小説 - 講談社作品一覧

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  • 青い鳥文庫 赤毛のアン(1)
    4.7
    2014年朝の連続ドラマ主人公村岡花子さんが児童に向けた抄訳版の赤毛のアン。日本で広く知られている『赤毛のアン』というタイトルを思いついたのは、翻訳者である村岡花子です。第二次世界大戦中、防空壕に原稿を持ち込むなど苦労を重ねながら『アン・オブ・グリン・ゲイブルス』の翻訳をすすめ、戦後、1952年(昭和27年)、日本の読者にようやく紹介することができました。
  • 青い火花(『霞町物語』講談社文庫所収)
    -
    地下鉄日比谷線の開通とバス路線によって都電廃止が決まり、僕の家の写真館の未来も時代の要請に従うしかなくなっていた。その年のクリスマス・イブの夜、墓地下で、すでにボケはじめていた祖父はライカで、入婿の父はペンタックスで花電車を撮影したその一瞬――。強情な祖父と心優しい父の師弟物語。
  • 青い風景画
    3.3
    美しい津永和佳子に身辺警護の依頼を受けた私立探偵・三影潤は、伊豆の海辺にある彼女の別荘を訪れた。そこには盲目の従姉と病身の祖父が同居していたが、三影は一瞬の油断をつかれて、依頼主・和佳子が殺害されてしまう……富豪の別荘で展開される大胆なトリック殺人を描く表題作のほか、4編の傑作を収録。優しいミステリーの魅力! 本格推理短編集。
  • 蒼いみち
    -
    南青山でのPRの仕事や、幼馴染み・フユちゃんと出かける金曜日の夜。充実しているはずの毎日に、なぜか励奈は何かが欠けているように感じていた。そんなとき間違い電話で偶然聞いた英語のメッセージが、思いがけなく新しい自分に出会う旅へ彼女を誘う。著者の作品世界の原点となる意欲作が待望の文庫に! (講談社文庫)
  • 青い麦
    -
    美しいブルターニュ海岸の自然描写の中に、思春期の男女の悩ましい官能の芽生えを、みずみずしいタッチで描き、詩的・音楽的な表現を得た、不朽の青春小説ーー。鋭い感覚で豊かな本能の流れを捉え、近代フランス女流文学の第一人者と称されるコレット中期の代表作。
  • 青木きららのちょっとした冒険
    値引きあり
    3.7
    1巻1,170円 (税込)
    そっちはどうですか? あいかわらず最悪ですか? こっちはこっちでまぁまぁ最悪かな! 無責任な暴力、すれ違う意識、のしかかる思い込み―― 8人のきららの8つの人生が照射する 残酷でかすかにあたたかい世界の物語   人気モデル兼女優の偽物、痴漢された女子高生、特別な日を撮影するカメラマン、推しの若き死を願う会社員…… あちこちに現れて 誰かであり 誰でもない 名前のない私たちみんなが 「きらら」として生き抜いている
  • 青草に坐す
    -
    初めて男女共学という、かつてない革新的教育が生まれた時代の、青年男女の哀歓を健康的に描いた家庭小説ーー船乗りの新庄啓作には2人の子供、快活な女学生の翠と中学生の誠がいる。啓作の妹の節子が結婚に失敗し、新庄家の居候になっていたこともあり、翠は周囲の大人たちの恋愛事情に巻き込まれていくことに……。美空ひばり主演で映画化もされた群像劇。
  • 青く滲んだ月の行方
    3.0
    1巻1,463円 (税込)
    『茜さす日に嘘を隠して』(真下みこと)と繋がる、共感度120%の青春小説。 <第1話 端正な夜> 早々に内定が出て就活を終えようとしていた中、恋人の咲良に別れを告げられた隼人。 彼女とは1年半付き合っていたはずなのに、あまり胸は痛まないことに動揺する。 サークル同期の皐月は、自分の好きなことを活かせるクリエイティブな業界に就職したいらしい。 それに比べて隼人は、手堅い企業ばかり狙って受けていた。 恋人と別れて「悲しい」、サークル活動が「楽しい」、あの会社に「就職したい」。それは、本当に自分の感情なのかーー? <第2話 街の地球人たち> 大学2年生の大地は、女の子を絡め取って日々を過ごしている。 夏休み前に友達の俊也の家を訪れると、彼の様子がどこかおかしい。 聞くと、彼の人生を狂わせた「腐れ縁」の女とまた連絡をとっているらしい。 「そんな女、もうやめとけよ」そう俊也に諭す大地だったが、俊也の想いは理解ができるものではなかった。 サークルのあの子も、マッチングアプリで出会ったあの子も、幼なじみの俊也のことさえも、全然わからないーー そうもがく隼人がとった行動とは? <第3話 途方> 留年続きで三回目の大学二回生となってしまった和弘は、ついに両親にバレて学費を止められそうに。 気は進まないが実家に帰らなくてはならない――。 大学の喫煙所で出会った綾香が、なぜか和弘の帰省に付き合うと言い出し、一緒に海沿いの故郷に帰省することになった。 きっと二人なら。 大学に入ってからはずっと「何かが違う」と感じていた和弘。 過去と現実の間で揺れる、二人の逃避行が始まる。 <第4話 αを待ちながら> クラスメイトのAが自殺した。放課後、校舎の三階から飛び降りたらしい。 演劇部のBは、それから何故か脚本が書けない。空想の悲劇とは違う、本物の悲劇。 今まで書いてきた不幸な出来事について、自分は何を思っていた?  無自覚な残酷さについて思い悩むBは、非常階段でαと出会う。 どうやら、彼女もAの自殺について考えることがあるようでーー <第5話 逆三日月> 就職して2年半、不意に思い立った隼人は、サークルの後輩の大地と一緒に、大学の学園祭に顔を出した。 当時はあんなに馴染んでいた構内だったが、今は場違いな気配を感じるように。 いつまでも続くと思っていた学生生活が今となっては遠く、そして、当時は心に秘めていた自分に対する葛藤や悩みも、すっかり過去のものになってしまったと気がつく。 一方で、最近の大地は、最近の大地は、特別な女性との付き合いを続けているらしくーー
  • 蒼ざめた馬を見よ 【五木寛之ノベリスク】
    -
    Q新聞外信部記者の鷹野は、主幹から社を辞めてモスクワへ行くことを命じられる。ロシアの老作家・ミハイロフスキが、ユダヤ人家族三代の運命を描いた、未発表の長編小説の原稿を受け取り、世界で出版するために。政府の弾圧は免れ得ない代物だ。鷹野は現地で原稿の回収に成功し、『蒼ざめた馬を見よ』と名づけられた本は、日本や欧米で刊行され世界中の話題になる。ところがその3ヵ月後に著者が逮捕され、思わぬ真相が……。
  • 青空乙女
    -
    戦後日本の空に民間航空路が広がるなか、真木三枝子は時代の華となった客室乗務員として、家族を支えながら懸命に働いていた。機内で美しく立ち振る舞う三枝子を、息子の結婚相手として見初めたのは、建設会社社長の藤川。しかし、息子の重雄の意中の人も、かつて機中で見かけた三枝子その人だった。磁石の両極のように惹かれ合う二人だったが、その恋路と両家の前には、国際的な詐欺集団による事件の数々が立ちふさがる。新しい風景となった空の旅と猥雑な地上の世相が交錯し、戦後のエネルギッシュな息吹を伝える長編青春小説。
  • 青空に飛ぶ
    3.4
    中学2年の萩原友人は、伯母の住む札幌を訪れていた。学校での凄絶ないじめで心が折れた友人は、高いところから“青空に飛ぼう”と決意をしていた。そんなとき、伯母の勤務する病院に入院している佐々木友次のことを知る。佐々木は、太平洋戦争時、特攻隊に選ばれ9回も出撃しながら生還したという人物だった。「死ぬのが当然という状況で、どうして“生きよう”と思い続けられたんだろう」佐々木が所属した陸軍万朶隊の物語、そして佐々木自身の言葉を前に、友人の傷ついた心は少しずつ前を向きはじめるが……。
  • 青の呪い 心霊探偵八雲
    4.3
    ぼくは貴女のために 殺人犯になった 早朝の教室、呪われた絵画、先生の死体―― 一気読み!のち驚愕! 圧倒的筆力の青春×特殊設定ミステリー ☆☆☆ 殺人の朝、学校にいたのは君だった。 共感覚をもつ琢海は、“青い”声をした少女・真希と 呪われた絵を調べることに。 その矢先、美術室で先生が殺害される。 真希に関する秘密を抱えた琢海の前に、 孤高のクラスメート・斉藤八雲が現れ――。 累計700万部突破シリーズの異色作にして最高傑作!〈文庫書下ろし〉
  • 青葉の翳り 阿川弘之自選短篇集
    値引きあり
    -
    戦時中に青春を過した主人公は、学徒動員で海軍に入隊。戦友の多くが死んでいったなかで、現在も生きているのはほんの偶然の結果だという感覚に支配されている。戦後社会との違和に直面しながらも、生活者として中年にいたった現在を描く代表作「青葉の翳り」。他に「霊三題」「鱸とおこぜ」「野藤」「スパニエル幻想」「空港風景」「さくらの寺」と短篇的趣向の名品を収録。
  • 青髯殺人事件
    5.0
    医学部学生の康子が素人探偵役で事件を解いていく! 新聞記者と老刑事というワトソン役も用意してある、短篇連作ミステリー集。サラッと読ませる職人技が見事!
