国内ホラー - KADOKAWA作品一覧

  • バチカン奇跡調査官 聖剣の預言
    3.8
    スペイン・バレンシア地方にある小さな村。そこにあるサン・ビセンテ・エスパダ教会には、スペインの名高い聖人、聖ビセンテに纏わる聖剣が祀られていた。 ある時、真昼から美しいオーロラが教会の真上に現れ、村が悩まされていた風土病が治まった。その後、教会に勤める司祭のもとに主からの御言葉が下される。 主の言葉通りに定められた日に教会へ向かうと、そこには同じように主の声を聞いたという11人の男女が集っていた。 聖剣を取り囲むように待つ彼らは、聖剣から不思議な音が発された後、再び主の御言葉を聞く。それは聖剣が下す預言であった。 山間の大火事や政治家の不正の発覚など、聖剣の預言は次々と的中し、ついにはバチカンへ奇跡認定の申請書が送られる。 申請を受けた平賀とロベルトは、バチカンに属する事になったマギー・ブラウン神父とともに現地への調査に赴くが……。 聖剣の下す預言ははたして本物なのか――? イケメン神父コンビが謎に挑む、大人気オカルトミステリ本編第18弾!
  • 邪宗館の惨劇
    3.9
     一年前の火災事故で親友を失った天田耕平は、恋人と共に慰霊祭へと向かう途中にバスが事故を起こし、山道で立ち往生してしまう。  雨風をしのぐため他の乗客らと共に近くの廃墟へと避難するが、そこはかつてある宗教団体の信者が集団死したといういわくつきの建物だった。 その夜、乗客たちが次々に殺害される事件が発生。建物からの脱出を試みた耕平は、恐ろしい姿をした怪物に遭遇し意識を失う。  目を覚ました時、耕平は事故を起こしたはずのバスに乗っていた。その後、まったく同じ流れで繰り返される殺人事件を体験し、耕平は自分がこの夜を『繰り返している』ことに気づく。 「俺は、タイムループに陥ってしまったのか……」  何度『繰り返し』を経験しても誰も救えず、『繰り返し』からの脱出もできない耕平の前に現れたのは、怪異譚蒐集のため、この地を訪れたホラー作家、那々木悠志郎であった。
  • 子狐たちの災園
    3.7
    6歳の奈津江には、不思議な能力があった。誰かが失くしたものを探し出すことができるのだ。優しい両親とともに穏やかな日々を送る奈津江だったが、突然、立て続けに両親を失うという不幸が彼女を襲う。さらに、両親は自分の実の親ではないと知らされたのだ。呆然とする奈津江は、実姉を名乗る深咲に連れられ、父が経営する子どもたちの施設“祭園”に引き取られることになる。そこに暮らすのはわけありの少年少女たちだった。周囲を取り囲む黒い鬱蒼とした森、施設内をさまよう狐面の女、廃屋と化した“廻り家”と呼ばれる奇怪な祈祷所。やがて、奈津江の秘密が明かされるとき、惨劇が幕を開ける――。怪異と謎に溢れた極上のホラー・ミステリ。『災園』を改題。
  • 拝み屋念珠怪談 奈落の女
    3.7
    かつての相談客・裕木が拝み屋・郷内のもとへ持ち込んだ、200話にも及ぶ生々しい怪談実話。 突如校庭に現れた生首、遊びに誘いにくる死んだはずの子供。写真に写り込んだ、異様な巨体をもつ女……。 奇怪な記録を読み進めるうちに、郷内は複数の怪談に繰り返し登場する不気味な女の影に気づく。 一連の「念珠怪談」に隠された、ある驚愕の真相とは――。 これは読む者を奈落の底へと突き落とす「生きた怪異」、その後半の記録である。
  • あさとほ
    値引きあり
    3.5
    幼い頃、夏日(なつひ)の目の前で双子の妹・青葉(あおば)は「消失した」。両親を含めた誰もが青葉のことを忘れてしまい、彼女を覚えているのは、夏日と、消失の瞬間を一緒に目撃した幼馴染の明人(あきと)だけだった。青葉の消失が忘れられないまま大学生となった夏日は、所属する国文学研究室の教授が失踪したという報せを受ける。それには「あさとほ」という、平安時代に書かれた物語が関わっているらしい。教授の行方と未詳の物語「あさとほ」を追う夏日は、十数年ぶりに明人と再会し、共に調査をすることになる。二人が「行方不明の物語」の正体に辿り着くとき、物語は大きくその姿を変える。
  • 虚実妖怪百物語 序
    4.0
    1~3巻880円 (税込)
    「目に見えないモノが、ニッポンから消えている!」妖怪専門誌『怪』のアルバイト榎木津平太郎は、水木しげる氏の叫びを聞いた。だが逆に日本中で妖怪が目撃され始める。魔人・加藤保憲らしき男も現れ……。
  • 吸血蟲
    3.5
    突然届いた弟の手紙に不吉を憶え郷里を訪れた亜希子、姉を探しに来た警察官の触沢。台風一九号により陸の孤島と化した、津谷瀬村には、50年の眠りから蘇った死霊たちが静かに広がっていた…… ※本書は二〇〇〇年四月、アスキーより刊行された『呪葬』(アスペクトノベルス)を加筆・修正のうえ文庫化したものが底本です。
  • レフトハンド
    3.6
    製薬会社の研究室で致死率百%のレフトハンド・ウィルスが漏洩。だが、主任の影山は研究の続行を要請する。受け入れられなければウィルスを垂れ流すと脅しながら。第4回日本ホラー小説大賞長編賞受賞。
  • 二重螺旋の悪魔(上)
    4.3
    遺伝子操作監視委員会に所属する深尾直樹は、ライフテック社で発生した事故調査のため、現地に急行した。直樹はそこで、かつての恋人・梶知美が実験区画P3に閉じ込められていることを知る。だが、すでに現場は夥しい血で染め上げられた惨劇の密閉空間に変質していた……。事故の真相に見え隠れするDNA塩基配列・イントロンに秘められた謎。その封印が解かれるとき、人類は未曾有の危機を迎える!恐怖とスリルの連続で読者を魅了する、極限のバイオ・ホラー。
  • ビンゴ
    3.8
    東北の小さな高校で一人の女子生徒が首を吊った。黒板には、誰が書いたか席割りと同じ5×5のビンゴの図。その中央が彼女の席だった。森に響き渡る「リーチ!」「ビンゴ!」の声。そして、恐怖が始まった。
  • グリーン・アイズ
    4.0
    雪で孤立した高原に引きこもった青年、内藤健介を待ち受けていたのは、緑の目をした無数の亡霊だった。彼の危険を察知した恋人の奈々子も白銀の高原に向かうが、想像を絶する恐怖が彼らに襲い掛かる。
  • 黒魔術の家
    4.0
    黒木夏夫の家は、母と妻と子供の6人家族。妻の未紗がある日「6っていう数は縁起が悪いのよね」とつぶやいた。そして彼女は人数が「幸福な絶対数1」になるまで人数を減らそうとする。戦慄のサイコ・ホラー! ※本書は、2003年1月に有楽出版社から刊行された『Black Magic Woman』を改題した文庫が底本です。
  • 王女の渇き
    -
    自傷跡の残る左手首が発見された。老刑事・井出川は女性ばかりの会社「約束の地」に不審を覚えるが、捜査半ばで謎の言葉を残して不慮の死を遂げる。父の死の原因を探る文博は、その会社へと引き寄せられ、やがて姿を消す。世紀の変わり目に急成長を遂げたその会社は、自傷癖のある男女を集め、演劇公演を企画した。演目は、王女が男の生首を求める劇「サロメ」。その舞台にすべての悪夢が集結していく――。(『サロメ後継』を改題)
