海外文学作品一覧

  • いきいきと生きよ ゲーテに学ぶ
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    ゲーテは、つねにみずみずしい新鮮な心で、現実をありのままに受けとめ、しかも現実におぼれることなく、理想をもってそれに対処した人であった。はるかに困難な時代のなかにあって、つねにいきいきと生きるために、この師のことばに心をひそめるべきであろう。ゲーテと著者との心の対話を通じて、示唆にみちた豊かなことばの泉から、われわれ現代人への知恵をくみとる。
  • 息がつまりそう
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    この集には、婚約時代の若いカップル、長年連れそった夫婦間の機微など、男と女のお話を、苦味のきいたユーモアで描き出した作品を中心に、私達の周囲によく見かける典型的庶民の笑いと哀歓を描いた作品――「息がつまりそう」「大都会」「お食事」「一方的陳述」「結婚記念日」「憩いの館」「愛の巣 」「金婚旅行」の8編をおさめてある。

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  • 異郷【HOPPAライブラリー】 E・ヘミングウェイ短編集
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    ヘミングウェイ生前未発表の短・中編全7編が新訳で甦る。「わたし自身、いつかはヘミングウェイの小説を翻訳してみたいという思いを抱いてきたが、この翻訳書を前にして、その願いは諦めなければならないかもしれない。いまはただ、純粋な気持ちで、すばらしいヘミングウェイ訳者の登場を心から祝福しよう。 (推薦文より)」

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  • 【電子復刻版】イギリス革命と現代
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    1巻1,320円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 ※この商品は固定レイアウトで作成されており、タブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 ピューリタン革命、王政復古、名誉革命と、激動あいついだ、17世紀イギリスの歴史の跡をたどりつつ、その過去と現代を格調高く照らし出す名紀行。 待望の電子復刻版。
  • 【電子復刻版】イギリス小説の現在
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    1巻1,320円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 ※この商品は固定レイアウトで作成されており、タブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 作品構造を分析することにより、作者の自意識、語り、フィクションとしての作品などをめぐる諸問題に光をあて、読者に新しい刺激を与える。 待望の電子復刻版。
  • イギリス人の患者
    4.5
    王に名を消し去られた風、部族ひとつを溺れさせる砂の海、泳ぐ人々が壁一面に描かれた泉の洞窟――妖しくも美しい情景が、男の記憶には眠っていた。砂漠に墜落し燃え上がる飛行機から生き延びた彼は、顔も名前も失い、かつて野戦病院だった屋敷で暮らす。世界からとり残されたこの場所に、一人で男を看護する女性、両手の親指を失った泥棒、爆弾処理班の工兵と、戦争の癒えぬ傷を抱えた人人が留まり、男の物語に耳を傾ける。それぞれの哀しみは過去と現在を行き来し、記憶と交わりながら、豊饒な小説世界を展開していく。英国最高の文学賞、ブッカー賞五十年の歴史の頂点に輝く長編。/解説=石川美南
  • イザベラ・バードのハワイ紀行
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    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 130年前のハワイ王国にタイムスリップ!キラウエアの火口、ワイピオの渓、マウナロア、ハレアカラ…イザベラの驚くべき冒険を通して、「常夏のエデンの島」の魅力とその実情を知る。
  • イスタンブル、イスタンブル
    4.0
    美しき街への痛切な愛を謳う傑作トルコ文学。  イスタンブルの地下牢獄の一室に、学生のデミルタイ、温厚なドクター、気難しい床屋のカモが閉じ込められていた。苛烈な拷問を待つあいだ、彼らは互いに物語をして時を過ごす。そこに激しい拷問を受けたばかりの老人キュヘイランが加わる。彼は幼い頃から父が影絵で物語ってくれたイスタンブルに憧れていた。彼らはまるで疫病を避けて家に閉じこもり物語をし合った『デカメロン』のように物語り合い、空想の世界でお茶を飲み、煙草を味わう。やがて彼らの過去が少しずつ明らかになり、と同時にそれぞれがまた拷問へと連れだされていく…。  2018年EBRD(欧州復興開発銀行)文学賞受賞。東西が溶け合う美しい街と、その地下で彼らを襲う残酷な現実――クルド系トルコ人の作家がイスタンブルへの痛切な愛を謳う傑作トルコ文学。 (底本 2023年9月発売作品)
  • イソップ寓話1
    -
    紀元前5世紀のヘロドトスの「歴史」に出てくる作者イソップ。だがその生涯はよくわからない。しかし、イソップ作とされる寓話の数々は、いつしかまとめられて多くの国の言葉に訳されて普及した。日本でも1593年に『天草本伊曾保《いそぽ》物語』が出版された。おもに動物や植物を材料に書かれたその寓話は、末尾の警句とともに、大人が改めて読んでも非常におもしろい。本寓話集には、(1)に148編の寓話を、(2)には120編の寓話と、同じく寓話作家として有名なラ・フォンテーヌの手になる、これも非常におもしろいイソップの伝記寓話15編が収めてある。

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  • イソップ寓話集
    3.9
    子ども向けの人生訓話として世界中の人々になじみ深いイソップの動物寓話-実は、歴史上の人物としてのイソップ(アイソーポス)が作ったと実証できる話はひとつもない、いわば「イソップ風」寓話集であるが、そこには、読み手の立場によってさまざまな解釈が可能な、実に奥深い世界が展開されている。新訳471篇を収録。

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  • 伊曾保物語―天草本
    -
    1593(文禄2)年にイエズス会天草学林にて刊行されたローマ字綴の日本文イソップ物語を新村出氏の手によって漢字仮名交り文に翻刻したもの.伊曾保物語は西洋文学を日本語に移した最初のものであり,桃山時代京阪地方の口語を基調とした文体,語法,語彙,発音など,国語史・国語学研究の上で貴重な資料となっている. (※本書は1997/11/1に発売し、2022/4/13に電子化をいたしました)
  • 板橋雑記蘇州画舫録
    -
    ※本シリーズに使用している原版データは時間が経過している作品が多いため、一部不鮮明な箇所がある可能性がございます。ご了承下さい。 明代末・清代初頭に繁華をきわめ,やがてさびれた南京・秦淮と風光明媚な蘇州の遊里。“夢の時空”に遊ぶ文人・名士の風流生活と名妓たちのあでやかな姿を伝えて,過ぎ去った時代を追想する2著。

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  • 1ドルの価値/賢者の贈り物 他21編
    4.0
    めまぐるしいオフィス風景をユーモラスに描く「多忙な株式仲買人のロマンス」、若く貧しい芸術家たちの姿を描いた「最後の一葉」、表題作の「1ドルの価値」。O・ヘンリーはアメリカの原風景とも呼べるかつての南部から、開拓期の荒々しさが残る西部、大都会ニューヨークなど、さまざまに舞台を移しながら多彩な作品を生み出した。世界各国で読み継がれる代表作のほか、知られざる作品も新訳で登場。心に染み入る珠玉の23編。【光文社古典新訳文庫】
  • 一万一千本の鞭
    5.0
    これは大人の童話である。下品で残酷、豊満で優雅、奔放で澄明な、性の童話である。雲古、御叱呼、血、精液、あらゆる体液がわきたっているエクストラヴアガンツァであるが、淫らさがどこにもなく、爽快な哄笑があり、背後には痛烈な嘲罵の精神がある。 ――開高 健
  • 射手座物語
    -
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 「英雄とは何か」真の英雄の意味を語る物語。
  • 従妹ベット(上)
    -
    好色漢ユロ男爵、貞淑のかがみのその夫人アドリーヌ、強欲な商人あがりのクルヴェル、淫蕩多情で強欲なマルネフ夫人、そして醜女であるために誰からも愛されず、男爵夫人におさまった美人のアドリーヌを妬み、いつか没落させてやろうと密かに執念を燃やす従妹ベット。これら主要人物に多くの登場人物をからませて、パリを舞台に描きあげられた人間くさい物語。バルザックの「人間喜劇」の代表作のひとつ。

