歴史・時代小説作品一覧

  • 無双の拝領剣 巡見使新九郎
    4.5
    「新九郎、余の名代になってくれ」──八代将軍吉宗に突如呼び出され、こう告げられたのは、日本橋は浮世小路の風来坊であった。だがこの新九郎、実は旗本寄合席で、北町奉行稲生正武の次男坊という身。家を飛び出し、側用人加納久通の屋敷へ出入りする内、将軍家と昵懇になっていた。吉宗は、人を見る目が長けていると評する新九郎に、「巡見使として諸国を巡り、改革の成果を見て来てくれ」と、懇願したのである。一命を懸けて上様の力となる、と決意した新九郎は江戸を出立。川村源右衛門、篝、三浦左平次の三人の供と中山道の旅人となる。腰に差すは、吉宗から拝領した小龍景光……。天下御免の若き巡見使は、魂が怒りに震えたならばこの名刀を翳そうと奮い立ち、颯爽と悪に立ち向かう!
  • 光秀叛逆の血脈
    -
    野望説、怨恨説、黒幕説、突発説……本能寺の変の要因については、さまざま取り沙汰され、現在でも新たな説が出てくる度に、世間の関心を集め続けている。果たして何処に真実があるのか!?明智光秀は元々、源氏一族の土岐氏の支流を標榜し、その血脈に矜持を持っていた。よって、足利義昭に近侍し、幕臣となったことは殊の外名誉であった。だが同時に織田家の家臣に招かれたことで運勢の歯車は狂いだす。義昭と信長の対立が激化、義昭が京を追われるのだ。新しき世の構築の可能性を模索しながら苦悩を深める光秀──。そして運命の天正十年六月二日は着実に迫りつつあった!日本史上最大のミステリーとも言われる本能寺の変の真実に迫る意欲作!!
  • 空蝉 元御庭番半九郎影仕置
    -
    隠密探索中に、敵方に素顔を晒してしまうという失態を犯した公儀精鋭の御庭番・津坂半九郎。支配若年寄にお役御免を申し出るが、影の力となって支えよとの命を受け野に下った。捨て扶持をもらい、再びお上より声がかかるのを待ちながら、尾州浪人と偽って浅草の裏店に居を構えた半九郎。庶民にとけこみ、ようやく町に馴染みはじめた半九郎だが、様々な厄介ごとが絡みついてくる。ある日、訪ねてきた幼馴染みとの再会を喜んでいる最中、浅草仲見世で偶然見かけたのは、西国の雄藩の抜け荷の証しを握ったまま逐電した幕府の密偵だった。そしてその男を匿っているのが、半九郎の仇敵だと判明するのだが……。気鋭が書下ろす痛快長編時代小説!
  • 天下無敵!影将軍 裁きの剣
    -
    町を騒がす辻斬りを、凄まじき剣技で成敗した謎の侍……。誰あろう、この長身の武士こそ、闇に隠れた悪を裁くべく市井にくだってきた、時の将軍・徳川吉宗その人であった。将軍になって以来、庶民を救うために目安箱を設置した吉宗であったが、幕府の制度では限界がある。世の影にひそむ悪事をただすべく、吉宗はおのれとそっくりな小藩の下級侍になりかわり、市井の側から、世直しをおこなうことを決意した。事情を知る越貫藩から遣わされた、遊び人侍の亀治郎をお供として、将軍吉宗の波乱にみちた影の裁きが、今はじまる!名君として名高い八代将軍・徳川吉宗の、知られざる活劇譚!
  • 斬馬衆お止め記上 御盾 〈新装版〉
    -
    老中土井利勝はまだ安泰とはいえない徳川将軍家を盤石にすべく、外様大名の勢力を削ぎつつあった。次に狙うは関ヶ原の恨み残る信州松代真田家。取り潰しに追い込もうと策謀する。真田家では、老齢の信之から藩政を任された信政が老中の動きを察知し、斬馬衆、仁旗伊織(にきいおり)へ命を下す。「公儀隠密へ備えよ」。老中、伊賀組、戦陣坊主らの権謀術数蠢くなか、刃渡り七尺の伊織の大太刀が閃く!
  • 悪足掻きの跡始末 厄介弥三郎
    4.0
    「厄介」と煙たがらないでくれ。好きでやってるわけじゃない。江戸時代、兄もしくは甥の世話にっている者を「厄介」と呼び、幕府の役人は無神経にもそのまま公用語とした。兄の都築孝蔵は六百五十石取りの旗本だが、親重代の借金があったため、弟の弥三郎を他家の養子にできる大金をつくる器量はない。厄介という身分に辟易し、家を出た弥三郎が拓く波瀾万丈の凄絶な人生をえがく。
  • 関越えの夜 東海道浮世がたり
    3.7
    東海道の要所、箱根山。両親と兄弟を流行り風邪で亡くしたおさきは、引き取られた叔母にこき使われ、急峻を登る旅人の荷を運び日銭を稼いでいる。ある日、人探しのため西へ赴くという若侍に、おさきは界隈の案内を頼まれる。旅人は先を急ぐものだが、侍はここ数日この坂にとどまっていた。関越えをためらう理由は……(表題作)。東海道を行き交う人々の喜怒哀楽を静謐な筆致で描く連作集。
  • 明屋敷番秘録 謀(はかりごと)
    3.0
    美しい妻と竹馬の友に囲まれ、旗丘隼兵衛は書院番として充実した日々を送っていた。ある日、米問屋の押し込みに遭遇し、たった一人で賊を成敗した隼兵衛。妻や同僚たちから賞賛され、出世の糸口になるかと思われたが、彼に告げられたのは意外な処分だった。抗(あらが)えぬ運命を前に、隼兵衛はひとり何を思うのか。相次ぐ裏切りと予測不能の展開。時代小説の名手・鈴木英治の新シリーズ開幕!
  • そろばん旗本 井森幸四郎 若さま大勝負!
    -
    実父が悪党に騙されたのを契機に、役職どころか住む家や愛する許嫁…つまりは金・名誉・愛の全てを失ってしまった、旗本八百石の嫡男・井森幸四郎。思いつめ、刀を手に復讐をたくらむ幸四郎であったが、討ち入り寸前で、奇妙な商人に声をかけられる。善治郎と名乗るその男は、幸四郎に、自分たちの仕事を手伝わないか、と持ちかけたのであった。剣は苦手だが頭の回転はよく、何より算術が得意であった幸四郎はあらたに飛びこんだ世界――相場師たちの金儲け合戦で、まきまきと頭角を現していくのだが……。頭脳と金を武器に、若さまが復活を成し遂げる痛快読み切り!