  • 西巷説百物語
    4.4
    人が生きて行くには痛みが伴う。そして、人の数だけ痛みがあり、傷むところも、傷み方もそれぞれちがう……様々に生きづらさを背負う人間たちの業を、林蔵があざやかな仕掛けで解き放つ。
  • カムナビ(上)
    3.8
    1~2巻880~924円 (税込)
    若き考古学者・葦原志津夫は、前代未聞の土偶を発見したとの報を受け、茨城県の石上遺跡へと向かった。しかし、現場には無残な焼死体が転がっており、情報提供者とも連絡が取れなくなってしまう。彼は十年前に行方不明になった志津夫の父に関する情報も手に入れていたようだった。志津夫はわずかな手掛かりを頼りに調査を始めるが、徐々に、この事件が人類を破滅へと導く幕開けであることに気づかされる……。前人未到のスケールでおくる、傑作サイファイ・ホラー。
  • 蛇神
    3.6
    新橋の老舗蕎麦屋の若女将、倉橋日登美が直面した信じられない現実――。父と夫と長男が、住み込みの少年に惨殺されたのだ。幼い娘の春菜とふたりとり残され、茫然自失の彼女のもとへ従兄と称する神社の禰宜が現れ、信州の日の本神社へ里帰りするように勧める。従兄によると、26年前、実母は生まれたばかりの日登美を連れて、ある日、忽然と村から姿を消したのだというが……。長編ホラー。
  • バチカン奇跡調査官 終末の聖母
    3.7
    メキシコのグアダルーペ寺院に、枢機卿の代理として派遣された平賀とロベルト。式典の挨拶だけのはずが、突然宙に浮いた十字架が目の前に現れた。奇跡を目の当たりにした彼らは、調査を開始する。
  • メデューサの首 微生物研究室特任教授・坂口信
    NEW
    4.0
    微生物研究者の坂口信は、恩師が遺したウイルスを大学の保管庫で発見する。 それはインフルエンザの感染力と狂犬病の致死率を持つ脅威の殺人ウイルスだった。 ワクチンはなし、感染すれば凶暴化した後に自らをも喰らって死ぬ。 即刻処分を決めるも一部が何者かに奪われ、全国民が人質の地獄のゲームが開始されてしまう……。 テロリストの目的は何なのか? 坂口は毒舌女刑事・海谷と共に犯人の行方を追う! 驚愕のシリーズ第1弾。
  • ゴールデン・ブラッド
    4.5
    東京五輪プレマラソンで大規模な自爆テロが発生。 救急救命士の向井圭吾は地獄絵図と化した現場で救助活動にあたる。 新開発の万能血液<ゴールデン・ブラッド>により多くの命が救われるが、 その矢先、開発に関わった病院で圭吾の妹・恵利が急死。 輸血を受けた患者もその後次々と変死を遂げていく。 圭吾は刑事の東海林とともに一連の事件を探り始めるが――。 正義の裏に渦巻く陰謀の数々。そして明かされるあまりに切ない真実とは? 著者渾身の医療ミステリ! ※本書は、2017年に幻冬舎文庫から刊行された『ゴールデン・ブラッド』を大幅に加筆・修正したものです。
  • 歪つ火
    3.0
    辛い日常から逃れようと、私は一人でキャンプにやってきた。テントを張り、のんびりご飯を作る。夜はキャンプファイヤーを囲みながら、今日知り合ったばかりの人たちと語り合う。来て良かった。でも、次の日、私はなぜかキャンプ場から出られなくなっていた。しかも、昨夜語り合った人たちは皆、時間がリセットされたかのように「初めまして」と微笑み、昨日とまったく同じ言動を繰り返している。「あなた、大丈夫?」、困惑する私を訝しがる彼らの視線で私は確信した。「ここにいてはいけない、これはダメなやつだ」 非日常に囚われる未体験の恐怖を描く、戦慄のキャンプホラー。
  • やまのめの六人
    3.4
    嵐の夜、「ある仕事」を終えた男たちを乗せて一台の乗用車が疾走していた。峠に差し掛かった時、土砂崩れに巻き込まれて車は横転。仲間の一人は命を落とし、なんとか生還した五人は、雨をしのごうと付近の屋敷に逃げ込む。しかしそこは不気味な老婆が支配する恐ろしい館だった。拘束された五人は館からの脱出を試みるが、いつのまにか仲間の中に「化け物」が紛れ込んでいるとわかり……。 怪異の正体を見抜き、恐怖の館から脱出せよ!横溝正史ミステリ&ホラー大賞受賞作家が放つ、新たなる恐怖と謎。
  • 影牢 現代ホラー小説傑作集
    4.2
    『七つのカップ 現代ホラー小説傑作集』と対をなす傑作ホラー短編8選。大都会の暗い水の不気味さを描く鈴木光司の「浮遊する水」。ある商家の崩壊を 陰惨に語る宮部みゆきの時代怪談「影牢」。美しく幻想的な恐怖を描く小池真理子の不気味な地下室が舞台の「山荘奇譚」。記憶の不確かさと蠱惑的世界を 描いた綾辻行人の「バースデー・プレゼント」など、ホラー界の実力派作家によるオールタイムベスト! 解説・朝宮運河 【収録作】鈴木光司「浮遊する水」(『仄暗い水の底から』角川ホラー文庫 坂東眞砂子「猿祈願」(『屍の聲』集英社文庫 宮部みゆき「影牢」(『あやし』 三津田信三「集まった四人」(『怪談のテープ起こし』集英社文庫 小池真理子「山荘奇譚」(『異形のものたち』角川ホラー文庫 綾辻行人「バースデー・プレゼント」(『眼球綺譚』角川文庫 加門七海「迷(まよ)い子」(『美しい家』光文社文庫 有栖川有栖「赤い月、廃駅の上に」(『赤い月、廃駅の上に』
  • 七つのカップ 現代ホラー小説傑作集
    3.9
    『影牢 現代ホラー小説傑作集』に続く2010年代を中心に発表された傑作ホラー短編7選。小野不由美の“営繕かるかや怪異譚”シリーズからは死霊に魅入られた主人公の心理に慄然とさせられる「芙蓉忌」。土俗的作品で知られる岩井志麻子による怨霊の圧倒的恐怖を描いた海の怪談「あまぞわい」。怪談の存在意義を問う辻村深月の「七つのカップ」など。作家たちの巧みな想像力により紡がれた悪夢の数々がここに。解説・朝宮運河 【収録作】 小野不由美「芙蓉忌」(『営繕かるかや怪異譚 その弐』角川文庫 山白朝子「子どもを沈める」(『私の頭が正常であったなら』角川文庫 恒川光太郎「死神と旅する女」(『無貌の神』角川文庫 小林泰三「お祖父ちゃんの絵(『家に棲むもの』)角川ホラー文庫 澤村伊智「シュマシラ」(『ひとんち』光文社文庫 岩井志麻子「あまぞわい」(『ぼっけえ、きょうてえ』角川ホラー文庫 辻村深月「七つのカップ」(『きのうの影踏み』角川文庫
  • バチカン奇跡調査官 アダムの誘惑
    3.5
    バチカンの奇跡調査官・ロベルトは、旧知のFBI捜査官・ビルから招待を受ける。任務のため、偽装婚約中のエリザベートと結婚式をあげるのだという。ロベルトは相棒である平賀と共にアメリカに向かうが!?
  • 剣の門
    -
    女優を目指してニューヨークに留学していた圭子の元に妹がやってきた。圭子の周辺で次々に発生する“ケーキサーバー”と呼ばれる殺人鬼の凶行。妹もついにその魔手にかかるのだが―。渾身の力作長編!
