国内小説 - 実業之日本社作品一覧
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5.0病室に君臨する「女王」は、 「僕」の大切なひとだった――。 「もしかして……体の中から、植物が生えているんですか?」 高校生の有坂羽斗は、花の配達に訪れた病棟で、気高い「女王」――園生蒔苗と出逢った。 彼女を蝕むのは世界にほとんど症例のない奇病。 そして確実に生命の灯を弱らせる難病だった。 「――私が死んだら、君は悲しい?」 「僕」と「女王」は限られた特別な時間を過ごす。 無数の会話を心に刻みながら……。 青春の逡巡と、大切な人との永遠の別れ。 そのすべてが、胸をしめつけるように切ない物語。 号泣必至の――これはきっと、本当のラブストーリー。
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3.3※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 宇宙も音楽も感じられる算数、それはワンダーランド! 神秘性で知られた、東京郊外の桃山町。小学6年生の千葉空良(そら)と河邑(かわむら)ユーキ、紺野アランの3人組は、算術絵馬で名高い地元神社への冒険を始めた。それを機に起こる偶然の暗合――高等数学が得意な転校生の出現、担任の先生から誘われた算数宇宙杯への出場。空良たちはさらに、素数の正体、ゼータ関数の定義を経て、ファンタジックな複素数の世界へ……。数学小説の傑作!
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3.6朝は三女・朝日の喫茶店、昼は次女・まひるの讃岐うどん屋、夜は長女・夜月のスナック――志野原家の美人三姉妹が営む「三人屋」は、朝日の就職を機に、朝の店を終了、業態を転換することになった。 朝日が出勤前に焼いたパンを使い、まひるが朝からランチ時まで売る自家製の玉子サンドイッチが、見映えも良くおいしいと大評判に。かたや長女のスナックは、ラプンツェル商店街で働き、暮らす人々のサロンとしてにぎわっている。 ゲイの青年、売れない作家、女泣かせのスーパー店長など、ワケあり常連客たちが夜ごと来店、三姉妹の色恋沙汰を肴に、互いの悩みを打ち明けあったり、くだを巻いたり… 悲喜こもごも、味わい深い人間模様を描く大ヒット小説『三人屋』待望の続編! 心も体もくたくたな日は「三人屋」の新名物「玉子サンド」を召し上がれ!
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3.6朝は三女・朝日の喫茶店、昼は次女・まひるの讃岐うどん屋、夜は長女・夜月のスナック――朝・昼・晩で業態がガラリと変わるその店は、通称「三人屋」。やって来るのは、三女にひと目惚れしたサラリーマン、出戻りの幼なじみに恋する鶏肉店主、女泣かせのスーパー店長など、ひと癖ある常連客たち。三姉妹が作るごはんを口にすれば、胃袋だけじゃなく、心もたっぷり満腹に!? 心とお腹にじんわりしみる、美味しい[人情×ごはん]エンタメ!「高いビルの屋上から、道行く人をじっと眺めているような小説である。大所高所から見下ろしているという意味ではない。ちっぽけな人間たちが、時に迷ったり立ち止まったりしながらも、それぞれの目的地を目指して懸命に歩いている姿を目にした時の、あの切ないような尊いような心持ちを思い出させてくれるのだ。」――北大路公子氏「解説」より
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3.7ある日突然、球団広報に出向!? 元大リーガーの専属広報担当を命じられた男が挑む「極秘任務」とは…… 名手が放つ、日本初の「球団広報小説」! 食品メーカー広報部員・三上は、子会社のプロ野球チーム「横浜パイレーツ」へ出向を命じられる。 古巣に復帰した大リーガー石岡の専属広報担当として、MLBフリークの三上に白羽の矢を立てた――とは表向きの理由。 低迷するチーム再生のため、スター選手の石岡に引退後の監督就任を要請するも拒否され、 彼の信頼を得て説得するという業務命令(ルビ・ミッション)が三上に課されたのだ。 シーズンに入り、めざましい活躍を見せる石岡はなぜかマスコミを避け、三上は番記者との間で板挟みに。 やがて、チーム内にも不穏な空気が漂い始め……。球界の舞台裏で交錯する人間模様を描く 堂場野球小説の新たな地平!
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3.0もうすぐ死んでしまうとしたら、あなたは誰に、何を伝えますか? 残された時間を、大切な「あの人」と……。 その改札を抜けたら、もう一度だけ、愛する人に会える。 そこは「奇跡」が起きる駅。 絶対最泣――心揺さぶる、4つの《奇跡》の物語!! 「大切な人のことを頭に浮かべながら改札口を抜けてください。あなたを待っている人がいます」 ――天竜浜名湖鉄道の終点・掛川駅には、知る人ぞ知る『終着駅の伝説』がある。 案内人は、二塔と名乗る謎めいた駅員。 今日もまた、もう会えないはずの「あの人」の姿を探して乗客がひとり、駅に降り立つ…。 ヒューマンストーリーの名手・いぬじゅんが人生という旅を描く、静岡発「奇跡の物語」。 癒やしと再生、号泣ファンタジーの名作誕生!
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4.0「もうすぐ死ぬってわかってる。でも…」 わたしの分まで生きて! 痛いほど切ない、最期の日々。 余命短い少女の友情と恋の行方は!? ――号泣必至の感動作! SNSで自殺願望を綴っていた城野絆は、秘密の投稿を同じクラスの徳川郁に見られてしまう。 だが、郁からも重大な秘密を告げられる。 「あたしの寿命、あと半年なんだ」。 絆は余命短い郁の「死ぬまでにやりたいこと」の実現に協力するが、そこには驚愕の真実が…。 孤独な《死にたがり》少女と、《生きたい》美少女の友情の日々を描く号泣必至のストーリー!