  • 半百の白刃(上) 虎徹と鬼姫
    5.0
    明暦の大火のあと、日本橋の刀屋に長曽祢興里という男が無骨な刀を持って現れた。旗本にして死体を試し斬る役の鵜飼家の娘邦香は、鬼姫と呼ばれていた。越前で甲冑師であったという興里の鍛えた刀に魅せられた鬼姫は、自ら死体を重ね試斬して確かめる。無類の斬れ味がやがて評判を呼び、鬼姫や刀屋の幸助の助けもあり、興里は不忍池のほとりで刀鍛治として名を馳せていく。ところがある日、興里は吉原一の花魁勝山に突然招かれる。
  • 夢の燈影 新選組無名録
    3.7
    新選組――その人斬りに、志はあったのか。男たちに残された最後の夢は、この女性作家に描かれるのを待っていたのかもしれない。日本の夜明け前――幕末維新を駆け抜け、散っていった「新選組」。幹部の華々しい活躍の陰で、語られることのなかった、無名隊士の人生もまた、あった。夢、希望、そして家族と生活。縄田一男氏に「『新選組血風録』以来の収穫」と言わしめた、歴史小説界の新星の文庫化。
  • 大逆転! 御前試合 酔いどれ指南 藤堂雄馬
    -
    常陸にある越貫藩一万石の藩主・曾根隆徳は、ある日の江戸城内で、些細なことからとんでもない試合の約束を交わしてしまう。それは、越貫藩と水戸藩が、たがいに腕自慢の藩士を五名ずつ選びだし、藩の名誉をかけて戦うといった剣術試合であった。相手は徳川御三家の大藩、かかえる剣士も猛者揃い。それにひきかえ越貫藩は、ようやく見つけた候補者も、剣を知らぬへっぽこ藩士ばかりというありさま。困り果てた江戸家老の梶原は、酒浸りでやる気のない藤堂雄馬という男に、なかば自棄で指南役を頼むのであったが……。この酒好き師範と駄目藩士たちが、誰もが予想しえなかった奇跡を起こしていく! 著者渾身の読み切り痛快長編!
  • 悪食  やさぐれ若さま裁き剣
    -
    痩身長躯、目もと涼しく苦み走った二枚目。墨染めの着物の背中に描かれた髑髏は、人間いずれこうなるという覚悟の徴だという。船宿『茂登美』の居候・室賀竜之介は、人呼んで『一丁咬(いっちょかみ)の旦那』。一丁咬とは、何にでも首を突っ込まなければ気が済まない質のことだ。備前国佐神藩の世継ぎでありながら、ゆえあって浪人に身をやつしているが、その事情はわからない。腹を滅多刺しにされた屍体が大川に浮いた。事件の発見者になった竜之介は、このところ同様の殺しが続いていることを知り、北町奉行所定町廻り同心・香取榮之進の事件探索に首を突っ込むことに…。鞍馬撃心流の遣い手が迫る下手人どもの正体とは? 書下ろし時代活劇。
  • 恋の闇からくり 鶴屋南北隠密控
    3.0
    火盗改め長官・長谷川平蔵と鶴屋南北の目の前で、醤油問屋〈伊勢屋〉の主人を殺し、まんまと逃げた外道・英次郎。南北は平蔵の隠密として、この男の行方を追った。だが英次郎は、自分の手下や情婦をつぎつぎと殺害して行方をくらませる。そんな折、吉原〈湊屋〉の花魁・志乃太夫が、英次郎によく似た男の毒牙にかかった。この一件で、下手人の殺しの目的をようやく知った南北は、彼を慕う美貌の女剣士・志津の腕を借り、捕縛の罠を仕掛けるが……。志津に伝授された新当流の極意、南北の〈一の太刀〉が悪を斬り裂く!大好評、痛快時代活劇の傑作シリーズ第三弾「恋の闇絡繰り」の改題リニューアル版。
  • 高瀬川女船歌八 偸盗(ちゅうとう)の夜
    3.0
    父は盗賊に惨殺され、母は妖しい笑みを浮かべながら盗賊とともに家を飛び出した……。お琴は、七歳のときの悪夢のような出来事を今でも忘れられずにいる。尾張屋の主・宗因たちが招かれたある祝言に、角倉屋敷の台所働きをしているお琴も手伝いにいくことに。そんな晴れやかな夜、怪しい足音が……。悪夢から十一年後、明らかになる事件の真相とは一体――。大好評の連作シリーズ第八弾!
  • 高瀬川女船歌七 奈落の顔
    3.0
    鋳掛け屋の太兵衛の葬式に東町奉行所与力がやってきた。かつて太兵衛は奉行所の付同心をしていたという。ある捕物の夜、盗人の隠れ家へ踏み込もうとした時、螢捕りにきた息子の仁助が太兵衛に声をかけ、捕物は失敗に終わった。太兵衛は出仕に及ばずということになり鋳掛け屋となったが、町の情報を番屋に知らせていたのだ。曳き人足となった仁助がとった行動は……。連作シリーズ。
  • 峠道 鷹の見た風景
    3.7
    財政再建、農地開拓に生涯にわたり心血を注いだ米沢藩主、上杉鷹山(ようざん)。寵臣の裏切り、相次ぐ災厄、領民の激しい反発──それでも初志を貫いた背景には愛する者の存在があった。名君はなぜ名君たりえたのか。招かれざるものとして上杉家の養子となった幼少期、聡明な頭脳と正義感をたぎらせ藩主についた青年期、そして晩年までの困難極まる藩政の道のりを描いた、著者渾身の本格歴史小説。
  • 寺内奉行検断状
    -
    江戸期、京都の東西両本願寺は寺内町を形成し、幕府から自治を認められていた。町内で事件が起きると寺内奉行目付が検断状を携え、どこまでも下手人を追及するのだ。強訴(ごうそ)のため丹波篠山から江戸に向かう農民が町内に投宿しているので捕えよという密命が目付・黒田荘十郎に下った。が、少年も一行に加わっていることを知った荘十郎は一計を案じる……。感動の書下し時代連作!
  • 戦国の尼城主 井伊直虎
    3.0
    桶狭間の戦いで、今川義元軍として戦死した井伊直盛のひとり娘で、幼くして出家し、養子直親の死後、女城主として徳川譜代を代表する井伊家発展の礎を築いた直虎の生涯を描く小説。大河ドラマ主人公。
  • 吉田松陰
    -
    二〇一五NHK大河ドラマは「花燃ゆ」。その主人公・文の兄が、維新の革命家吉田松陰。彼女が慕った実践の人、「至誠の詩人」の魂を描き尽くす傑作小説。
  • 久坂玄瑞の妻
    3.0
    二〇一五年のNHK大河ドラマの主人公・文を描いた唯一の小説。松陰の妹として生まれ、玄瑞に嫁した、幕末維新の長州に咲いた可憐な一輪の花の生涯。
  • 小説 後藤新平―行革と都市政策の先駆者
    4.1
    これからの日本、こんな指導者がほしい! 東北の没落平民から身を起こし、医師、行政マンを経て台湾・満鉄の経営、東京市の大改革、関東大震災からの復興――。大胆な先見性をもとに新しい政策を次々に打ち立て、行革を断行した後藤新平。無私と実行力に貫かれた生涯をいきいきと描く。
  • 小説 上杉鷹山〈上〉
    4.6
    灰の国はいかにして甦ったか! 九州高鍋の小藩から養子に入り、十七歳で名門上杉家の藩主の座についた治憲は、自滅か藩政返上かの瀬戸際にある米沢十五万石を再建すべく、冷メシ派を登用し改革に乗り出す。藩主や藩のために領民がいるのではない、との考えのもとに人びとの心に希望の火種をうえつけてゆく………。
  • 小説 伊藤博文〈上〉 幕末青春児
    3.5
    一人の男を大きく変身させていったものはいったいなんだったのか! 貧農の子として生まれながら、高杉晋作、桂小五郎、吉田松陰らとの出会いによって運命を切り開き、激動の波に乗って一歩前を歩きつづけた伊藤博文の若き日の心情と行動のすべてを描き切った大河小説。
  • 海の街道〈上〉 銭屋五兵衛と冒険者たち
    3.0
    「海に国境はない」。“海の百万石”と呼ばれた加賀の海商・銭屋五兵衛の遺志を受け継いだ番頭の大野弁吉は、雄飛を望む越前大野藩主・土井利忠に出会った……。幕末前夜、鎖国という時代の閉塞状況を打ち破るべく果敢な挑戦を試みた冒険者たちの物語。
  • 大奥の座敷童子
    3.7
    時は黒船来航に揺れる徳川家定の治世。 奥州にある野笛藩一の美女、今井一期(イチゴ)は貧する国許を救うため、野笛出身の座敷童子を連れ戻すべく、大奥へ奉公に上がる。出没する"枕絵の妖怪"や人が死ぬ際に泣く妖怪"泣きジジさま"に翻弄されながらイチゴが知った座敷童子の正体とは? 温かい涙でじんわりと笑みがおとずれる、大人気「幻想シリーズ」の著者が放つ癒やし時代小説。
  • 名将 佐竹義宣
    3.7
    北の伊達、南の北条とつばぜり合いを演じてきた弱小戦国大名・佐竹義宣は、豊臣秀吉の小田原攻めに馳せ参じ、将来を秀吉に賭けた。石田三成の支持を得て一躍常陸の大大名にのし上がった義宣に、隣国の徳川家康は挟撃を警戒、しきりに誼みを通じようと接近を図る。豊臣政権の存続こそが佐竹の安泰と見る義宣は、三成、上杉景勝の家老・直江兼続と盟約を結ぶが……。「関ヶ原」の運命を握った男が最後に選んだ生き残りの戦略!