  • だからドロシー帰っておいで
    4.2
    「お義母さん、ちょっと出掛けてきます」。たったそれだけの言葉を契機に、かつて内気で平凡な主婦だった伸江は、妄想を肥大させた世界の旅で、逞しく変貌を遂げる。しかし、現実では、彼女による血と狂気の宴が繰り返されていた……。恐怖のヒロイン・伸江が、あなたの中で全ての垣根を破壊する。『オズの魔法使い』をモチーフに、平凡な主婦の狂気とロマネスクを描く。
  • おそれ
    4.5
    東京郊外のニュータウン――美観やセキュリティが万全に整えられたこの街で次々と起こる異変。チェロ奏者キム・イェニョンと再会した八神は、ある人物の欲望が生んだ禍々しい計画の存在に気づく。
  • 天使の囀り
    4.4
    北島早苗は、終末期医療に携わる精神科医。恋人の高梨は、病的な死恐怖症(タナトフォビア)だったが、新聞社主催のアマゾン調査隊に参加してからは、人格が異様な変容を見せ、あれほど怖れていた『死』に魅せられたように自殺してしまう。さらに、調査隊の他のメンバーも、次々と異常な方法で自殺を遂げていることがわかる。アマゾンでいったい何が起きたのか? 高梨が死の直前に残した「天使の囀りが聞こえる」という言葉は、何を意味するのか? 前人未踏の恐怖が、あなたを襲う。
  • 戦都の陰陽師 騒乱ノ奈良編
    3.3
    時は戦国。大陰陽師・安倍晴明の末裔たる土御門家を“魔天の四天狗”を名のる魔物が襲撃、魔を滅ぼす霊剣・速秋津比売の剣を奪い去る。それは裏蘆屋の流れをくむ妖術師・果心居士の指図だった。果心居士は奸雄・松永久秀を操り、恐るべき陰謀を企てていた。霊剣を取り戻すため、土御門家随一の使い手・光子姫は、凄腕の伊賀忍び・疾風らに守られながら、久秀のいる多聞山城をめざすが――。新説・陰陽師物語、待望の第2巻。
  • 迷い家
    3.8
    昭和20年。疎開先で妹・真那子が神隠しに。11歳の少年・遠野心造は、妹を探し巨大な屋敷に足を踏み入れる。謎の犬「しっぺい太郎」に助けられ、怪異と戦う心造の胸には、いつしか紅蓮の野望が芽生え――
  • マガイの子
    3.0
    「ナバリ・イズミ神話大系」とも呼ぶべき独自の、魅力的な宇宙観。その新たな切り口から噴出する、新たな謎〈ミステリー〉と恐怖〈ホラー〉に戦慄せよ。    ――綾辻行人 僕の姉は「取り替えられた」魔物なのか? 「マガイ」のおぞましい真実とは  「山に棲む『紛(まがい)』という魔性の獣が里の子供を攫って喰らい、己の子とすりかえる」「『紛』の子は見かけは人間だが、長ずるに従って徐々に獣の本性を表し、里に災いをもたらす」  現代社会では迷信扱いされる民話だが、鞍臥の人たちは今でも、心のどこかで信じている。なぜなら、あたしがその「マガイの子」だからだ――。  いまは東京で美大生をしている坂見風哩は、8年前に「お山」で従兄が惨殺された現場に立ち会っていた。従兄の死体は獣に食われたようだったが、風哩には事件時の記憶がない。腫物のように扱われる田舎を出たものの、不穏な出来事が周りで続いている。セクハラ教授とのトラブルで訪れた風変わりなスクールカウンセラーとの話で、夢に見る「マガイ」のことをついしゃべってしまい……。  一方、まだ鞍臥に住んでいる高校生の弟・怜治は、8年前に姉を助けてくれた円藤老人が、砂原という謎の研究者と最近共にいるのが気になっている。砂原ら「聖泉協会」の人間は「お山」の「磨崖仏」を調べているというのだが……。
  • 二階の王
    4.7
    第22回日本ホラー小説大賞〈優秀賞〉受賞作が書き下ろしを加え文庫化! 選考委員も驚嘆!  「破天荒な大風呂敷が広げられる。総合的な筆力では今回の候補作中、一頭地を抜いていると感じた」綾辻行人  「『悪因研』の活動が、すべて○○であったとしたら、かなり怖いサイコホラー。違った楽しみ方もさせてもらった」貴志祐介  「邪神との闘いという王道のモチーフに果敢に挑んだ力作。読了後、確かにタイトルはこれしかないと、しみじみ納得」宮部みゆき ===  東京郊外で両親と暮らす八州朋子には、大きな悩みがあった。30歳を過ぎた兄が二階の自室にこもり、家族にも姿を見せない生活が何年も続いているのだ。職場で知り合った男・加東に心惹かれる朋子だが、兄のことは話せずにいた。  そのころ、元警察官の仰木と6人の男女たちは、考古学者・砂原が遺した予言を元に『悪因研』を名乗り〈悪因〉の探索を続けていた。〈悪因〉は人々を邪悪な存在〈悪果〉に変えて破滅をもたらす。6人は五感で〈悪果〉を識別する能力を持つ者たちだった。  〈悪果〉を嗅ぎ分ける男・掛井は、同じショッピングモールで働く朋子への想いを募らせている。そして、掛井の仲間・卓美がある症状を発症し……。 === クトゥルー神話を思わせる魅力的な異形描写や、「世界の命運を握る存在」という大掛かりな題材。それらと不思議にも共存する、「ひきこもり」という現代社会的なテーマ。兄の存在と自分の未来に悩む女性主人公ほか登場人物の心情描写のバランスにも注目の作品。 装画=藤田新策 文庫化にあたり、書き下ろし短編「屋根裏」を収録。
  • 蘭月闇の契り
    3.7
    人が入ると必ず死者が出るといわれている幽霊屋敷。幼い真魚は、その屋敷で探検をしていたとき、首のない人間を見てしまう。そして彼女が高校生になったとき事件は起きたのだった……。屋敷に潜む謎が死を招く!
  • 媚薬
    3.5
    マレーシアのラン園で謎の男に出会ったときから、フリーライターの磯良のまわりでは、次々と人が死んでいく。美青年、茅島に仕掛けられた妖しい罠。調べ始めた磯良の前に、異様に肥った男が現れた。茅島に恋する啓子は、インターネットで手に入れた媚薬を彼に密かに飲ませるが……。一方、街中でも眠るように死んでいく若者が急増していた。忍び寄る自然の恐怖を描く、美しくもおぞましいファンタジック・ホラー。
  • アロマパラノイド 偏執の芳香
    3.0
    十七年前、パリで猟奇的な連続殺人事件が発生した。その残虐な手口から「パリの切り裂きジャック」と恐れられた犯人は、実は日本人だった。ノンフィクションライターの八辻由紀子は、犯人が殺人を告白した限定本『レビアタンの顎』を手に入れた。彼は人並み外れた嗅覚を持ち、「血の芳香」に魅せられて殺人を繰り返していたのだという。この本を手にした時から、由紀子の周りで不可解な出来事が続発するようになっていくが――。読者の五感を激しく揺さぶる、超感覚ホラー!
  • 鬼狩りの梓馬
    -
    時は戦国。武蔵国穏田村に、鬼から人間に転生した少年がいた。名は梓馬。梓馬は、殺伐とした世界で、生まれて初めての恋を手にするが、鬼の血はささやかな幸せを赦すことはなかった。今、鬼対人の戦いが始まる!
