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虹のマジカル・レッド
恐怖の怪人、東京を襲う! 迫る凶刃に挑む、赤い魔女・虹子の活躍! 不況風吹きすさぶ東京で通り魔が横行、次々と善良な市民が通り魔の凶刃に襲われていった。長髪を振り乱し、顔をブルーのベースファウンデーションで塗りたくっているところから人々は白死面(ペールフェイス)と呼んで、恐れ戦いた。タロット占い師で魔女の稲村虹子は、弟子の鞍馬正浩とともにその正体を暴くため、解明に乗り出す。警視庁捜査一課の井並警部の協力も得て、ついに真相に肉迫するが…。 ホラーファンタジー、「虹のマジカル・レッド」シリーズ第1弾。 ●朝松 健(あさまつ・けん) 1956年札幌生まれ。東洋大学卒。出版社勤務を経て、1986年『魔教の幻影』でデビュー。ホラー、伝奇など、幅広い執筆活動を続けている。2006年『東山殿御庭』が第58回推理作家協会賞短編部門の候補となる。近年は室町時代に材をとった幻想怪奇小説〈室町ゴシック〉、一休宗純を主人公とした〈一休シリーズ〉、妖怪と人間との心温まる交流をユーモアたっぷりに描いた〈ちゃらぽこ〉ほかの妖怪時代コメディなどを発表している。 -
こわがらないで…
耳元で誰かが「ふふっ」という不快な含み笑いを漏らした その事件の発端は、写真部の友人が撮った一枚の心霊写真だった。柏木勉の背後に映った黒いマントの男……その影は、十年ほど前に妹の睦美をさらおうとした男に瓜二つだったのだ。それを思い出した時、勉にははっきりと、「きいっ」というあのブランコの音が聞こえた。やがて、睦美の周りで奇妙な出来事が起きはじめ……。傑作サイコ・ホラー長篇。 ●朝松 健(あさまつ・けん) 1956年札幌生まれ。東洋大学卒。出版社勤務を経て、1986年『魔教の幻影』でデビュー。ホラー、伝奇など、幅広い執筆活動を続けている。2006年『東山殿御庭』が第58回推理作家協会賞短編部門の候補となる。近年は室町時代に材をとった幻想怪奇小説〈室町ゴシック〉、一休宗純を主人公とした〈一休シリーズ〉、妖怪と人間との心温まる交流をユーモアたっぷりに描いた〈ちゃらぽこ〉ほかの妖怪時代コメディなどを発表している。 -
異界
夏――。僕は飲み会で知り合った友人たちと一緒に、涼を求めてぶらり旅へ出た。清流下りを体験したあと、向かった先は観光化された石切りの採掘場跡地だった。そこは巨大な空間となっており、エジプトのピラミッド、あるいはローマ神殿、さてはロールプレイング・ゲームのダンジョンを彷彿とする場所だった。 ひとしきり坑内を探索したところで、僕たちの目の前にヘルメットを被った作業員が現れた。照明器具の交換作業をするのだろうと思ったが、作業員は思いもよらない行動を取り始める。 閉じ込められた坑内で、一人、また一人と、異界に連れ込まれて行く……。 -
家族狂
中村うさぎが描く、戦慄のノンストップ・サイコホラー! ついに電子書籍化! 作家につきまとう4人家族の幽霊と偏執的女性ファン。 無関係に見える事象が密接に絡み合い、 物語は衝撃のラストへと向かう…… ※本書は、1999年9月に株式会社角川書店より文庫として刊行された『家族狂』を電子書籍化したものです。 中村うさぎ(なかむら・うさぎ) 1958年福岡県生まれ。横浜育ち。同志社大学卒業後、OL、コピーライターを経て、91年『ゴクドーくん漫遊記』で作家デビュー。その後、ブランド依存症の日々を赤裸々に綴った『ショッピングの女王』シリーズでブレイク。ホスト通い、美容整形など自らの体験を通して書かれたエッセイで“女性の欲望の体現者”として多くの女性から支持を集める。『私という病』『女はかくもままならぬ』など、著書多数。 -