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3.9(『牛丼愛』改題)子持ちの主婦パート・恵は年下バイトとの浮気に溺れ、仕事もサボりがち。生真面目な働きぶりで店長の信頼も厚いおデブな女子大生・日和は、恵の身勝手な言動に業を煮やし、逆襲を試みるが──。従業員間のトラブル、客との交流、店長の恋……牛丼屋で交錯するちょっとワケあり人間模様をあたたかな筆致で描きだす。注目度ナンバーワン作家が贈る異色の連作群像劇! 解説・藤田香織さんも激賞!「小野寺作品の主人公たちは、どんなに激しい喜怒哀楽の感情も、やがて普通の毎日に溶かし込んで生きていく。そのいってしまえば地味な強かさを読むといつも、心の凹みかけていた部分が、パコンと戻るような気になる」
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4.5イルカも、ペンギンも、ガール達も、帰ってきた!! けど、水族館はまたまた大ピンチ! 感動のNO.1水族館&お仕事小説、新章開幕! シリーズ累計50万部突破! 海や水辺の生きものたちの〈なぜ?〉が満載! 水族館にある”汽車ぽっぽ”とは? チンアナゴは引き抜いたらどうなる? テッポウウオの水鉄砲はなぜ当てられる? イルカはどこまで考えてジャンプしてる? デンキウナギの電気でエネルギー不足を解決? カニ娘にちりめんモンスター? 〈感じる水族館〉がアツい! 水族館存続の危機は終わっていなかった――再びの大企業連合買収計画に対抗するため、 飼育員・由香は梶、新スタッフの咲子、実習生・宮川らと新しい水族館の運営方針に取り組む。 カニダンスやチンアナゴ、ちりめんじゃこの五感展示、デンキウナギで発電…様々な企画にチャレンジするなか、恋物語も進展の予感が? 大人気お仕事小説、新ステージ開幕! 目次 Contents プロローグ 第一プール 水族館の壁 第二プール カニ娘ショック 第三プール 感じる水族館、フ、フ、フ 第四プール ちりめんじゃこの山 第五プール 恋と決意と特別企画 第六プール 水族館のクリスマス エピローグ 参考文献とあとがき
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4.8大ヒット作『水族館ガール』の興奮と感動がよみがえる! アクアパークの飼育員・嶋由香はとある休日、お気に入りの写真を眺め思い出に浸る。 初夏の眩しい日差しに照らされながらのクラゲ採集、同僚の娘・ミユちゃんの自由研究で一緒に挑戦したクラゲ飼育、 悪戦苦闘のペンギントレーニング、子どもたちにペンギンの飛ぶ姿を見せたくて…!? 子どもも大人も夢中になれる新いきもの&お仕事ノベル。 <<水族館大好き芸人 男性ブランコさん激推し!>> 水族館への愛が、水族への愛が、人間への愛が、あふれています。 水族館のリアルな裏側、水族と人間の関係性、水族館の楽しみ方がまた一つ増えました。ああ、早く水族館へ行きたい…! ――男性ブランコ・平井まさあきさん 楽しんでいつの間にか水族館に詳しくなっています!!嬉しい! ――男性ブランコ・浦井のりひろさん
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5.0寂しい男は、北へ向かった 初めて愛してくれた 年上の女は今どこに!? 心が軽くなる、 大人気ロードトリップ官能! 民宿でお風呂に入る 彼女を偶然のぞき…… 仕事に明け暮れ、 独身のまま40代半ばを迎えた健司。 恋人とも別れ、寂しい日々を送る。 思い出すのは大学時代にバイクで訪れた北海道で、 窮地を救ってくれた年上の女性・真里のこと。 20年以上を経て、 彼女に会うために北海道ツーリングへ出かける。 ソムリエを目指す美人ライダーや、 悲しみをたたえた人妻に出会い……。 目次 第一章 思い出の女 第二章 札幌の熱い夜 第三章 蕩ける唇 第四章 摩周湖の人妻 第五章 幻想の襟裳岬 エピローグ
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3.8旅する魔女と、人々との絆。 それは温かく、強く、優しい―― 魔女や魔法使いが存在するこの世界に、紅という名の魔女がいた。 紅は祈りとともに小さな奇跡を起こし、永い命を少し削っては大きな魔法を使う。 旅先で出会った母子を癒やし、夫を喪った妻の次の一歩への背中を押し、家出娘たちの門出に祝福を与え――その交流の中で紅も探すのだ。自らの「生きる意味」というものを。 そしてまた、魔女は旅を続ける。傍らに「小さな奇跡」を携えて……。 最後はきっと、泣いてしまう―― ヒューマンドラマの俊英・沖田円が紡ぐ、最高に切なく温かい4つの感涙ストーリー!
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4.01989年に東京の女子大に入学し、バブル崩壊後の1993年に出版社に就職した石川ひとみの半生は、変転の連続だった。不本意な配属、失恋、プロポーズ、予期せぬ妊娠、そして離婚……。時に家族や友人を裏切ってまで仕事に貪欲であり続けたひとみの20年間、彼女の欲望と葛藤の行方を、ポケベルの時代から、インターネットやSNSの登場に至るまでの“人と人をつなぐツール”の変遷や、移りゆく世相を巧みに織り込んで描き出す。就活小説『あの子が欲しい』で話題の著者が放つ、「女の狡さ」と「黒い本音」全開のこの物語は、あなたの魂を捉えて離さない!(解説:柳瀬博一)
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4.0あの号泣の名作『無人駅で君を待っている』の 著者・いぬじゅんが贈る、最新書き下ろし・超感動作! あなたが最期に食べるのは―― 忘れられない「あの日」の思い出ごはん。 婚約破棄され職も失った季俣埜乃が立ち寄ったのは、キッチンカー「FINE(フィーネ)」。 イタリア語で「終わり」を意味する店名には、 「人生という旅の最後に、思い出の料理を出す」 という、店主・神代悠翔の思いが込められている。 彼が提供する懐かしい味は、傷心の埜乃を癒やすが……。 訪れる客に最後の晩餐を提供する不思議なキッチンカー。 そこは、人生という長い旅を終えようとする人たちとの切ない別れを優しく包み込む場所。 でも、なぜ人は、不思議とそこに導かれてしまうのか―― 五年前のある悲しい事故が、人を繋ぎ奇跡を起こす……心揺さぶる愛と再生の物語!! 感涙必至のヒューマンファンタジー!
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-徳川吉宗が仕掛けた 黒い陰謀を秘剣が斬る! 大奥を守り抜く同心たちの奮闘! 傑作時代エンターテインメント!! 大奥に渦巻く陰謀を 剣豪同心が秘剣で斬る! 幕府の政治刷新に大ナタをふるう新井白石の家臣・村雨広は、剣の腕を見込まれて、現将軍・徳川家継の実母である月光院の警護を命じられた。月光院はかつて浅草の裏長屋で村雨の隣に住み、思いを寄せた娘・お輝だった。運命を感じ、大奥同心の仲間と共に彼女を守り抜く覚悟を固めるが、紀州藩主・徳川吉宗らの黒い陰謀が容赦なく襲い掛かり…! 【主な登場人物】 村雨広…大奥同心。新井白石の家来。新当流剣術の達人。 桑山喜三太…大奥同心。間部家中。弓矢の名手。 志田小一郎…大奥同心。広敷伊賀者で絵島の配下。忍びの術の遣い手。 徳川吉宗…紀州藩主。 川村幸右衛門…紀州の忍者集団・川村一族の長。 川村白兵衛…夢想剣を遣う忍者。幸右衛門の甥。 村垣の鮫吉…水の中に潜む忍者。 釈迦ケ岳の不動坊…山伏姿の忍者。からくりを遣う。 蝶丸(お蝶)…忍者。美男でもあり美女でもある。 川村左京…幸右衛門の末の子。 新井白石…六代将軍家宣時代から幕政刷新に大ナタをふるう政治家・学者。 西野十郎兵衛…新井家の用人。 綾乃…十郎兵衛の娘。 月光院(お喜世の方)…家宣の側室、七代将軍家継の母。かつて村雨幼なじみのお輝。 徳川家継…七代将軍。 天英院…家宣の正室。 絵島…大奥の女中をつかさどる年寄。 間部詮房…側用人。 井上河内守正岑…老中。
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3.6千紗子という新たな名前を持つこと。心の裡を言葉にすること。自分を解放するために得た術が彼女の人生を大きく変えた――。明治の終わりの沖縄で、士族の家に生まれたツタ。父親の事業の失敗によって、暮らしは貧しくなるが、女学校の友人・キヨ子の家で音楽や文学に触れるうち、「書くこと」に目覚める。やがて自分の裡にあるものを言葉にすることで、窮屈な世界から自分を解き放てると知ったツタは、「作家として立つ」と誓う。結婚や出産、思いがけない恋愛と哀しい別れを経て、ツタは昭和七年に婦人雑誌に投稿した作品でデビューする機会を得た。ところが、待ち受けていたのは、思いもよらない抗議だった……。「幻の女流作家」となったツタの数奇な運命。一作ごとに新しい扉を開く、『ピエタ』の著者の会心作!