  • 翼ある蛇
    3.8
    英文学翻訳家、沢地逸子のホームページに「生理ガハジマリマシタ。ヨッテ、明日、母ナル神ニ生キ贄ヲ捧ゲル儀式ヲ行イマス。コンドハ人間デス」というメッセージが書き込まれた。翌日、都内で発見された大学生の猟奇他殺死体。沢地の担当編集者、喜屋武蛍子は、同居している姪の火呂が自分に黙ってこのホームページにアクセスしていたことを知り、疑念を抱く。火呂には胸に蛇の鱗に似た痣があり、かつてそれを見た神女が海蛇の生まれ変わりだと告げた記憶が蘇ってくる。長編ホラー。
  • ゆうずどの結末
    4.1
    こんな結末は耐えられない――。 大学に入学して3か月、菊池斗真はサークルの同級生・宮原の投身自殺を目撃してしまう。死因に不審な点もなく遺書もあったことから、彼女の死は自殺と断定された。 宮原の死から数日後、菊池は同じサークルに所属する先輩の日下部から、表紙にいくつかの赤黒い染みがある本を手渡される。それは、宮原が死の瞬間に持っていた小説らしい。 「ゆうずど」というタイトルの小説は角川ホラー文庫から刊行されている普通のホラー小説で、特に宮原の死と結びつけるような内容は描かれていなかった。 しかし、本を読んだ日下部はその翌週に自殺をしてしまう。 そして日下部の死後、なぜか菊池の手元には「ゆうずど」の本が現れていた。 何度捨てても戻ってくる本。そして勝手に進んでいく本に挟まれた黒い栞。自分にしか見えない紙の化け物。 菊池は何とか自らに迫る死の呪いを回避するために、ある手段を講じるが――。 その■■を、絶対に読んではいけない。 あなたの身に恐怖が迫る、新感覚ホラー誕生!
  • マッチング
    4.1
    ウェディングプランナーの仕事が充実している一方、恋愛に奥手な輪花は、同僚に勧められ、渋々マッチングアプリに登録。この日を境に生活が一変する。マッチングした吐夢と待ち合わせると、現れたのはプロフィールとは別人のように暗い男。恐怖を感じた輪花は、取引先でマッチングアプリ運営会社のプログラマー影山に助けを求めることに。 同じ頃、“アプリ婚“した夫婦が惨殺される悲惨な事件が連続して発生。輪花を取り巻く人物たちの“本当の顔“が次々に明かされ、事件の魔の手が輪花に迫るのだった。誰が味方で、誰が敵なのか――。出会いに隠された恐怖を描く新感覚サスペンス・スリラー!
  • アイズ 猟奇死体観察官・児玉永久
    4.3
    かつて連続殺人を犯した16歳の少年・児玉永久は、天才的プロファイラー・中島保の保護の下、晩期死体現象と法医昆虫学の研究を続けていた。ある日彼らの許に、猟奇犯罪捜査班の厚田巌夫、検死官・石上妙子、新人刑事の堀北恵平が訪れる。発生したのは女児誘拐殺害事件。被害者は瞼を切り付けられ、片眼を刳り貫かれていた。 事件の解決が過去の償いになると信じ、永久は事件を追い始めるが――。「藤堂比奈子」シリーズ、感動のスピンオフ。
  • 逢魔宿り
    3.9
    元編集者で現ホラー・ミステリ作家の「僕」のもとに、昔仕事をしたデザイナー・松尾から連絡が入った。「小説 野性時代」に連載している連作怪奇短篇について、話したいことがあるという。各短篇は、それぞれ他人から聞いた体験談を基に小説化したもので、松尾とは何も関係がないはず。訝りながら家を訪ねた「僕」に、松尾は三十年前の出来事を語りだした。それは、日課の散歩中にある四阿で出会った、怪異譚を語りたがる奇妙な一家の話であった。子供時代に山小屋で遭遇した怪異、障子に映った奇妙な影絵、宿直していた学校で起きた異変。彼らが怪異譚を語るたび、なぜか松尾の近隣で事件が多発し……。(「逢魔宿り」) ほか、「お籠りの家」「予告画」「某施設の夜警」「よびにくるもの」の4編を収録した、珠玉のホラー連作短編集。
  • やみ窓
    4.0
    2年前に結婚し、夫と死別した柚子は昼間はコールセンターのシフト制で働くフリーターだ。義理の母は柚子に息子を殺されたと罵倒する。柚子が味わった地獄は、別の形となって続いていた。それは何の前触れもなく突然やってくる異界のものたちとの闇の取引だ。いつ蹂躙されるともしれない危険と隣り合わせだが、窓の外の哀れな貧しい物の怪たちの来訪を待ちわびる柚子なのであった……。(「やみ窓」)  月蝕の夜、「かみさん……」土の匂いのする風が吹き、野分の後のように割れた叢に一人の娘が立っていた。訛りがきつく何をしゃべっているか聞き取れないが、柚子を祈り、崇めていることが分かった。ある夜、娘は手織りの素朴な反物を持ってきた。その反物はネットオークションで高額な値が付き……。そんなとき団地で出会った老婦人の千代は、ネットオークションで売り出した布と同じ柄の着物を持っていた のだ。その織物にはある呪われた伝説があった……。(「やみ織」)  ほか、亡き夫の死因が徐々に明らかにされ、夢と現の境界があいまいになっていく眩暈を描いた「やみ児」、そして連作中、唯一異界の者の視点で描いた「祠の灯り」でついに物語は大団円に。色気と湿気のある筆致で細部まで幻想と現実のあわいを描き、地獄という恐怖と快楽に迫った傑作。
  • 死霊列車
    3.4
    本州で発生した致死的急性狂犬病症候群が感染爆発。発病後の死亡率は限りなく100%に近い。この病により、日本は滅びてしまうのか。家族を失った鉄道少年・翔太はトロッコ列車を自ら操り北海道を目指す!
  • ゲスト
    3.0
    「卵が孵化する夢」を見ると、不気味な出来事が起きる――。この感染から、家族を守れるのか? 「卵の夢」はいったい何を意味するのか? 超自然の恐怖を真っ向から描いたホラー長編。
  • オリフィス
    4.0
    人生に迷った人だけが訪れることを許される「オリフィス」という名の不思議なバー。そこには、その人の寿命の残量を示す砂時計が置かれていて――。
  • 樹海
    4.0
    奇妙な夢にうなされ、飛び起きたルイは、右スネの古傷が、夢と同じ場所であることに気づく。そんな頃、同級生が青木ヶ原樹海で死を遂げた。真相を探し求め、樹海へと向かうルイ。そこで待つ運命も知らずに……。
  • X雨
    5.0
    一月のある快晴の朝、小学生の里緒の前に一人の少年が現れた。何故かレインコートを着ていた少年はフードをとり、潰れた右目をあらわらにすると、自分には見えるという、“X雨”のことを話しはじめた――。15年後、作家になった里緒は記憶に刻まれたこの話しを書き始めた。そして、物語の結末を完成させるため小学生時代を過ごしたあの街へ出発するのだが……。日本ホラー小説大賞短編賞受賞作家が緻密な構成と斬新な表現で切り拓いた新境地。過剰な衝動に恐怖と感動が交錯する傑作ホラー。
  • 病の世紀
    4.0
    人体を発火させる黴、口腔に寄生し人を人肉喰いに走らせる蠕虫、そして性交渉で感染し、人を殺人鬼に変える「666」に似た形体の謎のウイルス。街に解き放たれた病原体は、黙示録が預言した終末へのカウントダウンなのか――。人々を恐怖に陥れる巨大な陰謀とは? そして立ち向かう孤独な医師の決断とは? バイオテロをも予見した、牧野ホラーこれぞ最高傑作!
  • 最後の記憶
    3.5
    脳の病を患い、ほとんどすべての記憶を失いつつある母・千鶴。彼女に残されたのは、幼い頃に経験したというすさまじい恐怖の記憶だけだった。死に瀕した彼女を今なお苦しめる、「最後の記憶」の正体とは?
