の悲劇
    4.6
    粉飾決算、原子力事業の失敗、遂には看板の半導体事業も放出――超名門企業・東芝はなぜ崩壊したのか?20年に及ぶ取材から浮彫りになったのは、権力に固執し責任をとらず決断もできない、歴代トップの無様な姿だ。東芝で起きたことは、今も日本の政・官、そしてあなたの会社でも起きている。全組織人必読、衝撃のヒューマンドキュメント。
  • 原爆供養塔 忘れられた遺骨の70年
    4.6
    広島平和記念公園の片隅に、土饅頭と呼ばれる原爆供養塔がある。かつて、いつも黒い服を着て清掃する「ヒロシマの大母さん」と呼ばれる佐伯敏子の姿があった。なぜ、佐伯は供養塔の守り人となったのか。また、供養塔にまつられている被爆者の遺骨は名前や住所が判明していながら、なぜ無縁仏なのか。「知ってしまった人間として、知らんふりはできんのよ」佐伯敏子の言葉を胸に取材を丹念に重ねるうちに、埋もれていた重大な新事実が判明していく──。引き取り手なき遺骨の謎を追う、もう一つのヒロシマの物語。 第47回(2016年)大宅壮一ノンフィクション賞、第15回早稲田ジャーナリズム大賞受賞作がついに文庫化! 解説・平松洋子
  • 10万個の子宮
    4.6
    日本人初の快挙、ジョン・マドックス賞受賞! 日本では2011年から公的補助が始まり、2013年4月には定期接種となった子宮頸がんワクチン。しかしそのわずか2ヵ月後、国は積極的な接種の推奨を一時見合わせた。ワクチンを打った少女の親たちから、けいれんや記憶力低下など、神経の異常を思わせる症状がわが子に始まったとの訴えが起こったためだ。その後、ワクチンが症状の原因という科学的根拠は見つからず、ワクチンの安全性と効果が国際的にも確立されたにもかかわらず、日本ではワクチン接種の見合わせは継続されたままだ。 現役の医師でありジャーナリストでもある著者は、3年にわたり、被害を訴える少女や親、症状から回復した女性、複数の診療科の医療関係者、行政関係者などへ膨大な取材を行ってきた。少女たちの身体の症状が本当に訴えていたこととは──。サイエンスにもとづき、子宮頸がんワクチン問題の背景と日本社会の闇に切り込んだ、衝撃のノンフィクション。
  • 聞書き 遊廓成駒屋
    4.6
    ある日、名古屋駅裏を歩いていた著者は、一軒の建物が取り壊されようとしている場に出くわす。それが中村遊廓の成駒屋だった。その場に残された家財道具を手掛かりに、著者は遊廓の実像を求めて、多くの人から聞取りを始める。大正から昭和の隆盛期、さらには売春防止法以後の関係者たちはどう生きていったのか。読書史上に残る名著文庫化。
  • 昭和解体 国鉄分割・民営化30年目の真実
    4.6
    中曽根康弘、井手正敬、松田昌士、葛西敬之……重大証言と新資料が予言する「借金1000兆円をかかえた国家の未来」――本書は国鉄が崩壊、消滅に向けて突き進んだ歴史に再検証を試みたものである。昭和最後の二十年の歳月は、薩長下級武士が決起、さまざまな人物を巻き込んで徳川幕藩体制を崩壊させたあの「明治維新」にも似た、昭和の時代の「国鉄維新」であったのか。それはまた敗戦から始まった「昭和」の解体を意味していた
  • 完本 1976年のアントニオ猪木
    4.6
    1970年を境に勢いを失った世界のプロレス。なぜ日本のプロレスだけが、その力を維持し続けたのか。その謎を解くべく、アメリカ、韓国、オランダ、パキスタンを現地取材。1976年の猪木という壮大なファンタジーの核心を抉る迫真のドキュメンタリー。※電子版には文庫版に収録されているアントニオ猪木インタビューは収録されておりません。
  • チーム・ブライアン 300点伝説
    4.6
    あの笑顔の理由、あの雄叫びの真相、あの激闘の舞台裏。さらに異次元の未来へ! 名コーチが語る、羽生結弦、ハビエル・フェルナンデスの物語。
  • COCORA 自閉症を生きた少女 1 小学校 篇
    4.6