  • 蒼夜叉
    3.7
    青森のキリスト伝説の地で、男が十字架で首吊り死。それを冷然と眺め、闇に消えた謎の美少年。さらに京都、香川と怪事は続き、例の美少年が現われる。これらの地には必ず怨霊伝説が存在した。怨霊の跳梁、さらにソロモン秘宝の謎を秘め、話は核心へと! 壮大構想で興奮を呼ぶホラー傑作。(講談社文庫)
  • 降魔王
    3.3
    “偽りの救世主”vs.剣(はばき)杏之介! 書下ろし傑作ホラー! TVで生中継された政治家の転落死に不審を抱いた剣杏之介が行き着いたのは岩手県東和町。そこには不思議な霊力を持つ神社と理想的共同体「ドリーマー」を創設した美青年レンが待っていた。陰に蠢(うごめ)くのは神か怨霊か?名作「蒼夜叉」から3年、高野山で修業を積んだ剣が命を賭して闘う感動の長編! 〈文庫書き下ろし〉(講談社文庫)
  • 赤い蟷螂
    3.8
    赤い蟷螂を見た者には必ず災いが降りかかる。大学生・赤井雅彦の周りで飛び交う噂。あくまで噂だとたかをくくっていたなか、それに関わった友人たちが不可解な死を遂げる。次は自分ではないかと恐怖におののきつつも時は経ち、そのことを忘れかけていた頃、再び赤井の周りで不審な出来事が起こり始める…。
  • 赤い髪のミウ
    3.8
    1巻1,265円 (税込)
    不登校の僕は小6の春、「神が宿る島」にやって来た――。神秘の島を舞台に悩みを抱える子どもたちの成長と再生を描いた感動作!いじめを受けて不登校だった航は、小学6年生の春から「神が宿る」という沖縄の離島にある施設で新たな生活を始めた。そこで、ミウという赤い髪の少女に出会い、次々に不思議な体験をする!
  • 赤い殺意/罪な女
    4.0
    夫と子供の不在の一夜、強盗に踏みこまれた、一人の平凡な主婦と強盗との接点を、誰にでも日常的に起こり得る恐怖と描く心理サスペンス「赤い殺意」。貧しく不幸に生まれ、ただ一筋に男に尽くすしかない可愛い女を浮き彫りにする直木賞受賞「罪な女」。精細な心理描写の丹念な積み重ねと、定評のある女の情感描写の双方が響き合って、人間の哀しさと人間愛へと収斂されていく長短編の代表作を収録。
  • 赤い椿の花
    -
    椿の名所、菅多峠の観光路線は、急勾配の隘路続きで事故が絶えないため、トンネル工事の完成が待たれていた。麓の漁港、佐土浜にあるS交通バスの三崎義実は、運転手仲間も舌をまくほどの腕達者だが、黙々とハンドルを握る孤児の彼には、暗い過去の影がつきまとう。忘れ得ぬ女、市枝の面影を空しく追い求める彼の心に再生の灯をともしたのは、若い車掌、加江子の純愛だった。が、港祭りの日に市枝の姿を見かけたときから、彼の運転はすさんでいった。…… 田宮文学独自の冴えた抒情のうちに、生きることの真意を求めて描く長編力作。
  • 赤い猫
    3.7
    車椅子に坐ったままの富豪の老婆の家に、住み込みで雇われていた沼手多佳子は、老婆の死後、その全財産を遺贈された。幼い時母を殺された多佳子にとって、それは夢のようなことだったが……という日本推理作家協会賞授賞の名作「赤い猫」のほか、「白い部屋」「青い香炉」など、明るく生き生きとした6編の珠玉の傑作ミステリー小説集。車椅子の老婆から贈られた、莫大な遺産に秘められた秘密とは?
  • 赤い広場の女 【五木寛之ノベリスク】
    -
    テレビ番組の演出を務めてきた私は、番組の終了と同時に2週間の休暇を取ってモスクワへやってきた。早速、現地駐在の商社員である親友・朝見を訪ね市内を案内してもらう。翌日は朝見が用事があるというので、彼の婚約者・リューバが代わりをしてくれた。一通り観光をしたあと、私は彼女自身のことを訪ねた。するとリューバは、朝見の求婚を受け入れないという。彼女は乗り越えられないソ連とドイツの戦争の過去を引きずっていた。
  • 紅い水着の女
    -
    剛直で声が大きいけれど、めっぽう正義感と腕っ節が強い天川剛太郎は、都心の紡績会社で頑張る若手。湘南の海で出会った深紅の水着の女・涼子にひとめで心を奪われ、急速に距離が縮まるものの、さっぱり行動が読めない涼子嬢との一進一退の関係にほんろうされる。そんな二人の前に、腹にイチモツ抱えた面々が現れて、剛太郎は熱情とトラブルの渦に巻き込まれていく。長く波高い日々と純情がつむぐ、一途な恋の物語。
  • 紅い喪服 佐野 洋 推理傑作選
    -
    地方政界の大物政治家の夫人が死去し、葬儀の席に、真紅の喪服を着た女が現れ、参列者は度肝を抜かれた! 地元紙の記者はひそかに彼女のあとをつける……。はたして、この女の正体は? この表題作のほかに、「一等車の女」「冷えた茶」「穴」「拳銃を持つ女」「利口な女」「氷の眼」「仲のよい夫婦」「現代の貞女」「捨てられた女」「宣誓」を収録。
  • 赤い夢の迷宮
    3.5
    惨劇の同窓会の幕が開く――。ジュヴナイルミステリの第一人者が封印を解いた。ダークミステリ、衝撃作! 25年前、ぼくらは小学生だった。殺人鬼が出没する噂もあった街で、ぼくら7人は「やっておもしろいこと」を見せてくれる不思議な男OGの館に通った。地下室であれを見せられるまでは。OGからの招待状を受け取り、再会したぼくらは大人になっていた。7人を待ち受ける本物の惨劇。悪夢は始まっている。(講談社文庫)
  • 赤かぶ検事転勤す 赤かぶ検事奮戦記
    -
    われらが赤かぶ検事・柊茂(ひいらぎ・しげる)に、転任の辞令がくだる。今度の舞台は、下関そして萩。転任先には、美人才女の検察事務官が待っている。着任早々、新幹線の車内で1500万円入りの鞄を拾った赤かぶを、噴火口跡で発見された謎の死体が待ち受ける。奇妙な怪事件の連続する表題作はじめ、4編を収録した、傑作推理短編集。法廷をゆさぶる名弁舌!