  • 双頭の蛇
    3.3
    編集者、喜屋武蛍子の元恋人で調査員の伊達が、信州・日の本村へ調査に出かけたまま行方不明になった。伊達の妻によれば、彼はこの村の寺に二泊した後、村長の車で長野駅まで送ってもらったという。蛍子は村を訪ねるが、伊達が所持していたライターが沼の近くに落ちていたということ以外、手がかりは見つからなかった。蛍子の奔走をよそに、日の本村では七年に一度の大祭に向けて準備が進んでいた。
  • 戦都の陰陽師 迷宮城編
    3.0
    破魔の霊剣・速秋津比売の剣を奪還した、陰陽師の土御門光子と、疾風ら7人の伊賀忍びたち。だがその剣は妖術師・果心居士の施した蠱物におかされており、それを運ぶ光子の力をどんどん奪っていく。果心居士に操られた“虫憑き”の妖忍や、松永久秀の軍勢、魔性の天狗らの襲撃を撃退しながら、光子は果心居士を討つため信貴山城へと向かう。だが霊剣に最後まで纏わりついた、とてつもなく邪悪な蠱物が、ついにその正体を現した――。
  • 粘膜兄弟
    3.6
    ある地方の町外れに住む双子の兄弟、須川磨太吉と矢太吉。戦時下の不穏な空気が漂う中、二人は自力で生計を立てていた。二人には同じ好きな女がいた。駅前のカフェーで働くゆず子である。美人で愛嬌があり、言い寄る男も多かった。二人もふられ続けだったが、ある日、なぜかゆず子は食事を申し出てきた。二人は狂喜してそれを受け入れた。だが、この出来事は凄惨な運命の幕開けだった……。待望の「粘膜」シリーズ第3弾!
  • 夏の滴
    3.7
    僕は藤山真介。徳田と河合、そして転校していった友達は、本が好きという共通項で集まった仲だったのだ――。町おこしイベントの失敗がもとで転校を余儀なくされる同級生、横行するいじめ、クラス中が熱狂しだした「植物占い」、友人の行方不明……。混沌とする事態のなか、夏休みの親子キャンプで真介たちが目の当たりにした驚愕の事実とは!? 子どもたちの瑞々しい描写と抜群のストーリーテリングで全選考委員をうならせた第八回日本ホラー小説大賞長編賞受賞作。
  • 邪祓師の腹痛さん
    NEW
    -
    霊障による腹痛に苛む「腹痛さん」こと邪祓師の卜部と、その助手かなめ。 二人が待つ心霊解決センターには、他所で匙を投げられた陰湿で難解な依頼が日々持ち込まれる。 離婚調停中の妻の霊に悩むサラリーマン、勤務先のプールで体内に何かを孕んでしまったスイミングスクール講師、奇怪な因習を抱える老舗旅館。 深い人間の業と欲、そこに渦巻く邪悪なモノを祓うため、卜部とかなめは深淵へと突き進む。 死角なきホラーエンタメ小説、ここに開幕!
  • FIND 警察庁特捜地域潜入班・鳴瀬清花
    続巻入荷
    4.0
    1~4巻792~836円 (税込)
    取り調べ中に被疑者を自死させてしまい、県警捜査一課を追われた刑事・木下清花。 異動先の「警察庁特捜地域潜入班」ははみ出し者の集まる新設部署だった……。 栃木の村落で発生していた「児童連続神隠し事件」の真相を追い、清花たちは潜入捜査を開始する!
  • 名前のない殺人鬼
    2.0
    僕は周りの人たちにシュンと呼ばれている。 でも、この国の戸籍にそんな名前の人物はいない。 だから人を殺しても構わない。 僕は名前のない殺人鬼なのだ――。 弁護士の李子からの依頼に従い、嗜虐的な趣味をもつ男に女装して近づき次々と殺害していく、戸籍を持たない少年・シュン。 ある日、彼らの平穏な日々を揺るがす驚愕の相談者が現われる! 若く美しい連続殺人鬼の自らの人生との対峙を端正な筆致で描き上げる、著者渾身の長編小説。
  • 火喰鳥を、喰う
    3.8
    全ては「死者の日記」から始まった。これは“怪異”か、或いは“事件”か。 選考委員、激賞!令和初の大賞受賞作! 「恐怖と謎がしっかりと絡んでいる。ミステリ&ホラー大賞にふさわしい」――有栖川有栖氏 「謎への引きこみ方が見事。読了後は心地よい酩酊感に襲われました」――辻村深月氏 信州で暮らす久喜雄司に起きた二つの出来事。ひとつは久喜家代々の墓石が、何者かによって破壊されたこと。もうひとつは、死者の日記が届いたことだった。久喜家に届けられた日記は、太平洋戦争末期に戦死した雄司の大伯父・久喜貞市の遺品で、そこには異様なほどの生への執着が記されていた。そして日記が届いた日を境に、久喜家の周辺では不可解な出来事が起こり始める。貞市と共に従軍し戦後復員した藤村の家の消失、日記を発見した新聞記者の狂乱、雄司の祖父・保の失踪。さらに日記には、誰も書いた覚えのない文章が出現していた。「ヒクイドリヲクウ ビミナリ」雄司は妻の夕里子とともに超常現象に造詣のある北斗総一郎に頼ることにするが……。 ミステリ&ホラーが見事に融合した新鋭、衝撃のデビュー作。
  • 血の配達屋さん
    3.4
    家出した母を連れ戻すため、大学生の私は北国の港町・独鈷路戸にやって来た。赤錆に覆われ、動物の死骸が打ち捨てられた町は荒涼としている。あてもなく歩くうち、丘の上の廃墟で母と老人たちが凄まじい腐臭の中、奇妙な儀式を行っているのを目撃する。それがすべての始まりだった――。真の“恐怖”をあなたは体感する。阿鼻叫喚、怒涛の展開に絶句するノンストップ・ホラー! 第39回横溝正史ミステリ&ホラー大賞優秀賞受賞作。
  • バチカン奇跡調査官 秘密の花園
    3.6
    ダイアモンド・ライン社の社長、ルッジェリの第一秘書であるエレイン・シーモアに下された密命。それはルッジェリが敵視する、ジュリア司祭の弱みを探ることだった。すべての業務を停止し、表向きは「休暇」としてパリへと飛んだエレインは、ジュリア司祭に接触。エレインは司祭の邸宅の執事見習いに近づき、彼をスパイに仕立て上げようとするが……。(「エレイン・シーモアの秘密の花園」)刑務所に収監中の殺人犯が、生霊となって現役の大臣を殺害した、と自白した事件を、アメデオ大佐が自力で解決しようと奮闘する「生霊殺人事件」、平賀の誕生日に平賀とロベルトが遭遇した事件を描いた「迷い猫」など、バラエティ豊かな三篇を収録した、ドキドキハラハラが止まらない短編集第六弾!
