歴史・時代作品一覧

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  • 龍馬は生きていた
    4.0
    著者が、およそ10年をかけて積み上げてきた、全国各地に残された史片や伝説、伝承を繋いで、紡ぎ出す“もう一つの維新物語”――。 1867年11月15日、京都・近江屋で暗殺されたのは、じつは坂本龍馬と中岡慎太郎の影武者だった。暗殺をかわした2人は討幕派の王政復古を阻止し、「翔天隊」を率いて、第3次長州征伐の休戦に奔走する。「生きていた」龍馬のその後とは。 坂本龍馬没後150周年におくる、歴史が10倍面白くなる本格的歴史シュミレーション小説。
  • 覇者の戦塵1945 戦略爆撃阻止
    4.0
    第三〇二航空隊の夜間戦闘機「極光」は駿河湾にてB29と交戦。日中の高高度という不利な条件下ながら、空中雷撃による敵機の撃退に成功した。一方、上海の日本軍海兵隊司令部に中華民国政府高官・閻烈山将軍が接触を求めてくる。日本の存亡に関わる重要機密を知るという彼の目的とは? 緊迫する世界情勢の中、厚木基地を発進した艦上偵察機「彩雲改」が敵信を傍受。戦略爆撃を狙う米艦隊の偵察に踏み切るが、そこに新たな敵影が……。押し寄せる米軍から、本土を防衛することはできるのか。戦局はいよいよ佳境へと迫る!
  • つばき
    4.0
    つばきは、深川に移り住み、浅草で繁盛していた一膳飯屋「だいこん」を開業した。評判は上々だが、「出る杭は打たれる」とばかりに、商売繁盛を快く思わない者もいた。廻漕問屋「木島屋」から、弁当を百個こしらえてほしいという大口の注文を受けたのだが……。浅草とは仕来りの違う深川に馴染もうと、つばきは奮闘する。祭の興奮と職人たちの気概あふれる深川繁盛記。
  • 町人若殿 左近司多聞
    4.0
    神田紺屋町の呉服屋「天満屋」筆頭手代、左近司多聞――。女客はみな目をトロンと潤わせる、役者にも見紛う色男である。しかもなにを隠そう、身分はれっきとした士分で、さる大名家の落とし胤であった!なにゆえ若殿さまが町中に舞い降りたのか。母御が徳川家親藩の五男坊以下、部屋住みである多聞を見かね、大店の手代に据えたのだ。不遇ではあったが、同じ境遇の親友もいた。寺社奉行に出世九郎右衛門と、町方同心となった錦之丞である。そして実の兄弟より堅固な契りを結んだ幼馴染み同士が、各々の立場で立ち回り。三人寄れば無敵の衆、とばかりに、ふりかかる色恋沙汰、身に迫る事件を一致団結、両断する!江戸の男女の生きざまが快活に描かれる、期待の新シリーズ!!
  • 女が、さむらい
    値引きあり
    4.0
    近頃、男が弱くて仕方がない――平和が続く江戸で千葉道場の筆頭剣士となっていた秋月七緒。長州藩邸用人の娘である彼女は、親に強制された縁談の席で強盗事件に遭遇。犯人を成敗し、瀕死の男・猫神創四郎を助ける。惹かれ合う二人だが、猫神の正体は、徳川家に不吉を成す刀<村正>に纏わる密命を受けたお庭番だった。江戸では、刀に関する事件が頻発しており……。強く美しき剣士と、剣術を失った腕利きお庭番の出会いが波乱を巻き起こす。これが風野真知雄の真骨頂!
  • 賢帝と逆臣と 康熙帝と三藩の乱
    4.0
    史上最高の名君にして政(まつりごと)の俊才の英知と決断! 北京に都して二十年足らず、後の大清帝国も未だ国定まらずであった時代。聡明な康熙帝は巧みに宮廷を掌握した後、国土南方に独立国家の如く存在する三つの藩廃止を決める。その最大の実力者、呉三桂は叛き大乱が始まる。若き皇帝と年老いた梟雄の心中に去来するものは? 清朝繁栄初期を見事に描く中国歴史小説。
  • 悪道 五右衛門の復讐
    4.0
    名君の道を歩む影将軍を護衛する、伊賀忍者の末裔・流英次郎とその一統には、安寧は許されない。将軍の城外微行の途上、大道芸人の「叩かれ屋」が客に首を斬り落とされる。大店が襲われ、大川に骸が浮かび、凄腕の剣客が跳梁する。そして浮かび上がる石川五右衛門の影。徳川の世になって百年、豊臣一派の大名の多くは改易され、遺臣らは浪々の身を余儀なくされている。怨嗟の矛先は影将軍に向かうのか。英次郎たちの死闘が始まる。【解説入り】
  • ちょっと徳右衛門 幕府役人事情
    4.0
    八十石取りの与力・浜野徳右衛門32歳。日々のお役目は無難にこなし、偉くなるより家庭円満の暮らしを愛していたが、ある日、息子の慎之介が上役の息子にイジメられていることを知り……出世を望む妻、上司や同僚の視線、人情が呼ぶ意外な事件。右往左往の徳右衛門、ささやかな幸せを守れるか!? 剣の腕は確かで上司の信頼も厚い、マイホーム侍、見参。新感覚時代シリーズ初登場!
  • 御用絵師一丸
    4.0
    老中・水野忠邦の天保の改革が始まらんとする12代家慶の頃―大奥の実力者であり、幕政にも隠然たる力を持つ広大院に仕える一人の絵師がいた!その名は一丸。彼には絵師としての顔のほかに、命令を受け、裁けぬ悪を討つ、殺し屋としての顔があった!!ライトノベルで大ヒットを放った著者が挑む時代小説。
  • 軍鶏侍【合冊版/全7巻】
    4.0
    闘鶏の美しさに見入られ、そこから必殺剣を編み出した隠居剣士・岩倉。その腕を見込んだ筆頭家老の呼出しに応じたがために、藩の政争に巻き込まれてしまう。必殺剣を巡る暗闘の結末は意外にも……。 流麗な筆致で武士の哀切を描く、静謐にして彩り豊かなる時代小説。番外編「遊び奉行」含むシリーズ7作の合冊版! 【収録作品】 『軍鶏侍』 『獺祭 軍鶏侍』 『飛翔 軍鶏侍』 『水を出る 軍鶏侍』 『ふたたびの園瀬 軍鶏侍』 『危機 軍鶏侍』 『遊び奉行 軍鶏侍外伝』
  • 修羅海道 清水次郎長伝(上)
    値引きあり
    4.0
    幕末、駿河国清水湊で大きな米問屋をいとなむ若き長五郎は、ある日店先に立った旅の僧からあと3年の寿命と告げられる。養父の跡を継いで商いに精を出していた長五郎は、その一言で自分の運命を変えた。彼は店をたたみ、女房を離縁して博徒の群れに身を投じる。――「人間、寿命があれば死なねえ。たとえ死んだところで、体がなくなるだけで、魂はなくならねえんだ」と考えた彼は、修羅の如く東海道筋を渡り歩いて、男伊達として名を上げていく……。名侠客の実像に迫る異色作、本巻は、穂北の久六を斃すまでの前半生を描く。
  • ばけたま長屋
    4.0
    浅草の裏長屋に仕事場を構えた指物師の弦次。ところが長屋は空き部屋ばかり。住人たちが次々と引っ越したのは、木戸口から数えて四つ目の閉じられた部屋と関わりがあるらしい。入居日の夜、弦次はその部屋でこの世の者とは思えない女を見てしまう。怖がりだが根が真面目な弦次は、不真面目な先輩住人の三五郎、幽霊画を描くのにどうしても本物を見たい町絵師の朔天とともに、原因究明という名のおばけ退治に乗り出すが……!?
  • 雨宿り
    4.0
    女手ひとつで釣り宿を営むおこうの前に、一人の男が現れる。若かりし頃、二人は雨宿りをした寺で、盗賊を殺め、50両を掠めとったのだ。そして所帯を持ったが……。二度と会うとは思わなかった男との再会に動揺し、おこうは懐に包丁を忍ばせて――。第6回小説宝石新人賞受賞の表題作を含む5つの短編、それぞれの登場人物が、複雑に絡み合う時代小説連作集。
  • 三成の不思議なる条々
    4.0
    たかが20万石の身代である石田三成が、なぜ西軍の大将として指揮をとったのか? 西軍、東軍、どちらに道理があったのか? 関ヶ原の合戦から30年、当時を知る人々を訪ね歩く町人がいた。『関ヶ原合戦大名衆振舞ノ子細』としてまとめられた一冊から浮かび上がる歴史の真相とは!? そして、敗軍の将・三成について、町人を使って調べさせた「さるお方」の思惑は!?