獣儀式
飛び散る脳漿、溢れる体液、地上は瞬く間に阿鼻叫喚の地獄と化した 突如あふれるように現れた殺戮“鬼”たち。なんの理由も理解も与えられず、ただ嬲られ殺されるのを待つしかない人間たち。 ヒューマニズムなど嘲笑するかのように繰り返される大量虐殺、精密なスプラッター描写で地獄を描ききり、まさに神がかった著者・友成純一の『凌辱の魔界』と並ぶ世紀の傑作。「電子版あとがき」を追加収録。 ●友成純一(ともなり・じゅんいち) 1954年福岡生まれ。1976年、早稲田大学在学中に「透明人間の定理リラダンについて」が幻影城新人評論部門に入選。映画評などでも活躍したのち、1985年「肉の儀式」で小説家デビュー。官能的でバイオレントな作風が注目を浴びる。以後、スプラッター小説のパイオニアとしてだけでなく、SF、ホラー、怪獣小説などでも鬼才ぶりを発揮し、多くの著作を発表。またロンドン関連の著書も多い。現在はバリ島在住。 -
さいはての家
蒐集家、獣人、魔地図、お化け屋敷……「異形」の恐怖に心が粟立つ 風の音を聴くたびに、私はあの家と親子のことを憶い出す。 風は鬱蒼たる森と黒土の大地を渡らねばならない。 そして、冷たい寂蓼の調べを奏でながらも、そこに生きる数々の生命のきざはしの声を運ばなくてはならない。 あの親子は、今も達者でいるだろうか。(「さいはての家」より) 妖かしの名匠が贈る絶品奇譚集。「異形コレクション」で連載された12本の短篇と、単行本のための書き下ろし1本を収録。 ・思いつづけろ ・通行人役 ・筆致 ・さいはての家 ・6分の1 ・蒐集男爵の話 ・ニッケル・オデオン ・嫁ぐ娘へ ・開かずの間 ・二流 ・残された地図 ・二階の家族 ・“幽剣抄” さらば、一刀流 ●菊地秀行(きくち・ひでゆき) 1949年、千葉県生まれ。青山学院大学卒業後、雑誌記者の傍ら同人誌に作品を発表し、1982年『魔界都市“新宿”』でデビュー。1985年、『魔界行』三部作が大ヒット、人気作家の座を不動のものとした。伝奇・幻想・バイオレンス小説の第一人者。著作は300冊を超える。 -
潜む闇
この恐怖からは、死んでも逃れられない あなたは霊の存在を信じますか? 心霊現象を見たことがありますか? 「見たくても見えない」という人もいれば、「見たくないのに見てしまった」という人もいます。 本書に収められている16の体験談。これらを信じるも信じないも、あなた次第です。しかし、この本に関わったがために、人生が狂ってしまった人間は、確かに存在します。 ……覚悟がなければ、この禁断の書を読んではいけません。 ・招く手 ・どこから音が? ・便利な案内 ・憧れの東京? ・彼はもう死んでいる ・百発百中 ・憑いてますよ ・ラブホにて ・雨の家 ・警備の友 ・机の花瓶 ・夏祭りのおもひで ・乗ってきたのは ・夢に出てくる顔 ・古い器 ・残された原稿 ●上之屋幸永(かみのや・ゆきなが) 1972年生まれ、千葉県出身。学生時代は江戸川乱歩にはじまり、菊池秀行、栗本薫の愛読者として、恐怖・猟奇ものに目覚める。その後、クトゥルフ神話に傾倒し、ホラー小説を乱読。大学時代はホラー映画ファンとしてマニアックな趣味に没頭。卒業後、広告代理店、出版社勤務を経てフリーライターに。携帯サイトにてホラー短編の執筆を開始。他に、ホラー映画評論なども行ないつつ、心霊実録などを収集。現在では、神話、民間伝承、など興味が広がっている。 -
眠れぬ夜の怖い話