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4.0切なくて温かい人と鉄道の「絆」の物語。国鉄が健在だった1981年、北海道から東京までひとりで旅をする不思議な男の子がいた。室蘭本線、中央線、東海道線、相模線……男の子の存在は出会った人々の記憶に深く刻まれる。彼はなぜひとりで旅しているのだろう。成長した「わたし」は、思いがけない形で自らの過去を知ることになるが――家族・青春小説の名手が贈る、謎と希望に満ちた感動の物語(「鉄童の旅」改題)! 梯久美子氏の解説より一部抜粋「本書には佐川さんの小説にはめずらしくミステリーの要素があり、またファンタジックな側面もあるが、一方でいつもの佐川さんらしく、地に足の着いたリアリティと生活感があり、成長小説、職業小説としても読むことができる。そこに鉄道が大きくかかわってくるのが私のような鉄道ファンにはたまらないのだが、とくに鉄道好きというわけではない人にとっても、主人公とともに電車に乗って旅をしながら謎を解いていく過程は、ワクワクしたり、しんみりしたり、涙したりしながら、やがては自分自身の過去と未来に思いをはせる、特別な読書体験となるに違いない」
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4.0大河超えのおもしろさ! 猫でゆる~く家康の生涯が学べちゃう! シリーズ累計150万部「ねこねこ日本史」シリーズ初の伝記小説 竹千代は、まだママのミルクを飲んでウトウトと眠くなってしまう子猫だ。 けれども、実は、この後バージョンアップを繰り返して、 徳川家康になってねこねこ日本を統一することになるすごい猫だ。 バカでかいサルの豊臣秀吉や、かなりやんちゃな猫の織田信長、 それに無敵のキバ軍団猫を率いる武田信玄とも戦国の世を争う大冒険が今、始まる。(小学中級から) 【目次】 第1章 猫の鼻は人の数万倍きく〈織田信長との出会い〉 第2章 猫はかまうと逃げる〈徳川三傑結成!!〉 第3章 猫はさむがり(戦国大名 vs. 徳川四天王) 第4章 猫は高いところが好き〈秀吉との対決の行方!?〉 第5章 興奮した猫をしずめるには?〈関ヶ原の戦い〉 第6章 猫は火が怖い〈大坂冬の陣・夏の陣〉 コラム 松平家のヒミツ/家康三大危機!/徳川四天王とは? おもな戦国大名の勢力図とおもな戦い よくわかる!徳川家康年表・登場人物相関図 コラム執筆/福田智弘
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3.0謎が謎を呼ぶ虎脱走事件。 ミステリと時代小説の融合を試みる作者の これが最高傑作だ! ―――――縄田一男氏(文芸評論家) 家康から贈られた虎が城から逃げ、死体が消えた! 国を揺るがす虎騒動の意外な真実とは? 会心の歴史時代ミステリー長編! 徳川家康から南部藩に拝領され、盛岡城内で飼われていた虎二頭、 乱菊丸と牡丹丸が檻から飛び出した。 徒目付の米内平四郎は城下町に逃げた乱菊丸を見事に生け捕りするが、 牡丹丸は傍若無人の若殿・南部利直に鉄砲で撃ち殺されてしまう。 平四郎が城に駆け付けると檻の見張りをしていた番人は絶命していた。 責任を取って腹を斬ったと思われたが、その死因には不審な点が。 さらに檻の中にいるはずの囚人の死体が消えていた! 若殿の乱心か、領内のキリシタンの仕業か、それとも―― 密命を受けた平四郎が藩を揺るがす大騒動の謎に挑む! 目次 序章 第一章 虎捕物 第二章 切支丹と金山 第三章 乱世の尻尾 第四章 雪原の若武者 第五章 繋がらぬ環 第六章 騒動の真実
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3.9「生きるのに、誰かの許可なんて必要ない」 ――400年を生きる猫が導く、令和最愛のおとぎ話。 人の間に生き、なによりも深く人を愛した猫は、今日も誰かの心に「生きる意味」を問う……。 愛情への渇望に揺れる、母と二人暮らしの中学生・景奈がある日出会ったのは、尻尾の長い、ベージュと黒のマーブル模様の猫だった。 エルと名乗る「彼」は、舐めて瞬時に傷を癒やし、人語を操る不思議な力を持っていた。 「私はもう四〇〇年 生きている」 なぜか老いもせず、病に倒れることもなく。 永遠にも似た時間を生きるエルが、母や友との向き合い方に悩む景奈に問いかけた言葉とは――。 「彼」は、ほかにも様々な事情を抱えた人々と時間を共にする。 仕事も人間関係もすべてが嫌になり自死を考えるアラサー会社員男性、 父親の死を看取れなかったことを後悔し続ける50代の豆腐屋2代目男性、 病を患い余命宣告を受ける心優しい80代女性……。 これは巡る季節の中、傷つき迷える人々にそっと寄り添い、希望の光を灯す奇跡の猫の物語。 作家デビュー10周年記念! ドラマ化ヒット『さよならの向う側』の著者が贈る、渾身の書き下ろし最高傑作! どう生きるのか、そして、どう死ぬのか――。 「奇跡の猫」が、人々の生と死に寄り添い、生き方と死に方、生き様と死に様について、大切なことを教えてくれる物語。 ヒューマニズムの名手・清水晴木が贈る、後世に残したい感涙ファンタジー!