  • 妖櫻記 上
    4.0
    1~2巻1,320~1,430円 (税込)
    時は室町。嘉吉の乱を発端に、南朝皇統の少年、赤松家の姫、活傀儡に異形ら、死者生者が入り乱れ織り成す傑作長篇伝奇小説、復活!
  • 武士の碑
    4.0
    その男の奏でる調べは、武士の時代への鎮魂歌か――。西郷隆盛と大久保利通の後継者と目されていた村田新八は、岩倉使節団の一員として渡欧、パリにおいて、西郷が大久保と袂を分かって下野したとの報に接する。二人を仲裁するために帰国し、故郷・鹿児島へと向かったものの、大久保の挑発に桐野利秋らが暴発。ここに、日本史上最大にして最後の内戦・西南戦争の火蓋が切って落とされた。著者渾身の長編小説。

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  • 千の命
    値引きあり
    4.0
    江戸時代多くの命を救った男を描く傑作小説。  元禄十三年、二百石取りの彦根藩士の家に生まれた玄悦は母に厳しくされ、自分が実の子ではないと感じていた。下働きの八重が突然いなくなり、やがてその後呼ばれて八重を訪ねていくと、八重はおなかの子が出てこられずに苦しんでいた。八重が生みの親とわかった玄悦だったが、八重は亡くなってしまう。医者を志したが許されず、玄悦は独力で鍼や按摩の技術を習得し京都に出る。  そして同じ長屋の女性が八重と同じくお産で苦しんでいるのを見て、自らの技術で女性の命を救った。玄悦の技術は評判となり、自ら回生術と名付けた。また夜鷹など行き場のない女性が滞在するための家を借りた。一方、亡くなった胎児を時に傷つけ引きずり出すことを批判され、子供は苛められた。  ある日、商家の妾が難産でひどい扱いをされているのに激怒した玄悦は、その女性・お糸を引き取った。玄悦は、お糸にこれまでの女たちにはない感情を抱くようになる…。  上手くいかない三人の子供との関わりや妻のお信やお糸とのことに悩みながらも、多くの命を救った。山脇東洋を始めとする一流の医者たちからも、その技術を認められるようになった男の熱き生涯を描いた傑作小説。
  • 私家本 椿説弓張月(新潮文庫)
    4.0
    武勇に優れ過ぎたために妬みを買い、京の都を追われた、眉目秀麗にして堂々たる偉丈夫の源為朝。美しい鶴に導かれ、肥後の国は阿蘇の宮にたどり着き、最愛の妻となる女性と巡り合う。しかし、過酷な運命は、伊豆大島、四国、琉球と、悲運の英雄を更なる波瀾万丈の冒険の旅へと導いていく……。壮大なスケールで描かれた江戸時代最大のベストセラーが、より華やかに、より爽快に現代に甦る! ※文庫版に掲載の挿画は、電子版には収録しておりません。
  • 遠謀 奏者番陰記録
    4.0
    書き下ろし時代小説の雄・上田秀人、文春文庫初登場! 由井正雪の乱の真相に迫る、スリリングな快作。 三代将軍、家光の治世下。水野備後守元綱は父が陪臣に降格されたものの、その処置に引け目を感じた家光に厚遇され奏者番となった。 そんな折、牢人となっていた林右近は水野家に召し抱えられ、足軽並みの低い身分だったがその働きぶりを上司に認められ、奏者番の重要な補佐役、下調べを行う留役に取り立てられる。 水野備後守は、奏者番として失態を犯すが松平伊豆守信綱に助けられ、以後、伊豆守に服従するようになった。 時代は移り、家光が死去。四代将軍家綱の治世となった折も折、由井正雪の乱が起こる。 備後守は、由井正雪の弟子でありながら、その謀叛の計画を密告したことで旗本に取り立てられた者たちの初お目見えの奏者番を担当することになった。ところがそのうちの一人、奥村八右衛門は謁見の場にも病気を理由に現れなかった。不審に思った備後守は、右近に奥村の身辺調査を命じる。だが、彼の仲間も兄弟も、久しく八右衛門の姿を見ていないという……。 由井正雪の遺書、そこに記されていた紀州大納言頼宣の名、そして姿を見せぬ奥村八右衛門。由井正雪の乱の裏には、“知恵伊豆”松平信綱の驚くべき遠謀があったのだった。
  • 真田信綱 弟・昌幸がもっとも尊敬した真田家随一の剛将
    4.0
    川中島、上野、小田原、三方原合戦……。三尺三寸の「青江の太刀」を馬上から操り、信玄の快進撃を支えて智将の父・幸隆とともに武田家中で確固たる地位を築いた剛将・真田信綱――。初陣となった天文二十年の砥石城攻めから、五回にわたる川中島の戦いをはじめとする上杉景虎(謙信)との因縁の戦い。その後は息つく間もなく、岩櫃城・嶽山城を落とし上野の吾妻郡を制圧するなど各地を転戦していく。さらに幸隆から家督を引き継ぐと、北条氏政との小田原城攻め、武田の西上に伴う徳川家康との戦にも参陣し、目覚ましい功績を挙げた。そして信玄亡き後は、設楽原の血戦で勝頼をかばい壮烈な討死を遂げる……。本書は、謀将で名高い弟の昌幸が「兄上が生きておれば、真田家も変わっていた」と心より尊敬し、甥の勇将・幸村が終生「己の目標」と憧れ続けた男の激闘の生涯を描いた歴史人物小説。この男を抜きにして“真田の武威”は語れない!

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  • 御松茸騒動
    4.0
    「御松茸同心を命ずる」──十九歳の尾張藩士・榊原小四郎は、かつてのバブルな藩政が忘れられぬ上司らに批判的。いつか自分が藩の誇りを取り戻すと決めていたが、突如、「御松茸同心」に飛ばされる。松茸のことなど全くわからない上、左遷先は部署ぐるみの産地偽装に手を染めていた。改革に取り組もうとする小四郎の前に、松茸の“謎”も立ちはだかる! 爽快時代お仕事小説。
  • 耳袋秘帖 紀尾井坂版元殺人事件
    4.0
    耳袋を勝手に刊行しようとしていた版元が白昼店で殺され、版木が盗まれてしまう。月番の北町奉行は、評定所でなんと根岸が黒幕だと言い放つ。根岸の身辺に捜査の網が……。時をおかず、彫り師が刺される事件も起こり、ますます根岸への疑惑が深まってしまう。南町奉行所も困惑し、周囲の者たちへの動揺も広がっていく。果たして、根岸が迎えた最大の危機を乗り越えることは出来るのか!?
  • おねだり女房 影十手活殺帖
    値引きあり
    4.0
    良人(おっと)との離縁を望み最後の助けを求めて女が駈け込む「縁切寺」として名高い鎌倉の東慶寺。門前にある餅菓子屋の倅(せがれ)で忍びの末裔でもある平左十手の使い手・和三郎が、寺役人の野村市助、公儀御庭番の息女紀乃とともに、夫婦の事情の背後に隠された意外な真実を鮮やかに暴き出す。表題作「おねだり女房」を含め全4編。(講談社文庫)
  • でれすけ
    4.0
    父祖伝来、五百年の歴史を護ってきた佐竹義重。今は子・佐竹義宣に実権を譲り隠居した身だ。そんななか、天下統一を成した豊臣秀吉より命が下る。 「常陸を平定せよ」 佐竹家の誰もがなし得なかった夢を我がなし得る。年老いた身でありながら早速平定に取りかかる義重だったが……。 父祖伝来の重み、老いへの恐怖、次世代へと委ねるもの。歴史小説の麒麟児が佐竹義重を活写する!