  • 貞子DX
    5.0
    時は令和。 謎のビデオを観た人間が24時間以内に突然死する怪事件が頻発していた。 IQ200の天才女子大生・一条文華は、怪しい霊媒師・ケンシンから謎を解くようにと〈呪いのビデオ〉のコピーを渡される。 全く相手にしない文華だったが、妹・双葉が興味本位で再生してしまい……。 「ビデオは時代遅れ」の現代で凶悪な進化を遂げた貞子。 文華はこの呪いを解くことができるのか? 映画では語られないエピソードを盛り込んだ戦慄のノベライズ。
  • ファミリーランド【電子特典付き】
    3.9
    スマートデバイスを駆使して遠方から家族に干渉してくる姑と水面下で繰り広げられる嫁姑バトルの行方。金髪碧眼のデザイナーズチャイルドが「普通」とされる世界での子どもの幸せのかたち。次世代型婚活サイトでビジネス婚をしたカップルが陥った罠とその末路。自立型看護ロボットによって育児の負担が減った一方で、隔たれる母と娘の関係。技術革新によって生み出された、介護における新たな格差。対面しない葬式が一般的な世界で、二十世紀型の葬儀を希望する死者の本当の願いとは。ホラーとミステリ、ジャンルを超えて活躍する澤村伊智がテクノロジー×家族をテーマに描いた、新感覚の家族小説。 電子特典として、書き下ろしメッセージ付き。
  • 船玉さま 怪談を書く怪談
    4.0
    海が怖い。海は死に近いからーー。山では、「この先に行ったら、私は死ぬ」というような直感で足がすくんだこともある。海は、実際恐ろしい目にあったことがないのだけれど、怖い。ある日、友人が海に纏わる怖い話を始めた。話を聞いているうちに、生臭い匂いが立ちこめ……。(「船玉さま」より) 海沿いの温泉ホテル、聖者が魔に取り込まれる様、漁師の習わしの理由、そして生霊……視える&祓える著者でも逃げ切れなかった恐怖が満載。 「”これ本当に実体験! ?”と驚くことばかり。ぞくぞくします。」 高松亮二さんも絶賛の声! (書泉グランデ) 文庫化にあたり、メディアファクトリーから刊行された『怪談を書く怪談』を『船玉さま 怪談を書く怪談』に改題し、書下ろし「魄」を収録。解説:朝宮運河
  • 忌木のマジナイ 作家・那々木悠志郎、最初の事件
    3.9
    ホラー作家、那々木悠志郎の担当編集となった久瀬古都美は、彼が初めて体験したという怪異譚を題材にした未発表原稿を読むことに。 そこに書かれていたのは、心霊現象に懐疑的な小学6年生、篠宮悟が、流行りの噂話で語られる『崩れ顔の女』を呼び出してしまうという物語だった。 その顔を見てしまった者は視力を奪われ、精神的に追い詰められた末に自殺してしまうという怪異。その真相を調べにやってきた那々木悠志郎の助けを借りて、悟は調査を進めていく。 一方で、原稿を読み進める古都美のもとにも『崩れ顔の女』が現れる。怪異の目的は何なのか、原稿に登場する怪異が自分のもとにやってくるのは何故なのか。 答えは那々木悠志郎の原稿の中にーー。 彼の物語はここから始まった。 異端のホラー作家、那々木悠志郎の原点が描かれる。シリーズ第三弾!
  • デジタルリセット
    3.7
    許すのは5回まで。次は即リセット――。理想の環境を求めるその男は、自らの基準にそぐわない人間や動物を殺しては、別の土地で新たな人生を始める「リセット」を繰り返していた。 一方、フリープログラマーの相川譲治は、シングルマザーの姉親子の失踪に気付く。姉と同居していたはずの男の行方を追うが……。 デジタル社会に警鐘を鳴らすシリアルキラーが誕生! 第41回横溝正史ミステリ&ホラー大賞〈読者賞〉受賞作。
  • バチカン奇跡調査官 天使の群れの導く処
    3.6
    キルギスの空港に、機体トラブルに陥った飛行機が緊急着陸。上空に「天使の群れ」が現れ、奇跡の生還へ導いてくれたと機長は話す。 また同日、「巨大キリスト像が動く」という不思議な事件が起こって――。
  • バチカン奇跡調査官 三つの謎のフーガ
    3.4
    イタリアの小さな村に「蜘蛛男」が出没。壁を這って移動し、車に貼りつくなど、人間ではありえない動きをするらしい。噂を聞きつけた平賀は、ロベルトと共に調査旅行へ。蜘蛛男の意外な正体とは?(「スパイダーマンの謎」)ほか、フィオナ&アメデオが犯人不在の狙撃事件を追う「透明人間殺人事件」、シン博士の血族が遺した暗号にロベルトが挑む「ダジャ・ナヤーラの遺言」を収録。謎とキャラが響き合う、洗練の短編集第5弾。
  • 闇の聖天使 ヴェネツィア・ヴァンパイア・サーガ【電子書籍オリジナル特典つき】
    4.0
    1999年、世界は数々の奇怪な現象に見舞われていた。東京直下大地震を生き延びた少年ヒカルは、ヴェネツィアに流れ着く。瀕死の彼を救ったのは、アラブ系らしい彫りの深い顔立ちの執事と、菫色の眸を持つ美少年だった。だが、生まれつき不思議な力を持つヒカルは、謎めいた主のある秘密に気づいてしまう。折しも、過去の魔手がヒカルに迫ろうとしていた――。頽廃した水の都を舞台に、光と闇の熾烈な闘いを描く、壮大で美麗な物語。 *電子書籍オリジナル特典:カバーイラストを手がけた華憐氏による、カバーイラスト線画/キャラクターラフ
  • 粘膜探偵
    3.7
    戦時下の帝都。14歳の鉄児は憧れの特別少年警邏隊に入隊した矢先、先輩のとばっちりを受け謹慎処分となってしまう。汚名返上に燃える彼は、巷で噂の保険金殺人事件を解決するため独自調査に乗り出すが……。軍部の思惑、昏々と眠る老女、温室で栽培される謎の植物、行方不明の少女――。すべてが交錯する時、忌まわしい企みが浮かび上がる。暴力と狂気が渦巻き、読む者の理性を抉り取る最凶の粘膜ワールド!
  • バチカン奇跡調査官 ジェヴォーダンの鐘
    4.0
    フランスののどかな小村・セレ村にある聖マリー教会から、バチカンに奇跡申請が寄せられる。 山の洞穴に祀られた聖母像を礼拝している最中、「鳴ると奇跡が起こる」との言い伝えがある舌(ぜつ)のない鐘が鳴り、青い鳥が福音を告げ、全盲の少女・ファンターヌの目が見えるようになったというのだ。 証拠の映像も残っており、奇跡調査官の平賀とロベルトは、早速現地へと調査に向かう。 この一帯は、かつて「ジェヴォーダンの獣」と呼ばれる怪物が出没したとの伝説が残り、狼男や人を惑わす妖精が跋扈すると噂の森が広がる地だった。さらにファンターヌは3年前、森で大ガラスの魔物に出会ったことで視力を奪われたらしく──!? 2人の活躍がたっぷりと楽しめる! 天才神父コンビの事件簿第14弾!
  • バチカン奇跡調査官 二十七頭の象
    3.4
    バチカン美術館の絵画の前にマリア様が現れて預言をするらしい――新たに取り組むことになった奇跡調査の内容に拍子抜けする平賀とロベルト。だが預言の噂はやがて、世界を混乱に陥れる事態となり……!?
  • 拝み屋怪談 来たるべき災禍
    3.8
    虚実の境が見えなくなってしまった時、人にとってあらゆるものが、怪異となり得る危険を孕んでしまう――。現役拝み屋が体験した現世のこととも悪夢とも知れない恐るべき怪異。すべてのはじまりは20年以上前、ある日曜日の昼下がりに出会った一人の少女だった。その少女、14歳の桐島加奈江は果たして天使か怪物か、それとも……!? 訪れた災禍を前に恐れおののく一方で、必死に解決を図ろうとする拝み屋の衝撃実話怪談!
  • バチカン奇跡調査官 楽園の十字架
    3.7
    休暇中にカリブ海クルーズに誘われた平賀とロベルト。その船上で海が真っ二つに割れ、巨大な十字架が出現したのを目撃する。だがその直後に恐ろしい殺人事件が起こり!? 豪華客船に隠された真実とは――。
  • イヴルズ・ゲート 睡蓮のまどろむ館
    4.0
    奇妙な外観を持つ埃及屋敷に、心霊実験のため集められた4人の男女。以前の持ち主は謎の死を遂げたという。不穏な空気の中、次々と起きる不可思議な現象に、宗教学者と博物館学芸員の異色コンビが立ち向かう!