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  • 従兄ポンス(上)
    -
    1~2巻770円 (税込)
    バルザックの小説集『人間喜劇』中の長編小説。主人公のポンスは名声を失った老音楽家で、同じ音楽家で親友のドイツ人シュムケとともに貧乏暮らしを送っていた。だが彼は骨董の目利きで、パリで一、二の収集品を隠し持っていた。もう一つの彼の道楽は美食だったが、こちらのほうは毎晩金持ちの親戚の食卓に顔を出すことで満たしていた。ある日、ひょっとしたことが原因でポンスはひどく侮辱され、死病の床に伏してしまう。それと同時に、ポンスの収集した骨董が莫大な財宝であることが明らかになる。それを機に、この遺産を手にしようと策謀うずまく人々の暗躍が始まる……パリを舞台に富裕な一族と貧しい従妹との間におこるドラマを描いた『従妹ベット』とならぶバルザック最晩年の傑作。
  • 愛しいあなた
    -
    1巻1,980円 (税込)
    『父の初七日』監督脚本のエッセイ・リウ。映画の原作エッセイがベストセラーとなった著者の初短編小説集。 何を書くか、どうコラージュするのか、その細かな取捨選択に宿る煌めき。 読みながら、自分が出会ってきたあらゆる愛しい人を思い浮かべたけれど、読み終える頃にはこの小説が、愛しいあなたになっていた。――金原ひとみ(小説家) 子供が欲しい。でもそれってホルモンのせい? でも、過ぎてしまえばそれでいいなんて私は思わない…「愛しいあなた」。私は年上の人しか好きになれないんです。父の秘密と私の恋…「失明」。台湾の現代女性の愛と痛みを衝動的に描いた短編小説集10編。 【目次】 愛しいあなた プレゼント ものにできない マシューとクレア わたしたち 失明 レーシック 日めくりカレンダー 上海・新・桃花源記 記憶喪失と失踪 著者あとがき 訳者あとがき 【著者】 劉梓潔 1980年、台湾・彰化県生まれ。小説家、脚本家、台湾・逢甲大学人文社会学院専任教授。国立台湾師範大学社会教育学系卒業。著作に長編小説『希望你也在這裡』、『外面的世界』、『真的』、短編小説集『自由遊戯』、『遇見』、エッセイ集『化城』、『父後七日』など。映像作品に台湾映画『痴情男子漢』(脚本)、『父後七日』(監督・脚本)、台湾ドラマ『滾石愛情故事』(脚本)、『徴婚啓事』(脚本)など。受賞歴に金馬奨最佳改編劇本賞、台北電影節最佳編劇賞、林栄三文学賞、聯合文学小説新人賞など多数。 明田川聡士 1981年、千葉県生まれ。獨協大学国際教養学部専任講師。早稲田大学第一文学部卒業、東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了。博士(文学)。専攻は台湾文学・台湾映画。著書に『戦後台湾の文学と歴史、社会』、『越境する中国文学』(共著)、『台湾研究新視界』(共著)など。翻訳に黄崇凱『冥王星より遠いところ』、李喬『藍彩霞の春』、李喬『曠野にひとり』(共訳)など。
  • 犬を連れた奥さん
    -
    1巻440円 (税込)
    サハリン旅行後メリホヴォ村に落ち着いたチェーホフは、「六号室」にはじまる円熟期の多くの傑作を書いた。本巻に収めた「箱に入った男」「すぐり」「恋について」の連作を含む5編はこの時期の最後のもの(1898年、作者38歳)。肺を病んだ作者は翌年、クリミヤ半島のヤルタに転地、「可愛い女」「犬を連れた奥さん」の晩年の傑作はここで生まれた。

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  • 荊楚歳時記
    -
    1巻2,530円 (税込)
    ※本シリーズに使用している原版データは時間が経過している作品が多いため、一部不鮮明な箇所がある可能性がございます。ご了承下さい。 荊楚,つまり長江中流域の湖南・湖北地方の年中行事とその由来を記した民俗資料の古典。6世紀の梁の人宗懍の著に,隋の杜公瞻(とこうせん)が注を付けたもの。訳注者の初版本への補注をもとに,より詳細な補訂を加えた。

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  • イプセン 人形の家
    4.1
    「あたしは、何よりもまず人間よ」ノーラは夫にそう言いおいて家を出る。ノルウェーの戯曲家イプセン(1828-1906)は、この愛と結婚についての物語のなかで、自分自身が何者なのかをまず確かめるのが人間の務めではないか、と問いかける。清新な台詞と緻密な舞台構成がノルウェー語原典からの新訳でいきいきと再現される。

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  • 今古奇観 1
    -
    1~5巻2,420~2,750円 (税込)
    ※本シリーズに使用している原版データは時間が経過している作品が多いため、一部不鮮明な箇所がある可能性がございます。ご了承下さい。 一世の名妓が油売りの真情に感動して夫婦となる話,女装の美少年にまつわる結婚喜劇……。中国明代の世相・人情を,批判をこめつつ生き生きと伝える全40話の新訳。第1巻は,第8話まで。巻末に千田による解説を付す。

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  • 今を生きる人のための世界文学案内(立東舎)
    4.5
    1巻2,200円 (税込)
    僕を熱くさせる小説は、ほとんど全てこの本に書いてある。 都甲幸治のベスト書評集。 とにかく面白い本を、国・言語にかかわらずひたすら読みまくる。そしてその本について書きまくる。これは、そんな「狂喜の読み屋」の戦いの記録だ。 現代日本の最重要翻訳家・都甲幸治。彼の膨大な原稿から厳選したベスト書評集。読書日記、長短様々な書評、自伝的なエッセイなどから、現代の世界文学のありかたが見えてくる! 村上春樹『騎士団長殺し』についての書き下ろし書評も掲載。世界文学の今を知るための、最新ブックガイドが登場。 【CONTENTS】 まえがき 1 2015年以降の読書日記 2 日本、アメリカ、そして 語りかけてくる言葉――村上春樹『騎士団長殺し』 閉じた家、開いた家――坂口恭平の小説 ラテンアメリカを引き継ぐ――ジュノ・ディアス『オスカー・ワオの短く凄まじい人生』と北米の魔術的リアリズム 3 世界文学をひたすら読む 涙の擁護――舌津智之『抒情するアメリカ――モダニズム文学の明滅』 英語の中の東欧系文学 死の帝国----ロベルト・ボラーニョ『第三帝国』 作家たちの声を聴く----青山南編訳『作家はどうやって小説を書くのか、じっくり聞いてみよう! 』 新しいサリンジャー像----ケネス・スラウェンスキー『サリンジャー 生涯91年の真実』 あらかじめ失われた父を求めて――ジョン・アーヴィング『また会う日まで』 文学の再発明――ドン・デリーロ『ボディ・アーティスト』 沈黙の言葉――ポール・オースター『幻影の書』 偽装された自伝――ポール・オースター『写字室の旅』 アメリカの崩壊――ゲイリー・シュタインガート『スーパー・サッド・トゥルー・ラブ・ストーリー』 三の物語――カレン・テイ・ヤマシタ『熱帯雨林の彼方へ』 新たなフランツ・ファノン----タナハシ・コーツ『世界と僕のあいだに』 すべては繋がり、循環する----いしいしんじ『海と山のピアノ』 暴力と絶望――星野智幸『呪文』 奇妙な師弟関係の中で----又吉直樹『火花』 サリンジャーを書き直す----円城塔『バナナ剥きには最適の日々』 外側の眼――筒井康隆『世界はゴ冗談』 肯定の力----岩城けい『Masato』 反転する河原と一般社会----木村友祐『野良ビトたちの燃え上がる肖像』 4 英語を生きる 英語を生きる トランプと人種差別――南北アメリカ文学に見る排除 前山君のこと 5 僕の好きな翻訳文学40冊 あとがき
  • いやいやながら医者にされ
    -
    飲んだくれの木こりスガナレルは、若いとき医者の家で働いたことがあるが、たったそれだけのことから「名医」にされてしまう。モリエール笑劇の真骨頂。作者の同時代人の一人はこう述べている。「すばらしい傑作で、誰だってつい見たくなってしまいます。世の中にこれほど面白く、人を笑わせる作品はありますまい。いま、こうしてペンをとっていても、思わずおかしくなってきて、笑いがこみあげてきます」
  • 卑しい肉体 20世紀イギリス小説個性派セレクション5
    4.0
    1930年の刊行当時話題だった、上流階級・知識階級の無軌道な若者たち「ブライト・ヤング・シングス」の倦怠と軽薄に満ちた生態を内側から描き、イーヴリン・ウォーを人気作家へ押し上げた、不毛感に満ちた群像劇。
  • イリアス(上)
    -
    1~2巻880円 (税込)
    トロイア戦争が始まって10年目の最後の年、ギリシア方とトロイア方の勇将・戦士たちがくりひろげる戦乱絵巻。その中心となるのは、ギリシア方の総大将アガメムノンと、もう一人の勇将アキレウスとの、捕虜にしたトロイア方の娘をめぐっての人間臭い確執だ。全体は「源平盛衰記」のような日本の戦記物さながら。映画「トロイ」の原典でもある。 アキレウスが戦いを拒否し、ギリシア方の敗勢は濃くなる。トロイア方の勇将ヘクトルがギリシア勢を海辺に追い詰めるにおよんで、アガメムノンは莫大な褒賞を約束してアキレウスを呼び戻そうとする