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4.0長野、松本、小布施… 偽探偵の裏の顔を暴け! 山根七海から息子で会社員の勇一郎の素行を調査してほしいとの依頼を受け、私立探偵・小仏太郎は尾行を進める。 そこで勇一郎の交際相手・門島淡路の不審な行動に着目する。 調査を進めたところ、彼女の祖母が轢き逃げされた事件の犯人を突き止めようとしているらしい。 轢き逃げしたのは東京と長野で暮らす兄弟のようだが、彼らには見過ごせない裏の顔があって…。 謎の兄弟の周りで起こる怪事件の真相は!? <目次> 第一章 霧の道 第二章 困りごと相談所 第三章 白い靴の女 第四章 夏の終り 第五章 白い粉 第六章 善光寺参詣 第七章 諏訪の事件 第八章 『雪女』と『凛』
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-青春小説の名手・音はつきによる小説『夏の夜明けを待つ僕ら』。 本作は、自分自身を失った主人公とヒロインが「本当の自分」や「本当に大切なもの」を取り戻していく、感動の再生ストーリー。 社会に馴染めず孤立していった会社員の橘 一真(主人公・たちばな かずま)と、成功の裏で心をすり減らしていったシンガーソングライターの榎南 雫(ヒロイン・えなみ しずく)。 息苦しい毎日の中で自分を見失い、行き場のない想いをひとり抱えながら、彼らがたどり着いたのは、ある小さな村だった。 そこで生きるのは、信念を貫く個性豊かな住民たち。 彼らの生き様は、一真と雫に大きな影響を与え、次第にふたりを変えていって……。 自分らしい生き方、人生を手にするまでの――これはひと夏の物語。 いつまでも忘れない。 「僕らはいつも、自由なんだ」 共感度1000%! 切なくも瑞々しい青春を描いた不朽の名作!
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5.0映画への制御不可能な愛と情熱が迸る圧倒的巨編! 亡き恩師からいわくつきの脚本を託された若き映画監督・安達雄矢。“天使”にまつわる物語を本編(ホンペン)として完成させるべく、安達は奔走。助監督、撮影・録音・衣装・美術・照明を担う異能の映画職人たち、そして、個性派俳優、プロデューサーが集結する。クランクアップを阻む数多の妨害に翻弄される彼らの、全人生を賭けた奮闘を描きだした、群像劇にしてスぺクタクルな職業小説! 長大な本書の前半部は、監督、助監督、撮影技師、録音技師、衣装デザイナー、美術部、照明技師、俳優、プロデューサー、それぞれが主人公に据えられた連作短編形式。後半部は、ここまでに登場した映画人たちが本編撮影に挑む姿を「グランドホテル形式」で描く長編群像劇になっている。ミステリ、青春群像、恋愛、ケイパー、ハードボイルド、マジックリアリズム、ホラー、映画史…と、一冊にあらゆるジャンルを包括。さらに作中には、邦画洋画問わず、360作品に及ぶ映画の引用・トリビア・レコメンドが注釈スタイルで盛り込まれている。2018年エンタメ小説界を席巻した傑作『宝島』を放った著者が、その異才を遺憾なく発揮し、圧倒的なスケールで描かれた入魂の一作、型破りな「映画小説」である
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3.5ときには、猫のように生きてみる。 高校生、バーの店員、獣医師……のら猫との出会いと、生命をめぐる8つの物語。 ・病気で臥せっている小学生・芳子の部屋で子猫が4匹生まれた。芳子は小さな子猫チビのことが気がかりで……(「ミー子のおしえ」)。 ・高校を中退し新宿二丁目のゲイバーで働いているエーイチ。ごみ収集を生業にしながら、のら猫をバーの屋上に住まわせている伝説の「エルヴィスさん」と出会い……(「逃げればいい」)。 ・孤独な獣医の湯出。思いがけないトラブルから逮捕されてしまい……(「猫の恩返し」)。 『おれのおばさん』『大きくなる日』『駒音高く』ほか家族小説の名手が描く感動の連作短編集。 ◆目次◆ 第一話 ミー子のおしえ 第二話 やさしく透きとおる 第三話 それぞれのスイッチ 第四話 男の子たち 第五話 エイミー先生 第六話 気になるあのひと 第七話 逃げればいい 第八話 猫の恩返し 装画/とりごえまり
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3.0猫は、そこにいるだけで「物語」を生む。 なぜ作家は猫を描くのか。天邪鬼でわがまま、時に甘えん坊。 飄々としたこのいきものに心惹かれ、物語を仕立てようとする作家は多い。 人間より上位の動物として地球に君臨する猫を表現したSF「ネコ」(星新一)や、 飼い猫から見た作家の生態を描く「黒猫ジュリエットの話」(森茉莉)など、9人の作家による個性あふれる猫小説集。 【収録作品】 森茉莉 『黒猫ジュリエットの話』 吉行理恵 『雲とトンガ』 室生犀星 『猫のうた』『愛猫』 佐藤春夫 『猫と婆さん』 小松左京 『猫の首』 梅崎春生 『大王猫の病気』 宮沢賢治 『どんぐりと山猫』 金井美恵子 『暗殺者』 星新一 『ネコ』
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3.3インド出張中に勤め先がつぶれた挙句、帰国してみれば、故郷である奈良県ちはや市で唯一の総合病院院長だった父親が急逝していた。遺された病院も倒産寸前と発覚! 元・サラリーマンで医師免許も持たない主人公の青年・風祭翔は、急遽父のあとを継ぐかたちで病院理事に就任することに……。知識も経験もない逆境のなか、父の遺した病院を赤字経営から救えるか?! タイムリミットまではあと三か月。産婦人科医の辞職、医者の勤務体系問題、病院経営と銀行、患者の不満と不安、医療難民、消えた院内アンケート……。著者・福田和代氏の綿密な取材を下敷きに、地域医療の危機と青年の成長が丁寧に描かれる。医療技術が発達することで選択肢と可能性が増えていく一方で、治療のありかた、病院のありかた自体にかかわる課題もまた山積みになっていく――きれいごとだけではやっていけない病院の“今”がわかるエンタメお仕事小説、登場! 「ヒポクラテスのため息」改題。
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3.0裸エプロンの店長の周りで、事件&アクシデントが勃発!? どっこい商店街の外れの海月(くらげ)ベーカリーで、アルバイトを始めた漫画家志望のマスミ。寝坊と勘違いしていつもより早く出社してしまった朝、固く閉ざされていた厨房の中で、店長の蘭子が裸でパンを焼いていることを知ってしまった――!! 魚を使った調理パンをめぐる魚屋との料理バトルや、夏祭りに現れたはだかの変質者、夏休みのパン作り教室での大ピンチなどなど、蘭子とマスミの周りはトラブルだらけ! パン屋でアルバイトを続けるマスミの漫画家への夢は? そして明らかになる蘭子の裸のヒミツとは!? ちょっぴりエッチでしみじみ美味しい、ハートウォーミングコメディ!【目次】■第一話 ひみつのパン屋さん■第二話 パン屋さんと商店街の愉快な人々■第三話 祭りだ、わっしょい、パン屋さん■第四話 真夏の夜のパン屋さん■第五話 それゆけ、はだかのパン屋さん■エピローグ