見てしまった人の恐怖体験をあなたに 心拍数が上がる、恐怖の心霊現象を徹底取材。 ふとしたきっかけで「見えてしまった」話が多く、案外、霊感などまったくなかった普通の人が多いようです。 しかし、その“きっかけ”が何なのかは、人それぞれ。 そう、例えばあなたにとってはこの電子書籍がきっかけである、という可能性も否定できないのです。 ……本書に収められた短編16本を読み終えた時、あなたが立っているのは、もはやこの世ではないかもしれません。 ・握りしめたその手 ・扉の向こう ・穴二つ ・常連客 ・DVDの記憶 ・本当の家族に ・パチンコ屋奇談 ・足に残ったアザ ・夢の中の憎しみ ・近づく影 ・消失 ・雨宿りの傘 ・手術室の前 ・壁の向こうに ・肝試し 仕込み編 ・肝試し 始末編 ●上之屋幸永(かみのや・ゆきなが) 1972年生まれ、千葉県出身。学生時代は江戸川乱歩にはじまり、菊池秀行、栗本薫の愛読者として、恐怖・猟奇ものに目覚める。その後、クトゥルフ神話に傾倒し、ホラー小説を乱読。大学時代はホラー映画ファンとしてマニアックな趣味に没頭。卒業後、広告代理店、出版社勤務を経てフリーライターに。携帯サイトにてホラー短編の執筆を開始。他に、ホラー映画評論なども行ないつつ、心霊実録などを収集。現在では、神話、民間伝承、など興味が広がっている。 -
火喰鳥を、喰う
全ては「死者の日記」から始まった。これは“怪異”か、或いは“事件”か。 選考委員、激賞!令和初の大賞受賞作! 「恐怖と謎がしっかりと絡んでいる。ミステリ&ホラー大賞にふさわしい」――有栖川有栖氏 「謎への引きこみ方が見事。読了後は心地よい酩酊感に襲われました」――辻村深月氏 信州で暮らす久喜雄司に起きた二つの出来事。ひとつは久喜家代々の墓石が、何者かによって破壊されたこと。もうひとつは、死者の日記が届いたことだった。久喜家に届けられた日記は、太平洋戦争末期に戦死した雄司の大伯父・久喜貞市の遺品で、そこには異様なほどの生への執着が記されていた。そして日記が届いた日を境に、久喜家の周辺では不可解な出来事が起こり始める。貞市と共に従軍し戦後復員した藤村の家の消失、日記を発見した新聞記者の狂乱、雄司の祖父・保の失踪。さらに日記には、誰も書いた覚えのない文章が出現していた。「ヒクイドリヲクウ ビミナリ」雄司は妻の夕里子とともに超常現象に造詣のある北斗総一郎に頼ることにするが……。 ミステリ&ホラーが見事に融合した新鋭、衝撃のデビュー作。 -
忌木のマジナイ 作家・那々木悠志郎、最初の事件
ホラー作家、那々木悠志郎の担当編集となった久瀬古都美は、彼が初めて体験したという怪異譚を題材にした未発表原稿を読むことに。 そこに書かれていたのは、心霊現象に懐疑的な小学6年生、篠宮悟が、流行りの噂話で語られる『崩れ顔の女』を呼び出してしまうという物語だった。 その顔を見てしまった者は視力を奪われ、精神的に追い詰められた末に自殺してしまうという怪異。その真相を調べにやってきた那々木悠志郎の助けを借りて、悟は調査を進めていく。 一方で、原稿を読み進める古都美のもとにも『崩れ顔の女』が現れる。怪異の目的は何なのか、原稿に登場する怪異が自分のもとにやってくるのは何故なのか。 答えは那々木悠志郎の原稿の中にーー。 彼の物語はここから始まった。 異端のホラー作家、那々木悠志郎の原点が描かれる。シリーズ第三弾! -
拝み屋の遠国怪奇稿