  • 赤毛のアン
    4.5
    緑の切妻屋根の家、グリン・ゲイブルスを舞台に、 アンが大まじめで引き起こす大騒動が、みんなをしあわせに! 1952年、村岡花子によってはじめて日本に紹介された『赤毛のアン』。 親子3代で人気のある村岡花子の美しい訳が、邦訳70周年の2022年、これから読み継ぎたい改訂版となりました。 <中学生以上の漢字にルビつき>
  • 赤毛のアン
    -
    老兄妹にもらわれた赤毛の少女アンは、あふれる空想力のために何度も失敗や騒動を引き起しながらも、周囲の愛情と美しいカナダの自然に包まれて少女から乙女へと成長していく――愛情に飢えていた孤児の人間や自然との暖かい交流を描くことによって、生きることのすばらしさときびしさを謳った愛と感動の名作。サンケイ児童出版文化賞などを受賞した猪熊葉子の名訳でお届けします。
  • アカシヤの大連
    3.0
    故知れぬ憂鬱、抑え難い衝動のさなかに「甘美な死」への誘惑から「芳潤な生」へと導いた妻との出会い、そして父と子の細やかな交流の襞々に詩と散文とを織りまぜた独自の世界――「朝の悲しみ」「アカシヤの大連」「フルートとオーボエ」「萌黄の時間」「鯨もいる秋の空」の5部作に一つの青春とその後の生き様を追う。
  • アカシヤの大連
    3.8
    美しい港町、アカシヤ香る大連。そこに生れ育った彼は、敗戦とともに、故郷を喪失した。心に巣喰う癒し難い欠落感、平穏の日々の只中で、埋めることのできない空洞。青春、憂鬱、愛、死。果てない郷愁を籠めて、青春の大連を清冽に描く、芥川賞受賞の表題作。ほかに『朝の悲しみ』『初冬の大連』『中山広場』『サハロフ幻想』『大連の海辺で』の、全6編を収録。
  • 紅だすき無頼
    -
    公儀直参五百石・織部主膳の嫡男に生まれながら、義母との不和から余儀なく家出して5年、今では渡世人「顎外しの勘八」と異名のある信太郎が、ふとした奇縁で雨中に武家娘の危難を救ったが、それがまだ見ぬ許嫁のお雪だったとは……。という、可憐な美女のひとすじの恋慕絵巻をくりひろげる「紅だすき無頼」ほか、主君の悲哀を察して処女妻を残したまま放浪10年を送る武士の意地を描く「めおと春秋」、天下の剣豪競い立つ幕末期、甲源一刀流の若い剣士が男谷信友・高柳又四郎の情の鞭に鍛えられてゆく「剣客」。ほかに、動乱期に狂い咲く仇花を描いた「夜の花道」などを集めた傑作集。
  • 赤ちゃん誕生
    -
    男児か? 女児か? どんな赤ちゃんか? 第1子誕生を目前に、不安と期待に胸おどらす若夫婦を中心に展開するホームドラマーー「まるで貴重な壺みたいなものだ。よほど丁寧に扱わないと、こわれてしまう」……愛妻・美和子さんのふくらんだ下腹を見ながら、光男は禁酒・禁欲の決心を新たにする。初めての子供が生れるのだ。あとしばらくの辛棒である。ところが、5年前に別れた初恋の女性・歌代が、いまはスターとなって出現、彼の禁欲をゆさぶったり、ネズミのフンと杉苔を妊婦にのませると、頭脳明敏な男の子が生れると信じてやまぬ故郷の父が乗りこんできたり、三田家は臨月をひかえてもユーモラスな騒動がたえない……。軽やかに淡々と、家庭の笑いをふりまく林文学の異色作。
  • 暁の合唱(1)
    -
    進学するのを諦めた朋子は、突然、バスの運転手になるんだと言って、周囲を驚かせた。持ち前の果敢さで、バス会社に就職したが、トラブル続出。愉快なラブ・ロマンスと生きることの楽しさを謳いあげる! <全2巻>
  • 赤と白の賭け
    3.3
    ある日、見知らぬ老人から受けた招待、それは思いがけなくも復讐劇の始まりだった……。出世のため、ひたむきに愛してくれた娘を捨て、死に追いやった男への――。死を招く二者択一の恐怖を描く、サスペンスドラマ「赤と白の賭け」。ほかに「ひなの首」「悪漢追跡せよ」など、素人探偵活躍の6編を加えた、本格推理短編集。平々凡々の日常のなかに、ふと忍び寄ってくる7つの事件!
  • 茜さす日に嘘を隠して
    3.5
    1巻1,463円 (税込)
    『青く滲んだ月の行方』(青羽悠)と繋がる、共感度120%の青春小説。 <第1話 さんざんな朝> 就活生の皐月は、あるレコード会社の面接で「あなたを売ってください」という質問を受ける。 自分を商品にした時の魅力はなんなのか、うまく答えられず、落ち込みながら今日も1人反省会をする。 そんな中、大学の先輩のSNSで、恋人の浮気場面らしき写真を見つける。 社会人で、皐月の就活に興味がなさそうな彼とは、最近うまくいっていない。 自分の気持ちに正直に生きたいけれど、私だけが何にもなれずに取り残されてしまうのかーー? <第2話 砂が落ちる> 「好き」は終わりの始まりだ。 パパもバイト先の先輩も、彼氏も、マッチングアプリで出会った男の子たちも、みんなあたしの元からいなくなった。 わかっているはずなのに、大学2年生の愛衣は新たな誰かを探す衝動が抑えられない。 それはまるで、「いらない」と思われた自分を傷つけるかのようだった。 砂時計の砂が落ちていくように、人間関係にもタイムリミットがある。 それでも、と願う愛衣が出した答えとは? <第3話 手紙> 大学生の井ノ坂文は、SNSで人気のシンガーソングライター・ふみとして活動している。 活動当初から、自分の経験をひとつずつ切り出して楽曲を作っていた文は、誰かの「自分のための曲」を作ることはできても、楽曲を通して誰とも繋がれないことに不安を感じていた。 新曲の制作が進まずもがく彼女は、ふと男子高校生の自殺のニュース目にすると、彼のために曲を書こうと思い立ち――。 <第4話 あと一歩> 「男女の友情なんて成立しない」。 男同士、女同士だって、友情が成立しないことはあるのに、どうして男女の間だけーー? 智子が、愛衣と涼太と飲む場所は、ラブホテルが定番となっている。終電も気にしなくて済むし、いつでも寝られるし、お店で飲むよりも安く済む。恋バナをしたり、就活の相談をしたり、定番となった三人で飲む時間だったが、その中で智子はある思いを抱えていてーー <第5話 色を変えて> 大学4年、11月。まだまだ先が見えない毎日を送る皐月は、キャリアセンターで相談してみることに。「やりたい仕事が分からない」と打ち明けると、「自己分析」をしてみては、と勧められた。 面談を終えてスマホを見ると、サークル仲間の奈美から卒業旅行の誘いのLINEが。 自分がいることで気を遣わせるのも申し訳ない、と不参加と返信すると、奈美から電話がかかってきた。 「それでも私は皐月のこと、大事な友達だと思ってるよ」 友達って何なのか、そして、私って一体どういう人間なんだろうーー?
