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無機的な郊外の住宅地。最新の通信環境を備えたマンションで、静かに、しかし確実に増幅していた悪意。やがて「ウエルカム・トウ・リアルヘヴン」と銘打った謎のホームページを媒介に、日常は次第に恐怖に侵されていく。不穏な気配を察していたのは一握りのホームレスと孤独な少年ただ一人。彼らのあまりに絶望的な戦いの行方は……? 生理的、心理的、現実的、あらゆる種類の恐怖を詰め込んだ牧野ワールドの原点。
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Posted by ブクログ
救いようのないようなグロテスクな物語を、『カラさん』『絶叫マシン』『黒のオリーブ』『箪笥ズボン』『レトルト・マン』5人のコミカルなキャラクターが彩る。 とはいえ本作のグロさはなかなかのもので、よくもまぁこんなにも人の悪意を凝縮できたもんだなぁ、と。笑 メールを受け取ったことにより住民たちがいつのま...続きを読むにか狂気に侵されていく感じなんかは、人の醜い部分をまざまざ見せつけられてる感じもあったりしてげんなりしますが(それが好きなのですが笑)、後半には、化け物と化した人間、死んだ猫を操る実の父と戦うホームレス『カラさん』、マンションに巣食う禿親父の怪物などなど、これは一体なんのジャンルなんだと思えるぶっとんだ話でございます。 主人公が街で見かけた”壊れた人々”を観察してネットにあげる『浮浪通信』、ホームレス4人とのヘンテコな会話、メールを受け取った人々に起こる超常現象(祟るパンプスや踊る死んだネコetc)など、ただただ怖いお話ではなく、いろんなジャンルを取り込んだお話ですのでとても読みやすいです。途中から出てくる物知りハカセが語る、超常現象の捉え方がとても面白く、そこも読みどころ。
この本の解説によると、ノストラダムスの原詩第一行をヘルメスの黄金数列に従い並べると、作者の名前になるそうな。
近年増えてきた『電話回線に潜む呪い』という題材ではありますが、非常に牧野氏テイストな仕上がりになっております。苦笑いと紙一重のブラックな笑い満載。
好みもあるのかもしれないが、凡庸なホラーで終っている作品だと思った。グロや狂気で畳み掛けるタイプのホラー。なぜ街がおかしくなったのかの設定はきちんとあるのだけれど、どことなくいい加減というかおざなりというか…… 分量の割にはパッとせず、インパクトも薄い。
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