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  • イリュミナシオン ランボオ詩集
    5.0
    20歳までに詩才のすべてを燃焼させ灼熱の砂漠へ消えていった早熟な天才詩人ランボオ。だれもひらいたことのない岩穴の宝庫をひらき、幻想的な感覚の世界を表現した彼の作品は、今なお光り輝き、年月を重ねるごとに新鮮な衝撃を与え続けている。本詩集には『イリュミナシオン』『酔っぱらいの舟』を含む代表作を網羅した。
  • 医療短編小説集
    5.0
    損なわれた医師、医療と暴力、看護、最期、災害など7つの主題別に、生と死、理想と現実の狭間を描く14編を収録。医療と文学を繫ぐ医療人文学の視点から編まれたアンソロジー。
  • いろいろな幽霊
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    失恋した瞬間を永遠に繰り返す幽霊、方向音痴の幽霊、雨となって降り注ぐ幽霊、転送装置が生み出す幽霊……イタロ・カルヴィーノ短編賞受賞作家が贈る、時に切なく、時におかしく、そして時にはちょっぴり怖い幽霊たちの物語を100編収めた、ふしぎな短編集。/【目次】[幽霊と記憶]一 注目すべき社交行事/二 進路指導カウンセラー/三 手斧(ておの)、数本の燭台(しょくだい)、針刺し、シルクハット/四 マイロ・クレイン/五 記憶喪失/六 きのうの長い連なり/[幽霊と運命]七 ヒッチハイカー/八 願い事/九 遊び方/十 運命の天秤(てんびん)/十一 どんなにささやかな一瞬であれ/十二 集まり/十三 ミラ・アムスラー/[幽霊と自然]十四 ゾウたち/十五 白馬/十六 さらなる諸動物/十七 ミツバチ/十八 風景を損なうもの/十九 木々の納骨堂/二十 空から降ってくるもの/二十一 作中で太鼓が鳴る物語/二十二 お砂場計画/二十三 再生可能資源/[幽霊と時間]二十四 十三回の出現/二十五 来世と死の事務処理機関/二十六 死亡記事/二十七 中間地点/二十八 時の巡り/二十九 ヒメハヤ/三十 前後に揺れる物語/三十一 小さなロマンスとハッピーエンドを含むタイムトラベルの物語/[幽霊と思弁]三十二 ファンタズム対スタチュー/三十三 足跡/三十四 乗客たち/三十五 新たな生、新たな文明/三十六 暗黒は震えつつ通り過ぎた/三十七 プリズム/三十八 彼の女性性/三十九 人々がいて、彼らはかつて生きていた/四十 第一一五連隊の兵士たち/[幽霊と視覚]四十一 アクション!/四十二 円(まる)い堀が魚の安らぎとなるように/四十三 スペクトル/四十四 あらゆる家の鍵、あらゆる消火栓、あらゆるコンセント/四十五 壁/四十六 遊びの時間/四十七 生涯にわたって/四十八 いっしょに連れていく/四十九 霧の向こうにちらちら見える物語/[幽霊とその他の感覚]五十 一生分の接触/五十一 二番手/五十二 かくもたくさんの歌/五十三 音響の問題/五十四 香り(ブーケ)/五十五 野原で解けていく雪の泥くさいにおい/五十六 道具学/五十七 陽射しがほとんど消えて部屋が静かなとき/五十八 男のようなもの/五十九 ささやかな感情/[幽霊と信仰]六十 現実の小さな崩壊/六十一 異常派と尋常派/六十二 不動産/六十三 どちらが結晶、どちらが溶液/六十四 無数の奇妙な結合と分離/六十五 携挙(けいきょ)/六十六 666/[幽霊と愛と友情]六十七 失われて見出(みいだ)され/六十八 鏡の中のもう一人の男/六十九 アポストロフィ/七十 鏡の中の男/七十一 回転式改札口/七十二 実話/七十三 弾丸とそれを避けるために必要なもの/七十四 膝/七十五 彼女が忘れようとしている男/七十六 永遠/七十七 遅すぎた/七十八 居残り/七十九 あなたの靴が好き/[幽霊と家族]八十 幽霊の仮の姿/八十一 困惑の元/八十二 見えない、さわれない/八十三 幽霊兄弟/八十四 第二の実話/八十五 人生/八十六 非凡な才能/八十七 遺伝性疾患/八十八 空港のターミナルからの祈り/八十九 孵化(ふか)/九十 左右対称/[幽霊と言葉と数]九十一 インコ/九十二 婉曲(えんきょく)表現/九十三 およそ八十グラム/九十四 幽霊文字/九十五 言語学の問題/九十六 夕暮れとほかの物語/九十七 電話/九十八 数/九十九 人口調査/百 かつて書かれた中でもっとも恐ろしい幽霊譚(たん)/主題の不完全な索引/謝辞/解説=勝山海百合
  • イワン・イリイチの死/クロイツェル・ソナタ
    4.3
    19世紀ロシアの一裁判官が、「死」と向かい合う過程で味わう心理的葛藤を鋭く描いた「イワン・イリイチの死」。社会的地位のある地主貴族の主人公が、嫉妬がもとで妻を刺し殺す――作者の性と愛をめぐる長い葛藤が反映された「クロイツェル・ソナタ」。トルストイの文体が持っている「音とリズム」を日本語に移しかえ、近代小説への懐疑をくぐり抜けた後の新しい作風を端正な文体で再現したトルストイ後期中編2作。
  • イワン・イリッチの死
    4.2
    一官吏が不治の病にかかって肉体的にも精神的にも恐ろしい苦痛をなめ、死の恐怖と孤独にさいなまれながら諦観に達するまでを描く。題材には何の変哲もないが、トルストイの透徹した観察と生きて鼓動するような感覚描写は、非凡な英雄偉人の生涯にもまして、この一凡人の小さな生活にずしりとした存在感をあたえている。

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  • イワン・デニソビッチの一日
    -
    「朝の五時、いつものように起床の合図が鳴った…」で始まり、「一日が過ぎ去った。どこといって陰気なところのない、ほとんど幸せな一日が」という驚くべき言葉で終わる、強制収容所(ラーゲリ)の一日の物語。だがそこには濃密な「人間の日々の暮らし」が息づいていた……発表と同時にセンセーションと広範な論議を呼び起こしたソルジェニツィン44歳のときの処女作であり、ロシア文学の名作中の名作。

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  • イワンとふしぎなこうま
    3.0
    三人兄弟のすえっ子でおきらくなイワンは、ふしぎな小馬を手に入れて、王さまのうまや係をつとめることに。欲深な王さまから無理難題をふっかけられますが、小馬の助けをかりて切り抜け、火の鳥をつかまえたり、天空の館へ旅立ったりと冒険を重ねます。ロシアの詩人エルショーフが民話をもとに詩の形式で書いた物語。新訳。

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  • イワンの馬鹿
    -
    1巻110円 (税込)
    ロシアの文豪、トルストイの童話。ある国の田舎に三人の息子と口のきけない妹が住んでいました。兵隊のシモンと商人のタラスは何度も悪魔に騙されてしまいますが、正直で働き者のイワンは欲が無いので悪魔の誘惑にも乗りません。正直で愚直なイワンは国王の娘の命を助けて結婚し王様になりました。しかしまたしても悪魔が復讐にやってきます。※読みやすくするため現代の言葉に近づけていますが、作品の性質上、そのままの表現を使用している場合があります。
  • イワンの馬鹿
    -
    偉大な宗教的思想家でもあったトルストイの民話のうち、世界的に有名な「イワンの馬鹿」をはじめ、ロシアの土の匂いのする民話「ふたりの老人」「名づけ子」の三編を収録。馬鹿なうえに遊んでばかりいるのに、勤勉で野心的な兄たちよりもいつも幸運に恵まれるイワンの生き方を通して、ロシア民衆の善良さと無私無欲の美徳が語られる。随所にロシア的ユーモアと風刺がちりばめられた佳品。

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  • インド神話
    3.5
    原初の海にただよう黄金の卵から世界が生まれ,悪魔と神々が協力して乳の海から不死の飲み物を生み出す.シヴァやインドラたちが束になってもかなわない悪魔の軍勢を打ち負かす女神たち.ふしぎな力を操る聖仙たち.ヴェーダ神話やヒンドゥー教の,ゆたかな神話の世界を原典から語り下ろす.世界のさまざまな神話への扉となる解説付き.