  • 赤の組曲
    -
    学生時代の知己・坂口秋男が、千草検事の許を訪れ、妻・美世の失跡を告げた。預金30万円が引き出され、伝言板に3つのゼロが記されてあった。一方、長野県・別所温泉の旅館に、赤いネグリジェを遺して消えた挙動不審の女は、美世らしい。失跡の謎に加え、美世の周辺の人間が、殺人者の手にかかり、事件は意外な展開をみせる。
  • 赤の女王の殺人
    3.0
    1巻1,980円 (税込)
    島田荘司氏絶賛! 第16回ばらのまち福山ミステリー文学新人賞受賞作! 市役所の市民相談室に勤務する六原あずさは、ある日、相談者の妻が密室から墜落死する現場を目撃してしまう。 被害者が死の間際に残した「ナツミ」という人物を追って、刑事である夫の具樹は操作を開始するが、その行方は杳として知れなかった。 一方で、あずさの元には不可思議な相談が次々と舞い込む。 施錠された納骨堂でひとつ増えた骨壷。高齢男性ばかりをつけ狙う怪しげなストーカー。 重なる謎の裏には、驚きの真相があったーー。
  • 赤の他人だったら、どんなによかったか。
    3.9
    1巻1,265円 (税込)
    ●朝日中高生新聞の大人気連載が待望の出版化!●「うつのみやこども賞」受賞作家の最新作●犯罪者と血がつながっていたら、どうしますか?隣町で、連続殺人事件が発生!中学2年生の風雅は、自分はその容疑者と親戚だと親から聞かされて、ひどく動揺する……。ある日、容疑者の娘が同じクラスに転校してくる。
  • 赤の他人の瓜二つ
    4.0
    1巻1,463円 (税込)
    血のつながっていない、赤の他人が瓜二つ。そんなのはどこにでもよくある話だ。しかしそう口にしてみたところで、それがじっさいに血のつながりのないことを何ら保証するものでもない。――私が初めてその男と会ったとき、そんな自問自答が思い浮かんだ。それほど男は私にそっくりだった、まるで記憶の中の自分の顔を見ているかのようだった。
  • 赤姫秘文
    -
    前田家の美貌の息女と瓜二つだったために、貧乏浪人の娘が遭う災難と冒険。赤城山の奥深くに、人知れず住む人たちの秘儀・赤姫秘文の謎と、それにまつわる奇譚を軸に、ふたりの美貌の女性たちの恋と欲とがないまぜになった、伝奇小説。
  • 赤ヘル1975
    4.2
    一九七五年――昭和五十年。広島カープの帽子が紺から赤に変わり、原爆投下から三十年が経った年、一人の少年が東京から引っ越してきた。やんちゃな野球少年・ヤス、新聞記者志望のユキオ、そして頼りない父親に連れられてきた東京の少年・マナブ。カープは開幕十試合を終えて四勝六敗。まだ誰も奇跡のはじまりに気づいていない頃、子供たちの物語は幕を開ける。
  • 赤レンガの御庭番
    3.0
    明治末期の日本――貿易の拠点として栄えた港町・横浜で起きる難事件を、美貌の青年名探偵が鮮やかに解決!
  • アガサ・クリスティー完全攻略
    4.8
    1巻2,871円 (税込)
    作品の魅力、そして作品を語ることの魅力を余すところなく伝える、英国ミステリの女王、アガサ・クリスティー全99作品評論集。読もう読もうとずっと思っていたのである。アガサ・クリスティーのことだ。 ミステリ評論家を名乗り、ミステリについて語ることでお金まで頂戴し、数千冊のミステリを読んできたというのに、クリスティーの作品をわずか七作品しか読んだことがなかったのである。――「はじめに」より抜粋
  • アガタ
    3.7
    1巻1,980円 (税込)
    「見えているのに見えないもの、それを捜すのよ」 オシャレすぎる女性警視が新米刑事に突きつけた言葉の意味は? 美大に通う女子学生が背中をめった刺しにされて殺された。しかし、指紋も足跡もなく、防犯カメラの映像も残っていない。警視庁の捜査一課に異動したばかりの青木一は捜査本部に呼ばれ、地元の有力者の息子がストーカーだったという噂を耳にして、無断で本人に接触したため管理官から大目玉を食らう。一方、鵜飼縣は警視庁本部庁舎の片隅であらゆる犯罪情報を収集分析して汎用性の高い検索システムを構築している。スタッフの桜端道が投資詐欺事件の情報をつつきまわすうちにたどり着いた謎の闇サイトには殺人現場の生々しい写真が。縣は秘かに美大生殺害事件の捜査の進み行きを探り始める……。 『脳男』の作者による規格外の警察小説の誕生!
  • 明夫と良二
    4.4
    磊落な浪人生の兄と、気立ての優しい中学生の弟。男の子二人のおかしみに満ちたやりとりを見守る姉は、間もなく嫁いでゆく。自然に囲まれた丘の上の一軒家に暮らす作家一家の何気ない一瞬に焼き付けられた、はかなく移ろいゆく幸福なひととき--。著者没後10年。人生の喜び、そしてあわれを透徹したまなざしでとらえた家族小説の傑作、初文庫化
  • 秋田さんの卵
    3.6
    1巻1,463円 (税込)
    K病院・内科病棟の十号室。謎の血尿で入院中、しかしそれ以外に取り立てて不健康なところのない木戸俊二は、同じようにヒマを持て余している内科病棟の患者たちと、他愛も無い世間話をして過ごしていた。そんな彼らの専らの話題と言えば、いまはもう廃止された“付添婦”の〈秋田さん(本名不明)〉のこと……。生と死が通り過ぎていく場所の、刹那的な日常を軽妙に綴った表題作ほか、幻の傑作「ボギー、愛しているか」を併録。
  • 秋と黄昏の殺人
    -
    「人が殺された。あなたのせいよ」……別れた妻からの突然の電話。放送作家の岩城浩平は、姿を消した元妻を探すが、何者かに襲われ、持っていた原稿を奪われた。残酷で淫らなビデオに映された「生け贄のイブ」という都市伝説の少女が、岩城を危険な迷宮へ引きずりこむ。愛と官能が渦巻く、長編サスペンス・ハードボイルド。殺人レイプ・ビデオに仕組まれた罠!
