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Posted by ブクログ
「飯を食う」が、仕事によって生活の糧(というかカネ)を得ることの表現であるように、飯を食うことは人生の基本的機能なのだけど、そのカネで解決してしまう、ということの弊害。学校給食は、戦後のような目標を失っているし、「親が楽」という点、そして楽をした親はその分生活の糧を得ろ、というような変なサイクルにはまっているように思う。「弁当の日」は、そこに、というわけじゃないけど、食事作りを通じての人間関係が生まれる、という取り組み。もちろんいろいろな問題が起きるし、材料を買って料理するだけでは全部が自分で出来るわけではない。食材を生産・獲得したり、道具をつくったり、という人もいてはじめて成立する。食い物の話は矛盾や悩みに満ちているし、だからこそ子どもにも早めに気づいてもらうのがいい。
Posted by ブクログ
本当にいい話。本棚登録者が二桁なのが勿体無いと感じるほど良本。
香川県の滝宮小学校へ校長として赴任した著者。そこで学校給食会理事会に出席し、給食作りの大変さ、食育の大切さを感じ、2001年から「弁当の日」を始める。
対象は5・6年生。弁当は親に一切手伝ってもらうことなく自分で作る。料理をしたことがない子もいるので、一学期の家庭科で食材の選び方から、栄養バランス、簡単な調理を教える。
子どもたちは弁当作りを通して成長する。
最初は何が入っているかに注目していたが、次第にどこまで自分でやったか(買い物、片付けなど)に重きを置くようになり、最後にはのり巻きを作った子が称賛を浴びるなど、手間のかかる難しい料理をした子が尊敬された。
また、弁当の材料ひとつひとつから、生産者や運送業、電気やガスなど、様々な人に思いを馳せた男の子。
ピーマン嫌いな友達のために、2週間ピーマン入り炒飯を研究したにも関わらず、「ピーマン臭い。」と言われたときの辛い経験。しかし自分自身も、今まで母親に同じことをしていたと気づいた女の子。
単身赴任の父親と入院中の祖母にも弁当を作った女の子。それを食べた父親が、昼休みに涙を流して電話してきたこと。祖母も同様に喜んだこと。
学校一ワルの中学生男子が、きれいな卵焼きが入った弁当を作ってきたこと。教師はその子が父子家庭でいつも料理をしていたことを知り、生徒は「初めて学校で誉められた。」と言ったこと。
弁当作りから生まれた、ちょっと涙が出るようなエピソードが散りばめられている。「弁当の日」は、素晴らしい取り組みだと思った。
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