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3.5きっと見つかる、大切なもの。 実業之日本社文庫GROW誕生! 第2弾 『あの日の交換日記』『十の輪をくぐる』で話題の著者最新文庫! 入部条件は「初恋未経験」 恋の悩み×謎 解決しちゃいます!? 私立向日葵高校で帰宅部生活を謳歌していた高二にして「初恋未経験」のハル。初めて恋をすることを目指して「初恋部」を設立すると、自分以外にいないと思われた入部条件をクリアする希望者が次々と現れてしまう。まずは四人で始まった活動だったが出会うのは運命の人ではなく校内で起こる奇妙な謎ばかりで……。(『ヒマワリ高校初恋部!』改題) ≪contents≫ プロローグ 1時間目 恋は盲目と言うけれど 2時間目 幽霊だって恋をする 3時間目 古典は恋の入門書 4時間目 嗅ぎ分けて恋 エピローグ ≪初恋部部員≫ 〇ハル(東風晴香) 帰宅部が校則で禁止になったため、「初恋部」を設立した部長。 イケメンにトラウマがあるため、初恋未経験。 〇なっちゃん(葛西菜摘) 元サッカー女子県代表の、運動神経抜女子。 自分以上にかっこいい男子に出会えず、初恋未経験。 〇アキ姉(長南千晶) 眼鏡をかけた優等生で、日本史が大好きな歴女。 歴史上の人物以上に教養のある男性に出会えず、初恋未経験。 〇ふゆりん(北海芙由子) 学年一可愛く、ふわふわとした雰囲気の美少女。 信じられないほどモテるのだが人を好きになれず、初恋未経験。 カバーイラスト/あすぱら
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-わたしはね、特別にいやらしいの―― 発情してて何が悪いの? 名門大学の極悪サークルで 罠にはまった女、復讐と復活 わたし、イベサーの姫でした。 堕ちる女たちの物語―― 東京の女子大に入学した地方出身の伊万里と小春。 ふたりは一流私大のサークル〈グッド・ドリームス〉の イベントに参加するが、罠にはめられてしまう。 ブラックサークルによって破壊された学生生活。 中退後、伊万里は博多のソープランドへ、 心を壊した小春は療養生活を送る。 伊万里の心の中では復讐心が燃え上がり……。 官能エンターテインメントの傑作! 【目次】 第一章 グッド・ドリームス 第二章 断末魔 第三章 一枚の写真 第四章 他人の顔 第五章 闇にうごめく 第六章 冬の旅 第七章 ああ無常 第八章 身も心も 第九章 初情
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4.2春爛漫 桜の名所・飛鳥山で お江戸と京のお茶対決!? 人情満開! 〈眠り〉と心に効く しみじみ時代小説! 桜の宴の目玉イベントは 京とお江戸のお茶対決!? 今年も飛鳥山に花見の季節がやってきた。滝野川の高級料亭・桜屋で奉公修業を始めることになった茶問屋の娘・藍(あい)。慣れない女中仕事に四苦八苦するかたわら、店を盛り上げる桜の宴の催しを考えるよう、やり手商売人の万屋(よろずや)一心(いっしん)から命じられる。そんななか、朝寝坊する御用聞きや占い師など、眠れない悩みを抱える人々が次々と店に現れて……。 目次 第一章 宵っ張りの友 第二章 朝寝坊の御用聞き 第三章 ふくよかな占い師 第四章 花見の茶 眠りのうんちくも!――「ぐっすり覚え帖」 その壱 眠りに効く食事とは その弐 朝型と夜型、あなたはどっち? その参 夢の中で未来が視える? その肆 一味違う、宇治茶の魅力!
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3.6キャリアとか、恋とか、結婚とか、子どもとか――30歳の岐路に立つ男女のこたえ探し。学生時代を同じゼミで過ごした裕人と理香子の結婚式に、仲間たちが集まった。かつて横並びだった男女6人は、30歳を迎え、仕事も生活環境もそれぞれ。アパレルメーカーに勤め、気ままな生活を謳歌している鈴子、映画監督を目指し、ハードな日々を送る亮、バツイチで年の離れた彼との恋や結婚に揺れる奈緒、家庭を持ち大学職員として堅実な日々を送る章太郎――。それぞれが、旧友との再会によって自分の生き方を振り返り、仲間の生き方に自分を重ねて未来を見つめる。揺れる世代の瑞々しい感情を、ていねいに描いた連作長編。
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3.0バス旅の謎を 解くのは元刑事の妻!? 大人の〈バス旅ミステリー〉第二弾 父はなぜバスで徘徊するのか? 富士塚を建てたのは誰!? 路線バスは町と町、 人と人をつないでいく 路線バス旅のコーディネイターを始めた「私」は、 客の依頼を受けて共に「小さな旅」をする中で、 いつも町の「小さな謎」に出合ってしまう――。 故人が望んだ墓石の向きはどちらなのか、 ベランダにさらされ続ける布団の意味、 恋人との別れを決意した女子高生は なぜ再び彼に会ってしまうのか、 富士塚を建てたのは誰……。 驚愕し、心温まるバス旅ミステリー。 目次 第一章 バスへ誘う男 第二章 墓石と本尊 第三章 さらされ布団 第四章 二者択一 第五章 榎の恩徳 第六章 焼べられぬ薪 第七章 築山と信仰 第八章 目的地 終 章 解説 西上心太
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4.5きっと見つかる、大切なもの。 実業之日本社文庫GROW誕生!第1弾 最高に切なく温かい奇跡! 沖田円、渾身の物語! この感動、心に突き刺さり号泣! 人生で大切な全てがここに。 心に沁みる、涙と希望の物語! ある町の片隅に、少女のような風貌の魔法使い・翠(すい)が営む『雲雀坂魔法店』がある。その店を訪れるのは、人知れぬ悲しみや孤独、後悔を抱えた人々。幼馴染との関係に苦しむ女子中学生、余命わずかの画家、物語が書けない小説家……。翠は、彼女らの心の奥底に眠る「真実」を感じ取り、希望へと繋ごうとするが――。読むたびに涙あふれる珠玉のストーリー。 【実業之日本社文庫GROWとは?】 GROW=成長。 自分らしく生きることを探し続けるあなたへのエール。 それが「実業之日本社文庫GROW」です。 この1冊が、あなたの心を育て、希望を与えてくれますように。
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3.7満月の夜、<もしもあの時…>を巡る時間旅行へ。 ――それは《後悔》を巡る涙と感動の旅! 「あなたの人生の分岐点はいつですか?」 かりそめの人生リセットで手に入れた予想外な結末とは!? 分岐駅まほろし――それは満月の夜にだけ現れるという不思議な駅。 過去に《後悔》を抱えた者たちが行き着く場所だとか。 「もしもあの日、あの時、今とは違う生き方を選んでいたら……」 <人生の分岐点>へと巻き戻り、選択することのなかったもう一方の人生を辿る訳アリな男女。 やがて彼らは、本当に大切なものに気づいて……。 涙腺崩壊の感動ファンタジー、待望の文庫化。 ヒューマニズムの名匠・清水晴木が《後悔》を抱えたすべての人に贈る奇跡のストーリー! これは素晴らしき人生の物語。 ――この1冊を読めば、明日から前を向いて生きる勇気が生まれるはず!