  • 秋の目玉
    -
    岬の家を離れて、城下町の親戚に下宿して中学へ通い始めた田口草夫は、すべてが新しく感じられ、毎日の生活の中で、たくましく成長していった。教師とのきずな、級友との交遊、少女への密かな思いなどを通して、青春の入り口にさしかかった多感な少年像を、さわやかに描く。名作「春の目玉」の続編。野間児童文芸賞受賞作品。
  • 秋山仁の落ちこぼれは天才だ
    3.7
    この本を読んだら劣等生も勇気百倍! 落第生よ、胸を張れ! ――授業にはついていけない。成績はビリから2番目、受験も失敗した……。 しかし、若き日の名物数学者は絶対に夢を捨てなかった。なんとしても数学者になりたい! と、コツコツ努力を重ねて、数学の道を歩み続けた「天才」秋山仁氏の半生記。どんなに落ちこぼれていても夢を持ち続ければ、いつか必ず成功できる!
  • 阿Q正伝・藤野先生
    3.4
    「人が人を食う」ことを恐怖する主人公の、「子供を救え」の叫びとともに、封建制度・儒教道徳の暗黒を描く「狂人日記」。革命のどさくさの中の阿Qの死と悲喜劇を通して、「革命と民衆」を鋭くつく「阿Q正伝」。ほかに、「孔乙己」「酒楼にて」など。辛亥革命前後の混乱期に、敢然とペンを執って立ち上がり、中国近代文学を切り拓いた魯迅が、時代の苦悩と不屈の精神を伝える13篇の名作。魯迅を読まずして中国を知ることはできない。
  • 悪意のきれっぱし
    -
    透視能力を授かった未亡人の性と哀しい運命(「死ぬほど愛して」)や、天才雀士の「眼力」の隠された秘密(「片眼の男」)など、奇妙な味の小説がたくさん。それは「センスとユーモアと恐怖と、そしてプラスアルファ」の魅力のアマルガム。――このジャンルの名手が、つぶよりの10短編の不思議な世界を贈ります。恐怖と笑いとエロチシズム、心の奥底に潜む願望と不安をえぐり出す傑作選!
  • 亜空間不動産株式会社
    -
    新ジャンルのハ-ドビジネスSF――アッと驚く広大無辺の土地が、ある日、偶然ぬれ手に粟のロハで、一介の不動産屋の手に入った。だがこれは、常識的にはあり得ぬはずの亜空間なのだ。が、これを現実のものとして、しかも現行法の枠内で合法的に売って大儲けしたい! 苦心惨憺の末に考え出した奇想天外なその方法とは? ストレス解消、スリル満点、機略縦横の、スーパー・ロマン。
  • 悪女軍団
    -
    息つく暇もなく展開されるセックス・アンド・バイオレンスの強烈シーン――。堀越組組長の堀越軍次を殺された妻の涼子と娘の真紀・昌子たちは、豊満な女体を武器に、つぎつぎに真犯人を責めたてる。燃え上がる官能と立ちはだかる巨悪の接点に、恐怖の叫びと快楽の呻きが飛び交うのだった。「儀式は終りよ。さあ、送ってあげるわ。地獄に」……。女の秘密兵器で悪魔の城に突撃し、美貌のママと娘たちが演じる死とエロスの復讐物語。巨悪に鉄槌を!
  • 悪女の玉手箱 告発弁護士シリーズ
    -
    絶対不利な状況に猪狩文助が立ち向かう――奇妙な小箱を手に、老弁護士・猪狩文助のもとへ、瓜実顔の美女が現れた。中には、人の目玉と局部が! 依頼人の森本浜枝は、「開けるな」という警告文を破ってしまったのだ。実業家の夫は、失踪中。鬼の三平こと三岡署長により、浜枝は猟奇事件の容疑者として勾留される。猪狩は依頼人を救えるのか!?
  • アクナル・バサックの宝
    -
    ギメル、そこは悪人だけが住む星。全宇宙の極悪非道な犯罪者がここに送られ、送られたら最後、容易に出ることはできない。しかしこの星には、アクナル・バサックの埋めた宇宙最大の巨宝があるというのだ。とある日、「絶星」の美女が、この悪人の星に乗り込んで来た! という表題作のほかに、「復讐のギャンブラー」など異色4短編を収録。
  • 悪人志願(上)
    -
    生まれながらの巧みな弁舌で、郵便局の養子に収った番匠銀之助は、家付きの姉妹をものにすると、もう次の悪事に想いを走らせる。代議士の姪・路子の征服――この娘を俺の出世に利用しないわけにはいかぬ……。悪事のプランは夜床の中で、塩煎餅を齧りながら思案する。やがて、銀行を舞台に籠抜け詐欺で得た大金で、汽船会社を乗取り、ボロ船で保険金を搾取し……。20歳を過ぎたばかりで、もう一流実業家気取りの彼は、関東大震災すら、自らの色と欲に悪用した。市内の用地略取に始まる軽井沢と箱根の土地買占めである。欺瞞に満ちた銀之助の半生を描く長編悪漢小説、上下2巻。
  • 悪の公式
    -
    赤石定造は、香港で人を買った。定価1円。彼はその男に500ポンドの保険をかけ、阿片を吸わせ女を抱かせることによって彼の精力を涸らし、1週間めに殺すことに成功した。保険金で定造は教会を建て、カトリック信者を装いながら、教会を阿片と売春の巣窟に作りあげた。こうして手始めの「銭」を掴んだ定造は、貿易商社を設立して帰朝し、KK赤石を造りあげ、悪の公式、つまり殺人・脱税・不正輸出などなどによって、あくなき「銭」への欲望を果していく。しかし「悪の公式」は、やはり万能の公式ではない……。「銭」を得るために手段を選ばぬ資本主義の公式を鋭くあばく、長編悪漢小説。
  • 悪の五輪
    4.0
    1963年3月21日、翌年の東京オリンピック開催を前に、公式記録映画の監督を務めることになっていた黒澤明が降板した。博打をしのぎにしている白壁一家の人見稀郎は、親分からの指示を受け、中堅監督の錦田を後任にねじ込んで、興行界に打って出るべく動き出す。オリンピック組織委員会には政治家、財界関係者が名を連ねており、その下には土建業者や右翼、ヤクザ、さらには警察までもが蠢いており、あらゆる業種が莫大な利権に群がっている。稀郎は記録映画の監督選定に権限を持つ委員たちの周辺を洗い、金や女を使って言うことを聞かせようとする。東京が、日本が劇的に変貌を遂げた昭和の東京オリンピックをモチーフに、現代エンターテインメント小説の旗手が放つ、長編社会派クライムノベル。
  • 悪の扉(上)
    -
    素人投資家をはめていく大証券会社。大衆投資家時代の罠と欲望……。金富証券の若手営業マン・古橋実は、社命どおりに株を売りまくり、顧客の主婦・森本美津子を破滅させ、告訴される。美津子の弁護人は、「法廷荒らし」の異名をとる老獪な猪狩文助。猪狩は、大証券会社の手口をつぎつぎと暴いていくが、公判中に意外な事件が起こる。株の世界の表と裏を克明に描く、長編法廷推理。<上下巻>
  • 悪の紋章
    -
    小菅刑務所の門を2年ぶりで出て来た稲村清一は、やさしく頬をなでるシャバの風に逆らうように、ペッと唾を吐いた。「悪徳警官」のレッテルを貼られ、麻薬運搬の罪に服した彼は、完全に無実だった。彼は復讐の鬼になっていた。自分を裏切った妻との憎悪の再会、「共犯者」だった男の突然の死、謎の乗用車の追及などが、すこしずつ真相を語りそうになりながら、しかし、事件の背景は複雑にひろがり、政界・財界の大立物の身辺につながって行く。名作『私は貝になりたい』の作者が、新風の文体で現代の悪の姿を描いた本格的な長篇推理小説である。
  • あくまでも探偵は
    3.6
    1~2巻825~880円 (税込)
    この優等生、危険――! 「謎を解けば、金になる」 「悪党が這いつくばるのは気分がいい」 そんな彼の相棒候補は――平凡な僕!? クールでPOPな高校生バディ、令和の青春ミステリはここから始まる! ☆☆☆ 「森巣、君は良い奴なのか? 悪い奴なのか?」 平凡な高校生の僕と頭脳明晰、眉目秀麗な優等生・森巣。 タイプの違う二人で動物の不審死事件を追いかけるうちに、僕は彼の裏の顔を目撃する。 その後も、ネット配信された強盗と隠された暗号、 弾き語りする僕に投げ銭された百万円と不審なゾンビ、と不穏な事件が連続。 この街に一体何が起こってるんだ!? 令和の青春ミステリの傑作!