    本書は、自閉症スペクトラム障害である著者が、自身の半生をもとに描いた、自伝的小説である。幼い頃から「変わった子 」と言われて育ってきた心良が、小学校入学とともに出会ったのは、理不尽な暴力教師「鈴本」だった……。次々に訪れる様々な試練。誰にも理解されない障害を抱え、もがきながら、戸惑いながら、全てのものと闘いながら、それでも必死に生きていく。自閉症スペクトラム障害の少女の 「闘いの軌跡」。
  • 神は背番号に宿る
    4.6
    「28」は愚直なまでに自分を貫き、マウンドを去った。「11」はジンクスに抗い、ボロボロになるまで投げた。「1」は一番になれないまま、自ら消えることを選んだ。「19」はこの数字に賭け、波乱の人生を駆けた……。球史に埋もれていた選手たちの物語が、今ここに甦る! NHKの番組ディレクターによる異色のドキュメント。
  • 西南シルクロードは密林に消える
    値引きあり
    4.6
    中国四川省の成都を出発し、ビルマ北部を通って、最後にはインドへ――幻の西南シルクロードに挑む著者の前には、圧倒的なジャングルと反政府少数民族ゲリラの支配する世界屈指の秘境がたちふさがっていた。混迷と困難を極める旅なのに、これほど笑えるのはなぜか。究極のエンタメ・ノンフィクションついに登場。
  • 田中角栄回想録
    4.6
    スローガンは「決断と実行」。戦後の一時代を築き、いまも人々の記憶に残る田中角栄。日中国交回復と日本列島改造論を掲げて政界の頂点に立ち、ロッキード事件を経てからもその影響力を失わなかった。28歳での代議士初当選から法廷闘争の最中、病に倒れるまでに語られた思いや本音を、腹心の秘書であった著者が肉声を交えて紹介。不世出の天才政治家の素顔を浮き彫りにする超一級ノンフィクション。
  • 手話を生きる――少数言語が多数派日本語と出会うところで
    4.6
    手話という少数言語。手話が存在することによって、聞こえない子――ろう児は、ろう児として、そのままの自分で、聞こえる子とおなじように学び、遊び、よろこび、悲しみ、育つことができる。日本語と対等の力をもつ手話という言語があるから、聞こえないことは障害ではなく、むしろ少数派なのだといえる。日本のろう者・ろう児の母語である「日本手話」で授業を行い、手話と日本語のバイリンガル/バイカルチュラルろう教育を実践する日本初にして唯一の学校、明晴学園。著者はジャーナリストとして前進であるフリースクールの立ち上げから関わり、のちには明晴学園の内側に身をおいて日本手話と日本語、ひろく言語の世界に思いを向けつづけてきた。ろう教育の歴史、手話という言語が乗り越えてきた、そして今も向き合っている困難、言語学からみる手話、人工内耳など近年の最新動向……ろう者・ろう児とその親、教育者、日本手話の話者・通訳者、手話言語学の研究者など多方面へのインタビュー、欧米の事例や研究成果、国内外の文献、そして何より「手話を生きる」子どもたちのことばをとおして、過去から未来へ現在進行形で変わりつつある手話の世界を描く。
  • 自衛隊史 ――防衛政策の七〇年
    4.6
    戦後長い間、自衛隊や防衛政策についての論議はタブーであった。冷戦終焉後、自衛隊の果たす役割が拡大してからも、その実態はあまり直視されてこなかった。自衛隊という世界にも類を見ない組織がなぜ成立したか。国民はそれをどう受容してきたのか。安全保障に関する議論、日本社会における防衛問題・軍事の位置づけ、現実の自衛隊の活動、という三層から、我が国の防衛政策の七〇年間の転変を描き出す。防衛をめぐる議論に不可欠な基礎知識を網羅した、初めての自衛隊全史。
  • ナガサキ 消えたもう一つの「原爆ドーム」
    4.6
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 浦上天主堂の廃墟が戦後13年目に取り壊された裏に何があった?長崎原爆の隠された真実に迫る、渾身のノンフィクション。
  • 新装版 墜落遺体 御巣鷹山の日航機123便
    4.6
    「遺族の極限の悲しみ、想像を絶する修羅場」を描きつくしたと、朝日新聞等で絶賛されたベストセラー、待望の文庫化。確認までの127日間が鮮烈に描きだされる。
  • チベット旅行記(上)
    4.6