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4.0「なんて美しくて ロマンチックな小説なんだろう」 ――小説家・中村航さんも感動!絶賛! 人気作家・いぬじゅんが贈る、不朽の名作! 愛を見つけに深夜特急は北へ。 終着駅で待っていたのは……!? 「嘘、でしょう?」 神戸に住む琴葉がある朝出社すると会社は倒産。 札幌にいる遠距離恋愛中の恋人・海斗に電話し不安をぶつけるが、彼の反応はなぜか歯切れが悪い。 見え隠れする元カノの影。 悩んだ琴葉は、衝動的に深夜特急に乗り、彼に会いに行くが……。 車中、訳アリな面々との出会いが、彼女の心を変えていく。 心揺さぶる結末が待つハートウォーミングストーリー! この物語は、2014年11月に公募された「otoCoto presents OtoBon ソングノベルズ大賞 ~音楽を感じる小説~ DREAMS COME TRUE編」の入選受賞作。 大のドリカム好き著者が、『LAT.43°N ~forty-three degrees north latitude~』(北緯43度)という楽曲を元に書きあげた小説。 そして今、7年の時を経て、新たなエピソードや登場人物を含めて書き直され、感涙必至の物語に生まれ変わった! それはまさに愛と優しさに満ちた、最高にヒューマンなエンターテインメント! 人生に勇気をくれる1冊!
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3.4人生の闇と光を炙り出す。桜木ワールドを凝縮した傑作 奔放な実母・咲子とも、二度目の結婚で産んだ娘・やや子とも生き別れた塚本千春という女。 昭和から平成へと移りゆく時代、血縁にとらわれず、北の大地をさすらう千春は、やがて現代詩の賞を受け、作家を夢見るが……。 千春の数奇な生と性、関わる人々が抱えた闇と光を、研ぎ澄まされた筆致で炙り出す珠玉の九編。直木賞作家・桜木紫乃の真骨頂! 新井見枝香さん(エッセイスト・踊り子)激賞! 「桜木紫乃は、その小説にどうしても必要な言葉しか残さない。だから私は、一言一句漏らすまいと、かじり付くようにして読む。」
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4.0人間いつかは…のために、遺言の書き方教えます! 小さなプランニング会社・弥生プランニングに務める新米社員の川内美月は「遺言ツアー」なる旅行企画を思いつきで提案する。ダメ元と思いきやすんなり実現の運びとなるが、神奈川・湯河原温泉の旅館「荻野屋」で始まった二泊三日のセミナーは個性派ぞろいの参加者たちに振り回されどおし。やがて、それぞれの人生へふれていくことで、美月は遺言を書くことの本当の意味に気づかされていくが、思いもかけぬトラブルが待ち構えて……笑いと涙のハートウォーミングな「終活」ストーリー。「遺言」と聞いて、「いずれ…」「関係ない…」「先のこと…」と考えてるあなた、必読です! 大ヒット『限界集落株式会社』著者が贈るハートフルストーリー! 「2泊3日遺言ツアー」改題。(解説/青木千恵)
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4.01972年9月8日。札幌の同じ病院で生まれた「ぼく」蒲生栄人と「おれ」仁村拓郎。ふたりは毎日〈スイッチ〉を押し、ちいさな選択を繰り返して、進学、恋愛、就職、結婚と、人生の地図を描いてきたが……。 40歳の男ふたりが辿った交わりそうで交わらない(!?)道筋を、昭和から平成へ移りゆく世相と絡め、巧みな筆致で紡ぎ出す。山本周五郎賞作家の珠玉作。(『地図とスイッチ』改題) 解説/大森 望 「ぼくがイメージするスイッチは鉄道でいうと分岐器だ。ターンアウトスイッチ。線路を分岐させ、電車の進む道を選ぶシステム。つまりスイッチを押すとは、ぼくがどの道筋を進むか決めること。それを繰り返して、自分だけの地図ができる。」(本文より)
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3.8メジャーリーグベースボール(MLB)のナショナル・リーグに所属するニューヨーク・メッツは、低迷が続いていた。テコ入れのため、ゼネラルマネージャー(GM)に、日本人の高岡脩二が大抜擢される。39歳の彼はそれまで、メジャーの数チームで編成を担当しており、その手腕をかわれて、日本人で初めてGMに起用されたのだ。「勝つ野球」のため、高岡は大胆なトレードを敢行。出塁率を重視する“スモール・ベースボール”で好発進したメッツを迎え撃つのは、高岡のかつての師で、アトランタ・ブレーブスの老練GM、70歳になるアーノルド・ウィーバーだった。グラウンドの裏側で組織(チーム)を率いる対照的な二人のBOSS。その熱い駆け引きの行方は? 日本人初のGMによるメジャー制覇は実現するのか――。野球小説であると同時に、様々なビジネスシーンで応用可能なリーダー論としても堪能できる傑作長編!