【戦後昭和、拝み屋兼記者&心霊写真を撮ってしまうカメラマンのコンビが”因習村”の真相を探る、怪奇ミステリ―!】 戦後昭和、新人カメラマンの瑛吉は、いわゆる心霊写真のようなものしか撮れなくなってしまい困り果てていた。まともな写真が撮れず仕事も失っていたある日、胡散臭いオカルト雑誌から声が掛かる。 「月刊奇怪倶楽部」は怪しげな因習・風俗など何でも載せる下世話な雑誌で、目玉は国内の秘境をおどろおどろしく紹介する連載記事「本邦魔境紀行」。世界の秘境ブームに便乗した企画だが、取材費がないので場所を国内に絞り、曰くつきのスポットや儀式について書かれている。担当のライターは飛鳥という大学生のアルバイト記者だった。 飛鳥は瑛吉と近い年代の人当たりのいい青年であるが、実は拝み屋だという。瑛吉は不安に駆られながらも、日本全国の辺境で行われる奇祭や儀式に取材に行くことに――!? -
警視庁呪詛対策班
法の上では存在しないものである「呪詛」や「呪術」は、それがどれほど悪辣なものであっても決して罪に問われることはない。だがもしも呪法や憑物、生霊といった加害者が存在する超常現象に、本当に人を害する力があったとしたら、善良なる被害者は泣き寝入りするしかないのか? そんな理不尽に対抗するため非公式に設立されたのが『警視庁呪祖対策班』--通称「呪詛対」。怪しい響きの通り、警察署でも知る人ぞしる組織だ。家屋の敷地に勝手に(呪いの)土器を埋めた者がいれば、家宅不法侵入並びに器物損壊罪。閉じ込めた蛇に共食いさせ蠱毒を仕掛ける者がいれば、動物愛護管理法違反。怪異を憎むがゆえ、霊的なものを受けつけず、怪異嫌いの堅物刑事の大場と、宮内庁より出向中の元陰陽師刑事の芦屋(と式神の白猫の小春)のバディが、「呪法の悪用」を見抜き、事件として立件! -
ゆうずどの結末
こんな結末は耐えられない――。 大学に入学して3か月、菊池斗真はサークルの同級生・宮原の投身自殺を目撃してしまう。死因に不審な点もなく遺書もあったことから、彼女の死は自殺と断定された。 宮原の死から数日後、菊池は同じサークルに所属する先輩の日下部から、表紙にいくつかの赤黒い染みがある本を手渡される。それは、宮原が死の瞬間に持っていた小説らしい。 「ゆうずど」というタイトルの小説は角川ホラー文庫から刊行されている普通のホラー小説で、特に宮原の死と結びつけるような内容は描かれていなかった。 しかし、本を読んだ日下部はその翌週に自殺をしてしまう。 そして日下部の死後、なぜか菊池の手元には「ゆうずど」の本が現れていた。 何度捨てても戻ってくる本。そして勝手に進んでいく本に挟まれた黒い栞。自分にしか見えない紙の化け物。 菊池は何とか自らに迫る死の呪いを回避するために、ある手段を講じるが――。 その■■を、絶対に読んではいけない。 あなたの身に恐怖が迫る、新感覚ホラー誕生! -
MIX 猟奇犯罪捜査班・藤堂比奈子
=== 湖で発見された、上半身が少女、下半身が魚の謎の遺体。「人魚」事件の背後には未解決の児童行方不明事件が関わっているようだ。その後、また新たな謎の遺体が見つかる。保を狙う国際犯罪組織も暗躍し……。 === 湖で発見された、ビニールシートに包まれた謎の遺体。 その上半身は少女、下半身は水生生物のように変化しているように思われる。 比奈子が属する八王子西署にも新たな変化が訪れていた。ずっと捜査を共にしていたメンバーの異動があり、さらに新人が配属されてきたのだ。 先輩らしい振る舞いをすることにまだ慣れない比奈子。 少女の「人魚」の遺体は、“死神女史”こと石上博士のもとで検死された。そこで分かったのは、遺体の身体の変異に関する、驚くべき事実だった。 その「人魚」事件にひきつづき、子供の奇妙な部分遺体が発見される事件が起こり……。 現代社会の闇が猟奇的殺人と共鳴する、新しいタイプのヒロインが大活躍の警察小説、第8弾!【電子版特別付録】次巻『COPY(コピー)』プロローグ原稿 -
マガイの子(角川ホラー文庫)