  • 夜叉萬同心 藍より出でて
    4.0
    舟運業者らが開いたご禁制の賭場から大金が奪われたとの噂が流れ、次いで勘定奉行所の役人が殺された。萬七蔵は事件の探索を始めるが、そんな中、かつての親友・連太郎が訪ねてくる。七蔵は再会を喜ぶも、友の様子は微妙に変化していた。やがて友に関する重大な事実が明らかになり……。納涼花火の夜陰に紛れ、暗躍する勢力と七蔵が対決する。傑作シリーズ第四弾。
  • 相棒同心 左近と伸吾
    4.0
    大江伸吾は、南町奉行所の定町廻り同心。五年前に亡き父親の跡を継ぎ、お役目もそこそこに日々をお気楽に過ごす伸吾だったが、ひょんなことから臨時廻りの先輩同心・鞠小路左近の相棒にさせられてしまったから、さあ大変。この左近という同心は名うての変わり者で奉行所内でも一匹狼。しかも極端な潔癖性で、不潔なものが大嫌い。さらに、人の都合など何処吹く風の自分勝手な男なのだ。左近に振り回されつつ、嫌々行動をともにする伸吾。だが伸吾は、次々と起こる事件を解決するうち、左近が表の顔とは裏腹に優れた探索の才と剣の腕を持っていることに気づく。そして、左近には何故か、お奉行大岡越前守の後ろ盾が…。気鋭が贈る時代シリーズ登場!
  • はぐれ十左御用帳 罪なき女
    4.0
    小伝馬町の古着商たちから、最近開業した店が盗品を扱っている疑いがあるので、調べて欲しいとの訴えがあった。北町奉行所の隠密廻り同心・鏑木十左は、裏に大がかりな組織があると睨み、探索を始める。同じ頃、手下の岡っ引き八十助のひとめ惚れした武家女が、鉄砲洲の大番屋に入れてくれと懇願してきて…。次々と起きる事件に、十左が疾る。シリーズ第九弾。
  • 女の陥穽~御広敷用人 大奥記録(一)~
    4.0
    八代将軍となった徳川吉宗は幕政改革に乗り出した。手はじめは贅沢三昧をしてきた大奥の粛清。そのため以前、勘定吟味役として利用していた水城聡四郎を御広敷用人として登用した。吉宗の密命を実行せんと調べ始めた聡四郎の前に「影」が立ち塞がる。一放流の達人、聡四郎は密命を成し遂げられるのか。待望の「水城聡四郎」新シリーズが壮大なドラマとともに登場。
  • 臨時廻り同心日下伊兵衛 全5冊合本版
    4.0
    南町奉行所の名うての定町廻り同心だった日下伊兵衛は、息子新一郎に譲るため、臨時廻りに転じることになった。扱う事件は迷宮入りの一筋縄でいかないものばかり。妻萩乃との縒りはなかなか戻りそうにない。新内の師匠おさわとのひとときが唯一の伊兵衛の安らぎだった。だがおさわに呉服問屋松島屋の後妻の話が舞い込む。しかも縁談に反対していた松島屋の娘が拐かされたというのだが? 人情捕物帖。
  • 炎立つ 全5冊合本版
    4.0
    陸奥の豪族安倍頼良の館では、息子貞任の婚儀が盛大に始まった。平将門の乱が平定されてすでに百年を越え、朝廷は蝦夷たちを俘囚と侮るばかりだった。源平の武士たちの台頭を前に、東北の地に黄金の楽土を築こうとした藤原氏の夢がこの夜大きな炎となって燃えあがる。著者渾身の大作歴史ロマン全5巻の合本版。
  • 若さま包丁人情駒
    4.0
    主人公は旗本の三男坊(実は、将軍家斉の御落胤)で部屋住みの飛川角之進。将棋が得意で、根津の湯屋の二階で町人たちを相手にその指導をしている。この快男児がさまざまな事件に巻きこまれ、ときには悪人を成敗し、またときにはともに人情に泣く。人気作家が描く、時代小説の新シリーズ開幕。
  • 新・問答無用 凄腕見参!
    4.0
    密命をおびて悪を討つお勤めと引き替えに獄を放たれた幕臣佐久間音次郎。ながき浪々の戦いの日々の果てに役を解かれ、連れあいのおきぬとともに平穏を求めて江戸の町へ戻ってきた。しかし音次郎の機知と剣の腕前を見込む者たちは、彼を放ってはおかなかった。その凄腕が江戸の町人の諍(いさか)いごとを治める権力者、町年寄の目に止まったのだ。音次郎の悪との戦い、修羅の日々が再び始まった!
  • 孟徳と本初 三國志官渡決戦録
    4.0
    「友よ、お前は強い。だが、俺はどうしても勝たねばならぬ」帝を擁する奸雄・曹操孟徳と名門袁家の王者・袁紹本初。中原の覇者となり天下を望むには、かつての友が最大の障壁となった。劉備、関羽、筍イク、筍攸、許緒、田豊、郭図、文醜、顔良、英雄たちが、荒ぶり謀る三國志前半の大決戦「官渡の戦い」を描いた長編歴史小説。
  • 関所破り定次郎目籠のお練り 八州廻り桑山十兵衛
    4.0
    相州と上州、それぞれの関所破りの意外な始末。 上州玉村で道案内が殺され、道案内を殺した定次郎は子分を連れてそのまま姿を消した。 同じころ、保土ヶ谷の道案内角太郎を殺した河童の六こと六蔵を追って、 八州廻りの桑山十兵衛は河童の六の出身、相州の松田まで足を延ばす道すがら、 鐘撞き講で金を集める破れ坊主を懲らしめる。 だが、肝心の保土ヶ谷の一件は、わからずじまいとなり江戸へと戻ってきた。 すると、日光例幣使街道の上州玉村宿のそばにある竹田村で、 朝早くに川向こうの穂波村から、鉄砲の玉が飛んできたという訴えが。 玉村では、侠客の定次郎一味が、玉村の道案内を殺し、大戸の関所を破ったとの知らせが。 玉村の道案内の後任を決める必要もあり、十兵衛はそのまま上州へと向かう。 十兵衛は、鉄砲をきっかけに、定次郎一味の足跡を見つけられると考えるのだが……。 破れかぶれになり、関所破りで、せめて名を上げようとする侠客たち。 そして、姿を消した河童の六はいずこへ流れたのか。 人の欲を見つめて関八州を経巡る十兵衛が、侠客の最後にみせる粋なはからい。 そして、二つの殺しは、意外な展開に……。 十兵衛は、首尾よく彼らを捕えることができるのか。 ご存じ、人気時代小説・八州廻り桑山十兵衛シリーズ待望の第9巻。
  • 九字兼定~御刀番 左京之介(七)~
    4.0
    汐崎藩の御刀番頭・左京之介は、対立している水戸藩江戸家老から、京之介の友である水戸藩御刀番頭・神尾兵部の行方がわからなくなったと告げられる。頼みを受け友の行方と水戸藩から奪われた「九字兼定」を捜す京之介の眼前に謎の集団が立ちはだかる。闇同心、影目付……「九字兼定」を狙う者たちとの壮絶な闘いが始まった――。手に汗握る渾身のシリーズ第七弾。
  • 夜叉萬同心 冬かげろう
    4.0
    北町奉行所の隠密廻り方同心、萬七蔵は、目的遂行のためには手段を選ばぬやり方から、「夜叉萬」と呼ばれ密かに恐れられていた。脂粉の香りを残し去ってゆく辻斬りの探索の過程で七蔵が見た卑劣な真実とは――。七蔵のふるう豪剣は、誰を斬り、何を裁くのか? 悪道を歩む人間を見つめ、その因果や定めを鮮やかに描き出す、名手による時代小説、超絶の醍醐味ここにあり。
  • つくもがみ情炎
    4.0
    吉野丈二郎は北関東里吉藩一万石の下級武士の次男。ある日、彼は土蔵の箪笥のなかから刀身のない脇差の鞘を見つけだす。自分が使っている傷だらけの鞘から本身を抜き、蝋色塗りの立派な鞘に納めてみると、なんと誂えたようにピッタリ。とその時、異変は起こった。煙のようなものが立ち昇り、それが赤い着物を着た清らかな美少女になったのだ。彼女の名は沙耶。勇猛で知られた吉野家の祖先が遺した鞘に百年宿る九十九神だという。  武具に憑く彼女と契ってしまい、武芸の力を得た丈二郎。大抜擢されて藩主の江戸行きに随行することになるが、そんな彼の前にはさまざまな美女が現れて……。妖しの力で運を開く、新シリーズ第一弾!