    仏教の原典を求めて、1900年当時厳重な鎖国をしていたチベットに、困難を乗り越えて、単身入国・帰国を果たした河口慧海師の旅行記です。最高の旅行記かつ、生活・風俗・習慣の的確な記録として、チベット研究の第一級の基本文献です。『西蔵旅行記』(1904、博文館)を底本とし、挿絵も全点収録しています。また、改訂版(1940年)と英訳本(1909年)も参照し、完全な形になっています。(講談社学術文庫)
  • ヒトラーのオリンピックに挑んだ若者たち ボートに託した夢
    4.6
    上流階級のスポーツとされていたボート競技。労働者階級の若者たちの集まりだったワシントン大学ボート部が、なみいる東部の強豪を打ち破って全米チャンピオンに輝き、ベルリン・オリンピックへの出場権を獲得する。だが、 “ヒトラーのオリンピック”とも呼ばれる同大会では、ドイツ、イタリアと対戦する決勝で、アメリカは思わぬ苦境に立たされる――。手に汗握る感動のノンフィクション。
  • 私は魔境に生きた 終戦も知らずニューギニアの山奥で原始生活十年
    4.6
    昭和十九年六月孤立無援の東部ニューギニアで味方部隊の再来を信じて籠城した日本軍兵士十七名。熱帯雨林の下、飢餓と悪疫、そして掃討戦を克服して生き残った四人の男たちのサバイバル生活を克明に描いた体験記。敗戦を知らず、十年間の“生存”に挑んだ逞しき日本兵のノンフィクション。
  • 黄金の旅路 人智を超えた馬・ステイゴールドの物語
    4.6
    現役時代は「シルバーコレクター」として人気のあったステイゴールド。今でこそ日本競馬界屈指の種牡馬として名声を轟かせている同馬だが、原点に立ち返ってみれば、「将来の成功を約束された種牡馬」ではなかった。しかし、オルフェーヴル、ゴールドシップ、レッドリヴェールら産駒が次々とG1を勝つことで、状況は一変。「社台をここまで本気にさせた日高の種牡馬は過去にいなかった」と評されるまでに至った軌跡をたどる。
  • ナガサキ 消えたもう一つの「原爆ドーム」
    4.6
    長崎にも「原爆ドーム」があった――。それは爆心地の北東500メートルほどの位置に立つ、高さ25メートルの鐘楼を持った浦上天主堂。しかし1925年に完成し、東洋一と謳われたこの天主堂は原爆によって廃墟と化す。当初、被爆遺構として保存に積極的だったはずの長崎市長だが、訪米を経て「原爆の悲惨を物語る資料としては適切にあらず」と発言し、撤去路線に転換。結果として旧浦上天主堂は1958年に撤去されるに至る。世界遺産クラスの被爆遺構はなぜ失われたのか? 市長の翻心の裏には何があったのか? 丹念な取材によって昭和史のミステリーを解き明かした渾身のノンフィクション。
  • 僕の「天職」は7000人のキャラバンになった
    4.6
    社会起業家のバイブル『マイクロソフトでは出会えなかった天職』待望の続編。途上世界の識字率の向上に尽力するルーム・トゥ・リードの物語を通して、途上世界の教育に関する現状をいきいきと伝える。また、スターバックスよりも速いスピードで成長を続けるNPO組織の運営手法は営利・非営利問わず参考になるところ大だ。
  • 監獄ラッパー
    値引きあり
    4.6
    2005年、奇妙な音声で録音された「Lost Dope」という曲が、日本のヒップホップ・シーンに衝撃を与えた。声の主は札幌出身のラッパーB.I.G. JOE。ヘロイン密輸容疑で逮捕され、オーストラリアの刑務所に服役中だった彼は、日本への国際電話を利用し、そのラップを吹き込んだのだ……。本書は、異国の獄中で過ごした日々を綴った、B.I.G. JOE 6年間の手記である。事件の顛末、裁判の行方、塀のなかの過酷な生活、そして、前向きに生きる力を与えてくれたラップという表現手段。収監中の身でありながら日本で発売された数々の作品は、どのように制作されたのか? 長い刑期のなかで彼は何を感じ、何を思ったのか? その全貌が、ついに明かされる。

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  • 絞首刑
    4.6