  • 悪魔と呼ばれた男
    4.1
    1~2巻968~990円 (税込)
    累計700万部「心霊探偵八雲」完結後、 神永学が送る 新たなヒーローは、 この男だ――! 警視庁特殊犯罪捜査室所属・阿久津。 彼の掌は、悪を摘む。 ☆☆☆ 悪魔が刻む逆さ五芒星は、死の証――。 警視庁に新設された特殊犯罪捜査室。 配属された天海志津香は犯罪心理のスペシャリストとして、 捜査一課のエース・阿久津と、通称〈悪魔〉による連続殺人を追うことに。 続発する猟奇事件の裏側に国政をも揺り動かす巨大な陰謀が……。 一気読み必至の神永マジックに刮目せよ!
  • 悪魔の審判
    4.0
    1巻2,090円 (税込)
    ミステリー界「無冠の帝王」が放つサイコサスペンス 闇を葬るために、闇になれ。我が身を顧みず人を守る男がここにいる。 カニバリズム、白骨化死体、議員自殺、カルト宗教団体・・・止まらぬ最悪事件の連鎖。自らを悪魔に貶める男と悪魔に縛られる者たち、最後の闘い。腐敗隠蔽止まぬ大組織と、孤立無縁の「特殊犯罪捜査室」。この「悪魔」は事件に引き寄せられるのか、自ら事件を呼ぶのか? 誰かの苦しみを共に苦しむことは、人間が人間であるからこそ生み出されてしまう悲劇であると同時に、希望にもなり得る。 これまでとこれから繋ぐシリーズ最大の転換点の作品。悲劇と希望と戦いはどのような決着を見せるのか?ーライター吉田大助
  • 悪魔のパスワード
    -
    コンピュータ学者が自ら挑む、近未来を予見した、本格コンピュータ犯罪小説の決定版。自力でコンピュータ「悪魔一号」に魂を吹き込んだ杉本は、情報の支配者・総合情報網GINSの心臓部に侵入した。そして、化物のように君臨するGINSのコンピュータを手なずけることに成功したのだ。そして恐るべき計画を立てはじめた……。迫り来るコンピュータ犯罪の恐怖!
  • 悪魔のラビリンス
    3.7
    完全な密室状態の寝台特急で女の惨殺死体が発見された。走行中の列車から消えた魔術師が疑われたが、杳(よう)として行方は知れない。警察の捜査が混迷を極める中、魔王ラビリンスを名乗る人物から名探偵・二階堂蘭子に挑戦状が届いた。三度(みたび)起こる驚愕の事件。犯人の目的とは。魅惑的な謎に満ちた傑作本格推理小説。(講談社文庫)
  • あくむ
    値引きあり
    3.0
    1巻220円 (税込)
    盗聴をはじめてしまった男、両眼を包帯で巻かれた画家、特殊な出生の夢を見る男……。夢か現実か、その正体を掴ませぬまま鮮やかな手腕で語られる傑作短編集。井上夢人としての短編デビュー作「ホワイトノイズ」を含む、5つのホラーストーリー。収録作品「ホワイトノイズ」「ブラックライト」「ブルーブラッド」「ゴールデンケージ」「インビジブルドリーム」。(初版:1993年6月25日集英社より発行/集英社文庫)
  • 悪霊の午後(上)
    4.0
    1~2巻660円 (税込)
    現代の魔女・南条英子の妖しい魅力を描く長編サスペンス。交通事故で夫を亡くした若く美しい未亡人に魅せられる男たち。作家・藤綱は、英子の夫の事故死に疑問を抱き、不可思議な事件の糸をたぐり寄せて、戦慄する。彼女のつつましやかな昼の素顔の下に隠されている魔性とは……。遠藤文学の異色作。<上下巻>
  • 悪霊の館
    3.9
    二階堂蘭子に迫る最大の危機! 黒魔術的装飾に満ちた、二重鍵密室の首なし死体。邪悪な殺意を暴け! 二階堂蘭子、決死の挑戦――不気味な逆五芒星の中央に捧げられた、二重鍵密室の首なし死体。邸内を徘徊する西洋甲冑姿の亡霊。資産家一族の住む大邸宅で、黒魔術のミサを思わせる血みどろの惨劇が続く。当主はなぜ警察の介入を拒むのか? そして、「呪われた遺言」に隠された真実を追う名探偵・二階堂蘭子にも、ついに殺人者の魔の手が迫る!
  • 明智小五郎全集
    4.0
    もじゃもじゃの髪をかきむしり、難事件を鮮やかに解く、名探偵・明智小五郎。『D坂の殺人事件』でデビュー以来、乱歩の本格推理や少年ものに登場、天才的な推理力で絶大な人気を獲得する。本書は、近代的名探偵の代名詞でもある明智小五郎が関わった全短篇に、未刊行の脚本『黒手組』を加え、名探偵の独特のイメージと魅力を多面的に再現するユニークな本。名探偵の活躍ぶりを、この1冊に凝縮させた、ファン待望の傑作集!
  • 明けゆく島々
    -
    瀬戸内海の島に駐在することなった保健婦の俊子。懸命に島の人々の健康を守ろうとするが、島の風習とは対立してしまうことも多い。そういう島ならではの事件を経験しながらも、奮闘して成長する。『Dr.コトー診療所』などにも通ずる、僻地医療作品の傑作。
  • 朱を奪うもの
    値引きあり
    -
    女性としての自立、性・喪失・生を描く現代女性必読の名作。女性としての喪失感に荒寥とした思いをする主人公。幼児から祖母の物語の世界に生きた滋子の人生の歩みは、やがて青春期にかけて、家を出て自立したいという強い思いへと変っていく。結婚さえも、人生のスプリングボードとして考え、自分らしく生きようとする女性を描いた、円地文子の代表作。谷崎賞受賞作『朱を奪うもの』3部作の第1部。
  • 槿

    槿

    4.0
    男の暴力性を誘発してしまう己の生理に怯える伊子(よしこ)。20年も前の性の記憶と現実の狭間で揺蕩う(たゆたう)國子。分別ある中年男杉尾と二人の偶然の関係は、女達の紡ぎ出す妄想を磁場にして互いに絡み合い、恋ともつかず性愛ともつかず、「愛」の既成概念を果てしなく逸脱してゆく。 濃密な文体で、関係の不可能性と、曠野の如きエロスの風景を描き切った長篇。谷崎潤一郎賞受賞。
  • 朝霧・青電車その他
    値引きあり
    2.7
    16歳での懸賞小説当選作(「活版屋の話」)。18歳の懸賞脚本当選作(「出産」)。19歳の時の文壇出世作「黒い御飯」。早熟の才能明らかな最初期から、第2回横光賞「朝霧」や、「花火」「青電車」に到る、永井龍男の短篇の精髄。「往来」「胡桃割り」「ある夏まで」など、14篇の秀作群。後年の短篇の冴えを予感する短篇世界!