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3.6甲子園をめざす少年たちの熱い夏――高校野球小説アンソロジー! 都大会で対戦することになった甲子園本命校のエース・優一と颯太は幼馴染みで、かつてバッテリーを組んだ間柄だったが……(朝倉宏景「絶対的最後」)。高3の夏、野球強豪校で「補欠」の僕に訪れた驚くべきチャンスとは!? (早見和真「あの日、監督がうなずいていれば、僕は―-」)。“聖地”甲子園を目指し、切磋琢磨する球児たちの汗、涙、そして笑顔。野球を愛する人気作家8名が個性あふれる筆致で紡ぎ出す、小説6編、エッセイ2編。【収録作品(掲載順)】あさのあつこ「梅里駅前商店街の熱い風」/朝倉宏景/「絶対的最後」荻原宏/「わが家の高校球児」早見和真/「あの日、監督がうなずいていれば、僕は――」東川篤哉/「カープレッドより真っ赤な嘘」宮下奈都/「空くじなしの宝くじ」額賀澪/「肩車の権利」須賀しのぶ「甲子園に帰る」
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4.0きっと見つかる、大切なもの。 実業之日本社文庫GROW誕生!第1弾 愛と涙の青春の果てに―― 誰も知らない衝撃の奇跡。 第1回令和小説大賞選考委員特別賞受賞!! 目的は甲子園で負けること!? その裏に潜む驚愕の真実とは…… 甲子園の決勝戦。野球部のエースでピッチャーの筧啓人(かけいひろと)は失投からホームランを打たれ負けてしまう。だが、その見返りに彼は1000万円を手に入れていた! 不可解な失投を問いただしたキャッチャーの矢久原純平(やくはらじゅんぺい)は、啓人に怪しげな店へ連れて行かれる。啓人の目的は、とある「人間」を買いに来ることだった……!? 第1回令和小説大賞で選考委員特別賞受賞の超感動作! 【実業之日本社文庫GROWとは?】 GROW=成長。 自分らしく生きることを探し続けるあなたへのエール。 それが「実業之日本社文庫GROW」です。 この1冊が、あなたの心を育て、希望を与えてくれますように。
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3.9世界は「優しい奇跡」に満ちている――。 癒やしと幻想の名手・村山早紀が描く5つの物語。 本屋大賞ノミネート作家の最高傑作! 失恋したての青年、亡き祖父を想う少女、行き詰まったイヤミス作家、不器用な本好きの少年、未来が不安な女性ライター…… 昭和から令和まで時代を越え、街の片隅で暮らす人々のそれぞれの心の傷が、優しい魔法で癒やされていく。 ささやかな出会いと別れの中、心に寄り添い、そっと明かりを灯す奇跡たち。 荒涼とした時代に、あなたの心へ、今、いちばん届けたい希望の物語。 これは、村山早紀史上、最愛の祈り―― 誰かのための真摯な祈りが「優しい奇跡」を連れてくる。 愛に包まれた全5話、珠玉の短編集!
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3.3※本作品は 2011年12月2日~2014年9月30日まで販売しておりました新書版『ミス・ジャッジ』の文庫版となります。 本編内容は同じとなりますので予めご了承下さい。既に同作品をご購入されているお客様におかれましてはご注意下さい。 スポーツ小説の旗手が贈る、野球小説の金字塔! たった1球の判定が、野球人生を狂わせてゆく――ボストンレッドソックスの先発投手として、メジャーデビューを果たした橘。暗い過去を秘めた日本人初のMLBアンパイア竹本。高校・大学時代の確執を引きずるふたりの人生が、大リーグを舞台に再び交錯する。たった1球の判定が明暗を分ける熾烈な世界で、因縁の闘いに決着はつくか――強烈な自負心と深い孤独を抱えた男たちのドラマを描く、傑作野球エンターテインメント!
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4.0大スランプ中の小説家・吉岡真紀(ペンネーム水沢玲)は、実家近所のマンションに引っ越し早々、隣家の女・若田が発する騒音に襲われた。 若田は早朝にもかかわらず、ベランダに干した布団を激しく叩きつけ、轟音を撒き散らすのだった。真紀の苦情を物ともせず“音”はエスカレート。 執筆はいっこうにはかどらず、夫や幼稚園に通う5歳の娘との関係も悪化する一方。 心の平穏を失った真紀は隣人とのいざこざを小説に書いて反撃に出ることに。 その作品「ミセス・ノイズィ」は評判を呼ぶが、やがてSNSで炎上、二人の女の運命を狂わせる大事件へと発展して……。 2019年秋、東京国際映画祭・スプラッシュ部門のワールドプレミアで大反響、劇場公開が熱望されながら、 コロナ禍で公開が延期となっていた話題の映画作品を監督自らが小説として書き下ろした、衝撃の一作です!
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4.5人生の交差点に立ったとき、 伝説の空色タクシーは現れる。 もしも「あの時」に戻れたら、 誰に、何を、伝えますか―― とめどなく、泣いて、泣いて、泣く! 切なく温かな人間ドラマに、感動の涙が止まらない! その変哲もない黒タクシーは、辛い過去を抱える者にだけ「空色」に見えるという。 ドライバーの四井創空(よつい そら)は、そんな不思議なタクシーで彼らを「目的地」へと連れて行く。 ――それは、時空を超えた「乗客の後悔が残る場所」。 「あの時」に時間を巻き戻して、大切な人へ伝えたい言葉がある。 果たして人生の岐路に立つ乗客たちは、降車先で誰と会い、何を得て、未来への一歩を踏み出すのか。 癒しのヒューマンファンタジーの名手・いぬじゅんが、人生を旅するあなたへ捧げる、極上の感涙作品!
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4.3きっと見つかる、大切なもの。 ――実業之日本社文庫GROW誕生! 第3弾! たった三日であなたを忘れる。 それはあなたを殺すのと同じ。 だから…… 「絶対に忘れない」 ――それは命より大切な約束。 過去を失った少女と、未来に失望した青年。 ふたりの出会いが奇跡を起こす! 松崎颯真は傷心の旅先で、高校生の岬陽菜穂と出会う。 ふたりは互いにほのかな恋心を抱くが、ある日再会した陽菜穂は、颯真に関する一切の記憶を失っていた。 それは悲しい過去の後遺症によるもので、彼女はどんなに大切な相手でも、三日会わずにいただけで忘れ去ってしまう宿命を背負っていた。 苦悩の果て、ふたりは――。 衝撃のラストは号泣必至! 愛と絆の物語! ――読後、このタイトルとカバーに描かれた情景の意味を知り、切なさに誰もがきっと涙してしまう!
