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なぜ、45年ぶりに韓国で戒厳令が宣布されたのか。気鋭の在韓ジャーナリストが、南北分断80年の悲劇と韓国民主化の歴史をひもとき、韓国社会の閉塞感の根源に迫る。社会の隅々に蔓延した左右の対立を超えて、「南北関係」から「二国家関係」へ向かいつつある激動の朝鮮半島を描き出す。「韓国の民主主義」を深く理解するための南北分断史入門。
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匿名
昨年12月当時の尹大統領が突然戒厳令を宣布した。台湾などと同じく韓国も冷戦終結前後から自由民主主義体制に移行したと思っていたがゆえに大変な驚きと共にそのニュースを見守っていた。もちろん知識として韓国の軍政と、市民による民主化の現代史は知っていたが、それが今になって繰り返されることが自分の中で合点がい...続きを読むかなかったのだと思う。 本書ではそれを韓国(というか朝鮮半島)が抱える分断という現実ゆえに起こったものだと論じる。尹が従北勢力の駆逐を口実に戒厳令を宣布したように、韓国の民主主義は分断の問題を解決しない限り、これ以上発展しないのではないかという危惧を著者は抱いている。 そこで著者は北朝鮮を一つの国として認めた上で南北の交流を促進する二国論を展開する。多くの悲しみを生む戦争という選択肢は当然取れない以上、分断という現実が韓国に圧力としてかかり続けるのならば、統一という重圧を一度取り払ってしまおうという議論だ。韓国の中でこういう意見がどれくらい主流なのか、どれくらい受け入れられる意見なのは分からないが、興味深く読めた
Posted by ブクログ
前橋で生まれ育った「在日コリアン三世」の著者が、大学から韓国に渡り、 韓国で生きることを決意し、日本メディアの記者となる。 その著者が、尹前大統領が昨年末に出した戒厳令(未遂)をきっかけに、 朝鮮半島の80年の分断の歴史を追う。 Youtubeに嵌った尹前大統領、「北朝鮮の陰謀から民主主義を守るた...続きを読むめに、 戒厳令をひく」としたが、国会議員が身を挺して議事堂に乗り込み否決した、 尹前大統領は訴追された、、 という、韓国の民主主義の意識の高さをを認識した 事件と受け止めていたが、この本を読んで、もっと根の深いものであることを知る。 話は1950年にさかのぼる。そう、朝鮮戦争。 日本にとっては戦後復興のきっかけ、朝鮮特需として認識されているが、 朝鮮半島の人たちにとっては想像以上に地獄だったことを知る。 一時は北朝鮮が占領しかけたが、韓国はアメリカの後押しで盛り返し、 38度線で分断される。 北朝鮮では、人口の3割が亡くなったという。 マッカーサーのパーナム弾によって。アメリカ、恐ろしい。 以後韓国には北朝鮮の影が重くのしかかる。 というか、軍事政権維持に利用される。朴、全、元大統領は北の脅威から守る という名目で、戒厳令を敷き、住民を押さえつける。 光州事件はその最たるもの。 韓国民はこうして民主主義と闘った過去があるから、 今回の尹大統領の戒厳令を議員と市民が一緒になって防いだといえる。 日本のようにアメリカが押しつけた民主主義とは格が違うのだ。筋金入り。 ・・・まあどちらもアメリカに振り回されているけど、プロセスが全く違う。 韓国の大統領で一番よく覚えている金大中はこの本ではほとんど登場しない。 不思議なくらい。いろいろ考えて、「戒厳令」が主役であるこの本からは一番無縁、 民主的な大統領だからだろう、と理解した。 これまでは北も南も統一を志向していたが、北の金正恩はその考えを否定、 韓国も現実的でないと考えだしている。 朝鮮半島はどうなるのか。注視しなくてはいけない。 プロローグ 第一章 尹錫悦が呼び起こしたもの 二つの裁判/なぜ? 