  • 浅草ロック殺人事件
    -
    美少女の踊り子が、劇場の奈落で、マネキン人形にされて死んでいた。猟奇的殺人事件! 彼女は、二枚目俳優・谷山に夢中になっていたらしい。女たらしで知られる谷山を怪しいとみた人気探偵作家・香川幻夢と編集者・宇都木は、愛人・谷山の身辺を見張るうちに、幻のような第二の殺人事件を目撃する! 古き良き昭和初期の盛り場・浅草を舞台に展開する、レトロ情趣あふれる異色本格推理長編。踊り子をめぐる猟奇殺人の真相は?
  • 東海道新幹線殺人事件
    4.5
    新横浜-小田原間ですれ違った新幹線「のぞみ」と「ひかり」から、ほぼ同時に頭部切断死体が発見された。だが事件の異常さはそれだけにとどまらず、頭部が互いにすげ替えられていたことが判明する。死体の上にあった「鬼は横道などせぬものを」という血文字のメッセージが意味するものとは? 創作意欲を掻き立てる刺激を求めて、放浪を続ける人気ミステリー作家・朝倉聡太が難事件に挑む!
  • あさ潮ゆう潮
    -
    波静かな瀬戸内の海の自然を背景に、巡航船「セト丸」で一緒に高校に通った仲良しグループ「セト丸組」の友情を描く!
  • アサッテ君(1)偉大なる家族の巻
    -
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 絶妙のユーモアでサラリーマン家庭を描く!――家族を愛し、もちろん仕事もそれなりに愛している我らが良き隣人アサッテ君。御同輩と同様に、気楽そうに見えてもけっこうタイヘンな毎日を過ごしております。平凡なサラリーマン一家をとりまく平凡な日常を、絶妙のユーモアで描きながら大庶民の本質を鋭く浮かびあがらせる東海林さだおの傑作4コマ第1弾。
  • 明後日の手記/泥の世界 【小田実全集】
    -
    1巻1,100円 (税込)
    戦争によって、回復不可能なほどに深く傷ついた魂を抱き、闘いながら生きる10代の高校生群像を描いた『明後日の手記』は、著者17歳の処女作。主人公とその家族、そして観念と現実の距離に身もだえする若者たちの世界を、早熟な才能と筆力によって活写した。『泥の世界』は、1965年頃、掃き溜めのような大阪と瀟洒な芦屋に住む中年男たちの、一見平和で幸福そうな日常生活の裏側に潜む荒涼たるニヒリズムの謎が、「難死」と「特攻隊」の経験であったことを解き明かす思想小説。
  • 朝な朝な
    -
    女流評論家の高輪薫が海外旅行中、ローマに留学している一青年から故国の一女性への贈物を預ってきたことから、幸福をもとめるその女性の運命がひらけて行く――華道創美流の機関誌「創美」の編集部につとめる仙波雅子は、母のつよい希望で掛川昇と見合するが、初恋の人・松尾三郎の愛情を確めたことから、周囲の人びと、とくに副編集長・石井志奈子などの鞭撻で、幸福をつかみとる……。華麗なフランス情艶絵画をくりひろげるような愛欲を描いてベテランの作者が、仙波雅子の愛と行動のうちに現代娘の一典型を、ヨーロッパ帰りの女流評論家・高輪薫の眼をとおして描く大作。
  • 朝はひとりが一番いい
    -
    愛の名残りをいとおしむ女たちの多彩な朝。一人で生きていても、恋愛の似合う女がいる――「君は、いつでも一人で生きている女だよ」そんな女、いるはずないと、心では思う。でも、一人で起きる朝も悪くないと思えてきた……。芸能界に生きる女と、プロスポーツに力を注ぐ男との、ふとした出会い。あわただしく逢って別れる、現代の男女の恋愛を、乾いたさりげない優しさで描く、著者初の恋愛小説集。
  • あさひは失敗しない
    3.3
    1巻1,408円 (税込)
    あさひの母親は、心配事をあらかじめ避けたり、小さくしておいたりしてくれる人だった。 不安な時には「あさひは失敗しないから」というおまじないをかけてくれた。 そのおまじないはいつしか呪縛になって―― 大好きだったお母さんとも、大学での友達ともうまくいかなくなり、追い詰められたあさひがとる衝撃の行動とは? 第61回メフィスト賞受賞作家、待望の第二作目!
  • あさま山荘銃撃戦の深層(上)
    3.7
    1~2巻743円 (税込)
    親友が書きつくす赤軍幹部の素顔! 「あの事件の吉野と、私の知っている吉野のあいだには、あまりにも大きな落差があった」――1972年、日本中を震撼させた連合赤軍。その幹部に吉野雅邦という男がいた。小・中学校の同級生で、事件直前まで吉野と家族ぐるみで親交を深めていた著者が、事件後の往復書簡を含めて、その心の遍歴を辿りながら、裁判記録や関係者からの聞き取りを重ねて、かつてないアプローチで「あの事件」に迫る! <上下巻> ※本書は2003年4月、小学館より単行本として刊行されたものに、その後、新たに発掘された資料・インタビューなどを加筆、全面的に構成し直して上下に分冊したものです。
  • 朝を待つ女
    -
    澄子を見たとたん、欲望が爆発した。なんのために、わしは生きてきたんや……。黒い肌に清潔さを匂わせ、妖しい魅力を発散する、アルサロの女。戦後の落し子という、暗く佗しい運命に訣別し、新しい朝を待ちながら、男を狂わせずにおかない「悪女」の肖像を描く表題作、ほか5編。黒岩重吾の才腕を示す、多彩な異色短編集。愛とサスペンス。
  • 明日の朝、観覧車で
    4.0
    夜明けまで、まだ100km。私が変わるまで、あと30時間。歩き続ける、青春小説!夜通しかけて100kmを歩く催しに、一人で参加した高校生のみちる。完歩の自信もなく、早々にリタイアしようとした時、謎かけのような言葉で自分を励ます初老の男性と出会う。その人と歩くうち、脳裏に浮かんできたのは、ある事故をきっかけに変わってしまった家族のこと。『100km!』改題。
  • 明日の色
    -
    きっといいことあるんだよ、絶対に。スカイツリーの町で生まれ育った吾郎。低額宿泊所の所長だったが、社長と喧嘩してクビ。バツイチで、可愛い息子にはほとんど会えず、元妻は再婚するという……。多難な毎日だけど元ホームレスの青年・魁多に絵の才能を感じて、ギャラリストになろうと決意した。めげない男の奮闘が痛快・爽快な下町人情物語!
