無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで200万冊以上配信中!
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
Posted by ブクログ
凄まじいノンフィクションだった。体当たりにもほどがある、向こう見ずにもほどがある。しかし突っ込んで行った先にはいつも彼を受け入れてくれる「人間」がいる。私たちの理解できる範疇を遥かに超える暮らしをしている人たち(たとえばケニアのゴミ山で暮らす青年や、リベリアの元兵士たち、ロシアの信仰宗教の信者たち)も、関係を築いて話を聞いてみれば、当たり前に人間で、とっても理解可能なのだ。
この著者の飽くなき好奇心と行動力、そして芯の通った関わり方に、尊敬の念を抱いた。彼がその人たちのことを知りたいと心から思うからこそ、相手は彼を受け入れたのだろう。そして言葉選びも丁寧で、その場の空気や人々の雰囲気、彼の心境などがよく伝わってきた。読めてよかった。
(強いていえば、台湾マフィアの話だけあまり楽しめなかったのと、ロシア信仰宗教の信徒たちに対する解釈がなぜかものすごく月並みだったが、それを差し引いても良い本だった)
Posted by ブクログ
こういう本がもっとたくさん世に出て、もっとたくさん読まれて欲しいなと勝手に思うくらい素晴らしい本だった。
映像では放送出来なかった部分も収録されているので、映像で見たしなあ、という人にも読んで欲しい。
食うこと、すなわち生きること。
過酷な地で、今日を生きるために様々な手段に出る遠い地の人々に思いを馳せるとき、平凡な感想だけど、日本に生まれて今こうして暖かい部屋で本を読む休日を過ごせていることの幸運さを痛感する。
『僕たちが半分飽きながらケーキの蝋燭を吹き消している時、その祝福を受け取ることができない人間が存在している』
誕生日はおろか年齢すら分からない。それが当たり前だという人がこの地球にたくさんいる、ということを、普通に生活を続けていると忘れてしまう。
この本はあくまで食にスポットライトをあてるものだ。(スラムに住む人達のご飯、マフィアのご飯、カルト信仰者のご飯、ゴミ山で暮らす人のご飯など)
本という媒体で、文字を使って味を伝えることはそんなに簡単じゃないと思うけれど、上出さん、食レポもめっちゃうまい。
文章がそもそもとってもお上手なのだと思うけれど、食べ物を食べた時の豊かな表現を見ていると、やっぱりどうしても美味しそう。
過酷な暮らしをする人達はいつも飢えていて、決して満足してはいないだろうけれど、それでも、様々な工夫を経て、美味しそうと思えるものを食べているんだなぁとぼんやり思った。
こんなことすら、本を読まないと私は想像することができない。
上出さんの、文字通り命懸けのロケの結果生まれたコンテンツ。ジャーナリズムに対する熱い想いも垣間見えて本当に尊敬するし、感謝もしたい。
謝辞の最後の奥様への言葉にもじーんとくる。
上出さんがスラムの男たちに追い詰められた結果逆ギレして大嘘つくシーンが大好きです。
Posted by ブクログ
題名はコミカルだけど、全然コミカルじゃない話。
この本を読み終えた今、いろいろなことを考えさせられます。食べ物が題材のように見えるけれど、それとはもっと違った、本当に奥深いテーマや課題を考えさせられました。社会、文化、道徳、人種、宗教…
技術も文化も発展している日本に生まれて、日本で生きている自分にとっては、この作品中の人々の人生や境遇があまりにもかけ離れていて、まるで物語を読んでいるような気にすらなります。
どのエピソードも大小の衝撃がありましたが、ゴミ山のスカベンジャーのエピソードが1番心に響くものがありました。とても強く逞しく生きている彼ら。おそらく、住んでいる場所も、身なりもお金の稼ぎ方も、世界で最も貧しい人たちだと思います。でも、決して手を汚そうとはしない。そんな彼らはとても誇り高い生き方をしているな、と感じました。
この本は、どのような境遇でどんな立場の人であっても、「食事」というものは平等に心を満たし、温かくしてくれるものなんだな、と感じさせてくれます。が、それはこの本の一つの側面に過ぎないと思います。
この作者の方の旅を通じて、まるでパラダイムシフトを経験するような、そんな異文化な体験ができると思います。
食べ物が好きな人、ノンフィクションでジャーナリストが書いた本が好きな人だけでなく、日々の日常にモヤモヤしている人や世界の見方を変えたい人、世界を知りたい人など、いろんな人におすすめしたいと思います。
Posted by ブクログ
「ヤバイ世界のヤバイ奴らは何食ってんだ?
食は多種多様な生活の写し鏡だ」
紛争地、マフィアや薬物、スラム、カルト、ゴミ山‥人が住めるとは思えない“ヤバい場所”に、確かに生活があり、食事がある。
著者の上出さんが身を削って伝えてくれた血の通ったリポートは、現実であるということがどんな物語より心を揺さぶり、とんでもない衝撃を受けた。
取材慣れした住人が金銭を求めて案内を始める。
それでも、素の人間を撮ることをあきらめない。表層的な演出や見せ物ではなく、その奥にある本音と日常を引き出そうとする執念がすごい。
読んでいるうちに、自分の中の「正しさ」が揺らいでいく感覚があった。
戦う少年兵も、信仰に生きるカルト村の人々も、一見異様に見えるけれど、彼らなりの日常と正義が確かに存在する。
上出さんは、それを同情や断罪でジャッジせず、ただ水平に差し出す。
ゴミ山で出会った少年。
踏み場がないほどウジ虫がわく収集車に乗り込み、投げ込まれるゴミを頭から被りながら少しでもお金になる資源を探す姿に、ジャーナリストとしての一線を死守してきた上出さんでさえも涙がにじむ。ページ越しに伝わってくるのは、どうにもならない無力感と、背筋が伸びるほどの生命力。
彼らは、ギリギリの生活を送っていてもだいたい「食べな」と一口わけてくれる。
上出さんが「美味しい」と言うと、嬉しそうに笑う。
その瞬間、武器も思想も貧富も忘れて、ただ「人間」としてつながれる。
食うこと=生きること。それ以上でも以下でもない。
「自分は恵まれている」と言い聞かせるだけでは余りにも軽い。
じゃあ自分に何ができるのか、は簡単に答えが出せる問いではないけれど、日常を生きる重みが少し変わった気がする。
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
少年・青年マンガ
ビジネス・実用