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  • インド神話譚
    -
    1巻1,320円 (税込)
    たっぷりボリュームで、まるごとインド神話。 第三の眼から光線を発する怒りのシヴァ神、いくつもの化身で現れるヴィシュヌ神、入浴した牧女たちの衣服をとりあげるいたずらなクリシュナ神、密かに重婚して妻サラスヴァティー女神に問い詰められるブラフマー神。愛嬌たっぷり、破天荒な神さまたちが繰り広げるストーリー。 ランカー島に奪われたシーター姫を奪還するために旅に出るラーマの物語『ラーマーヤナ』、パーンダヴァ族とクル族の一大決戦を描く『マハーバーラタ』の二大叙事詩、珠玉のラブストーリー『シャクンタラー姫物語』、賭博に敗れた王と王女の遍歴をたどる『ナラ王物語』などの王道傑作群も収録。 インド人の考えかたやマジカルワールドの謎にせまる物語、5000年の大河が生んだインド神話をぎゅぎゅっといいとこチョイス。わかりやすい言葉でさくさく読める『インド神話譚』が登場! (註)初版本『印度神話』は1917年、群書堂書店より発行された。今回の新版にあたって、旧字体を現代仮名遣いに改めたほか、文語的語彙や言い回しを現代的表現に修正し、翻案を行った。 第1篇 ラーマーヤナ物語 第2篇 マハーバーラタ物語 第3篇 クリシュナ物語 第4篇 釈迦物語 第5篇 ブラフマー(創造神)物語 第6篇 ヴィシュヌ(保持神)物語 第7篇 シヴァ(破壊神)物語 第8篇 天父と、地母と、暁の女神物語 第9篇 サヴィトリ(太陽神)物語 第10篇 アシュヴィン(光明神)物語 第11篇 ドルヴァ(北極星)物語 第12篇 インドラ(司雨の神)物語 第13篇 アグニ(火神)物語 第14篇 ナチケータスとヤマ(死の神)物語 第15篇 サラスヴァティー(学問芸術の神)物語 第16篇 ラクシュミー(吉祥天=好運び女神)物語 第17篇 マナサー天女(蛇の女王)物語 第18篇 シャクンタラー姫物語 第19篇 プルーラヴァスとウルヴァシー物語 第20篇 カチャとデーヴァヤーニー(アリアンと土着民との争い)物語 第21篇 ナラ王(ナラとダマヤンティー)物語 第22篇 乳海の攪拌 第23篇 ガンガー(ガンジス河)の降下
  • インドとんち百譚
    -
    「中村屋のボース」が伝えたかったインドの昔がたり。 Point 1 ボリウッドに通じるユーモアがいっぱい!! Point 2 ひとつずつの話が短いのでさくさく読める!! Point 3 全編に散りばめられたデーヴァナーガリー文字でインド的臨場感を体感!! 「とても太刀打ちできなそうな力士(レスラー)にテナリラーマが放った技」「偽証人の嘘を暴いたマリアダ・ラーマンの名裁判」「死刑を宣告された絶体絶命のラジャ・ビルバルが見せた起死回生の一手」などなど。 戦前、日本にインドカリーをはじめて紹介したラース・ビハーリー・ボースと、児童文学作家の渋沢青花による物語を、アミール・ホスロー(1253‐1325)の詩を主題とした中世インド絵画とあわせて送る。子どもから大人まで楽しめる114の物語。
  • インフェルノ(上)
    3.7
    フィレンツェの病院で目覚めたラングドン教授は、ここ数日の記憶がないことに動揺していた。そこに何者かが襲いかかる。医師シエナと逃げ出したラングドンは、ダンテ『神曲』〈地獄篇〉に手がかりがあると気付くが。
  • インフェルノ(角川文庫 上中下合本版)
    4.5
    「地獄」。そこは“影”――生と死の狭間にとらわれた肉体なき魂――が集まる世界。目覚めたラングドン教授は、自分がフィレンツェの病院の一室にいることを知り、愕然とした。ここ数日の記憶がない。動揺するラングドン、そこに何者かによる銃撃が。誰かが自分を殺そうとしている? 医師シエナ・ブルックスの手を借り、病院から逃げ出したラングドンは、ダンテの『神曲』の〈地獄篇〉に事件の手がかりがあると気付く。 一方、大富豪のゾブリストは、「人類は滅亡の危機に瀕している」と主張し、人口問題の過激な解決案を繰り広げ、WHO〈世界保健機関〉と対立していた。ダンテのデスマスクに仕込まれた暗号に隠された恐ろしい野望。ラングドンは世界を破滅から救うことができるのか? ※本電子書籍は角川文庫「インフェルノ(上)」「インフェルノ(中)」「インフェルノ(下)」を1冊にまとめた合本です。
  • インフルエンサーのママを告発します
    -
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 いくら親でも、わたしの同意なしに写真をのせるのは、まちがってるってことだよね? ダルムのママはインフルエンサー。ダルムが生まれてからのほぼすべて日々が、ママのSNSにのせられている。 インフルエンサーのママをもつばかりに、いつも「ほんとうの自分」でいられないダルム。 しかし、クラスメートのアラの言葉がダルムを変える。 SNSに勝手にだれかの写真をのせることは、なぜいけないのか? 自分がいやだと思ったときにどう行動できるのか? 韓国発、SNSを使うすべての人必読のものがたり。 目次 ママは#インフルエンサー 最初はそうじゃなかった みんなとちがうナム・ダルム 今日のコンセプト へいぼんなユン・アラ だれにも言えないひみつ 消えたぼうし うそのパレード いやだと言う勇気 わたしはわたし! インフルエンサーのママを告発します 善良な影響力
  • インヴィジブル
    4.0
    一九六七年ニューヨーク。文学を志す大学生は、禁断の愛と突然の暴力に翻弄され、思わぬ道のりを辿る。フランスへ、再びアメリカへ、そしてカリブ海の小島へ。章ごとに異なる声で語られる物語は、彼の人生の新たな側面を掘り起こしながら、見えざる部分の存在を読む者に突きつける。事実と記憶と物語をめぐる長篇小説。
  • イーリアス 上
    3.0
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 『イーリアス』は、伝ホメーロス作の長編叙事詩。『オデュッセイアー』と並んで、ギリシア文学の劈頭に位置するのみか、文学的世界遺産と称するに足る傑作である。全二四書、一万五六九三行に描かれるのはトロイア戦争十年目の四九日間。神々と英雄・人間とが織りなす壮麗なドラマを訳者はみごとな日本語で再現した。全二巻。
  • ウィガン波止場への道
    -
    イングランド北部の炭鉱町ウィガン。1936年、オーウェルがこの労働者の町を訪れたとき、不景気と失業がひろがっていた。炭鉱夫たちと生活をともにしながらオーウェルは、彼らの顔貌を独特な身体感覚のもと丹念に書きとめていく。ここは、中産階級下層の彼の階級意識が決定的に試される場所となった。たとえば、「労働者階級には悪臭がする」。社会主義への支持を表明しながら、越えられない階級間の「ガラスの間仕切り」。彼はこの違和感を、あえて率直に表明する。声高に語られるドグマではなく、人間らしい生活、すでに中産階級からは失われてしまった生活様式への愛が、未来を考えるひとつの指標として提示される。20世紀ルポルタージュの嚆矢。
  • ウィンザーの陽気な女房たち
    -
    大酒呑みでほら吹きで臆病で女にだらしなく汚職も平気でやってのけ、臆面もない世俗的欲望の追求者フォルスタフ。『ヘンリー四世』で活躍するフォルスタフを気に入ったエリザベス女王が、今度は恋するフォルスタフを観たいと所望したために仕上げられた喜劇、という伝説がある。当時のロンドン近郊を舞台にした現代写実劇に近い市民劇。
  • 文城 夢幻の町
    5.0
    1巻4,400円 (税込)
    生まれたばかりの娘を置いて、妻はどこへ消えたのか――。世界が新作を待ち望む作家、余華の8年ぶりの長編。 20世紀初頭の清末民初、匪賊が跋扈し自然災害が襲う混迷の時代、林祥福は、兄とともに南方の町「文城(ウェンチョン)」からやって来た女・小美を妻にする。束の間の幸せが訪れたが、小美は生まれたばかりの娘を置いて姿をくらましてしまう。林祥福は娘を連れて妻の故郷を探す旅に出るが……。人災と天災、過酷な運命に翻弄され、それでも強く生きていく人々を描く大河巨編。 中国で100万部突破! 余華が20年あまりの歳月をかけて書き上げた、世界的ベストセラー『活きる』の前史。 「この儚くも強靭な人生を見よ! 作家として嫉妬し、いち読者として感嘆し、中国にルーツを持つ者としての誇らしさが止まらない。」東山彰良氏推薦
  • 魚座物語
    -
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 愛の女神ヴィーナスの生誕からはじまり、活躍を綴った愛と冒険の物語。
  • 浮かれ女盛衰記(上)
    4.0
    この小説を支えているのは登場人物ヴォートランで、すごい悪党。しかし。ヴォートランはどうなるのかという興味で先を読まずにはおれません。私のようなヴォートラン狂は、歌舞伎役者の「見得」を待つのと同じで、同じ場面を心待ちにするんです。やはり傑作だと思います(山田登世子)。