「ナバリ・イズミ神話大系」とも呼ぶべき独自の、魅力的な宇宙観。その新たな切り口から噴出する、新たな謎〈ミステリー〉と恐怖〈ホラー〉に戦慄せよ。 ――綾辻行人 僕の姉は「取り替えられた」魔物なのか? 「マガイ」のおぞましい真実とは 「山に棲む『紛(まがい)』という魔性の獣が里の子供を攫って喰らい、己の子とすりかえる」「『紛』の子は見かけは人間だが、長ずるに従って徐々に獣の本性を表し、里に災いをもたらす」 現代社会では迷信扱いされる民話だが、鞍臥の人たちは今でも、心のどこかで信じている。なぜなら、あたしがその「マガイの子」だからだ――。 いまは東京で美大生をしている坂見風哩は、8年前に「お山」で従兄が惨殺された現場に立ち会っていた。従兄の死体は獣に食われたようだったが、風哩には事件時の記憶がない。腫物のように扱われる田舎を出たものの、不穏な出来事が周りで続いている。セクハラ教授とのトラブルで訪れた風変わりなスクールカウンセラーとの話で、夢に見る「マガイ」のことをついしゃべってしまい……。 一方、まだ鞍臥に住んでいる高校生の弟・怜治は、8年前に姉を助けてくれた円藤老人が、砂原という謎の研究者と最近共にいるのが気になっている。砂原ら「聖泉協会」の人間は「お山」の「磨崖仏」を調べているというのだが……。 -
二階の王(角川ホラー文庫)
第22回日本ホラー小説大賞〈優秀賞〉受賞作が書き下ろしを加え文庫化! 選考委員も驚嘆! 「破天荒な大風呂敷が広げられる。総合的な筆力では今回の候補作中、一頭地を抜いていると感じた」綾辻行人 「『悪因研』の活動が、すべて○○であったとしたら、かなり怖いサイコホラー。違った楽しみ方もさせてもらった」貴志祐介 「邪神との闘いという王道のモチーフに果敢に挑んだ力作。読了後、確かにタイトルはこれしかないと、しみじみ納得」宮部みゆき === 東京郊外で両親と暮らす八州朋子には、大きな悩みがあった。30歳を過ぎた兄が二階の自室にこもり、家族にも姿を見せない生活が何年も続いているのだ。職場で知り合った男・加東に心惹かれる朋子だが、兄のことは話せずにいた。 そのころ、元警察官の仰木と6人の男女たちは、考古学者・砂原が遺した予言を元に『悪因研』を名乗り〈悪因〉の探索を続けていた。〈悪因〉は人々を邪悪な存在〈悪果〉に変えて破滅をもたらす。6人は五感で〈悪果〉を識別する能力を持つ者たちだった。 〈悪果〉を嗅ぎ分ける男・掛井は、同じショッピングモールで働く朋子への想いを募らせている。そして、掛井の仲間・卓美がある症状を発症し……。 === クトゥルー神話を思わせる魅力的な異形描写や、「世界の命運を握る存在」という大掛かりな題材。それらと不思議にも共存する、「ひきこもり」という現代社会的なテーマ。兄の存在と自分の未来に悩む女性主人公ほか登場人物の心情描写のバランスにも注目の作品。 装画=藤田新策 文庫化にあたり、書き下ろし短編「屋根裏」を収録。 -
夜行堂奇譚
帰省する途中でバイク事故に遭い、右腕を失った大学生の桜千早。それは不慮な事故ではなく、事件だったーー。入院中、失った筈の右手に縋りつく女性の手の感触……。「みつけて」と結露した窓に描かれたメッセージ。千早は自分が事故に遭った日に殺されたという女性のことを思い出す。一方、県庁に勤める堅物でまじめな大野木は、急遽、特別対策室の室長を任命される。そこは行方不明者や怪異現象などの曰く付きの案件を専門とする部署で、組織でも秘密裡の部門だった。特別な対策を必要とする案件を解決するべく、大野木は紹介された霊能者、桜千早と出逢う。オカルトホラーバディここに開幕。 -
ゴールデン・ブラッド