  • 戦国無頼
    3.0
    天正元年(1573年)、陥落目前の小谷城には、佐々疾風之介と立花十郎太、鏡弥平次がいた。疾風之介は自分を慕う女、加乃を十郎太に預け、2人を城外へ逃がす。残った疾風之介は織田勢に斬られ瀕死の傷を負うが、野武士の娘・おりょうに助けられ、生き延びた。弥平次も一命を取り留めたが、やがて海賊の長に。一方、十郎太は共に逃げるうちに加乃に惹かれていき……。無常な争乱の世を舞台に、男女の数奇な運命を描く戦国ロマン。
  • 淀どの日記
    4.0
    「茶々は眼をつぶった。父浅井長政が、母お市の方が、義父勝家が、伯父信長が、みんなそうしたように、彼女も亦白い刃先に眼を落としたまま、自分の前の短刀を執る時刻の来るのを待っていた。矢倉の窓からは、初夏の陽と青い空が見え、それ以外の何物も見えなかった。城を焼く余燼の煙が、時々、その青い空を水脈のように横に流れていた」――悲運の生涯を誇り高く生き抜いた秀吉の側室・淀どのを深く、詩情豊かに描いた傑作。
  • 霧隠才蔵 上
    3.0
    孤高の伊賀忍者・霧隠才蔵。異例の長身にして、伊賀一の術者の才蔵は、徳川家の秘命を帯び、ある巻物の探索をおこなっていた。その「愛宕裏百韻」なる巻物には、徳川幕府の根底を覆す秘密が隠されているという……。だが、豊臣家再興を目論む真田幸村も、同じく甲賀忍者・猿飛佐助に巻物奪取を命じた。関ヶ原合戦後の天下争いの背後で、秘術を駆使した暗闘が開始された! 傑作時代小説!
  • ふたり女房 京都鷹ヶ峰御薬園日録
    3.3
    京都鷹ヶ峰にある幕府直轄の薬草園で働く元岡真葛(まくず)。ある日、紅葉を楽しんでいると侍同士の諍いが耳に入ってきた。「黙らっしゃいッ!」――なんと弁舌を振るっていたのは武士ではなく、その妻女。あげく夫を置いて一人で去ってしまった。真葛は、御典医を務める義兄の匡(ただす)とともに、残された夫から話を聞くことに……。女薬師・真葛が、豊富な薬草の知識で、人のしがらみを解きほぐす。
  • はなたちばな亭恋怪談
    -
    始まりは百物語……若旦那連中の道楽は、とんでもない災いを呼び覚ましてしまった。折も折、お久とのすれ違いに悩んだ金ちゃんは出奔し、クマもまた……恋もご町内も大ピンチ、この事態どうするどうなる!?
  • 神子上典膳
    3.1
    下野国で、重臣による謀反の難から逃れた領主の娘・澪姫と小姓が追手に囲まれた時、黒い長羽織姿で長身痩躯の男が二人を助ける。男の名は神子上典膳、剣聖・伊藤一刀斎より印可を受けた一刀流の達人。逃避行を続ける典膳らに絶体絶命の危機が迫る! 剣戟あり、謎ありの娯楽時代小説。(『一刀流無想剣 斬』改題)
  • 喧嘩猿
    3.2
    生きて、死ぬだけ。幕末アウトロー揃い踏み! 時は幕末。十六歳の捨吉は名刀・池田鬼神丸と自分の左眼を奪った「黒駒の勝蔵」を追って故郷を飛び出す。千に一つの島破りを成功させた伝説のやくざ「武居の吃安」と出会った彼は、やがて凄絶なる戦いの渦に巻き込まれてゆく。「森の石松」が次郎長の子分となる前の若き姿を描くアウトロー講談小説登場!※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。

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  • 日比野左内一手指南 一 助っ人剣客
    -
    長屋を改装した小さな道場で子ども相手に剣を教える日比野左内は中条(ちゅうじょう)流剣術の達人。界隈の人々から愛される好青年である。しかしこの青年剣士には、止むにやまれぬ事情から戦わざるを得ない立場に置かれた者に一撃必殺の技を授けるという裏の顔があった。父の仇討ちのため江戸を訪れて困窮する兄妹に、左内は……。別シリーズでお馴染みの老剣客、塩谷隼人も登場。圧巻の剣戟小説!
  • 新装版 おれは権現
    3.8
    戦国時代、それは苛酷残酷な時代であると同時に、気宇壮大な時代でもある。だからこそ、常識を常識とせず、天衣無縫、奇想天外に生涯を送る人物が輩出したのだ。超人的武勇の裏の意外な臆心、度はずれに呑気な神経の持ち主のじつは繊細な真情。戦国時代人の剛毅闊達にして人間味あふれる短編7編を収録。
  • 船を待つ日 - 古物屋お嬢と江戸湊人買い船
    4.0
    ひどい近眼でどんくさい古物屋の娘・翠。ある日、翠の聡さを見抜く大商人・勘兵衛から南蛮の眼鏡を贈られ、図らずも江戸にはびこる大犯罪の渦中に。海に投げ捨てられた子供の変死事件や贋御紋つきの古物を作る人物を追い、侍の子・森之介と奔走するが、次第に幕府さえ脅かす巨大な黒幕が現れる。舶来の古物から謎を解く古物屋お嬢シリーズ第一弾!