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  • ウクライナ日記 国民的作家が綴った祖国激動の155日
    4.0
    ウクライナの国民的作家による「マイダン革命」勃発後半年間の記録と考察。2022年のロシアによるウクライナ侵攻の根源を伝える。世界的なベストセラー小説『ペンギンの憂鬱』の著者であるウクライナの作家アンドレイ・クルコフが、2013年に起きた市民デモ「マイダン(独立広場)革命」の激動の日々――自由を求める市民側と警察や特殊部隊の武力衝突、大統領の国外逃亡、クリミア半島のロシア編入、続く内乱――を一市民の視点から書き留めたドキュメント。池上彰氏のウクライナ解説付。浅田次郎氏推薦。
  • ウサギ狩り人(上)
    3.8
    世界1500部突破! ヨーナ・リンナシリーズ最高傑作! そこは天国ではなく地獄。 ヨーナとサーガが繰り広げる鬼気迫る追跡劇! ストックホルムの高級住宅街。売春婦の目の前で客が撃ち殺された。公安警察警部サーガが緊急出動するが、犯人はシリアのテロ集団と関わりのある男の名前を口にして、現場を立ち去ったあとだった。唯一の目撃者を尋問すると、犯人の頬には長い髪の束のようなものが垂れ、被害者に童謡をきかせ、ゆっくりと時間をかけて止めを刺したという。4年の刑で服役中の元国家警察警部ヨーナの元に、意外な人物が訪れる。ヨーナは国を揺るがす凶悪犯を追跡するために、復帰する。 犯人の奇妙な行動から、犯人が十人の殺害を計画していると見破ったヨーナは、サーガとともに連続殺人犯の動機に迫る。浮かび上がってきた被害者の共通点を見つけたヨーナは、30年前に起こった、陰惨な事件の真実を探るが――。 巧みな伏線とスピード感、ダイナミックな展開と精緻なディテールの融合からなる、シリーズ最高傑作!
  • 兎の島
    4.0
    川の中洲で共食いを繰り返す異常繁殖した白兎たち、 耳から生えてきた肢に身体を乗っ取られた作家、 レストランで供される怪しい肉料理と太古の絶滅動物の目撃譚、 死んだ母親から届いたフェイスブックの友達申請…… 今、世界の文芸シーンでブームの渦中にある〈スパニッシュ・ホラー〉の旗手による、11篇の鮮烈な迷宮的悪夢が本邦初上陸!!! 現実と地続きに現出する奇怪な歪み、底知れぬ不安と恐怖を、 生理的嫌悪感を催すような濃密で冷たい筆致で描き切った、 現代スペインホラー文芸の旗手による11篇の鮮烈な傑作怪奇幻想短編集! 〈スパニッシュ・ホラー文芸〉とは マリアーナ・エンリケス、ピラール・キンタナ、サマンタ・シュウェブリン、フェルナンダ・メルチョール、グアダルーペ・ネッテル――今、スペイン語圏の女性作家が目覚ましい躍進を遂げている。作家によっては三十か国以上で翻訳され、世界中で好評を博すなど、現代文芸シーンにおける一大ブームとなっている。中でも、社会的なテーマを織り込みながら、現実と非現実の境界を揺るがす不安や恐怖を描いた作品群である〈スパニッシュ・ホラー文芸〉は、特に高く評価され、全米図書賞などの著名な賞の候補にも作品が上がるなど、今、最も注目すべき熱い文芸ジャンルの一つである。そして、このほど本書で初めて邦訳紹介するスペインの新進作家エルビラ・ナバロも、その代表的な書き手として数えられる。 作者エルビラ・ナバロは世界最大の文学誌Granta誌(英)のスペイン語圏ベスト若手作家にも選出された気鋭の作家。 本書の英訳版(2021)は、ニューヨーク・タイムズ紙、ロサンゼルス・タイムズ紙などの各紙誌でも絶賛され、同年の全米図書賞翻訳文学部門ロングリストにノミネートされた。 「この作家は生まれながらの文学的才能に恵まれている」エンリケ・ビラ=マタス 「不安を掻き立てる、カフカ風ですばらしい語り口」マヌエル・ジョレンテ La isla de los conejos, 2019 【目 次】 ヘラルドの手紙 ストリキニーネ 兎の島 後戻り パリ近郊 ミオトラグス 地獄様式建築に関する覚書 最上階の部屋 メモリアル 歯茎 占い師 謝辞 訳者あとがき

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  • 失われた時を求めて 1~第一篇「スワン家のほうへI」~
    4.1
    色彩感あふれる自然描写、深みと立体感に満ちた人物造型、連鎖する譬喩……深い思索と感覚的表現のみごとさで20世紀最高の文学と評される本作が、豊潤で絢爛たる新訳でついに登場。第1巻では、語り手の幼年時代が夢幻的な記憶とともに語られる。プルーストのみずみずしい世界が甦る!〈全14巻〉
  • ウジェニー・グランデ
    -
    抜け目のないやり口で財産家、事業家、地主としての地歩を固めたグランデ老人は、家庭においてもワンマンで、砂糖ひとかけら、ろうそく一本にいたるまで倹約し、金を貯めることに生き甲斐を見いだしていた。そんななか、おとなしい母に育てられて二十三になった一人娘ウジェーヌは、その持参金目当ての有力な二つの家族の争いに巻き込まれそうになる。そこにパリ育ちのかっこいい従兄弟シャルルがあらわれる。ウジェーヌは初めて恋心をおぼえる。……骨太なリアリスト、バルザックの代表作で「純愛」の訳名もある。

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  • 噓の口づけを真実に
    5.0
    ロンドンの仮装舞踏会で、ハードバリー侯爵の爵位を相続するために帰国したガイとアラベラは8年ぶりの再会を果たす。 許嫁のアラベラがいたにも関わらず、ほかの女性に振られたガイは海外へと逃げていたのだ。 ふたりの婚約は解消され、アラベラには別の縁談がもちあがるが、結婚を避けたい彼女はあるたくらみをめぐらせる。 それにはガイの助けが必要だった。単なる手段だったはずのふたりの関係はやがて熱を帯び、燃えあがっていく……。 RITA賞受賞作『不埒な夫に焦がれて』待望の続編!
  • 歌う白骨
    -
    リチャード・オースティン・フリーマンによる作品。
  • 美しい夏
    -
    一人の少女が大人へと成長していく青春のひとこまを、鮮やかに描く。ジーニアは兄と二人暮らし、洋裁店で働いている。もうすぐ17歳になる夏、三つほど年上のアメーリアと出会う。アメーリアは画家のモデルをしているという。成熟した雰囲気を漂わせるアメーリアに、ジーニアは反発しつつも憧れを抱く。昼間は働き、夜はカフェやダンスホールで遊び、日曜は散歩に出かけたり湖でボートに乗ったり映画をみたり、あるときアメーリアは、モデルの仕事をしている画家のもとへジーニアを連れていく。ジーニアはその画家に恋するが……燦めくような夏はあっという間に過ぎ去る。パヴェーゼに惚れ込んだ訳者による名訳。
  • 馬のような名字 チェーホフ傑作選
    3.3
    名作「かわいいひと」「いいなずけ」のほか、激しい歯痛に苦しむ元将軍が〈馬のような名字〉に悩まされる表題作や、スラプスティックな喜劇『創立記念日』など、多彩な魅力を詰めこんだ傑作十八篇。
  • 海の奇談
    -
    書誌学研究のかたわら、世界の奇談・怪奇談などの紹介につとめ、「庄司浅水ワールド」とも呼ばれ、好評を博したシリーズ。タイタニック号の遭難や、漂流、反乱、海の怪獣談など、古来より数かぎりなくある海にまつわる奇談の代表作集。

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  • 海の沈黙・星への歩み
    3.9
    ナチ占領下のフランス国民は,人間の尊さと自由を守るためにレジスタンス運動を起こした.ヴェルコールはこうした抵抗の中から生まれた作家である.ナチとペタン政府の非人間性をあばいたこの二編は抵抗文学の白眉であり,祖国を強制的につつんだ深い沈黙の中であらがいつづけ,解放に生命を賭けたフランス人民を記念する.

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  • 海游録
    -
    1巻2,860円 (税込)
    ※本シリーズに使用している原版データは時間が経過している作品が多いため、一部不鮮明な箇所がある可能性がございます。ご了承下さい。 1719年の使節に随行した朝鮮文人が,江戸中期の日本の社会・風俗を外国人の眼でとらえた見聞記。各層の人びととの交流を通じて,日本にとって朝鮮は何であったかを問いかける。

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  • ウンベルト・エーコの世界文明講義
    4.0
    現代屈指の知性が、思想、哲学、文学から、メディア、サブカルチャーまで縦横無尽に語った文明の秘密。「見えないもの」「陰謀」「絶対と相対」「炎は美しい」など。図版136点。
  • ウンベルト・エーコのテレビ論集成
    -
    『薔薇の名前』の著者によるテレビをめぐるエッセイ集。「知の巨人」が、メディア、大衆、物語、文化批評、パロディ、映画といった多様な切り口で、テレビの本質を読み解く充実の一冊。
  • ウースター家の掟
    4.3
    バーティーついに刑務所入りか?極北的理不尽美少女の無理難題を前に、またまたスープに浸かり続けるご主人様。ありとあらゆる難問を解決し続ける天才執事ジーヴス、今回のお手並みはいかに。