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3.9どうして伝わらないのだろう。こんなに近くにいるのに。2013年夏、大学三年生の金田知英は、友人と夏休みに海外旅行へ行くため、パスポートを取得した。自身が在日韓国人であることは知っていたが、「韓国人であること」を意識しないように育てられた知英は、パスポートの色を見て、改めて自分の国籍を意識した。知英の友人でK-POPが大好きな梓、新大久保のカフェで働く韓国人留学生のジュンミン、ヘイトスピーチに憤り抗議活動に目覚める地方在住の良美、日本に帰化をしたのち韓国で学ぶことを選んだ龍平、そして知英。自分は「なにじん」なのか、自分の居場所はどこにあるのか、隣にいる人とわかり合えないのはなぜなのか。ふたつの国で揺れる知英の葛藤と再生を中心に、五人の男女が悩みながらも立ち上がる姿を描く傑作長編。 「馴染まない。生まれて初めて手にするパスポート。赤や紺ではない、濃い緑色。表には、まったく読めないハングル文字。英語で、REPUBLIC OF KOREAとも書かれている。ページを開くと、まぎれもない自分の顔がそこにあった」――(本文より)
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3.9ひと振りの香水で 明日のわたし、もっと輝く! ベストセラー『翼の翼』『君たちは今が世界』で大躍進の著者がすべての女性に贈るエール。 食品会社同期でワーキングマザーの菜々と愛美。アロマデザイナーに転身した元同期の麻衣。 菜々たちと同い歳の派遣社員・彩子。 働くスタイルや活躍の場が異なる四人のアラサー女性は、新型肺炎が蔓延し、混沌とした時代の波に揉まれ、変化を余儀なくされる。 焦りや不安、重圧のなかで、彼女たちが拠りどころにしたものとは!? 「香水は、使われている成分の揮発性に細かい差があり、時間とともに香り方が変化してゆく。 肌につけた時、最初の数分の香りをトップノートというそうで、 次にくるのがミドルノート、その先にラストノートと呼ばれる香りがあって、 最後の香りがずっと続く(中略)とはいえ、ミドルノートも、ラストノートの手前の大事な香りです。 強く香ることも多いので、やっぱりミドルノートがその香水の中心っていうか、 わたしはミドルノートを基準に香水を選ぶことが多いかなって感じがします。」(本文より) 社会人同期として、同じスタート地点(トップノート)から歩み始めたのに、 結婚、出産、昇進、転職など、それぞれが別々の道を進んでいる―― 人生の「ミドルノート」で試行錯誤する女性たちは、この先どこへ向かうのか。
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3.9親友、恋人、父や母…… 二度と会えないあの人に、 もう一度だけ会えるとしたら。 ――あなたは、夕焼け列車の奇跡を信じますか? 切なくも温かい「最後の再会の物語」。 静岡県は浜名湖に臨む静かな無人駅。 そこには、不思議な伝説があった。 「会いたい」――雲ひとつない快晴の日、オレンジ色に染まる夕焼けの中、ベンチに座り、二度と会えるはずのない故人との再会を強く願えば、やがて到着した列車から愛するその人が降りてきて……!? 書店員さん大絶賛作、新たに書き下ろし一篇を加えて待望の文庫化! 奇跡のストーリーに、心の奥深くから熱い涙が溢れ出す! 泣けるヒューマンファンタジーの名手・いぬじゅんが贈る、激泣必至の1冊!
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3.8京おんなのエロスは業が深い――『女の庭』で話題騒然の団鬼六賞作家が贈る、現代版・愛欲の「平家物語」。京都にある平家物語ゆかりの小さな寺には、参拝客が想いを綴るノート「忘れな草」があった。悲しみを抱えて、ひとり訪れた女たちは、誰にも言えない秘密を書き残す。結婚前につきあっていた男との営みが忘れられない女(第一話 そこびえ――祇園女御塚)、年下の男とのフェティシュなセックスに溺れる女(第二話 滝口入道――滝口寺)、仲が良いはずの夫から突然離婚を切り出された女(第三話 想夫恋――清閑寺)、愛人の座を奪われ孤独に生きる女(第四話 萌えいづる――祇王寺)、子どもを亡くし離縁した夫と身体を重ねる女(第五話 忘れな草――長楽寺)……濃厚なエロスと、深い悲しみが心身に刻まれた女性たちの運命のゆくえを、古都を舞台に抒情豊かに描く、感動の官能小説。
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3.6モノレールに乗る人、モノレールを支える人。一本のレールがつなぐ人間ドラマを、お仕事小説の名手が、あたたかい筆致で描き出す。 2024年に開業60周年を迎えた「東京モノレール」を舞台に描く、日本初「モノレール小説」出発進行! 【本書の目次】 *清藤澄奈 三十五歳 総務部 *梅崎初巳 三十歳 運輸部、乗務区乗務員 *水村波衣 二十五歳 営業部、駅社員 *杉本滋利 四十歳 技術部、施設区線路 *『東京モノライフ』 *あとがき *おまけ 【著者メッセージ】 東京モノレールさんはおもしろいなと、前から思っていました。浜松町から羽田空港までモノレールを走らせる会社。 とてもわかりやすいです。でもそのなかには、運転士のかたがいて、駅員のかたがいて、保守のかたがいて、総務のかたがいるはずです。 その全員を書きたいなと、あらためて思いました。 ちょっとお話を聞かせてもらえたらうれしいんだけどなぁ。 東京モノレールさん。予想を遥かに超えてきました。神対応というものがもしあるなら、まさにそれでした。 望んだ人全員のお話を聞かせていただくことができ、望んだ以上のものを見せていただくことができました。 (本書「あとがき」より) カバーイラストレーション/古屋智子
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4.0少女は「かいぶつ」だった。 呪いが解けるその日までは。 繰り返される別離と出逢い、拒絶と絶望の果て、 やがて少女は「小さな幸福」に救われ、森を出て、大人になる。 毒親に翻弄される少女に、生きる理由と居場所を与えたのは……!? 切なく哀しく心温まる、究極の愛の物語に涙が止まらない! 「自分は他の人と違う『かいぶつ』だから愛されない」 ――幼い頃、藤村優を取り巻く世界は狭く冷たかった。 我が子に歪んだ感情を向ける母、家に寄りつかず妻子に関心のない父。 両親はやがて優を捨て、彼女は伯母・登季子のもとに身を寄せる。 偏屈な魔女めいた登季子と飼い猫・ランとの共同生活は坦々とと穏やかで、しかし愛に満ちていた……。 感涙の少女成長譚!! 胸に迫る物語に、泣かずにはいられない!!
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3.7人気女性誌「Fame」副編集長の七瀬和美は37歳。共働きで子育てをしながら、実質的な編集長として部員をリードしてきたが、リニューアルをめぐって社の上層部に嫌われ、「新雑誌準備室」という名の閑職へ追いやられる。理不尽な仕打ちに加え、学校では娘をめぐるトラブルも発生。退社するかどうか悩む和美だったが、「働いてるママが好き」という娘の言葉に触発され、ある大きな「挑戦」をはじめる――。馴れ合いだらけの男社会に「カツ」を入れる、痛快なお仕事エンターテインメント! シリーズ3作の累計が25万部を超える大ヒット作になった『書店ガール』の「原点」ともいうべきデビュー長編! すべての働く女性必読の一冊です。
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4.2※本作品は 2011年12月2日~2014年9月30日まで販売しておりました単行本版『ラストダンス』の文庫版となります。 本編内容は同じとなりますので予めご了承下さい。既に同作品をご購入されているお客様におかれましてはご注意下さい。 プロ野球<スターズ>の同期、真田誠と樋口孝明。その野球人生は常に対照的だった。ドラフト2位で即戦力と期待された樋口はついにレギュラーを奪えず、真田はドラフト5位から球界を代表するスター選手へとのし上がる。そして今季、球界最年長・40歳の二人に引き際が訪れた。二軍監督要請という形で引退勧告を受けた樋口に対し、真田はシーズン半ばで突然引退会見を行う。ところが引退宣言以降の登板で真田は連勝、低迷していたチームも優勝争いにからむ快進撃を始めた。シーズン終盤、正捕手の負傷で一軍に昇格した樋口が、17年ぶりに真田とバッテリーを組む日が到来して……。予想外に展開する引退ドラマを濃密に描く感動作!