  • 賊将
    4.0
    西郷隆盛一筋に生きた「人斬り半次郎」こと桐野利秋は、フランス香水をその身にふりかけ、突撃してくる官軍の中へ斬り込んだ(「賊将」)。もはや将軍一個の力でおさえることができないほど強大になった守護大名の力、足利義政は迫り来る戦乱の予感になんら力を発揮できず憂悶した(応仁の乱」)。火付盗賊改の猛士・徳山五兵衛は、持て余した欲望のはけ口を夜毎描く秘画に求めた(「秘図」)。抗しえないものと直面する武人たち、その貌が著者独自の人間解釈の妙によって浮き彫りになる。直木賞受賞直前の力作6編をおさめた珠玉短編集。
  • 覚悟の人 小栗上野介忠順伝
    4.3
    黒船の来航以来、高まる外圧と倒幕勢力の伸長により瓦解寸前の徳川幕府を支えた男がいた。その名は小栗上野介忠順。小栗は対ドル為替レートの不均衡や、相次ぐ賠償問題を含む外交ばかりでなく、財政再建や軍隊の近代化にも獅子奮迅の働きをみせた。しかし、その小栗をも飲み込む時代の大きなうねりが押し寄せていた――。自らの信念と使命に殉じ、日本近代化の礎を築いた幕臣の姿を鮮烈に描く歴史ドキュメント小説。
  • 嶽神伝 無坂(上)
    4.3
    実父・信虎を追放した武田信玄が目論む諏訪攻略の前夜。山に暮らす木暮衆の無坂は、のちに勝頼の生母となる幼い姫の命を救う。血で血を洗う乱世の中、流浪を宿命とする山の民も否応なく政争に巻き込まれ、集落同士が生き残りをかけ死闘を繰り広げる。熱狂的ファンを生んだ『嶽神』が甦る!<文庫書下ろし>
  • 実朝の首
    3.7
    建保7(1219)年正月、鎌倉・鶴岡八幡宮で将軍源実朝が甥の公暁に暗殺された。背後には北条や三浦の影があったが、公暁も三浦義村に殺されてしまう。混乱の中、少年・弥源太は実朝の首を持ち逃げする。権威失墜を恐れる幕府では、尼将軍・北条政子が悲痛な深謀を巡らせていた。京からは後鳥羽上皇の弔問使が下向、混乱は深まる。幕府、朝廷、弥源太たち三つ巴の駆け引きの行方。新鋭が挑む鎌倉幕府最大の謎、傑作歴史長編。
  • 燃えたぎる石
    3.0
    貧しい開拓農民の家に生まれ、幕府に巨木を納入するまでになった磐城の材木商・片寄平蔵は、阿片戦争の現実に衝撃を受ける。アジアが欧米列強の植民地として狙われていること、清国に勝利したイギリスは小国ながら産業革命を成し遂げ、目覚ましい進歩を遂げていること。やがて西洋の先端技術を支えているのが石炭であることを知った平蔵は、国産の石炭を求めて炭鉱開発に情熱を注ぐ。歴史小説界の気鋭が日本人の底力に迫る長編。
  • さらば武蔵
    値引きあり
    5.0
    「この一冊に一気に引き込まれ時を忘れた・・・まさに渾身作」 俳優・武道家 藤岡弘、 泰平の世を迎えた江戸初期――戦国の動乱を生き抜いた宮本武蔵も老境に達していた。将軍家剣術指南役の柳生宗矩に嫉妬し、生半可な仕官の道を選ばなかった武蔵も、島原の乱で負傷したことで老いを自覚し終の棲家を求める。やがて熊本藩主・細川忠利に迎えられた武蔵は、自らが究めてきた兵法の極意を伝えるべく、岩戸霊巌洞に籠もり『五輪書』の執筆を始めた。最後に到った境地とは? 知られざる宮本武蔵像を描いた決定版!
  • 銀閣の人
    値引きあり
    3.0
    応仁の乱は、京の街を焼け跡にしようとしていた。 室町幕府八代将軍・足利義政は、京の秩序を守る責務から目をそらし、自らの美意識の顕現に挑んだ。 孤独な将軍は、何に苦悩し、何を実現しようとしたのか。 日本建築の源流となった“銀閣寺”建立の秘密に迫った歴史巨編。
  • 兵、北の関ヶ原に消ゆ 前田慶次郎と山上道牛
    値引きあり
    3.3
    戦国時代に異彩を放つ二人の男がいた。一人は、北条、上杉と戦い、織田信長、豊臣秀吉に仕えた猛将の山上道牛。そして一人は天下の傾き者・前田慶次郎。相反する二人はどのように邂逅したのか──1556年秋、山上城城主の山上氏秀は、関東を席巻する北条軍に城を包囲されていた。近隣諸侯に援軍を求めるも、北条を怖れて二の足を踏む事態に、氏秀は徹底抗戦を余儀なくされる。武勇で鳴らす氏秀の活躍も空しく、城は陥落寸前。重臣たちの説得により降伏を選択した氏秀は、北条氏康により領地追放となる。城を失った城主……己にできることは北条と戦うのみ。出家し、山上道牛となった男は、北条に敵対する佐野家を頼り、新たな戦場を求めるが──。
  • 平蔵狩り
    -
    第49回吉川英治文学賞受賞作! シリーズ第二弾! 父である「本所のへいぞう」を探すために、京から下ってきた女絵師。 果たして、この女は平蔵の娘なのか。まったく新しい鬼平の貌。 人前には自らの顔を決して見せない火付盗賊改の頭領、長谷川平蔵。 オランダ渡りの秘薬の謎を探り、盗賊を率いる父娘を追う。 ある日、自分の父であるという「本所のへいぞう」を訪ね、京から若い女絵師が下ってきた……。 ハードボイルドの調べに乗せて描く、逢坂版平蔵シリーズ第二弾! 特別対談・諸田玲子 挿画・中一弥 【目次】 「寄場の女」 「刀の錆」 「仏の玄庵」 「平蔵狩り」 「鬼殺し」 「黒法師」
  • 縮尻鏡三郎 頼みある仲の酒宴かな
    4.0
    老婆の戯言が思わぬ大騒動に……。好評シリーズ第八弾! 日本橋の白木屋の土地は自分のものだと老婆が鏡三郎に訴え出た。 とはいえ証拠の書類は焼失したという。 老婆の背後には腕利きの浪人が軍師として付いている様子だ。 その浪人、柴田帯刀は凄腕の剣の遣い手のうえ、やけに金回りもいい。 果たして事の真相は?
  • 討ちて候(上)ぜえろく武士道覚書
    -
    門田泰明時代劇場 祥伝社第1弾、遂に開幕! 幕府激震の大江戸――孤高の剣が、舞う、躍る、唸る! 武士道『真理』を描く決定版ここに――忘れ得ぬ女のために江戸を訪れた京の剣客・松平政宗は、柳生宗重邸で謎の黒忍び群に奇襲される。将軍家剣術師師範代の屋敷を蹂躙した豪胆な一党は、市中を不安に陷れている旗本・大名屋敷連続襲撃事件の犯人集団か? 比類なき剣の腕を持つ政宗さえをも脅かす彼らの正体は? その凶刃はやがて御三家水戸光国、そして江戸城にまで迫る! 凄絶華麗な時代小説登場! ※電子版に口絵は含まれません
  • 龍之介始末剣  同心殺し
    4.0
    八丁堀組屋敷近くで例繰方同心が斬殺された。二年前、義憤ゆえに幕臣を襲ったため北町奉行所同心を解任され、今は裏店に〈萬揉事【よろずもめごと】相談所〉の看板をかかげる相楽龍之介は、元上役の定町廻り同心・坂本伊三郎に助けを頼まれ、下手人探索に立ち上がった。南茅場町の湯屋、弾正橋たもとと連続する同心殺し。必死の探索を続ける龍之介だったが、調べの末に浮かび上がったのは、黒薊【くろあざみ】の六蔵と名乗る元武士の一味だった。かつて、無実にもかかわらず弟と朋友を当番方与力に殺された六蔵は、町方への復讐の鬼と化していたのだ。事件の背景を知った龍之介は一味を次第に追い詰め、ついに二人は思川の畔で対峙する。吹き荒れる斬戟の嵐の決着やいかに!?