  • 野望の憑依者(よりまし)
    4.0
    時は鎌倉時代末期。幕府より後醍醐帝追討の命を受け上洛の途に就いた高師直(こうのもろなお)は、思う。「これは主人である尊氏に天下を取らせる好機だ」。帝方に寝返った足利軍の活躍により、鎌倉幕府は崩壊。建武の新政を開始した後醍醐帝だったが、次第に尊氏の存在に危機感を覚え、追討の命を下す。そのとき師直は……。野望の炎を燃やす婆娑羅者(ばさらもの)・高師直の苛烈な一生を描いた南北朝ピカレスク、開演。
  • 王朝小遊記
    4.0
    平安京の闇に棲む鬼共の悪行を暴く! 平安の中ごろ、後一条天皇の御世。 藤原道長のライバルのもとに参集した世のはずれ者達。 物売りのナツメ、物乞いのナマス爺さん、女房づとめをしていたシコン、 貴族の子息コオニ、大宰府がえりの勇将・ニシタカの五人が ひょんなことからある有力貴族の依頼で疑似家族として町屋で暮らし始め、 最近、都に起きた、鬼に纏わる難事件を解決しようと、密かに探索を開始する――。 正体不明の賊に命を狙われた姫を守るため、 疑似家族となった五人の活躍を描く、 時代ビルドゥングスロマンの傑作見参!
  • 妖医玄眞 京都備忘録
    4.0
    幕末、妖ながら人の医師を装う玄眞。その助手で刀の化身・マル。彼らと奇妙な友情を結ぶ浪士・カク。三人は神隠し事件を追って妖の支配する世界「裏京都」に足を踏み込む。が、真の敵は?
  • 龍が哭く
    4.0
    「新潟日報」他、10紙で連載の話題作、ついに刊行! 英雄か、大戯けか――。一介の武士から長岡藩家老に抜擢され、戊辰戦争に際し武装中立をめざした男、河井継之助の生涯を描き切った感動巨編。時は幕末、未曽有の財政難に苦しむ長岡藩を救いたい一心で、河井継之助は備中松山藩の山田方谷に弟子入りを申し込む。方谷のもとで経世済民の教えを学ぶかたわら、継之助は会津藩の頭脳・秋月悌次郎や仙台藩の隠密・細谷十太夫、のちに武器商人となるエドワード・スネルらと親交を深め、やがて長岡藩において軽視できない存在になっていく。しかし大政奉還、戊辰戦争といった時代の渦に、長岡藩はいやおうなしに巻き込まれていくことになり――。司馬遼太郎が『峠』で書いたのとは違ったかたちで、一人の人間としての河井継之助を鮮やかに描き出した、著者渾身の歴史小説。

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  • 後藤又兵衛 大坂の陣に散った戦国きっての勇将
    4.0
    戦国時代一の名軍師・黒田官兵衛の嫡男・長政の指南役として出仕し、彼に、武士としての心構えから、戦場での将としての立ち居振舞いまでを教え込むとともに、九州島津攻め、文禄・慶長の役、関ケ原合戦と、歩みをともにした、歴戦の勇士・後藤又兵衛。彼には自らの矜持として持っていた、武士としてのあるべき姿を、その人生において具現したいという、理想があった。常に泰然と構え、水の如き心持で戦に対峙せよと説く又兵衛に対し、血気盛んで情動的な教え子・長政は次第に彼に対する反感を募らせて行く。その確執は、やがて修復不可能となり、又兵衛は黒田藩を去らざるを得なかった。その後、大坂の陣が起こり、又兵衛は、不利を承知しながらも豊臣方に参加。時代の名主となった徳川家康を散々に苦しめながら、命を散らして行く。生まれつき、要領の良い世渡りが苦手で、武人として誇らしく生き切ることのみを願った、一徹な男の魅力を描く、長編歴史小説。
  • 宇喜多直家 秀吉が恐れた希代の謀将
    4.0
    斎藤道三、松永久秀と並び戦国の梟雄と称される宇喜多直家。子の秀家は、後に秀吉に寵され西国を代表する大名に成長する。その礎を築いたのが直家であった。本書は、信長の中国攻めの先鋒であった秀吉も恐れたという希代の謀将の、数奇な生涯を綴る長編小説である。備前国の守護代・浦上氏の重臣であった祖父・能家は、主家をよく守り立てる篤志家であったが、同僚の突然の裏切りによって、一家は離散の憂き目に遭う。死を前にした祖父に、不甲斐ない父に代わってお家再興を託された直家。追及の手を逃れるため、彼は備前福岡の地で不遇の少年時代を強いられるが、やがて、生母の執り成しで再び浦上家に仕えることになった。初陣で功を成し、念願のお家再興を果たした直家は、以後、権謀術数を弄して備前・美作の諸将を倒し、主家をも追放して山陽の要衝の地を制するのである。不遇の身から一代で大名に伸し上がった男の本懐を、人間味溢れる筆致で描く力作。
  • 真田忍侠記(上)
    4.0
    真田昌幸の鬼神のような戦術と、猿飛佐助、霧隠才蔵の変幻自在な妖術が家康を震え上がらせた――天正十三年、信濃上田城を包囲した徳川勢を撃退した昌幸だったが、その後、真田家存続のために、信幸を徳川家、幸村を豊臣家の傘下に入れる。そして慶長五年、関ヶ原合戦に向かう秀忠軍を再び上田城で迎え撃つ彼らが用意した機略とは。二度も徳川に煮え湯を呑ませた、真田軍団の痛快な活躍を描く長編力作。

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  • P+D BOOKS 小説葛飾北斎 上・下巻 合本版
    値引きあり
    4.0
    待望の上・下巻合本版!! 北斎の生涯を描いた時代ロマン小説の傑作。  人々の生活を見つめ、大いなる自然を見つめ、その感動を絵にした男・葛飾北斎。妻・お砂との運命的な出会い、写楽、馬琴、蔦屋重三郎らとの交流を通じて画家として人間として成長していく姿を瑞々しいタッチで描く。  上巻では青年期の北斎の画家としての模索期間に、“異才”写楽との友情、そして絵画表現をめぐる議論が展開されていく。  写楽の個性的な言動に対比されて、北斎の青年期の人物像とその成長ぶりが浮かび上がってくる仕掛けが絶妙。  延々と続く絵画表現をめぐる議論が、不思議と退屈しないで読める。物語展開の軸になる人物視点が、北斎と写楽の二人に交互して効果をあげている。  また、北斎や写楽をとりまく女性達の人物造形にふくらみがあり、華やかで生き生きとしていて、江戸の女性の色っぽさも織り交ぜている。 北斎の伝記評伝ではなく、一人の絵描きを主人公にした、時代ロマン小説の傑作。
  • 御用船帰還せず
    4.0
    江戸中期、勘定奉行の荻原重秀が財政立て直しに辣腕を振るった陰に、四人の猛者がいた。金の採掘量減少を受け、重秀が金の含有率を下げる御法度の貨幣改鋳を行うと、四人は十万両分の金を積む御用船を強奪。それは金の枯渇感を煽るための重秀公認の裏工作だったが……。日の目を見ることのない者が暗澹たる時代に光を灯す歴史エンタテインメント。
  • 武蔵(一)
    4.0
    1~6巻1,408~1,628円 (税込)
    武蔵こと弁之助、十一歳。二刀流完成を目指し鍛錬を重ねる毎日。ある日、不意の衝動から野犬を打ち殺す。拡がる血溜まり。えも言われぬ光輝に包まれる。高揚し充足した心持ちだ。 「命とは、光か」だがすぐに首を振る「わからん」 剣術を巡る懊悩の一方、弁之助は強烈な性の覚醒に乱される。美貌の美禰、義姉のおぎん……欲望のまま女体を貪るさなか、彼方に武が閃く。 武とは、性とは、殺とは。剣豪の青年期をかつてない視点で描く傑作大河小説!
  • 落ちぶれ同心と将軍さま まぼろしの声
    4.0
    北町奉行所の橋廻り同心・服部半四郎は、お役目にも熱心にならず、酒と遊びが大好きという、まっこと不真面目な男。しかも、怪しげな魚売り・磯八を手下に使い、「素っ破抜き」などという、弱みをネタにした強請りたかりを副業としていた。ところがこの半四郎、落ちぶれてはいるが、心まで腐っているわけではない。強請る相手は悪人と決め、日々をのんべんだらりと暮らしていたのだが、ある日、組屋敷に建てたおのれの長屋に、正体不明、謎のご隠居が引っ越してきた。このとぼけた老人、実はとんでもない秘密を抱えていて……。新鋭作家が描く、不良同心と隠居将軍の活躍、ここに開幕!