非常戒厳の動機/戒厳、三つの標的/国会議員の矜持/国会事務処、議員補佐陣の奮戦/軍の「抗命」とプライド/市民の決死の踏ん張り/反共の時代/裁判所襲撃/ユーチューブと神 など コラム 群馬から韓国へ 第二章 分断の深層 呂運亨/米ソ分割と軍政の始まり/燃え上がる反託/反託の果てに/南北両政府の樹立/朝鮮戦争の始まり/国連軍の結成/中国の参戦と興南撤収/人口の一割以上に被害/朝鮮戦争とはなんだったのか など コラム 韓国での大学生活 第三章 戒厳から民主化へ 戒厳の始まり/反共の始まり/不当な命令への抵抗/骨の眠る谷・コルリョンコル/戦争時の虐殺/李承晩の戒厳/朴正熙による戒厳/光州民主化運動/分断体制の中で など コラム 在日コリアンを超えて 第四章 歴史の完成に向けて 民主化から三〇年の「爆発」/目的は「社会の改革」/これが国か/文在寅政権始まる/三つの「八割」/高まる戦争危機/当事者と運転者/約九割の支持/シンガポール/事実上の終戦/「三・一運動」から一〇〇年 など コラム さらば日本、韓国への永住帰国 第五章 ピーク・コリア 終わらぬ「ヘル朝鮮」/韓国最大のまやかし/進歩イコール左派ではない/空を飛ぶスピーカー/ハノイの決裂/金正恩の「独立」/冷戦の終わりに/韓国の「統一方案」/南北基本合意書/金大中と太陽政策/史上初の南北首脳会談/三〇年の終わり など コラム 日本に伝える 第六章 最後の挑戦 南北分断による問題/分断をどう終わらせるのか/迫る時間切れ/薄まる統一への関心/変わる統一像/北朝鮮の人たちの統一観/韓国にも存在した「二国家論」/崩壊論と平和共存/統一政策の転換/北韓から朝鮮へ など エピローグ
朝鮮半島の解放と分断の80年を解説し、行き詰まった韓国の対北朝鮮政策の再考を模索する本書。 著者はソウル近郊在住のジャーナリストで尹錫悦による戒厳令とその余波を直接取材し、生々しく本書でも伝えた。 わずか40年前には軍政が敷かれ市民が弾圧された記憶を持つ韓国市民と政治家の戒厳令への深刻な受け止めと...続きを読む的確かつ情熱的な抵抗運動が伝わってくる。 また本書は朝鮮半島分断の歴史を解説し、分断が長期化することによって分断体制の維持に利益を見出す韓国エリート層や日米を含む近隣国の思惑が分断打破の難しくすることが示された。 核武装を果たした金正恩による衝撃的な統一放棄論に至り、韓国による北朝鮮の吸収統一路線は破綻した。 このままでは分断の固定化と朝鮮半島の緊張が高まるばかりであり、吸収統一路線を破棄して南北がお互いを別の国家として尊重して交流を図るべきとの意見が朝鮮半島統一に尽力してきた進歩派から出てきているという。 だからといって朝鮮半島統一を放棄しているわけではない。 北朝鮮が敵国としてではあるが韓国を独立国として認めているのに、韓国が北朝鮮の国家承認を回避しては交流もままならない。 国家間や民間における南北の交流が膠着した南北対立を和らげ、将来的な朝鮮半島統一に希望を宿す。 日本のメディアでは伝えられない視点だ。 朝鮮半島統一の必要性を信念としてきた著者も有力視するに至った急がば廻れ的な二国家論だ。 最近の情勢も踏まえて朝鮮半島の統一問題についての理解を深めるには本書は適切。 朝鮮戦争の悲惨さを伝えるには南北の進軍具合が二転三転したことを地図の色分けで示したほうがわかりやすい。 民間人死傷者が大量に生じたことが視覚的にわかる。 また、本書で紹介する人物の写真も掲載したほうが良いと思う。
著者の徐台教さんは、在日朝鮮人で韓国に「帰国」したフリーのジャーナリスト。 かねてよりYouTube「デモクラシータイムズ」などで活動をされている。 日本の朝鮮半島に関するニュースは、非常に適当なものが多く、いわゆるリベラル紙とされている朝日新聞・東京新聞すらデタラメを書く。日経新聞の鈴置高史や、...続きを読む時事通信の室谷克実など、主要メディアにも嫌韓オジサンが「朝鮮半島のエキスパート(??)」として記事を書いている。テレビにおいても同じだ。昨年末の尹錫悦による戒厳令(内乱行為)の際に振り撒かれた、「野党が北朝鮮とつながっている」という流言蜚語をあたかも事実かのように放送する局ばかりだった。 本書にはそのような朝鮮•韓国のいんちき解釈に騙されないため、私たちが取るべき向き合い方のエッセンスがつまっている。 また分断問題に関しても、形ばかりの「統一論」に一石を投じ、理念と現実のバランスが取れた我々が向かうべき先を示しているといえよう。 これを読んだら、予備知識は十分だ。 軍事独裁政権下で排除された記者たちが立ち上げた新聞社「ハンギョレ」は日本語版の記事をウェブサイトで公開している。 これから韓国のニュースは韓国のものを見よう。
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分断八〇年 韓国民主主義と南北統一の限界
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