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  • 永遠の家
    -
    推理小説?シリアス?ユーモア? 虚構に潜む陰の真実。独特の語り口が読むものを霧の彼方へと誘いこむ。 芸術の破壊と再創造をめざすスペイン文学の奇才が綴る〈虚空への新たな跳躍〉を試みる腹話術師の悲しくも可笑しい幻想的連作短編集。 【目次】 ぼくには敵がいた 別の怪物 お払い箱 底流 古い連れ合い ぼくが願っている死に方 カルメン 展望台の塔 お話の効果 師のもとを訪れる 下着のままの逃走 永遠の家 解説 【著者】 エンリーケ・ビラ=マタス 1948年バルセロナ生まれ。1985年『ポータブル文学小史』がヨーロッパ諸国で翻訳され、2000年『バートルビーと仲間たち』、次いで2003年『パリに終わりはこない』で世界的に評価される。 木村榮一 1943 年、大阪市生まれ。神戸市外国語大学名誉教授。著書に『ラテンアメリカ十大小説』ほか、訳書にバルガス= リョサ『緑の家』、コルタサル『遊戯の終わり』、リャマサーレス『黄色い雨』ほか。 野村竜仁 1967 年、群馬県生まれ。現在、神戸市外国語大学イスパニア学科教授。おもな訳書に、ビオイ=カサーレス『 パウリーナの思い出に』(共訳)、セルバンテス『戯曲集』(共訳)がある。
  • 英国の幽霊城ミステリー
    3.8
    今なお 城をさ迷う幽霊たちの物語の中に、 英国の歴史を読み解く鍵がある 英国においては、言ってみれば先住者である幽霊たちを追い出すという発想は一般的ではないようだ。日本のように、視たら祟られる、呪われる、というような話はほとんどなく、英国の幽霊はほとんどの場合、ただそこにいるだけだ。悪さをするわけでもないなら共存しよう、というのが英国人の考えらしい。むしろ、歴史を体現する存在である幽霊に親しみを感じ、価値を見出す向きすらある。(中略) 幽霊を恐れながらも尊重しようという英国人の姿勢からは、幽霊は歴史的事実に基づく存在であり、民衆の共感、同情、尊敬の念によってこの世にとどめられているものであるとする、彼らの幽霊に対する意識が見てとれる。 ――「CASE1 ウィンザー城と25人の幽霊」より抜粋 幽霊は英国の歴史を背負って現れる。 ハットフィールド・ハウスではエリザベス1世が少女の姿で現れる。 彼女が25歳で英国女王に即位する前の日々を過ごした、穏やかな記憶が残る場所だからだ。 エリザベス1世の母アン・ブーリンは、ロンドン塔を首のない姿で徘徊する。 ヘンリー8世がアンと離婚したいがために、彼女に姦淫罪を着せてロンドン塔で斬首したのだ。 男児欲しさに六回結婚し、妻を二度処刑したヘンリー8世は、埋葬されたウィンザー城内で足を引きずりながら歩き回っている。 晩年の彼は足の腫瘍に苦しみ、肥満した身体を引きずって移動したのだ。 幽霊を恐れず、追い出さず、寄り添う民衆の意識が彼らを城にとどめている。 幽霊を幽霊たらしめている背景をひも解くことで、英国の歴史が見えてくる。 ロンドン生まれの小説家・織守きょうや氏が英国の幽霊と城にまつわる歴史と、そこに隠された秘密を紐解いていく。 数多の英国の住宅を訪問し、その魅力を描いてきた山田佳世子氏がイラストで幽霊城を物語る。 英国の歴史の扉を開ける鍵となる一冊。 建築史家の中島智章氏による幽霊城の解説つき。

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  • 【電子復刻版】英語のスタイル
    -
    1巻1,320円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 ※この商品は固定レイアウトで作成されており、タブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 現代英語の特徴を、音・語・文の三面から、豊富な実例を挙げながら解明する。狭義の文体論を越えて、生きた英語の核心に迫る鮮烈な論考。 待望の電子復刻版。
  • 【英語版原文】赤毛のアン シリーズ6冊セット
    -
    1巻3,080円 (税込)
    グリーン・ゲイブルズに住むマシュー、マリラの老兄妹の下に、ちょっとした手違いにより、引き取られることになった孤児のアン・シャーリー。 明るく、おしゃべりで想像力の豊かな彼女に、2人は戸惑いつつも、次第に各々はお互いにかけがえのない存在になっていく。 周囲の人々も、アンが引き起こす事件の数々に巻き込まれながらも、彼女に魅了され、温かく見守る。そしてアンは、少女から女性へと徐々に成長していく……。 世界に愛されたアン・シャーリーの物語を英語原文のセットで堪能できる!
  • 【英語版原文】赤毛のアン6 炉辺荘のアン/Anne of Ingleside
    -
    思い出がたくさん詰まった「夢の家」を出て、アンはすみれが咲く誇る「炉辺荘(イングルサイド)」へと引っ越してきた。 6人の子供たちを抱え働き盛りの主婦となったアンは、仕事で忙しい夫ギルバート医師を支え、アンのもとへ訪れる懐かしい友人たちを歓迎し、子供たちとお手伝いのスーザンが起こす数々のエピソードに息つく暇もない毎日を過ごしていた。
  • 【英語版原文】アンの幸福/Anne of Windy Poplars
    -
    サマーサイド中学校の校長となったアン。 だが学校を支配するプリングル一族から「校長の座を奪った」と逆恨みされてしまい、学校の内外で嫌がらせを受けることに。 そんなある日、訪れた生徒の家で古い日記を貰うこととなったが、それはプリングル一族のミス・セイラにとって自慢の父であるエイブラハム船長と共に航海に出た船乗りの手記であったため、アンはその日記をミス・セイラへと送ることを決めたのだった。 ミス・セイラが日記を読んでいると、そこにはプリングル一族が絶対に口外したくない内容が記されており、ミス・セイラはアンはこのことを知っていて敢えて自分に日記を送った、と思うのだが……。
  • 英米文学、多彩な文学解釈への誘い
    -
    1巻3,850円 (税込)
    これほど刺激的な学問の領域があったのだろうか…? 個性豊かな書き手により、文学を中心に、歴史、宗教、音楽、演劇等を 縦横無尽に論じる新しい試み。 本書の白眉となるものは、ケンブリッジ大学のモウズリー博士の夏期講座の 講義録、シェイクスピアの「恋人たちの死」の論考である。 また、古典的名作といわれるシドニーの『アーケイディア』の成立、構造、 語りを精緻に論じた論考も含まれよう。 そして、今論集で注目にあたいするといえるものは、新進気鋭の 中堅・若手研究者たちによる詩論である。 ハーバートの詩におけるシンボルのメカニズムを 論証した詩論、トマスの詩とイェイツとの関係を探求した論文や キャロル・アン・ダフィの五番目の詩集についての詩論。さらには1960年代の リヴァプール詩における代表的な詩人の音楽活動との関係に論及したもの、 現代詩人のR・S・トマスの詩を「否定神学」の観点から論じたもの等である。 それらに加え、コンラッドの「勝利」論、マードック『ブルーの夢』、 H・D・ソローの「住まい」、トウェインの実像をめぐる論考ほか、 J・D・パソスにおけるスペイン内戦、シェパードのアイルランドと演劇、 アトウッド『またの名をグレイス』を論じたものまで、様々な論点をさらに 切り開こうとする意欲的な論考に溢れた論集が本書ということになる。 【収録内容】  Ⅰ イギリス文学編 第1章  講義:世界を変えるシェイクスピアの二組の恋人たちの死                チャールズ・モウズリー(伊澤東一訳) 第2章  子供の反逆・『恋の骨折り損』と『御意のままに』                              杉浦裕子 第3章  シドニーの『アーケイディア』                              村里好俊 第4章  ジョージ・ハーバートと聖なる贈物のパラドックス                              山根正弘 第5章  コンラッドの『勝利』論                              吉岡栄一 第6章  アイリス・マードックの『ブルーノの夢』論                              山本長一 第7章  ディラン・トマスの「言葉に彩り」とW・B・イェイツ                              太田直也 第8章  キャロル・アン・ダフィの『ザ・ワールズ・ワイフ』における                     女性の詩人たち  石田由希 第9章  リヴァプール詩、音楽、そしてリリー・ザ・ピンク                              木村聡雄 第10章 R・S・トマスの主題の変遷と神の存在証明                              永田喜文  Ⅱ アメリカ・カナダ文学編 第1章  H・D・ソローの小屋あるいは住まい                              奥田穣一 第2章  『マーク・トウェイン 完全なる自伝』に探るトウェインの実像                              有馬容子       第3章  ジョン・ドス・パソスの一九三〇年代の戦い・スペイン内戦体験                              川成洋 第4章  サム・シェパードのアイルランドでの再生                              古山みゆき 第5章  アトウッド『またの名をグレイス』における知の体得の意味                              塚田英博
  • 疫病短編小説集
    4.0
    天然痘・コレラ・インフルエンザ、そして「疫病の後」。繰り返し襲いくる見えない恐怖を主題とする7編。コロナの時代に必読の1冊。
  • エジプト神話集成
    3.5
    古代エジプトは紀元前3000年頃に統一王朝が誕生したと言われる。ファラオ(王)たちが永遠の命を求め、神々への賛辞を謳う一方で、庶民のある者は労働の苦労や恋心を歌にし、またある者は官吏になることを目指してさまざまな教訓を学んだ。ピラミッドに刻まれた碑文やパピルスは、太古の言葉を今に伝える重要な資料である。本書は「ホルスとセトの争い」、「メンフィスの神学」など有名な神話に加え、「ピラミッド・テキスト」、神々への讃歌、処世訓などを原典から直接訳出して収録。後世の神話や文学にも絶大な影響を及ぼした作品がここに蘇る。
  • エタンプの預言者
    4.0
    65歳、元大学教師。リベラルで、しがらみのないインテリのつもりだった。まちがえた選択をし続けて65年。どうやら私は、社会から取り残されたらしい。 フロール賞受賞のほか、ゴンクール賞、フェミナ賞、ルノードー賞、アカデミー・フランセーズ小説賞、ジャン・ジオノ賞の6賞候補! 現代社会への痛烈な批判を込めた超弩級の注目作! かつてタレント歴史学者を夢見たロスコフは、落ち目だった。95年に「冷戦下米国のソ連スパイ事件」を巡る書籍を刊行したが、翌日CIAが機密解除、本は一夜にして紙くずに。妻とは離婚し大学を退職、酒浸りだったロスコフは、同性愛者の娘のフェミニストの恋人に刺激され、研究を再開、サルトルやボリス・ヴィアンと親交があったアメリカの詩人・ウィローについての書籍を刊行する。客わずか5人の出版記念トークショーの席上、ロスコフはウィローが黒人であることを記述しなかった理由を問われる。翌朝掲載された匿名のブログ記事が炎上し、ロスコフはレイシストだという非難にさらされる。さらに自分を擁護するツイートに返信したロスコフは、炎上を煽ってしまう。ツイートした知人は、極右政党に入党していたのだ――。
  • エディ、あるいはアシュリー
    3.0
    「さて、エディ。こう呼ばれたいなって思う名前はあるの?」 「アシュリー」 本当はそんな名前、考えたこともなかった。〈自分は男じゃないらしい〉という認識は、〈どうも女性のようだ〉とは直結していなかったからだ。それなのに訊かれたら口をついて出た。アシュリーは子どもの頃に可愛がって大切にしていたぬいぐるみだ。 (「エディ、あるいはアシュリー」より) --------- 性の多様性。移民。失われた日々。喪失。再生。暴力……。 どこにでもあるリアルな世界を、時を越え、現実と幻想とを自由に行き来しながら、未来と希望を信じて描いた短編集。 ジェンダー・アイデンティティの不確かさを自らに問いかける表題作「エディ、あるいはアシュリー」、第63回現代文学賞受賞作「相続」など8作品を収録。 --------- 避けようのない過酷な現実と、その先にある柔らかな希望……。 韓国ファンタジー界の旗手が織りなす物語のタペストリー8編。 --------- 【目次】 ■レオニー ■エディ、あるいはアシュリー ■海馬と扁桃体 ■正常人 ■木の追撃者 ドン・サパテロの冒険 ■へその唇、嚙みつく歯 ■相続 ■メイゼル ■あとがき ■訳者あとがき
  • 絵でよむ漢文
    4.5
    1巻1,001円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 現代の新しい視点で解釈。今こそ、役に立つ知恵が詰まっている。

