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遺体から様々な製品を作り出す「遺工」を家業とする庵堂家。父の七回忌を機に、長男・正太郎のもと久々に三兄弟が集まるが、かつてない難しい依頼が舞い込んで!? 第15回日本ホラー小説大賞受賞!
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Posted by ブクログ
読み終わってから、作品の分類がホラーであることに気づいた。ホラーで胸がしめつけられることがあるとは思わなかった。大好き。
真藤順丈さん大ファンです! この作品はもうすぐ10回目になるくらい読み込んでます! 妹にも読ませた所、ラストシーンで号泣してました。 架空の職業を本当に存在しているかのような表現には驚きました。 ホラー作品というより、ドキュメントに近いです。 私の出会った中で最高の作品です!
2011/11/19。ホラー小説大賞受賞作。遺体の骨や皮や脂肪などを使って遺族のための日用品を作る『遺工師』という架空の職業がでてきます。遺体を解体するとこはスプラッタな、グロい描写。しかしホラーなのは、この職業にまつわる部分くらいで、ストーリーとしては家族愛というか、あたたかみを感じるとこがあり、...続きを読むいい意味で裏切られた作品でした。 ホラー小説大賞ということで"怖さ期待"を持ってみんな読むと思うから、怖さという意味では評価は低いかも。 でも興味深いテーマだし、三兄弟のキャラクターとストーリーが良かった。読後感はサッパリとした感じ。すごく印象に残る作品。スプラッタが大丈夫なひとには、オススメしたいな。
ホラー作品らしくちょっとグロい描写がちらほらある作品。 でもすんなり読めたし同作者の他の作品と違ってラストもイイ感じ。 面白かった。 難しいとは思うけど、映像化したら見てみたい作品だと思った。 映画か深夜ドラマとかどうだろう?
角川ホラー文庫なんて所からだすからいかんのだ。 もっと爽やかな兄弟の再生物語だ!って思います。 まぁ、家業が死体加工で無ければ。 それ込みで読んでも、良い兄弟だなぁって、温かくなれますよ。
第15回日本ホラー大賞受賞作、角川ホラー文庫化。 オビのコメントに平山夢明氏が寄せていますが それも分かる気がします。 遺体を解体して「遺工」なる製品を作り出す一家の 3兄弟を軸にした相当に歪みきった青春小説。 当然、遺体を解体するシーンなどは王道の ケチョケチョのスプラッタなんですが、そこには 猟...続きを読む奇的な視点はなく、あくまでも職人目線で淡々と 描かれている為、ホラー的な恐怖や嫌悪感を 感じさせないのは平山氏の「DINER」に近い。 3兄弟中、一番エキセントリックな三男の「毅巳」 のキャラが壮絶でなんとも切なくなってきます。 彼が愛する女性に渡した自分の口汚い言葉を 「変換」した手紙には、正直苦しく切なく、 ホロリとしそうになった。 そんな俗世離れした奇妙な兄弟達の業や苦悩を 乗り越える過程をこんな方法で描くなんて到底 自分のような人間には発想すらつかない。スゲーなー。
死者の弔いのため、遺体を解体し様々な製品を創り出す「遺工」を家業とする庵堂家。 父の七回忌を機に、長男、正太郎のもとに久々に集まる次男の久就と三男の毅巳。 「遺工」で創りだされるのは、櫛や茶碗や箸、財布などなど、日常的に目にする身近な物ばかりだ。 最近では、遺骨をダイヤモンドに加工する技術もあるのだ...続きを読むから、近い将来は箸や茶碗に姿を変えていつでも家族を見守ることが出来る、なんてことがあるかも知れないな~。 ある事件をきっかけに三人で最初で最後の仕事をすることになる。 解体シーンは、なかなかのスプラッター激しめでグロだが、グロ以上に三兄弟のキャラクターに愛着がわいてくる。 この感じはグロの巨匠平山夢明に、通ずるものがあると思っていたら、解説が平山さんで解説だけ読んでも面白い。 ホラー要素は無かったが彼の「宝島」も読んでみたい。
いまや直木賞作家となった著者の手による初期作。ホラー大賞受賞だから、それなりのクォリティは期待できるけど、本作もなかなか。読み始め、死体損壊のグロいだけの物語かと思ったら、なかなかそうは問屋が卸しません。さすがというべきか、読み始めの印象とは違う展開を見せ、何だか芸術の域にまで上っていく。グロテスク...続きを読むだけど不思議な印象の佳作。
少なくとも私の基準の中では、"ホラー"、という要素は微塵も感じられないので、受賞に限って言えば、それがふさわしいかと訊かれると甚だ疑問だが、とても"上手い"小説であることは間違いない。 "遺工師"なる架空の職業を創り上げ、出てくるキャラクタ...続きを読むーはブッ飛びまくり、そして思わず顔をしかめてしまうドぎついスプラッター描写がてんこ盛り、と、これだけ見ればどこにも着地できない迷い子になってしまってもおかしくない設定だが、そこにきっちり家族の絆といったベタなドラマも放り込みながら、作品として見事に昇華させている。 死体をバラしていく工程のディテールなんかはどうやって取材したんだろう…、と気になったり。 ただラストは個人的にはちょっとやり過ぎたんじゃないか、という感がある。 締めに向けてインパクトを重視したい気持ちも分からないではないが、もっと抑制を効かせた展開の方が読後感は厚くなったのではないだろうか。 文庫版解説の平山夢明氏はなんだかピッタリ。 1つ、細かいことだが保釈に関する記述で明らかな事実誤認があるのが気になり、残念。 単行本ならまだしも、文庫にするなら誰か気付かないと。
2015年、6冊目。 真藤順丈初読み作品。 第15回日本ホラー小説大賞受賞作。 遺体を用いて生活用品を創る「遺工士」という架空の職を生業とする「庵堂家」の男三兄弟の物語。 家業を継いだ長男。家を出、東京でサラリーマン生活をおくる次男。知人の葬儀会社で働くも、暴力衝動を抑えきれずにいる三男。三人は先代...続きを読むである父の七回忌を前に、久々に顔を揃える。 コレを 「ホラーか?」と問われれば。 「No!」と答えるでしょう。 「では、何か?」と質問を重ねられたら。 「エンターテイメントなヒューマンドラマだ!」と答えるでしょう。 「遺工士」という職業柄、スプラッター場面は度々出てくるが、ソレがメインで話が展開して行くのではない。 「生」と「死」が密接に交わる、特殊な環境下での家族(兄弟)再生と成長。それが、三兄弟それぞれの視点を行き交いながら、ホラーはもちろん、喜劇も、悲劇も、ヴァイオレンスも、絡めて進んでいく。 そして、たどり着くのは……。 読後感としては、平山夢明『DINNER』に近いかな?! ……、と思っていたら、巻末解説は、その平山夢明というサプライズのオマケまで付いてきた。 そこまで含め、折に触れ、読み返したくなるであろう作品。
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