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Posted by ブクログ
この本は、一読した直後は「何この大胆すぎるラスト!?こんなんあり得ない!っていうか持って行き方が強引すぎない?」と批判だらけだったんですが、時が経つにつれてどうしても頭から離れなくて「もう一回読みたい!」となってしまうというなんとも不思議な本です。
小学四年生の男の子が主人公。そこに絡んでくる車椅子の少年、いじめを黙認するクラス、植物占いから広がってゆく戦慄の計画が、一見爽やかに始まるストーリーを徐々にグロテスクなものに変えて行きます。
途中までは難なく読めるものの、そこから瞬く間に衝撃の展開があって、読んでいるこっちはハラハラしっぱなし。ラストは小説の常識を覆すような異常な終わり方になっています。
何度も読み返したくなる作品ナンバー1です。
Posted by ブクログ
僕と河合、徳田の3人は、夏休みを利用して東京行きを決行した。急に転校していったクラスメートのジョンを訪ねるため……彼の転校には何か不可解なことがあった。足の不自由な徳田を囲むクラスへの取材で来ていたTVレポーターの江上さんに助けられながら、辿り着いたジョンの引越し先で見たものは……。やがてやって来た親子キャンプで、僕らは想像を絶する事実に直面する。
大人の事情で消えるように転校していく友人、急に流行しだした「植物占い」、横行するいじめ、主人公と母親の歪んだ?関係……単純に言えば“鬼畜でインモラルで残酷マンセー”ってところだが、次々に提示される様々な要素を、クライマックスで明らかになる事実(中盤でおよその察しはつくんだが)にうまく収斂させているようにも感じた。
背伸びはしてもしょせん子供なのだが、それ故の残酷さ―これまたホラーでは定番だけども―が描かれた「いじめ」のシーンは、本筋とは関係なしに不快にさせられる(それでいいんだけど)。
第8回日本ホラー小説大賞の長編賞受賞作。この回の大賞作「ジュリエット」よりも、余程面白く読めた作品だったかと。
Posted by ブクログ
暑さが不快な夏の午後に一気読みするには最高の小説だった。非常に好き。
集団でクラスメイトをいじめるクソガキでありながら、あくまで友情にあつい小学生たちとして主人公一味が描かれるズレ具合。爽やか夏休みジュブナイルミステリものかと思いきや、クラスメイトは親に殺されてグズグズに加工されているというネタのエグさ。唐突な近親相姦から急加速してZ級ホラーに化けていく展開がたまらなかった。
どうせ辻褄合わせようもない薬効云々のプロットはこの際どうでもよくて、純真な子供が虫を残酷に殺して遊んだりする二面性と、すました顔で私利私欲を満たす大人たちの(子供視点での)不気味さの重ね方が本作の魅力だと思う。出てくる大人たちの行動原理そのものには全く感情移入できないけど、人間の道徳観の都合の良さ・ダブスタ具合を思えば、非受益者からみた人間なんてこんなもんだよねという痛烈な皮肉は理解できてしまう(作中のいじめられっこは作者自身がモデルらしく、そうするとこのルサンチマン視点も合点がいってしまう)し、動物の肉を食べながらペットを可愛がってる矛盾とか、普段目を瞑っている欺瞞を指摘されるような居心地の悪さがある。あと男として近親相姦シーンはシンプルにしんどい。総じて意地が悪い。
賛否両論が極端な作品で、低評価のレビューを読んでいると笑える。角川ホラー文庫の黒い背表紙を意識せずに手に取った人たちは可哀想(皮肉ではない)。
ホラーは小さく小綺麗にまとまった作品より、こういう行くところまで行ききったものの方がエンタメとして優れてると言いたい。ママの最後のシーンの計算されたしょうもなさなんか感動モノ。ジャンキーなホラーを楽しめる人間にはたまらない作品だろ、と思ったら実はホラー小説大賞をとっていて納得。
きったないローカル本屋でボロボロの状態のものを50円で買い、不快な気分でクソ暑い夏に読む。これ以上なく正しい読み方だったと思う。たぶんずっと手放さない一冊。大満足。
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