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  • エドウィン・ドルードの謎
    -
    嵐が過ぎ去ったクリスマスの朝、大聖堂の町から忽然と姿を消したエドウィン・ドルード。捜索の結果、河の堰で彼の懐中時計が発見され、以前からエドウィンと確執があり、前夜、一緒に河を見に行っていた青年ネヴィルに殺人の嫌疑がかけられる。だが事件の背後には、エドウィンの叔父で彼の許婚ローザに執着する大聖堂の聖歌隊長ジャスパーの暗い影があった……。19世紀英国の文豪ディケンズが初めて本格的に探偵小説に取り組み、その突然の死によって未完となった最後の長篇。阿片の幻夢、若い男女の交錯する恋心、深夜の地下納骨堂探検など、興味深い場面や人物を盛り込みながら、決定的な事件の日へと物語は進んでいく。また、ディケンズが初期作から追求してきた〈悪〉のキャラクターは、この作品において近代的に洗練され、複雑な魅力を放つ存在となった。残された手掛りからドルード事件の真相を推理する訳者解説も読み応え十分。原書挿絵を全点収録。
  • エドガー・アラン・ポー短篇集
    4.0
    19世紀前半のアメリカで、推理小説やホラー小説などの新たな分野を切り拓いた孤高の作家、エドガー・アラン・ポー。彼がつむぎ出した独自の世界がもつ圧倒的な想像力は、いまも多くの人に深く強い影響を与え続けている。40年という短く、また不遇な生涯を通して生み出された名作のなかから、その想像力のパワーを示す7篇をえらび、新訳で贈る。巻末に作家の小伝を付す。
  • 江戸参府紀行
    -
    ※本シリーズに使用している原版データは時間が経過している作品が多いため、一部不鮮明な箇所がある可能性がございます。ご了承下さい。 文政6年(1823),長崎出島の医者として来日したジーボルトが,わが国文化史に残した足跡は大きい。本書は,同9年の江戸への旅を軸に,当時の風俗・地理を記した名著の口語新訳。

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  • 江戸参府随行記
    -
    ※本シリーズに使用している原版データは時間が経過している作品が多いため、一部不鮮明な箇所がある可能性がございます。ご了承下さい。 スウェーデン人医師・植物学者による1775年(安永4)から翌年にかけての日本紀行。先のケンペル,後のシーボルトとならび,鎖国下日本を世界的視野で見聞した貴重な記録。スウェーデン語原典からの初訳。

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  • 江戸参府旅行日記
    -
    ※本シリーズに使用している原版データは時間が経過している作品が多いため、一部不鮮明な箇所がある可能性がございます。ご了承下さい。 元禄初期に長崎のオランダ商館に着任したドイツ人医師ケンペルの,再度にわたる江戸参府旅行日記。その克明な描写は,当時の庶民の生活・風俗の実態と自然を今日に伝える貴重な資料である。

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  • NHK「100分de名著」ブックス アルベール・カミュ ペスト 果てしなき不条理との闘い
    5.0
    1巻990円 (税込)
    終わりなき災厄に見舞われたとき、人はそれにどう向き合うのか? 治療法のない疫病に突如襲われ、封鎖されたアルジェリアの都市オラン。そこに生きるひとびとの苦闘と連帯を描いた、ノーベル賞作家カミュの代表作『ペスト』の内容と文学的意義を、幅広い分野にわたる評論とフランス文学の翻訳で知られる中条省平氏が、当時の時代背景やカミュ自身の体験をまじえて詳述。カミュの高い先見性に触れながら、『ペスト』に描かれる普遍的で哲学的なテーマを、「コロナ後の世界」から検証・再考する「ブックス特別章」を収載!   【構成】  はじめに:海と太陽、不条理と犯行の文学 第1章:不条理の哲学 第2章:神なき世界で生きる 第3章:それぞれの闘い 第4章:われ反抗す、ゆえにわれら在り ブックス特別章:コロナ後の世界と『ペスト』
  • NHK「100分de名著」ブックス アンネの日記 言葉はどのようにして人を救うのか
    4.3
    1巻1,100円 (税込)
    苦難の日々を支えたのは、自らが紡いだ「言葉」だった。 ドイツからオランダに一家で移り住んだアンネ・フランクは、第二次世界大戦下の一九四二年、十三歳の誕生日に父親から贈られた日記帳に、思春期の揺れる心情と「隠れ家」での困窮生活の実情を彩り豊かに綴った。そこに記された「文学」と呼ぶにふさわしい表現と言葉は、コロナ禍に見舞われ、戦争を目の当たりにした私たちに静かな勇気と確かな希望を与えてくれる。 【以下「はじめに」より】 本書では、『アンネの日記』が本来持っている文学的な豊かさについて、真正面から考えてみたいと思います。思春期の少女が、なにを考え、なにを感じ、それをどのように表現したのか。ここにはみずみずしい青春の息吹がみなぎっています。(略)これほどリアルな少女の声が胸に響いてくる文学を、わたしは他に知りません。
  • NHK「100分de名著」ブックス カント 永遠平和のために 悪を克服する哲学
    5.0
    1巻990円 (税込)
    戦争することが「人間の本性」であるとすれば、私たちはいかに平和を獲得しうるだろうか?『永遠平和のために』は、西洋近代最大の哲学者カントが著した平和論の古典。空虚な理想論にとどまることなく、現実的な課題として戦争の克服方法を考察した本作は、争いの火種が消えない現代にあらためて読まれるべき一冊だろう。 好評を博した番組テキストに大幅な加筆を加え、待望の書籍化!
  • NHK「100分de名著」ブックス サルトル 実存主義とは何か 希望と自由の哲学
    3.8
    1巻935円 (税込)
    第二次大戦終戦直後のパリで行われた講演をまとめた本書は、私たちが自由でなければならいことの意味と、思索し続けることの意義を、未来への希望とともに語りかける。本書に込められたサルトル哲学の本質を、代表作『嘔吐』や盟友ボーヴォワールとの仕事や関係にも触れながら、混迷を深める21世紀世界にこそ必要な視座として、わかりやすく提示する。
  • NHK「100分de名著」ブックス サン=テグジュペリ 星の王子さま
    4.3
    1巻838円 (税込)
    大事なことは、目には見えない 砂漠に不時着した飛行士が、遠い星から来た不思議な少年と出会う物語『星の王子さま』。子どもの心の大切さを説く哲学的童話として、今も多くの人を魅了し続ける。新たに特別章・年譜・読書案内を盛り込み、著者が物語にこめた「目には見えない幸せの世界」を多角的な視点から紐解いていく。
  • NHK「100分de名著」ブックスシェイクスピア ハムレット 悩みを乗り越えて悟りへ
    4.5
    1巻1,100円 (税込)
    生きるべきか、死ぬべきか――「優柔不断」な青年は、ある答えにたどり着く。 父を殺された青年ハムレットは、なぜ復讐を先延ばしにするのか。「理性」と「感情」に引き裂かれる近代人の苦悩を描き出した、シェイクスピア悲劇の最高峰。単なる「復讐劇」ではなく、存在の問題を追求する哲学的な作品として、シェイクスピア研究の第一人者が明快に解説する。書下ろしとなるブックス特別章「ハムレットの哲学」収載!
  • NHK「100分de名著」ブックス ユゴー ノートル=ダム・ド・パリ 大聖堂物語
    4.4
    1巻1,265円 (税込)
    1831年に書かれた本作。原書が読まれるのはもとより、いまも翻案や改作という形で演じられ続けるのはなぜなのか。その魅力を、仏文学界随一の切れ味を誇る著者が読み解いた番組テキスト(2017年2月号)に、大聖堂が建てられた経緯と技術、歴史的背景について綴った特別章とカラー口絵を加えた、『100分de名著ブックス』特別版。
  • 絵のない絵本
    3.3
    演劇俳優を夢みて志破れたアンデルセンの孤独な生活から出た美しい童話。月が世界を旅する間に見た三十三夜の物語は、人間の悲しみに深く触れ、人々を深く感動させずにはおかぬ。物語の内容は高名な旅行家だったこの「童話の王様」の体験を材料とし、豊饒な想像力の翼は故国デンマークからヨーロッパ、インド、アメリカに飛ぶ。
  • エプタメロン(上)
    -
    「七日物語」ともいう。邪欲に燃え狂う僧侶、愛欲に盲目となる王、わが子と奸淫を犯す貴婦人…いっさいの権威をはぎとられた赤裸々な人間像をえぐりだしたフランス版「デカメロン」の全72話からなる完訳版。ナヴァル女王マルグリットはフランソワ1世の姉で、その宮廷に多くの人文学者や芸術家をあつめ、16世紀フランス・ルネサンスの華がひらいた。彼女は詩人で、宗教改革者たちの保護者でもあった。