  • あしたの貌
    -
    雑誌業界の競争の陰でうごめく、男女の野望と愛。捨てられた女の決心とは? ――女性雑誌で活躍中のスタイリスト・北山麻生が失踪? 彼女は、恋人のカメラマンと沖縄へ撮影に行ったはずだった。ところが、妹・リツ子が調べると、姉は初めから撮影に参加していないし、恋人ともうまく行っていなかった。そして、事態は意外な展開を見せ……。雑誌業界の激烈な競争と愛の表裏をからませたサスペンス秀作。
  • 阿修羅
    4.3
    知彦の妻、実佐子に明らかな異変が現れたのはハワイの旅先であった。夫にもまったく知らない顔を見せる実佐子。急遽旅先に診療にむかった主治医杉本は、ついに解離の症状が本格的に現れたと診断する。自由奔放な知美、落ち着いた情緒の絵里・・・・異なる性格が現れる解離性同一性障害(DID)という、現代を象徴する難しい病理に切り込み、トラウマや記憶の奥から浮かびあがる心の闇に光を当てる意欲作。(講談社文庫)
  • 亜細亜新幹線 幻の東京発北京行き超特急
    3.0
    新幹線の夢を紡ぎ続けた男たち! その壮大な構想の全貌を描く――太平洋戦争の前夜、東海道から下関へ、さらに日本海海底トンネルを経て大陸と結ぶ、通称「弾丸列車」計画が着工されていた。戦争の激化に伴い、工事は中断され、挫折したのだが、構想は昭和39年、東海道新幹線として見事に甦った。広軌高速鉄道に賭けた島安次郎・秀雄親子らの、夢と情熱を追うノンフィクション。新幹線のルーツに迫る!
  • チェンマイの首
    -
    堂田将司は、米上院議員マッキャノン二世の主宰する秘密情報機関の日本拠点員である。東京・赤坂の路上で焼殺事件に遭遇した彼は、首なし死体の謎を追ってタイへ飛ぶ。灼熱のタイ王国を巻き込む、前代未聞の大陰謀とは? アジアの動乱と変革を鋭くえぐる、国際情報小説・第1弾。木枯し紋次郎から国際派俳優へ進み、今もテレビで活躍中の良識派知識人が描いた、本格ハードボイルド作品。
  • アジアの旅人
    4.0
    とろりとした熱気に包まれて、路地裏の屋台でボーッとする幸せ! ふと眠気に誘われた旅人は、豊饒(ほうじょう)なるアジアの地で、しばしまどろむ。楽園・バリの哀しみ、旬の国・ベトナムの元気、幻のヤシ酒をめぐる冒険、せつなさと怠惰に酔いしれたバンコク留学の日々……。変わりゆくアジアの昨日・今日・明日を描く! ひたすら歩いて見て触ったアジア。アジアの知恵と豊穣を伝えるトキメキの旅読本!
  • アジアの誘惑
    4.1
    夕暮れどきに、アジアの街に着く。肌が、熱帯のとろりとした空気に包まれ、肩の力が、スーッと抜けていく。忙(せわ)しかった日常の垢も、溶けていく。日がな一日、茶屋で人々を眺めたり、あてもなく街をぶらつく。怠惰に過ごすという快楽! 貧乏旅行の達人が、アジアの旅の魅力と極意を綴った、痛快・愉快・トホホな旅読本。日本に疲れたら、おいでよ、君も、アジアの街に……のんびり、ゆっくり、アジアの街を泳ぐ!
  • アジアへごはんを食べに行こう
    4.0
    タフでなくても生きていける!? アジアで学んだシンプル生活。アジアの台所で覚えた美味しいごはん。身体を気持ちよくする、ふだん着の暮らし――私の元気の素は、ごはんです! いちばん好きな場所は、台所。タイ、マレーシア、インド、ネパール……力を抜いて自然に生きる大切さを、アジアの旅で学んだ。身体に優しい食べ物、モノを増やさない工夫。そう、バックパックの旅を同じように暮らせれば、最高。アジア的シンプル生活のヒントが満載!
  • あじさしの洲 骨王
    値引きあり
    -
    叔母の悲しみとそれに寄り添う少年の想いが原初的風景へと還元される名品「あじさしの洲」、旧約的世界を背景に、部族王の誕生とその最期を、心象の劇として描いた「骨王」、読売文学賞受賞作「ハシッシ・ギャング」等、初期作品から近作まで11篇を収録。簡勁な文体で人間の原質を彫琢し、影の暗示力が、生と死の流転の相を炙り出す。小川文学の魅力をあますところなく示す自選短篇集。
  • アスクレピオスの断罪 Condemnation of Asclepius
    3.8
    1巻1,881円 (税込)
    医師が殺された。被害者は三年前に起きた強姦事件の加害者の一人。殺された医師が拷問とも思える傷を受けていたことが分かり、捜査一課の陽山承と真壁剛は、解剖医である楠衣春の協力を得ながら事件の真相を追う……。
  • 明日なき巡礼たち
    -
    おれを左遷したヤツはだれだ? 左遷を画策した「犯人」を追う、長編サスペンス。D薬品の有能なプロパーである立槍は、創業者会長の縁戚の娘と見合したが、愛人の存在を理由に破談の上、九州転任を命じられる。辞表を出した彼は、総会屋の部下になり、見えない敵に復讐を誓う……。サラリーマン社会に渦巻く、飽くなき人間の欲望と闘いを鮮やかに描く、サスペンス力作。
  • 明日なき身
    4.5
    離婚を繰り返し、生活に困窮して生活保護と年金で生きる老人の日常の壮絶。高齢化社会を迎えた今、貧困のなかで私小説作家は、いかに生きるべきか……。下流老人の世界を赤裸々に描きつつも、不思議に悲愴感はない。自分勝手なダンディズムを貫き哀感とユーモアを滲ませる、二十一世紀の老人文学。
  • 明日なき者への供花
    -
    メルヘンなき現代に起りうる夢を孕んだ物語。就職浪人、女房に逃げられた中年男、部下の不始末でクビにされた窓際男の三人組が、日本最大の組織暴力団の跡目相続争いに巻き込まれた女子大生と知り合ったことで人生が変わる。姫を護る現代の三銃士が凶悪なヤクザと戦ううちに、見失った生きる目的を再び見出していく現代のメルヘン・ミステリー長編。
  • あすなろ三三七拍子(上)
    4.3
    1~2巻726円 (税込)
    藤巻大介、四十五歳、総務課長。ワンマン社長直命の出向先は「あすなろ大学応援団」!? 団員ゼロで廃部寸前の『団』を救うため、大介は特注の襟高学ランに袖を通す決意をする。妻と娘は呆れるが、社長の涙とクビの脅しに、返事は「押忍!」しかありえない。同い歳のOBにシゴかれて、学ラン姿は街中の笑いもの。しかし『団』を復活させなければ、会社に彼の席はない。団旗を掲げ太鼓を叩き、オヤジ団長・大介、全力疾走!
  • 虚の聖域 梓凪子の調査報告書
    3.4
    1~2巻1,771~1,881円 (税込)
    元警察官にして探偵・梓凪子に舞い込んだ依頼は最悪のものだった。理由はふたつ。ひとつは、捜査先が探偵の天敵とも言える学校であること。もうひとつは、依頼人が、犬猿の仲である姉の未央子であること。大喧嘩の末、凪子は未央子の息子・輝也の死を捜査することになる。警察は自殺と判断したにもかかわらず、凶器をもった男たちに襲撃された凪子は、事件に裏があることを確信するが――。
  • 畦と銃
    4.5
    “最強の農夫”、“樹上で叫ぶ少女”、“絆で結ばれた牧童たち”が、破壊された農地、山林、牧場を再生すべく蜂起する!!――地図から消えたところで、ミナギの魂は死にはしねえ。怪童・真藤順丈が呼び醒ます、あまりにも力強く、心強い消滅の物語。

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