  • ロクモンセンキ<上>
    4.0
    天正十三年、晩夏。上杉家の人質として春日山で槍の稽古に励む真田幸村の許に届いたのは、徳川家による上田攻めの一報。上野沼田の地を巡り、徳川・北条両家による真田家討伐がついに始まった。まだ初陣前の幸村も上杉景勝の許しを得て上田城に急行し、真田家存続をかけた一戦に参加することに……。だがそこで目の当たりにするのは、絶対的な戦力差と、父・昌幸が描く老獪な作戦だった。北条征伐のきっかけとなる攻防戦。その裏に渦巻く秀吉・家康の陰謀の中、まだ若かりし幸村が戦場を駆け抜ける──。出海まことが贈る、まだ若かりし幸村の青春大河小説開幕!
  • 月下におくる(上) 沖田総司青春録
    4.0
    嘉永六年、父を亡くした沖田宗次郎は、試衛館の内弟子となる。並外れた才で頭角を現した宗次郎が道場破りを一手に引き受けるようになる頃、相次いで少年殺しが横行する。魔の手は宗次郎の知己・藤吉にも及ぶ。道場でいくら強くても、友の仇一つとれない……。葛藤は宗次郎の青春に影をおとす。十九歳になった宗次郎は名を総司と変える。尊王攘夷の思想が時代を動かす中、試衛館の面々は浪士隊として京を目指す転機を迎える。
  • 一九戯作旅
    4.0
    物書きになろうと三十歳を目前に江戸に出た十返舎一九は、『東海道中膝栗毛』で人気戯作者となり、原稿料だけで生活する本邦初の作家となる。その旅路で蔦重に励まされ、写楽に嫉妬し、京伝を羨んだ。人は何を面白がり何を笑うのか。飄飄とした語り口の中に革命児の慧眼と心意気を見る、稀代の流行作家の人生絵巻。
  • 忍者烈伝
    4.0
    捨て子だった段蔵は、命の恩人である伊賀の天才忍者・上野ノ左から忍びの教えを授かる。恩師との離別後、幻術も会得した彼は、「鳶(飛び)加藤」の評判と腕を買われ、利害が交錯する風魔小太郎、上杉謙信、武田信玄らの元を渡り歩く。戦国時代に生きた忍者の、活躍と苦悩を描いた衝撃のデビュー作!
  • 新装版 私説三国志 天の華・地の風 一
    4.0
    1~10巻440~880円 (税込)
    蜀の軍師・諸葛孔明は劉備の使者として、同盟を結ぶべく呉へ入国した。 しかし、大都督・周瑜の陰謀に絡め取られ、呉に抑留されることに。 孔明の暗い過去を盾に、関係を強要する周瑜。 複雑な感情はやがて愛に変わり、二人は絆を深めていくが…。 「小説JUNE」で人気を博した異色の三国志。全10巻順次発売!
  • 零の凱歌[1]マーシャル沖の飛翔
    4.0
    戦艦『武蔵』建造中止!──アメリカとの開戦が不可避となりつつある中、衝撃的な決定が海軍内を駆け巡った。日本は戦略方針を一大転換し、世界の常識だった大艦巨砲主義の殻を脱ぎすて、新戦力たる航空主兵主義を纏うことにしたのである。その中核的存在は、対米避戦を唱えながら皮肉にも陣頭に立つことになる山本五十六。戦争を望むのはアメリカの方であることを知り、やむなく勝利への準備を模索し始めたのである。その成果が、航空技術者を総力結集して開発した新型艦載機であった。米太平洋艦隊とマーシャル沖にて会敵した第一航空艦隊は直ちに奇襲を敢行!産声をあげた零式艦上戦闘機二三型の大編隊が、世界最強艦隊を震撼の渦に巻き込んでいく!!航空機の大いなる可能性に帝国の未来を賭けた男たちを描く、待望の本格的シミュレーション・ノベル、第一巻。
  • ミサイル戦艦「大和」[1]飛行爆弾、発射!!
    4.0
    「戦艦『大和』にV1を搭載せよ!」──昭和一二年六月、海軍次官であった山本五十六は、突如決断した。その狙いは、ドイツで開発中の飛行爆弾V1を戦艦から発射し、遠方距離の敵基地や艦隊に先制攻撃を加え、味方空母部隊を護衛することであった。軍令部を説得した山本は、日本版V1「噴龍」を開発。早速、「大和」の改造を命じる。四六センチ砲六門、後部甲板に「噴龍」射出用のカタパルト四基を装備し、計八発の飛行爆弾を積む超弩級艦は、名実ともに史上最強戦艦として竣工した。真価はミッドウェイ島攻略作戦で即座に発揮する。「噴龍」を米飛行場に着弾させ、甚大な被害を与えたのだ。だが、日本側も敵空母発見が遅れ、二隻の空母を喪い、壊滅寸前であった。南雲機動部隊は急遽、「大和」中心の挺身突撃隊を組成。第16任務部隊「エンタープライズ」へ、ついに世界最大の巨砲を放つ!飛行爆弾を伴う新たな戦艦の勇姿を描く、待望のシリーズ。
  • やさぐれ大納言 徳川宗睦
    4.0
    「おれはやさぐれ者だ。惚れれば身をもち崩す」──深川の場末の居酒屋を切り盛りするお駒に頬を寄せられ、そう囁くのは黒羽二重を着流し、徳田宗之助と名乗る浪人者。ところがその正体たるや、御三家筆頭、尾張家九代藩主にして従二位大納言徳川宗睦、その人であった!宗睦は自由の利かない大名生活に我慢できず、影武者を置いて上屋敷を飛び出していた。だがそのお陰で、附家老や作事奉行が、木曽檜の値の吊り上げに加担している事実を知る。陰謀の黒幕は幕閣にも及び、これに危機感を募らせて町に現れた一橋治斉も宗睦に協力。次期将軍候補の若き二人が、江戸のため、国のため、正義の剣をふるう!尾張藩中興の名君が市井で悪事と闘う、期待の新シリーズ、開幕!!
  • 魚釣島奪還作戦
    4.0
    日中台の係争地・尖閣諸島の魚釣島が過激な中国系武装集団に占拠された。海上保安庁や中国大使館による説得も徒労に終わり、陸上自衛隊の特殊部隊「サイレント・コア」が派遣される。岩礁とジャングルに覆われた無人島で、両者の決死の戦闘が始まった!
  • 孫子が指揮する太平洋戦争
    4.0
    元陸自隊員にして戦術研究のエキスパートが、兵法書『孫子』の視点で太平洋戦争を分析すると? 約2500年前に誕生し、いまなおビジネス、政治からスポーツにいたるまで幅広い分野で、多くの信奉者がいる『孫子』。 「彼を知りて己を知れば百戦して殆(あや)うからず」で知られ、一般的には、戦いに勝つための戦術書、国家の運営・軍事作戦における戦略書として高く評価されている。 しかし、孫子研究家の著者によると、孫子は、安易な戦いをいさめ、「戦わずして勝つ」ことが本質だという。 しかしながら、いざ戦争となれば「短期間で最小限の損害で戦いを終結する」ことを徹底して追及している。 もし日本の陸海軍の統帥部が、孫子の教えを正しく理解し、戦争指導に取り入れていたら、少なくとも、あれほどまでに負けずにすんだのではないか。 真珠湾攻撃、ミッドウェー海戦、ガダルカナル作戦、重慶作戦とセイロン作戦、インパール作戦、マリアナ沖海戦、レイテ決戦、そして本土決戦・・・。 実際に生起した個々の戦いを追体験していくなかで、孫子の教えが理解できるようになる!
  • 黒頭巾旋風録
    4.0
    天保八年、臨済宗の僧侶・恵然は蝦夷地アッケシにある幕府建立の国泰寺に赴任する。蝦夷は松前藩の圧政と悪徳商人の非道にアイヌの人々の血と涙が流れる大地であった。ある日、処刑寸前のアイヌの青年を助けたのが、黒装束を翻した騎馬の男だ。鞭を武器に刀や銃を持つ武士と闘う黒頭巾の正体とは? そして、一陣の疾風が巻き起こしたのは。鞭を武器に刀や銃を持つ武士と闘う黒頭巾のヒーロー登場。胸のすく痛快歴史冒険活劇。
  • 秋山久蔵御用控 花見酒
    4.0
    言い交した娘を襲おうとした浪人を殺した丈吉は、久蔵の情状酌量もあって遠島ですみ、さらに赦免で江戸に戻ってきた。丈吉はその娘・おふみの行方を探すが、おふみは今は長屋の隣人の浪人で、一人で娘を育てる夏目佐内と互いを思いあっていた。そんな折、丈吉に弟を殺された博奕打ちの清蔵が、丈吉に賞金を懸けたという。それを知った左内は意外な行動をとる。さらにおふみの気持ちを知った丈吉は、身を引こうとするが……。 好評シリーズ第29弾!