  • 捜し人剣九郎
    -
    南町奉行所の若き同心、三浦剣九郎は、やる気はあるものの結果はいつも空回り。先日も、下手人を捕らえる大捕物で思わぬ失態をおかし、深く落ち込んでしまう。だが、実はそれも、庶民の暮らしや人情の機微を理解しようとしない、剣九郎自身に問題があった。そんな剣九郎を見かねた筆頭同心の増尾は、剣九郎にある任務を与える。それは、名和修五郎という正体不明の浪人と組み、失踪した油問屋の娘を捜せというものであった。任務の軽さや、修五郎の不遜な態度に不満を隠せない剣九郎であったが、この修五郎こそ、雄藩の大名にさえその名を知られた、伝説の捜し人だったのである。人捜しを通じて、人の情を学んでいく剣九郎の成長と活躍。
  • てらこや浪人源八先生 親子舟
    3.0
    おのれの剣のみを頼りに生きてきた浪人、芹澤源八郎──頼まれれば金しだいでどんな荒事も引き受ける、凄腕の用心棒である。ある日、飛脚問屋を強請るやくざ者を痛めつけてくれ、という依頼を受けた源八郎は、些細な行き違いから無関係の人間を傷つけ、失明させてしまう。しかも、その当の被害者は、源八郎のかつての恩師である寺子屋のお師匠さまであった。自らの生き方を悔いた源八郎は、ひょんなことから、寺子屋の先生の代わりを務めることになる。ところが、この源八郎という男、剣は得意だが、子どもは大の苦手。まっすぐで型破りな源八郎の言動が、子どもばかりか、周囲の大人たちをも変えていく……。
  • 同心 影山恭四郎 大岡裏裁き
    3.0
    庶民を助け、悪党を厳しく罰する名奉行・大岡越前。だが、その評判の人情裁きの裏には、あるしかけがあった──。風烈廻り同心に任じられた影山恭四郎は、無口で無愛想、しかもまともに働いているようにも見えず、いかにも不気味な男である。しかしこの恭四郎こそ、いわゆる、大岡越前おかかえの隠密──名奉行の裁きを裏でささえる、凄腕の剣客であった。みなしごであった恭四郎は、大岡に拾われ、人としての感情の機微をおぼえないまま、悪党退治の剣をふるう。だが、そんな恭四郎も、気を許せる仲間や、事件で知り合うさまざまな市井の人々と触れあううちに、人間らしさを取り戻していくのだが……。
  • さすらい同心 坂東一徹 仇討ち日光
    3.0
    いかつい顔にげじげじ眉の南町奉行所同心、坂東一徹は、自他ともに認める頑固者で、悪や不正を許さぬまっすぐな男。事件解明のためならば、上司にさえも噛みつく仕事の鬼だが、その性格と容貌がわざわいし、女にはさっぱりもてないという有り様である。ところが文政元年の五月、この一徹に、不釣り合いなほどの別嬪な娘が嫁いできた。まさに美女と野獣の夫婦に、周囲ばかりか一徹本人も戸惑っていたが、その婚礼の場で、なんと殺人事件が発生する。妻を得て、よりいっそう仕事に邁進する一徹であったが、事件の真相を知ったときから、謎の単身赴任を繰り返すはめに……。愛する妻とわかれ、ひとり各地をさすらう名同心の悪党退治!
  • 猫は心配症
    5.0
    ますます快調! 化け猫まるとその仲間たち 有能すぎる与力が就任。おネエ同心・中村さまの首が危ない? そんなさなかに大事件が起きて…。大人気「猫は――」シリーズ第3弾。
  • 常在戦場
    4.4
    急逝した著者の遺した傑作短篇集 家康を支えた異能異彩の七人の家臣を描いた作品集。戦国武将を最も愛した作家・火坂雅志の人生もまさに「常在戦場」だった。
  • 紅蓮の狼
    -
    風雅で堅牢な水城として名高い武州・忍(おし)城の姫・甲斐は絶世の美姫であった。だが、関東の覇者北条氏への輿入れを拒んだのを機に、その運命は大きく転ずる。剣聖上泉信綱から奥義を授かり、無類の武者へと成長したのだ。そこへ、幼少の頃より甲斐を疎み、放逐した父の危機の報が……。豊臣の大軍からわずかの軍勢で城を守り、秀吉を感嘆させた美貌の姫武者と、彼女を陰で支えた強く美しき女たちの戦を描く表題作ほか、時代ロマンの俊才が放つ傑作中編集。(『青嵐の馬』改題)
  • 花冠の志士 小説久坂玄瑞
    4.1
    2015年のNHK大河ドラマ「花燃ゆ」で、主人公はこの若き志士を愛した! 幕末の乱世、尊王攘夷派の志士たちの中心人物として短い人生を駆けぬけた久坂玄瑞。長州藩医の子として生まれ、黒船来航から間もなく家族を喪い、攘夷の志に燃えた。松下村塾の双璧として高杉晋作と並び称され、師・吉田松陰の妹を妻とした。詩を愛し、武に生き、もののふとして散ったその生涯を描いた決定版。
  • 秋山久蔵御用控 口封じ
    3.3
    「相手は薄汚ねえ盗賊だ。情け容赦は無用だぜ」。江戸の悪を“剃刀久蔵”が斬る!  錺職(かざりしょく)の男が鎌倉河岸で死体となって浮かんだ。北町奉行所の調べでは溺死と判断されたが、頭には殴られた跡があり、客ともめていたのを見た者がいた。客が注文したのは丸に揚羽の蝶の銀簪。男の女房に真相究明をたくされた久蔵は、”丸に揚羽蝶”の家紋を手がかりに、背後に蠢く悪に迫る。久蔵の、心形刀流が炸裂する! 三編の読切り時代小説を収録。 好評シリーズ第13弾!
  • 秋山久蔵御用控 垂込み
    3.0
    盗賊同士の足の引っ張り合いを、“剃刀”久蔵が見事に裁く! “隠居の彦八”と呼ばれる元盗賊が江戸に舞い戻ったという。処刑された頭(かしら)の酉蔵の一周忌の法要を行う目的らしい。一方、酉蔵の娘の周辺では、蝮の藤兵衛の一味が様子を探っていた。盗賊同士、どんなかかわりがあるのか? 南町奉行所吟味方与力・秋山久蔵は、手下とともに盗賊どもを追いつめる! 好評シリーズ第18弾!