  • 死と呪いの島で、僕らは
    3.5
    東京都の果ての美しい島。高校生の椰々子は、"呪われた美少女"として島民に疎まれている。そんな彼女に、島の有力者の息子・杜弥は、密かに片想い中。しかし彼女が禍々しい予言を聞いて以来、島に怪異が続発し…。 ※本書は二〇一四年十月に小社より刊行された単行本『死呪の島』を加筆・修正の上、改題し文庫化したものが底本です。
  • バチカン奇跡調査官 ソロモンの末裔
    3.7
    バチカンの奇跡調査官・平賀とロベルトのもとに、新たな調査依頼が。神の聖所たる『契約の箱』の上空に、突然巨大な炎の剣と天使ケルビムの姿が浮かんだという。鑑定のため、急遽エチオピアに飛んだ2人だが──。
  • 死人花 『彼岸花』異聞
    3.7
    京都行きの新幹線で偶然知り合った有紗、菜つみ、融の女子大生。すっかり意気投合し、一緒に市内観光をすることになるが、行く先々で恐ろしい出来事が……。三人が知り合ったのは本当に偶然なのか?
  • 陀吉尼の紡ぐ糸 探偵・朱雀十五の事件簿1
    3.1
    1~5巻792~880円 (税込)
    昭和9年、浅草。神隠しの因縁まつわる「触れずの銀杏」の下で発見された男の死体。だがその直後、死体が消えてしまう。神隠しか、それとも……? 一方、取材で吉原を訪れた新聞記者の柏木は、自衛組織の頭を務める盲目の青年・朱雀十五と出会う。女と見紛う美貌のエリートだが慇懃無礼な毒舌家の朱雀に振り回される柏木。だが朱雀はやがて、事件に隠された奇怪な真相を鮮やかに解き明かしていく。朱雀十五シリーズ、ついに開幕!
  • 怪談実話コンテスト傑作選 お不動さん
    4.0
    稲川淳二、一柳廣孝、加門七海、東雅夫、福澤徹三が選考委員を務める『幽』怪談実話コンテスト。拝み屋を営む大賞受賞者をはじめ、上は87歳から下は13歳まで、世代を超えて寄せられた正真正銘の怪談実話!
  • バベルの古書 猟奇犯罪プロファイル Book1《変身》
    4.0
    札幌市近郊の町、荏原市で発生した女子大生殺人事件。遺体の首と両手は切断されて持ち去られ、現場にはフランツ・カフカの『変身』の一節が残されていた。その猟奇的な手口は5年前に発生した『グレゴール・キラー事件』に酷似しており、ほどなくして更なる被害者も現れる。グレゴール・キラーに相棒を殺された過去を持つ刑事、加地谷と新米刑事の浅羽は、事件の捜査を進めるうち、被害者の霊を目撃したという青年に遭遇する。最初は半信半疑な刑事たちだったが、青年の証言により新たな犠牲者が出たことを知り、逃走した犯人を追う。連続殺人鬼グレゴール・キラーは何故、現場に『変身』の一節を残すのか。被害者の共通点は何なのか。それらの謎を解き明かし、猟奇殺人犯へと迫る加地谷と浅羽が目にする事件の真相とは……。そして、謎の古書が導く物語は、さらなる事件とともに下巻へと続く。猟奇事件×スーパーナチュラルミステリー第一弾!
  • ホーンテッド・キャンパス 黒い影が揺れる
    4.5
    オカ研メンバーの八神森司が迎えた今年のバレンタインデイ。長年の想い人こと、意中の乙女・灘こよみから、「二月十四日は頑張ります。八神先輩、覚悟してください」と言われたのだ! 灘こよみの今年のバレンタイン計画。それは県内でもっとも有名なショコラトリー&カフェ『KUKKA』にて、森司と二人きりで夜を過ごすことであった。ところが、『KUKKA』は無期限の休業を発表。その背景には怪現象が絡んでいた。ことの発端はエレベーターの防犯カメラ映像に映る「ぼんやりと人のかたちをした、薄黒い影」から始まった――。果たしてこよみのバレンタインの行方はいかに?(「第一話 ショコラな恋人たち」)。ほか、元銀行員の老人が黒い影の怪異に取り憑かれる「第二話 あなたのマグネット」、神隠し伝説が多い地元で約50年前、恋人と山に入り、記憶を失い一人帰ってきた伯父の事件の真相を追う「第三話 かどわかしの山」を収録。黒い影ーーそれは執着。恋愛、お金、妊娠、出産などで苦しめられた浮かばれない者たちの思いが黒い影と化し……。エスカレートする霊障に立ち向かう、オカ研メンバーの推理が冴える青春オカルトミステリー
  • 返校 影集小説
    4.5
    台北から金鸞に引っ越してきた劉芸香。転校先は時代錯誤の校則が今なお続いている翠華高校だった。ある日、立ち入り禁止の涵翠樓で自殺現場を目撃してしまったことから、芸香の運命が変わっていく――。
  • レテの支流
    3.9
    S大学研究室では記憶を消す方法がひそかに研究されていた。元芸能人だった怜治は、栄光の時代の記憶を消してもらう。その二ヶ月後、怜治は十五年前自殺したはずの高校の同級生を目撃する……! 前代未聞のアイデアと圧倒的なストーリーテリングで読者を魅了する驚愕の記憶ホラー。第十一回日本ホラー小説大賞長編賞佳作。
  • 災転(サイコロ)
    3.0
    墓石がありえない形で曲がっていた。その責を問われた碑工師の飛崎漂二は、調査に乗り出すが、次々と奇怪な現象と殺人がおこる。身体の内側から刺された傷、内臓に巣食う魔物、降ってきた死体、隙間なく生えてくる顔……。焼死した非業の女が残した「サイコロ」の謎とは? 呪詛の存在を感じた飛崎は、美人巫女で、霊力の研究者でもある九能空美と共に、連続殺人の謎を暴いていく! 怒涛の、奇想天外ホラー!
  • リアルヘヴンへようこそ
    3.8
    無機的な郊外の住宅地。最新の通信環境を備えたマンションで、静かに、しかし確実に増幅していた悪意。やがて「ウエルカム・トウ・リアルヘヴン」と銘打った謎のホームページを媒介に、日常は次第に恐怖に侵されていく。不穏な気配を察していたのは一握りのホームレスと孤独な少年ただ一人。彼らのあまりに絶望的な戦いの行方は……? 生理的、心理的、現実的、あらゆる種類の恐怖を詰め込んだ牧野ワールドの原点。
  • 暗黒星
    4.0
    まっ赤に染まった浴槽の中であおむけに浮かぶ全裸の女。目を抉られ、心臓部から鮮血が噴き出す凄惨な死体に、人々は思わず顔をそむけた。突然、大富豪伊志田家の家族を襲った血の惨劇は、悪魔のような犯人が奏でる殺人交響曲の序章だった。明智小五郎をあざ笑うように起こる第二、第三の殺人。だが、面子にかけて犯人を追う明智は凶弾に倒れてしまった……。怪奇とロマンあふれる江戸川乱歩の傑作本格推理。他4篇収録。
  • トンネル
    4.0
    瞳を閉じてはいけない。女子高生がマッチ棒を目にはめ、瞳をこじ開けたまま自殺。新幹線では会社員が吠え、ジェットコースターから男が飛び出し、高速のトンネルでは大惨事が発生! 日本中で奇妙な事件が巻き起こる中、渋谷の映画館で374人が突然姿を消した。政府から依頼を受けた特命調査チームが見いだしたのは、科学の常識を根底からくつがえす特異な現象!『ボイス』の吉村達也が描く恐怖の無限トンネルから、あなたは無事に抜け出せるか?
  • 屍の王
    3.0
    娘を惨殺され、失意の底に沈むエッセイスト草薙のもとに、かつての担当編集者から連絡が入る。小説を書かないか――。娘の供養にと書き始めた小説『屍の王』。しかし、かつて同名の作品が存在し、その著者が娘と妻を殺害し自殺していた事が明らかになる。自らの過去を探す道程で明かされる恐怖とは……。幻想ホラー最高峰、著者渾身の一作!