東京五輪プレマラソンで大規模な自爆テロが発生。 救急救命士の向井圭吾は地獄絵図と化した現場で救助活動にあたる。 新開発の万能血液<ゴールデン・ブラッド>により多くの命が救われるが、 その矢先、開発に関わった病院で圭吾の妹・恵利が急死。 輸血を受けた患者もその後次々と変死を遂げていく。 圭吾は刑事の東海林とともに一連の事件を探り始めるが――。 正義の裏に渦巻く陰謀の数々。そして明かされるあまりに切ない真実とは? 著者渾身の医療ミステリ! ※本書は、2017年に幻冬舎文庫から刊行された『ゴールデン・ブラッド』を大幅に加筆・修正したものです。 -
七つのカップ 現代ホラー小説傑作集
『影牢 現代ホラー小説傑作集』に続く2010年代を中心に発表された傑作ホラー短編7選。小野不由美の“営繕かるかや怪異譚”シリーズからは死霊に魅入られた主人公の心理に慄然とさせられる「芙蓉忌」。土俗的作品で知られる岩井志麻子による怨霊の圧倒的恐怖を描いた海の怪談「あまぞわい」。怪談の存在意義を問う辻村深月の「七つのカップ」など。作家たちの巧みな想像力により紡がれた悪夢の数々がここに。解説・朝宮運河 【収録作】 小野不由美「芙蓉忌」(『営繕かるかや怪異譚 その弐』角川文庫 山白朝子「子どもを沈める」(『私の頭が正常であったなら』角川文庫 恒川光太郎「死神と旅する女」(『無貌の神』角川文庫 小林泰三「お祖父ちゃんの絵(『家に棲むもの』)角川ホラー文庫 澤村伊智「シュマシラ」(『ひとんち』光文社文庫 岩井志麻子「あまぞわい」(『ぼっけえ、きょうてえ』角川ホラー文庫 辻村深月「七つのカップ」(『きのうの影踏み』角川文庫 -
あやかしの國
日本には妖怪がいる。古くから深い森や山、人の力の及ばない自然や理解し難い現象を人々は畏怖し、妖怪の存在を信じてきた。時に恐ろしく、時にユーモラスに語られるそれらと共にこの地に暮らしてきたのである。 奈良時代に書かれた書物では妖怪という言葉は、人知を超えた怪奇現象そのものを表していた。その後、それらは姿形を持ち、長く生きた動物や古い道具が変化したものが加わってゆく。後者は九十九神とも呼ばれ自然崇拝、精霊崇拝といった日本人の精神や信仰の原点と重なるようにも思える。だからこそ日本人にとって妖怪は身近な存在であり続けているのだろう。 また今も妖怪を愛する多くの専門家たちがその姿を伝えている。古くは「鳥山石燕」(1712年~1788年)などが多くの妖怪画を残しているが、現代においては特に「水木しげる」の描く妖怪画が、誰もが知る妖怪の姿であろう。それ以外にも様々な小説、映像作品で妖怪は描かれ続けている。 そして、口伝で伝えられていた各地の伝承を消えてゆく前に、記録として残そうとしたのが民族学者「柳田國男」であった。本書では彼の記した「妖怪談義」に記された妖怪を中心に、江戸時代以降の古い文献や巨匠「水木しげる」によって記された妖怪たちを厳選して紹介していく。近年の映像作品におけるそれぞれの妖怪たちの活躍も紹介するので併せて楽しんでいただけたら嬉しい。 -
経験ゼロでも作れるフリーホラーゲーム。制作の流れ・ストーリーの構成・ギミックに必要な3要素。
さっと読めるミニ書籍です(文章量15,000文字以上 20,000文字未満(20分で読めるシリーズ)=紙の書籍の30ページ程度) 【書籍説明】 フリーホラーゲームはブームを経て一ジャンルとして定着しつつあります。 名作に触れたことで創作意欲を刺激され、自分もホラーゲームを作ってみたいと思い立つ人も少なくありません。 ですが、多くの人は何から手をつければいいのか戸惑い、そして作業量の多さに屈して諦めてしまっているのも事実です。 本書はそんなゲーム制作が未経験の初心者、制作を始めても完成までこぎつけないという方のためにあります。 