  • 秋山久蔵御用控 隠し金
    -
    八丁堀・中ノ橋に、蜆売りの春吉の死体があがった。袈裟懸けに斬られており、侍の仕業らしい。父を亡くした春吉は母を助け健気に働いており、八丁堀御組屋敷街のみなに可愛がられていた。やはり贔屓にしていた南町奉行所吟味方与力・秋山久蔵は、少年を無残にも斬った外道に、怒りの刃を向ける。 好評シリーズ第12弾!
  • 秋山久蔵御用控 大禍時(おおまがとき)
    3.7
    大禍時(おおまがとき)──薄暗くなって禍(わざわい)が起こりやすい夕暮時に、娘が消えるという噂が立った。弥平次の調べで、高家一色家に奉公にあがっていた菓子屋の娘が半年前に行方知れずになった事実を掴むが、店の者たちの態度がおかしい。また一色家にもよからぬ噂があった。事件の真相は何なのか、“剃刀”久蔵の裁きが冴える。 好評シリーズ第17弾!
  • 秋山久蔵御用控 付け火
    3.5
    “剃刀”と恐れられる吟味方与力・秋山久蔵の活躍を描く人気シリーズ。江戸の町で付け火が続いた。捕縛された盗賊・東雲の鉄五郎の一味の者が、鉄五郎を放免しなければ火を放つと脅してきた挙げ句のことだった。南町奉行の荒尾但馬守は、大火を恐れるあまり久蔵に対し探索の日切りを申し渡した。久蔵は、期限までに一味を捕らえられるのか。前作で長男・大助が生まれたのに続き、新メンバーも登場。ますます快調です! 好評シリーズ第16弾!
  • 秋山久蔵御用控 余計者
    3.0
    不忍池の畔で男の死体が発見された。近辺では筆屋の主が大山詣りに出て怪我をし、女房と手代が店を休んで後を追ったきり、姿が見えないという。南町奉行所の秋山久蔵は、死体が筆屋で、女房と手代が事件に絡んでいると睨むものの、残された証拠に違和感を覚える。久蔵に息子が生まれ新たな展開を見せる。 好評シリーズ第15弾!
  • 秋山久蔵御用控 傀儡師(くぐつし)
    3.5
    「町奉行所の役人は、お奉行の為に働いてるんじゃあねえ。八百八町で真面目に暮らしている庶民の為に働いているんだ」。剃刀と呼ばれ、悪党を震え上がらせる、南町奉行所吟味方与力の活躍を描く“秋山久蔵シリーズ”。日本橋で虚ろな眼をして刀を振り回す浪人。しかし人々を襲った男はその記憶が全くないという。蠢く“傀儡師”の正体とは?多彩な脇役も魅力です。 好評シリーズ第14弾!
  • 秋山久蔵御用控 赤い馬
    3.5
    内神田鎌倉河岸で付け火が起きた。付近では妙な女の姿があったという。数日後、今度は神田連雀町から火の手が上がり、同時に近くで押し込みがあった。これは火事騒ぎを起こし、それに乗じて押し込みを働く盗賊一味の仕業、そして妙な女はその仲間──そう睨んだ秋山久蔵は、さらなる探索を命じる。 好評シリーズ第10弾!
  • 秋山久蔵御用控 騙り者(かたりもの)
    4.0
    油問屋のお内儀・おしずが身投げして死んだ。お内儀の妹によると、おしずは秘密をばらされたくなければ金を出せと脅されており、そしてその脅した人物は「御家人の秋山久蔵」だという。当然、久蔵は身に覚えはないが、では誰がその名を騙ったのか。己の名を騙った者の意外な正体を、“剃刀久蔵”が暴く! 好評シリーズ第9弾!
  • 秋山久蔵御用控 花始末
    4.0
    定町廻り同心が首筋を切り裂かれて殺された。人通りの多い往来でのその早業は人殺しを生業にしている者の仕業と思われ、南町奉行所吟味方与力・秋山久蔵は、「始末屋」が絡んでいると睨む。久蔵は探索を進めるが、逆に始末屋に手先の1人を殺されてしまう。久蔵と始末屋の闘いは激しさを増すが──。 好評シリーズ第8弾!
  • 秋山久蔵御用控 乱れ舞
    3.0
    薬種問屋の主が斬殺され、娘が身投げをした。浪人に手籠めにされ、強請られていたのが原因だという。そこで浮かび上がった浪人・宗方慎之介は、元は直参旗本、そして秋山久蔵の幼馴染みだった。追い詰められ、「公儀に恨みを晴らす」と言い残して死んだ友の無念に、久蔵は隠された悪を暴くことを誓う。 好評シリーズ第7弾!
  • 秋山久蔵御用控 彼岸花
    3.0
    神田佐久間町の金貸しの屋敷に、般若の面をつけた盗賊が押し込んだ。一味は200両と主の徳兵衛の命を奪って姿を消した。南町奉行所の秋山久蔵は、手向かいもしなかった徳兵衛だけを惨殺したことから、恨みによる凶行だと睨み探索を進めるが…。夜盗の哀しみと“剃刀久蔵”の恩情裁きが胸を打つ。 好評シリーズ第6弾!
  • 秋山久蔵御用控 空ろ蝉(うつろぜみ)
    4.0
    本所深川で隠密廻り同心が斬殺された。この同心は、町奉行所も容易に手を出せない無法の地・八右衛門島の探索をしていたという。一向に動こうとしない南町奉行に不審を抱いた秋山久蔵は、真相を追って八右衛門島にひとり潜り込むが、久蔵の前に現れたのはこの地に似つかわしくない謎の女だった。 好評シリーズ第5弾!
  • 秋山久蔵御用控 埋み火(うずみび)
    -
    神楽坂下の掘割に、袋物屋『丸菱』の内儀・お艶の死体があがった。お艶は半年前に入り婿の文吉を追い出して離縁しており、恨みによる殺しと思われた。だが当の文吉は事件と係わりがないらしい。南町奉行所吟味方与力・秋山久蔵は、2人の離縁の裏には何事かが潜んでいると睨み、手下に探索を命じる。 好評シリーズ第4弾!
  • 秋山久蔵御用控 迷子石
    3.5
    日本橋川に架かる橋のたもとにある迷子石。江戸で迷子を探す役目を持ったその石柱に、幼い兄妹が尋ね人の札を貼った。探しているのは、賭場で借金を作った挙げ句に押し込みを働いた父。南町奉行所吟味方与力・秋山久蔵は、手下と共に押し込み犯を追うが、背後にはさらに憎むべき悪党がいると睨む。 好評シリーズ第3弾!
  • 秋山久蔵御用控 帰り花
    3.0
    「安心しな。義父上の無念、放っちゃあ置かねえさ。追い詰めて正体を暴き、必ず叩きのめしてやるぜ」。久蔵の義父、北島兵部が辻斬りにあって殺された。しかしそこには不可解な謎が。調べを進める久蔵がたどりついた許せぬ悪。亡き妻の妹・香織の無念を晴らすため久蔵の心形刀流が唸る! 好評シリーズ第2弾!
  • 秋山久蔵御用控 神隠し
    4.0
    “剃刀久蔵”と呼ばれ、悪人を震え上がらせる、南町奉行所吟味方与力秋山久蔵の活躍を描く。浅草広小路の呉服屋『近江屋』の17歳の娘おさよが隅田川の桜見物で行方知れずになった。かどわかしと思われた3日後、町駕籠で無事に帰ってきたおさよだが、その白い肌には…。卑劣な悪党に久蔵の心形刀流が炸裂する! シリーズ第1弾!