  • 女友達
    3.6
    29歳独身、一人暮らしで特定の恋人は無し。満たされぬ毎日を送っていた千鶴は、ふとしたきっかけから隣人・亮子と知り合った。同い年だが自分よりも容姿も収入も劣っている亮子との友情に、屈折した安らぎを見出す千鶴。ファッションや持ち物の比較、相手の幸せへの嫉妬、虚栄心を満たすための小さな嘘――女友達の間にはありがちな些細な出来事が積み重なった時、ふたりの間に生まれた惨劇とは? 女性心理の奥底を緻密に描く、長編サスペンス・ホラー。
  • うしろ
    3.6
    音大のある静かな町に建つ瀟洒なマンションには、面接を経て選ばれた住人たちが暮らしている。この建物の主はある呪術的な仕掛けを施していた。やがて狂い始める日常。なぜだか『うしろ』が気になる……。
  • 人間処刑台
    3.3
    網膜剥離を理由にボクシング界を去ったものの、戦いの熱気が忘れられずにくすぶっていた小鹿。彼のもとに、格闘エージェントである美女が訪れ、世界最強の男、ラムアとの一戦を持ちかける。それは、アンダーグラウンドファイトへの招待状だった――。闇のリングをまばゆく照らす光。血に飢えた観衆を熱狂させる野獣たちの死をかけた戦いが始まる。暴力だけがすべてを支配する、限りなく残酷で官能的な世界を、濃密に描く。
  • さよならが君を二度殺す
    3.8
    山間部の村で5人の人間が消えた。彼らは半日後に無事発見されたが、失踪時の記憶が揃って失われていた。それから32年後、当事者の一人、慎吾は死んだはずの妻の声が聞こえるようになり、幼馴染みの康夫と剛にも特殊な能力が発現する。人智を超えた知恵と技術、思念で人を操る力。これを与えるのは神か悪魔か。空白の過去に隠された戦慄の秘密が明かされてゆく……。圧倒的リーダビリティの第18回日本ホラー小説大賞最終候補作。
  • 殺人調香師
    -
    柏木はハンサムな若き調香師。彼の調合する香水を求め、店には多くの婦人たちが訪れる。だが柏木には大きな秘密があった。彼は調香師にして──連続殺人鬼。命を失ってから数時間にわたって皮膚から立ちのぼる『その薫り』に包まれながら、殺した女を犯すことが、彼の至上の喜びなのだ──。だが今までで最高に惹かれる『その薫り』の美少女・レイナと出会った時、禁断の悲劇が幕を開けた……! 倒錯的エロティック・ホラー。
  • 捕食
    3.0
    就職活動に失敗し、レストランの契約社員として働く輝は、ある日、年下の上司からカードスキミングを指示される。解雇を恐れ、心を無にしてそれを実行するが、愛人の雪と来店した常連客・黒川に見破られてしまう。罪を着せられ、解雇を告げられた輝に、黒川が誘いかける。自分の運営団体「ライフキュアセンター」で働かないか、と。それが、地獄の始まりだった――。現代社会の歪みに落ち込んだ者たちの末路とは。傑作長編!
  • ふたご
    3.7
    人気スターの安達真児は、美貌の妻・唯季を殺した。資産家の娘に目をつけた彼は、妻が邪魔になったのだ。しかし、妻にはユリという名前のふたごの妹がいた。しかも彼女は瓜ふたつのレベルを超えた完全同一体。その信じ難い事実を安達に告げた唯季の父は、ユリとの再婚話を持ちかけてきた。半信半疑の安達は、旧友の遺伝学研究者・村田和正を訪ねるが、そこで衝撃的な仮説を示される。染色体の世界に秘められた人類解体の設計図が明らかにされる驚愕のラスト!
  • 怪談狩り 葬儀猫
    4.0
    コロナ禍の町で、異様な格好の男を目撃した主婦の体験が不思議な「面布」。引っ越したばかりの地で、近所で立て続けに起きた不幸と、その共通点に震撼する「大黒柱」など、日常で遭遇する恐怖に加え、八甲田山雪中行軍遭難事件と千日デパート火災事故という2つの歴史的な事件にまつわる怪異の総括を収録。障りを危惧して伏せていた事実など、今だからこそ書けるエピソードも。実話怪談の先駆者が、土地に刻まれた記憶を語り継ぐ。
  • 妖奇庵夜話 千の波 万の波
    完結
    4.3
    東京下町にひっそり立つ妖奇庵。 そこは妖人茶道家・洗足伊織の茶室だ。 《管狐》の夷、《小豆とぎ》のマメとともに、穏やかな日々を過ごす伊織のもとへ、 久しぶりに刑事の脇坂がやってきた。 元水泳選手であり、トラブルを抱えた妖人《河童》を連れて……。 ほか、青目と二人きりで密やかに過ごした時間が、 伊織視点、青目視点それぞれで綴られた物語も収録。 中村明日美子のコミックも収録した、真の完結巻! *妖奇庵夜話の「き」は王扁に奇です。
  • 異端の祝祭
    3.9
    1~3巻748~770円 (税込)
    失敗続きの就職浪人生・島本笑美。 原因は分かっている。彼女は物心ついた時から生きている人間とそうでないものの区別がつかないのだ。 街に溢れ返った異形のモノたちは、自分の姿が見えていると分かるや否や、笑美に纏わり付いてくる……。 ある日、ダメ元で受けた大手食品会社「モリヤ食品」の面接で、笑美はヤンと名乗る青年社長と出会う。 出会ったその瞬間から、何故か自分に惚れ込んでいるヤンに心奪われ、笑美はそのままモリヤに就職することを決める。 しかし「研修」という名のもと、ヤンに伴われて笑美が見たのは、「ケエエェェェエコオオォォオオ」と奇声をあげながら這い回る人々だった――。 一方、笑美の様子を心配した兄・陽太は、心霊案件を専門とする佐々木事務所へ相談に訪れ……。 ページを開いた瞬間、あなたももう「取り込まれて」いる。 カクヨム発の「ほねがらみ」がTwitterでバズり大反響! ネット民を恐怖の底に叩き落とした驚異の新人作家が放つ、民俗学カルトホラー!
  • 恋愛禁止
    3.5
    瑞帆の前に現れた3人の男――。1人は、ある時期、彼女の世界の中心だった。だが、いつしか愛情は憎しみに変わり、口論の末、彼を衝動的に殺してしまう。発覚を恐れた瑞帆だったが、一向に殺人は露呈しない。そのことに戸惑う中、知人の紹介で知り合った男と交際を重ね、やがて子供を授かる。そしてもう1人は、純粋さの果てに歪な愛を向けてきた……。彼らは瑞帆に何をもたらしたのか。恋愛の“業を描き出す戦慄の長編!
  • ゆるコワ! ~無敵のJKが心霊スポットに凸しまくる~
    4.0
    「私たちも部活で青春をしてみるっていうのはどうかしら?」 最強女子高生の桜井梨沙は、悪魔的頭脳を持つ残念美人の茅野循に誘われ、 オカルト研究会を結成することに。 活動内容は心霊スポットを探索し、調査結果を会報にまとめること。 早速病院の廃墟に向かうが……。 呪いの神社、最凶事故物件、そして「カカショニ」。 ヒトコワ、呪い、都市伝説もどんとこい!  ゾクゾク怖くてスカッと爽快、最強女子高生ふたりの快進撃!
  • 異形探偵メイとリズ 燃える影
    3.0
    漫画家を目指す高校生の秋人(しゅうと)はある晩突然、不気味な「何か」に襲われる。直後、唯一の理解者の兄が行方不明に。兄を捜すべく訪れた奇妙な探偵事務所で秋人は、奇怪な存在「異形」を追っているという所員のメイとリズに出会う。リズの目には、秋人に取り憑く異形の影が映っていた。異形と兄の失踪、そしてリズたちが追うある人物。全てが繋がったとき、驚愕の展開を迎える! 第42回横溝正史ミステリ&ホラー大賞<読者賞>受賞作。

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