せっかく名作になれる可能性を秘めている構想が形にならないのは非常にもったいないと思い、過去の経験からホラージャンルに重点を置いて制作法をまとめました。 いろんな制作体制のメリット・デメリットから企画書という形で構想を具体的にイメージ化する方法、ストーリー構成などわかりやすく紹介しています。 本書の通りに従えば、実現できるかわからない浮遊感ある構想を実現性のある企画へと変えることができます。そこまでできれば、作品として世に送り出せる確率もグッと高まります。 名作を作り出せる可能性を捨てるのはまだ早いです。ぜひその構想を形にしてください。 【目次】 一章 制作スタイルはどうする 二章 企画書をつくろう 三章 シチュエーションは三種類 四章 ストーリーは九つのシーンから成る ◯分岐のポイント 五章 ギミックの三要素 六章 ゲームの組み立て おまけ やってはいけないこと ◯“予兆”以外のびっくり系イベントは多用しない ◯宗教を否定しない ◯死は控えめに まとめ 【著者紹介】 茶天(サテン) 方向性がはっきりしない同人屋。長編ノベルを発表するのが今のところの夢。 -
スラッシャー 廃園の殺人
異形のホラー作家・一藍が10億という巨額の費用をかけ、造りあげた廃墟庭園。そこでは行方不明者が続出し、遺体で発見される者も出た後、ついに作家自身まで謎の失踪を遂げた。そんな血腥い曰く付きの場所、“魔庭”をロケハンするために訪れた映画関係者たち。彼らに、想像を絶する恐怖と怪異が襲いかかる――! あらゆる場所に仕掛けとたくらみが張り巡らされた驚くべき庭園。そして、一行に執拗につきまとい、殺戮を平然と行なう黒怪人の正体とは? 絶叫必至、疾走感にあふれる驚愕のホラー・ミステリ。オマージュにした映画を紹介する、著者書き下ろしの「好事家のためのノート」も収録。 -
極楽に至る忌門
四国の山奥にある小さな村。そこには奇妙な仏像があり、大切に祀られていた。帰省する友人・匠に付き添い、東京から村を訪れた隼人は、村人たちの冷たい空気に違和感を抱く。優しく出迎えてくれた匠の祖母の心づくしの料理が並ぶなごやかな夕食の最中、「仏を近づけた」という祖母の言葉を聞いた瞬間、匠は顔色を変える。その夜、匠は失踪し、隼人は立て続けに奇妙なことに巻き込まれていくが――。東京での就職を機に村を出て、親族の死をきっかけに戻ってきた女性が知った戦慄の真実。夏休みに祖父の家にやってきた少年が遭遇した恐るべき怪異。昭和、平成、令和と3つの時代の連作中篇を通して、最強の拝み屋・物部斉清ですら止められなかった、恐ろしい土地の因縁と意外な怪異の正体が浮き彫りになっていく……。ホラー文庫30周年記念、書き下ろし作品。 -
邪宗館の惨劇
一年前の火災事故で親友を失った天田耕平は、恋人と共に慰霊祭へと向かう途中にバスが事故を起こし、山道で立ち往生してしまう。 雨風をしのぐため他の乗客らと共に近くの廃墟へと避難するが、そこはかつてある宗教団体の信者が集団死したといういわくつきの建物だった。 その夜、乗客たちが次々に殺害される事件が発生。建物からの脱出を試みた耕平は、恐ろしい姿をした怪物に遭遇し意識を失う。 目を覚ました時、耕平は事故を起こしたはずのバスに乗っていた。その後、まったく同じ流れで繰り返される殺人事件を体験し、耕平は自分がこの夜を『繰り返している』ことに気づく。 「俺は、タイムループに陥ってしまったのか……」 何度『繰り返し』を経験しても誰も救えず、『繰り返し』からの脱出もできない耕平の前に現れたのは、怪異譚蒐集のため、この地を訪れたホラー作家、那々木悠志郎であった。