  • 戦国スナイパー 信長との遭遇篇
    4.0
    突然戦国時代に一人放り込まれた陸上自衛隊員・笠間慶一郎二等陸曹。彼がたまたま命を助けたのはあの織田信長! 狙撃手としての腕を買われた慶一郎は信長配下の武将・佐々成政の下で鉄砲隊の編制を任され、さらに信長を狙う刺客たちとも死闘を演じる……。慶一郎は銃一丁で戦国の世を生き抜けるのか――?(講談社文庫)
  • お裁き将軍 天下吟味  公事上聴
    4.0
    「これにて、一件落着」──北町奉行・遠山景元が発しようとした時、将軍がいる御簾の内から、その声を遮る咳払いが聞こえる。ここは江戸城吹上御庭。将軍が裁判を上覧する「公事上聴」が行われていた。十二代将軍・徳川家慶は、殊にこの行事に関心を持ち、裁きに不信を抱いた折などは、こうして自ら裁定に待ったをかけたのであった。庶民の冤罪の疑いを晴らし、その命を守ることこそ将軍の使命と心得る家慶はしばしば、遠山と密かに町に出て事件を追うことに。遊び人の慶次郎と金次に扮したふたりは、冴える推理を駆使して調べ直しを行い、真相の究明に挑む。何人(なんびと)も逆らえぬ天下人の裁き、その驚きの結末に一同が唸る、痛快時代小説の決定版、ついにシリーズ開幕!
  • 世直し隠し剣 婿殿は山同心1
    4.0
    上野のお山に事件の風。 姑の嫌味もなんのその、新任の人情同心大奮闘。 将軍家の菩提所、上野の山を守るのが山同心の仕事。 生真面目で人のいい禎次郎の初出仕の日、お山で百姓風の奇妙な三人組が……。 八丁堀同心の三男坊・禎次郎は縁があって婿養子となって巻田家に入り、吟味方下役をしていたが、将軍家の菩提所を守る上野の山同心への出向を命じられた。初出仕の日、禎次郎は姑の嫌味を聞き流しつつ出かけ、お山で三人の怪しげな百姓風の男たちが妙に気になった。これが世を騒がせる“事件”の発端であった……。我らが婿殿、大奮闘! 新シリーズ第1弾!
  • 池波正太郎短編コレクション1夜狐 暗黒時代小説集
    4.0
    やはり池波正太郎が面白い!究極のエンターテイメント短編を網羅したシリーズ。〈収録作品〉おみよは見た 夜狐 あほうがらす 雨の杖 つき坂 おっ母、すまねえ 白痴 梅雨の湯豆腐 顔 激情 さいころ蟲
  • 狐の飴売り~栄之助と大道芸人長屋の人々~
    4.0
    贅沢三昧の放蕩息子が、大店を飛び出し、ある日突然、大道芸人たちと長屋暮らし! 熊の兄弟、一人芝居の男、猫の托鉢僧、茶売りの婆さん。こいつらと一緒に暮らす!? このわたしが飴を売る!? そこへ押しかけてきたのは、わたしを裏切った身重の元・許婚。もう、どうなっちまうんだい! 笑って泣けて、心がふわりと温まる江戸人情噺。
  • 上野池之端 鱗や繁盛記
    4.0
    騙されて江戸に来た13歳の少女・お末の奉公先「鱗や」は、料理茶屋とは名ばかりの三流店だった。無気力な周囲をよそに、客を喜ばせたい一心で働くお末。名店と呼ばれた昔を取り戻すため、志を同じくする若旦那と奮闘が始まる。粋なもてなしが通人の噂になる頃、店の秘事が明るみに。混乱の中、八年に一度だけ咲く桜が、すべての想いを受け止め花開く――。美味絶佳の人情時代小説。
  • 雨の底―慶次郎縁側日記―
    4.0
    不意にさしかけられた傘の下で、男の優しさにずっと浸っていたかった――。大店の跡取り息子に尽くし抜いて捨てられた長屋娘と、娘の悲しみを見つめるもうひとりの男の目。男女のやるせなさに心震える「雨の底」。密かに持ち込まれた商家夫婦への不可解な脅迫文が、隠居暮らしの慶次郎を、愛憎渦巻く事件の暗がりへ再び導く「横たわるもの」ほか、円熟の筆が紡ぎだす江戸人情七景。
  • 海霧(上)
    4.0
    幕末の佐賀に生まれた幸吉は、米問屋に奉公に出るが、「新しい時代の産物」石炭に魅せられ、坑夫となってエゾ地へと渡る。広大な未開の地にあって、己の力と才覚で新しい人生を切り開いていくのだった・・・。幕末から明治、昭和へと、激動の時代をひたむきに生きた著者の血族を描いた物語。吉川英治文学賞受賞。(講談社文庫)
  • 太原雪斎と今川義元 東海に覇を唱えた軍師と名将
    4.0
    衰退した幕府を救うため、京の都に旗を立てる! 家督相続を巡る内乱――花蔵の乱――に勝ち、第九代当主となった今川義元。その軍師として、北条家、武田家との間で三国同盟を仕掛けるなど、「戦国大名・今川家」の力を養った太原雪斎。永禄三年、駿河・遠江・三河の兵を率いた義元は、遂に上洛の軍旅を催すのだが……。「東海の覇権」を担った二人の活躍と悲運の結末を描いた力作長篇小説。

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  • 北条綱成 関東北条氏最強の猛将
    4.0
    「地黄八幡」の旗印の下、数々の合戦でその名を轟かした北条綱成。彼の存在なくして、北条氏の関東制覇はありえなかった――。駿河今川氏の猛将・福島正成の嫡男として誕生した北条綱成は、天文五年に起きた今川家の内紛「花倉の乱」を機に、関東北条氏二代目の氏綱の信頼を受けて北条一門に迎えられる。綱成は闘将の資質を遺憾なく発揮し、「北条の楔」として関東の要衝を押さえ、甲斐武田、越後上杉など数多の強敵と激戦を繰り広げる。日本三大夜戦の一つとして知られる「河越夜戦」では、八万にもおよぶ上杉憲政・上杉朝定・足利晴氏連合軍を寡勢で迎え撃ち、北条方の大逆転勝利に大きな役割を果たした。また、晩年には三代目・氏康の名代として外交手腕を発揮。綱成がもう少し長生きをしていたならば、豊臣秀吉による小田原征伐の行方も違っていたのではないか……。北条軍の先鋒として無類の強さを誇った「地黄八幡の闘将」の生涯を描く力作歴史小説。

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  • [新版]独ソ戦史 ヒトラーvs.スターリン、死闘1416日の全貌
    4.0
    1941年6月22日、ドイツ軍はソ連に電撃侵攻を開始! スターリングラードを始めソ連各地で泥沼の戦いが繰り広げられた。ヒトラーとスターリンの思惑が絡み合う独ソ戦を、多くの資料を読み解いた著者が、わかりやすく詳細に解説する。
  • サイパン機動防御戦 一式砲戦車激闘譜
    4.0
    サイパンで展開される一大機動防御戦、押し寄せる米戦車に立ち向かうは長槍を構えし一式砲戦車!  昭和十四年、ノモンハンで発生した軍事衝突により、日ソの戦車部隊が激突した。史上初の機甲部隊同士の戦闘だったが、戦車の質量で劣る日本陸軍は惨敗を喫してしまう。やがて昭和十六年、大東亜戦争が勃発し、日米戦争が始まった。ノモンハンから辛くも生還した浅井健吾を待っていたのは、先の戦闘で唯一気を吐いた「チホ車」と、サイパン島への移動命令だった…。 ●陰山琢磨(かげやま・たくま) 1963年兵庫県生まれ。3歳のおり自衛隊の基地祭で、通りすがりの61式戦車と見つめあってしまい、初恋に落ちる。高校生の時、学祭のアンケートに「自分に似ていると思う芸能人は?」と書いてあり「ジオン軍のモビルスーツ」と答えたら、女子に変な目で見られるようになった。その後、軍事マニア(専門はAFV)を経て、1997年に『大反撃一式砲戦車隊』(飛天出版)でデビュー。架空戦記、SF小説など著書多数。
  • 大目付光三郎 殿様召捕り候
    4.0
    老中から町奉行所の同心まで、江戸幕府の職制には数あれど、一番怖い権力を持つもの──それが高級旗本「大目付」であった。なにしろ、自分より禄高が上の大名を監察するだけでなく、その気になれば、将軍直訴という特権を使って、老中の首さえも飛ばすことができたのだ。そんなおっかない役職に、若き正義漢、朽木隼人正三郎頼光が着任する。彼は下城すると、無役小普請組“光三郎”に変身して町を徘徊。世継ぎ騒動、抜け荷、家老の謀反などなど、諸大名の噂や情報を収集し、お殿様たちの不正、腐敗を容赦なく暴いていった。だがその行く手に、本人も真っ青になる大物の陰謀が明らかに!大目付光三郎、果たしてどうする!!頭が高いお大名たちを捕縛する、斬新な捕物シリーズ、いざ開幕!