  • へび女房
    3.0
    まさかこんな行く末が待っていようとは。明治維新でふぬけになった元旗本の亭主を見限り、自らテキ屋の世界に飛び込んだ女房の奮闘を描く表題作。金髪の子を生み落とした明治政府高官の妻、政府お雇いの外国人に嫁いだ旧藩主の姫君など、激動の世を生き抜く女たちの心模様と身の処し方を細やかに綴る4編。女の哀しさと潔さが胸に迫る新・時代小説集。
  • 手のひら、ひらひら 江戸吉原七色彩
    3.8
    江戸吉原には、娘を花魁(おいらん)へと染めかえる裏稼業があった。その名も、うぶな時分に性技を仕込む「上ゲ屋(あげや)」、年季を重ねた妓(おんな)に活を入れハリを蘇らせる「保チ屋(もちや)」、常に女心を探り間夫(まぶ)を絶つ「目付(めつけ)」。吉原の架空の設定を軸に、これら男衆と、磨きぬかれたオンナ達が織りなす色と欲、恋と情けを描いた連作7編。秘められし真心が静かに胸をうつ、期待の新人のデビュー作!
  • 火の国の城(上)
    3.7
    天下分け目の関ヶ原から五年。世情が落ち着きはじめた京の町にふらりと現われた偉丈夫。男はすぐれた技をもち、豪傑と熱情を秘めた伊那忍び、丹波大介であった。すでに陰の世界から足を洗い、農村でおだやかに妻と暮らすはずであったが、彼の腕を知る者によって武家の覇権争いに巻き込まれていく。天下統一への執念を燃やしつづける徳川家康と、復活を夢想する豊臣家とをめぐり、「忍び」というあらたな諜報戦が歴史の陰で繰り広げられる。いずれも個性的な超人たちの物語。
  • 遠山金四郎が消える
    3.5
    老中水野忠邦の改革に楯突いたとして、南町奉行を罷免された矢部定謙に、桑名送りの沙汰が下った。北町奉行遠山金四郎は、今生の別れをと、厳しい監視を掻い潜り矢部に会う決意をする。一方、下谷の常磐津の師匠宅に賊が押し入った。三両が奪われ、師匠の間夫が殺されたという。探索を指示する金四郎だが、事件の裏に水野の手下の気配がして――。
  • 悪党町奴夢散際
    4.0
    慶安三年、町人の悪党集団「町奴」の頭領・幡随院長兵衛が何者かに殺された。対立する旗本の悪党集団「旗本奴」の頭領・水野十郎の仕業ではないかと疑う町奴側は報復を画策。お菊という女をめぐって両者の関係はさらにこじれ、楊枝屋の女侠客お吟、凄腕女剣士の佐々木累らを巻き込んで、全面抗争へと発展していく。一気読み必至の痛快時代小説!
  • 愛よりもなほ
    3.7
    見合いの席で一目惚れ、没落華族の元に嫁いだ、豪商の娘・菊乃。しかしそこは地獄だった。妾の存在、隠し子、財産横領、やっと授かった我が子の流産――。菊乃は、欲と快楽を貪る旧弊な家の中で、自立することを決意すると、高慢な女中頭に暇を出し、傾いた財政を立て直す。激動の明治に鮮やかに華開く女の一生。
  • 風かおる
    3.4
    鍼灸医・菜摘は「妻敵討ち」の旅から戻った養父・佐十郎と十年ぶりの再会を果たす。しかし、死病に侵された佐十郎にかつての優しい面影はなく、帰藩は妻敵討ちを唆した者との果し合いのためだという。討たれると知りながら治療を施すことに葛藤を覚えた菜摘は果し合いの相手を探るが、やがて哀しい真実に突き当たり――。哀歓溢れる傑作時代小説。
  • 猿島六人殺し 多田文治郎推理帖
    3.7
    浪人者の多田文治郎は江ノ島・鎌倉見物のあと足を伸ばした米ヶ浜で、浦賀奉行所与力を務める学友の宮本甚五左衛門に出会い、対岸の猿島で起きた殺しの検分に同道してほしいと頼まれる。甚五左衛門が「面妖な事件」と評したことに興味をそそられ、承諾した文治郎。酸鼻を極める現場で彼が見たものとはいったい……? 驚天動地の時代ミステリ!
  • おもかげ橋
    3.7
    剣は一流だが道場には閑古鳥の鳴く弥市。武士の身分を捨て商家に婿入りした喜平次。十六年前に故郷を追われ、江戸で暮らす二人の元に、初恋の女・萩乃が逃れてくる。だが、彼女の変わらぬ美しさの裏には危うい事情があった。一方、国許では化け物と恐れられた男が返り咲き、藩を二分する政争が起き――。再会は宿命か策略か? 儘ならぬ人生を描く傑作時代小説。
  • 我ニ救国ノ策アリ
    4.0
    幕末の激動期、黒船襲来で異国の脅威に晒された日本の危機に、海軍編制を訴え、砲術塾を開き、国防に全てを捧げた男・佐久間象山。幕府や藩の重鎮に真っ向から対立し、奇人と謗られても信念を貫き通し、誰も考えなかったアイデアで国を守ろうとするが……。勝海舟、吉田松陰をも傾倒させた孤高の天才の、知られざる生き様を描いた傑作歴史小説!
  • 獺祭り 白狐騒動始末記
    3.0
    出奔した道楽者の兄が拵えた大借金。その取り立てに現れた男を見て、骨董店『萬屋』の一人娘・お伊馬はたじろいだ。単なる商家の次男坊というが、白狐の化身と見紛う優男。本当に人間なのか、と疑いたくなるほど異様な雰囲気をまとっている。なぜ兄はこんな男から金を借りたのか? 真相を追うお伊馬はやがて途方もない事件に巻き込まれる――。痛快無比の人情譚!
  • 闇同心そぼろ
    4.0
    八丁堀同心の猪山主水之介、通称“そぼろ”は、北辰一刀流の凄腕にもかかわらず、閑職に追い込まれ自堕落な日々を過ごしていた。そんな折、同僚の坂木が相対死で発見され、主水之介は切り捨て御免の闇仕置きを行う「五稜組」に転出を命じられる。坂木の死の真相を探る主水之介が暴いたのは、阿片と大奥女中の売春が蠢く江戸の暗部だった――。
  • 吉原手引草
    4.2
    廓遊びを知り尽くしたお大尽を相手に一歩も引かず、本気にさせた若き花魁葛城。十年に一度、五丁町一を謳われ全盛を誇っていたまさにそのとき、忽然と姿を消した。一体何が起こったのか? 失踪事件の謎を追いながら、吉原のすがたを鮮やかに描き出した、時代ミステリーの傑作。選考委員絶賛の第一三七回直木賞受賞作。
  • 顔のない幽霊 泣き虫同心
    -
    涙もろくて、女子が苦手で、繰り言ばかりの、八丁堀で一番の“ヘタレ男子”。「そこだッ、幽霊だよォ」――“泣き虫”で知られる物書き同心の小田桐左近は、浜町河岸で出会った、「顔のない幽霊」が気になって仕方がない。そんな彼のもとに、寄洲へ若い女性の死体が流れ着いた件について余計な詮索をしないよう、上席与力の石束新左衛門が釘を刺しにきた。不信感を抱く左近だったが、そこに作事奉行の道楽息子が何者かに襲われる事件も起こり……。“人情&痛快”の泣き虫同心シリーズ第二弾。

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  • 我、六道を懼れず[立志篇](上) 真田昌幸連戦記
    4.0
    のちに「稀代の謀将」「表裏比興の者」と呼ばれる武将の、若き日の純粋で清冽な姿とは。――真田幸隆の三男として生まれ、わずか七歳で武田家の人質となった源五郎(真田昌幸)。彼はその才を武田晴信(信玄)に見出され、その弟・信繁からも目を掛けられるようになっていた。しかし初陣となる川中島の合戦は、昌幸の想像を遥かに超える壮絶なものであった……。昌幸の生涯を渾身の筆致で描く感動の歴史巨編。

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  • 「泣き虫同心」事件帖
    -
    「あれえ旦那、また泣いておいでなンですかい」外回りの同心と違い、地味な物書き同心である小田桐左近は、涙もろくて女子が苦手で、ぼやいてばかりの二十六歳。家来の八助やお常婆さんからも、いつも呆れられている。ある日、橋の下に隠れていた男の子を家へ連れ帰ったのだが、話を聞くと悪党の手を逃れてきたという。しかも母親はまだ悪党に掴まっているらしい。放ってはおけない左近は……。江戸のヘタレ男子が、八丁堀をゆく!