    国家の名のもとに命を奪う「死刑」。著者は、数々の証言から執行現場を再現し、実際に起きた5つの事件を再取材しながら処刑に至る道程を検証する。なかでも、1994年に発生した、いわゆる「木曽川・長良川連続リンチ殺人事件」で逮捕され、死刑判決を受けた元少年3名への取材は、精緻を極める。死刑制度に対して是とする人々、非とする人々、あらゆる立場の人々に一読していただきたい、渾身のルポルタージュ。(講談社文庫)
  • 木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか
    4.6
    昭和29年、活動の場をプロレスに移した木村と、人気絶頂の力道山が激突し「昭和の巌流島」と呼ばれた一戦。視聴率100%。全国民注視の中、木村は一方的に潰され、双葉山と並ぶ国民的大スターの座から転落、表舞台から姿を消した。なぜ木村は簡単に敗れたのか? 日本スポーツ史上最大の謎とともに、その数奇な人生に迫る! ※単行本に掲載の写真・図版については当電子版には収録しておりません。

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  • PRAY FOR JAPAN 3.11世界中が祈りはじめた日
    4.6
    2日で300万人がアクセスしボランティアにより12言語に翻訳されているサイトprayforjapan.jp。東日本大震災の夜、避難所で20才の大学生、鶴田浩之が一晩で作ったこのサイトは日本中、世界中の胸をうちました。このサイトを中心に、世界中から寄せられた祈りの言葉と写真を出版。全国で英語・日本語教材として採用されはじめています。「人間というのは言葉を食べて生きているのだと改めて思った。」坂本龍一
  • リターンマッチ
    4.6
    定時制高校の教壇に立って二十数年、子供たちの変化に脇浜義明は戸惑っていた。かつては「成績は悪いがケンカは強い」のが自慢の、ゴンタクレどもが集まってきたのに、いつからか「成績は悪くケンカも弱い」ひ弱な子らばかりになってしまった。成績で、生活環境で、いままでの人生を「負け続け」てきた彼らに、ひとつでもいい「勝つ」体験を知ってもらおうと、脇浜はボクシング部を創設する。それは彼自身の敗者復活戦でもあった。第26回大宅ノンフィクション賞受賞作。
  • 苦海浄土 わが水俣病
    値引きあり
    4.6
    公害という名の恐るべき犯罪、“人間が人間に加えた汚辱”、水俣病。昭和28年一号患者発生来十余年、水俣に育った著者が患者と添寝せんばかりに水俣言葉で、その叫びを、悲しみ怒りを自らの痛みとし書き綴った《わがうちなる水俣病》。凄惨な異相の中に極限状況を超えて光芒を放つ人間の美しさがきらめく。
  • 外交回想録
    4.6
    ドイツを皮切りに、アメリカ、中国、ソ連、イギリスで公使・大使等として活躍。第二次世界大戦への日本の参戦を阻止するべく心血を注ぐが果たせず、チャーチルとの会談を最後に一九四一年七月帰国。日米開戦直前まで約三〇年の貴重な日本外交の記録。

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  • ドキュメント 宇宙飛行士選抜試験
    4.6
    2008年2月、日本で10年ぶりとなる宇宙飛行士の募集・選抜が行われた。本書は、この選抜試験の取材を日本で初めて許され、さらに候補者10人に絞られた最終試験で、その一部始終に密着することに成功したNHKの番組スタッフによるドキュメンタリー。10人の行動をつぶさに追いながら、宇宙という極限の状況下で自らの命を賭け、かつ他の乗組員の命をも預かる宇宙飛行士とはどういう職業なのか、その資質と人間力に迫る!【光文社新書】
  • だれが「本」を殺すのか
    4.6
    「本」の世界で起きている事件は、既に、すべて、ここに書かれていた! 電子書籍の本質、オンライン書店の変容、出版界の制度疲労、そして活字離れと少子化……いま、グーテンベルク以来の巨大な地殻変動の真っ只中で、「本」が悲鳴を上げている! 取材・執筆に丸2年、現代日本を代表するノンフィクション作家・佐野眞一が、「本」の世界を川上から川下まで《串刺し》にし、多くの出版関係者に今も強い影響を与え続ける名作、遂に電子書籍版、登場。