  • 峠道 鷹の見た風景
    4.0
    財政再建、農地開拓に生涯にわたり心血を注いだ米沢藩主、上杉鷹山(ようざん)。寵臣の裏切り、相次ぐ災厄、領民の激しい反発──それでも初志を貫いた背景には愛する者の存在があった。名君はなぜ名君たりえたのか。招かれざるものとして上杉家の養子となった幼少期、聡明な頭脳と正義感をたぎらせ藩主についた青年期、そして晩年までの困難極まる藩政の道のりを描いた、著者渾身の本格歴史小説。
  • 超時空世界大戦[1]自衛隊VSナチス、開戦!
    4.0
    2022年、太平洋上に突如として現れた低気圧は、異常な発達を続け、“大気圏内ブラックホール”とも呼ぶべき超大型台風と化した。未曽有の被害が予想される中、日本上陸が刻々と迫る。そのとき「異変」は起こった。地磁気の狂いによって、日本列島は突然80年前に時空移動してしまったのだ!――そこはナチス・ドイツが英米ソを蹂躙、世界制覇を目前とした戦慄の時代。日本は唯一残る敵国として、鉤十字が描かれた爆撃機や弾道ミサイルの襲来に脅かされ、存亡の危機にさらされる世界だった。服従か交戦か、決断を迫られる日本政府。だが、混乱する政府にドイツ迎撃を決意させたのは、小笠原沖に出現した戦艦「大和」を旗艦とする帝国海軍連合艦隊だった。Uボートを迎え撃つ新鋭護衛艦、レシプロ機の大軍を撃滅するステルス機編隊――旧日本軍と共闘する自衛隊の攻勢が今、始まる!
  • レイテ驀進[1]逆襲の機動部隊
    4.0
    太平洋戦争の戦局が守勢一方となった昭和18年、日本は本土近海に跋扈するアメリカ潜水艦の駆逐を急務としていた。だがその矢先、瀬戸内海呉軍港で戦艦〈陸奥〉が米潜に雷撃され大破する。内地の要衝で起きた事件に衝撃を受けた海軍は〈陸奥〉の復旧を諦め、第三、四砲塔の撤去を決意。〈陸奥〉は対空砲と対潜兵器を満載した海防戦艦に生まれ変わったのだ。海上護衛部隊に編入され、輸送船団護衛の任に就いた〈陸奥〉は敵潜を次々に撃破し、大きな戦果をあげる。その対潜能力に着目したのは、来るべき米艦隊との決戦に備えて機動部隊を再編させた連合艦隊だった。〈陸奥〉は連合艦隊に復帰し、南雲機動部隊を護衛することになったのだ。19年6月、マリアナ沖でついに日米艦隊は激突する。三航戦の夜間空襲を皮切りに猛攻jをかける機動部隊。襲いに来る米潜と渡り合う〈陸奥〉。果たしてマリアナ沖海戦の帰趨は!?
  • 波之助推理日記
    値引きあり
    4.0
    旗本の三男坊で、気儘(まま)な毎日を送っていた早川波之助。ところが、釣りに興じていた舟の上で、女性の遺体を発見してから事態は一変する。その首筋には不自然な痣(あざ)が残されていた。自殺か他殺か? 難事件に直面したその時、波之助の推理が冴え渡る。そして辿り着いた真相とは。書下ろし二編を含む三編を収録。
  • やまと錦
    4.0
    熊本藩の大秀才、井上多久馬(後の井上毅)は、欧州各国の法律を学び帰国した後、統一した法を持たぬ未開の地として不平等条約を結ばされた日本にも、独自の憲法が必要だと痛感する。憲法草案の研究を進める多久馬だが、諸外国には決してない「二千五百年も続く皇室」の信頼に応えられるか苦悩する……。国のために才を尽くした井上毅の実直な生き方と、家族愛に溢れた人間性を丁寧な筆致で書き下ろした、長編時代小説の傑作誕生!
  • 九度山秘録 信玄、昌幸、そして稚児
    4.0
    武田信玄の許で育った名将・真田昌幸が、己の生涯を投影して一人の稚児を育てる。武田から真田へ、そしてさらに受け継がれる最強の系譜。武将と強力家臣団との固い絆を描く本格歴史小説!
  • 使の者の事件帖 : 1 女湯に刀掛け
    4.0
    「使の者」、いまで言う“便利屋”を生業にしている猪三郎、「団扇売り」の鹿之丞、そして、楊枝屋「姿屋」の看板娘のお蝶。そんな三人を、親代わりで面倒を見てきたのが湯屋「萩の湯」の主人夫婦だが、実は、それは全て南町与力の村雨卯之助の命を受けてのこと。村雨は三人を「いざという時に使える」よう、幼い頃から武術を習わせていたのだ。そんな折、萩の湯の女湯で同心が殺される事件が起こった。
  • 眠狂四郎異端状
    4.0
    ふらり秋田藩佐竹家領内へ入った眠狂四郎。そこでは、飢饉打開に清国の銀貨を私鋳し、密貿易がたくらまれていた。一方、水野越前守忠邦の側用人・武部仙十郎はその動きを利用し、軍資金捻出のための阿片貿易をはかる。秋田藩と仙十郎、両者の思惑をのせた抜荷船で、異人の占星学者にみちびかれ、狂四郎は清国へ。隠密との闘い、嵐、海賊…。南支那海での危機を描くシリーズ最終作にして最高傑作!!
  • 諸葛孔明――「三国志」とその時代
    4.0
    連戦連敗の将として死んだ諸葛亮。無謀な北伐を繰り返しながら後に義の人として絶大な人気を博した「三国志」の英傑。その思想と行動を中国史研究の先駆者が幾多の文献を用いて描き出す。なぜ彼が後世、称賛されるに至ったのか。その評価はどのように変遷したのか。一九四〇年の初版以来、改訂を重ねて読み継がれてきた「三国志」研究の重要古典。
  • 恋情の果て
    4.0
    江戸に駆け落ちしてきた男と女。掏摸にあい、公事師に騙されたあげく、妓楼の女主人に買われた三次。「おらも、あとから逃げる」という言葉を信じて彼を待ち続けたおとせ。十年後、三次と再会したものの、料理屋の主人となったおとせの心はなぜか揺れる……。(「恋情の果て」よリ)身悶えするほどの恋着、嫉妬、見栄、欲望――熱く静かに心震わせる女たちを描く時代小説短編集。
  • 冬天の昴
    4.0
    北町奉行所定町廻り同心、木暮信次郎の同僚で本勤並になったばかりの赤田哉次郎が女郎と心中した。その死に不審を抱いた信次郎は、独自に調べを始めた矢先、消息を絶つ。信次郎に仕える岡っ引の伊佐治は、思案に暮れた末、遠野屋清之介を訪ねる。次第に浮かび上がってきた事件の裏に潜む闇の「正体」とは――。あさのあつこの代表時代小説シリーズ、待望の第五弾!