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  • エベレスト登頂
    -
    世界の最高峰エベレストの登頂こそ登山家の夢であった――。初登頂の偉業を達成したイギリス隊の隊長のハントが、息づまる筆緻で刻々と迫る世紀の瞬間を伝える感動の名著!
  • エマ(上)
    -
    『エマ』というのは、だれもが気軽に手にとってみたくなる題名です。そして事実、ジェーン・オースティンというのは、実に気軽に楽しんでもらえる作家なのです。そのうえ彼女ほど、読者の好き勝手な解釈を許してくれる作品を書いた作家もいません。通俗的な恋愛小説ととってくださってかまいません。または、18世紀後半、あるいは19世紀前半の風俗習慣が生き生きと、手に取るように伝わってくる作品と解釈することもできます……要は、多種多様の要素を含みながら、けっして押しつけがましいところがなく、ひたすら読者を楽しませてくれる。それが彼女の作品の素晴らしさなのです。(訳者の言葉より)
  • エミリーに薔薇を
    3.3
    名家の老嬢エミリーの死後、閉ざされた部屋に残されていたのは……。短篇ミステリの古典にも数えられる表題作ほか、「あの夕陽」「ウォッシュ」など七篇を収録。架空の町ジェファソンを舞台にした《ヨクナパトウファ・サーガ》の全体像を望見しうる短篇集。巻末に中上健次の講演「フォークナー衝撃」他一篇を収録。     【目次】 赤い葉/正義/エミリーに薔薇を/あの夕陽/ウォッシュ/女王ありき/過去/デルタの秋/解説(高橋正雄) 《巻末付録》  中上健次、フォークナーを語る(フォークナー、繁茂する南/フォークナー衝撃)
  • エミリーの求めるもの
    3.8
    平和で旧時代的なニュー・ムーンの世界から、ボーイフレンドのテディも、親友のイルゼも、都会へと旅立っていった。孤独に耐えながら、ひたすら創作に没頭するエミリー。野心に燃える彼女にも、時として眠れぬ「夜中の三時」が訪れる。いわゆる適齢期を迎えた女性の、微妙な乙女心が求めるものは何か――エミリー・シリーズ完結編。

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  • エミリーはのぼる
    3.7
    威厳正しいエリザベス伯母、優しいローラ伯母、批評家カーペンター先生、イルゼ、テディ……。美しい自然と人びとの愛情に恵まれたニュー・ムーンで、エミリーは「ひらめき」に従って創作に励み、雑誌社に送り続ける。「アルプスの道の頂上」にのぼっていこうと努力する彼女の姿には、著者の恐ろしいまでの文学への敬愛とたゆみない勉強がうかがわれる。エミリー・シリーズ第二作。

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  • エリア随筆
    -
    英国のサラリーマン、チャールズ・ラムが、在職中から「ロンドン・マガジン」に書き継いだ自伝的なエッセイ。「エリア」はこのエッセイの語り手の名である。「エリア随筆」は、1823年と33年に2分冊として刊行され、大人の味をもつエッセイの至宝として今日でも綿々と読み継がれている。本書は長年この書の親しんできた訳者が10編を選んで訳したもので、その真髄がわかる。

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  • Lの運動靴
    3.5
    1巻1,799円 (税込)
    1987年6月、韓国の民主抗争の最中、警察の発砲した催涙弾によって命を失った20歳の青年、大学生の「L」。28年後、彼のものだとされるボロボロの片方だけの運動靴が、修復家の元へ持ち込まれる。 「L」とは誰なのか? 運動靴の「欠けら」を修復する行為にどのような意味があるのか? 個人の「消せない記憶」とは? 人が生き、死して残す「物体」に、そしてその「修復」に、果たしてどのような意味があるのか? 主人公の美術修復家の視点を通して、静謐な時間の中で語られる「物質」と「記憶」をめぐる物語。現代アート作品の修復に関するエピソードが挿入され、修復室を訪れる寡黙な人々の人生が断片的に語られ、読者は静謐な美術修復室で繊細な思考を主人公とともに体験する。【モチーフ】 モチーフとなっているのは、以下のような事実。「L」こと李韓烈の運動靴の復元を知った作者が緻密な取材をへて創作した物語である。《李韓烈(イ・ハンニョル)は、1987年6月9日、延世大学で開かれた「6.10大会のための決意大会」のデモの最中、警官が発射した催涙弾に頭を打たれ、1カ月間死境をさまよい、7月5日、20歳で亡くなった。 彼の犠牲は、大統領直接選挙制の実現を目指す6月民主抗争の導火線となり、民主化運動の犠牲の象徴として広く国民の関心を集め、国民葬で行われた葬式には150万人が集まった。当時、彼が履いていた27.0センチの白い「タイガー運動靴」は、右側の片方だけが残されており、2015年、彼の28周忌を前に、美術品復元専門家のキム・ギョム博士の元に復元作業の依頼が寄せられた。キム博士はさまざまな葛藤を抱えながら、最新の美術品復元の技術をもってその運動靴を3カ月かけて復元した。現在、運動靴はイ・ハンヨル記念館に展示されている。彼が登場する映画作品にカン・ドンウォン監督「1987、ある闘いの真実」(2017)がある》
  • エロティカ・アンソロジー
    -
    1巻2,640円 (税込)
    隠然と咲き誇る英国十八世紀ポルノの世界 近代小説の古典を生み出した英国十八世紀は同時にあまたのポルノをも生み出した時代であった。 英国文化に造詣が深く、『ファニー・ヒル』の新訳でも知られる小林章夫氏が、詩や小説、地誌や講演の体裁を取った作品など幅広く選び出し、英国十八世紀文学の多元的な世界を紹介する。 日記作者サミュエル・ピープスは言う、「真面目な人間として、一度は目を通しておくのも、この世の邪悪さが分かって、損ではない」。
  • 園芸家の一年
    3.9
    いつだって土作りや水やりのことで頭がいっぱい。そんな園芸家たちの〈あるある〉を愛情たっぷりに描く超ロングセラー園芸エッセイ。
  • 艶笑滑稽譚 第一輯
    4.0
    1~3巻1,034~1,122円 (税込)
    「未来に於ける私の最高の栄誉」となる作品とバルザックが自負した『艶笑滑稽譚』。社会・風俗への諷刺をこめた、エロティックで大らかな笑いの世界は、文豪の隠れた名作として愛されてきた。ヨーロッパ伝統の滑稽話の形式とラブレー等の語彙を借りた原文の古めかしい味わいを、流麗な日本語に移し替える。図版多数。(全3冊)

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  • 塩鉄論
    -
    1巻2,530円 (税込)
    ※本シリーズに使用している原版データは時間が経過している作品が多いため、一部不鮮明な箇所がある可能性がございます。ご了承下さい。 前漢時代,塩・鉄・酒の専売,均輸,平準などの新財政政策をめぐって,儒教思想により廃止を主張する賢良派と,法家思想により存続を主張する御史大夫派。その間に展開された論戦の口語訳。

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