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  • 余命10年 多発性骨髄腫になって、やめたこと・始めたこと。
    4.5
    がん、余命10年、岸博幸が悟った、人生でやるべきこと、やめるべきこと。 ゲーテwebで1200万PVを獲得した独白記事を大幅加筆して、書籍化。 同世代、子を持つ親、若者、日本の未来に最期に言いたいこと。 元官僚の大学院教授・岸博幸が、人生の締め切りがわかったことで気づいた、 残りの人生を“ハッピー”に生きるための究極の思考法。 仕事、たばこ、過保護だった子育て、白髪染め、マルチタスク、酒、変化に動じること……、 すぐにやめるべきこと、すぐに始めるべきこととは。 <目次> はじめに 2023年1月20日、がんを告知された 1章 癌になってようやく悟ったこと 2章 余命宣告された人・定年を迎える人へ 3章 未来を担う、若い世代へ 4章 人生を”ハッピー”に”エンジョイ”するための5つのヒント 5章 子を持つ親へ 6章 日本の未来へ、5つの提言
  • ピアノトリオ モダンジャズへの入り口
    4.5
    日本のジャズレコードやライブの多くを占めるピアノトリオ.バンドのリズムセクションが独立して成立した比較的新しい演奏編成とはいえ,モダンジャズの入り口でもある.その歴史を繙き,パウエルからエヴァンス,チック・コリア,ジャレットなど様々なピアノトリオのアルバムを取り上げ,具体的な魅力,聴き方を語る.

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  • 死の前、「意識がはっきりする時間」の謎にせまる 「終末期明晰」から読み解く生と死とそのはざま
    4.5
    亡くなる前、まともに話すこともできなかった人が、家族や知人を認識し、思い出や感情を語り出す――生き生きと、まるで「昔のその人」が戻ってきたかのように。 本書は、「終末期明晰」と呼ばれるこの不思議な現象について、科学的な視点から説明を試みる本です。 著者は、『夜と霧』の著作で知られるヴィクトール・フランクルの薫陶を受け、現在ヴィクトール・フランクル研究所所長をつとめる認知科学者、アレクサンダー・バティアーニ博士。 博士がこの現象の研究について発表すると、世界中から大きな反響と膨大な経験談が寄せられました。家族や知人を見送った人、医療・ケア現場で働く人々からの報告です。 調査によると、終末期明晰は、公的に研究されてこなかっただけで、古くからその記述が残っていることもわかりました。 本書は、多くのエピソードや報告書を引きながら、この現象が意味するところ、発生原因や発生条件、またこの現象を紐解くことで生まれる可能性について論を展開します。 認知症やその他の病気により脳に深刻なダメージを負い、だれがだれかもわからず、別人になったかのような人が、なぜ死の前に「帰ってくる」ようなことが起きるのか。 この問いは、多くことを示唆します。たとえば、「脳以外に記憶が保存されている可能性」や、「魂と呼ばれるものの存在について」などです。 生きるとはどういうことか。自己とは何か。人の魂はどこにあるのか。 この真摯で丁寧な研究報告書は、読む人に深い感動を与えます。 原題:Threshold:Terminal Lucidity and the Border of Life and Death 著者:Alexander Batthyany (Batthy「a」nyの「a」にはアクセント記号)
  • 散歩哲学 よく歩き、よく考える
    4.5
    人類史は歩行の歴史であり、カントや荷風ら古今東西の思想家・文学者も散歩を愛した。毎日が退屈なら、自由を謳歌したいなら、インスピレーションを得たいなら、ほっつき歩こう。新橋の角打ちから屋久島の超自然、ヴェネチアの魚市場まで歩き綴る徘徊エッセイ

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