  • 光秀の定理
    4.0
    明智光秀はなぜ瞬く間に出世し、信長と相前後して滅びたのか――。 厳然たる「定理」が解き明かす、乱世と人間の本質。 各界絶賛の全く新しい歴史小説、ここに誕生! 永禄3(1560)年の京。 牢人中の明智光秀は、若き兵法者の新九郎、辻博打を行う破戒僧・愚息と運命の出会いを果たす。 光秀は幕臣となった後も二人と交流を続ける。やがて織田信長に仕えた光秀は、初陣で長光寺城攻めを命じられた。 敵の戦略に焦る中、愚息が得意とした「四つの椀」の博打を思い出すが――。 何故、人は必死に生きながらも、滅びゆく者と生き延びる者に分かれるのか。 革命的歴史小説、待望の文庫化! 解説・篠田節子
  • 村上海賊の娘(一)
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    時は戦国。乱世にその名を轟かせた海賊衆がいた。村上海賊――。瀬戸内海の島々に根を張り、強勢を誇る当主の村上武吉。彼の剛勇と荒々しさを引き継いだのは、娘の景(きょう)だった。海賊働きに明け暮れ、地元では嫁の貰い手のない悍婦(かんぷ)で醜女。この姫が合戦前夜の難波へ向かう時、物語の幕が開く――。本屋大賞、吉川英治文学新人賞ダブル受賞! 木津川合戦の史実に基づく壮大な歴史巨編。
  • ローマ亡き後の地中海世界(上)
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    1~2巻1,309~1,386円 (税込)
    476年、西ローマ帝国が滅び、地中海は群雄割拠の時代に入る。「右手に剣、左手にコーラン」と、拉致、略奪を繰り返すサラセン人の海賊たち。その蛮行にキリスト教国は震え上がる。拉致された人々を救出するための修道会や騎士団も生まれ、熾烈な攻防が展開される。『ローマ人の物語』の続編というべき歴史巨編の傑作。※当電子版は単行本上巻(新潮文庫第1巻、第2巻)と同じ内容です。地図・年表なども含みます。
  • 大水滸伝シリーズガイドブック(あらすじ漫画付き)
    無料あり
    4.0
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 【無料小冊子】駆けよ。夢追いし者、永久に。生きろ。去りし者のぶんまで。『水滸伝』『楊令伝』に続く『岳飛伝』(全17巻)、文庫版で発売開始! これを記念して「大水滸伝」シリーズの魅力を紹介する無料ガイドブックを電子書籍でも緊急配信! いのうえさきこによるあらすじ漫画『圧縮北方水滸伝』『圧縮楊令伝』や名台詞でふりかえる大水滸伝シリーズを収録。ご自由にダウンロードしてお楽しみください。

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  • カタロニア讃歌
    4.0
    ファシズムの暗雲に覆われた1930年代のスペイン、これに抵抗した労働者の自発的な革命として市民戦争は始まった。その報道記事を書くためにバルセロナにやってきたオーウェルは、燃えさかる革命的状況に魅せられ、共和国政府軍兵士として銃を取り最前線へ赴く。人間の生命と理想を悲劇的に蕩尽してしまう戦争という日常──残酷、欠乏、虚偽。しかし、それでも捨て切れぬ人間への希望を、自らの体験をとおして、作家の透徹な視線が描ききる。20世紀という時代のなかで人間の現実を見つめた傑作ノンフィクション。共和国政府の敗北という形で戦争が終結した後に書かれた回想録「スペイン戦争を振り返って」を併録。
  • 秋山久蔵御用控 煤払い
    4.0
    大川に簀巻にされた土左衛門があがった。どうやら本所と浅草の、博奕打ちの一家同士の揉め事らしい。南町奉行所吟味方与力・秋山久蔵は、わざと静観して双方を争わせ、年末の“煤払い”とばかりに一網打尽にしようと企てる。一方、秋山家では長男の大助が成長ぶりを見せ、妻の香織にも変化が……。 好評シリーズ第28弾!
  • 耳袋秘帖 蔵前姑獲鳥殺人事件
    4.0
    浅草で雷を捕まえようとする大工の若い衆。深夜に突如炎上した有名な榧の木。浅草界隈の摩訶不思議な出来事が南町奉行の根岸たちの首をひねらせる。そんな中蔵前で悪名を馳せていた札差が殺されるのだが、疑わしい者が多すぎて、捜査は難航する。近所の評判の良い札差の店に妖しが出るとの噂が根岸の耳に入ってきて……。文庫書き下ろし。
  • 剣客春秋親子草 恋しのぶ
    4.0
    義父・藤兵衛から道場を譲り受け、立派な道場主たらんとする責任感が重圧となってのしかかる千坂彦四郎。陸奥国松浦藩からやってきた女剣士・ちさと出逢い、その姿に若き日の妻を重ねる彦四郎は、ちさから思いがけない相談を持ちかけられる――。彦四郎を次々と襲う危難の裏で蠢く謀略とは何か?人気シリーズ「剣客春秋」、新たなステージへ。
  • 御家人斬九郎
    4.0
    本所に住む貧乏御家人・松平残九郎。表ざたにできない罪人の介錯を副業としていることから、ついたあだ名が「斬九郎」。腕はめっぽう立つのだけれど、酒と女、そして何より79歳になる美食家で大食漢な母親にはからきし弱い! ふつか酔いの今日も尻をたたかれ、依頼の仕事に駆けつける。江戸の町から東海道、京都まで、事件の裏の謎を解く短編10作と中編5作を収録した、型破りな傑作時代小説。
  • 証言 零戦 生存率二割の戦場を生き抜いた男たち
    4.0
    1941年12月8日、真珠湾攻撃に参加し、1945年8月18日の日本海軍最後の空戦まで戦い抜いた歴戦の搭乗員は、その日、まだ25歳だった。戦死率8割という消耗戦を生き残った若者たちは、あの戦いの最中に何を思い、戦後の混乱のなかでどのように生き抜いていったのか。150人以上の搭乗員たちにインタビューしたジャーナリストによる、平成の若者の祖父たちの激闘と苦闘の記録である。
  • おね 上
    4.0
    加藤清正、福島正則ら多くの戦国武将に母と慕われ、秀吉を助け天下一の女性となった北政所「おね」。唯一の武器は、知略でも武力でもなく、相手の心に寄り添える“共感力”だった──。信長、秀吉、家康に愛された北政所「おね」の生涯を、NHK大河ドラマ『篤姫』『江~姫たちの戦国~』の脚本家・田渕久美子が描く。
  • 百万両の伊達男 : 1 廓の罠
    4.0
    懐は素寒貧、だけど笑顔は百万両! 旗本育ちの快男児・桜井慎之介が孤児たちの養護所を作るべく、資金稼ぎに危ない橋を渡りまくる。一刀流の剛剣と気風の良さを武器に、悪どく肥え太る商人・武家に次々と挑む慎之介。しかし敵もさるもの、前途は多難を究め――。切った張ったの名手、稲葉稔の待望の新シリーズ始動!
  • 雪の果て―人情江戸彩時記―
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    貞次郎の想い人、弥生は心ならずも目付神崎に嫁いだ。貞次郎は奸計に遭って、神崎の腕を斬り脱藩。江戸での潜伏の日々、神崎の参府と弥生の出奔を知り……(「雪の果て」)。餅菓子を売りながら女手ひとつで幼子を育てるおみさの前に、父親になるはずの男が五年ぶりに現れたのだが、幕吏に追われる身となっていた(「梅香餅」)。女たちのはかなくも強靱な愛の姿を炙り出す傑作人情譚四編。
  • 読売屋 天一郎
    4.0
    築地の読売《末成り屋》。その主、水月天一郎の元へ勘定吟味役と水油仲買商人が癒着しているとの情報が入った。探索を始めた天一郎はすぐに何者かに襲われる。そして、新たに入った情報を追う天一郎の前に現れた侍たちの影。正義のため瓦版に命をかける天一郎の剣が煌めく。迫力の剣戟に胸躍る展開、心を打つ物語――。大人気の著者が放つ渾身の新シリーズ第一弾。
  • 縮尻鏡三郎 頼みある仲の酒宴かな
    4.0
    老婆の戯言が思わぬ大騒動に……。好評シリーズ第八弾! 日本橋の白木屋の土地は自分のものだと老婆が鏡三郎に訴え出た。 とはいえ証拠の書類は焼失したという。 老婆の背後には腕利きの浪人が軍師として付いている様子だ。 その浪人、柴田帯刀は凄腕の剣の遣い手のうえ、やけに金回りもいい。 果たして事の真相は?
  • 修羅走る 関ヶ原
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    時は慶長五年九月十五日。昨夜来の雨は上がれど、濃霧が立ちこめる関ヶ原。一大決戦の秋を迎えていた。未明、小早川秀秋の裏切りの気配を伝える密使が石田三成の下にやって来る。三成は裏切りに備え、万全を期す。一方、徳川家康は、豊臣恩顧の福島正則らの動向に不安を募らせる。東西両軍、命運を賭けた戦いの火蓋が切って落とされた! 日本史上最大、関ヶ原の合戦。その長い一日を描く戦国巨編。

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