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  • 楊家将(ようかしょう)(上)
    4.2
    中国で「三国志」を超える壮大な歴史ロマンとして人気の「楊家将」。日本では翻訳すら出ていないこの物語が、作家・北方謙三により新たなる命を吹き込まれ、動き始めた。物語の舞台は10世紀末の中国。小国乱立の時代は終わりを告げ、中原に残るは北漢と宋のみ。楊家は北漢の軍閥だったが、宋に帰順。やがて北漢は滅び、宋が中原を制する。その宋の領土を北から虎視眈々と狙うのが、遼という国。強力な騎馬軍団を擁するこの国は、宋の一部であった燕雲十六州を奪い取り、幼い帝を支える蕭太后の命により、南下の機会を窺っていた。奪われた地を取り戻すのは宋王の悲願――。外様であり、北辺の守りを任されている楊家は、遼との血戦で常に最前線に立たされる。楊家の長で「伝説の英雄」として語り継がれる楊業と七人の息子たちの熱き闘い。苛酷な運命のなかで燦然と光を放った男たちを描き、第38回吉川英治文学賞に輝いた北方『楊家将』、待望の電子化。

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  • 虫の知らせ 鳥兜のお咲
    4.0
    医師の万象が男の変死体を検視して帰宅すると、娘の清乃に死体から這い出た虫が羽織に付着していると指摘された。さらに清乃に男の死因は鳥兜の毒のせいだと教えられた。清乃は人体に棲む9種類の虫が見え、会話することができる。直後、連続毒殺事件が発生した。書き下ろし時代小説の新機軸!

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  • わかれ縁 狸穴屋お始末日記
    4.2
    シリーズ化も決定! 西條奈加の〈ど真ん中〉傑作人情時代小説 「もう、嫌だ!」定職にもつかず浮気と借金を繰り返す亭主の元を飛び出した絵乃は、ひょんなことから離縁の調停を得意とする公事宿「狸穴屋」の手代見習いとなる。そこに舞い込んでくるのは、いずれも家族の“情”がこじれた難題ばかり。果たして絵乃は一人前の公事師となり、自身の離縁も成し遂げられるか!? 解説・大矢博子 ※この電子書籍は2020年2月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • 功名が辻(一)
    3.9
    天下にむかってはなばなしく起ち上った織田信長の家中に、ぼろぼろ伊右衛門とよばれる、うだつの上らない武士がいた。その彼に、賢くて美しい嫁がくるという……伊右衛門は妻千代の励ましを受けて、功名をめざして駈けてゆく。戦国時代、夫婦が手をとりあってついには土佐一国の大名の地位をえた山内一豊の痛快物語。全四冊。
  • 翔ぶが如く(一)
    3.9
    司馬遼太郎畢生の大長編! 西郷隆盛と大久保利通。ともに薩摩藩の下級藩士の家に生まれ、幼い時分から机を並べ、水魚の交わりを結んだ二人は、長じて明治維新の立役者となった。しかし維新とともに出発した新政府は内外に深刻な問題を抱え、絶えず分裂の危機を孕んでいた。明治六年、長い間くすぶり続けていた不満が爆発。西郷は自ら主唱した“征韓論”をめぐって大久保と鋭く対立する。それはやがて国の存亡を賭けた抗争にまで沸騰してゆく――。西郷と大久保、この二人の傑人を中心軸に、幕末維新から西南戦争までの激動を不世出の作家が全十巻で縦横に活写する。
  • 松風の人 吉田松陰とその門下
    -
    十一歳にして藩主・毛利敬親の御前講義を行い、才覚を現した吉田大次郎。のちに吉田松陰として松下村塾を主宰し、伊藤博文、山県有朋などの英傑を数多く世に送り出した男は、いち早く「海外」を意識した稀代の思想家であった。黒船襲来を機に勃発した国難に、驚くべき向学心と行動力をもって立ち向かった松陰の、波乱に富んだ生涯を描く傑作評伝。
  • 勝海舟 私に帰せず(上)
    3.8
    一八五三年、ペリー来航を機に外交政策で揺れる幕府に一筋の光を与えたのは、一介の小普請組・勝麟太郎が上申した「海防愚存書」。国防組織の近代化を訴え、老中の目に留まった意見書は、後に江戸城無血開城を実現させる男が世に躍り出る端緒となった――。坂本龍馬が師と仰ぎ、幕末期に日本再生の礎を築いた稀代の政治家の生涯を描く傑作史伝。
  • 安政五年の大脱走
    3.9
    安政五年、井伊直弼に謀られ、南津和野藩士五十一人と、美しく才気溢れる姫・美雪が脱出不可能な絖神岳山頂に幽閉された。直弼の要求は姫の「心」、与えられた時間は一カ月。刀を奪われ、逃げ道を塞がれた男達は、密かに穴を掘り始めたが、極限状態での作業は困難を極める……。恋、友情、誇りが胸を熱くする、痛快! 驚愕! 感動の娯楽大作。
  • 吉原十二月
    3.8
    大籬・舞鶴屋に売られてきた、容貌も気性もまったく違う、ふたりの少女。幼い頃から互いを意識し、妓楼を二分するほど激しく競り合いながら成長していく。多くの者が病に斃れ、あるいは自害、心中する廓。生きて出ることさえ難しいと言われる苦界で大輪の花を咲かせ、幸せを掴むのはどちらか。四季風俗を織り込んだ、絢爛たる吉原絵巻!
  • 義にあらず 吉良上野介の妻
    3.0
    米沢藩・上杉家から高家旗本の吉良上野介に嫁いだ富子は、仕事熱心な夫との仲も睦まじく、子宝にもめぐまれた。上杉家へ長男を養子に出し、実家と婚家の絆も一層深まっていた。しかしその平穏な生活は、夫が江戸城内で突然斬りつけられ、赤穂浪士に敵として討ち取られたことで一変する――。妻の視点から上野介の実像を描いた「忠臣蔵」の真相。

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